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健康運動指導士科目模擬試験復習

健康づくり運動の理論の板書

講義動画で板書した内容を、全文そのまま置いています。動画を見ながら書き写す必要はありません。必要なところだけ読んでください。

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各節の時刻(00:00)を押すと、動画のその場面から再生されます。

第6章「健康づくり運動の理論」

この章は「なぜ効くのか」の側です。トレーニングの原理と原則、強度の表し方、筋と持久力の適応、対象ごとの特性までを扱います。章ごとの出題数も章ごとの分量も公表された数字がないので、重さの目安は示していません。

①原理と原則4節

00:26原理と原則

原理は「からだの法則」、原則は「指導の約束」

  • 三原理=過負荷・可逆性・特異性。満たさないと適応が起こらない
  • 五原則=全面性・個別性・意識性・漸進性・反復性。漸進性は原則
  • 三原理:過負荷(オーバーロード)/可逆性/特異性—満たさなければ適応そのものが起こらない
  • 五原則:全面性/個別性/意識性/漸進性/反復性(継続性)—指導のしかたの約束
  • 漸進性・全面性・意識性は原則。原理に混ぜない
  • 教科書によって原理・原則の振り分けが異なる場合がある。本章は三原理=過負荷・可逆性・特異性/五原則=全面性・個別性・意識性・漸進性・反復性という、最も一般的な整理に拠る
00:47過負荷

負荷と回復は、ひと組で効く

  • 過負荷=日常で受けている以上の負荷でないと、適応が起こらない
  • 負荷と回復はひと組。落ちたあと回復する過程で前より高い水準へ(超回復の考え方)
  • だから負荷だけ積んでも上がらない。同一部位は間隔をあけて週2〜3回
  • 同じ負荷を続けると、それが日常になる。→だから漸進性が要る
  • 過負荷の原理の定義は「日常生活で受けている以上の負荷でなければ適応が起こらない」こと。「一時的に機能が落ちる」は定義に含まれない
  • 超回復(負荷で一時的に機能が落ち、回復の過程で前より高い水準へ向かう)は説明モデルとして広く使われるが、原理の定義そのものではない
  • 同一部位の頻度は、回復のために間隔をあけて週2〜3回程度
01:35可逆性と特異性

やめれば戻る。やった内容しか変わらない

  • 可逆性=やめれば徐々に失われる。持久力も、筋力・筋量も落ちる
  • 失う速さは、獲得に要した期間とは別。もっと短い期間で進むこともある
  • 特異性=かけた刺激に応じた適応しか起こらない。鍛えるものと測るものを合わせる
  • 等尺性(アイソメトリック)トレーニングにも効果はあるが、ほかの動作・ほかの関節角度への転移は小さく、鍛えた角度に偏りやすい。「効果がない」ではなく「転移が限られる」と理解する
  • だから、動きを伴う場面の持久力は、動きを伴う運動で養う必要がある

原理は適応の条件、原則は指導の条件

  • 三原理(からだの側の法則):過負荷=日常以上でないと適応が起こらない/可逆性=やめれば徐々に失われる/特異性=かけた刺激に応じた適応しか起こらない
  • 五原則(指導の側の約束):全面性=偏らず全身/個別性=体力と目的に合わせる/意識性=意義を理解する/漸進性=段階的に上げる/反復性=続けてこそ
  • 混ざりやすい組み合わせ:「漸進性・反復性・全面性」「全面性・個別性・意識性」はどちらも五原則の項目で、原理ではない
  • 「過負荷・漸進性・意識性」は、原理(過負荷)と原則(漸進性・意識性)が混ざった組み合わせ。過負荷そのものは三原理の1つ
動画でこの図を見る(02:12)

②絶対と相対2節

02:25絶対と相対

メッツは絶対、パーセントは相対

  • メッツ=安静座位時の酸素摂取量を1とした倍数。絶対的な強度
  • 同じ3メッツでも、体力が低い人にはきつく、高い人には楽になる
  • 最大酸素摂取量に対する割合は相対的な強度。メッツが相対は誤り
  • 中強度=3〜6メッツ(3メッツ未満は低強度、6メッツ以上は高強度)
  • 厚生労働省の表記は「安静座位時を1メッツとし、その何倍のエネルギーを消費するか」。酸素摂取量でいえば1メッツ≒3.5 mL/kg/分にあたる
  • 絶対強度=メッツ(人によらず決まる)/相対強度=最大酸素摂取量に対する割合・心拍予備能に対する割合(その人の体力が基準)
  • 強度の区分(絶対強度):低強度=3メッツ未満/中強度=3〜6メッツ/高強度=6メッツ以上とされる。ふつうの速さの歩行がおよそ3メッツで、中強度の下の端にあたる
  • 間違えやすいところ: ガイド2023が推奨量の単位にしているのは「3メッツ以上の身体活動」。『中強度=3〜6メッツ』という区分そのものは身体活動基準2013の強度分類に拠る
出典
03:05相対で見る道具

心拍とRPE。使えなくなる条件まで覚える

  • カルボーネン法=(最大心拍数−安静時心拍数)×強度+安静時心拍数
  • 主観的運動強度(RPE)は主観を数値化したもの。客観的な測定値ではない
  • β遮断薬などでは年齢からの推定が成り立たない→RPEを併用
  • カルボーネン法:目標心拍数=(最大心拍数−安静時心拍数)×強度+安静時心拍数。最大心拍数−安静時心拍数が心拍予備能
  • 年齢からの最大心拍数の推定は220−年齢。220+年齢ではない
  • 主観的運動強度(RPE)は本人の主観を数値化したもの。客観的な測定値ではない
  • 間違えやすいところ: β遮断薬などの降圧薬で心拍数が抑えられている人では、「年齢から推定した最大心拍数をもとにした設定」が成り立たない。心拍数そのものが使えなくなるわけではなく、実測の負荷試験で得た心拍数であれば使える(第3章と同じ扱い)
  • この場合は主観的運動強度(RPE)を軸にして心拍数と併用する(第11章と同じ語)。JCS2021はβ遮断薬の投与例にも「安静時心拍数+20/分」のような心拍数ベースの簡便法を示しており、「心拍数は指標にならない」とは言わない
出典
  • 出典:日本循環器学会/日本心臓リハビリテーション学会ほか「2021年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」(運動強度の簡便な設定法)/薬の影響の扱いは第11章

③狙いと条件4節

03:52狙いと条件

狙う能力が変わると、条件が入れ替わる

  • 筋肥大(筋量)中心=1RMの70〜85%・8〜12回(一般的な目安)
  • 筋持久力=低負荷・高回数・短い休息。筋力は高負荷・低回数・長い休息
  • 導入期はもっと低い負荷から段階的に。回数だけ増やすは過負荷を満たさない
  • 1RMの70〜85%・8〜12回は筋肥大(筋量)側の目安。最大筋力そのものを狙う場合は、初心者〜中級者で1RMの60〜70%、上級者で80〜100%とされる
出典
  • 出典:ACSM Position Stand「Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults」(2009)

狙いごとに、負荷・回数・休息が決まっている

  • 筋肥大(筋量)中心:1RMの70〜85%/8〜12回/休息は長め(一般的な目安)
  • 筋持久力:比較的低い負荷/回数を多く/休息は短く
  • 健康づくりの導入期:より低い負荷から段階的に/同一部位は週2〜3回
  • 負荷の大きさを問わず「疲労を感じない範囲で回数だけ増やす」のは過負荷を満たさない
  • 1RMの70〜85%・8〜12回は筋肥大(筋量)側の目安。最大筋力そのものを狙う場合は、初心者〜中級者で1RMの60〜70%、上級者で80〜100%とされる
動画でこの図を見る(04:30)
出典
  • 出典:ACSM Position Stand「Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults」(2009)
04:42太さと速さ

筋は1本が太くなる。パワーには速さが入る

  • 筋肥大=筋線維1本1本が太くなるのが主体。本数は大きく増えない
  • 筋パワー=力×速度。最大筋力が同じでも、速く出せるかで変わる
  • 最大の力=筋力/反復できる回数=筋持久力/動く範囲=柔軟性。別の要素
  • 最大筋力は筋の横断面積とよく対応する(人と人を比べたときの対応)
  • ただし同じ人を追っていくと、トレーニング初期は神経系の適応(動員される運動単位の増加・発火頻度の上昇・協調の改善)が先行し、筋力の伸びが断面積の増加を上回る。初期の筋力向上を筋肥大だけで説明しない
05:17この区間の数字

覚える数字は、この3つ

  • 筋肥大の負荷

    70〜85%1RM

  • 反復できる回数

    8〜12回

  • 同一部位の頻度

    2〜3回/週

  • 筋肥大(筋量)を主な目的とする負荷は1RMの70〜85%程度、回数は8〜12回程度(トレーニング科学の一般的な目安)。最大筋力そのものを狙う場合は、初心者〜中級者で60〜70%、上級者で80〜100%とされる(ACSM 2009)
  • 同一部位の頻度は、回復のために間隔をあけて週2〜3回程度(ACSMの整理)
  • ガイド2023の推奨事項は「筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨する」=実施日数のこと。「同一部位を週2〜3回」とは別の話で、頻度の目安が結果として揃う
出典
  • 出典:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)推奨事項(成人)/ACSM Position Stand「Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults」(2009)

④持久力の適応2節

05:39持久力の適応

決めているのは肺ではなく、送り出す力

  • 最大酸素摂取量を主に決めるのは心拍出量を中心とした酸素運搬能力
  • 換気能力は健常者では制限要因になりにくい。安静時の値も最大時を表さない
  • 伸びる主因は一回拍出量の増加。筋ではミトコンドリアと毛細血管が増える
  • 最大酸素摂取量を規定する主な要因は、心拍出量(一回拍出量×心拍数)を中心とした酸素運搬能力
  • 健常者では換気能力(肺活量など)は制限要因になりにくい。安静時の呼吸数・肺活量は最大運動時の能力を表さない
  • トレーニングによる向上の主因は一回拍出量の増加。筋側ではミトコンドリアの数と大きさ、毛細血管密度が増える
出典
  • 出典:最大酸素摂取量の規定因子と持久性トレーニングの適応は運動生理学の一般的な教科書レベルの知識
06:12ウォームアップ

本体は「温めること」

  • 筋温が上がる→収縮と弛緩が速くなる/酸素が渡りやすい/可動域が広がる
  • 寒い日ほど時間をかけて温める。安静まで下げる/疲労させる/冷やすは逆
  • 筋温が上がる→筋の収縮と弛緩が速くなる/酸素がヘモグロビンから組織へ渡りやすくなる/関節可動域が広がる→傷害の予防にもつながるとされる
  • 筋温が上がる生理的な変化は確立しているが、ウォームアップ単独の傷害予防効果については研究の結果が一様ではない。「ウォームアップをすれば傷害のリスクが下がる」とまでは言えない
  • 心拍数と循環は段階的に高める。安静時の水準まで下げてから主運動に入るのではない
  • 主運動の前に最大強度で疲労させる・筋温を下げて代謝を抑える、はいずれも目的と逆

⑤こども5節

06:39こども

神経は早く、骨はまだ途中

  • スキャモン:神経型は学童期までに急速/一般型S字/生殖型は思春期以降
  • リンパ型は学童期に成人水準を大きく超え、思春期以降に戻る
  • 骨端線が閉じていない→同一部位への反復負荷を避ける。強度より総量と休養
  • スキャモンの発育曲線:神経型=乳幼児期から学童期に急速/一般型=S字/生殖型=思春期以降に急激/リンパ型=学童期にいったん成人の水準を大きく超え、思春期以降に低下して戻る
  • 成長期は骨端線(成長軟骨)が閉じていないため、同一部位への過度な反復負荷は骨端症につながる(オスグッド病など)
  • 管理するのは強度より総量と休養。早期の一種目への専門化は負荷が偏り、多様な動きの獲得も逃す
  • 痛みが続く・特定の部位に限って痛むときは、運動を続けさせずに整形外科につなぐ。骨端症かどうかの判断は医師に委ねる
07:16女性

差の多くは、体組成の差

  • 絶対値では筋力・最大酸素摂取量が低いが、除脂肪量あたりでは差が縮まる
  • 起点は食べる量。利用可能エネルギー不足→月経の異常→骨密度の低下
  • 利用可能エネルギー不足→月経の異常→エストロゲンの低下→骨密度の低下。起点は摂取エネルギー量
  • 月経の異常は医療機関につなぐ。指導者の持ち場は食事量と運動量の調整までで、月経や骨密度の評価は医師に委ねる
07:52加齢

下肢と速さから落ちる。でも、伸びる

  • 筋量・筋力の低下は上肢より下肢で早く大きい。速筋線維が優先的に萎縮
  • パワーは筋力より早く落ちる。筋力は落ちてもパワーは保たれるは誤り
  • 高齢でも筋力の向上と筋肥大は生じる。低〜中強度でも回数と頻度で効果が出る
  • 加齢による筋量・筋力の低下は上肢より下肢で早く大きく、筋線維では速筋線維(タイプⅡ)が優先して萎縮する
  • 筋パワー(力×速度)は最大筋力より早く低下する。「筋力は落ちてもパワーは保たれる」は向きが逆
  • 高齢者でもレジスタンス運動による筋力向上と筋肥大は生じる。高強度に限られず、低〜中強度でも回数と頻度を確保すれば効果が得られるとされる
出典
  • 出典:加齢に伴う筋量・筋力・筋パワーの低下と高齢者のトレーニング適応は運動生理学・老年学の一般的な教科書レベルの知識/高齢者の運動の目安は健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
08:29障がいのある人

調整するのは、人ではなく環境

  • 一律のプログラムを当てはめない。残存機能を活かすよう種目・用具・環境を調整
  • 体温調節・感覚の障害・床ずれなどの併存を把握。機会そのものを制限するは誤り
  • 出発点は本人の希望と目的。できないことの確認から始めない
  • 一律のプログラムを当てはめず、残存機能を活かせるよう種目・用具・環境の側を調整する
  • 把握するもの:障がいの種類と程度、体温調節の障害、感覚の障害、褥瘡(床ずれ)のリスクなどの併存
  • 身体活動の不足による二次的な健康問題を受けやすいため、安全を理由に運動の機会そのものを制限しない
  • 出発点は本人の希望と目的。できないことの確認から入らない
出典
  • 出典:障害者のスポーツ・運動指導の原則は障害者スポーツ医学・リハビリテーション医学の一般的な教科書レベルの知識/スポーツ基本法(平成23年法律第78号)第2条は障害者が自主的・主体的にスポーツを行う機会の確保を基本理念に掲げている

対象が変わると、理屈の何が変わるか

  • こども:神経型が早く成人水準へ/骨端線が閉じていない→多様な動きを早い時期に。同一部位の反復負荷と早期の専門化を避ける
  • 女性:絶対値では低いが除脂肪量あたりでは差が縮まる/利用可能エネルギー不足→月経の異常→骨密度の低下→原則は変えず、食事量・月経・骨に目を配る
  • 高齢者:下肢と速筋から落ち、パワーは筋力より早く低下/適応能力は保たれている→下肢と素早さを外さない。低〜中強度でも回数と頻度で効果
  • 障がいのある人:体温調節・感覚の障害・床ずれなどが併存しうる→調整するのは種目・用具・環境。機会そのものを制限しない。出発点は本人の希望と目的
動画でこの図を見る(09:07)
09:18覚えて帰る4つ

この章の要点

  • 原理は3つだけ(過負荷・可逆性・特異性)。残りの5語は原則
  • 強度はどちらの物差しか。メッツは絶対(中強度3〜6)/割合とRPEは相対
  • 伸びるのは使ったところ。筋は1本が太くなる/持久力は運ぶ力が増える
  • 原則は変えず、当てはめ方を変える。こども・女性・高齢者・障がいのある人

読んだら、解いて確かめる

聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。

健康づくり運動の理論を22問で解く

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公式テキストの本文は使っていません。章題とページ数は目次から転記した事実、内容は公的機関の公開資料と教科書水準の一般知識にもとづいています。章ごとの出題数は公表されていません。