健康づくり運動の理論全19問・正解と解説つき
健康運動指導士 ・ 公式テキスト第6章 ・ 分量 9%
運動条件と適応・運動強度、筋力と筋量を増強する運動条件、筋パワーと筋持久力を高める運動条件、全身持久力を高める有酸素性運動、障がい者の運動、青少年期の成長発育と運動、女性の体力・運動能力の特徴、加齢に伴う体力の低下と運動。
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- Q01#ks-tt-001
トレーニングの三原理の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 1漸進性・反復性・全面性
- 2過負荷(オーバーロード)・漸進性・意識性
- 3過負荷(オーバーロード)・可逆性・特異性正解
- 4全面性・個別性・意識性
Answer
正解 3:過負荷(オーバーロード)・可逆性・特異性
トレーニングの三原理は、日常より大きな負荷をかけなければ適応が起こらないという過負荷(オーバーロード)の原理、トレーニングをやめれば得られた効果が失われるという可逆性の原理、かけた刺激に応じた適応しか起こらないという特異性の原理である。「全面性・個別性・意識性」および「漸進性・反復性・全面性」はいずれもトレーニングの五原則に含まれる項目であり、原理ではない。「過負荷・漸進性・意識性」は原理と原則が混ざっている。なお五原則は全面性・個別性・意識性・漸進性・反復性(継続性)である。
HINT 原理は3つ(過負荷・可逆性・特異性)、原則は5つ(全面性・個別性・意識性・漸進性・反復性)。取り違えが頻出。
- Q02#ks-tt-002
運動強度の表し方に関する説明として正しいものはどれか。
- 1心拍数による強度の設定は、服薬の影響を受けないため誰にでも同じ精度で使える
- 2メッツは安静座位時の酸素摂取量を1としたときの倍数で、絶対的な強度を表す正解
- 3メッツは最大酸素摂取量に対する割合を表し、個人の体力水準を反映した相対的な強度である
- 4主観的運動強度(RPE)は客観的な測定値であり、個人の感覚には左右されない
Answer
正解 2:メッツは安静座位時の酸素摂取量を1としたときの倍数で、絶対的な強度を表す
メッツ(METs)は安静座位時の酸素摂取量を1としたときに、その活動が何倍の酸素を消費するかを表す絶対的な強度の指標である。同じ3メッツの活動でも、体力の低い人にとっては相対的にきつく、体力の高い人には楽になる点に注意が要る。「最大酸素摂取量に対する割合を表し」は相対的強度(%最大酸素摂取量)の説明であり、メッツとは異なる。「主観的運動強度(RPE)は客観的な測定値であり、個人の感覚には左右されない」は誤りで、RPEは本人の主観を数値化したものである。「心拍数による強度の設定は、服薬の影響を受けない」も誤りで、β遮断薬を服用していると心拍数が抑えられ、指標として使えなくなる。
HINT メッツは「絶対」、%最大酸素摂取量や%心拍予備能は「相対」。高齢者や低体力者では相対で見る必要がある。
- Q03#ks-tt-003
カルボーネン法による目標心拍数の求め方として正しいものはどれか。
- 1(最大心拍数 + 安静時心拍数)× 目標とする強度
- 2(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 目標とする強度
- 3(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 目標とする強度 + 安静時心拍数正解
- 4最大心拍数 × 目標とする強度
Answer
正解 3:(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 目標とする強度 + 安静時心拍数
カルボーネン法は、最大心拍数から安静時心拍数を引いた心拍予備能に目標とする強度を掛け、そこに安静時心拍数を足し戻して目標心拍数を求める。安静時心拍数という個人差を計算に取り込める点が特徴である。「最大心拍数 × 目標とする強度」は%最大心拍数法であり、カルボーネン法ではない。「(最大心拍数 + 安静時心拍数)× 目標とする強度」は心拍予備能を求める式が足し算になっており誤り。「(最大心拍数 − 安静時心拍数)× 目標とする強度」は最後に安静時心拍数を足し戻していないため、安静時を下回る値が出てしまう。
HINT 最後に安静時心拍数を足し戻すのを忘れると、安静より低い目標心拍数が出る。式の妥当性は自分で検算できる。
- Q04#ks-tt-004
筋力と筋量の増加を主な目的とするレジスタンストレーニングの負荷条件として、一般に適切とされるものはどれか。
- 1負荷の大きさは問わず、疲労を感じない範囲で回数だけを増やす
- 2最大挙上重量の70〜85%程度の負荷で、8〜12回程度を反復できる強度正解
- 3最大挙上重量の30%程度の負荷で、50回以上を反復できる強度
- 4最大挙上重量を超える負荷で、1回も挙げられない強度
Answer
正解 2:最大挙上重量の70〜85%程度の負荷で、8〜12回程度を反復できる強度
筋力と筋量の増加を主な目的とする場合、最大挙上重量(1RM)の70〜85%程度、回数にして8〜12回程度を反復できる強度が一般に適切とされる。「最大挙上重量の30%程度の負荷で、50回以上」は筋持久力の向上に寄与する条件で、筋量の増加には不十分になりやすい。「最大挙上重量を超える負荷で、1回も挙げられない強度」は動作が成立せず、傷害のリスクだけが高い。「負荷の大きさは問わず、疲労を感じない範囲で回数だけを増やす」は過負荷の原理を満たさず、適応が起こらない。なお健康づくりを目的とする場合は、より低い負荷から段階的に進めることが安全である。
HINT 「8〜12回でぎりぎり」は目的が筋肥大のとき。健康づくりの導入期はもっと軽くてよい。
- Q05#ks-tt-005
レジスタンストレーニングによる筋肥大に関する説明として正しいものはどれか。
- 1筋線維1本1本が太くなることが主体で、筋線維の数が大きく増えるわけではない正解
- 2筋線維の数が増えることが主体で、1本1本の太さはほとんど変わらない
- 3筋線維の長さが伸びることが主体で、太さは変わらない
- 4筋を包む筋膜が厚くなることが主体で、筋線維自体は変化しない
Answer
正解 1:筋線維1本1本が太くなることが主体で、筋線維の数が大きく増えるわけではない
ヒトにおける筋肥大は、筋線維1本1本の断面積が増えること(肥大)が主体であり、筋線維の数そのものが大きく増えること(過形成)は明確に示されていない。「筋線維の数が増えることが主体で」は、この点を取り違えている。「筋線維の長さが伸びることが主体で、太さは変わらない」は誤りで、筋節の直列付加による長さの変化は起こりうるものの、レジスタンストレーニングによる肥大の主体ではない。「筋を包む筋膜が厚くなることが主体で、筋線維自体は変化しない」も誤りで、筋線維そのものが変化する。
HINT 「本数は増えない、1本が太くなる」。だから最大筋力の指標は生理学的横断面積と対応する。
- Q06#ks-tt-006
レジスタンストレーニングの頻度に関する一般的な考え方として正しいものはどれか。
- 1同一の部位については、回復のために間隔をあけて週2〜3回程度の頻度で行う正解
- 2同一の部位について、毎日休みなく高強度で行うほど効果が高まる
- 3同一の部位について、月に1回程度の頻度でも同等の効果が得られる
- 4頻度は効果とは無関係であり、1回あたりの回数だけで決まる
Answer
正解 1:同一の部位については、回復のために間隔をあけて週2〜3回程度の頻度で行う
レジスタンストレーニングでは、運動によって生じた筋の損傷と代謝的な消耗からの回復に時間を要するため、同一の部位については間隔をあけて週2〜3回程度の頻度で行うのが一般的とされる。「毎日休みなく高強度で行うほど効果が高まる」は誤りで、回復の時間が確保できずオーバートレーニングや傷害につながる。「月に1回程度の頻度でも同等の効果が得られる」は誤りで、間隔が空きすぎると可逆性の原理により効果が失われていく。「頻度は効果とは無関係」も誤りで、頻度は強度・時間とならぶ基本的な条件である。
HINT 身体活動・運動ガイド2023も筋トレを「週2〜3日」と推奨している。頻度の目安はここと揃う。
- Q07#ks-tt-007
筋パワーの説明として正しいものはどれか。
- 1一定の負荷を反復できる回数のことであり、力の大きさとは無関係である
- 2関節が動く範囲の広さのことであり、柔軟性と同じ意味である
- 3発揮した力と動作の速度の積で表され、最大筋力が同じでも速度によって大きさが変わる正解
- 4発揮できる最大の力そのものであり、動作の速度とは無関係である
Answer
正解 3:発揮した力と動作の速度の積で表され、最大筋力が同じでも速度によって大きさが変わる
筋パワーは発揮した力と動作の速度の積で表される。最大筋力が同じでも素早く力を出せるかどうかでパワーは変わり、日常生活では転倒しそうになったときの立て直しや、階段を上る動作などに直結する。高齢者では最大筋力より先にパワーが低下することが知られている。「発揮できる最大の力そのものであり、動作の速度とは無関係」は最大筋力の説明である。「一定の負荷を反復できる回数」は筋持久力の説明である。「関節が動く範囲の広さ」は柔軟性の説明で、筋パワーとは別の体力要素である。
HINT 高齢者の転倒予防では「重いものを挙げる力」より「素早く出せる力」が効く。パワーを落とさない設計にする。
- Q08#ks-tt-008
筋持久力を高めることを目的とした運動条件として、一般に適切とされるものはどれか。
- 1比較的低い負荷で反復回数を多くし、セット間の休息を短くする正解
- 2最大挙上重量に近い負荷で反復回数を少なくし、セット間の休息を長くとる
- 3負荷と回数は問わず、1セットのみを週1回行う
- 4等尺性収縮のみを用い、動きを伴う運動は行わない
Answer
正解 1:比較的低い負荷で反復回数を多くし、セット間の休息を短くする
筋持久力を高めるには、比較的低い負荷で反復回数を多くし、セット間の休息を短くして、筋が疲労した状態で運動を続ける条件をつくることが一般に適切とされる。「最大挙上重量に近い負荷で反復回数を少なくし、セット間の休息を長くとる」は最大筋力の向上を狙う条件である。「1セットのみを週1回行う」は刺激の量が不足し、適応が起こりにくい。「等尺性収縮のみを用い、動きを伴う運動は行わない」は誤りで、等尺性収縮にも効果はあるが、特異性の原理により関節を動かす場面での持久力は動きを伴う運動で養う必要がある。
HINT 筋力=高負荷×低回数×長い休息、筋持久力=低負荷×高回数×短い休息。条件が対になっている。
- Q09#ks-tt-009
最大酸素摂取量を規定する要因として最も大きいものはどれか。
- 1安静時の呼吸数と一回換気量の大きさ
- 2皮下脂肪の厚さに代表される体脂肪量
- 3心拍出量を中心とした酸素運搬能力正解
- 4肺活量の絶対値に代表される換気能力
Answer
正解 3:心拍出量を中心とした酸素運搬能力
最大酸素摂取量は、酸素を取り込み運び、組織で利用するまでの一連の過程で決まるが、健常者では心拍出量を中心とした酸素運搬能力が最も大きな規定要因とされる。持久的トレーニングで最大酸素摂取量が高まる主因も、一回拍出量の増加による心拍出量の増大である。「肺活量の絶対値に代表される換気能力」は誤りで、健常者では換気が制限要因になることは少ない。「安静時の呼吸数と一回換気量の大きさ」は安静時の値であり、最大時の能力を反映しない。「皮下脂肪の厚さに代表される体脂肪量」は体重あたりの値に影響はするが、酸素を運ぶ能力そのものを規定する要因ではない。
HINT 持久力の頭打ちは「肺で酸素が入らない」より「心臓が送れない」で決まる。だから心臓に効くトレーニングが要る。
- Q10#ks-tt-010
持久的トレーニングによって骨格筋に生じる適応として正しいものはどれか。
- 1ミトコンドリアの数と大きさが増え、毛細血管密度が高まる正解
- 2ミトコンドリアの数が減り、解糖系の酵素活性だけが高まる
- 3毛細血管密度が低下し、筋への酸素供給が減る
- 4速筋線維の断面積が著しく増大し、遅筋線維は減少する
Answer
正解 1:ミトコンドリアの数と大きさが増え、毛細血管密度が高まる
持久的トレーニングによって骨格筋では、ミトコンドリアの数と大きさが増え、酸化系の酵素活性が高まり、毛細血管密度が増して酸素と基質の供給が改善する。その結果、同じ強度をより低い相対的負担でこなせるようになる。「ミトコンドリアの数が減り、解糖系の酵素活性だけが高まる」は適応の方向が逆である。「毛細血管密度が低下し、筋への酸素供給が減る」も逆である。「速筋線維の断面積が著しく増大し」はレジスタンストレーニングでみられる変化であり、持久的トレーニングの典型的な適応ではない。
HINT 持久力の適応は「筋の中の工場(ミトコンドリア)と道路(毛細血管)を増やす」こと。
- Q11#ks-tt-011
ウォームアップの生理学的な意義として最も適切なものはどれか。
- 1心拍数を安静時まで下げてから主運動に入るための準備をする
- 2主運動の前に最大強度の運動を行い、筋を疲労させておく
- 3筋温を高めて筋の収縮と弛緩を速め、酸素の利用を高めるとともに傷害のリスクを下げる正解
- 4筋温を下げて代謝を抑え、疲労の蓄積を防ぐ
Answer
正解 3:筋温を高めて筋の収縮と弛緩を速め、酸素の利用を高めるとともに傷害のリスクを下げる
ウォームアップは筋温を高めることで、筋の収縮と弛緩の速度を上げ、酸素がヘモグロビンから組織へ渡りやすくし、関節の可動域を広げて傷害のリスクを下げる働きをもつ。「筋温を下げて代謝を抑え」は目的と逆で、筋温の低下は発揮できる力と傷害の予防の両面で不利になる。「心拍数を安静時まで下げてから主運動に入る」も誤りで、ウォームアップは心拍数と循環を段階的に高めるために行う。「最大強度の運動を行い、筋を疲労させておく」は誤りで、主運動に入る前に疲労させては本末転倒である。
HINT ウォームアップの本体は「温めること」。だから寒い日ほど時間をかける必要がある。
- Q12#ks-tt-012
障がいのある人への運動指導における基本的な考え方として最も適切なものはどれか。
- 1障がいの種類にかかわらず、一般的なプログラムをそのまま適用する
- 2安全を確保するため、運動の機会そのものを制限することを原則とする
- 3本人の希望よりも、介助者が実施しやすい種目を優先して選ぶ
- 4障がいの種類と程度、合併する健康上の問題を把握したうえで、残存機能を活かせるよう種目と環境を調整する正解
Answer
正解 4:障がいの種類と程度、合併する健康上の問題を把握したうえで、残存機能を活かせるよう種目と環境を調整する
障がいのある人への運動指導では、障がいの種類と程度、合併する健康上の問題(体温調節の障害、感覚の障害、褥瘡のリスクなど)を把握したうえで、残存機能を活かせるよう種目・用具・環境を調整することが基本になる。「障がいの種類にかかわらず、一般的なプログラムをそのまま適用する」は個別性の原則に反し、安全上も問題がある。「運動の機会そのものを制限することを原則とする」は誤りで、障がいのある人こそ身体活動の不足による二次的な健康問題を受けやすく、機会の確保が重要である。「介助者が実施しやすい種目を優先して選ぶ」も誤りで、本人の希望と目的を出発点に据える。
HINT 調整するのは「人」ではなく「種目・用具・環境」のほう。この向きを取り違えない。
- Q13#ks-tt-013
スキャモンの発育曲線における「神経型」の発育の特徴として正しいものはどれか。
- 1学童期にいったん成人の水準を大きく超え、その後に低下して成人の水準に戻る
- 2出生から成人まで、ほぼ一定の速度で直線的に発育する
- 3乳幼児期から学童期にかけて急速に発育し、比較的早い時期に成人の水準に近づく正解
- 4思春期以降に急激に発育し、成人になってから成熟する
Answer
正解 3:乳幼児期から学童期にかけて急速に発育し、比較的早い時期に成人の水準に近づく
スキャモンの発育曲線のうち神経型は、乳幼児期から学童期にかけて急速に発育し、比較的早い時期に成人の水準に近づく。この時期に多様な動きを経験させることが重視されるのはこのためである。「思春期以降に急激に発育し、成人になってから成熟する」のは生殖型の特徴である。「学童期にいったん成人の水準を大きく超え、その後に低下して成人の水準に戻る」のはリンパ型の特徴である。「ほぼ一定の速度で直線的に発育する」は、身長や体重などの一般型がS字を描くことを含め、いずれの型の説明にもあたらない。
HINT 神経型=早い、一般型=S字、生殖型=遅い、リンパ型=いったん超えて戻る。4つの形を区別する。
- Q14#ks-tt-014
成長期の子どもに対する運動指導上の配慮として最も適切なものはどれか。
- 1骨端線が閉じていない時期であることを踏まえ、同一部位への過度な反復負荷を避ける正解
- 2成人と同じ強度・量のレジスタンストレーニングを、早い時期から積極的に行う
- 3特定の種目だけを集中して行い、早期に専門化することを優先する
- 4骨が柔らかく傷害が起こらない時期であるため、負荷量の管理は不要である
Answer
正解 1:骨端線が閉じていない時期であることを踏まえ、同一部位への過度な反復負荷を避ける
成長期は骨端線(成長軟骨)が閉じていないため、同一部位への過度な反復負荷は骨端症などの傷害につながりやすい。オスグッド病のような成長期特有の傷害を避けるうえで、負荷の量と休養の管理が重要になる。「成人と同じ強度・量のレジスタンストレーニングを、早い時期から積極的に行う」は負荷の管理という観点を欠いている。「特定の種目だけを集中して行い、早期に専門化する」も同一部位への負荷が偏り、多様な動きの獲得という発育発達上の利点も失われる。「骨が柔らかく傷害が起こらない時期である」は誤りで、成長期はむしろ特有の傷害が起こりやすい。
HINT 成長期の傷害は「使いすぎ」が中心。強度より総量と休養で管理する。
- Q15#ks-tt-015
女性の体力・運動能力の特徴として一般にみられるものはどれか。
- 1体脂肪率は男性より低く、絶対的な筋量も男性と同等である
- 2最大酸素摂取量は絶対値でも体重あたりでも男性より高い
- 3筋力や最大酸素摂取量の男女差は、除脂肪量あたりで比べると小さくなる正解
- 4除脂肪量あたりで比べても、筋力の男女差は絶対値と同じだけ残る
Answer
正解 3:筋力や最大酸素摂取量の男女差は、除脂肪量あたりで比べると小さくなる
女性は男性に比べて体脂肪率が高く筋量が少ないため、絶対値でみると筋力や最大酸素摂取量は男性より低い。しかし除脂肪量あたりで比べると男女の差は小さくなり、差の多くが体組成の違いによることがわかる。「除脂肪量あたりで比べても、筋力の男女差は絶対値と同じだけ残る」は、この点を取り違えている。「体脂肪率は男性より低く、絶対的な筋量も男性と同等である」は、体脂肪率・筋量のいずれも実際とは逆である。「最大酸素摂取量は絶対値でも体重あたりでも男性より高い」も逆で、いずれでみても一般に男性のほうが高い。
HINT 男女差の実体は「体組成の差」が大きい。だから指導の原則そのものは大きく変わらない。
- Q16#ks-tt-016
運動に関連して女性にみられる健康上の問題として、特に注意すべき組み合わせはどれか。
- 1過剰なエネルギー摂取・多血症・骨密度の上昇
- 2利用可能エネルギー不足・血圧の上昇・関節可動域の拡大
- 3月経の異常・筋量の増加・柔軟性の低下
- 4利用可能エネルギー不足・月経の異常・骨密度の低下正解
Answer
正解 4:利用可能エネルギー不足・月経の異常・骨密度の低下
運動量に見合うエネルギーが摂れていない状態(利用可能エネルギー不足)が続くと、月経の異常(無月経など)が生じ、エストロゲンの低下を通じて骨密度が低下するという連鎖が知られており、女性への運動指導で特に注意すべき組み合わせとされる。「過剰なエネルギー摂取・多血症・骨密度の上昇」は、問題となる連鎖とは逆の内容である。「血圧の上昇・関節可動域の拡大」は、この連鎖の構成要素ではない。「筋量の増加・柔軟性の低下」も、問題として警戒される内容ではない。
HINT 起点は「食べる量が足りない」こと。減量指導では月経と骨の両方に目を配る。
- Q17#ks-tt-017
加齢にともなう体力の変化として一般にみられるものはどれか。
- 1筋量と筋力の低下は下肢より上肢で早く大きく現れ、遅筋線維が優先的に萎縮する
- 2筋量と筋力は上肢・下肢で同程度に低下し、筋線維のタイプによる差はない
- 3筋力は低下するが、筋を素早く働かせる能力(パワー)は保たれる
- 4筋量と筋力の低下は上肢より下肢で早く大きく現れ、速筋線維が優先的に萎縮する正解
Answer
正解 4:筋量と筋力の低下は上肢より下肢で早く大きく現れ、速筋線維が優先的に萎縮する
加齢にともなう筋量と筋力の低下は、上肢より下肢で早く大きく現れ、筋線維のタイプでは速筋線維が優先的に萎縮する。歩行や立ち上がりといった下肢の動作から支障が出やすいのはこのためである。「下肢より上肢で早く大きく現れ、遅筋線維が優先的に萎縮する」は部位も線維タイプも逆である。「上肢・下肢で同程度に低下し、筋線維のタイプによる差はない」は、実際にみられる部位差と線維タイプ差を否定している。「筋力は低下するが、パワーは保たれる」も誤りで、速筋線維の萎縮を反映してパワーは筋力よりむしろ早く低下する。
HINT 下肢と速筋から落ちる。だから高齢者のプログラムは下肢と「素早さ」を外せない。
- Q18#ks-tt-018
高齢者に対するレジスタンストレーニングの効果に関する説明として正しいものはどれか。
- 1高齢であっても筋力の向上と筋の肥大は生じ、日常生活動作の改善につながりうる正解
- 2高齢者では筋の適応能力が失われているため、筋力も筋量も向上しない
- 3高齢者では神経系の適応のみが起こり、筋の肥大はまったく生じない
- 4効果は認められるが、必ず高強度でなければ得られないため導入は困難である
Answer
正解 1:高齢であっても筋力の向上と筋の肥大は生じ、日常生活動作の改善につながりうる
高齢者であってもレジスタンストレーニングによって筋力の向上と筋の肥大は生じ、歩行速度や立ち上がり能力といった日常生活動作の改善につながることが示されている。「筋の適応能力が失われているため、筋力も筋量も向上しない」は誤りで、適応能力は保たれている。「神経系の適応のみが起こり、筋の肥大はまったく生じない」も誤りで、若年者に比べて速度は緩やかでも肥大は起こる。「必ず高強度でなければ得られないため導入は困難」も誤りで、低〜中強度でも回数や頻度を確保することで効果が得られ、安全性の面からも導入しやすい。
HINT 「歳だから無理」は誤り。むしろ伸びしろが大きく、日常生活への波及も大きい。
- Q19#ks-tt-019
運動の効果が失われていく可逆性に関する説明として正しいものはどれか。
- 1トレーニングを中止すると効果は徐々に失われ、獲得に要した期間より短い期間で低下しうる正解
- 2いったん獲得した効果は生涯にわたり維持され、中止しても低下しない
- 3効果が失われる速さは、獲得に要した期間とつねに正確に一致する
- 4持久力は低下するが、筋力は中止しても低下しない
Answer
正解 1:トレーニングを中止すると効果は徐々に失われ、獲得に要した期間より短い期間で低下しうる
可逆性の原理により、トレーニングを中止すると得られた効果は徐々に失われる。しかもその低下は、獲得に要した期間より短い期間で進むことがあり、継続の重要性を裏づける。「いったん獲得した効果は生涯にわたり維持され」は可逆性の原理を否定しており誤り。「効果が失われる速さは、獲得に要した期間とつねに正確に一致する」は誤りで、両者に一定の対応関係はない。「持久力は低下するが、筋力は中止しても低下しない」も誤りで、筋力・筋量も中止により低下する。
HINT 「続けられる設計かどうか」が指導の質を決める理由がここにある。強度より継続。
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