運動行動変容の理論と実際全15問・正解と解説つき
健康運動指導士・ 公式テキスト第13章・ 分量 3%
行動変容の理論、行動変容理論の実践的適用、行動変容を意図したプログラム開発およびカウンセリングの実習。
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- Q01#ks-bh-001
トランスセオレティカルモデル(行動変容ステージモデル)のステージの並びとして正しいものはどれか。
- 1前熟考期 → 準備期 → 熟考期 → 維持期 → 実行期
- 2前熟考期 → 熟考期 → 準備期 → 実行期 → 維持期正解
- 3熟考期 → 前熟考期 → 準備期 → 実行期 → 維持期
- 4準備期 → 前熟考期 → 熟考期 → 実行期 → 維持期
Answer
正解 2:前熟考期 → 熟考期 → 準備期 → 実行期 → 維持期
トランスセオレティカルモデルでは、6か月以内に行動を変える気がない前熟考期、6か月以内に始める意思はあるがまだ実行していない熟考期、1か月以内に始めるつもりの準備期、始めて6か月未満の実行期、6か月以上続いている維持期という順でステージが進むと考える。対象者がどのステージにいるかによって効果的な働きかけが変わる点に実践上の意味がある。「熟考期 → 前熟考期」「準備期 → 前熟考期 → 熟考期」はいずれも前熟考期の位置が誤っている。「準備期 → 熟考期」「維持期 → 実行期」の並びも順序が逆である。
HINT ステージは行き来する。逆戻りを失敗ではなく想定内として扱えるのがこのモデルの利点。
- Q02#ks-bh-002
前熟考期にある対象者への働きかけとして最も適切なものはどれか。
- 1運動をしないことの不利益と、始めた場合の利益に気づいてもらう情報提供を行う正解
- 2具体的な運動プログラムを作成し、開始日と実施日を決めて後戻りは認めないままただちに実行を約束させる
- 3継続を妨げる要因を本人と洗い出し、逆戻りを防ぐための対処法を事前に計画しておく
- 4これまで続けてきたことをねぎらい、習慣の維持を支援していく
Answer
正解 1:運動をしないことの不利益と、始めた場合の利益に気づいてもらう情報提供を行う
前熟考期は行動を変える気がない段階なので、運動をしないことの不利益と始めた場合の利益に気づいてもらう情報提供が中心になる。「具体的な運動プログラムを作成し、開始日と実施日を決めて後戻りは認めないままただちに実行を約束させる」は準備期から実行期に適した働きかけで、前熟考期に行っても受け入れられない。「継続を妨げる要因を本人と洗い出し、逆戻りを防ぐための対処法を事前に計画しておく」は実行期から維持期の課題である。「これまで続けてきたことをねぎらい、習慣の維持を支援していく」は維持期への働きかけであり、まだ始めていない段階には当てはまらない。
HINT ステージを飛ばした提案は届かない。「まだその気がない人」に計画表を渡しても動かない。
- Q03#ks-bh-003
自己効力感(セルフエフィカシー)を高める情報源として、一般に最も強い影響をもつとされるものはどれか。
- 1自分と体力の似た他者が達成する様子を間近で見ること
- 2信頼している周囲の人から励ましの言葉を繰り返しかけられること
- 3運動しているときに味わう心地よい身体感覚
- 4自分で実際にやってみて達成できたという経験正解
Answer
正解 4:自分で実際にやってみて達成できたという経験
自己効力感の情報源には、遂行行動の達成(自分で実際にやってみて達成できた経験)、代理的経験(似た他者が達成する様子を見ること)、言語的説得(励ましの言葉)、生理的・情動的状態(身体感覚)の4つがあり、このうち最も強い影響をもつとされるのが遂行行動の達成である。運動指導で小さな成功体験を積ませるのはこのためである。「自分と体力の似た他者が達成する様子を間近で見ること」は代理的経験、「信頼している周囲の人から励ましの言葉を繰り返しかけられること」は言語的説得、「運動しているときに味わう心地よい身体感覚」は生理的・情動的状態にあたり、いずれも影響はあるが遂行行動の達成ほど強くない。
HINT だから最初の目標は「確実に達成できる大きさ」にする。達成そのものが次の燃料になる。
- Q04#ks-bh-004
行動変容技法のうち「刺激統制法」の説明として正しいものはどれか。
- 1行動を実行できたときに自分にごほうびを与える
- 2自分の行動や体重を毎日記録して、目標とのずれをその都度つかむ
- 3周囲の人に目標を宣言し、後に引けない状況をつくり実行せざるをえなくする
- 4行動が起こりやすくなる環境のきっかけを整え、妨げになるきっかけを取り除く正解
Answer
正解 4:行動が起こりやすくなる環境のきっかけを整え、妨げになるきっかけを取り除く
刺激統制法は、行動が起こりやすくなる環境のきっかけを整え(運動着を前夜に出しておく、通り道にジムを選ぶ)、妨げになるきっかけを取り除く(お菓子を目につく場所に置かない)技法である。「行動を実行できたときに自分にごほうびを与える」はオペラント強化にあたる。「自分の行動や体重を毎日記録して、目標とのずれをその都度つかむ」はセルフモニタリングである。「周囲の人に目標を宣言し、後に引けない状況をつくり実行せざるをえなくする」は目標宣言や行動契約にあたる。
HINT 意志を強くするのではなく、環境を変える技法。意志に頼らない設計は健康日本21第三次の発想とも重なる。
- Q05#ks-bh-005
セルフモニタリングを運動指導に取り入れる意義として最も適切なものはどれか。
- 1記録の正確さを保つため、本人には書かせず測定機器が自動で取得した値だけを用いる
- 2本人が自分の行動と結果を客観的に把握でき、それ自体が行動を変える働きをもつ正解
- 3指導者が対象者の生活を管理し、記録の不備を指摘して改めさせる材料になる
- 4記録すること自体によって運動時の消費エネルギーが直接増える
Answer
正解 2:本人が自分の行動と結果を客観的に把握でき、それ自体が行動を変える働きをもつ
セルフモニタリングは、本人が自分の行動と結果を記録して客観的に把握する方法で、記録するという行為そのものが行動を変える働きをもつことが知られている。「指導者が対象者の生活を管理し、記録の不備を指摘して改めさせる材料になる」は、本人の主体性を損ない記録が続かなくなる。「記録すること自体によって運動時の消費エネルギーが直接増える」は誤りで、記録自体に消費エネルギーを増やす作用はない。「記録の正確さを保つため、本人には書かせず測定機器が自動で取得した値だけを用いる」は、値の正確さは上がっても、自分で書き留めるという行為そのものがもつ行動を変える働きを失ってしまう。
HINT 記録は「提出物」ではなく「本人の鏡」。管理の道具にした瞬間に続かなくなる。
- Q06#ks-bh-006
運動の継続におけるソーシャルサポートの働きとして最も適切なものはどれか。
- 1家族や仲間からの励ましや協力が、継続を支える正解
- 2ソーシャルサポートは同居家族からのものを指し、職場の人は含まない
- 3励ましは本人が落ち込んだときにだけ行い、順調なときは声をかけない
- 4支援は専門知識をもつ指導者のものだけが有効で、家族や仲間の関与は効果が限られる
Answer
正解 1:家族や仲間からの励ましや協力が、継続を支える
ソーシャルサポートは、家族や仲間からの励まし、時間の都合をつける協力、一緒に運動する仲間の存在などを通じて、運動を妨げる要因を減らし継続を支える。「ソーシャルサポートは同居家族からのものを指し、職場の人は含まない」は誤りで、職場の同僚や地域の仲間、指導者からの働きかけもソーシャルサポートに含まれる。同居家族だけを指す言葉ではない。「励ましは本人が落ち込んだときにだけ行い、順調なときは声をかけない」は誤りで、続けられているときに気づいて声をかけることが次の実行を支えるため、不調のときに限る必要はない。「支援は専門知識をもつ指導者のものだけが有効で、家族や仲間の関与は効果が限られる」も誤りで、日常生活を共にする人の関与は継続に強く影響する。
HINT 通いの場のような集団の取り組みが効くのも、このつながりの働きによる部分が大きい。
- Q07#ks-bh-007
運動を中断してしまった対象者への対応として最も適切なものはどれか。
- 1中断した時点で指導を終了し、本人から申し出があるまで関わらない
- 2中断前より負荷の高い計画を立て、遅れを取り戻させる
- 3中断は起こりうると受け止め、再開の計画を立てる正解
- 4中断の原因は本人の意志が弱いと伝え、中断しないよう約束させて再開する
Answer
正解 3:中断は起こりうると受け止め、再開の計画を立てる
行動変容では一時的な逆戻りが起こりうるものとして想定されており、中断を失敗として責めるのではなく、そのきっかけを一緒に振り返って再開の計画に反映することが有効である。「中断の原因は本人の意志が弱いと伝え、中断しないよう約束させて再開する」は自己効力感を下げ、再開をかえって難しくする。「中断した時点で指導を終了し、本人から申し出があるまで関わらない」は再開の機会を失わせる。「中断前より負荷の高い計画を立て、遅れを取り戻させる」は傷害のリスクを高め、再び中断する原因になる。
HINT 逆戻りは織り込み済み。「なぜ止まったか」を次の設計に使えるかどうかで差がつく。
- Q08#ks-bh-008
行動変容における「意思決定バランス」の説明として正しいものはどれか。
- 1行動を変えることへの自信の強さを表す指標で、過去の成功体験の数と周囲の評価によって決まる
- 2周囲からどの程度の支援が得られるかを表す指標で、家族や友人の人数によって決まる
- 3行動を変える期限をいつに設定するかという、計画上の時間配分を指す
- 4行動を変えることの恩恵と負担を天秤にかけた釣り合いで、ステージが進むほど恩恵が上回る正解
Answer
正解 4:行動を変えることの恩恵と負担を天秤にかけた釣り合いで、ステージが進むほど恩恵が上回る
意思決定バランスは、行動を変えることで得られる恩恵(pros)と、それに伴う負担(cons)を天秤にかけた釣り合いを指す。前熟考期では負担のほうが大きく感じられ、ステージが進むにつれて恩恵が上回っていくとされるため、面接では恩恵を一緒に見つけ、負担を減らす工夫を考えることが有効になる。「行動を変えることへの自信の強さを表す指標で、過去の成功体験の数と周囲の評価によって決まる」は自己効力感の説明である。「周囲からどの程度の支援が得られるかを表す指標で、家族や友人の人数によって決まる」はソーシャルサポートの説明で、人数で決まるものでもない。「行動を変える期限をいつに設定するかという、計画上の時間配分を指す」は目標設定の話であり、意思決定バランスとは別である。
HINT 「やる気がない」のではなく「負担のほうが大きく見えている」と捉え直せるのがこの概念の使いどころ。
- Q09#ks-bh-009
間食の習慣を変えたい対象者への働きかけのうち、行動置換法にあたるものはどれか。
- 1間食をしたくなったときに、代わりに散歩に出るなど別の行動に置き換えてもらう正解
- 2間食をした日数を手帳に書き出し、目標とのずれをその日のうちにつかむ
- 3間食をひと月続けて控えられたら、自分にごほうびを用意してもらう
- 4間食の置き場所を手の届きにくい棚に移し、目に入らない状態にしてもらう
Answer
正解 1:間食をしたくなったときに、代わりに散歩に出るなど別の行動に置き換えてもらう
行動置換法は、変えたい行動が起こりそうな場面で、両立しない別の行動をあらかじめ決めておき、そちらに置き換える技法である。我慢の量を増やすのではなく、同じ場面で取る行動そのものを差し替えるところが要点になる。「間食をした日数を手帳に書き出し、目標とのずれをその日のうちにつかむ」はセルフモニタリングにあたる。「間食をひと月続けて控えられたら、自分にごほうびを用意してもらう」はオペラント強化にあたり、行動の後に起こることを変える技法である。「間食の置き場所を手の届きにくい棚に移し、目に入らない状態にしてもらう」は刺激統制法にあたり、行動のきっかけとなる環境を変える技法である。いずれも有効な技法だが、置き換える行動を用意するという点で行動置換法とは別である。
HINT 行動置換は「やめる」ではなく「別のことをする」。きっかけを変える刺激統制法と取り違えやすい。
- Q10#ks-bh-010
一度休んだだけで「もう台無しだから意味がない」と話す対象者への働きかけとして最も適切なものはどれか。
- 1台無しになってしまったことを本人と一緒に振り返り、次からは休まないと約束してもらう
- 2一度休んでも積み上げは残ることを一緒に振り返り、受け取り方を見直してもらう正解
- 3中断した日の出来事を本人に書き出してもらい、面談のための記録に残す
- 4受け取り方には触れずに、運動の種目を変えて気分を切り替えてもらう
Answer
正解 2:一度休んでも積み上げは残ることを一緒に振り返り、受け取り方を見直してもらう
一度の中断で全部が無駄になったと受け取る考え方は、行動の再開を妨げる代表的な受け取り方である。実際には積み上げてきた効果や習慣は残っているので、その事実を一緒に確かめて受け取り方を見直してもらうことが有効である。「台無しになってしまったことを本人と一緒に振り返り、次からは休まないと約束してもらう」は、台無しという受け取り方をそのまま認めたうえで意志の強さに委ねる形になり、次に休んだときに同じ考え方が戻ってくる。「中断した日の出来事を本人に書き出してもらい、面談のための記録に残す」は、記録は残っても本人の考え方はそのままなので、再開のきっかけになりにくい。「受け取り方には触れずに、運動の種目を変えて気分を切り替えてもらう」は、その場はしのげても、本人の中にある考え方は手つかずのまま残る。
HINT 扱うのは運動の内容ではなく「全か無か」の考え方そのもの。ここを残すと次の中断で同じことが起きる。
- Q11#ks-bh-011
家族の予定が入ると運動の時間を削ってしまう対象者への支援として最も適切なものはどれか。
- 1家族の予定が入る週は運動を見送る前提にして、立てていた目標そのものを下げておく
- 2家族に伝えるのは最後の手段とし、まずは睡眠の時間を削って運動の時間をつくってもらう
- 3運動の時間を確保したい理由を家族に伝える言い方を、本人と一緒に考えて練習する正解
- 4家族に伝える言い方は指導者が文面にして渡し、本人はそれを読み上げる形にする
Answer
正解 3:運動の時間を確保したい理由を家族に伝える言い方を、本人と一緒に考えて練習する
周囲の協力を得られるかどうかは運動の継続を大きく左右するが、協力は自然に生まれるものではなく、本人が自分の事情と希望を伝えられるかにかかっている。伝え方を一緒に考えて練習しておくことは、本人が自分で支援を引き出せるようにする働きかけであり、場面が変わっても使える。「家族に伝える言い方は指導者が文面にして渡し、本人はそれを読み上げる形にする」は、その場は収まっても本人の中に伝える力が残らず、指導者がいない場面で同じ問題が起こる。「家族の予定が入る週は運動を見送る前提にして、立てていた目標そのものを下げておく」は、調整の余地を探らないまま目標を手放すことになる。「家族に伝えるのは最後の手段とし、まずは睡眠の時間を削って運動の時間をつくってもらう」は、睡眠を削ることが健康にも運動の効果にも不利に働くため勧められない。
HINT 支援は「与えてもらう」だけでなく「引き出す」ものでもある。伝える力が本人に残るかどうかで見分ける。
- Q12#ks-bh-012
運動を続ける動機づけについて、適切でないものはどれか。
- 1体重や数値のためという理由に加えて、動くことそのものの心地よさにも目を向けてもらう
- 2外からのごほうびをきっかけに始めた運動でも、続ける中で本人の満足に移っていくことがある
- 3本人が自分で選んだと感じられる形にすると、続ける力が高まりやすい
- 4外からのごほうびを用意し続ければ、本人の関心の向きは問わずに行動が続く正解
Answer
正解 4:外からのごほうびを用意し続ければ、本人の関心の向きは問わずに行動が続く
運動を続ける力は、ごほうびや周囲の評価といった外からの動機づけだけでなく、動くこと自体の心地よさや、自分で選んでいるという感覚に支えられる。外からのきっかけで始めた運動が、続ける中で本人の満足に移っていくこともあり、その移り変わりを支えるのが指導者の役割になる。したがって「外からのごほうびを用意し続ければ、本人の関心の向きは問わずに行動が続く」は適切でない。外からのごほうびに頼り続けると、ごほうびが途切れた時点で行動も止まりやすい。「体重や数値のためという理由に加えて、動くことそのものの心地よさにも目を向けてもらう」「外からのごほうびをきっかけに始めた運動でも、続ける中で本人の満足に移っていくことがある」「本人が自分で選んだと感じられる形にすると、続ける力が高まりやすい」はいずれも適切である。
HINT 外からのごほうびは入口としては有効。問題は、そこから本人の満足へ移す働きかけをするかどうか。
- Q13#ks-bh-013
行動変容技法のうち「行動契約」の進め方として最も適切なものはどれか。
- 1本人が決めた目標と達成したときの扱いを書き出し、本人と指導者で取り交わしておく正解
- 2指導者が定めた目標を本人に伝え、守れなかった場合の罰まで決めて取り交わす
- 3目標は達成の有無だけを書き出し、実行する日や回数は本人の都合に任せる
- 4目標は口頭で伝えるだけにとどめ、書き残さずに本人の負担を軽くする
Answer
正解 1:本人が決めた目標と達成したときの扱いを書き出し、本人と指導者で取り交わしておく
行動契約は、本人が決めた具体的な目標と、達成したときの扱いを文書にして本人と支援者で取り交わす技法である。本人が決めることと、書き出して双方が確かめられる形にすることの二つがそろって働く。「指導者が定めた目標を本人に伝え、守れなかった場合の罰まで決めて取り交わす」は、目標を決める主体が入れ替わっており、罰を置くことで取り組み自体が避けられる方向に働く。「目標は達成の有無だけを書き出し、実行する日や回数は本人の都合に任せる」は、いつ何回行うかが定まらないため達成の判断ができず、契約の形だけが残る。「目標は口頭で伝えるだけにとどめ、書き残さずに本人の負担を軽くする」は、後から双方で見返せないため、技法として成り立たない。
HINT 要点は「本人が決める」と「書き出して取り交わす」の二つ。どちらかが欠けると契約にならない。
- Q14#ks-bh-014
健康信念モデルの考え方を運動指導に当てはめた説明として最も適切なものはどれか。
- 1病気についての知識をどれだけ多く伝えられたかによって、行動が変わる度合いが決まってくると考える
- 2自分にも起こりうると感じ、対策に効果があり、やりやすいと思えたときに行動が起こると考える正解
- 3脅威の大きさを強く伝えることが中心で、本人が感じる手間や負担は扱う必要が薄いと考える
- 4過去に同じ行動を続けられた回数で決まり、いまの受け取り方による違いは小さいと考える
Answer
正解 2:自分にも起こりうると感じ、対策に効果があり、やりやすいと思えたときに行動が起こると考える
健康信念モデルは、その病気が自分にも起こりうると感じる度合い、起きたときの重大さ、対策をとることで得られる利益、対策に伴う負担という受け取り方の組み合わせで行動が起こるかどうかが決まると考える。したがって運動指導では、リスクを伝えるだけでなく、効果が期待できることと、やってみられる程度の負担であることを同時に扱う必要がある。「脅威の大きさを強く伝えることが中心で、本人が感じる手間や負担は扱う必要が薄いと考える」は誤りで、負担の大きさは行動を止める側に強く働くため欠かせない要素である。「病気についての知識をどれだけ多く伝えられたかによって、行動が変わる度合いが決まってくると考える」も誤りで、知識の量と行動は単純には結びつかない。「過去に同じ行動を続けられた回数で決まり、いまの受け取り方による違いは小さいと考える」も誤りで、このモデルが扱うのはいまの受け取り方である。
HINT リスクを伝えるだけでは足りない。「効きそう」と「負担は重くなさそう」がそろわないと動かない。
- Q15#ks-bh-015
まとまった運動の時間が取れないと話す対象者への最初の提案として最も適切なものはどれか。
- 1週末にまとめて長時間の運動を行う形にして、平日は身体を動かさない日としてよい
- 2短い時間で効果が出るよう、はじめから高い強度の運動を短時間で行ってもらう
- 3通勤や家事などの生活活動を数分ずつ積み上げる形から始めてもらう正解
- 4時間が取れるようになるまで待ち、生活の見直しは次の機会に回したい
Answer
正解 3:通勤や家事などの生活活動を数分ずつ積み上げる形から始めてもらう
身体活動は生活活動と運動の両方を含むので、まとまった運動の時間が取れない段階では、通勤や家事などの生活活動を数分ずつ積み上げる形から入ると、今より少しでも多く動かすという方向に沿って始められる。「週末にまとめて長時間の運動を行う形にして、平日は身体を動かさない日としてよい」は、運動習慣のない段階では一度の負担が大きく傷害のリスクが上がるうえ、座位行動が続く日が増えるため、最初の提案としては適さない(なお総量が同じであれば、週末にまとめた型でも全死亡・心血管疾患のリスク低減は分散した型とほぼ同等だったとする大規模な研究がある)。「短い時間で効果が出るよう、はじめから高い強度の運動を短時間で行ってもらう」は、運動習慣のない段階では傷害や事故のリスクが高く、最初の提案としては適さない。「時間が取れるようになるまで待ち、生活の見直しは次の機会に回したい」は、取りかかれる余地を残したまま先送りすることになり、関心が薄れてしまう。
HINT 身体活動は生活活動+運動。運動の時間が取れないことと、身体活動を増やせないことは別の話。
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