体力測定と評価全20問・正解と解説つき
健康運動指導士・ 公式テキスト第8章・ 分量 8%
体力と運動能力の測定法と評価、新体力テスト(20〜64歳)のフィールドテスト実習、高齢者の体力測定法(全身持久力)、介護予防に関する体力測定法とその評価、身体組成の測定、測定と評価に関する実習。
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- Q01#ks-ms-001
体力測定に求められる条件のうち、「信頼性」の説明として正しいものはどれか。
- 1測定者が違っても同じ結果が得られ、誰が測っても同じ数値になること
- 2特別な機器や広い場所を必要とせず、短い時間で手軽に実施できること
- 3同じ対象者に同じ条件で繰り返し測定したときに、同じような結果が得られること正解
- 4測定しようとしている体力要素を、他の要素と混同せずに実際に測定できていること
Answer
正解 3:同じ対象者に同じ条件で繰り返し測定したときに、同じような結果が得られること
信頼性は、同じ対象者に同じ条件で繰り返し測定したときに、同じような結果が得られる程度を指す。結果のばらつきが小さいほど信頼性が高い。「測定しようとしている体力要素を、他の要素と混同せずに実際に測定できていること」は妥当性の説明である。「測定者が違っても同じ結果が得られ、誰が測っても同じ数値になること」は客観性の説明にあたる。「特別な機器や広い場所を必要とせず、短い時間で手軽に実施できること」は簡便性の説明である。これらに安全性を加えたものが、体力測定の方法を選ぶときに検討すべき条件になる。
HINT 妥当性=的を射ているか、信頼性=ぶれないか、客観性=測る人で変わらないか。3つを混同しやすい。
- Q02#ks-ms-002
体力の分類に関する説明として正しいものはどれか。
- 1体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力には筋力・全身持久力・柔軟性などが含まれる
- 2体力はすべて行動体力であり、外界からの刺激に抵抗する力も行動体力に区分される
- 3体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力は新体力テストの項目で測定する
- 4体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力には病原体などに対する抵抗力が含まれる正解
Answer
正解 4:体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力には病原体などに対する抵抗力が含まれる
体力は、行動を起こし持続し調整する能力である行動体力と、外界の刺激に抵抗して健康を維持する能力である防衛体力に大別される。防衛体力には温度変化や低酸素などの物理化学的ストレス、病原体などの生物的ストレスに対する抵抗力が含まれる。「体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力には筋力・全身持久力・柔軟性などが含まれる」は誤りで、これらはいずれも行動体力に属する。「体力はすべて行動体力であり、外界からの刺激に抵抗する力も行動体力に区分される」は防衛体力の存在を否定しており誤り。「体力は行動体力と防衛体力に大別され、防衛体力は新体力テストの項目で測定する」も誤りで、新体力テストが測っているのは握力や長座体前屈といった行動体力であり、防衛体力は現場の測定項目にはなっていない。
HINT 測定できるのは主に行動体力のほう。防衛体力は測りにくいが、運動の効果としては重要。
- Q03#ks-ms-003
全身持久力の指標として最大酸素摂取量が用いられる理由として最も適切なものはどれか。
- 1筋の断面積と直接対応しており、握力などの筋力の測定値からも推定できるため
- 2運動中に消費した総エネルギー量を表し、運動の時間が長いほど大きくなるため
- 3単位時間に利用できる酸素の最大量であり、有酸素性のエネルギー供給能力を表すため正解
- 4運動を継続できた時間そのものであり、本人の粘り強さを含めて持久力を表せるため
Answer
正解 3:単位時間に利用できる酸素の最大量であり、有酸素性のエネルギー供給能力を表すため
最大酸素摂取量は、単位時間に体内へ取り込んで利用できる酸素の最大量であり、有酸素性のエネルギー供給能力を直接表すため、全身持久力の指標として用いられる。「運動を継続できた時間そのものであり、本人の粘り強さを含めて持久力を表せるため」は誤りで、継続時間は意欲や慣れで大きく変わるうえ、最大酸素摂取量そのものでもない。「筋の断面積と直接対応しており、握力などの筋力の測定値からも推定できるため」も誤りで、筋の断面積が対応するのは最大筋力である。「運動中に消費した総エネルギー量を表し、運動の時間が長いほど大きくなるため」も誤りで、最大酸素摂取量は単位時間あたりの最大値であり、運動を長く続けるほど大きくなる量ではない。
HINT 「最大」の値なので、測るには最大まで追い込むか、間接法で推定するかのどちらかになる。
- Q04#ks-ms-004
新体力テスト(20歳〜64歳対象)のテスト項目に関する説明として正しいものはどれか。
- 1全身持久力については、急歩と20mシャトルラン(往復持久走)のいずれかを選んで実施する正解
- 2全身持久力については、急歩と20mシャトルラン(往復持久走)の両方を同じ日に必ず実施する
- 3全身持久力については、急歩と20mシャトルランの記録を合計して得点にする
- 4全身持久力については、急歩を行わず6分間歩行を実施する
Answer
正解 1:全身持久力については、急歩と20mシャトルラン(往復持久走)のいずれかを選んで実施する
新体力テスト(20歳〜64歳対象)の項目は、握力・上体起こし・長座体前屈・反復横とび・急歩・20mシャトルラン(往復持久走)・立ち幅とびで、このうち急歩と20mシャトルランはいずれかを選んで実施する。「全身持久力については、急歩と20mシャトルラン(往復持久走)の両方を同じ日に必ず実施する」は誤りで、実施要項では両者は選択とされている。「全身持久力については、急歩と20mシャトルランの記録を合計して得点にする」は誤りで、両者は選択して一方のみを実施するものであり、合計する前提になっていない。「全身持久力については、急歩を行わず6分間歩行を実施する」は誤りで、6分間歩行は65歳〜79歳対象の項目である。
HINT 20〜64歳と65〜79歳では項目が違う。持久力の測り方が「急歩/シャトルラン」か「6分間歩行」かで見分ける。
- Q05#ks-ms-005
新体力テストの反復横とびの実施方法として正しいものはどれか。
- 1中央ラインをまたいで立ち、ジャンプせずにサイドステップで60秒間繰り返す
- 2中央ラインから走り出し、両側のラインにタッチして20秒間往復する
- 3中央ラインをまたいで立ち、ジャンプせずにサイドステップで20秒間繰り返す正解
- 4中央ラインをまたいで立ち、両足で跳びはねながら20秒間繰り返す
Answer
正解 3:中央ラインをまたいで立ち、ジャンプせずにサイドステップで20秒間繰り返す
反復横とびは、中央ラインの両側100cmに引いた2本の平行ラインを使い、中央ラインをまたいで立ち、合図でサイドステップにより左右のラインを越すか踏むまで移動する動作を20秒間繰り返す。実施要項はサイドステップで行うことを明記し、ジャンプしてはいけないと定めている。「両足で跳びはねながら」はこの定めに反する。「60秒間繰り返す」は時間が誤りで、20秒間である。「中央ラインから走り出し」も誤りで、走る動作ではなくサイドステップである。
HINT 名前に「とび」が入っているが、跳んではいけない。要項の原文を読まないと取り違える典型例。
- Q06#ks-ms-006
新体力テストの急歩(20歳〜64歳対象)の実施方法として正しいものはどれか。
- 1男子1000m・女子1500mを、両足が同時に地面から離れる時期をつくって、できるだけ速く進む
- 2男女とも1500mを、足が常に地面に着いた状態で急いで歩く
- 3男子1500m・女子1000mを、足を常に地面に着けて急いで歩く正解
- 4男女とも1000mを、走ってもよいので最も速い方法で移動し、要した時間を測る
Answer
正解 3:男子1500m・女子1000mを、足を常に地面に着けて急いで歩く
急歩は男子1500m・女子1000mを、いずれかの足が常に地面に着いているようにして急いで歩くテストである。測定者は被測定者が走ることのないよう指導し、両足が一瞬でも地面から離れたら正しく歩くよう指示する。「男女とも1000mを、走ってもよいので最も速い方法で移動し、要した時間を測る」は歩行という前提に反する。「男子1000m・女子1500m」は男女の距離が入れ替わっており、また両足が同時に地面から離れる時期をつくるのは走行であって、このテストでは認められない。「男女とも1500mを、足が常に地面に着いた状態で急いで歩く」は歩き方の条件は正しいが距離が誤りで、女子は1000mである。
HINT 歩行と走行の境目は「両脚が同時に地面を離れるかどうか」。この定義がそのまま測定の規則になっている。
- Q07#ks-ms-007
新体力テストの総合評価に関する説明として正しいものはどれか。
- 1各項目の記録を得点に換算したうえで、最も高い得点を総合評価の得点とする
- 2総合評価は年齢や性別を軽視して、全対象者を同一の基準で得点に換算して行う
- 3各項目の記録を得点表で得点に換算し、合計得点をもとに総合評価を行う正解
- 4各項目の記録を単位のまま合計し、その合計値で総合評価を行う
Answer
正解 3:各項目の記録を得点表で得点に換算し、合計得点をもとに総合評価を行う
新体力テストでは、項目ごとに単位も尺度も異なる記録を項目別得点表によって得点へ換算し、その合計得点をもとに総合評価を行う。「各項目の記録を単位のまま合計し、その合計値で総合評価を行う」は誤りで、握力のキログラムと長座体前屈のセンチメートルをそのまま足すことはできない。「各項目の記録を得点に換算したうえで、最も高い得点を総合評価の得点とする」は誤りで、得点へ換算する手順までは正しいが、総合評価は合計得点で行うものであり、体力を多面的にみるという趣旨にも反する。「総合評価は年齢や性別を軽視して、全対象者を同一の基準で得点に換算して行う」も誤りで、実施要項では記録を点に直す項目別得点表が男女別に、合計点から段階を出す総合評価基準表が年齢の区分別に設けられている(20〜64歳は5歳刻み、65〜79歳は65〜69歳・70〜74歳・75歳以上)。なお項目別得点表のほうに年齢の区分はない。
HINT 得点表を挟むのは「単位の違うものを足せるようにする」ため。標準得点の考え方と同じ役割。
- Q08#ks-ms-008
新体力テストの6分間歩行(65歳〜79歳対象)において、実施前に被測定者へ伝えるべき内容として正しいものはどれか。
- 1歩行速度は問わないため、途中で自由に立ち止まって休み、疲れたらその場で終了してよいこと
- 2競争ではないこと、走ったりとび上がったりせず片方の足を地面につけること正解
- 3できるだけ長い距離を歩くため、他の参加者より前に出るよう努め、遅れそうなら小走りに切り替えてよいこと
- 4疲れを感じたら走ってもよいので、6分間でとにかく距離を稼ぐことを最優先すること
Answer
正解 2:競争ではないこと、走ったりとび上がったりせず片方の足を地面につけること
実施要項は、6分間歩行の実施前に被測定者へ「競争でないので、他人と競わないこと」「走らないこと、とび上がらないこと(片方の足が必ず地面についていること)」「6分経ったら笛で合図をするので、その位置を確認すること」を伝えるよう定めている。歩き方についても「普段歩く速さで6分間歩く」とされている。「他の参加者より前に出るよう努め、遅れそうなら小走りに切り替えてよい」は、競争を禁じた定めにも走ることを禁じた定めにも正面から反する。「疲れを感じたら走ってもよいので、6分間でとにかく距離を稼ぐことを最優先する」も、走ることを禁じた定めに反する。「途中で自由に立ち止まって休み、疲れたらその場で終了してよい」という指示は要項に示されておらず、比較的長い時間続けて歩ける能力をみるという趣旨にも合わない。
HINT 「できるだけ速く・長く」と思い込みやすいが、要項の指示は「普段歩く速さで・競わない」。
- Q09#ks-ms-009
最大酸素摂取量の測定における直接法と間接法の違いとして正しいものはどれか。
- 1間接法は最大努力の運動を必要とするため、直接法より危険性が高い
- 2直接法は呼気ガスを分析して実測するのに対し、間接法は心拍数などから推定する正解
- 3直接法は心拍数から推定するのに対し、間接法は呼気ガスを分析して実測する
- 4直接法と間接法はいずれも呼気ガスを分析する方法で、測定機器が違うだけである
Answer
正解 2:直接法は呼気ガスを分析して実測するのに対し、間接法は心拍数などから推定する
直接法は漸増負荷運動中の呼気ガスを分析して酸素摂取量を実測する方法で、精度は高いが最大努力の運動と専用の機器を要する。間接法は最大下の運動での心拍数と負荷の関係などから推定する方法で、安全性と簡便性に優れるかわりに誤差を含む。「直接法は心拍数から推定するのに対し、間接法は呼気ガスを分析して実測する」は両者が入れ替わっている。「いずれも呼気ガスを分析する方法で、測定機器が違うだけ」は誤りで、間接法は呼気ガス分析を必要としない。「間接法は最大努力の運動を必要とするため、直接法より危険性が高い」も誤りで、最大努力を要するのは直接法であり、危険性も直接法のほうが高い。
HINT 高齢者や有疾患者には間接法。精度より安全性と実施しやすさを優先する場面が多い。
- Q10#ks-ms-010
新体力テスト(65歳〜79歳対象)において、各テスト項目を実施してよいかを判断するために最初に行うものはどれか。
- 16分間歩行の測定による、全身持久力の水準の確認と判定
- 2ADLの質問紙による、日常生活機能の判定正解
- 3握力の測定による、上肢の筋力の水準の確認
- 4長座体前屈の測定による、柔軟性の水準の確認
Answer
正解 2:ADLの質問紙による、日常生活機能の判定
65歳〜79歳対象の新体力テストでは、まずADL(日常生活活動テスト)の質問紙を実施し、その判定基準によって各テスト項目を実施してよいかを検討する。たとえば「休まないでどれくらい歩けるか」という問い(問1)に5〜10分程度と答えた者については、6分間歩行を実施しないこととされている。10m障害物歩行と開眼片足立ちまで実施不可能になるのは、問1・問5・問6の3つともいちばん低い段階に回答した場合である。「握力の測定による、上肢の筋力の水準の確認」「長座体前屈の測定による、柔軟性の水準の確認」「6分間歩行の測定による、全身持久力の水準の確認と判定」はいずれも、スクリーニングを経たうえで実施するテスト項目そのものであり、可否を判断する手順にはあたらない。
HINT 高齢者では「測る前に、測ってよいか確かめる」手順が組み込まれている。ここが20〜64歳との大きな違い。
- Q11#ks-ms-011
新体力テストの6分間歩行を実施しないと定められている場合として正しいものはどれか。
- 1過去に運動習慣がなかった者
- 2当日の血圧が160/95mmHg以上の者正解
- 3当日の血圧が130/85mmHg以上の者
- 470歳以上の者
Answer
正解 2:当日の血圧が160/95mmHg以上の者
実施要項は6分間歩行の実施上の注意として、被測定者の健康状態に注意し、医師の治療を受けている者、風邪気味の者、熱がある者、二日酔いの者、当日の血圧が160/95mmHg以上の者などについてはこのテストを実施しないと定めている。「当日の血圧が130/85mmHg以上の者」は基準より低く、この値では実施を見合わせる根拠にならない。「70歳以上の者」は誤りで、このテストはそもそも65歳〜79歳を対象としている。「過去に運動習慣がなかった者」も、実施しない条件として挙げられていない。
HINT 160/95という数字は、高血圧の診断基準(140/90)とも降圧目標とも違う。測定を見合わせる基準として別に覚える。
- Q12#ks-ms-012
介護予防の観点から高齢者の移動機能を評価する方法として最も適切なものはどれか。
- 1握力のみを測定し、その値から全身の筋力と移動機能をまとめて推定する
- 2身長と体重の値を測定し、BMIの区分から移動機能の低下の有無を判定する
- 3握力・上体起こし・長座体前屈・開眼片足立ちをすべて測り、合計点で移動機能を判定する
- 4開眼片足立ちや障害物歩行など、平衡性と歩行能力の項目を組み合わせる正解
Answer
正解 4:開眼片足立ちや障害物歩行など、平衡性と歩行能力の項目を組み合わせる
高齢者の移動機能は、筋力だけでなく平衡性や歩行能力が複合して決まるため、開眼片足立ちのような平衡性の項目と、10m障害物歩行のような歩行能力の項目を組み合わせて評価する。「握力のみを測定し、その値から全身の筋力と移動機能をまとめて推定する」は誤りで、握力は全身の筋力の指標として有用だが移動機能そのものは表さない。「BMIの区分から移動機能の低下の有無を判定する」は誤りで、BMIは体格の指標であり移動機能とは別である。「握力・上体起こし・長座体前屈・開眼片足立ちをすべて測り、合計点で移動機能を判定する」も誤りで、項目を増やして合計すれば移動機能が表せるわけではなく、移動機能に直結する平衡性と歩行能力の項目を選んで組み合わせる。項目を増やすほど高齢者の負担も大きくなる。
HINT 「歩けるか」は筋力だけでは決まらない。バランスと動作の巧みさを一緒に見る必要がある。
- Q13#ks-ms-013
BMI(body mass index)の説明として正しいものはどれか。
- 1体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体格だけを表し体組成は分からない正解
- 2体重(kg)を身長(m)で割った値で、体脂肪率をそのまま百分率で表す
- 3体脂肪量(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、内臓脂肪量を直接表し体格には左右されない
- 4体重(kg)を身長(cm)の2乗で割った値で、大きいほどやせ型であることを表す
Answer
正解 1:体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体格だけを表し体組成は分からない
BMIは体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値で、体格だけを表す指標として広く用いられる。ただし体重の内訳を区別しないため、筋量の多い者では体脂肪が少なくてもBMIが高くなることがあり、体脂肪率の代わりにはならない。「体重(kg)を身長(m)で割った値で、体脂肪率をそのまま百分率で表す」は式も意味も誤りである。「体脂肪量(kg)を身長(m)の2乗で割った値」は分子が誤りで、BMIの分子は体重であり、体格に左右されない指標でもない。「身長(cm)の2乗で割った値で、大きいほどやせ型であることを表す」は単位も向きも誤りで、身長はメートルで用い、BMIは大きいほど体格が大きいことを表す。
HINT BMIは「重さと高さの関係」でしかない。中身を知りたければ身体組成の測定が要る。
- Q14#ks-ms-014
生体電気抵抗法(インピーダンス法)による体脂肪率の測定に関する説明として正しいものはどれか。
- 1X線を用いて骨と軟部組織を区別する方法で、体組成の測定法のなかで最も精度が高いとされる
- 2皮膚をつまんで厚さを測る方法で、測定者の技術によって値が変わるため同一の測定者が行う
- 3体内の水分が電気を通しやすいことを利用する方法で、飲食や発汗によって値が変動する正解
- 4体脂肪が電気を通しやすいことを利用する方法で、体内の水分量には影響されず、値は変動しない
Answer
正解 3:体内の水分が電気を通しやすいことを利用する方法で、飲食や発汗によって値が変動する
生体電気抵抗法は、水分を多く含む除脂肪組織が電気を通しやすく、脂肪組織が通しにくいという性質を利用して体組成を推定する。そのため体内の水分状態に影響され、測定前の飲食、発汗、入浴、測定の時間帯などによって値が変動する。同じ条件で測ることが比較の前提になる。「体脂肪が電気を通しやすいことを利用する方法で、体内の水分量には影響されず、値は変動しない」は性質が逆で、水分の影響を受けない点も誤りである。「X線を用いて骨と軟部組織を区別する方法」はDXA法の説明である。「皮膚をつまんで厚さを測る方法で、測定者の技術によって値が変わるため同一の測定者が行う」は皮下脂肪厚法(キャリパー法)の説明であり、生体電気抵抗法の説明ではない。
HINT 同じ人でも朝と夜で値が変わる。継続して見るなら測定条件を固定するよう伝える。
- Q15#ks-ms-015
皮下脂肪厚法(キャリパー法)による体脂肪率の推定に関する説明として正しいものはどれか。
- 1測定者が変わっても値がぶれないため、客観性がきわめて高く、再現性も保証される方法である
- 2上腕背部と肩甲骨下部の皮下脂肪の厚さから推定し、内臓脂肪は測れない方法である正解
- 3上腕背部と肩甲骨下部の皮下脂肪の厚さから、内臓脂肪の量を直接測定する方法で、画像検査と同等の精度が得られる
- 4測定部位を問わず、どこを測っても同じ推定値が得られるため、部位の指定は不要である
Answer
正解 2:上腕背部と肩甲骨下部の皮下脂肪の厚さから推定し、内臓脂肪は測れない方法である
皮下脂肪厚法は上腕背部と肩甲骨下部などの皮下脂肪の厚さをキャリパーで測り、推定式を用いて体脂肪率を推定する方法である。測っているのは皮下脂肪であり、内臓脂肪の量は直接には反映されない。「内臓脂肪の量を直接測定する方法で、画像検査と同等の精度が得られる」は誤りで、内臓脂肪の評価には腹囲や画像による方法が用いられる。「測定部位を問わず、どこを測っても同じ推定値が得られるため、部位の指定は不要である」は誤りで、推定式は決められた部位を測ることを前提にしている。「測定者が変わっても値がぶれないため、客観性がきわめて高く、再現性も保証される」も誤りで、つまみ方や圧のかけ方によって差が出やすく、客観性は高くない。
HINT 皮下脂肪と内臓脂肪は別もの。メタボの評価に腹囲を使うのは内臓脂肪を見たいから。
- Q16#ks-ms-016
体力測定の結果を評価する際の相対評価と絶対評価の説明として正しいものはどれか。
- 1相対評価と絶対評価はいずれも集団の中での位置づけを示す方法で、得点の計算の手順が異なる
- 2絶対評価は測定値をそのまま対象者に伝えることであり、基準値と比べて判断することは含まない
- 3相対評価は同じ性・年齢の集団の中での位置づけを示し、絶対評価は健康に必要な基準値と比べて示す正解
- 4相対評価は健康の維持に必要な基準値と比べて到達度を示し、絶対評価は同じ性・年齢の集団の中での位置づけを示す
Answer
正解 3:相対評価は同じ性・年齢の集団の中での位置づけを示し、絶対評価は健康に必要な基準値と比べて示す
相対評価は同じ性・年齢の集団の中でどの位置にあるかを示す評価で、標準得点や5段階評価などが用いられる。絶対評価は健康の維持に必要とされる基準値と比べて到達しているかを示す評価である。運動指導では、集団内の位置だけでなく、健康のために必要な水準に届いているかを併せて伝えることが有用になる。「相対評価は健康の維持に必要な基準値と比べて到達度を示し、絶対評価は同じ性・年齢の集団の中での位置づけを示す」は両者が入れ替わっている。「相対評価と絶対評価はいずれも集団の中での位置づけを示す方法で、得点の計算の手順が異なる」は絶対評価の意味を取り違えている。「絶対評価は測定値をそのまま対象者に伝えることであり、基準値と比べて判断することは含まない」も誤りで、基準と照らすからこそ評価になる。
HINT 「同年代より上」でも「健康に必要な水準には届いていない」ことはある。両方で見る意味はここ。
- Q17#ks-ms-017
体力測定の結果を対象者へフィードバックする際の配慮として最も適切なものはどれか。
- 1他の参加者の結果と順位を並べて掲示し、競争を意識させることで運動への意欲を高める
- 2低い項目があった場合は、その原因となる疾患の可能性を伝えて受診を促す
- 3結果を伝えるだけで終わらせず、次に取り組む行動と結びつけて示す正解
- 4結果の数値だけを一覧にして渡し、その解釈と活用は対象者本人に任せる
Answer
正解 3:結果を伝えるだけで終わらせず、次に取り組む行動と結びつけて示す
測定は実施すること自体が目的ではなく、結果を運動プログラムの作成や行動の変容につなげることに意味がある。したがって結果を伝えるだけで終わらせず、次に取り組む具体的な行動と結びつけて示すことが重要になる。「結果の数値だけを一覧にして渡し、その解釈と活用は対象者本人に任せる」は、測定を行動につなげるという目的を果たせない。「他の参加者の結果と順位を並べて掲示し、競争を意識させる」は個人情報の取り扱いの面でも問題があり、意欲を損なう者も生む。「低い項目があった場合は、その原因となる疾患の可能性を伝えて受診を促す」も誤りで、体力測定の低い値から疾患を推し量って伝えることは業務範囲を越える。伝えるのは運動で改善を図れる点であり、受診の判断は医師に委ねる。
HINT 測定は「現状把握」であって目的ではない。次の一手に変換して初めて指導になる。
- Q18#ks-ms-018
新体力テスト(65歳〜79歳対象)のADLによるスクリーニングで、「布団の上げ下ろしができますか」「仰向けに寝た姿勢から手を使わないで上体だけを起こせますか」のいずれにも「できない」と答えた者について、実施しないと定められているテスト項目はどれか。
- 1上体起こし正解
- 2握力
- 36分間歩行
- 4長座体前屈
Answer
正解 1:上体起こし
実施要項のADLによるスクリーニングに関する判定基準では、問10(布団の上げ下ろし)と問12(仰向けから上体を起こす)の両方で「できない」に該当した場合、上体起こしテストは実施不可能と定められている。設問の内容がそのまま測定の動作に対応しているため、質問紙の段階で実施の可否を判断できる。「握力」「長座体前屈」はこの判定の対象として挙げられていない。「6分間歩行」が実施不可能となるのは、問1(休まないでどれくらい歩けるか)、問5(正座の姿勢から立ち上がれるか)、問6(開眼片足立ち)で「できない」に相当する回答をした場合であり、問10・問12とは別の組み合わせである。
HINT 質問の内容と測定の動作が対応している。「上体を起こせない」と答えた人に上体起こしを測らせない、という素直な設計。
- Q19#ks-ms-019
血圧の数値は場面ごとに別の線が引かれている。測定を見合わせるかどうかの基準とは別に置くべき、診察室血圧による高血圧の診断基準と降圧目標の組み合わせはどれか。
- 1診断基準は130/80mmHg以上、降圧目標は120/70mmHg未満とされている
- 2診断基準は160/95mmHg以上、降圧目標は140/90mmHg未満である
- 3診断基準は140/90mmHg以上、降圧目標は135/85mmHg未満とされる
- 4診断基準は140/90mmHg以上、降圧目標は年齢にかかわらず130/80mmHg未満とされている正解
Answer
正解 4:診断基準は140/90mmHg以上、降圧目標は年齢にかかわらず130/80mmHg未満とされている
診察室血圧による高血圧の診断基準は140/90mmHg以上で、降圧目標は年齢にかかわらず130/80mmHg未満とされている。体力測定の現場で測定を見合わせるかどうかに使う値はこれとは別に置かれており、診断の基準でも降圧目標でもない。「診断基準は160/95mmHg以上、降圧目標は140/90mmHg未満である」は、測定の実施を見合わせるかどうかに使う値を診断基準に、診断基準の値を降圧目標に当てており、3つの数字が1つずつずれている。「診断基準は130/80mmHg以上、降圧目標は120/70mmHg未満とされている」は、降圧目標の値を診断基準に当てたもので、どちらの値も実際と合わない。「診断基準は140/90mmHg以上、降圧目標は135/85mmHg未満とされる」は前半は合っているが、135/85mmHgは家庭血圧で高血圧と判定する値であり、診察室血圧の降圧目標ではない。
HINT この章の血圧は3つある。測定を見合わせる線・診断の基準・降圧目標。数字だけ覚えると入れ替わるので、場面ごとに置く。
- Q20#ks-ms-020
日本肥満学会の判定による、BMIの区分の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 120未満が低体重、20以上26未満が普通体重、26以上が肥満と判定される
- 218.5未満が低体重、18.5以上22未満が普通体重、22以上が肥満と判定される
- 318.5未満が低体重、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満正解
- 420未満が低体重、20以上25未満が普通体重、25以上が肥満
Answer
正解 3:18.5未満が低体重、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満
日本肥満学会の判定では、BMI18.5未満を低体重、18.5以上25未満を普通体重、25以上を肥満としている。BMIは体重を身長の2乗で割った値で体格だけを表すため、この区分は筋量と脂肪量の内訳を区別しない。「18.5未満が低体重、18.5以上22未満が普通体重、22以上が肥満と判定される」は上の境目が誤りで、22は標準体重を求めるときに用いられる値として知られるが、肥満の判定の境目ではない。「20未満が低体重、20以上26未満が普通体重、26以上が肥満と判定される」は低体重と肥満のどちらの境目も実際と異なる。「20未満が低体重、20以上25未満が普通体重、25以上が肥満」は肥満の境目は合っているが、低体重の境目が18.5ではなく20になっている点が誤り。
HINT 切るのは18.5と25の2か所だけ。22は標準体重の計算に使う値で、判定の境目ではない。
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