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資格のニガテ一問一答
健康運動指導士科目模擬試験復習

運動傷害と予防の板書

講義動画で板書した内容を、全文そのまま置いています。動画を見ながら書き写す必要はありません。必要なところだけ読んでください。

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各節の時刻(00:00)を押すと、動画のその場面から再生されます。

第7章「運動傷害と予防」

この章は、熱中症・突然死・過換気症候群・運動による貧血といった内科的な障害と、外科的な損傷(頭部・頸部・上肢・体幹/腰部・下肢)、そして使いすぎの障害を扱います。心肺蘇生やAEDなどの救急処置は第10章の範囲です。章ごとの出題数も章ごとの分量も公表された数字がないので、重さの目安は示していません。

00:25この章の組み立て

4つのかたまりと、底に通る1本の線

  • ①内科的な障害(熱中症・突然死・運動による貧血) ②頭頸部・上肢・体幹 ③腰部・下肢(肉離れ) ④使いすぎと戻し方
  • 底に通る線→指導者は診断をしない。名前は医療に渡す言葉として覚える
  • 財団の学習目標(令和8年版)第7章の節題:「外科的損傷(頭部,頸部,上肢,体幹)」/「外科的損傷(腰部,下肢)」
  • 運動による貧血・肉離れ・頸部の損傷も学習目標に名指しされている。名前だけでも押さえておくと、選択肢に並んだときに迷わない
出典

①内科的な障害6節

00:52熱中症

2024年に、区分がひとつ増えた

  • Ⅰ度・Ⅱ度はそのまま。従来Ⅲ度の最重症群を切り出してⅣ度を新設
  • Ⅳ度=深部体温40.0℃以上かつGCS8以下(Ⅲ度は廃止されていない)
  • 現場用のqⅣ度=表面体温40.0℃以上(または皮膚の熱感)かつGCS8以下
  • ※環境省「熱中症環境保健マニュアル」は2026年10月時点で2022年版が現行。Ⅳ度は日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2024で新設された区分なので、それより前の資料はⅠ〜Ⅲ度で書かれている。どの資料のどの版かを確かめないと取り違える
  • Ⅳ度は深部体温40.0℃以上かつ意識障害(GCS8以下)で定義されるとされる
  • qⅣ度は現場や搬送中に深部体温を測らずに判定するための指標。表面体温40.0℃以上(または皮膚に明らかな熱感)かつGCS8以下(またはJCS100以上)で、深部体温の測定は不要とされる
  • qⅣ度と考えたら、そのあと深部体温を測って重症度を確定する
  • 間違えやすいところ: Ⅲ度は廃止されていない。2024年版のⅢ度は「Ⅳ度に当たらないⅢ度」という意味になる
  • 間違えやすいところ: Ⅳ度を決めるのは深部体温と意識。血圧と脈拍の値で区分するのではない
  • 間違えやすいところ: qⅣ度は深部体温を測らずに判定する指標。「直腸温を測ってから判定する」は向きが逆
  • 間違えやすいところ: 2024年より前の資料は「Ⅰ〜Ⅲ度」で書かれている。版を確かめないと取り違える
出典(2件)

熱中症の重症度|2024年の改訂で変わったところ

  • Ⅰ度:現場での応急処置で対応できるとされる(めまい・立ちくらみ・筋肉のけいれん=こむら返り)
  • Ⅱ度:医療機関への搬送が必要とされる
  • Ⅲ度(2024):入院して集中治療。Ⅳ度に該当しないⅢ度(2015)がここに残る
  • Ⅳ度:2024年に新設された最重症群。深部体温40.0℃以上かつ意識障害(GCS8以下)
  • qⅣ度:表面体温40.0℃以上(または皮膚に明らかな熱感)かつGCS8以下(またはJCS100以上)【深部体温の測定不要】
  • ※環境省「熱中症環境保健マニュアル」は2026年10月時点で2022年版が現行。Ⅳ度は日本救急医学会の熱中症診療ガイドライン2024で新設された区分なので、それより前の資料はⅠ〜Ⅲ度で書かれている。どの資料のどの版かを確かめないと取り違える
動画でこの図を見る(01:32)
出典(2件)
01:42現場でやること

冷やす。そのうえで、飲めるかどうかで分ける

  • 涼しい場所へ移す→衣服をゆるめる→身体を冷やす
  • 意識がはっきりしないうちは、水分も塩分も与えない(誤嚥するため)
  • 自力で飲めないなら医療機関へ/反応がない・会話ができないなら救急車
  • 同マニュアル2-1は「自分で水分・塩分を摂れない…ときはⅡ度と判断し、すぐに病院へ搬送する」としている
  • 救急車をためらわず呼ぶ基準として明示されているのは「会話ができない・呼びかけに反応がない」
  • 間違えやすいところ: 熱けいれんは全身のけいれん発作ではなく、ふくらはぎ等のこむら返りを指す(同マニュアルが注意している)。押さえつけないのは全身のけいれんの話
  • 間違えやすいところ: 応急手当そのものの手順は第10章「救急処置」の範囲
出典
02:18運動中の突然死

年代で、背景にある病気が違う

  • 中高年→虚血性心疾患/若年者→心筋症などの基礎心疾患
  • 強度の管理が予防の中心/自覚症状がなくても起こる→問診は省けない
  • 間違えやすいところ: 年代別の原因の違い(中高年=虚血性心疾患/若年者=心筋症などの基礎心疾患)は上記の後継記事には書かれていない。ここはスポーツ医学の教科書レベルの一般知識として扱う
  • 若年者は無症状の心筋症が背景にありうる。家族歴と失神の既往を問診で押さえる
出典(2件)
02:43過換気症候群

紙袋は、もう勧められていない

  • 速く深い呼吸が続き二酸化炭素が減る→しびれ・手指のけいれん・めまい
  • 対応は運動を中止させ、落ち着かせて、ゆっくり呼吸を促す
  • 紙袋を密着させる方法は低酸素血症を招くため近年は推奨されない
  • 同ページは「ペーパーバック法は…低酸素血症の危険があるため近年は推奨されていません」としている
  • 深く速い呼吸を続けさせるのは悪化させる方向。水分摂取で二酸化炭素が補われることはない
出典
03:10オーバートレーニング症候群

似たものと、名前を取り違えない

  • 疲労が蓄積し、成績と体調の低下が続く/手がかりは早朝起床時心拍数
  • 脱トレーニング(中止後の低下)/横紋筋融解症(筋線維が壊れ腎障害)は別
  • 間違えやすいところ: 学習目標の語は「早朝起床時心拍数」。「安静時心拍数」と言い換えない
  • 混ざりやすいもの:1回の運動後の筋肉痛が数日続く=通常の反応/中止後の筋力・持久力の低下=可逆性の原理による脱トレーニング/筋線維が壊れて腎障害=横紋筋融解症
  • 早朝起床時心拍数の上昇・体重の変化・睡眠の質の低下が早期の手がかり。回復に長い休養を要することがあるため、予防が中心になる
出典

②頭部2節

03:37脳振盪

疑わしきは、その日のうちに戻さない

  • 意識が戻っていても当日は復帰させず、医療機関の評価を受ける
  • 本人の判断に委ねない/頭痛がなくても症状は遅れて出る
  • ※団体名は「日本脳神経外科学会」。似た名前の学会があるので、名前だけで覚えない
  • 回復しきらないうちに再び頭部へ衝撃を受けると重篤な状態に至るおそれがあるとされる。段階的な復帰の手順を踏む
  • 意識がすぐ戻って歩行に問題がなくても、同日中の復帰はさせない
出典
04:01肩関節

自由度と引き換えに、安定性を捨てた関節

  • 可動域が大きいぶん骨による安定性に乏しい→周囲の筋が支えを担う
  • オーバーヘッド動作の繰り返し→回旋筋腱板や関節唇の障害
  • 痛みは動作の中止と原因の見直しを促す信号。我慢して続けない
  • 肩関節の障害は「すべて1回の外力による外傷」ではなく、使いすぎによる慢性のものが多い
  • 可動域が狭く安定性が高い、という説明は肩関節の構造の理解が逆
出典
  • 出典:解剖学・スポーツ医学の教科書レベルの一般知識

③腰部6節

04:32腰痛の性質

多くは、原因となる病変を特定できない

  • 非特異的腰痛が多くを占める。画像で原因の部位まで特定できるとは限らない
  • 画像の変化の大きさと、痛みの強さは対応しない(痛みのない人にも同じ変化)
  • 間違えやすいところ: 「画像に写った変化=痛みの原因」とは限らない。ここを取り違えると指導が原因探しに傾く
  • 腰痛の背景が内臓の疾患であるものは一部。多くは運動と生活の工夫が関わる
  • 間違えやすいところ: 「職場における腰痛予防対策指針」には非特異的腰痛の定義やred flagsは載っていない。混ぜて引かない
出典
04:55腰を守る動作

腰にかかる力は、重さより荷物との距離で決まる

  • 腰を丸めず、股関節と膝を曲げて重心を下げ、荷物を体に近づけて持つ
  • 体から遠いほどモーメントアームが長くなり、腰にかかる力は大きくなる
  • 腰痛がある間も過度の安静は避け、痛みの範囲で活動を続ける
  • 出典(持ち上げ方・モーメントアーム):職場における腰痛予防対策指針(平成25年6月18日基発0618第1号・厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034pjn_1.pdf
  • 出典(過度の安静を避ける):腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)(日本整形外科学会/日本腰痛学会監修)https://minds.jcqhc.or.jp/common/summary/pdf/c00498.pdf
  • モーメント=力×距離。荷物が体から離れるほどモーメントアームが長くなり、腰部にかかる力は大きくなる
  • 腰痛がある間も過度の安静は避け、痛みの範囲で活動を続けることが勧められているとされる
  • 間違えやすいところ: red flagsや非特異的腰痛の定義は「指針」には載っていない。「指針」が示しているのは、持ち上げ方など作業の進め方の側
05:28運動の前に医師の評価をもらう所見

腰ではなく、脚とからだ全体に出ている症状を先に見る

  • 排尿・排便の異常(膀胱直腸障害)/おしりまわりの感覚の低下→ただちに医療へ
  • 下肢の筋力低下・感覚の異常/安静にしていても強い痛みが続く→医師へ
  • 発熱/体重が減っている/がんの治療歴/転倒・外傷のあとの腰痛
  • 片側の張り/動き出しの痛み/翌日の重さ→上の所見が無いと確かめて設計へ
  • 間違えやすいところ: ただちに医療へ:排尿・排便の異常(膀胱直腸障害)/おしりまわりの感覚の低下。同ガイドラインが「重篤な神経症状を伴う腰椎疾患」として名指ししている所見で、red flagsのうち本当に急ぐのはここ
  • 先に医師の評価を:下肢の筋力低下/下肢の感覚の異常/安静にしていても強い痛みが続く/発熱/体重が減っている/がんの治療歴/転倒・外傷のあとの腰痛(高齢者・ステロイド使用中)
  • 同ガイドライン表1「重篤な脊椎疾患を疑うべきred flags」の9項目:発症年齢<20歳または>55歳/時間や活動性に関係のない腰痛/胸部痛/癌・ステロイド治療・HIV感染の既往/栄養不良/体重減少/広範囲に及ぶ神経症状/構築性脊柱変形/発熱
  • 上の所見が無いことを確かめたうえで、ただちに医師を要する所見とはされないもの:荷物を持ち上げたあとの片側の張る痛み/動き出しの痛みで歩くうちに軽くなる/運動の翌日に両側が重く入浴や体操で和らぐ
  • 間違えやすいところ: 指導者は診断をしない。振り分けるのは「運動の内容を自分で決めてよいか」までで、病名はつけない
出典

腰痛の振り分け|ただちに医療へ回すのはどれか

  • 左:多くを占める非特異的腰痛。画像の変化の程度と痛みの強さは対応しない
  • 右上:ただちに医療へ→排尿・排便の異常(膀胱直腸障害)/おしりまわりの感覚の低下
  • 右:先に医師の評価をもらう所見→下肢の筋力低下・感覚の異常/安静時も続く強い痛み/発熱/体重が減っている/がんの治療歴/転倒・外傷のあとの腰痛(高齢者・ステロイド使用中)
  • 下:上の所見が無いことを確かめたうえで、ただちに医師を要する所見とはされないもの(動作後の片側の張り/動き出しの痛み/翌日の重さ)
  • 同ガイドライン表1「重篤な脊椎疾患を疑うべきred flags」の9項目:発症年齢<20歳または>55歳/時間や活動性に関係のない腰痛/胸部痛/癌・ステロイド治療・HIV感染の既往/栄養不良/体重減少/広範囲に及ぶ神経症状/構築性脊柱変形/発熱
動画でこの図を見る(06:13)
出典
06:27膝前十字靱帯

接触していなくても切れる。そして女性に多い

  • 着地・急な方向転換・急停止など非接触の場面でも生じる/女性に多い
  • 危険因子は着地で膝が内側へ入る動作(ニーイン)/受傷後は膝崩れなどの不安定性
  • 予防できる余地が大きいのは非接触型。着地とカッティングの動作指導で減らせるとされる
  • 「接触がある場面でのみ生じる」「男性に著しく多く女性ではまれ」はどちらも向きが逆
出典
  • 出典:日本整形外科学会/日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ」6.膝前十字靭帯損傷/スポーツ医学の教科書レベルの一般知識
06:52足関節捻挫

内へひねって、外側を痛める

  • 内反を強制されて外側の靱帯(前距腓靱帯など)を痛める型が多い
  • 受傷後は位置感覚とバランス能力が低下→同じ側で再発しやすい
  • 腫れの消失と機能の回復は一致しない→機能訓練まで含めて予防になる
  • 間違えやすいところ: 「捻挫だから軽い」は誤解。繰り返すと不安定性が残り、将来の変形性関節症につながるとされる
  • 「一度受傷すれば靱帯が硬く強くなるため再発しない」は誤り。捻挫は再発しやすい傷害の代表
出典
  • 出典:日本整形外科学会/日本スポーツ整形外科学会「スポーツ損傷シリーズ」2.足首の捻挫/スポーツ医学の教科書レベルの一般知識

④中高年で慢性の障害が増える理由4節

07:21中高年で慢性の障害が増える理由

「昔はこの量でできた」が通らない理由

  • 腱と靱帯の弾性が下がり、修復力も下がる→同じ運動量でも損傷が残りやすい
  • 筋量が減ると関節と腱で受け止める負担は増える/軟骨は薄くなる
  • 若いころの動作の型はそのまま通用しない→再開時は動作の確認から
  • 向きを逆にした説明:筋量が減れば腱の張力も小さくなるので障害は起こりにくい(誤)/加齢で軟骨は厚みを増す(誤・薄くなって弾力を失う)/若いころの動作の型はそのまま通用する(誤)
出典
  • 出典:解剖学・運動生理学の教科書レベルの一般知識
07:57痛みの見分け

広い範囲か、一か所か

  • 見分けの軸は範囲・経過・腫れと熱感。診断名をつけるためではない
  • 運動後の筋の痛み

    広い範囲に出て、日を追って軽くなる。歩いているうちに楽になる

    • 広い範囲
    • 続けながら様子を見る場面
  • 関節の炎症を疑う痛み

    ひとつの関節に集まり、腫れと熱感を伴い、動かすと強まる

    • 一か所
    • 原因の確認と、受診の判断
  • 筋に由来する痛みの例:運動の翌日に両脚の太ももへ広く出て歩くうちに軽くなる/慣れない動作の二日後に筋の張りとして現れ数日で薄れる/運動後の首すじのこわばりが入浴と睡眠で戻る
  • 間違えやすいところ: 見分けるのは「続けるか止めるか」を決めるため。病名はつけない
出典
08:22経過と戻し方

再発は「休み方」より「戻し方」で決まる

  • 段階は運動後だけ痛む→運動の最中にも痛む→日常の動作でも痛む
  • 痛みが引いたあと休む前と同じ量で再開は不適切。量を落として段階的に
  • 試験の範囲は第10章のRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)
  • 臨床の整理はPOLICE→PEACE&LOVEへ(安静→適切な負荷)
  • 段階:①運動した後にだけ痛む→②運動の最中にも痛む→③日常の動作でも痛む
  • 間違えやすいところ: 試験の範囲は第10章のRICE(Rest安静・Ice冷却・Compression圧迫・Elevation心臓より高くする)。ここをPOLICEに置き換えて覚えると外す
  • そのうえで、臨床の整理はRICEの「安静」を「適切な負荷(Optimal Loading)」に置き換えたPOLICEへ、さらに冷却を含まないPEACE&LOVEへと動いているとされている
  • 間違えやすいところ: 応急処置そのものの手順は第10章「救急処置」の範囲。この章では「安静から、痛みのない範囲で動かす方向へ」という向きだけを扱う
出典(3件)

使いすぎの3段階と、戻すときの段差

  • 進むとき:運動した後にだけ痛む→運動の最中にも痛む→日常の動作でも痛む
  • 戻すとき:休む前と同じ量に一段で戻すと再発する。量を落とした段階から段階的に上げる
動画でこの図を見る(09:08)
出典
  • 出典:痛みが出る場面で段階を分ける整理の一例(Blazina 1973/Ferrettiらの改変など)。分類によって段階の数は3〜6と異なります(Blazina 1973は4段階、Curwin&Stanishは6段階)
09:20覚えて帰る4つ

この章の要点

  • 熱中症は2024年にⅣ度が新設。Ⅲ度は残る。現場はqⅣ度
  • 腰痛は非特異的が多数。排尿・排便の異常はただちに医療へ
  • 膝ACLは非接触でも/女性に多い。足関節は内反で外側
  • 復帰は量を落として段階的に。底に通る線は診断をしない

読んだら、解いて確かめる

聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。

運動傷害と予防を15問で解く

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健康運動指導士の板書(公式テキストの章立て順)。

公式テキストの本文は使っていません。章題とページ数は目次から転記した事実、内容は公的機関の公開資料と教科書水準の一般知識にもとづいています。章ごとの出題数は公表されていません。