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健康運動指導士科目模擬試験復習

健康づくり施策概論全17問・正解と解説つき

健康運動指導士・ 公式テキスト第2章・ 分量 3%

わが国の健康づくり施策の歴史と健康増進法、健康運動指導士の社会的役割、健康づくりのための身体活動・運動ガイドラインの変遷、健康日本21(第三次)における社会環境の整備。

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  1. 健康増進法に定められている内容はどれか。

    • 1多数の者が利用する施設における受動喫煙の防止正解
    • 2医療保険者に対する特定健康診査・特定保健指導の実施義務
    • 3市町村に対する介護予防・日常生活支援総合事業の実施義務
    • 4事業者に対する労働者の一般健康診断の実施義務

    Answer

    正解 1:多数の者が利用する施設における受動喫煙の防止

    健康増進法は国民の健康の増進を図る基本的な事項を定めた法律で、受動喫煙の防止(望まない受動喫煙をなくすための施設類型ごとの規制)、国民健康・栄養調査、特定給食施設の栄養管理などを定めている。「医療保険者に対する特定健康診査・特定保健指導の実施義務」は高齢者の医療の確保に関する法律に基づく。「市町村に対する介護予防・日常生活支援総合事業の実施義務」は介護保険法に基づく。「事業者に対する労働者の一般健康診断の実施義務」は労働安全衛生法に基づく。いずれも健康づくりに関わる法だが、根拠法が異なる。

    HINT 健康日本21の法的な裏づけが健康増進法。特定健診は別の法律(高齢者医療確保法)である点が頻出。

  2. 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が示す、成人の身体活動の推奨量はどれか。

    • 1歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日30分以上(1日約4,000歩以上)
    • 2強度が低くても総歩数1日10,000歩以上とする
    • 3息が弾み汗をかく程度の運動を1日60分以上かつ週7日
    • 4歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)正解

    Answer

    正解 4:歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)

    身体活動・運動ガイド2023は、成人に対し「歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上)の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)」を推奨し、あわせて筋力トレーニングを週2〜3日行うこと、座位行動の時間が長くなりすぎないようにすることを示している。「1日30分以上(1日約4,000歩以上)」は推奨のおよそ半分の量で、ガイドはこの値を推奨として示していない。「強度が低くても総歩数1日10,000歩以上とする」は、ガイドが3メッツ以上という強度の条件を付けている点と、10,000歩を目標値として採っていない点の二重に誤り。「息が弾み汗をかく程度の運動を1日60分以上かつ週7日」は運動の推奨量を過大に述べたもので、ガイドが示す運動の推奨は週60分以上(4メッツ・時/週以上)である。

    HINT 「身体活動」は生活活動+運動の総称。60分・8,000歩は身体活動の目標で、運動だけで満たす必要はない。高齢者は40分・6,000歩(強度条件は同じ3メッツ以上)。

  3. 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」における高齢者への推奨はどれか。

    • 13メッツ以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)行い、多要素な運動を週3日以上取り入れる正解
    • 2強度を問わず1日40分以上(1日約6,000歩以上)の身体活動を行い、多要素な運動を週3日以上取り入れる
    • 3転倒の危険があるため、バランス運動は指導者の監視下に限って行う
    • 4運動強度は最大酸素摂取量の80%以上を目安とし、短時間で効率よく行う

    Answer

    正解 1:3メッツ以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)行い、多要素な運動を週3日以上取り入れる

    ガイド2023は高齢者について「強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上」、具体的には「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)」を推奨し、さらに筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上行うことを示している。「強度を問わず1日40分以上」は2013年の「健康づくりのための身体活動基準」の高齢者基準の書き方で、2023ガイドで3メッツ以上という強度の条件が加わった点がまさに改訂の要点である。成人との違いは強度ではなく量(成人は1日60分・約8,000歩)と、多要素な運動が加わることにある。「バランス運動は指導者の監視下に限って行う」はガイドの方向と逆で、転倒予防のために日常的な実施が勧められている。「最大酸素摂取量の80%以上」は高強度に偏っており、高齢者への一般的な推奨としては示されていない。なお筋力トレーニング週2〜3日は高齢者にも推奨されている。

    HINT 2013年の基準は「強度を問わず」だったが、2023ガイドで高齢者にも3メッツ以上の条件が付いた。成人との差は量(40分・6,000歩)と多要素運動。

  4. 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」で位置づけが明確にされた「座位行動」の定義はどれか。

    • 1運動を行っていない時間帯のすべてで、睡眠時間と入浴の時間を含む
    • 2職業上やむを得ず座り続ける時間のみを指し、余暇の時間は含まない
    • 3座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下のすべての覚醒中の行動正解
    • 41日のうち椅子に座っている時間の合計が8時間を超え、健康リスクが高まると判定された状態

    Answer

    正解 3:座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下のすべての覚醒中の行動

    座位行動(sedentary behavior)は「座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下のすべての覚醒中の行動」と定義される。ガイド2023は、身体活動量とは独立して座位行動の長さが健康リスクと関連することを示し、推奨事項としては座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意することを挙げている。座位行動を中断することの健康への影響については、さらなる科学的知見の蓄積が必要とされている。「1日のうち椅子に座っている時間の合計が8時間を超え、健康リスクが高まると判定された状態」は定義ではなく、リスクを論じる際に引き合いに出される目安の一つにすぎない。「運動を行っていない時間帯のすべてで、睡眠時間と入浴の時間を含む」は誤りで、定義に「覚醒中の」という条件が入っているため睡眠は含まれない。「職業上やむを得ず座り続ける時間のみを指し、余暇の時間は含まない」も誤りで、余暇のテレビ視聴なども座位行動に含まれる。

    HINT 定義の急所は「1.5メッツ以下」と「覚醒中」の2つ。睡眠は座位行動ではない。

  5. 健康日本21(第三次)の基本的な方向のうち、第二次から新たに加わったものはどれか。

    • 1誰一人取り残さない健康づくりの展開(インクルージョン)
    • 2ライフコースアプローチの視点正解
    • 3個人の行動と健康状態の改善
    • 4健康寿命の延伸と健康格差の縮小

    Answer

    正解 2:ライフコースアプローチの視点

    健康日本21(第三次)の基本的な方向は、健康寿命の延伸と健康格差の縮小、個人の行動と健康状態の改善、社会環境の質の向上、ライフコースアプローチを踏まえた健康づくりの4つで、このうち第二次から新たに加わったのが「ライフコースアプローチの視点」である。胎児期から高齢期まで、それぞれのライフステージに応じた健康づくりを行うという考え方を指す。「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」は第二次から掲げられていた方向である。「個人の行動と健康状態の改善」は第三次の基本的な方向だが、第二次の方向を再編したもので新規ではない。「誰一人取り残さない健康づくりの展開(インクルージョン)」は第三次で新たに示された事項ではあるが、基本的な方向ではなく、ビジョン(全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現)の中身として「より実効性をもつ取組の推進(インプリメンテーション)」とともに示されたものである。第三次ではこれとは別に「新たな視点」が示されており、インクルージョンとインプリメンテーションはそこに含まれるものではない。

    HINT インクルージョンとインプリメンテーションはビジョンの中身で、基本的な方向ではない。「新たな視点」はこれとは別に示されている。

  6. 健康日本21(第三次)における「社会環境の質の向上」の取組として最も適切なものはどれか。

    • 1健診の未受診者に対して、個別の受診勧奨通知を繰り返し送付し、受診率の向上を図る
    • 2生活習慣病のリスクが高い者を健診結果から抽出し、保健師による個別面接と電話での支援を組み合わせて強化する
    • 3運動習慣の重要性を伝える住民向け健康講座の開催回数を増やし、参加を広く呼びかける
    • 4自然に歩きたくなる街路と健康的な食環境を整備し、無意識に選択できるようにする正解

    Answer

    正解 4:自然に歩きたくなる街路と健康的な食環境を整備し、無意識に選択できるようにする

    健康日本21(第三次)は「自然に健康になれる環境づくり」を掲げ、本人の意識や意欲に依存せずに健康的な選択ができるよう、街路や食環境といった社会環境そのものを整えることを社会環境の質の向上と位置づけている。「健診の未受診者に対して、個別の受診勧奨通知を繰り返し送付し、受診率の向上を図る」「生活習慣病のリスクが高い者を健診結果から抽出し、保健師による個別面接と電話での支援を組み合わせて強化する」は、いずれも個人に働きかけるハイリスクアプローチであり、重要ではあるが社会環境の整備ではない。「運動習慣の重要性を伝える住民向け健康講座の開催回数を増やし、参加を広く呼びかける」は知識の普及であり、本人が講座に参加する意欲をもつことを前提としている点で、意識に依存しない環境整備とは言えない。

    HINT 「本人がその気にならなくても健康的な方に転ぶ」設計かどうかで見分ける。

  7. わが国の健康づくり対策を古い順に並べたものとして正しいものはどれか。

    • 1第1次国民健康づくり対策 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21 → 健康日本21(第二次)正解
    • 2アクティブ80ヘルスプラン → 第1次国民健康づくり対策 → 健康日本21 → 健康日本21(第二次)
    • 3健康日本21 → 第1次国民健康づくり対策 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21(第二次)
    • 4第1次国民健康づくり対策 → 健康日本21 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21(第二次)

    Answer

    正解 1:第1次国民健康づくり対策 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21 → 健康日本21(第二次)

    わが国の健康づくり対策は、1978年からの第1次国民健康づくり対策(健康診査の充実と市町村保健センターの整備)、1988年からの第2次=アクティブ80ヘルスプラン(運動習慣の普及に重点を置き、健康運動指導士の養成が始まった)、2000年からの第3次=健康日本21(数値目標を掲げた一次予防重視)、2013年からの健康日本21(第二次)(健康寿命の延伸と健康格差の縮小)と進み、2024年から健康日本21(第三次)に移っている。アクティブ80ヘルスプランを機に健康運動指導士の養成が始まったことを押さえておくと、順序を取り違えにくい。

    HINT 健康運動指導士という資格そのものが第2次(アクティブ80ヘルスプラン)の産物。自分の資格の位置で覚える。

  8. 健康増進法に基づく健康増進計画の役割分担として正しいものはどれか。

    • 1厚生労働大臣が基本方針を定め、都道府県は健康増進計画を定め、市町村は定めるよう努める正解
    • 2国が全国一律の健康増進計画を定め、都道府県と市町村はその計画をそのまま実施していく
    • 3都道府県が基本方針を定め、国はそれを集約して全国の目標値に置き換える役割を担う
    • 4市町村が計画を定める義務を負い、都道府県と国は助言と財政支援に役割をとどめる

    Answer

    正解 1:厚生労働大臣が基本方針を定め、都道府県は健康増進計画を定め、市町村は定めるよう努める

    健康増進法は、厚生労働大臣が国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本方針を定め、都道府県はその基本方針を勘案して都道府県健康増進計画を定めるものとし、市町村は基本方針と都道府県健康増進計画を勘案して市町村健康増進計画を定めるよう努めるものとしている。都道府県は策定義務、市町村は努力義務という違いが要点である。「国が全国一律の健康増進計画を定め、都道府県と市町村はその計画をそのまま実施していく」は誤りで、国が定めるのは計画ではなく基本方針であり、地域の実情に応じた計画づくりを自治体に委ねている。「都道府県が基本方針を定め、国はそれを集約して全国の目標値に置き換える役割を担う」は国と都道府県の役割が入れ替わっている。「市町村が計画を定める義務を負い、都道府県と国は助言と財政支援に役割をとどめる」も誤りで、策定義務を負うのは都道府県の側である。

    HINT 国は基本方針、都道府県は計画の策定義務、市町村は努力義務。義務の重さが段階的に違う。

  9. 健康日本21(第三次)が掲げる「ライフコースアプローチ」の考え方に沿った計画の立て方はどれか。

    • 1高齢期に現れた課題を取り上げ、その年代の中でできる対策に絞って計画を組み立てていく
    • 2妊娠期から高齢期までの各段階の課題に応じて働きかけ、次の世代への影響も見据える正解
    • 3年代ごとの課題を順番に片づけ、ひとつの年代の目標が達成されてから次へ進む
    • 4成人期の対象者に絞って働きかけ、効果が見えやすい年代に資源を集中させる

    Answer

    正解 2:妊娠期から高齢期までの各段階の課題に応じて働きかけ、次の世代への影響も見据える

    ライフコースアプローチは、胎児期・妊娠期から幼少期、思春期、成人期、高齢期までの各段階の課題に応じて働きかけ、ある時期の健康状態がその後の時期や次の世代にも影響することを踏まえて健康づくりを進める考え方である。健康日本21(第三次)では基本的な方向の一つとして新たに掲げられた。「高齢期に現れた課題を取り上げ、その年代の中でできる対策に絞って計画を組み立てていく」は誤りで、課題が現れてからの対応に限ると、その前の段階で積み上がった要因に手が届かない。「成人期の対象者に絞って働きかけ、効果が見えやすい年代に資源を集中させる」も誤りで、一つの年代に絞ることはライフコースアプローチの反対の進め方である。「年代ごとの課題を順番に片づけ、ひとつの年代の目標が達成されてから次へ進む」も誤りで、各段階に並行して働きかけるものであり、順番待ちの考え方ではない。

    HINT 一つの年代の中で完結させない。前の段階の積み上がりと、次の世代への引き継ぎまで見るのが要点。

  10. 指定運動療法施設の利用料を、所得税の申告で医療費として扱える条件はどれか。

    • 1運動型健康増進施設であれば、指定を受けていなくても利用料が医療費控除の対象となる
    • 2指定を受けた施設であれば、利用者本人の申告のみで、支払った利用料の全額が所得から差し引かれる
    • 3医師の運動療法処方箋に基づいて運動療法を行った場合、施設利用料が医療費控除の対象となる正解
    • 4施設で行う運動は医療行為とみなされるため、利用料に医療保険が適用される

    Answer

    正解 3:医師の運動療法処方箋に基づいて運動療法を行った場合、施設利用料が医療費控除の対象となる

    指定運動療法施設は、運動型健康増進施設と温泉利用型健康増進施設のうち一定の条件を満たすものが指定を受ける施設で、医師が交付した運動療法処方箋に基づいて運動療法を行った場合、その施設の利用料が所得税の医療費控除の対象になる。申告には施設が発行する領収書と運動療法実施証明書が必要になる。「運動型健康増進施設であれば、指定を受けていなくても利用料が医療費控除の対象となる」は誤りで、対象になるのは運動型健康増進施設のうち指定運動療法施設の指定を受けた施設で、処方に基づいて行った運動療法の利用料である。「指定を受けた施設であれば、利用者本人の申告のみで、支払った利用料の全額が所得から差し引かれる」も誤りで、医師の処方と実施の証明が前提になる。「施設で行う運動は医療行為とみなされるため、利用料に医療保険が適用される」も誤りで、医療保険の給付対象ではなく、あくまで所得税の控除の仕組みである。

    HINT 鍵は医師の運動療法処方箋。施設が指定を受けていることだけでは控除にならない。

  11. スポーツ基本法とスポーツ基本計画の位置づけとして正しいものはどれか。

    • 1スポーツ基本法に基づき、文部科学大臣がスポーツ基本計画を定める正解
    • 2スポーツ基本法に基づき、厚生労働大臣が健康日本21の一部としてスポーツ基本計画を定める
    • 3健康増進法に基づき、スポーツ庁長官がスポーツ基本計画を都道府県ごとに定める
    • 4スポーツ基本計画は法律に基づく計画ではなく、スポーツ団体が任意に作成する

    Answer

    正解 1:スポーツ基本法に基づき、文部科学大臣がスポーツ基本計画を定める

    スポーツ基本計画は、スポーツ基本法の規定に基づいて文部科学大臣が定める、スポーツに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための指針で、スポーツ庁が所管している。スポーツ基本法の前文はスポーツが心身の健康の保持増進に重要な役割を果たすと位置づけており、スポーツ実施率の向上を通じて健康日本21の健康寿命の延伸に貢献する関係にある。「スポーツ基本法に基づき、厚生労働大臣が健康日本21の一部としてスポーツ基本計画を定める」は誤りで、健康日本21は厚生労働大臣が定める別の枠組みであり、両者は連携する関係にある。「健康増進法に基づき、スポーツ庁長官がスポーツ基本計画を都道府県ごとに定める」は根拠となる法が誤っている。「スポーツ基本計画は法律に基づく計画ではなく、スポーツ団体が任意に作成する」も誤りで、スポーツ基本法に根拠を置いて国が定める計画であり、地方公共団体はこれを参酌して地方スポーツ推進計画を定めるよう努めるものとされている。

    HINT 健康づくりの施策は厚労省だけではない。スポーツ基本計画は文部科学大臣が定め、スポーツ庁が所管する。

  12. 経済産業省が進める「健康経営」の考え方について、適切でないものはどれか。

    • 1従業員等の健康管理を経営的な視点でとらえ、戦略的に実践することをいう
    • 2優良な取組を行う法人を認定して可視化する仕組みがあり、社会的な評価につながる
    • 3経営者ではなく産業医が主体となって進めるもので、経営の判断とは切り離して運営するものである正解
    • 4従業員への健康投資は、活力の向上や生産性の向上を通じて組織の活性化につながると期待される

    Answer

    正解 3:経営者ではなく産業医が主体となって進めるもので、経営の判断とは切り離して運営するものである

    健康経営は、従業員等の健康管理を経営的な視点でとらえ、戦略的に実践することをいう。企業理念に基づいて従業員等への健康投資を行うことが、活力の向上や生産性の向上を通じて組織の活性化をもたらし、結果として業績の向上につながると期待される点が考え方の核心である。優良な取組を行う法人を認定して可視化する仕組みも整えられており、従業員や求職者、取引先や金融機関からの社会的な評価につながる。したがって「経営者ではなく産業医が主体となって進めるもので、経営の判断とは切り離して運営するものである」は適切でない。経営の判断として資源を配分するところに健康経営の特徴があり、産業保健の専門職はその取組を支える立場にある。残る三つは、いずれも健康経営の説明として適切である。

    HINT 「経営」の語が入っているのが要点。産業保健の担当者に任せる取組ではなく、経営の判断として行う。

  13. 医療保険者が策定する「データヘルス計画」の説明として正しいものはどれか。

    • 1国が全国の保険者に代わって一括して作成し、各保険者はその内容を加入者に周知する計画である
    • 2健診結果とレセプトの分析に基づき、保険者が保健事業をPDCAサイクルで進める計画である正解
    • 3加入者から集めた保険料の配分を定めるために、保険者が毎年度作成する会計上の計画である
    • 4医療機関が患者ごとに作成する診療計画で、保険者に提出することが求められている

    Answer

    正解 2:健診結果とレセプトの分析に基づき、保険者が保健事業をPDCAサイクルで進める計画である

    データヘルス計画は、健診結果とレセプト(診療報酬明細書)のデータの分析によって加入者の健康課題を把握し、それに基づく保健事業を計画・実施・評価・改善のPDCAサイクルで進めるために、医療保険者が作成・公表する計画である。「国が全国の保険者に代わって一括して作成し、各保険者はその内容を加入者に周知する計画である」は誤りで、国は指針を示す立場であり、計画は各保険者が自らのデータに基づいて作成する。「加入者から集めた保険料の配分を定めるために、保険者が毎年度作成する会計上の計画である」も誤りで、保険料や予算の配分を定める計画ではなく、保健事業の内容と評価を扱う計画である。「医療機関が患者ごとに作成する診療計画で、保険者に提出することが求められている」も誤りで、作成の主体は保険者であり、個々の患者を対象とするものでもない。

    HINT 主体は保険者。自分のデータを分析して、保健事業をPDCAで回すための計画。

  14. 国が示す身体活動・運動のガイドについて、推奨事項への取り組み方の方向はどれか。

    • 1座位行動の時間は、身体活動量が確保できていれば健康への影響は打ち消されると考える
    • 2推奨量に達してはじめて効果が現れると考え、そこに至るまでの取組は成果の外に置く
    • 3健康状態や体力の個人差は問わず、年齢の区分ごとに同じ強度と量を当てはめる
    • 4個人差を踏まえて強度や量を調整し、座りすぎを避けて今より少し多く身体を動かす正解

    Answer

    正解 4:個人差を踏まえて強度や量を調整し、座りすぎを避けて今より少し多く身体を動かす

    ガイド2023は、示された推奨事項に取り組むにあたって健康状態や体力などの個人差を踏まえて強度や量を調整し、可能なものから取り組むこととしている。あわせて、座りすぎを避け、今よりも少しでも多く身体を動かすことを基本に据えている。「推奨量に達してはじめて効果が現れると考え、そこに至るまでの取組は成果の外に置く」は誤りで、現状より少しでも増やすことに意味があるという立場をとっている。「健康状態や体力の個人差は問わず、年齢の区分ごとに同じ強度と量を当てはめる」も誤りで、個人差を踏まえた調整を前提としている。「座位行動の時間は、身体活動量が確保できていれば健康への影響は打ち消されると考える」も誤りで、座位行動の長さは身体活動量とは別に健康リスクと関連し、推奨事項でも座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意することが示されている。なお座位行動を中断することの健康への影響については、さらなる科学的知見の蓄積が必要とされている。

    HINT 推奨量は到達点ではなく目安。「今より少し多く」と「座りすぎを避ける」が土台にある。

  15. 労働安全衛生法に基づく「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)における運動指導の位置づけとして正しいものはどれか。

    • 1運動指導は、メンタルヘルスケアや栄養指導と並ぶ健康保持増進の措置の一つとされる正解
    • 2運動指導は、健康診断の結果に異常の所見があった労働者への事後措置として位置づけられている
    • 3健康保持増進の措置は健康診断の実施に限られ、運動指導は各事業者の判断に委ねられている
    • 4運動指導は産業医のみが担うものとされ、事業場外の専門職は関わる対象の外に置かれる

    Answer

    正解 1:運動指導は、メンタルヘルスケアや栄養指導と並ぶ健康保持増進の措置の一つとされる

    THP指針は、事業場で行う労働者の健康保持増進の措置として、運動指導、メンタルヘルスケア、栄養指導、口腔保健指導、保健指導などを並べて示しており、運動指導はその一つに位置づけられている。運動指導を担う者として、労働者の運動プログラムを作成し実践の指導を行える人材を置くことが想定されている。「運動指導は、健康診断の結果に異常の所見があった労働者への事後措置として位置づけられている」は誤りで、事後措置は労働安全衛生法上の別の仕組みであり、THP指針の健康保持増進は所見の有無を前提としない。「健康保持増進の措置は健康診断の実施に限られ、運動指導は各事業者の判断に委ねられている」も誤りで、指針は健康診断の実施にとどまらない措置を示している。「運動指導は産業医のみが担うものとされ、事業場外の専門職は関わる対象の外に置かれる」も誤りで、指針は事業場外の資源の活用も想定している。

    HINT THP指針の措置は運動だけではない。健康運動指導士が企業と関わるときの土台になる枠組み。

  16. 指定運動療法施設の利用料について医療費控除を受けるとき、施設が発行する領収証の扱いとして正しいものはどれか。

    • 1確定申告書に添付して提出し、施設側でも写しを5年間保存する
    • 2施設が税務署へ直接提出するので、利用者の側が受け取ることはない
    • 3申告を終えた時点で役割を終えるので、保存しておく必要はない
    • 4確定申告書には添付せず、申告期限から5年を経過する日までは保存する正解

    Answer

    正解 4:確定申告書には添付せず、申告期限から5年を経過する日までは保存する

    医療費控除の申告で確定申告書に添付するのは医療費控除の明細書であり、施設が発行する領収証は添付せず、申告期限から5年を経過する日までの間は保存しておくものとされている。提示または提出を求められることがあるためで、申告の裏づけとして手元に置いておく書類という位置づけである。「確定申告書に添付して提出し、施設側でも写しを5年間保存する」は、添付するという前半が実際の取り扱いと異なる。「施設が税務署へ直接提出するので、利用者の側が受け取ることはない」も誤りで、領収証は利用者が受け取って手元に置く書類である。「申告を終えた時点で役割を終えるので、保存しておく必要はない」も誤りで、申告が済んだあとも一定の期間は保存を求められる点がこの仕組みの要点になる。

    HINT 添付するのは医療費控除の明細書。領収証は「出さずに持っておく」側で、期間は5年。

  17. 健康経営優良法人認定制度と健康経営銘柄について、担い手の組み合わせとして正しいものはどれか。

    • 1認定は厚生労働省が行い、銘柄は日本健康会議と東京証券取引所が選んでいる
    • 2認定は経済産業省が行い、銘柄は厚生労働省と日本取引所グループが選んでいる
    • 3認定は日本健康会議が行い、銘柄は経済産業省と東京証券取引所が選ぶ正解
    • 4認定も銘柄の選定も、どちらも経済産業省が単独で行っている

    Answer

    正解 3:認定は日本健康会議が行い、銘柄は経済産業省と東京証券取引所が選ぶ

    健康経営優良法人認定制度は、制度を設計しているのが経済産業省で、認定を行っているのは日本健康会議である。上場企業向けには、経済産業省と東京証券取引所が共同で健康経営銘柄を選定している。制度設計と認定の担い手が分かれているところが、この2つを取り違えないための手がかりになる。「認定は厚生労働省が行い、銘柄は日本健康会議と東京証券取引所が選んでいる」は、認定の担い手も銘柄の選定者も入れ替わっている。「認定は経済産業省が行い、銘柄は厚生労働省と日本取引所グループが選んでいる」は、認定を制度設計の側と混同しており、銘柄の選定者も実際とは異なる。「認定も銘柄の選定も、どちらも経済産業省が単独で行っている」も誤りで、認定は日本健康会議が担い、銘柄は東京証券取引所との共同で選ばれている。

    HINT 制度設計は経済産業省、認定は日本健康会議。銘柄だけが経済産業省と東京証券取引所の共同。

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