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資格のニガテ一問一答
健康運動指導士科目模擬試験復習

運動プログラムの実際全27問・正解と解説つき

健康運動指導士・ 公式テキスト第11章・ 分量 11%

運動プログラム作成の基本、健診結果・安静時心電図の読み方(波形の成り立ち・心拍数の算出・不整脈・ST下降)、メディカルチェックの重要性とリスク層別化、服薬者の運動プログラム作成上の注意(ドーピング防止を含む)、生活習慣病に対する運動療法プログラム作成実習(糖尿病・肥満・高血圧・脂質異常症)。

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  1. 運動プログラムの構成要素として、一般に「FITT」と呼ばれるものの組み合わせはどれか。

    • 1食事・運動・休養・喫煙
    • 2目標・計画・実行・評価
    • 3頻度・強度・時間・種類正解
    • 4柔軟性・筋力・持久力・調整力

    Answer

    正解 3:頻度・強度・時間・種類

    運動プログラムの基本的な構成要素は、頻度(Frequency)・強度(Intensity)・時間(Time)・種類(Type)の4つで、頭文字をとってFITTと呼ばれる。対象者の目的と状態に応じてこの4つを組み立てる。「柔軟性・筋力・持久力・調整力」は行動体力の要素であり、プログラムの構成要素ではない。「食事・運動・休養・喫煙」は生活習慣の領域を並べたもので、運動プログラムの設計軸ではない。「目標・計画・実行・評価」は業務の進め方の枠組みであり、運動の条件を表すものではない。

    HINT 強度を上げにくい対象者には、頻度と時間で量を確保する。4つのうちどれを動かすかを考える枠組み。

  2. 運動習慣のない中高年者に対する運動プログラムの立ち上げ方として最も適切なものはどれか。

    • 1頻度は週1回にとどめ、1回の時間を長くとって運動量を確保する
    • 2低い強度と短い時間から始め、まず頻度と時間を確保してから強度を上げていく正解
    • 3早く効果を出すため、最初から高い強度で短時間の運動を行わせる
    • 4強度と時間と頻度を同時に大きく引き上げ、できるだけ短期間で目標の運動量に到達させる

    Answer

    正解 2:低い強度と短い時間から始め、まず頻度と時間を確保してから強度を上げていく

    運動習慣のない中高年者では、低い強度と短い時間から始め、まず頻度と時間を確保して運動を生活に定着させてから強度を上げていくのが安全で、継続にもつながる。「最初から高い強度で短時間の運動を行わせる」は、整形外科的な傷害と心血管系の事故のリスクが高く、中断の原因にもなる。「強度と時間と頻度を同時に大きく引き上げ、できるだけ短期間で目標の運動量に到達させる」は漸進性の原則に反する。「頻度は週1回にとどめ、1回の時間を長くとって運動量を確保する」は誤りで、同じ運動量なら回数を分けたほうが1回あたりの負担が軽く、生活への定着にもつながる。週1回にまとめると1回の負担が大きく、傷害と中断を招きやすい。

    HINT 最初の関門は「続くかどうか」。強度を上げるのは習慣が定着してからでよい。

  3. 包括的な運動プログラムに含めるべき要素として最も適切なものはどれか。

    • 1有酸素性運動を主体に据え、筋力と柔軟性は日常の動作で補う
    • 2跳躍を伴う高強度の運動を、導入期から中心に据える
    • 3柔軟性の運動を主体に組み、筋力の運動は後から加える
    • 4有酸素性運動、レジスタンス運動、柔軟性の運動を組み合わせる正解

    Answer

    正解 4:有酸素性運動、レジスタンス運動、柔軟性の運動を組み合わせる

    包括的な運動プログラムでは、有酸素性運動、レジスタンス運動、柔軟性の運動を組み合わせ、高齢者など目的に応じてバランス能力の運動を加える。体力の要素はそれぞれ異なる刺激で高まるため、特異性の原理から一つの種目ではすべてを賄えない。「有酸素性運動を主体に据え、筋力と柔軟性は日常の動作で補う」は、日常の動作では筋力と柔軟性に十分な刺激が加わらず、別に組み込む必要がある。「柔軟性の運動を主体に組み、筋力の運動は後から加える」は、筋力の運動を遅らせる理由が乏しく、身体活動・運動ガイド2023が有酸素性の活動と筋トレを並行して勧めている点にも合わない。「跳躍を伴う高強度の運動を、導入期から中心に据える」は要素を足す方向の行き過ぎで、運動習慣のない対象者では下肢の傷害と心血管系の事故の危険が大きい。

    HINT 身体活動・運動ガイド2023も有酸素性の活動と筋トレを別建てで推奨している。1種目では足りない。

  4. 運動プログラムの評価と見直しに関する考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1体力測定を全項目行って記録に残し、測定値が少しでも下がったら内容を変える
    • 2一定期間ごとに体力測定や記録を確認し、達成状況と負担感に応じてプログラムを修正する正解
    • 3作成したプログラムは当初の計画どおり期間が終わるまで続け、評価は期間を終えた時点でまとめて行う
    • 4評価は対象者の主観や感想のみで行い、体力測定の測定値とは無関係に進める

    Answer

    正解 2:一定期間ごとに体力測定や記録を確認し、達成状況と負担感に応じてプログラムを修正する

    運動プログラムは作成して終わりではなく、一定期間ごとに体力測定や実施記録を確認し、達成状況と負担感に応じて修正していく。体調や生活の変化に合わせて調整することが継続と安全の両方につながる。「当初の計画どおり期間が終わるまで続け、評価は期間を終えた時点でまとめて行う」は、途中の不適合に対応できない。「評価は対象者の主観や感想のみで行い、体力測定の測定値とは無関係に進める」は変化を客観的に捉えられない。「体力測定を全項目行って記録に残し、測定値が少しでも下がったら内容を変える」は、全項目の測定そのものが対象者の負担になるうえ、測定値のゆれに合わせて内容を動かすため方針が定まらない。

    HINT 見直しの材料は「測定値」と「本人の実感」の両方。片方だけでは判断を誤る。

  5. 運動の効果が体重の減少として現れにくい場合の説明として最も適切なものはどれか。

    • 1運動で減るのは主に水分と筋のグリコーゲンなので、体重は数日で元に戻る
    • 2体重の停滞が続く場合は、腹囲や内臓脂肪、血液検査の値も停滞していると判断してよい
    • 3体重が停滞している場合は、ただちに運動の量を2倍に増やして続けるべきである
    • 4除脂肪量が維持または増加すると、体脂肪が減っても体重の変化は小さくなることがある正解

    Answer

    正解 4:除脂肪量が維持または増加すると、体脂肪が減っても体重の変化は小さくなることがある

    運動によって体脂肪が減っても、同時に除脂肪量が維持または増加すると、差し引きで体重の変化は小さくなることがある。この場合でも内臓脂肪や検査値は改善していることがあるため、体重だけで効果を判断しないよう伝えることが重要になる。「運動で減るのは主に水分と筋のグリコーゲンなので、体重は数日で元に戻る」は誤りで、運動を続ければ体脂肪そのものが減る。「体重の停滞が続く場合は、腹囲や内臓脂肪、血液検査の値も停滞していると判断してよい」も誤りで、体重が動かなくても腹囲や血液検査が改善する例は多い。「体重が停滞している場合は、ただちに運動の量を2倍に増やして続けるべき」も誤りで、急激な増量は傷害と中断を招く。

    HINT 体重が動かない時期に脱落が起きやすい。腹囲や検査値など別の指標を用意しておく。

  6. 安静時心電図の波形に関する説明として正しいものはどれか。

    • 1P波は心臓の収縮する強さを、QRS波は血圧の高さを、T波は心拍数を表す
    • 2P波は心房の興奮(脱分極)を、QRS波は心室の興奮を、T波は心室の再分極を表す正解
    • 3P波は心室の興奮(脱分極)を、QRS波は心房の興奮を、T波は心房全体の再分極を表す
    • 4QRS波は心室の興奮を表し、P波とT波はいずれも心房の活動を表す

    Answer

    正解 2:P波は心房の興奮(脱分極)を、QRS波は心室の興奮を、T波は心室の再分極を表す

    安静時心電図では、P波が心房の興奮(脱分極)、QRS波が心室の興奮、T波が心室の再分極を表す。心房の再分極はQRS波に埋もれて通常は識別できない。「P波は心室の興奮(脱分極)を、QRS波は心房の興奮を、T波は心房全体の再分極を表す」は心房と心室が入れ替わっている。「QRS波は心室の興奮を表し、P波とT波はいずれも心房の活動を表す」は、QRS波の記述は正しいがT波の帰属が誤りで、T波は心室の再分極を表す。「P波は心臓の収縮する強さを、QRS波は血圧の高さを、T波は心拍数を表す」は誤りで、心電図が記録しているのは心筋の電気的な活動であり、収縮の強さや血圧そのものではない。

    HINT 心電図は「電気の記録」であって「ポンプの力の記録」ではない。ここを取り違えると解釈を誤る。

  7. 標準12誘導心電図の構成として正しいものはどれか。

    • 1四肢誘導6誘導と胸部誘導6誘導の計12誘導からなる正解
    • 2四肢誘導10誘導と胸部誘導2誘導の計12誘導からなる
    • 3胸部誘導12誘導のみからなり、四肢には電極を装着しない
    • 4四肢誘導3誘導と胸部誘導9誘導の計12誘導からなる

    Answer

    正解 1:四肢誘導6誘導と胸部誘導6誘導の計12誘導からなる

    標準12誘導心電図は、四肢誘導(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・aVR・aVL・aVF)6誘導と、胸部誘導(V1〜V6)6誘導の計12誘導からなる。健康運動指導士は電極装着の補助を行うことがあるため、装着の位置と誘導の構成を理解しておく必要がある。「四肢誘導10誘導と胸部誘導2誘導」は内訳が誤りである。「四肢誘導3誘導と胸部誘導9誘導の計12誘導からなる」も内訳が誤りである。「胸部誘導12誘導のみからなり、四肢には電極を装着しない」は、四肢の電極を欠く点で実際の構成と異なる。

    HINT 「12誘導」でも電極は10個。誘導の数と電極の数は一致しない。

  8. 運動負荷心電図におけるST部分の低下が注目される理由として正しいものはどれか。

    • 1心房細動が生じていることを確定的に示す所見であり、運動の中止を判断する基準になるため
    • 2骨格筋の疲労と筋力の低下の程度を定量的に表す所見であるため
    • 3最大酸素摂取量の値を直接示す所見であり、全身持久力の指標になるため
    • 4心筋の虚血を示唆する所見であり、運動中の安全を判断する手がかりになるため正解

    Answer

    正解 4:心筋の虚血を示唆する所見であり、運動中の安全を判断する手がかりになるため

    運動負荷心電図におけるST部分の低下は心筋の虚血を示唆する所見で、運動を継続してよいかを判断する重要な手がかりになる。健康運動指導士は診断を行う立場ではないが、こうした所見の意味を理解して医師と連携することが求められる。「心房細動が生じていることを確定的に示す所見であり、運動の中止を判断する基準になる」は誤りで、心房細動はP波の消失と不規則なRR間隔から判断される。「骨格筋の疲労と筋力の低下の程度を定量的に表す所見」は誤りで、心電図は筋力を表さない。「最大酸素摂取量の値を直接示す所見であり、全身持久力の指標になる」も誤りで、最大酸素摂取量は呼気ガス分析または推定によって求める。

    HINT ST低下は「診断」ではなく「示唆」。判断は医師が行い、指導士は所見の意味を理解して連携する。

  9. 特定健康診査の基本的な項目に含まれるものとして正しいものはどれか。

    • 1頭部MRI、脳波、認知機能に関する検査
    • 2腹囲、血圧、血中脂質に関する検査正解
    • 3胸部エックス線、心臓超音波、運動負荷心電図に関する検査
    • 4骨密度、体脂肪率、最大酸素摂取量に関する検査

    Answer

    正解 2:腹囲、血圧、血中脂質に関する検査

    特定健康診査の基本的な項目には、質問票、身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)、血圧、血中脂質(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)、肝機能、血糖に関する検査、尿検査などが含まれる。「胸部エックス線、心臓超音波、運動負荷心電図に関する検査」は基本的な項目ではない。なお安静時の心電図検査は、医師が必要と認めた場合に行う「詳細な健診の項目」(心電図・眼底・貧血・血清クレアチニン)に含まれるが、運動負荷心電図は含まれない。「骨密度、体脂肪率、最大酸素摂取量に関する検査」も特定健診の項目ではない。「頭部MRI、脳波、認知機能に関する検査」も含まれない。

    HINT 特定健診が見ているのはメタボリックシンドロームに関わる項目。そこから外れる検査は入らない。

  10. 健康運動指導士が安静時心電図の記録に関わる際の立場として正しいものはどれか。

    • 1所見に応じて服薬の内容や量を変更するよう対象者に助言し、自分で経過をみる
    • 2心電図の電極を装着する作業は対象者本人に任せ、指導士は記録と判読を受け持つ
    • 3電極装着の補助と記録を担い、不整脈の有無やST下降は判断するが、診断は医師が行う正解
    • 4波形から所見を読み取り、診断名を確定したうえで対象者に直接伝える

    Answer

    正解 3:電極装着の補助と記録を担い、不整脈の有無やST下降は判断するが、診断は医師が行う

    財団の学習目標には「安静時心電図の波形から心拍数の算出、不整脈の有無の判断、ST下降の判断ができるようになる」と明記されており、波形を読んで判断すること自体は健康運動指導士に求められている能力である。越えてはならないのは診断名を告げることと治療方針を決めることで、「波形から所見を読み取り、診断名を確定したうえで対象者に直接伝える」は医行為にあたり業務範囲を超える。「所見に応じて服薬の内容や量を変更するよう対象者に助言し、自分で経過をみる」も同様に業務範囲を超え、危険でもある。「心電図の電極を装着する作業は対象者本人に任せ、指導士は記録と判読を受け持つ」は誤りで、装着位置の正しさが波形の質を左右するため、補助するのは指導士の役割として学習目標に挙げられている。

    HINT 財団の学習目標には不整脈の有無やST下降の判断ができることが挙げられている。言い切れるのは、診断を行うのは医師だということ。

  11. 運動開始前のメディカルチェックの目的として最も適切なものはどれか。

    • 1運動によって得られる効果を数値で予測し、体重の減少量と必要な期間を確定する
    • 2対象者の運動への意欲を測り、意欲の低い者をプログラムの対象から外す
    • 3運動に伴う事故をあらかじめ防ぐため、対象者全員に毎月の運動負荷試験を課す
    • 4運動に伴う事故のリスクを評価し、運動の可否と安全に実施できる条件を明らかにする正解

    Answer

    正解 4:運動に伴う事故のリスクを評価し、運動の可否と安全に実施できる条件を明らかにする

    メディカルチェックは、運動に伴う事故のリスクを評価し、運動を行ってよいかどうかと、安全に実施するための条件(強度の上限、避けるべき種目、監視の要否など)を明らかにすることを目的とする。「運動によって得られる効果を数値で予測し、体重の減少量と必要な期間を確定する」は目的が異なり、そもそも確定できるものでもない。「対象者の運動への意欲を測り、意欲の低い者をプログラムの対象から外す」は目的として誤りで、意欲が低い者こそ支援の対象になる。「運動に伴う事故をあらかじめ防ぐため、対象者全員に毎月の運動負荷試験を課す」は、評価を重ねること自体を目的にしてしまっている。健康づくりを目的とする一般の対象者では、リスクの層に応じて実施の要否を判断するのが前提である。

    HINT 結論は「やってよいか/どこまでか」の2点。可否だけでなく条件を持ち帰るのが目的。

  12. 運動実施日のセルフチェックとして確認すべき内容として最も適切なものはどれか。

    • 1睡眠、食事、発熱や体調の変化、前回の疲労の残り方を確認する正解
    • 2前回の運動内容を確認し、当日の状態は運動開始後に判断する
    • 3前回の運動で挙上した重量と回数を書き出させる
    • 4血圧と体重を測り、前回と差があればその日は中止する

    Answer

    正解 1:睡眠、食事、発熱や体調の変化、前回の疲労の残り方を確認する

    運動実施日のセルフチェックでは、睡眠、食事、発熱や体調の変化、前回の運動による疲労の残り方などを本人に確認し、その日に予定どおり実施してよいかを判断する。事前のメディカルチェックで安全が確認されていても、当日の状態によって中止や軽減が必要になるためである。「前回の運動内容を確認し、当日の状態は運動開始後に判断する」は、実施前に把握すべき体調の変化を見落とすことになる。「前回の運動で挙上した重量と回数を書き出させる」も、前回の実施内容の記録にとどまり、当日の状態を捉えられない。「血圧と体重を測り、前回と差があればその日は中止する」も誤りで、測定値は日ごとにゆれるものであり、差が出たという一点だけを根拠に中止を決めると、実施の機会を無用に失う。

    HINT 事前のメディカルチェックは「そもそもやってよいか」、当日のセルフチェックは「今日やってよいか」。

  13. 運動指導の場面で、医師への照会が必要と判断すべき場合として最も適切なものはどれか。

    • 1運動中に胸痛や強い息切れ、失神しそうな感じを訴えた場合正解
    • 2運動の翌日に軽い筋肉痛を訴えた場合
    • 3運動中の心拍数が、安静時より30拍/分ほど高くなった場合
    • 4運動中に息が弾み、会話はできるが歌えない程度の場合

    Answer

    正解 1:運動中に胸痛や強い息切れ、失神しそうな感じを訴えた場合

    運動中の胸痛、通常では説明できない強い息切れ、失神しそうな感じ(前失神)は、心血管系の異常を示唆する症状であり、運動をただちに中止して医師へ照会する必要がある。「運動の翌日に軽い筋肉痛」は慣れない運動のあとに生じる一般的な反応である。「運動中の心拍数が、安静時より30拍/分ほど高くなった場合」は、心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2021年改訂版)が簡便法として示す目標心拍数の目安(安静時心拍数+30拍/分、β遮断薬を投与している場合は+20拍/分)そのものであり、それだけでは照会の理由にならない。「息が弾み、会話はできるが歌えない程度」は中等度の強度に相当し、健康づくりの範囲内にある。

    HINT 胸部症状・失神感・不釣り合いな息切れの3つは、その場で運動を止める合図として覚える。

  14. β遮断薬を服用している者の運動強度の設定に関する説明として正しいものはどれか。

    • 1心拍数が上がりにくくなる分を見込んで目標心拍数を高く設定し、強度を上げていく
    • 2心拍数による設定が使いにくく、主観的運動強度などを併用する正解
    • 3同じ運動強度でも心拍数が高く出るため、通常より低い目標心拍数を設定して強度を抑えればよい
    • 4心拍数は薬の影響を受けても相対的な変化は保たれるため、安静時との差で強度を設定する

    Answer

    正解 2:心拍数による設定が使いにくく、主観的運動強度などを併用する

    β遮断薬は心拍数の上昇を抑えるため、同じ運動強度でも心拍数が低く出る。そのため心拍数だけで強度を設定すると実際より軽く見積もることになり、主観的運動強度(RPE)などを併用する必要がある。「同じ運動強度でも心拍数が高く出るため、通常より低い目標心拍数を設定して強度を抑えればよい」は薬の作用と逆である。「心拍数は薬の影響を受けても相対的な変化は保たれるため、安静時との差で強度を設定する」は誤りで、β遮断薬は心拍数の反応そのものを鈍らせるので、安静時との差をとっても強度との対応は保たれない。「心拍数が上がりにくくなる分を見込んで目標心拍数を高く設定し、強度を上げていく」も誤りで、薬で抑えられた心拍数を無理に目標値へ近づけることになり、実際の強度が過大になる。

    HINT 服薬の確認が問診に必要なのは、薬が「指標そのものを壊す」ことがあるから。

  15. 血糖降下薬やインスリンを使用している者への運動指導上の注意として最も適切なものはどれか。

    • 1運動中に低血糖の症状が出た場合は、強度を下げて運動を続け、糖の補給は運動後にまとめて行う
    • 2低血糖に備え、実施の時間帯や補食について医師の指示を確認しておく正解
    • 3薬の作用が最も強い時間帯に合わせて運動を行わせ、血糖の下がり方を確かめておく
    • 4低血糖が起きた場合に備え、運動を行う日は必ず薬を中止するよう本人に勧める

    Answer

    正解 2:低血糖に備え、実施の時間帯や補食について医師の指示を確認しておく

    血糖降下薬やインスリンを使用している者では、運動によって低血糖が起こりうるため、実施の時間帯や補食の要否について医師の指示をあらかじめ確認しておく必要がある。「薬の作用が最も強い時間帯に合わせて運動を行わせ、血糖の下がり方を確かめておく」は誤りで、薬の作用が強い時間帯は低血糖の危険が最も高く、観察のために選ぶ時間帯ではない。「運動を行う日は必ず薬を中止するよう本人に勧める」は医師の指示を変更させることにあたり、健康運動指導士が行ってはならない。「運動中に低血糖の症状が出た場合は、強度を下げて運動を続け、糖の補給は運動後にまとめて行う」も誤りで、症状が出た時点で運動を中止し、あらかじめ医師に確認しておいた指示に従って対応する。

    HINT 薬の調整は医師の領域。指導士ができるのは「確認しておくこと」と「備えておくこと」。

  16. 運動指導における薬物とドーピングに関する説明として最も適切なものはどれか。

    • 1競技に参加する者では、市販薬やサプリメントにも禁止物質が含まれうるため注意を促す正解
    • 2医師が処方した薬は治療のために必要なものなので、どの成分であっても競技で使用することが認められる
    • 3市販薬とサプリメントは食品に近い扱いを受けるので、ドーピングの検査では成分も対象から外れる
    • 4禁止物質の混入を防ぐため、服用中の薬を中止するよう指導者の判断で指示する

    Answer

    正解 1:競技に参加する者では、市販薬やサプリメントにも禁止物質が含まれうるため注意を促す

    競技に参加する者に対しては、市販薬やサプリメントにも禁止物質が含まれうることを伝え、使用前に確認するよう促すことが指導者の役割になる。「医師が処方した薬は治療のために必要なものなので、どの成分であっても競技で使用することが認められる」は誤りで、治療目的であっても禁止物質にあたる場合があり、必要に応じた手続きが要る。「市販薬とサプリメントは食品に近い扱いを受けるので、ドーピングの検査では成分も対象から外れる」も誤りで、市販薬は医薬品であり、サプリメントも成分表示にない物質が混入する例が知られている。「禁止物質の混入を防ぐため、服用中の薬を中止するよう指導者の判断で指示する」も誤りで、服薬の中止は医師が判断する事柄であり、指導者が指示すれば治療そのものを妨げる。

    HINT 「知らずに摂った」でも責任を問われる。だから事前に確認を促すことが指導になる。

  17. 2型糖尿病の者に対する運動療法プログラムの基本として最も適切なものはどれか。

    • 1有酸素性運動とレジスタンス運動を毎日行い、同じ筋群へのレジスタンス運動も連日続ける
    • 2空腹時に高強度の運動を行うことを基本とし、食後の運動は避ける
    • 3有酸素性運動を中心にレジスタンス運動を併用し、運動しない日を2日以上続けない正解
    • 4レジスタンス運動を週1回まとめて行い、有酸素性運動は血糖が下がった段階で加える

    Answer

    正解 3:有酸素性運動を中心にレジスタンス運動を併用し、運動しない日を2日以上続けない

    糖尿病診療ガイドライン2024は、有酸素運動を中強度で週150分以上・週3回以上、運動をしない日が2日以上続かないように行い、レジスタンス運動は連続しない日程で週2〜3回行うことを示している。運動後に高まったインスリン感受性は時間とともに戻るため、間隔が空きすぎると効果が保てない。「レジスタンス運動を週1回まとめて行い、有酸素性運動は血糖が下がった段階で加える」は、量として不足するうえ、有酸素性運動こそ血糖の改善の中心に置くものである。「有酸素性運動とレジスタンス運動を毎日行い、同じ筋群へのレジスタンス運動も連日続ける」は、ガイドラインがレジスタンス運動を連続しない日程で週2〜3回としている点に反し、回復の時間を確保できない。「空腹時に高強度の運動を行うことを基本とし、食後の運動は避ける」は、薬物療法を受けている者では低血糖の危険が高く、また食後の運動は食後高血糖の抑制に役立つため避ける理由がない。

    HINT 「運動しない日を2日以上続けない」が目安。レジスタンス運動のほうは逆に連続しない日程で行う。

  18. 内臓脂肪の減少を目的とした運動プログラムの考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1毎日2時間以上の運動を課し、体重の停滞した週は運動時間をさらに延ばして補う
    • 2総エネルギー消費量を確保できるよう、続けられる強度で運動の時間と頻度を積み上げる正解
    • 3短時間の高強度運動を中心に組み立て、運動を終えたあとの代謝亢進で総消費量を確保する
    • 4腹部のレジスタンス運動のみを集中して行い、その部位の皮下脂肪と内臓脂肪を選んで減らす

    Answer

    正解 2:総エネルギー消費量を確保できるよう、続けられる強度で運動の時間と頻度を積み上げる

    内臓脂肪の減少には総エネルギー消費量の確保が重要で、続けられる強度で運動の時間と頻度を積み上げる設計が現実的である。「短時間の高強度運動を中心に組み立て、運動を終えたあとの代謝亢進で総消費量を確保する」は、運動後の代謝亢進で増える消費量はわずかで、運動習慣のない者には安全面でも適さない。「腹部のレジスタンス運動のみを集中して行い、その部位の皮下脂肪と内臓脂肪を選んで減らす」は部分痩せの考え方であり、特定の部位の運動でその部位の脂肪だけを減らすことはできない。「毎日2時間以上の運動を課し、体重の停滞した週は運動時間をさらに延ばして補う」も誤りで、続けられない量を積み増す設計は中断と傷害を招き、停滞期の対応としても食事を含めた見直しが先になる。

    HINT 部分痩せは成り立たない。腹筋運動は腹筋を鍛えるが、腹の脂肪を選んで減らすわけではない。

  19. 高血圧のある者に対する運動プログラム作成上の注意として最も適切なものはどれか。

    • 1運動中に測った収縮期血圧が上がっていれば適応が進んだとみて、その日の強度を上げる
    • 2息こらえを伴う高強度のレジスタンス運動を避け、有酸素性運動を中心に組み立てる正解
    • 3息こらえを伴う高強度のレジスタンス運動を中心に組み立て、有酸素性運動は補助的に加える
    • 4降圧薬を服用している場合は、運動後のクールダウンを短く切り上げて退出させる

    Answer

    正解 2:息こらえを伴う高強度のレジスタンス運動を避け、有酸素性運動を中心に組み立てる

    高血圧のある者では、息こらえ(バルサルバ手技)を伴う高強度のレジスタンス運動は血圧を急激に上昇させるため避け、有酸素性運動を中心に組み立てる。なお高血圧管理・治療ガイドライン2025では、低強度のレジスタンス運動について有酸素性運動との併用の有用性が示されている。有酸素性運動と同等の降圧効果が示されているわけではない。避けるべきなのはレジスタンス運動そのものではなく、息こらえを伴う高強度である。「息こらえを伴う高強度のレジスタンス運動を中心に組み立て、有酸素性運動は補助的に加える」は最も避けるべき方法である。「降圧薬を服用している場合は、運動後のクールダウンを短く切り上げて退出させる」は誤りで、運動のあとは血圧が下がりやすく、急に動きを止めて退出させればめまいや失神を招きうる。クールダウンは段階的に行う。「運動中に測った収縮期血圧が上がっていれば適応が進んだとみて、その日の強度を上げる」も誤りで、運動中の血圧上昇は負荷への反応であって適応の指標ではなく、上昇の程度によっては中止の判断材料になる。

    HINT レジスタンス運動そのものが禁止なのではなく、息こらえと高強度が問題。ここを区別する。

  20. 脂質異常症のある者に対する運動プログラムとして最も適切なものはどれか。

    • 1中等度の有酸素運動を行い、食事療法と組み合わせる正解
    • 2毎日の運動時間を限度まで延ばし、食事の総エネルギー量を大幅に減らし続ける
    • 3運動でLDLコレステロールを短期間で下げられるため、食事療法は後回しでよい
    • 4脂質の値が基準内に入るまでは薬物療法に任せ、運動は改善後に始める

    Answer

    正解 1:中等度の有酸素運動を行い、食事療法と組み合わせる

    脂質異常症に対しては、中等度の有酸素性運動を継続的に行い、食事療法と組み合わせることが基本になる。運動はトリグリセライドの低下とHDLコレステロールの上昇に効果が期待できる。「毎日の運動時間を限度まで延ばし、食事の総エネルギー量を大幅に減らし続ける」は、運動と食事の両方に手をつけてはいるが、続けられない量と制限であり、脱落と低栄養を招く。「運動でLDLコレステロールを短期間で下げられるため、食事療法は後回しでよい」は誤りで、血中脂質は1回の運動では変わらず、数か月以上の継続を要するため短期間で下げることはできない。食事療法を後回しにしてよい理由にもならない。「脂質の値が基準内に入るまでは薬物療法に任せ、運動は改善後に始める」も誤りで、運動と食事は薬物療法と並ぶ基本の対応であり、後に回すものではない。

    HINT 運動が効くのはトリグリセライドとHDL。LDLを下げたいなら食事と薬が主役になる。

  21. 1回の運動セッションの構成として一般に適切とされるものはどれか。

    • 1クールダウン、主運動、ウォームアップの順に構成する
    • 2ウォームアップ、主運動、クールダウン順に構成する正解
    • 3主運動、ウォームアップ、クールダウンの順に構成する
    • 4ウォームアップとクールダウンに30分ずつかけ、主運動を10分に収める

    Answer

    正解 2:ウォームアップ、主運動、クールダウン順に構成する

    1回の運動セッションは、ウォームアップ、主運動、クールダウンの順に構成する。ウォームアップで身体を主運動に備えさせ、クールダウンで段階的に安静状態へ戻す。「主運動、ウォームアップ、クールダウンの順」は準備なしに主運動へ入ることになり、傷害と心血管系の事故のリスクが高い。「ウォームアップとクールダウンに30分ずつかけ、主運動を10分に収める」は順序は正しいが配分が逆で、主運動の量が足りず目的とする効果が得られない。「クールダウン、主運動、ウォームアップの順」はそれぞれの目的と順序が成り立たない。

    HINT 時間が足りないときに削られやすいのがクールダウン。削ってよい部分ではない。

  22. 運動プログラムにおける目標設定の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1最終的な目標に加えて、達成を確認しやすい短期の目標を段階的に置く正解
    • 2最終的な目標は本人と相談して決めておき、途中の目標は指導者が随時その場で決める
    • 3達成できなかった短期の目標を、次の期間の目標へそのまま積み増していく
    • 4達成がきわめて困難な目標をあえて置くことで、意欲を最大限に引き出す

    Answer

    正解 1:最終的な目標に加えて、達成を確認しやすい短期の目標を段階的に置く

    目標設定では、最終的な目標に加えて達成を確認しやすい短期の目標を段階的に置くことで、成功体験を重ねやすくなり自己効力感が高まる。「最終的な目標は本人と相談して決めておき、途中の目標は指導者が随時その場で決める」は、最終的な目標の立て方は適切だが、短期の目標がその場の判断で変わるため達成を確認できず、成功体験を積み上げる働きを持たない。「達成できなかった短期の目標を、次の期間の目標へそのまま積み増していく」は、目標が際限なく膨らんで達成の確認ができなくなり、かえって自己効力感を下げる。「達成がきわめて困難な目標をあえて置くことで、意欲を最大限に引き出す」は、失敗体験を重ねて自己効力感を下げる。

    HINT 短期目標は「行動」で置くと達成を確認しやすい。体重より「週3回歩く」のほうが管理できる。

  23. 特定保健指導の対象者に対して健康運動指導士が果たす役割として最も適切なものはどれか。

    • 1公平に扱うことを最も優先し、同じ内容と同じ量の運動メニューを対象者全員へ提供する
    • 2検査結果と生活の状況を踏まえ、安全に実施でき継続可能な運動の内容を具体的に提案する正解
    • 3検査結果をもとに生活習慣病の診断を行い、その病名と重症度を対象者に伝えたうえで指導する
    • 4服薬の必要性を判断し、運動で改善するため対象者に受診を控えるよう助言する

    Answer

    正解 2:検査結果と生活の状況を踏まえ、安全に実施でき継続可能な運動の内容を具体的に提案する

    特定保健指導において健康運動指導士に求められるのは、検査結果と生活の状況を踏まえて、安全に実施でき継続可能な運動の内容を具体的に提案することである。「検査結果をもとに生活習慣病の診断を行い、その病名と重症度を対象者に伝えたうえで指導する」は医行為にあたり業務範囲を超える。「服薬の必要性を判断し、運動で改善するため対象者に受診を控えるよう助言する」も業務範囲を超えるうえ、受診を妨げる助言は危険である。「公平に扱うことを最も優先し、同じ内容と同じ量の運動メニューを対象者全員へ提供する」は、個別性という保健指導の前提に反し、リスクの高い対象者に過大な負荷がかかる。

    HINT 「診断しない・処方しない・受診を妨げない」。この3つを守った上で運動の中身を設計するのが役割。

  24. 運動プログラムの記録に関する考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1実施した種目名と回数を書き残し、対象者の訴えや体調の変化は記録しない
    • 2事故や体調不良が起きた場合の経緯を、記憶に頼って後からまとめて書き起こす
    • 3対象者の氏名と既往歴を、施設の掲示板にまとめて張り出す
    • 4実施した内容、対象者の反応や訴え、中止や変更の判断とその理由を残す正解

    Answer

    正解 4:実施した内容、対象者の反応や訴え、中止や変更の判断とその理由を残す

    運動プログラムの記録には、実施した内容に加えて、対象者の反応や訴え、中止や変更を判断した場合はその理由まで残す。次回の判断材料になり、医師との連携や事故が起きた際の経緯の説明にも用いられる。「実施した種目名と回数を書き残し、対象者の訴えや体調の変化は記録しない」は、体調の変化の兆候を追えなくなる。「事故や体調不良が起きた場合の経緯を、記憶に頼って後からまとめて書き起こす」は、時間が経つほど内容が不確かになり、判断の根拠として使えない。「対象者の氏名と既往歴を、施設の掲示板にまとめて張り出す」は、記録を残す方向ではあるものの、本人の同意を得ずに健康に関する情報を第三者の目に触れる場所へ掲げることになり、取り扱いとして適切でない。

    HINT 記録は「何をしたか」より「なぜそう判断したか」が効く。医師への照会でも役に立つ。

  25. 変形性膝関節症のある者に対する運動プログラムの組み立てとして最も適切なものはどれか。

    • 1膝への荷重を抑えた条件で大腿四頭筋を強化し、体重の管理と有酸素性運動を組み合わせる正解
    • 2膝の可動域を早く広げるため、痛みが出る角度まで深く曲げる運動を中心に据える
    • 3大腿四頭筋を早く強くするため、高負荷のレッグエクステンションを最大まで行う
    • 4疼痛がある期間は運動を完全に休止し、痛みが消えてから再開する

    Answer

    正解 1:膝への荷重を抑えた条件で大腿四頭筋を強化し、体重の管理と有酸素性運動を組み合わせる

    変形性膝関節症では、膝を支える大腿四頭筋の強化が疼痛の軽減と機能の改善につながるため、椅子座位での膝伸展や水中運動など荷重を抑えた条件で行う。あわせて体重の管理が膝への負担を直接減らすため、有酸素性運動を組み合わせる。「膝の可動域を早く広げるため、痛みが出る角度まで深く曲げる運動を中心に据える」は関節への負担が大きく症状を悪化させる。「大腿四頭筋を早く強くするため、高負荷のレッグエクステンションを最大まで行う」は、強化する筋としては正しいが、膝関節にかかる圧迫と剪断の力が大きくなり症状を悪化させる。「疼痛がある期間は運動を完全に休止し、痛みが消えてから再開する」も誤りで、完全に休止している間に大腿四頭筋の筋力が落ち、膝への負担はかえって増す。痛みの出ない範囲で運動を続けるのが原則である。

    HINT 「関節は守る、筋力は落とさない、体重は減らす」の3点セット。どれか1つでも欠けると効果が出にくい。

  26. 慢性の腰痛がある者に対する運動プログラムの考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1腰部の筋力を高めるため、高負荷のデッドリフトを導入期から中心に据える
    • 2痛みの範囲内で活動を続け、体幹の安定性と柔軟性を高める運動を加える正解
    • 3腰への負担を避けるため、痛みが引くまで日常の活動も控えて安静を保つことを最優先する
    • 4可動域を早く取り戻すため、体幹を最大可動域まで繰り返し回旋させる運動を導入期から行う

    Answer

    正解 2:痛みの範囲内で活動を続け、体幹の安定性と柔軟性を高める運動を加える

    慢性の腰痛では、過度の安静はかえって経過を悪くすることが知られており、痛みの範囲内で活動を続けながら、体幹の安定性と柔軟性を高める運動を段階的に加えるのが基本になる。「腰への負担を避けるため、痛みが引くまで日常の活動も控えて安静を保つことを最優先する」は、現在の考え方と逆で、筋力低下と活動量の低下を招く。「可動域を早く取り戻すため、体幹を最大可動域まで繰り返し回旋させる運動を導入期から行う」は、椎間板や椎間関節への負担が大きく、導入期の内容として適切でない。「腰部の筋力を高めるため、高負荷のデッドリフトを導入期から中心に据える」も、フォームが安定しないうちは腰部への負担が大きく、症状を悪化させるおそれがある。

    HINT 腰痛に「絶対安静」はもう勧められていない。動ける範囲で動くほうが経過がよい。

  27. メディカルチェックの結果に基づくリスク層別化の目的として最も適切なものはどれか。

    • 1検査結果をもとに疾患の診断名を確定し、治療の要否と受診すべき診療科を伝える
    • 2運動中の事故のリスクに応じて、運動の強度の上限と医学的な監視の必要性を決める正解
    • 3対象の体力測定の結果を順位づけし、集団内での位置と平均との差を本人に伝える
    • 4運動中の事故を防ぐため、中止の判断を心拍数の上限ひとつに絞って決める

    Answer

    正解 2:運動中の事故のリスクに応じて、運動の強度の上限と医学的な監視の必要性を決める

    リスク層別化は、既往歴や症状、検査結果などから運動中の事故のリスクを段階に分け、運動の強度の上限、医学的な監視の必要性、運動開始前に医師の評価を要するかどうかを決めるために行う。「対象の体力測定の結果を順位づけし、集団内での位置と平均との差を本人に伝える」は体力測定の相対評価の話であり、リスクの評価とは目的が異なる。「運動中の事故を防ぐため、中止の判断を心拍数の上限ひとつに絞って決める」は、層別化の出口が強度の上限と監視の水準を決めることにある点をとらえておらず、中止の判断も症状・血圧・心電図の所見を合わせて行うものである。「検査結果をもとに疾患の診断名を確定し、治療の要否と受診すべき診療科を伝える」は医行為にあたり、健康運動指導士の業務範囲を超える。なお危険因子の数を数えて振り分ける旧来型のスクリーニングは見直されており、健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023が示す運動開始前のチェックポイントにも、危険因子の数は含まれていない。

    HINT 層別化の出口は「どこまでの強度で、どの程度の監視のもとに運動してよいか」。診断ではない。

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