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健康管理概論7問・正解と解説つき

健康運動指導士 ・ 公式テキスト第1章 ・ 分量 3%

健康の定義とヘルスプロモーション、公衆衛生と健康管理、保健統計の推移、保健医療制度と医療関係法規、インフォームドコンセントと個人情報保護。生活習慣病(NCDs)概論と特定健診・特定保健指導における健康運動指導士の役割。介護保険制度と介護予防。

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  1. オタワ憲章におけるヘルスプロモーションの定義として正しいものはどれか。

    • 1疾病を早期に発見し、早期に治療することによって重症化を防ぐ一連の医療行為
    • 2国が法令により国民の生活習慣を規制し、疾病の発生を抑制する行政上の施策
    • 3人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにする過程
    • 4人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにする過程正解

    Answer

    正解 4人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにする過程

    1986年のオタワ憲章は、ヘルスプロモーションを「人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにする過程」と定義した。健康を目的ではなく「日々の暮らしの資源」と位置づけ、個人の努力だけでなく健康を支える環境づくりまでを含む点が核心である。「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにする過程」は、2005年のバンコク憲章による定義で、「その決定要因」が加わっているのが違いである。「疾病を早期に発見し、早期に治療する」のは二次予防の説明であり、ヘルスプロモーションは一次予防と環境整備を中心に据えるので範囲が異なる。「国が法令により国民の生活習慣を規制し」は、住民の主体性を前提とするオタワ憲章の考え方と正反対で、憲章は健康を支援する環境づくりと地域活動の強化を掲げている。

    HINT 「その決定要因」が加わったのは2005年のバンコク憲章。オタワ憲章の定義には入っていない。ここが一番狙われる。

  2. わが国の健康寿命の算定に主に用いられている指標はどれか。

    • 1国民生活基礎調査による「日常生活に制限のない期間の平均」正解
    • 2患者調査による「入院していない期間の平均」
    • 3介護保険の認定データによる「要介護2未満の期間の平均」
    • 4人口動態統計による「死亡年齢の中央値」

    Answer

    正解 1国民生活基礎調査による「日常生活に制限のない期間の平均」

    健康日本21で用いられる健康寿命は、国民生活基礎調査の「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という設問をもとに算出した「日常生活に制限のない期間の平均」が主指標である。自覚に基づく主観的な指標である点が特徴で、平均寿命との差が「不健康な期間」とされる。「入院していない期間の平均」は患者調査からは算出されず、入院は不健康な期間の一部にすぎないため指標にならない。「要介護2未満の期間の平均」は、介護保険の要介護度を用いて「日常生活動作が自立している期間の平均」として別途算定される指標にあたり、市町村単位でも算出できる利点があるが、健康日本21の主指標ではない。「死亡年齢の中央値」は寿命の分布を表す値で、健康かどうかの情報を一切含まない。

    HINT 健康寿命は客観的な医療データではなく、本人の申告(主観)から出している。ここが引っかけになりやすい。

  3. 年齢調整死亡率を用いる主たる目的はどれか。

    • 1高齢者に多い死因を除外して、若年層の死亡状況だけを取り出すため
    • 2死亡数の季節変動をならして、年間の平均的な水準を求めるため
    • 3人口規模の小さい地域で、死亡数の偶然のばらつきを取り除くため
    • 4年齢構成の異なる集団の間で死亡状況を比較できるようにするため正解

    Answer

    正解 4年齢構成の異なる集団の間で死亡状況を比較できるようにするため

    死亡率は高齢者が多い集団ほど高く出るため、そのままでは地域間や年次間の比較ができない。年齢調整死亡率は基準人口の年齢構成にそろえて計算し直すことで、年齢構成の違いによる影響を取り除き、死亡状況そのものを比較できるようにする指標である。「高齢者に多い死因を除外して」は誤りで、年齢調整は死因を除外するのではなく、全年齢を基準人口の重みで足し合わせる。「死亡数の季節変動をならして」は移動平均などの時系列の処理であり、年齢調整とは無関係。「人口規模の小さい地域で、死亡数の偶然のばらつきを取り除く」のはベイズ推定などの平滑化の役割で、年齢調整はばらつきそのものには手を加えない。

    HINT 「調整」しているのは年齢構成だけ。死因も季節も偶然誤差も触っていない。

  4. 運動指導の現場における個人情報の取り扱いとして、最も適切なものはどれか。

    • 1参加者が退会した場合、記録は個人情報ではなくなるため、保管期限を定めずに施設で保持し続けてよい
    • 2同意を一度得た利用目的であれば、その後に目的を変更しても改めて本人に知らせる必要はない
    • 3参加者の体力測定の結果を研究目的で学会発表する際は、個人が特定されない形に加工したうえで、あらかじめ利用目的を本人に伝えて同意を得る正解
    • 4医療機関から紹介された参加者の診療情報は、紹介元からの提供であるため本人の同意を得ずに施設内で自由に共有してよい

    Answer

    正解 3参加者の体力測定の結果を研究目的で学会発表する際は、個人が特定されない形に加工したうえで、あらかじめ利用目的を本人に伝えて同意を得る

    個人情報保護法は、利用目的をあらかじめ特定して本人に通知または公表し、その範囲で利用することを求めている(学術研究機関等には例外規定があるが、運動指導施設は通常これにあたらない)。学会発表などの二次利用にあたっては、個人が特定されない形への加工と、事前の説明・同意の両方が必要になる。「紹介元からの提供であるため本人の同意を得ずに施設内で自由に共有してよい」は誤りで、診療情報は要配慮個人情報にあたり、取得も第三者提供も原則として本人の同意が要る。「退会した場合、記録は個人情報ではなくなる」も誤りで、退会しても本人を識別できる情報である限り個人情報であり続け、利用しなくなった情報は遅滞なく消去するよう努めなければならない。「目的を変更しても改めて本人に知らせる必要はない」は法の求めと逆で、利用目的を変更した場合は本人への通知または公表が必要である。

    HINT 健診結果・診療情報・既往歴は「要配慮個人情報」。通常の個人情報より取り扱いが厳しい。

  5. 特定保健指導の階層化において、「積極的支援」と「動機付け支援」を分ける主な基準はどれか。

    • 1本人が希望する支援の回数と、医療機関への通院の有無
    • 2年齢が40歳代であるか50歳以上であるかという年齢区分のみ
    • 3腹囲・BMIによる内臓脂肪蓄積のリスクに加えて、血糖・脂質・血圧・喫煙歴による追加リスクの数正解
    • 4特定健康診査の受診回数と、前年度の保健指導の修了状況

    Answer

    正解 3腹囲・BMIによる内臓脂肪蓄積のリスクに加えて、血糖・脂質・血圧・喫煙歴による追加リスクの数

    特定保健指導は、まず腹囲またはBMIで内臓脂肪蓄積のリスクを判定し(ステップ1)、次に血糖・脂質・血圧の検査結果と質問票の喫煙歴から追加リスクを数え(ステップ2)、その組み合わせで動機付け支援・積極的支援に階層化する(ステップ3)。追加リスクが多いほど積極的支援となる。「特定健康診査の受診回数と、前年度の保健指導の修了状況」は階層化の基準ではない。「本人が希望する支援の回数」も基準ではなく、支援レベルは検査結果から機械的に決まる。「年齢が40歳代であるか50歳以上であるか」については、65歳以上75歳未満では積極的支援の対象者であっても動機付け支援とする運用があるが、40歳代と50歳以上を分ける区分は存在せず、年齢だけで決まるわけでもない。

    HINT 喫煙歴が追加リスクに数えられるのは、他の追加リスクが1つ以上ある場合。単独では数えない。

  6. 介護保険制度における一般介護予防事業の説明として正しいものはどれか。

    • 1要介護3以上の者を対象に、施設入所までの期間を延ばすことを目的として提供される
    • 2医師が介護予防の必要を認めた者だけを対象に、医療保険から給付される
    • 3要支援・要介護の認定を受けているかどうかにかかわらず、第1号被保険者とその支援のための活動に関わる者を対象とする正解
    • 4要支援1・要支援2の認定を受けた者だけを対象に、訪問型・通所型のサービスを提供する

    Answer

    正解 3要支援・要介護の認定を受けているかどうかにかかわらず、第1号被保険者とその支援のための活動に関わる者を対象とする

    一般介護予防事業は介護予防・日常生活支援総合事業の一部で、第1号被保険者(65歳以上)の全員と、その支援のための活動に関わる者を対象とする。認定の有無を問わない点が「介護予防・生活支援サービス事業」との最大の違いで、住民主体の通いの場づくりなどが中心になる。「要支援1・要支援2の認定を受けた者だけを対象に、訪問型・通所型のサービスを提供する」のは介護予防・生活支援サービス事業の説明である。「要介護3以上の者を対象に」は誤りで、要介護認定者は介護給付の対象であり、一般介護予防事業の主たる対象ではない。「医療保険から給付される」も誤りで、総合事業は介護保険の地域支援事業として市町村が実施する。

    HINT 総合事業は「サービス事業(要支援者等が対象)」と「一般介護予防事業(65歳以上全員が対象)」の2階建て。

  7. 健康づくり施策におけるポピュレーションアプローチの説明として正しいものはどれか。

    • 1集団全体に働きかけて危険因子の分布そのものを低い方へずらし、集団全体の発症数を減らす正解
    • 2検査値が基準を超えた者を抽出し、その者に重点的に介入して発症を防ぐ
    • 3すでに発症した者を対象に、重症化と合併症の発生を防ぐ
    • 4遺伝的素因の強い家系を特定し、その家族に限って予防的介入を行う

    Answer

    正解 1集団全体に働きかけて危険因子の分布そのものを低い方へずらし、集団全体の発症数を減らす

    ポピュレーションアプローチは、集団全体に働きかけて危険因子の分布そのものを望ましい方向へずらす戦略である。一人あたりの効果は小さくても対象が大きいため、集団全体で見た発症数の減少は大きくなりうる(予防のパラドックス)。「検査値が基準を超えた者を抽出し、その者に重点的に介入する」のはハイリスクアプローチの説明で、対象は絞られるが一人あたりの効果は大きい。「すでに発症した者を対象に、重症化と合併症の発生を防ぐ」のは三次予防であり、そもそも一次予防の戦略の対比ではない。「遺伝的素因の強い家系を特定し」は対象を絞る点でハイリスクアプローチの一種であり、集団全体への働きかけではない。

    HINT 両者は対立ではなく組み合わせて使う。健康日本21は環境整備でポピュレーション、特定保健指導でハイリスクを担っている。

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