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生活習慣病(NCDs)27問・正解と解説つき

健康運動指導士 ・ 公式テキスト第3章 ・ 分量 12%

メタボリックシンドローム、肥満・肥満症、高血圧、脂質異常症、耐糖能異常・糖尿病、虚血性心疾患とリハビリテーション、ロコモティブシンドローム、運動器退行性疾患、呼吸器疾患(COPD・運動誘発性喘息)、がん(悪性新生物)、軽度認知障害・認知症。全15章で最大の章のひとつ。

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  1. メタボリックシンドロームの概念において、内臓脂肪の蓄積が重視される理由として最も適切なものはどれか。

    • 1内臓脂肪細胞から分泌される生理活性物質の異常が、脂質・血糖・血圧の異常をまとめて引き起こすため正解
    • 2内臓脂肪は皮下脂肪にくらべて分解されにくく、減量してもほとんど減少しないため
    • 3内臓脂肪の量は体重と強く相関するため、体重さえ測れば他の検査を省略できるため
    • 4内臓脂肪の蓄積そのものが周囲の血管を物理的に圧迫し、全身の血流を妨げるため

    Answer

    正解 1内臓脂肪細胞から分泌される生理活性物質の異常が、脂質・血糖・血圧の異常をまとめて引き起こすため

    メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積を上流の要因とし、そこから脂質代謝異常・高血糖・高血圧が重なって動脈硬化性疾患のリスクが高まるという考え方に立つ。内臓脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの分泌異常がこれらを同時に引き起こすため、腹囲が必須項目に置かれている。「内臓脂肪は皮下脂肪にくらべて分解されにくく、減量してもほとんど減少しない」は逆で、内臓脂肪は皮下脂肪より代謝が活発で減量に反応しやすく、これが運動指導が有効である根拠になっている。「体重さえ測れば他の検査を省略できる」は誤りで、同じ体重でも内臓脂肪の量は大きく異なるため腹囲や画像による評価が要る。「内臓脂肪の蓄積そのものが周囲の血管を物理的に圧迫し、全身の血流を妨げる」は誤りで、内臓脂肪が問題なのは物理的な圧迫ではなく分泌機能の異常による。

    HINT 内臓脂肪は「溜まりやすいが落ちやすい」。だからこそ運動指導で成果が出しやすい。

  2. 特定健康診査における保健指導対象者の選定(階層化)の手順として正しいものはどれか。

    • 1血糖・脂質・血圧の検査値を先に判定し、いずれか1つでも基準を超えた者をすべて積極的支援とする
    • 2質問票の運動習慣と食習慣を先に判定し、生活習慣に課題がある者だけを腹囲の測定に進める
    • 3医師の診察所見を先に判定し、服薬中の者を含めてリスクの高い順に支援レベルを割り当てる
    • 4内臓脂肪蓄積のリスクを腹囲またはBMIで判定し、次に血糖・脂質・血圧と質問票の喫煙歴から追加リスクを数え、その組み合わせで支援レベルを決める正解

    Answer

    正解 4内臓脂肪蓄積のリスクを腹囲またはBMIで判定し、次に血糖・脂質・血圧と質問票の喫煙歴から追加リスクを数え、その組み合わせで支援レベルを決める

    階層化は3段階で進む。ステップ1で腹囲またはBMIにより内臓脂肪蓄積のリスクを判定し、ステップ2で血糖・脂質・血圧の検査結果と質問票の喫煙歴から追加リスクを数え、ステップ3でその組み合わせから動機付け支援・積極的支援を決める。「いずれか1つでも基準を超えた者をすべて積極的支援とする」は誤りで、追加リスクの数と内臓脂肪蓄積の区分の組み合わせで支援レベルが分かれる。「運動習慣と食習慣を先に判定し」も誤りで、質問票のうち階層化に使われるのは喫煙歴であり、順序も逆である。「服薬中の者を含めて」は誤りで、血圧・血糖・脂質のいずれかで服薬中の者は特定保健指導の対象から除外され、かかりつけ医による管理に委ねられる。

    HINT 服薬中の人は特定保健指導の対象外。運動指導の現場で問診すべき理由がここにある。

  3. 日本肥満学会の基準における「肥満症」の定義として正しいものはどれか。

    • 1BMI25以上であって、本人が減量を希望しているもの
    • 2BMI30以上で、腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上のもの
    • 3BMI25以上の肥満のうち、肥満に起因ないし関連する健康障害を有するか、内臓脂肪型肥満と診断されたもの正解
    • 4BMIが35以上で、かつ日常生活動作に支障をきたしているもの

    Answer

    正解 3BMI25以上の肥満のうち、肥満に起因ないし関連する健康障害を有するか、内臓脂肪型肥満と診断されたもの

    日本肥満学会はBMI25以上を「肥満」と判定し、そのうち肥満に起因ないし関連する健康障害を有するか、内臓脂肪型肥満と診断されたかのいずれかを満たすものを「肥満症」として、治療の対象となる疾患と位置づけている。肥満は状態、肥満症は疾患という区別が要点である。「BMIが35以上で、かつ日常生活動作に支障をきたしているもの」は誤りで、BMI35以上は「高度肥満」の定義であり、日常生活動作は要件に含まれない。「本人が減量を希望しているもの」は誤りで、本人の希望は診断の要件ではない。「BMI30以上で、腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上」は誤りで、BMI30以上は肥満の判定基準ではなくWHOの国際基準にあたる値であり、腹囲の基準はメタボリックシンドロームのものである。

    HINT 肥満(BMI25以上=状態)と肥満症(治療が必要な疾患)は別物。BMI35以上は高度肥満。

  4. 肥満症の治療目標に関する考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1健康障害が改善するまで、体重の増減は評価の対象としない
    • 2BMIを25未満にすることそのものではなく、内臓脂肪を減らして健康障害を予防・改善することを目標とする正解
    • 3BMIが25未満になるまで減量を続けることを、すべての対象者の共通の到達目標とする
    • 4体重の減少量ではなく、体脂肪率が男女とも10%を下回ることを目標とする

    Answer

    正解 2BMIを25未満にすることそのものではなく、内臓脂肪を減らして健康障害を予防・改善することを目標とする

    肥満症の治療は減量が基本だが、目的はBMIを一定の値まで下げること自体ではなく、内臓脂肪を減らして肥満に関連する健康障害を予防・改善することにある。現体重の3%程度の減量でも複数の検査値が改善することが知られており、達成可能な目標を置ける点が運動指導上も重要である。「BMIが25未満になるまで減量を続けることを、すべての対象者の共通の到達目標とする」は誤りで、到達点を一律に定める考え方ではない。「体脂肪率が男女とも10%を下回ること」は誤りで、その水準は競技者でも極端に低く、健康づくりの目標にならない。「健康障害が改善するまで、体重の増減は評価の対象としない」も誤りで、体重は減量の進捗を確認するうえで基本的な指標である。

    HINT 「3%減量」でも検査値は動く。到達不可能な目標を置かないことが継続につながる。

  5. 肥満者に対する運動指導上の配慮として最も適切なものはどれか。

    • 1減量の効果を高めるため、運動中の水分摂取は最小限にとどめる
    • 2有酸素性運動だけで十分であり、レジスタンス運動は体重が増えるため行わない
    • 3体重による下肢への負担が大きいため、開始当初は水中運動や自転車エルゴメータなど非荷重・低衝撃の種目を選ぶ正解
    • 4消費エネルギーを最大化するため、開始当初からランニングなど高衝撃の種目を中心に組む

    Answer

    正解 3体重による下肢への負担が大きいため、開始当初は水中運動や自転車エルゴメータなど非荷重・低衝撃の種目を選ぶ

    肥満者は体重による膝・腰への負担が大きく、運動器の傷害を起こしやすい。水中運動や自転車エルゴメータのように体重を支えなくてよい、あるいは衝撃の小さい種目から始め、体力と体重の改善にあわせて負荷を上げていくのが基本である。「開始当初からランニングなど高衝撃の種目を中心に組む」は傷害のリスクが高く、中断の原因にもなる。「運動中の水分摂取は最小限にとどめる」は誤りで、脱水は熱中症の原因になり、体重の減少は水分の喪失であって脂肪の減少ではない。「レジスタンス運動は体重が増えるため行わない」も誤りで、レジスタンス運動は除脂肪量の維持を通じて安静時代謝の低下を防ぎ、減量中こそ併用が勧められる。

    HINT 減量中のレジスタンス運動は「筋肉を増やす」より「減らさない」ための手段と考える。

  6. 日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」における降圧目標として正しいものはどれか。

    • 175歳未満は診察室血圧130/80mmHg未満、75歳以上は診察室血圧140/90mmHg未満
    • 2年齢にかかわらず、診察室血圧140/90mmHg未満、家庭血圧135/85mmHg未満
    • 3年齢にかかわらず、診察室血圧120/80mmHg未満、家庭血圧115/75mmHg未満
    • 4年齢にかかわらず、診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満正解

    Answer

    正解 4年齢にかかわらず、診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満

    2025年8月に発刊された高血圧管理・治療ガイドライン2025は、それまで年齢や病態で分けていた降圧目標を統一し、原則として全年齢で診察室血圧130/80mmHg未満、家庭血圧125/75mmHg未満を目指すこととした。130〜139/80〜89mmHgの高値血圧でも心血管疾患のリスクが高いという国内外の研究が根拠となっている。「75歳未満は診察室血圧130/80mmHg未満、75歳以上は診察室血圧140/90mmHg未満」は前版(高血圧治療ガイドライン2019)の考え方で、この年齢による区別が廃止された点が最大の改訂である。「診察室血圧140/90mmHg未満」は高血圧の診断基準の値であって降圧目標ではない。「診察室血圧120/80mmHg未満」は正常血圧の範囲で、降圧目標としては示されていない。

    HINT 「140/90以上=高血圧」という診断基準は据え置き。変わったのは治療で目指す値のほう。

  7. 高血圧の診断基準(診察室血圧)として正しいものはどれか。

    • 1収縮期血圧140mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧90mmHg以上正解
    • 2収縮期血圧130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧80mmHg以上
    • 3収縮期血圧160mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧100mmHg以上
    • 4収縮期血圧140mmHg以上 かつ 拡張期血圧90mmHg以上

    Answer

    正解 1収縮期血圧140mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧90mmHg以上

    診察室血圧で収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上のいずれかを満たせば高血圧と診断される。2025年の改訂でも、この診断基準そのものは変更されていない。「収縮期血圧130mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧80mmHg以上」は高値血圧(130〜139/80〜89)が始まる値であり、また改訂後の降圧目標の値でもあるが、高血圧の診断基準ではない。「収縮期血圧160mmHg以上 かつ/または 拡張期血圧100mmHg以上」はⅡ度高血圧が始まる値である。「収縮期血圧140mmHg以上 かつ 拡張期血圧90mmHg以上」は、収縮期と拡張期の両方を満たすことを求めている点が誤りで、実際にはどちらか一方でよい。

    HINT 「かつ」と「かつ/または」の違いが正誤を分ける。高血圧はどちらか一方で成立する。

  8. 高血圧者に対する運動療法の内容として最も適切なものはどれか。

    • 1短時間で効果を得るため、最大酸素摂取量の90%以上の運動を1回5分、週2日行う
    • 2血圧が下がるまで運動は行わず、降圧薬で正常化してから開始する
    • 3中等度強度の有酸素性運動を中心に、定期的に(できれば毎日)30分以上、または週180分以上行う正解
    • 4最大挙上重量に近い高強度のレジスタンス運動を、息をこらえながら週3日行う

    Answer

    正解 3中等度強度の有酸素性運動を中心に、定期的に(できれば毎日)30分以上、または週180分以上行う

    高血圧に対する運動療法は、中等度強度の有酸素性運動を中心に、定期的に(できれば毎日)30分以上、または週180分以上行うことが基本とされている。継続により降圧効果が期待でき、生活習慣の修正項目の一つに位置づけられる。「最大挙上重量に近い高強度のレジスタンス運動を、息をこらえながら」は誤りで、息こらえ(バルサルバ手技)は血圧を急激に上昇させるため避けなければならない。「最大酸素摂取量の90%以上の運動」も高強度に偏り、一般的な推奨ではない。「血圧が下がるまで運動は行わず」は誤りで、運動療法は降圧の手段そのものであり、ただしⅢ度高血圧など著しい高値の場合は医師の管理下で降圧を優先したうえで運動を組み立てる。

    HINT レジスタンス運動を禁じているのではなく、息こらえを伴う高強度が問題。呼吸を止めない指導が要点。

  9. 日本動脈硬化学会の脂質異常症の診断基準(空腹時採血)として正しいものはどれか。

    • 1LDLコレステロール160mg/dL以上、HDLコレステロール35mg/dL未満、トリグリセライド200mg/dL以上
    • 2総コレステロール220mg/dL以上のみで判定し、内訳は問わない
    • 3LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、トリグリセライド150mg/dL以上正解
    • 4LDLコレステロール120mg/dL以上、HDLコレステロール50mg/dL未満、トリグリセライド120mg/dL以上

    Answer

    正解 3LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、トリグリセライド150mg/dL以上

    脂質異常症は、空腹時採血でLDLコレステロール140mg/dL以上(高LDLコレステロール血症)、HDLコレステロール40mg/dL未満(低HDLコレステロール血症)、トリグリセライド150mg/dL以上(高トリグリセライド血症)のいずれかを満たす場合に診断される。なおLDLコレステロール120〜139mg/dLは境界域高LDLコレステロール血症とされる。「LDLコレステロール120mg/dL以上、HDLコレステロール50mg/dL未満、トリグリセライド120mg/dL以上」はいずれの値も基準と異なる。「LDLコレステロール160mg/dL以上、HDLコレステロール35mg/dL未満、トリグリセライド200mg/dL以上」も基準より高く設定されており誤り。「総コレステロール220mg/dL以上のみで判定し、内訳は問わない」は古い考え方で、現在はLDL・HDL・トリグリセライドの内訳で判定する。

    HINT HDLだけが「未満」で異常。ここを取り違えると全部ずれる。

  10. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版で、脂質異常症の診断基準に新たに加えられた項目はどれか。

    • 1随時のHDLコレステロール50mg/dL未満
    • 2空腹時の総コレステロール200mg/dL以上
    • 3随時(非空腹時)のトリグリセライド175mg/dL以上正解
    • 4空腹時のLDLコレステロール120mg/dL以上

    Answer

    正解 3随時(非空腹時)のトリグリセライド175mg/dL以上

    2022年版では、食後を含む随時採血でもトリグリセライドを評価できるよう、随時トリグリセライド175mg/dL以上が診断基準に追加された。健診や外来で必ずしも空腹時採血ができない実情に対応したもので、空腹時の基準150mg/dL以上とは別の値である点に注意する。「空腹時のLDLコレステロール120mg/dL以上」は境界域高LDLコレステロール血症の下限であり、2022年版で新設された項目ではない。「随時のHDLコレステロール50mg/dL未満」という基準は設けられておらず、HDLコレステロールの基準は40mg/dL未満である。「空腹時の総コレステロール200mg/dL以上」も診断基準には含まれていない。

    HINT 空腹時150/随時175。数字が2つあるのはトリグリセライドだけ。

  11. 脂質異常症に対する有酸素性運動の効果として、最も期待できるものはどれか。

    • 1トリグリセライドの低下とHDLコレステロールの上昇正解
    • 2LDLコレステロールの著明な低下と総コレステロールの正常化
    • 3HDLコレステロールの低下による総コレステロールの減少
    • 4トリグリセライドの上昇による肝臓での脂質合成の抑制

    Answer

    正解 1トリグリセライドの低下とHDLコレステロールの上昇

    有酸素性運動を継続すると、リポタンパクリパーゼの活性が高まることなどを通じてトリグリセライドが低下し、HDLコレステロールが上昇する。この2つが運動によって最も期待できる変化である。「LDLコレステロールの著明な低下と総コレステロールの正常化」は誤りで、運動によるLDLコレステロールの低下は限定的であり、食事療法や薬物療法の役割が大きい。「HDLコレステロールの低下による総コレステロールの減少」は方向が逆で、HDLコレステロールは動脈硬化を抑える側であり、運動では上昇する。「トリグリセライドの上昇による肝臓での脂質合成の抑制」も方向が逆で、運動はトリグリセライドを低下させる。

    HINT 運動が得意なのはトリグリセライドとHDL。LDLを大きく下げたいなら食事と薬の領域。

  12. 日本糖尿病学会の基準で「糖尿病型」と判定される血糖値の組み合わせとして正しいものはどれか。

    • 1空腹時血糖値110mg/dL以上、75gOGTT2時間値140mg/dL以上、随時血糖値160mg/dL以上のいずれか
    • 2空腹時血糖値140mg/dL以上、75gOGTT2時間値240mg/dL以上、随時血糖値260mg/dL以上のいずれか
    • 3空腹時血糖値126mg/dL以上、75gOGTT2時間値200mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上のすべて
    • 4空腹時血糖値126mg/dL以上、75gOGTT2時間値200mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上のいずれか正解

    Answer

    正解 4空腹時血糖値126mg/dL以上、75gOGTT2時間値200mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上のいずれか

    糖尿病型は、空腹時血糖値126mg/dL以上、75gOGTT2時間値200mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上のいずれか1つを満たした場合に判定される。あわせてHbA1c6.5%以上も糖尿病型とされる。「空腹時血糖値110mg/dL以上、75gOGTT2時間値140mg/dL以上」は正常型の上限にあたる値で、これを超えて糖尿病型にも該当しない範囲が境界型である。「空腹時血糖値140mg/dL以上、75gOGTT2時間値240mg/dL以上」はいずれも基準より高く、この値を満たさなければ糖尿病型でないことになってしまう。「すべて」を満たすことを求める記述は誤りで、基準はいずれか1つを満たせばよい。

    HINT 110と140は「正常型の上限」、126と200が「糖尿病型の下限」。4つの数字の役割を分けて覚える。

  13. 75gOGTTの判定区分における「境界型」の説明として正しいものはどれか。

    • 1HbA1cが6.5%以上であるが、血糖値はすべて正常範囲にあるもの
    • 2正常型にも糖尿病型にも該当しないもの正解
    • 3空腹時血糖値が110mg/dL未満かつ2時間値が140mg/dL未満のもの
    • 4空腹時血糖値が126mg/dL以上かつ2時間値が200mg/dL以上のもの

    Answer

    正解 2正常型にも糖尿病型にも該当しないもの

    75gOGTTの判定区分は正常型・境界型・糖尿病型の3つで、境界型は「正常型にも糖尿病型にも該当しないもの」と定義される。積極的な定義をもたない区分である点が特徴で、糖尿病の発症リスクが高い集団として運動指導の主要な対象になる。「空腹時血糖値が110mg/dL未満かつ2時間値が140mg/dL未満」は正常型の定義である。「空腹時血糖値が126mg/dL以上かつ2時間値が200mg/dL以上」は糖尿病型に該当する値で、しかも糖尿病型はいずれか一方を満たせばよいので条件の書き方も異なる。「HbA1cが6.5%以上であるが、血糖値はすべて正常範囲にある」という状態は境界型の定義ではなく、HbA1c6.5%以上は糖尿病型と判定される。

    HINT 境界型は「正常でも糖尿病でもない残り」。この定義の形が問われる。

  14. 糖尿病患者に対する運動療法を控えるべき状態として最も適切なものはどれか。

    • 1体重が標準体重を上回っており、減量の必要がある場合
    • 2増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある場合正解
    • 3食後1時間程度が経過し、血糖値が安定している場合
    • 4経口血糖降下薬を服用しており、HbA1cが7%前後で安定している場合

    Answer

    正解 2増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある場合

    増殖網膜症による新鮮な眼底出血がある場合は、運動に伴う血圧上昇が出血を助長するおそれがあるため運動療法を控え、医師の判断を仰ぐ。このほか、著しい高血糖やケトーシス、腎不全、進行した自律神経障害、急性感染症なども運動を控える状態にあたる。「食後1時間程度が経過し、血糖値が安定している場合」はむしろ食後高血糖の抑制を狙って運動を勧めやすい時間帯であり、控える理由にならない。「経口血糖降下薬を服用しており、HbA1cが7%前後で安定している」も運動を控える理由にはならず、低血糖に注意しながら実施する。「減量の必要がある」は運動療法の適応であって禁忌ではない。

    HINT 運動を控えるのは「合併症が進んでいる」か「その日の状態が悪い」とき。薬を飲んでいること自体は理由にならない。

  15. 心臓リハビリテーションの構成として最も適切なものはどれか。

    • 1心臓手術を受けた患者だけを対象とし、心筋梗塞や狭心症は対象に含まない
    • 2運動療法に加えて、患者教育・生活指導・カウンセリングなどを含む多面的・包括的なプログラムである正解
    • 3医師が処方した運動療法のみで構成され、教育やカウンセリングは含まない
    • 4退院までの急性期に限って行われ、退院後は対象とならない

    Answer

    正解 2運動療法に加えて、患者教育・生活指導・カウンセリングなどを含む多面的・包括的なプログラムである

    心臓リハビリテーションは、運動療法だけでなく患者教育・生活指導・カウンセリング・危険因子の是正などを組み合わせた多面的・包括的なプログラムとして定義される。「医師が処方した運動療法のみで構成され、教育やカウンセリングは含まない」は包括的という中心的な性格を落としており誤り。「退院までの急性期に限って行われ、退院後は対象とならない」も誤りで、急性期・回復期・維持期と段階を追って長期に継続され、健康運動指導士が関わるのは主に回復期以降である。「心臓手術を受けた患者だけを対象とし、心筋梗塞や狭心症は対象に含まない」も誤りで、心筋梗塞・狭心症・心不全なども対象となる。

    HINT 「包括的」が鍵。運動だけを指すのではない。健康運動指導士が関われるのは主に回復期以降。

  16. 心疾患患者の運動処方において、運動強度の指標として重視されるものはどれか。

    • 1心肺運動負荷試験で求めた嫌気性代謝閾値(AT)正解
    • 2年齢から推定した最大心拍数の90%に相当する心拍数
    • 3最大挙上重量(1RM)の80%に相当する負荷
    • 4運動開始から疲労困憊に至るまでの総時間

    Answer

    正解 1心肺運動負荷試験で求めた嫌気性代謝閾値(AT)

    心疾患患者の運動処方では、心肺運動負荷試験(CPX)で求めた嫌気性代謝閾値(AT)レベルの強度が重視される。ATは乳酸が蓄積し始める手前の強度で、心血管系への負担が過大にならず安全性と効果を両立できるため、処方の基準として用いられる。「年齢から推定した最大心拍数の90%に相当する心拍数」は高強度にあたり、心疾患患者では危険が大きいうえ、推定式は個人差や服薬の影響を反映できない。「最大挙上重量(1RM)の80%に相当する負荷」は高強度のレジスタンス運動で、息こらえによる血圧上昇を招きやすい。「運動開始から疲労困憊に至るまでの総時間」は運動耐容能を表す結果であって、処方する強度の指標ではない。

    HINT β遮断薬を服用していると心拍数から強度を推定できない。ATが重視される理由の一つ。

  17. 虚血性心疾患の危険因子として、是正が可能なものの組み合わせとして最も適切なものはどれか。

    • 1喫煙・高血圧・脂質異常症・糖尿病正解
    • 2年齢・性別・家族歴・喫煙
    • 3家族歴・脂質異常症・年齢・身長
    • 4性別・糖尿病・家族歴・血液型

    Answer

    正解 1喫煙・高血圧・脂質異常症・糖尿病

    虚血性心疾患の危険因子のうち、喫煙・高血圧・脂質異常症・糖尿病は生活習慣の修正や治療によって是正が可能で、一次予防の介入対象となる。運動指導が貢献できるのもこの領域である。「年齢・性別・家族歴・喫煙」は喫煙以外が是正できない因子であり、組み合わせとして適切でない。「家族歴・脂質異常症・年齢・身長」も家族歴と年齢が是正できず、身長はそもそも危険因子として扱われない。「性別・糖尿病・家族歴・血液型」も性別と家族歴が是正できず、血液型は危険因子ではない。

    HINT 是正できない因子(年齢・性別・家族歴)が1つでも混ざっている選択肢は落とす。

  18. 日本整形外科学会が示すロコモ度テストの構成として正しいものはどれか。

    • 12ステップテスト・ロコモ25・骨密度測定の3つ
    • 2立ち上がりテスト・2ステップテスト・ロコモ25の3つ正解
    • 3開眼片足立ち・長座体前屈・握力の3つ
    • 4立ち上がりテスト・6分間歩行・タイムドアップアンドゴーの3つ

    Answer

    正解 2立ち上がりテスト・2ステップテスト・ロコモ25の3つ

    ロコモ度テストは、下肢筋力をみる立ち上がりテスト、歩幅から歩行能力を総合的にみる2ステップテスト、身体の状態と生活状況を尋ねる質問票であるロコモ25の3つで構成される。「開眼片足立ち・長座体前屈・握力」は体力測定の種目で、ロコモ度テストではない。「6分間歩行・タイムドアップアンドゴー」は高齢者の身体機能評価に使われるが、ロコモ度テストの構成要素ではない。「骨密度測定」も含まれず、ロコモ度テストは特別な測定機器を使わずに実施できるように設計されている。

    HINT 3つのうち1つが質問票(ロコモ25)である点が特徴。機器がいらないので現場で使いやすい。

  19. 立ち上がりテストによるロコモ度2の判定基準として正しいものはどれか。

    • 1どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる
    • 2両脚で30cmの台から立ち上がれない
    • 3どちらか一方の脚で10cmの台から立ち上がれない
    • 4両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台からは立ち上がれる正解

    Answer

    正解 4両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台からは立ち上がれる

    立ち上がりテストでは、ロコモ度1が「どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる」、ロコモ度2が「両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台からは立ち上がれる」、ロコモ度3が「両脚で30cmの台から立ち上がれない」と定められている。台が高いほど立ち上がりは容易になるため、より高い台でしか立てないほど移動機能の低下が進んでいることになる。「どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる」はロコモ度1、「両脚で30cmの台から立ち上がれない」はロコモ度3の基準である。「どちらか一方の脚で10cmの台から立ち上がれない」は判定に用いられる区切りではない。

    HINT 台は高いほうが楽。「片脚40cm」→「両脚20cm」→「両脚30cm」の順に段階が進む。

  20. 変形性膝関節症に対する運動指導として最も適切なものはどれか。

    • 1疼痛がある間は関節を完全に固定し、筋力強化は疼痛が消失してから始める
    • 2膝関節の可動域を広げるため、他動的に強い力で伸展位まで押し込む
    • 3大腿四頭筋の筋力強化を中心に、膝への荷重や衝撃が小さい条件で行う正解
    • 4関節軟骨への刺激を高めるため、深くしゃがみ込む動作を繰り返し行う

    Answer

    正解 3大腿四頭筋の筋力強化を中心に、膝への荷重や衝撃が小さい条件で行う

    変形性膝関節症では、膝を支える大腿四頭筋の筋力強化が疼痛の軽減と機能改善に有効とされ、椅子座位での膝伸展運動など荷重や衝撃の小さい条件で行うのが基本である。減量も膝への負担を減らす重要な要素になる。「深くしゃがみ込む動作を繰り返し行う」は膝関節に大きな負担がかかり、症状を悪化させるおそれがある。「疼痛がある間は関節を完全に固定し」は誤りで、安静が続くと筋力低下と可動域制限が進み、かえって症状を悪化させる。「他動的に強い力で伸展位まで押し込む」も組織を傷める危険があり、可動域訓練は疼痛の範囲内で段階的に行う。

    HINT 「筋力は落とさず、関節は守る」。非荷重・低衝撃の条件で強化するのが原則。

  21. 骨粗鬆症の予防を目的とした運動として、骨量の維持に最も効果が期待できるものはどれか。

    • 1ウォーキングやジャンプなど、骨に体重や衝撃が加わる運動正解
    • 2浮力により体重が支えられる水中でのゆっくりした歩行
    • 3座位で行う上肢のストレッチングを中心とした運動
    • 4呼吸を整えることを主眼とした安静時の腹式呼吸練習

    Answer

    正解 1ウォーキングやジャンプなど、骨に体重や衝撃が加わる運動

    骨は加わる力学的な刺激に応じて形成が促されるため、ウォーキングやジャンプのように骨に体重や衝撃が加わる運動が骨量の維持に有効である。「浮力により体重が支えられる水中でのゆっくりした歩行」は、関節への負担が小さく他の目的では有用だが、骨への力学的刺激が小さいため骨量の維持という点では効果が限られる。「座位で行う上肢のストレッチングを中心とした運動」は柔軟性の維持には役立つが、骨への荷重刺激をほとんど生まない。「安静時の腹式呼吸練習」も骨への力学的刺激を伴わない。なお骨粗鬆症では転倒による骨折の予防も重要で、バランス能力の維持を併せて図る。

    HINT 水中運動は関節にやさしいが骨にはやさしすぎる。目的によって種目を使い分ける。

  22. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する呼吸リハビリテーションの運動療法として、中心となるものはどれか。

    • 1息を止めた状態での高強度のレジスタンス運動
    • 2歩行や自転車エルゴメータなどによる下肢の持久性トレーニング正解
    • 3安静を保ちながら行う上肢の他動的な関節可動域運動
    • 4肺活量を増やすことを目的とした最大吸気の反復のみ

    Answer

    正解 2歩行や自転車エルゴメータなどによる下肢の持久性トレーニング

    COPDに対する呼吸リハビリテーションでは、歩行や自転車エルゴメータによる下肢の持久性トレーニングが中核に位置づけられる。COPDでは労作時の息切れから活動量が減り、下肢筋力と運動耐容能が低下する悪循環に陥るため、ここを断つことが目的となる。口すぼめ呼吸などの呼吸法や上肢のトレーニングも併せて行われる。「安静を保ちながら行う上肢の他動的な関節可動域運動」は活動量の低下という中心的な問題に働きかけない。「最大吸気の反復のみ」では運動耐容能は改善せず、COPDでは息を吐き出しにくいことが問題であり吸気の練習のみでは対応できない。「息を止めた状態での高強度のレジスタンス運動」は呼吸器疾患のある者に適さない。

    HINT COPDの運動療法が狙うのは肺そのものではなく、落ちてしまった下肢の筋力と運動耐容能。

  23. 運動誘発性喘息への対応として最も適切なものはどれか。

    • 1発作が起きた場合は、水分を摂らずに運動を継続して慣らす
    • 2十分なウォームアップを行い、冷たく乾燥した空気を吸い込む条件を避ける正解
    • 3発作を予防するため、ウォームアップを省いて主運動を短時間で終える
    • 4気温の低い屋外での持久走を、鼻呼吸を避けて口呼吸で行う

    Answer

    正解 2十分なウォームアップを行い、冷たく乾燥した空気を吸い込む条件を避ける

    運動誘発性喘息は、運動中の換気量増加によって気道が冷却・乾燥することが引き金となる。十分なウォームアップを行うことで発作が軽減されること、冷たく乾燥した空気を吸い込む条件を避けることが対応の基本で、湿度の高い環境で行われる水泳は比較的誘発しにくいとされる。「ウォームアップを省いて主運動を短時間で終える」は逆で、ウォームアップは予防に役立つ。「気温の低い屋外での持久走を、鼻呼吸を避けて口呼吸で行う」は、冷たく乾燥した空気を加温・加湿せずに取り込むことになり、最も誘発しやすい条件にあたる。「発作が起きた場合は、水分を摂らずに運動を継続して慣らす」は危険で、発作時は運動を中止し、必要に応じて医療につなぐ。

    HINT 鼻は空気を温めて湿らせる装置。口呼吸で冷たい空気を直接吸うのが最悪の条件。

  24. わが国の対策型がん検診として、国の指針で定められているがんの種類はどれか。

    • 1胃がん・肝臓がん・膵臓がん・前立腺がん・膀胱がん
    • 2大腸がん・肺がん・前立腺がん・甲状腺がん・皮膚がん
    • 3乳がん・子宮体がん・卵巣がん・食道がん・腎臓がん
    • 4胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん正解

    Answer

    正解 4胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん

    国の指針に基づく対策型がん検診は、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5種類である。死亡率減少効果が科学的に確認され、集団に対して実施する利益が不利益を上回ると判断されたものに限って実施される。「肝臓がん・膵臓がん・前立腺がん・膀胱がん」は指針に基づく対策型検診には含まれない。「前立腺がん・甲状腺がん・皮膚がん」も同様で、前立腺がんのPSA検査は任意型検診として行われることはあるが対策型検診には位置づけられていない。「子宮体がん・卵巣がん・食道がん・腎臓がん」も対象外である。

    HINT 5つに絞られているのは「死亡率を下げる証拠がある」から。多く調べるほどよいわけではない。

  25. がんと身体活動の関係について、現在の知見として最も適切なものはどれか。

    • 1がんと診断された者は、治療中・治療後を通じて運動を一切控えるべきである
    • 2身体活動はすべての部位のがんについて、同等に発症リスクを下げることが確認されている
    • 3身体活動量が多い者は、結腸がんなど一部のがんの発症リスクが低いことが示されている正解
    • 4身体活動はがんの発症リスクとは無関係であり、予防の観点では推奨されない

    Answer

    正解 3身体活動量が多い者は、結腸がんなど一部のがんの発症リスクが低いことが示されている

    身体活動量が多い者では、結腸がんをはじめとする一部のがんについて発症リスクが低いことが疫学研究で示されており、がんは身体活動によるリスク低減が期待される疾患の一つに位置づけられている。「身体活動はがんの発症リスクとは無関係であり」は誤りで、関連を示す知見が蓄積している。「治療中・治療後を通じて運動を一切控えるべきである」も誤りで、状態に応じた運動は倦怠感の軽減やQOLの改善に役立つとされ、主治医と連携して実施する。「すべての部位のがんについて、同等に発症リスクを下げることが確認されている」は言い過ぎで、部位によって関連の強さは異なり、証拠の確からしさも一様ではない。

    HINT 「一部のがんで」「関連が示されている」という限定つきの言い方が、現在の知見の水準に合う。

  26. 軽度認知障害(MCI)の説明として正しいものはどれか。

    • 1加齢による物忘れと区別できないため、臨床的には用いられない概念
    • 2一度該当すると必ず認知症に移行し、回復することはない状態
    • 3認知機能の低下がみられるが日常生活は自立しており、認知症とは診断されない状態正解
    • 4認知症と診断されたうち、症状が軽く介護を要しない段階のもの

    Answer

    正解 3認知機能の低下がみられるが日常生活は自立しており、認知症とは診断されない状態

    軽度認知障害(MCI)は、記憶などの認知機能の低下が客観的に認められるものの、日常生活は自立しており認知症の診断基準は満たさない状態を指す。認知症の前段階として位置づけられ、この時期の運動や生活習慣への介入が重視される。「認知症と診断されたうち、症状が軽く介護を要しない段階」は誤りで、MCIは認知症と診断されていない状態である。「臨床的には用いられない概念」も誤りで、介入の対象を明確にするために広く用いられている。「一度該当すると必ず認知症に移行し、回復することはない」も誤りで、一定の割合は正常な状態に戻ることが報告されており、この可逆性がMCIの段階で介入する根拠になっている。

    HINT MCIの要点は「日常生活は自立」と「戻ることもある」の2つ。ここに介入の意味がある。

  27. 認知機能の維持を目的とした高齢者への運動指導として、最も適切なものはどれか。

    • 1認知課題は運動の妨げになるため、運動中は課題を与えず動作に集中させる
    • 2最大酸素摂取量の85%以上の高強度運動を短時間行うことを基本とする
    • 3座位で行う受動的なマッサージを中心に組み立てる
    • 4有酸素性運動を基本とし、しりとりや計算などの認知課題を同時に行う運動を取り入れる正解

    Answer

    正解 4有酸素性運動を基本とし、しりとりや計算などの認知課題を同時に行う運動を取り入れる

    認知機能の維持には有酸素性運動が有効とされ、さらに運動と認知課題を同時に行う二重課題(コグニサイズなどと呼ばれる方法)が取り入れられている。体を動かしながら考えることで、運動の効果と認知的な負荷を同時に与えられる点が特徴である。「認知課題は運動の妨げになるため、運動中は課題を与えず動作に集中させる」は、二重課題の狙いと逆であり、課題によって多少間違えることはむしろ負荷がかかっている証拠とされる。「最大酸素摂取量の85%以上の高強度運動」は高齢者への一般的な推奨ではなく、安全性の面でも適さない。「座位で行う受動的なマッサージ」は本人が能動的に体を動かさないため、運動としての効果が期待できない。

    HINT 二重課題は「間違えるくらいがちょうどよい」。すらすらできる課題では負荷にならない。

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