体力測定と評価全18問・正解と解説つき
健康運動指導士 ・ 公式テキスト第8章 ・ 分量 8%
体力と運動能力の測定法と評価、新体力テスト(20〜64歳)のフィールドテスト実習、高齢者の体力測定法(全身持久力)、介護予防に関する体力測定法とその評価、身体組成の測定、測定と評価に関する実習。
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- Q01#ks-ms-001
体力測定に求められる条件のうち、「信頼性」の説明として正しいものはどれか。
- 1測定者が違っても同じ結果が得られること
- 2特別な機器や広い場所を必要とせず、手軽に実施できること
- 3同じ対象者に同じ条件で繰り返し測定したときに、同じような結果が得られること正解
- 4測定しようとしている体力要素を、実際に測定できていること
Answer
正解 3:同じ対象者に同じ条件で繰り返し測定したときに、同じような結果が得られること
信頼性は、同じ対象者に同じ条件で繰り返し測定したときに、同じような結果が得られる程度を指す。結果のばらつきが小さいほど信頼性が高い。「測定しようとしている体力要素を、実際に測定できていること」は妥当性の説明である。「測定者が違っても同じ結果が得られること」は客観性の説明にあたる。「特別な機器や広い場所を必要とせず、手軽に実施できること」は簡便性の説明である。これらに安全性を加えたものが、体力測定の方法を選ぶときに検討すべき条件になる。
HINT 妥当性=的を射ているか、信頼性=ぶれないか、客観性=測る人で変わらないか。3つを混同しやすい。
- Q02#ks-ms-002
体力の分類に関する説明として正しいものはどれか。
- 1体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力には筋力と全身持久力が含まれる
- 2体力はすべて行動体力であり、外界からの刺激に抵抗する能力は体力に含まれない
- 3体力は筋力・持久力・柔軟性の3つだけで構成される
- 4体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力には温度変化や病原体に対する抵抗力が含まれる正解
Answer
正解 4:体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力には温度変化や病原体に対する抵抗力が含まれる
体力は、行動を起こし持続し調整する能力である行動体力と、外界の刺激に抵抗して健康を維持する能力である防衛体力に大別される。防衛体力には温度変化や低酸素などの物理化学的ストレス、病原体などの生物的ストレスに対する抵抗力が含まれる。「防衛体力には筋力と全身持久力が含まれる」は誤りで、これらは行動体力に属する。「外界からの刺激に抵抗する能力は体力に含まれない」は防衛体力の存在を否定しており誤り。「筋力・持久力・柔軟性の3つだけで構成される」も誤りで、行動体力だけでも筋パワー・敏捷性・平衡性・調整力などが含まれる。
HINT 測定できるのは主に行動体力のほう。防衛体力は測りにくいが、運動の効果としては重要。
- Q03#ks-ms-003
全身持久力の指標として最大酸素摂取量が用いられる理由として最も適切なものはどれか。
- 1筋の断面積と直接対応しており、筋力からも推定できるため
- 2安静時の測定値だけで求められ、運動負荷を必要としないため
- 3単位時間に利用できる酸素の最大量であり、有酸素性のエネルギー供給能力を表すため正解
- 4運動を継続できた時間そのものであり、意欲の影響を受けないため
Answer
正解 3:単位時間に利用できる酸素の最大量であり、有酸素性のエネルギー供給能力を表すため
最大酸素摂取量は、単位時間に体内へ取り込んで利用できる酸素の最大量であり、有酸素性のエネルギー供給能力を直接表すため、全身持久力の指標として用いられる。「運動を継続できた時間そのものであり、意欲の影響を受けない」は誤りで、継続時間は意欲の影響を受けやすく、最大酸素摂取量そのものでもない。「筋の断面積と直接対応しており、筋力からも推定できる」も誤りで、筋の断面積が対応するのは最大筋力である。「安静時の測定値だけで求められ、運動負荷を必要としない」も誤りで、直接法では漸増負荷による最大努力の運動が必要になる。
HINT 「最大」の値なので、測るには最大まで追い込むか、間接法で推定するかのどちらかになる。
- Q04#ks-ms-004
新体力テスト(20歳〜64歳対象)のテスト項目に関する説明として正しいものはどれか。
- 1全身持久力については、急歩と20mシャトルラン(往復持久走)のいずれかを選んで実施する正解
- 2全身持久力については、急歩と20mシャトルラン(往復持久走)の両方を必ず実施する
- 3全身持久力の項目は設けられておらず、筋力と柔軟性のみを測定する
- 4全身持久力については、6分間歩行を実施する
Answer
正解 1:全身持久力については、急歩と20mシャトルラン(往復持久走)のいずれかを選んで実施する
新体力テスト(20歳〜64歳対象)の項目は、握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・急歩・20mシャトルラン(往復持久走)・立ち幅とびで、このうち急歩と20mシャトルランはいずれかを選んで実施する。「両方を必ず実施する」は誤りで、実施要項で選択とされている。「全身持久力の項目は設けられておらず」は誤りで、急歩と20mシャトルランがこれにあたる。「6分間歩行を実施する」は誤りで、6分間歩行は65歳〜79歳対象の項目である。
HINT 20〜64歳と65〜79歳では項目が違う。持久力の測り方が「急歩/シャトルラン」か「6分間歩行」かで見分ける。
- Q05#ks-ms-005
新体力テストの反復横とびの実施方法として正しいものはどれか。
- 1中央ラインをまたいで立ち、ジャンプせずにサイドステップで60秒間繰り返す
- 2中央ラインから走り出し、両側のラインにタッチして20秒間往復する
- 3中央ラインをまたいで立ち、ジャンプせずにサイドステップで20秒間繰り返す正解
- 4中央ラインをまたいで立ち、両足で跳びはねながら20秒間繰り返す
Answer
正解 3:中央ラインをまたいで立ち、ジャンプせずにサイドステップで20秒間繰り返す
反復横とびは、中央ラインの両側100cmに引いた2本の平行ラインを使い、中央ラインをまたいで立ち、合図でサイドステップにより左右のラインを越すか踏むまで移動する動作を20秒間繰り返す。実施要項はサイドステップで行うことを明記し、ジャンプしてはいけないと定めている。「両足で跳びはねながら」はこの定めに反する。「60秒間繰り返す」は時間が誤りで、20秒間である。「中央ラインから走り出し」も誤りで、走る動作ではなくサイドステップである。
HINT 名前に「とび」が入っているが、跳んではいけない。要項の原文を読まないと取り違える典型例。
- Q06#ks-ms-006
新体力テストの急歩(20歳〜64歳対象)の実施方法として正しいものはどれか。
- 1男子1000m・女子1500mを、両足が同時に地面から離れる時期をつくって進む
- 2男女とも距離は定めず、6分間で進めるだけ歩く
- 3男子1500m・女子1000mを、いずれかの足が常に地面に着いているようにして急いで歩く正解
- 4男女とも1000mを、走ってもよいので最も速い方法で移動する
Answer
正解 3:男子1500m・女子1000mを、いずれかの足が常に地面に着いているようにして急いで歩く
急歩は男子1500m・女子1000mを、いずれかの足が常に地面に着いているようにして急いで歩くテストである。測定者は被測定者が走ることのないよう指導し、両足が一瞬でも地面から離れたら正しく歩くよう指示する。「走ってもよいので最も速い方法で移動する」は歩行という前提に反する。「男子1000m・女子1500m」は男女の距離が入れ替わっている。また両足が同時に地面から離れるのは走行であり、このテストでは認められない。「距離は定めず、6分間で進めるだけ歩く」は6分間歩行の説明で、こちらは65歳〜79歳対象の項目である。
HINT 歩行と走行の境目は「両脚が同時に地面を離れるかどうか」。この定義がそのまま測定の規則になっている。
- Q07#ks-ms-007
新体力テストの総合評価に関する説明として正しいものはどれか。
- 1最も成績のよかった1項目のみを用いて総合評価を行う
- 2総合評価は年齢や性別を考慮せず、全対象者を同一の基準で行う
- 3各項目の記録を得点表で得点に換算し、合計得点をもとに総合評価を行う正解
- 4各項目の記録をそのまま合計し、その値で総合評価を行う
Answer
正解 3:各項目の記録を得点表で得点に換算し、合計得点をもとに総合評価を行う
新体力テストでは、項目ごとに単位も尺度も異なる記録を項目別得点表によって得点へ換算し、その合計得点をもとに総合評価を行う。「記録をそのまま合計し」は誤りで、握力のキログラムと長座体前屈のセンチメートルをそのまま足すことはできない。「最も成績のよかった1項目のみを用いて」は誤りで、体力を多面的にみるという趣旨に反する。「年齢や性別を考慮せず、全対象者を同一の基準で行う」も誤りで、得点表は性・年齢の区分ごとに設けられている。
HINT 得点表を挟むのは「単位の違うものを足せるようにする」ため。標準得点の考え方と同じ役割。
- Q08#ks-ms-008
新体力テストの6分間歩行(65歳〜79歳対象)において、実施前に被測定者へ伝えるべき内容として正しいものはどれか。
- 1歩行速度は問わないため、途中で自由に立ち止まって休んでよいこと
- 2競争ではないので他人と競わないこと、走ったりとび上がったりせず必ず片方の足を地面につけること正解
- 3できるだけ長い距離を歩くため、他の参加者より前に出るよう努めること
- 4疲れを感じたら走ってもよいので、とにかく距離を稼ぐこと
Answer
正解 2:競争ではないので他人と競わないこと、走ったりとび上がったりせず必ず片方の足を地面につけること
実施要項は、6分間歩行の実施前に被測定者へ「競争でないので、他人と競わないこと」「走らないこと、とび上がらないこと(片方の足が必ず地面についていること)」「6分経ったら笛で合図をするので、その位置を確認すること」を伝えるよう定めている。歩き方についても「普段歩く速さで6分間歩く」とされている。「他の参加者より前に出るよう努める」は競争を禁じた定めに正面から反する。「疲れを感じたら走ってもよい」も、走ることを禁じた定めに反する。「途中で自由に立ち止まって休んでよい」という指示は要項に示されておらず、比較的長い時間続けて歩ける能力をみるという趣旨にも合わない。
HINT 「できるだけ速く・長く」と思い込みやすいが、要項の指示は「普段歩く速さで・競わない」。
- Q09#ks-ms-009
最大酸素摂取量の測定における直接法と間接法の違いとして正しいものはどれか。
- 1間接法は最大努力の運動を必要とするため、直接法より危険性が高い
- 2直接法は呼気ガスを分析して実測するのに対し、間接法は心拍数などから推定する正解
- 3直接法は心拍数から推定するのに対し、間接法は呼気ガスを分析して実測する
- 4直接法と間接法はいずれも呼気ガスを分析する方法で、測定機器が違うだけである
Answer
正解 2:直接法は呼気ガスを分析して実測するのに対し、間接法は心拍数などから推定する
直接法は漸増負荷運動中の呼気ガスを分析して酸素摂取量を実測する方法で、精度は高いが最大努力の運動と専用の機器を要する。間接法は最大下の運動での心拍数と負荷の関係などから推定する方法で、安全性と簡便性に優れるかわりに誤差を含む。「直接法は心拍数から推定するのに対し、間接法は呼気ガスを分析して実測する」は両者が入れ替わっている。「いずれも呼気ガスを分析する方法で、測定機器が違うだけ」は誤りで、間接法は呼気ガス分析を必要としない。「間接法は最大努力の運動を必要とするため、直接法より危険性が高い」も誤りで、最大努力を要するのは直接法であり、危険性も直接法のほうが高い。
HINT 高齢者や有疾患者には間接法。精度より安全性と実施しやすさを優先する場面が多い。
- Q10#ks-ms-010
新体力テスト(65歳〜79歳対象)において、各テスト項目を実施してよいかを判断するために最初に行うものはどれか。
- 16分間歩行の測定による、全身持久力の確認
- 2ADL(日常生活活動テスト)の質問紙による判定正解
- 3握力の測定による、上肢の筋力の確認
- 4長座体前屈の測定による、柔軟性の確認
Answer
正解 2:ADL(日常生活活動テスト)の質問紙による判定
65歳〜79歳対象の新体力テストでは、まずADL(日常生活活動テスト)の質問紙を実施し、その判定基準によって各テスト項目を実施してよいかを検討する。たとえば「休まないでどれくらい歩けるか」という問いに5〜10分程度と答えた者については、6分間歩行・10m障害物歩行・開眼片足立ちを実施しないこととされている。「握力の測定による、上肢の筋力の確認」「長座体前屈の測定による、柔軟性の確認」「6分間歩行の測定による、全身持久力の確認」はいずれも、スクリーニングを経たうえで実施するテスト項目そのものであり、可否を判断する手順にはあたらない。
HINT 高齢者では「測る前に、測ってよいか確かめる」手順が組み込まれている。ここが20〜64歳との大きな違い。
- Q11#ks-ms-011
新体力テストの6分間歩行を実施しないと定められている場合として正しいものはどれか。
- 1過去に運動習慣がなかった者
- 2当日の血圧が160/95mmHg以上の者正解
- 3当日の血圧が130/85mmHg以上の者
- 470歳以上の者
Answer
正解 2:当日の血圧が160/95mmHg以上の者
実施要項は6分間歩行の実施上の注意として、被測定者の健康状態に注意し、医師の治療を受けている者、風邪気味の者、熱がある者、二日酔いの者、当日の血圧が160/95mmHg以上の者などについてはこのテストを実施しないと定めている。「当日の血圧が130/85mmHg以上の者」は基準より低く、この値では実施を見合わせる根拠にならない。「70歳以上の者」は誤りで、このテストはそもそも65歳〜79歳を対象としている。「過去に運動習慣がなかった者」も、実施しない条件として挙げられていない。
HINT 160/95という数字は、高血圧の診断基準(140/90)とも降圧目標とも違う。測定を見合わせる基準として別に覚える。
- Q12#ks-ms-012
介護予防の観点から高齢者の移動機能を評価する方法として最も適切なものはどれか。
- 1握力のみを測定し、その値から移動機能を推定する
- 2身長と体重のみを測定し、BMIから移動機能を判定する
- 3最大酸素摂取量を直接法で測定し、その値のみで判定する
- 4開眼片足立ちや10m障害物歩行など、平衡性と歩行能力の項目を組み合わせる正解
Answer
正解 4:開眼片足立ちや10m障害物歩行など、平衡性と歩行能力の項目を組み合わせる
高齢者の移動機能は、筋力だけでなく平衡性や歩行能力が複合して決まるため、開眼片足立ちのような平衡性の項目と、10m障害物歩行のような歩行能力の項目を組み合わせて評価する。「握力のみを測定し」は誤りで、握力は全身の筋力の指標として有用だが移動機能そのものは表さない。「BMIから移動機能を判定する」は誤りで、BMIは体格の指標であり移動機能とは別である。「最大酸素摂取量を直接法で測定し、その値のみで判定する」も誤りで、直接法は高齢者に対して安全性の面から適さず、全身持久力だけでは移動機能を表せない。
HINT 「歩けるか」は筋力だけでは決まらない。バランスと動作の巧みさを一緒に見る必要がある。
- Q13#ks-ms-013
BMI(body mass index)の説明として正しいものはどれか。
- 1体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体格の指標だが体脂肪と筋の区別はできない正解
- 2体重(kg)を身長(m)で割った値で、体脂肪率を直接表す
- 3体脂肪量(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、内臓脂肪量を直接表す
- 4体重(kg)を身長(cm)の2乗で割った値で、筋量を直接表す
Answer
正解 1:体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体格の指標だが体脂肪と筋の区別はできない
BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体格を表す指標として広く用いられる。ただし体重の内訳を区別しないため、筋量の多い者では体脂肪が少なくてもBMIが高くなることがあり、体脂肪率の代わりにはならない。「体重(kg)を身長(m)で割った値で、体脂肪率を直接表す」は式も意味も誤りである。「体脂肪量(kg)を身長(m)の2乗で割った値」は分子が誤りで、BMIの分子は体重である。「身長(cm)の2乗で割った値」は単位が誤りで、身長はメートルで用いる。
HINT BMIは「重さと高さの関係」でしかない。中身を知りたければ身体組成の測定が要る。
- Q14#ks-ms-014
生体電気抵抗法(インピーダンス法)による体脂肪率の測定に関する説明として正しいものはどれか。
- 1X線を用いて骨と軟部組織を区別する方法で、最も精度が高い
- 2皮膚をつまんで厚さを測る方法で、測定者の技術によって値が変わる
- 3体内の水分が電気を通しやすいことを利用する方法で、測定前の飲食や発汗、測定の時間帯によって値が変動する正解
- 4体脂肪が電気を通しやすいことを利用する方法で、体内の水分量には影響されない
Answer
正解 3:体内の水分が電気を通しやすいことを利用する方法で、測定前の飲食や発汗、測定の時間帯によって値が変動する
生体電気抵抗法は、水分を多く含む除脂肪組織が電気を通しやすく、脂肪組織が通しにくいという性質を利用して体組成を推定する。そのため体内の水分状態に影響され、測定前の飲食、発汗、入浴、測定の時間帯などによって値が変動する。同じ条件で測ることが比較の前提になる。「体脂肪が電気を通しやすい」は性質が逆である。「X線を用いて骨と軟部組織を区別する方法」はDXA法の説明である。「皮膚をつまんで厚さを測る方法」は皮下脂肪厚法(キャリパー法)の説明で、こちらは測定者の技術による差が出やすい。
HINT 同じ人でも朝と夜で値が変わる。継続して見るなら測定条件を固定するよう伝える。
- Q15#ks-ms-015
皮下脂肪厚法(キャリパー法)による体脂肪率の推定に関する説明として正しいものはどれか。
- 1測定者が変わっても値がぶれないため、客観性がきわめて高い方法である
- 2上腕背部と肩甲骨下部などの皮下脂肪の厚さから推定する方法で、内臓脂肪の量は直接には反映されない正解
- 3上腕背部と肩甲骨下部の皮下脂肪の厚さから、内臓脂肪の量を直接測定する方法である
- 4測定部位を問わず、どこを測っても同じ推定値が得られる方法である
Answer
正解 2:上腕背部と肩甲骨下部などの皮下脂肪の厚さから推定する方法で、内臓脂肪の量は直接には反映されない
皮下脂肪厚法は上腕背部と肩甲骨下部などの皮下脂肪の厚さをキャリパーで測り、推定式を用いて体脂肪率を推定する方法である。測っているのは皮下脂肪であり、内臓脂肪の量は直接には反映されない。「内臓脂肪の量を直接測定する方法」は誤りで、内臓脂肪の評価には腹囲や画像による方法が用いられる。「どこを測っても同じ推定値が得られる」は誤りで、推定式は決められた部位を測ることを前提にしている。「測定者が変わっても値がぶれないため、客観性がきわめて高い」も誤りで、つまみ方や圧のかけ方によって差が出やすく、客観性は高くない。
HINT 皮下脂肪と内臓脂肪は別もの。メタボの評価に腹囲を使うのは内臓脂肪を見たいから。
- Q16#ks-ms-016
体力測定の結果を評価する際の相対評価と絶対評価の説明として正しいものはどれか。
- 1相対評価と絶対評価はいずれも集団の中での位置づけを示す方法で、計算方法が違うだけである
- 2絶対評価は測定値をそのまま伝えることであり、基準と比べることは含まない
- 3相対評価は同じ性・年齢の集団の中での位置づけを示し、絶対評価は健康の維持に必要な基準値と比べて示す正解
- 4相対評価は健康の維持に必要な基準値と比べて示し、絶対評価は集団の中での位置づけを示す
Answer
正解 3:相対評価は同じ性・年齢の集団の中での位置づけを示し、絶対評価は健康の維持に必要な基準値と比べて示す
相対評価は同じ性・年齢の集団の中でどの位置にあるかを示す評価で、標準得点や5段階評価などが用いられる。絶対評価は健康の維持に必要とされる基準値と比べて到達しているかを示す評価である。運動指導では、集団内の位置だけでなく、健康のために必要な水準に届いているかを併せて伝えることが有用になる。「相対評価は健康の維持に必要な基準値と比べて示し」は両者が入れ替わっている。「いずれも集団の中での位置づけを示す方法」は絶対評価の意味を取り違えている。「絶対評価は測定値をそのまま伝えること」も誤りで、基準と照らすからこそ評価になる。
HINT 「同年代より上」でも「健康に必要な水準には届いていない」ことはある。両方で見る意味はここ。
- Q17#ks-ms-017
体力測定の結果を対象者へフィードバックする際の配慮として最も適切なものはどれか。
- 1他の参加者の結果と並べて掲示し、順位を意識させることで意欲を高める
- 2低い項目は不安を与えるため伝えず、高い項目だけを伝える
- 3結果を伝えるだけで終わらせず、次に取り組む具体的な行動と結びつけて示す正解
- 4結果の数値だけを一覧で渡し、解釈は対象者本人に任せる
Answer
正解 3:結果を伝えるだけで終わらせず、次に取り組む具体的な行動と結びつけて示す
測定は実施すること自体が目的ではなく、結果を運動プログラムの作成や行動の変容につなげることに意味がある。したがって結果を伝えるだけで終わらせず、次に取り組む具体的な行動と結びつけて示すことが重要になる。「数値だけを一覧で渡し、解釈は対象者本人に任せる」は、測定を行動につなげるという目的を果たせない。「他の参加者の結果と並べて掲示し、順位を意識させる」は個人情報の取り扱いの面でも問題があり、意欲を損なう者も生む。「低い項目は伝えず、高い項目だけを伝える」も誤りで、改善すべき点を共有できず、伝え方を工夫することで対応すべきである。
HINT 測定は「現状把握」であって目的ではない。次の一手に変換して初めて指導になる。
- Q18#ks-ms-018
新体力テスト(65歳〜79歳対象)のADLによるスクリーニングで、「布団の上げ下ろしができますか」「仰向けに寝た姿勢から手を使わないで上体だけを起こせますか」のいずれにも「できない」と答えた者について、実施しないと定められているテスト項目はどれか。
- 1上体起こし正解
- 2握力
- 36分間歩行
- 4長座体前屈
Answer
正解 1:上体起こし
実施要項のADLによるスクリーニングに関する判定基準では、問10(布団の上げ下ろし)と問12(仰向けから上体を起こす)の両方で「できない」に該当した場合、上体起こしテストは実施不可能と定められている。設問の内容がそのまま測定の動作に対応しているため、質問紙の段階で実施の可否を判断できる。「握力」「長座体前屈」はこの判定の対象として挙げられていない。「6分間歩行」が実施不可能となるのは、問1(休まないでどれくらい歩けるか)、問5(正座の姿勢から立ち上がれるか)、問6(開眼片足立ち)で「できない」に相当する回答をした場合であり、問10・問12とは別の組み合わせである。
HINT 質問の内容と測定の動作が対応している。「上体を起こせない」と答えた人に上体起こしを測らせない、という素直な設計。
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