健康づくり施策概論全7問・正解と解説つき
健康運動指導士 ・ 公式テキスト第2章 ・ 分量 3%
わが国の健康づくり施策の歴史と健康増進法、健康運動指導士の社会的役割、健康づくりのための身体活動・運動ガイドラインの変遷、健康日本21(第三次)における社会環境の整備。
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- Q01#ks-hp-001
健康増進法に定められている内容はどれか。
- 1多数の者が利用する施設における受動喫煙の防止正解
- 2医療保険者に対する特定健康診査・特定保健指導の実施義務
- 3市町村に対する介護予防・日常生活支援総合事業の実施義務
- 4事業者に対する労働者の一般健康診断の実施義務
Answer
正解 1:多数の者が利用する施設における受動喫煙の防止
健康増進法は国民の健康の増進を図る基本的な事項を定めた法律で、受動喫煙の防止(望まない受動喫煙をなくすための施設類型ごとの規制)、国民健康・栄養調査、特定給食施設の栄養管理などを定めている。「医療保険者に対する特定健康診査・特定保健指導の実施義務」は高齢者の医療の確保に関する法律に基づく。「市町村に対する介護予防・日常生活支援総合事業の実施義務」は介護保険法に基づく。「事業者に対する労働者の一般健康診断の実施義務」は労働安全衛生法に基づく。いずれも健康づくりに関わる法だが、根拠法が異なる。
HINT 健康日本21の法的な裏づけが健康増進法。特定健診は別の法律(高齢者医療確保法)である点が頻出。
- Q02#ks-hp-002
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が示す、成人の身体活動の推奨量はどれか。
- 1歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日30分以上(1日約4,000歩以上)
- 2強度を問わない総歩数として1日10,000歩以上
- 3息が弾み汗をかく程度の運動を1日60分以上かつ週7日
- 4歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)正解
Answer
正解 4:歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)
身体活動・運動ガイド2023は、成人に対し「歩行またはそれと同等以上(3メッツ以上)の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)」を推奨し、あわせて筋力トレーニングを週2〜3日行うこと、座位行動の時間が長くなりすぎないようにすることを示している。「1日30分以上(1日約4,000歩以上)」は推奨のおよそ半分の量で、ガイドはこの値を推奨として示していない。「強度を問わない総歩数として1日10,000歩以上」は、ガイドが3メッツ以上という強度の条件を付けている点と、10,000歩を目標値として採っていない点の二重に誤り。「息が弾み汗をかく程度の運動を1日60分以上かつ週7日」は運動の推奨量を過大に述べたもので、ガイドが示す運動の推奨は週60分以上(4メッツ・時/週以上)である。
HINT 「身体活動」は生活活動+運動の総称。60分・8,000歩は身体活動の目標で、運動だけで満たす必要はない。高齢者は40分・6,000歩(強度条件は同じ3メッツ以上)。
- Q03#ks-hp-003
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」における高齢者への推奨はどれか。
- 13メッツ以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)行い、多要素な運動を週3日以上取り入れる正解
- 2強度を問わず1日40分以上(1日約6,000歩以上)の身体活動を行い、多要素な運動を週3日以上取り入れる
- 3転倒の危険があるため、バランス運動は指導者の監視下に限って行う
- 4運動強度は最大酸素摂取量の80%以上を目安とし、短時間で効率よく行う
Answer
正解 1:3メッツ以上の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)行い、多要素な運動を週3日以上取り入れる
ガイド2023は高齢者について「強度が3メッツ以上の身体活動を週15メッツ・時以上」、具体的には「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上(1日約6,000歩以上)」を推奨し、さらに筋力・バランス・柔軟性など多要素な運動を週3日以上行うことを示している。「強度を問わず1日40分以上」は2013年の「健康づくりのための身体活動基準」の高齢者基準の書き方で、2023ガイドで3メッツ以上という強度の条件が加わった点がまさに改訂の要点である。成人との違いは強度ではなく量(成人は1日60分・約8,000歩)と、多要素な運動が加わることにある。「バランス運動は指導者の監視下に限って行う」はガイドの方向と逆で、転倒予防のために日常的な実施が勧められている。「最大酸素摂取量の80%以上」は高強度に偏っており、高齢者への一般的な推奨としては示されていない。なお筋力トレーニング週2〜3日は高齢者にも推奨されている。
HINT 2013年の基準は「強度を問わず」だったが、2023ガイドで高齢者にも3メッツ以上の条件が付いた。成人との差は量(40分・6,000歩)と多要素運動。
- Q04#ks-hp-004
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」で位置づけが明確にされた「座位行動」の定義はどれか。
- 1運動を行っていない時間帯のすべてで、睡眠時間を含む
- 2職業上やむを得ず座り続ける時間のみ
- 3座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下のすべての覚醒中の行動正解
- 41日のうち椅子に座っている時間の合計が8時間を超える状態
Answer
正解 3:座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下のすべての覚醒中の行動
座位行動(sedentary behavior)は「座位や臥位の状態で行われる、エネルギー消費が1.5メッツ以下のすべての覚醒中の行動」と定義される。ガイド2023は、身体活動量とは独立して座位行動の長さが健康リスクと関連することを示し、長時間続く場合はこまめに中断することを推奨している。「合計が8時間を超える状態」は定義ではなく、リスクを論じる際に引き合いに出される目安の一つにすぎない。「睡眠時間を含む」は誤りで、定義に「覚醒中の」という条件が入っている。「職業上やむを得ず座り続ける時間のみ」も誤りで、余暇のテレビ視聴なども座位行動に含まれる。
HINT 定義の急所は「1.5メッツ以下」と「覚醒中」の2つ。睡眠は座位行動ではない。
- Q05#ks-hp-005
健康日本21(第三次)の基本的な方向のうち、第二次から新たに加わったものはどれか。
- 1社会環境の質の向上
- 2ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり正解
- 3個人の行動と健康状態の改善
- 4健康寿命の延伸と健康格差の縮小
Answer
正解 2:ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり
健康日本21(第三次)の基本的な方向は、健康寿命の延伸と健康格差の縮小、個人の行動と健康状態の改善、社会環境の質の向上、ライフコースアプローチを踏まえた健康づくりの4つで、このうち第二次から新たに加わったのが「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」である。胎児期から高齢期まで、それぞれのライフステージに応じた健康づくりを行うという考え方を指す。「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」は第二次から掲げられていた方向である。「個人の行動と健康状態の改善」「社会環境の質の向上」はいずれも第三次の基本的な方向だが、第二次の方向を再編したもので新規ではない。なお「誰一人取り残さない健康づくりの展開(Inclusion)」と「より実効性をもつ取組の推進(Implementation)」は、基本的な方向ではなくビジョンを進めるための新しい視点として示されている。
HINT Inclusion/Implementation は「新しい視点」であって基本的な方向ではない。ここを入れ替えた選択肢が作られやすい。
- Q06#ks-hp-006
健康日本21(第三次)における「社会環境の質の向上」の取組として最も適切なものはどれか。
- 1健診の未受診者に対して、個別の受診勧奨通知を繰り返し送付する
- 2生活習慣病のリスクが高い者を抽出し、保健師による個別面接を強化する
- 3運動習慣の重要性を伝える住民向け健康講座の開催回数を増やす
- 4自然に歩きたくなる街路や健康に配慮した食環境を整備し、意識せずとも健康的な選択ができるようにする正解
Answer
正解 4:自然に歩きたくなる街路や健康に配慮した食環境を整備し、意識せずとも健康的な選択ができるようにする
健康日本21(第三次)は「自然に健康になれる環境づくり」を掲げ、本人の意識や意欲に依存せずに健康的な選択ができるよう、街路や食環境といった社会環境そのものを整えることを社会環境の質の向上と位置づけている。「健診の未受診者に対して、個別の受診勧奨通知を繰り返し送付する」「リスクが高い者を抽出し、保健師による個別面接を強化する」は、いずれも個人に働きかけるハイリスクアプローチであり、重要ではあるが社会環境の整備ではない。「住民向け健康講座の開催回数を増やす」は知識の普及であり、本人が講座に参加する意欲をもつことを前提としている点で、意識に依存しない環境整備とは言えない。
HINT 「本人がその気にならなくても健康的な方に転ぶ」設計かどうかで見分ける。
- Q07#ks-hp-007
わが国の健康づくり対策を古い順に並べたものとして正しいものはどれか。
- 1第1次国民健康づくり対策 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21 → 健康日本21(第二次)正解
- 2アクティブ80ヘルスプラン → 第1次国民健康づくり対策 → 健康日本21 → 健康日本21(第二次)
- 3健康日本21 → 第1次国民健康づくり対策 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21(第二次)
- 4第1次国民健康づくり対策 → 健康日本21 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21(第二次)
Answer
正解 1:第1次国民健康づくり対策 → アクティブ80ヘルスプラン → 健康日本21 → 健康日本21(第二次)
わが国の健康づくり対策は、1978年からの第1次国民健康づくり対策(健康診査の充実と市町村保健センターの整備)、1988年からの第2次=アクティブ80ヘルスプラン(運動習慣の普及に重点を置き、健康運動指導士の養成が始まった)、2000年からの第3次=健康日本21(数値目標を掲げた一次予防重視)、2013年からの健康日本21(第二次)(健康寿命の延伸と健康格差の縮小)と進み、2024年から健康日本21(第三次)に移っている。アクティブ80ヘルスプランを機に健康運動指導士の養成が始まったことを押さえておくと、順序を取り違えにくい。
HINT 健康運動指導士という資格そのものが第2次(アクティブ80ヘルスプラン)の産物。自分の資格の位置で覚える。
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