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資格のニガテ一問一答
健康運動指導士科目模擬試験復習

運動プログラムの実際の板書

講義動画で板書した内容を、全文そのまま置いています。動画を見ながら書き写す必要はありません。必要なところだけ読んでください。

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各節の時刻(00:00)を押すと、動画のその場面から再生されます。

第11章「運動プログラムの実際」

この章は「対象者に合わせてどう組み立てるか」の側です。組み立ての骨格、確かめる順番、心電図と健診で見るもの、薬との付き合い方、相手ごとの第一手までを扱います。章ごとの出題数も章ごとの分量も公表された数字がないので、重さの目安は示していません。

00:23導入

数で覚えるものは、この3つ

  • 2型糖尿病の有酸素

    150分/週以上

  • 運動しない日

    2日以上続けない

  • 標準12誘導

    6+6四肢+胸部

  • 2型糖尿病の運動療法:中強度の有酸素運動を週150分以上・週3回以上、運動をしない日が2日以上続かないように。レジスタンス運動は連続しない日程で週2〜3回(糖尿病診療ガイドライン2024)
  • 標準12誘導心電図:四肢誘導6(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・aVR・aVL・aVF)+胸部誘導6(V1〜V6)=12誘導。電極は10個で、誘導の数と電極の数は一致しない
  • この章は数よりも「順番」と「向き」で持つ章。数が合わない選択肢はその場で切れる
出典

①何を決めるか4節

00:37何を決めるか

FITTは、4つのどれを動かすかの枠組み

  • F頻度/I強度/T時間/T種類
  • 強度を上げにくい相手なら、頻度と時間で量を確保する
  • 種類は有酸素性運動+レジスタンス運動+柔軟性の運動。高齢者はバランスも
  • 要素ごとに刺激が別(特異性)。日常の動作で補うでは足りない
  • 身体活動・運動ガイド2023の成人の推奨は「強度が3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことを推奨する(1日約8,000歩以上に相当)」と「筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨する」。有酸素性の身体活動と筋力トレーニングが別建てで示されている
  • 「筋力トレーニングを週2〜3日」は実施日数であって、同一部位の頻度ではない
出典
01:14並べ方と入り方

順番は3つ。配分まで含めて覚える

  • ウォームアップ→主運動→クールダウン。備える・狙う・戻す
  • 前後に30分ずつ、主運動は10分は配分が逆。主運動が主役
  • 立ち上げは低い強度・短い時間から。最初から高強度は中断の元
  • ①頻度と時間を確保→②そのあと強度。楽なままでは過負荷でなくなる
01:51目標・見直し・記録

短期の目標は、確かめられる形で置く

  • 最終の目標+達成を確認しやすい短期の目標を段階的に。短期は行動で置く
  • 達成を確認できる形で置く。その場で随時決める/毎回作り直すは逆
  • 見直しは一定期間ごと。材料は測定値と本人の実感の両方
  • 記録は実施内容・反応と訴え・中止や変更の判断とその理由まで

決める4つ、並べる3つ、回す輪

  • 決める4つ(FITT):F頻度/I強度/T時間/T種類。種類は有酸素性運動+レジスタンス運動+柔軟性の運動(高齢者などはバランスも)
  • 並べる3つ:ウォームアップ=備える/主運動=狙う(主役)/クールダウン=戻す。前後に30分ずつかけて主運動を10分に収めるのは配分が逆
  • 回す輪:確認→評価→決定→実施→一定期間ごとの再評価→決定へ戻る
  • 立ち上げの順:①低い強度・短い時間から②頻度と時間を確保③そのあと強度
動画でこの図を見る(02:29)
出典

②2つのチェック4節

02:392つのチェック

「そもそも」と「今日」は、別のチェック

  • メディカルチェックの出口は可否+条件(強度の上限・避ける種目・監視の要否)
  • 当日は睡眠・食事・発熱・前回の疲労。運動を始めてから判断では遅い
  • メディカルチェック

    可否と、安全に実施できる条件を明らかにする

    • 開始前に
    • リスクの見きわめ
  • セルフチェック

    睡眠・食事・発熱や体調の変化・前回の疲労の残り方をたずねる

    • 実施日ごとに
    • その日の可否の判断
  • メディカルチェックの目的:運動に伴う事故のリスクを評価し、運動の可否と、安全に実施できる条件(強度の上限・避ける種目・監視の要否)を明らかにする
  • メディカルチェックの目的でないもの:効果を数値で予測して減量の量と期間を確定する/意欲の低い者を対象から外す/全員に毎月の運動負荷試験を課す
  • 実施日のセルフチェック:睡眠・食事・発熱や体調の変化・前回の運動による疲労の残り方。血圧と体重に前回と差があるという一点だけで中止を決めると、実施の機会を無用に失う
出典
02:59リスク層別化

層別化が決めるのは、強度の上限と監視の水準

  • 確かめるのは①疾病の有無や状態②目的(強度・種類)③普段の身体活動量
  • 層別化そのものは残る。見直されたのは危険因子の数を数える旧来型のほう
  • 出口は強度の上限/監視の要否/医師の評価の要否
  • 運動負荷試験の禁忌と中止基準は第12章
  • 身体活動・運動ガイド2023 p.25「2新たに運動を開始する時の確認事項」逐語:「新たに運動を開始する場合には、①疾病の有無や状態、②実施者が何を行いたいのか・指導者が何を行わせたいのか、③普段の身体活動量(運動を含む)などを踏まえ、運動を開始して問題ないかを判断する必要があります」
  • 同p.25のチェックポイントも「普段の身体活動量・強度(運動を含め)」「何を行いたいのか(強度・種類)・目的」「疾病・症状の状況」の3点で、危険因子の数は入っていない
  • 健康づくりサポートネット(旧e-ヘルスネット)「運動前の健康チェック最近の考え方」逐語:「従来は、①心血管疾患危険因子の数、②症状や症候の有無、既存の心血管疾患・代謝性疾患・腎疾患・呼吸器疾患の有無による層別化に基づいて行われていました。しかし、このスクリーニング方法が必ずしも運動中・運動直後の突然死や急性心筋梗塞のリスクを予測しないこと、擬陽性が多く精密検査のための医療費がかさむこと、人々の運動開始の障壁になっていること、などネガティブな側面があることが変更の理由となっています」
  • 同ページは、アメリカスポーツ医学会の2017年の更新で①現在の運動(身体活動)実施状況②現在の症状や症候、既存の心血管疾患・糖尿病・腎疾患の状況③望ましい身体活動強度の3点が提案されているとしている。危険因子の数を数える層別化は「従来の方法」として扱う
  • 財団が公開している「健康運動指導士養成講習会テキスト学習目標」(令和8年版p.44)の第11章3「メディカルチェックの重要性」個別学習目標には「メディカルチェックの結果からリスク層別化ができる.」がある。層別化という技能そのものは求められている。見直されたのは、危険因子の数を数える旧来型のスクリーニングのほう(出典:https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/pdf/gakusyu_2026.pdf)
  • 開始前の見きわめの出口:運動の強度の上限/医学的な監視の必要性/運動開始前に医師の評価を要するか
  • 運動負荷試験の絶対的禁忌・相対的禁忌と、負荷試験の中止基準は第12章で扱う
  • 間違えやすいところ: 第12章の中止基準は「運動負荷試験中」のもの(収縮期225mmHg以上の異常な上昇など)。このあと出てくる「その場で止める徴候」(ガイド2023 p.26表1)とは別の線で、どちらの話かは「運動負荷試験の」という限定が付いているかで見分ける
出典
03:35その場で止める

胸の痛み・めまいや失神・不釣り合いな息切れ

  • 胸痛/めまいや失神/説明のつかない強い息切れ→中止して医師へ照会
  • 判断は症状と合わせて。軽い筋肉痛/歌えない程度は照会の理由にならない
  • 身体活動・運動ガイド2023 p.26表1「安静時又は活動中における兆候と症状」の8項目:虚血によると思われる胸部、頸部、頭、腕又は他の部位の疼痛・不快感/めまいや失神/起座呼吸や発作性夜間呼吸困難/くるぶしの浮腫/動悸や頬脈(原文ママ)/間欠性跛行/心雑音/通常活動時の異常な疲労感や息切れ。ここで挙げた3つ(胸痛/めまいや失神/説明のつかない強い息切れ)はこのうちの代表的なもので、8項目が3つに限られるわけではない
  • それだけでは照会の理由にならないもの:運動の翌日の軽い筋肉痛/息が弾んで会話はできるが歌えない程度(中強度の目安)
  • 心拍数の上がり方そのものを可否の基準にはしない。JCS2021の運動処方の簡便法は安静時心拍数+30/分(β遮断薬投与例は安静時心拍数+20/分)
出典

開始前・その日・その場・一定期間ごと

  • 開始前(メディカルチェックと運動開始前の確認):①疾病の有無や状態②何を行いたいのか(強度・種類)・目的③普段の身体活動量と強度→運動の可否/強度の上限/監視の要否/医師の評価の要否。判断するのは医師
  • 危険因子の数を数える層別化は従来の方法。ガイド2023 p.25のチェックポイントにも危険因子の数は入っていない
  • その日(セルフチェック):睡眠・食事・発熱や体調の変化・前回の疲労の残り方→予定どおり実施してよいか
  • その場(運動中):胸痛・めまいや失神・説明のつかない強い息切れ→中止して医師へ照会。ガイド2023 p.26表1の8項目のうちの代表的なもの
  • 一定期間ごと(再評価):体力測定と実施の記録→達成の状況と負担感でプログラムを直す
  • 一定期間ごとの再評価の材料は測定値と本人の実感の両方。毎回全項目を測るのは本人の負担になり、日ごとのゆれに内容を合わせることにもなる
動画でこの図を見る(03:56)
出典

③心電図の波形3節

04:07心電図の波形

心電図は、電気の記録。力の記録ではない

  • P波=心房の興奮(脱分極)/QRS波=心室の興奮/T波=心室の再分極
  • 心房の再分極はQRS波に埋もれる。T波=心房の再分極は誤り
  • 記録しているのは心筋の電気的な活動。収縮の強さ・血圧の高さではない
  • P波=心房の興奮(脱分極)/QRS波=心室の興奮/T波=心室の再分極。心房の再分極はQRS波に埋もれて通常は識別できない
  • 入れ替えた言い方に注意:「P波は心室、QRS波は心房」「T波は心房全体の再分極」はいずれも誤り
  • 心電図が記録しているのは心筋の電気的な活動。収縮の強さや血圧そのものではない
出典
  • 出典:心電図学の一般的な教科書レベルの知識
04:3712誘導とST

6+6で12誘導。ST低下は虚血の示唆

  • 四肢誘導6+胸部誘導6=12誘導。電極は10個(数は一致しない)
  • ST部分の低下=心筋の虚血を示唆。運動中の安全を判断する手がかり
  • 心房細動はP波の消失と不規則なRR間隔。筋力・最大酸素摂取量は表さない
  • 標準12誘導:四肢誘導6(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・aVR・aVL・aVF)+胸部誘導6(V1〜V6)。内訳を「10+2」「3+9」「胸部12のみ」とするのはいずれも誤り
  • 誘導は12でも電極は10個。誘導の数と電極の数は一致しない
  • 運動負荷心電図のST部分の低下=心筋の虚血を示唆する所見。診断は医師が行う
  • 心房細動はP波の消失と不規則なRR間隔から見る。最大酸素摂取量は呼気ガス分析または推定で求める
出典
05:08特定健康診査

特定健診が見ているのは、メタボの線

  • 基本は質問票・身体計測(腹囲)・血圧・血中脂質・肝機能・血糖・尿検査など
  • 安静時心電図は詳細な健診の項目。骨密度・体脂肪率・負荷心電図は入らない
  • 基本的な項目:質問票/身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)/血圧/血中脂質(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)/肝機能/血糖/尿検査ほか
  • 詳細な健診の項目(医師が必要と認めた場合):心電図・眼底・貧血・血清クレアチニン。運動負荷心電図は含まれない
  • 含まれないもの:骨密度・体脂肪率・最大酸素摂取量/胸部エックス線・心臓超音波/頭部MRI・脳波・認知機能の検査
出典

④β遮断薬3節

05:32β遮断薬

薬が、心拍という物差しを壊す

  • β遮断薬→同じ強度でも心拍数が低く出る→主観的運動強度などを併用
  • 問診で服薬を確かめる。心拍が高く出る/目標を高く設定は誤りの代表
  • β遮断薬は心拍数の上昇を抑えるため、同じ運動強度でも心拍数が低く出る。心拍数だけで設定すると実際より軽く見積もることになるので、主観的運動強度(RPE)などを併用する
  • 誤りの3方向:「心拍数が高く出る」(作用と逆)/「上がりにくい分を見込んで目標心拍数を高く設定」(実際の強度が過大になる)/「安静時との差をとれば相対的な変化は保たれる」(反応そのものが鈍る)
  • 心拍数とRPEの定義そのものは第6章で扱う。ここは問診で服薬を確かめる理由の側
出典
05:55血糖の薬

備えるのは低血糖。薬は動かさない

  • 血糖降下薬・インスリン→実施の時間帯と補食について医師の指示を確認しておく
  • 運動前に血糖値が低ければ補食。併用時の低血糖にはブドウ糖
  • 薬は動かさない。運動の日は中止/効きが最も強い時間帯に合わせるはしない
  • 血糖降下薬・インスリンを使用している者:運動による低血糖が起こりうるため、実施の時間帯や補食の要否について医師の指示をあらかじめ確認しておく
  • 糖尿病診療ガイドライン2024第4章Q4-3逐語:「運動前の血糖値が低値である場合は補食をする」。インスリンやSU薬などの薬物療法中の患者では、空腹時に運動を行うと低血糖を起こす可能性があるとされる
  • 同第5章Q5-3(α-グルコシダーゼ阻害薬)逐語:「単剤では低血糖を引き起こさないが、低血糖を起こし得る薬と併用する患者の低血糖時には二糖類や多糖類ではなくブドウ糖で対処する必要があるためブドウ糖の携帯を指導する」
  • 身体活動・運動ガイド2023 p.23表1の2型糖尿病の注意点は「低血糖の有無、合併症の有無を事前確認」。同p.26③は、インスリンやインスリン分泌を促す薬で治療を受けている人は肝臓からの糖放出が抑制されたままで低血糖を起こす可能性があるとしている
  • 薬の作用が最も強い時間帯は低血糖の危険が最も高い。観察のために選ぶ時間帯ではない
  • 低血糖に気づいたときの中止の判断と補給の内容は、あらかじめ医師に確認した指示に従う。指導者が決めることではない
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06:26越えない線

心電図は学ぶ。診断名を決めるのは医師

  • 養成講習会に「健診結果・安静時心電図の読み方」の講義があるとされる
  • 診断は医師。診断名の確定/服薬の助言/受診を控える助言は越える
  • 競技に出る人には市販薬・サプリメントにも禁止物質が含まれうると伝える
  • 公益財団法人健康・体力づくり事業財団が公開している養成講習会カリキュラムには、Bカテゴリー「11.運動プログラムの実際」として「健診結果・安静時心電図の読み方(1)(2)」2単位が置かれている(出典:令和8年度健康運動指導士養成講習会カリキュラムhttps://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/pdf_r8/R8_curriculum_calendar.pdf)
  • 同財団が公開している「健康運動指導士養成講習会テキスト学習目標」(令和8年版p.44)の第11章2「健診結果・安静時心電図の読み方(1)(2)」個別学習目標には「安静時心電図の波形から心拍数の算出,不整脈の有無の判断,ST下降の判断ができるようになる.」がある(出典:https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/pdf/gakusyu_2026.pdf)
  • どこまでが指導士の業務かという役割範囲は法令の解釈にあたり、一律には線を引けない。確かなのは「診断を行うのは医師」という線
  • 越えるもの:診断名を確定して本人に伝える/服薬の内容や量の変更を助言する/受診を控えるよう助言する/服薬の中止を指導者の判断で指示する
  • 特定保健指導での役割:検査結果と生活の状況を踏まえ、安全に実施でき継続可能な運動の内容を具体的に提案する。全員に同じ内容・同じ量を渡すのは個別性に反する
  • ドーピング:治療目的でも禁止物質にあたる場合があり、必要に応じた手続きが要る。市販薬は医薬品であり、サプリメントも表示にない物質の混入が知られている
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⑤2型糖尿病5節

06:582型糖尿病

空けない間隔が、決まっている

  • 中強度の有酸素運動を週150分以上・週3回以上。運動しない日を2日以上続けない
  • レジスタンス運動は連続しない日程で週2〜3回。有酸素とは向きが逆
  • 空腹時の高強度は避け、開始前に合併症を含めた身体の状態を把握する
  • 糖尿病診療ガイドライン2024第4章Q4-3逐語:「有酸素運動は、中強度で週に150分かそれ以上、週に3回以上、運動をしない日が2日間以上続かないように行い、レジスタンス運動は、連続しない日程で週に2〜3回行うことがそれぞれ勧められ、禁忌でなければ両方の運動を行う」
  • 身体活動・運動ガイド2023 p.23表1の2型糖尿病も「非運動日が2日以上続かない。」「筋力トレーニング:週2〜3日、連続しない日で禁忌でなければ両方を行う。」とし、注意点に「低血糖の有無、合併症の有無を事前確認。」を挙げている
  • 向きが逆:有酸素は「間隔を空けすぎない」/レジスタンスは「連続させない」
  • 運動後に高まったインスリン感受性は時間とともに戻るため、間隔が空きすぎると効果が保てない
  • 食後の運動は食後高血糖の抑制に役立つ。薬物療法を受けている者では空腹時の高強度は低血糖の危険が高い
  • 同第4章Q4-2逐語:「運動療法を開始する前に糖尿病の代謝コントロール状態、網膜症、腎症、末梢神経障害、自律神経障害などの合併症や、整形外科的疾患などを含む身体状態を把握し、運動制限の必要性を検討する」
出典
07:29高血圧と脂質異常症

避けるのは種目ではなく、息こらえと高強度

  • 高血圧:息こらえを伴う高強度のレジスタンス運動を避け、有酸素性運動を中心に
  • 180/110mmHg(家庭160/100)以上はまず服薬で血圧を整える
  • レジスタンス運動そのものが禁止ではない。低強度は実施可/筋力トレは週2〜3日
  • 脂質異常症:1日30分以上を週3回以上/週150分以上の中強度の有酸素運動
  • 運動で動くのは中性脂肪↓・HDL↑。LDL↓は食事療法(運動でも報告あり)
  • 高血圧:息こらえ(バルサルバ手技)を伴う高強度のレジスタンス運動は血圧を急激に上昇させるため避け、有酸素性運動を中心に組み立てる
  • 間違えやすいところ: 高血圧の運動量:高血圧固有の推奨は高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)の「中等度強度の有酸素性運動を中心に、定期的に(できれば毎日)30分以上、または週180分以上」。第3章が引いているのもこの数字。ガイド2023 p.23表1の「週150分以上の定期的な中強度の身体活動(1日30分以上)」は全体に向けた推奨の目安で、高血圧固有の推奨ではない
  • 間違えやすいところ: 学会ガイドラインの「中等度強度」は、身体活動・運動ガイド2023の語でいう「中強度」と同じ。呼び名が違うだけで、指している強度は同じ(逐語引用では出典どおりの「中等度」が出てくる)
  • 高血圧管理・治療ガイドライン2025(日本高血圧学会)の生活習慣の修正では、軽〜中等度強度の有酸素持久力運動を毎日30分以上行うことを基本に、低強度のレジスタンス運動も実施可とされている。レジスタンス運動が有酸素運動と同等の降圧効果をもつとは示されていない(併用の有用性が示された、という記載にとどまる)。同書の本文は学会の閲覧専用配布で、原文は未確認
  • 身体活動・運動ガイド2023 p.23表1の推奨の目安(全体)は「週150分以上の定期的な中強度の身体活動(1日30分以上)」「筋力トレーニング週2〜3日」「筋力トレーニングは低強度から開始し、体力・病態にあわせて漸増する。」。高血圧の注意点は「高強度・高用量で出血性脳卒中のリスクの可能性あり、推奨量以上は慎重にする。」「180/110mmHg(家庭血圧160/100mmHg)以上の場合はまず血圧をコントロール。脳心血管疾患のある場合は行える範囲を事前に確認する。β遮断薬などの降圧薬で運動時に脈が上がりにくいことに留意。」
  • 同p.25①:「特に、III度高血圧(診察室血圧180/110mmHg以上、家庭血圧160/100mmHg以上)の場合には、服薬で血圧をコントロールしてから運動を開始する必要があるため、医療機関受診を勧めてください」(原文の家庭血圧は「160/100mHg」と誤記)
  • 同p.26③逐語:「利尿薬:脱水になりやすいので、熱中症や起立性低血圧に注意し、水分補給も心がけましょう」
  • 運動中の収縮期血圧の上昇は負荷への反応であって適応の指標ではない。上昇の程度によっては中止の判断材料になる
  • 脂質異常症:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版第3章2.5運動療法(p.102)逐語:「非運動群と比較して有酸素運動療法群(歩行、速歩、水中運動や監視型または非監視型トレーニング)でHDL-Cが有意に上昇するという報告が多く、TC、TC/HDL-C、LDL-C、TGを有意に低下させることも示されている」
  • 間違えやすいところ: 同じ段落が条件を付けている(同p.102逐語):「週150分以上の運動を実施した研究に限ると、上記に加え、LDL-Cも低下することが示された。しかしながら、年齢などの対象者の特性、運動強度、期間や介入前の血清脂質値にばらつきがあることやバイアスが大きいことにも留意する必要がある」「運動療法で報告される改善効果は、一般に過大評価される傾向がある点に留意する必要がある」
  • 間違えやすいところ: 同書FQ14(p.105)逐語:「運動療法の効果はTG低下のみで認めた。TC、LDL-C、TGの低下に食事療法は有効であるが…」。つまり同じガイドラインが、運動単独の効果はTG低下、LDL低下は食事療法の役割としている
  • 間違えやすいところ: だから中性脂肪↓・HDL↑が主で、LDL↓は「週150分以上の運動を実施した研究に限った報告」という従。3つを同格に並べるとガイドライン自身と矛盾する
  • 同FQ12(p.102)逐語:「成人では、1日合計30分以上を週3回以上(可能であれば毎日)、または週に150分以上中強度以上の有酸素運動を実施することは血清脂質を改善するため、推奨する。(エビデンスレベル:1、推奨レベル:A)」
  • 身体活動・運動ガイド2023 p.23表1の脂質異常症のエビデンスは「週150分以上の定期的な中強度の有酸素性身体活動は脂質異常症を改善させる。」。注意点は「脂質異常症治療薬(スタチン系)使用時に筋力低下や筋肉痛をきたすことがある。」
  • 同ガイドライン第3章(p.103):「血圧、血糖の著しい高値や重症網膜症を有する糖尿病患者などでは運動は禁忌になるので、運動療法の適否について主治医への確認が必要な場合もある」
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08:27内臓脂肪と体重

総量で積む。体重が動かない時期がある

  • 内臓脂肪は総エネルギー消費量の確保。目安は1日約8,000歩以上
  • 部分痩せ/運動後の代謝亢進/毎日2時間以上では積み上がらない
  • 体重が動かない時期がある(除脂肪量が保たれるため)→腹囲や検査値も見る
  • 内臓脂肪の減少には総エネルギー消費量の確保が重要、というのは運動生理学の教科書レベルの知識。肥満症診療ガイドライン2022は本文が無料公開されておらず、原文は未確認
  • 公開されている身体活動量の目安は、健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023の成人の推奨(p.9):「強度が3メッツ以上の身体活動を週23メッツ・時以上行うことを推奨する。具体的には、歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことを推奨する(1日約8,000歩以上に相当)」。慢性疾患を有する人についてもp.25のポイントに同じ量が示されている
  • 部分痩せ(特定の部位の運動でその部位の脂肪だけを減らす)が成り立たないこと、運動後の代謝亢進で増える消費量がわずかであることも、教科書レベルの知識として扱う。毎日2時間以上を課すのは続かず、傷害と中断を招く
  • 体脂肪が減っても除脂肪量が維持・増加すると、差し引きで体重の変化は小さくなることがある。体重が動かなくても腹囲や血液検査の値が改善する例は多い
  • 停滞期に「ただちに運動の量を2倍に」は誤り。食事を含めた見直しが先になる。減量の目標や食事の制限そのものは医師の指示の範囲で扱う
出典
09:00ひざと腰

関節は守る。筋力は落とさない

  • 変形性膝関節症:有酸素・筋トレ・柔軟性いずれも疼痛軽減に効果。種目は第3章
  • 医師に相談→低強度・短時間→負荷のかからない種目→筋力とバランス
  • 慢性の腰痛は痛みの範囲内で活動を続ける。医療へ回す所見は第7章
  • 身体活動・運動ガイド2023 p.23表1の変形性膝関節症逐語:「有酸素運動(陸上でも水中でも)、筋トレ、柔軟性運動、Mind-body exercise(太極拳、ヨガ、気功など)いずれも疼痛軽減や身体機能向上に効果あり。指導下の運動では週に3回以上の実施が疼痛軽減に効果的。8〜12週計24回以上が目安。」。注意点は「運動で悪化する疼痛がある、高度の変形を有する、又は歩行や日常生活動作が不安定な人は要チェック。」
  • 膝を支える大腿四頭筋の強化を、椅子座位での膝伸展や水中運動など荷重を抑えた条件で行うのは、運動療法の教科書レベルの知識として扱う(厚生労働省「変形性ひざ関節症の人を対象にした運動プログラム」も同趣旨の種目を示している)
  • 同p.26④「運動で悪化する腰痛・膝痛・関節の変形などの整形外科的な問題」の工夫は4点(逐語):「あらかじめ医師に相談してから始める。」「低強度、短い時間から始める。」「該当箇所に負荷がかからないような運動を選択する。」「筋力トレーニングやバランス運動を加える。」。かかりつけの医師がいる場合は状況を確認しておくことも重要とされる
  • 慢性の腰痛:過度の安静はかえって経過を悪くする。痛みの範囲内で活動を続けながら、体幹の安定性と柔軟性を高める運動を段階的に加える
  • 種目そのものの実施方法は第9章「健康づくり運動の実際」で扱う。痛みが強いときは医療機関につなぐ
  • 変形性膝関節症の種目(荷重を抑えた大腿四頭筋の強化・椅子座位での膝伸展・水中運動)は第3章。腰痛でただちに医療へ回す所見(排尿・排便の異常、おしりまわりの感覚の低下)と、先に医師へ回す所見(脚の症状、休んでも引かない痛み)は第7章
出典

相手が変わると、第一手が変わる

  • 2型糖尿病:第一手は中強度の有酸素(週150分以上・週3回以上、運動しない日を2日以上続けない)+レジスタンスは連続しない日程で週2〜3回/避けるのは空腹時の高強度を毎回の基本にする・レジスタンスを連日続ける。低血糖の有無と合併症の有無は事前確認
  • 高血圧:第一手は有酸素性運動を中心に(できれば毎日30分以上、週で示すなら週180分以上・JSH2019)、低強度のレジスタンス運動も実施可/避けるのは息こらえを伴う高強度・180/110mmHg(家庭血圧160/100mmHg)以上のまま始めること。利尿薬は脱水になりやすいので熱中症と起立性低血圧に注意
  • 高血圧の運動量は高血圧治療ガイドライン2019の「できれば毎日30分以上・週180分以上」。身体活動・運動ガイド2023 p.23表1の「週150分」は全体の推奨の目安で、高血圧固有の数字ではない
  • 脂質異常症:第一手は1日合計30分以上を週3回以上、または週150分以上の中強度以上の有酸素運動(推奨レベルA)+食事療法/避けるのは食事療法を後回しにする・数値が改善するまで運動を始めない
  • 間違えやすいところ: 脂質の動く向き:運動で報告されているのは中性脂肪↓・HDL↑が主。LDL↓は「週150分以上の運動を実施した研究に限ると」の所見で、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版FQ14(p.105)は運動単独の効果をTG低下のみとし、LDL-Cの低下には食事療法が有効としている。3つを同格に並べて覚えないこと
  • 内臓脂肪型肥満:第一手は総エネルギー消費量(週23メッツ・時以上=1日約8,000歩以上。ガイド2023の成人の推奨p.9・慢性疾患を有する人のポイントp.25)/避けるのは部分痩せ・毎日2時間以上
  • 変形性膝関節症:第一手は荷重を抑えた大腿四頭筋の強化、有酸素・筋トレ・柔軟性のいずれも疼痛軽減に効果/避けるのは医師に相談せずに始める・最初から高強度で長い時間
  • 慢性の腰痛:第一手は痛みの範囲内での活動の継続+体幹の安定性と柔軟性/避けるのは過度の安静・該当箇所に負荷がかかる種目
動画でこの図を見る(09:34)
出典
09:46覚えて帰る4つ

この章の要点

  • 動かす先はFITTの4つ。増やす順番は頻度と時間→そのあと強度
  • 確かめるのは開始前・その日・その場・一定期間ごと。場面で見るものが違う
  • 心電図は電気の記録。P=心房/QRS=心室/T=再分極。12誘導は6+6
  • 薬は物差しを壊し、相手が変わると第一手も変わる。診断はしない

読んだら、解いて確かめる

聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。

運動プログラムの実際を27問で解く

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健康運動指導士の板書(公式テキストの章立て順)。

公式テキストの本文は使っていません。章題とページ数は目次から転記した事実、内容は公的機関の公開資料と教科書水準の一般知識にもとづいています。章ごとの出題数は公表されていません。