運動とこころの健康増進全15問・正解と解説つき
健康運動指導士・ 公式テキスト第14章・ 分量 3%
ストレスの考え方と評価法、ストレスマネジメントとカウンセリング、QOL強化に果たす運動の役割(禁煙支援を含む)。
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- Q01#ks-mt-001
ストレッサーとストレス反応の関係の説明として正しいものはどれか。
- 1ストレッサーとストレス反応は、同じ現象を原因の側と結果の側から別の言葉で言い表したものである
- 2ストレッサーは心身に負担をもたらす不快な出来事のみを指し、喜ばしい出来事はこれに含まれない
- 3ストレッサーは負担をもたらす刺激であり、ストレス反応はそれによって生じる心身の変化である正解
- 4ストレッサーは心身に生じる変化であり、ストレス反応はその原因となる刺激である
Answer
正解 3:ストレッサーは負担をもたらす刺激であり、ストレス反応はそれによって生じる心身の変化である
ストレッサーは負担をもたらす刺激そのもの(仕事の要求、人間関係、暑さ寒さなど)を指し、ストレス反応はそれによって生じる心身の変化(イライラ、不眠、血圧の上昇など)を指す。「ストレッサーは心身に生じる変化であり、ストレス反応はその原因となる刺激である」は両者が入れ替わっている。「ストレッサーとストレス反応は、同じ現象を原因の側と結果の側から別の言葉で言い表したものである」は、刺激と、それによって生じる変化という原因と結果の区別を失っている。「ストレッサーは心身に負担をもたらす不快な出来事のみを指し、喜ばしい出来事はこれに含まれない」も誤りで、結婚や昇進のような望ましい出来事も変化への適応を求める点でストレッサーになりうる。
HINT 同じストレッサーでも反応の大きさは人によって違う。だから介入の余地がある。
- Q02#ks-mt-002
ストレスコーピングにおける「問題焦点型」の説明として正しいものはどれか。
- 1ストレッサーによって生じた感情を調整する方向で対処する
- 2ストレッサーから距離を置き、考えないようにする方向で対処する
- 3他者に感情を聞いてもらうことで、気持ちを整理する方向で対処する
- 4ストレッサーそのものに働きかけて、状況を変える方向で対処する正解
Answer
正解 4:ストレッサーそのものに働きかけて、状況を変える方向で対処する
問題焦点型コーピングは、ストレッサーそのものに働きかけて状況を変えようとする対処である。これに対し情動焦点型コーピングは、ストレッサーによって生じた感情のほうを調整しようとする対処で、「考えないようにする」「他者に聞いてもらって気持ちを整理する」はいずれも情動焦点型にあたる。どちらが優れているというものではなく、変えられる状況では問題焦点型が、変えられない状況では情動焦点型が有効になるなど、状況に応じた使い分けが重要になる。
HINT 変えられるなら問題に、変えられないなら感情に働きかける。使い分けが要点。
- Q03#ks-mt-003
運動がこころの健康に及ぼす効果として、一般に報告されているものはどれか。
- 1運動の心理的な効果は競技経験のある者にのみ認められ、運動習慣のなかった者には生じないとされる
- 2中等度の運動の習慣が、不安や抑うつの軽減と気分の改善に関連することが示されている正解
- 3運動の強度が高いほど心理的な効果は一貫して大きくなり、高強度ほど気分が改善することが示されている
- 4運動はこころの健康とは無関係であり、身体面にのみ効果がある
Answer
正解 2:中等度の運動の習慣が、不安や抑うつの軽減と気分の改善に関連することが示されている
中等度の運動を習慣的に行うことが、不安や抑うつの軽減、気分の改善と関連することが多くの研究で報告されている。「運動の強度が高いほど心理的な効果は一貫して大きくなり、高強度ほど気分が改善することが示されている」は誤りで、過度な高強度の運動はかえって負担となり、気分を悪化させることもある。「運動はこころの健康とは無関係であり、身体面にのみ効果がある」は誤りである。「運動の心理的な効果は競技経験のある者にのみ認められ、運動習慣のなかった者には生じないとされる」も誤りで、運動習慣のなかった者でも効果が報告されている。
HINT 「きつければ効く」ではない。心理的な効果でも中等度が中心という点は身体面と同じ。
- Q04#ks-mt-004
運動指導の場面におけるカウンセリングの基本姿勢として最も適切なものはどれか。
- 1対象者の話を最後まで聴いたうえで、誤った考えを訂正することを最優先する
- 2対象者が話し終える前に、指導者が結論と具体策を示して面接の時間を節約する
- 3対象者の感情には触れず、事実として確認できる情報のみを扱う
- 4対象者の話を評価を交えずに聴き、言葉にされた気持ちを受け止めて理解を確認する正解
Answer
正解 4:対象者の話を評価を交えずに聴き、言葉にされた気持ちを受け止めて理解を確認する
カウンセリングの基本姿勢は、対象者の話を評価を交えずに聴き(無条件の肯定的関心=受容)、相手の立場に立って気持ちに共感しながら理解し(共感的理解)、聴き手が相手にも自分にも真摯であること(自己一致=純粋性)である。分からないところをそのままにせず確かめながら進めることは、この3条件とは別に、面接を進めるうえでの技術として位置づけられる。「対象者の話を最後まで聴いたうえで、誤った考えを訂正することを最優先する」は、訂正を優先することで対象者が話しにくくなり、信頼関係が築けない。「対象者が話し終える前に、指導者が結論と具体策を示して面接の時間を節約する」は、本人が本当に困っていることを取りこぼす。「対象者の感情には触れず、事実として確認できる情報のみを扱う」は、行動が変わらない理由の多くが感情や価値観に関わるという点を見落とす。
HINT 正しい助言より先に「聴かれた」と感じてもらう。順序を逆にすると助言が届かない。
- Q05#ks-mt-005
運動指導者が対象者のこころの不調に気づいた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1専門職につなぐ前に、不調の原因を本人と十分に掘り下げて整理し、まとめてから紹介する
- 2自分の範囲を超えると判断した場合は、専門職や医療機関につなぐ正解
- 3本人との信頼関係を損なわないよう、専門職や家族には伝えずに自分だけで対応を続ける
- 4運動を続ければ改善するため、強度を上げた運動プログラムを勧める
Answer
正解 2:自分の範囲を超えると判断した場合は、専門職や医療機関につなぐ
運動指導者は対象者の変化に気づける立場にあるが、こころの不調への対応には専門的な知識と資格を要する場面がある。自分の役割の範囲を超えると判断した場合は、適切な専門職や医療機関につなぐことが最も重要な対応になる。「本人との信頼関係を損なわないよう、専門職や家族には伝えずに自分だけで対応を続ける」は対応が遅れ、結果として本人の不利益になる。「運動を続ければ改善するため、強度を上げた運動プログラムを勧める」は、負担を増やすだけで根拠もない。「専門職につなぐ前に、不調の原因を本人と十分に掘り下げて整理し、まとめてから紹介する」も適切でない。原因の掘り下げは専門職が担う領域であり、指導者が抱え込むとその分だけ対応が遅れる。
HINT 「抱え込まない・見て見ぬふりもしない」。つなぐこと自体が専門職としての対応になる。
- Q06#ks-mt-006
禁煙支援に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1禁煙後の体重増加による不利益のほうが大きいため、禁煙は勧めないほうがよい
- 2加熱式たばこは紙巻きたばこと異なり受動喫煙の規制の対象外であるため、屋内での使用は制限されない
- 3喫煙はニコチン依存という身体的な要素を含むため、意志の強さだけの問題として扱わない正解
- 4喫煙は身体的な依存を伴わない生活習慣であるため、本人の意志の強さだけで禁煙できる
Answer
正解 3:喫煙はニコチン依存という身体的な要素を含むため、意志の強さだけの問題として扱わない
喫煙はニコチン依存という身体的な要素を含むため、意志の強さだけの問題として扱わず、禁煙外来など専門的な支援につなぐことが有効である。「喫煙は身体的な依存を伴わない生活習慣であるため、本人の意志の強さだけで禁煙できる」は、ニコチンによる身体的依存という側面を無視しており、失敗体験を重ねさせることになる。「禁煙後の体重増加による不利益のほうが大きいため、禁煙は勧めないほうがよい」は誤りで、体重増加の不利益より禁煙による利益のほうがはるかに大きく、運動指導はその体重増加への対応にも役立つ。「加熱式たばこは紙巻きたばこと異なり受動喫煙の規制の対象外であるため、屋内での使用は制限されない」も誤りで、健康増進法第28条の「喫煙」はたばこを燃焼させ、または加熱することにより煙を発生させることを指し、加熱式たばこも規制の対象とされている。ただし当分の間の経過措置により、加熱式たばこ専用喫煙室では飲食等をしながらの使用が可能とされており、紙巻きたばこの喫煙専用室(専ら喫煙・飲食不可)とは基準が異なる点には注意が必要である。
HINT 禁煙後の体重増加は運動指導者が支援できる領域。禁煙を止める理由にはしない。
- Q07#ks-mt-007
健康関連QOL(生活の質)の考え方として最も適切なものはどれか。
- 1身体の機能だけでなく、心理的な側面や社会的な側面も含めて本人の生活の状態をとらえる正解
- 2血圧や血糖の検査値が基準の範囲に収まっているかどうかだけで客観的にとらえる
- 3疾病の有無のみで機械的にとらえ、本人の主観は含めない
- 4本人ではなく、日常を見ている家族や担当する医療者による評価によってとらえる
Answer
正解 1:身体の機能だけでなく、心理的な側面や社会的な側面も含めて本人の生活の状態をとらえる
健康関連QOLは、身体の機能だけでなく心理的な側面や社会的な側面を含めて、本人の生活の状態をとらえる概念である。健康寿命の延伸や運動の効果を評価する際にも用いられる。「血圧や血糖の検査値が基準の範囲に収まっているかどうかだけで客観的にとらえる」は身体の一側面にすぎない。「疾病の有無のみで機械的にとらえ、本人の主観は含めない」は、本人の評価を重視するというQOLの中心的な性格を落としている。「本人ではなく、日常を見ている家族や担当する医療者による評価によってとらえる」も誤りで、健康関連QOLは本人の主観的な評価を中心に据える点に意味がある。
HINT 健康寿命が「日常生活に制限のない期間」という主観の指標であることと発想が重なる。
- Q08#ks-mt-008
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の説明として正しいものはどれか。
- 1検査の結果は事業者が本人の同意なく把握することができ、人事評価にも用いてよいとされる
- 2常時50人以上の労働者の事業場に、年1回の実施義務がある正解
- 3常時10人以上の労働者を使用するすべての事業場に、年4回の実施が義務づけられている
- 4実施の対象は管理監督者に限られ、一般の労働者は対象外である
Answer
正解 2:常時50人以上の労働者の事業場に、年1回の実施義務がある
ストレスチェック制度は労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場に「一年以内ごとに一回、定期に」実施することが義務づけられている(労働安全衛生規則第52条の9)。50人未満の事業場は当分の間の努力義務だが、2025年5月公布の改正労働安全衛生法により2028年(令和10年)4月1日から義務化されることが決まっている。労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的とした一次予防の仕組みである。「常時10人以上の労働者を使用するすべての事業場に、年4回の実施が義務づけられている」は、対象となる事業場の規模と頻度の両方が誤り。「実施の対象は管理監督者に限られ、一般の労働者は対象外である」も誤りで、対象は労働者である。「検査の結果は事業者が本人の同意なく把握することができ、人事評価にも用いてよいとされる」は制度の趣旨と正反対で、検査結果は本人の同意なく事業者に提供されない(労働安全衛生法第66条の10第2項)。なお同条第3項が明文で禁じているのは「面接指導の申出をしたことを理由とする」不利益な取り扱いで、検査結果を理由とする広い禁止はストレスチェック指針による。
HINT 健康経営の文脈で企業に関わるときに前提となる制度。50人・年1回・本人同意が要点。
- Q09#ks-mt-009
運動と睡眠の関係について、対象者への助言として最も適切なものはどれか。
- 1寝つきをよくするために、就寝の直前に強度の高い運動を行ってもらう
- 2寝つきが悪いと訴える人には、日中の運動も含めて全体の量を減らしてもらう
- 3運動の強度は高いほど睡眠の質が上がるため、体調にかかわらず強度を上げてもらう
- 4適度な運動の習慣は寝つきや睡眠の質を助けるが、就寝の直前の激しい運動は控えてもらう正解
Answer
正解 4:適度な運動の習慣は寝つきや睡眠の質を助けるが、就寝の直前の激しい運動は控えてもらう
ウォーキングなどの適度な運動を習慣にすることは、寝つきや主観的な睡眠の質、睡眠時間を改善する方向に働く。一方で強度が過剰な運動はかえって睡眠を妨げ、傷害にもつながるため、就寝の直前の激しい運動は控え、年齢や体調に応じて軽い運動から徐々に強度を上げていく進め方が勧められる。「寝つきをよくするために、就寝の直前に強度の高い運動を行ってもらう」は、覚醒の水準を上げてしまうため逆の助言になる。「運動の強度は高いほど睡眠の質が上がるため、体調にかかわらず強度を上げてもらう」は、強度と効果が一本調子で結びつくという誤りを含み、過剰な強度は睡眠を妨げる。「寝つきが悪いと訴える人には、日中の運動も含めて全体の量を減らしてもらう」も誤りで、日中の適度な活動は睡眠を助ける側に働くため、減らす理由にならない。
HINT 助けるのは「適度な運動の習慣」。妨げるのは「就寝直前」と「過剰な強度」。時間帯と程度の二つで切る。
- Q10#ks-mt-010
飲酒と睡眠の関係について正しいものはどれか。
- 1飲酒の量を増やすほど睡眠は深くなっていくため、不眠の対処として寝酒が勧められる
- 2飲酒は寝つきをよくするが、睡眠の後半で中途覚醒を増やし、質を下げる正解
- 3飲酒は寝つきを悪くするが、睡眠の後半が深くなり全体の質は上がる
- 4飲酒による眠気は朝まで続くので、睡眠の長さと深さがそろって高まる
Answer
正解 2:飲酒は寝つきをよくするが、睡眠の後半で中途覚醒を増やし、質を下げる
アルコールは寝つきをよくするように感じられるが、代謝が進む睡眠の後半では中途覚醒が増え、利尿作用も加わって、結果として睡眠の質を下げる。そのため不安や不眠を解消するための飲酒は避けるべきものとされている。「飲酒の量を増やすほど睡眠は深くなっていくため、不眠の対処として寝酒が勧められる」は、量を増やすほど睡眠への影響が大きくなるという実際と逆の内容である。「飲酒は寝つきを悪くするが、睡眠の後半が深くなり全体の質は上がる」は、前半と後半への影響が入れ替わっている。「飲酒による眠気は朝まで続くので、睡眠の長さと深さがそろって高まる」も誤りで、眠気が続くことと睡眠が深いことは別であり、実際には後半の覚醒が増える。運動指導の場面では、寝つきのために飲む習慣があるかを聞き取り、運動の習慣に置き換えていく働きかけが有効になる。
HINT 寝つきと睡眠の後半で影響が逆になるのが要点。「よく眠れた感じ」と実際の質は別のもの。
- Q11#ks-mt-011
ストレス反応の現れ方のうち、行動面に分類されるものはどれか。
- 1出来事の受け取り方が変わり、考えが同じところを回り続けるもの
- 2飲酒量や喫煙量が増え、仕事での作業の誤りが増えるもの正解
- 3気分の落ち込みや、興味や関心の低下として現れるもの
- 4肩こりや胃の痛み、動悸や息切れとして現れるもの
Answer
正解 2:飲酒量や喫煙量が増え、仕事での作業の誤りが増えるもの
ストレッサーによって生じるストレス反応は、心理面・身体面・行動面の三つに分けてとらえられる。行動面の反応には、飲酒量や喫煙量の増加、仕事での作業の誤りやひやりとする出来事の増加などが含まれ、本人よりも周囲が先に気づくことがある点が特徴である。「気分の落ち込みや、興味や関心の低下として現れるもの」と「出来事の受け取り方が変わり、考えが同じところを回り続けるもの」はいずれも心理面の反応にあたる。「肩こりや胃の痛み、動悸や息切れとして現れるもの」は身体面の反応にあたる。運動指導の場面では、遅刻や欠席の増加、飲酒量の変化といった行動面の変化に気づける立ち位置にあるため、三つの区別を押さえておく意味がある。
HINT 行動面は外から見える変化。飲酒量・喫煙量・作業の誤りはここに入る。気分や考えは心理面。
- Q12#ks-mt-012
職場のメンタルヘルス対策の「4つのケア」について、適切でないものはどれか。
- 1管理監督者が職場環境の把握と改善や、労働者からの相談への対応を行うラインによるケアが含まれる
- 2労働者が自らストレスに気づいて対処するセルフケアが、4つのケアの一つとして示されている
- 34つのケアは順番に一つずつ進めるもので、組み合わせて行うことは想定の外にある正解
- 4外部の専門機関による支援は、事業場外資源によるケアとして位置づけられる
Answer
正解 3:4つのケアは順番に一つずつ進めるもので、組み合わせて行うことは想定の外にある
指針が示す4つのケアは、労働者が自らストレスに気づいて対処するセルフケア、管理監督者が職場環境の把握と改善や相談対応を行うラインによるケア、産業医や保健師などによる事業場内産業保健スタッフ等によるケア、外部の専門機関などによる事業場外資源によるケアである。これらは継続的かつ計画的に、組み合わせて進められることが求められている。したがって「4つのケアは順番に一つずつ進めるもので、組み合わせて行うことは想定の外にある」は適切でない。残る三つは、いずれも指針の内容として適切である。健康運動指導士が外部の立場で企業の健康づくりに関わる場合は、事業場外資源によるケアを担う一員として位置づけられ、事業場内の産業保健スタッフと連携して進めることになる。
HINT 4つは段階ではなく役割の分担。外部の専門職として関わるときは「事業場外資源」にあたる。
- Q13#ks-mt-013
リラクセーション法の一つである漸進的筋弛緩法の行い方として正しいものはどれか。
- 1筋肉に意識して力を入れてから一気に緩め、緊張しているときとの差を感じ取ってもらう正解
- 2力を入れる段階は設けず、はじめから筋肉を緩めることに意識を向けてもらう
- 3呼吸をできるだけ速めて、短く息を吸い続けることで筋の緊張を抜いていく
- 4全身にいちどに力を入れ、部位ごとに分けずまとめて緩めてもらう
Answer
正解 1:筋肉に意識して力を入れてから一気に緩め、緊張しているときとの差を感じ取ってもらう
漸進的筋弛緩法は、身体の部位ごとに意識して力を入れ、そのあと一気に緩めることで、緊張しているときと緩んでいるときの感覚の差に気づいてもらう方法である。力を入れる強さは最大の力ではなく、六割から七割程度にとどめるのが目安とされる。「力を入れる段階は設けず、はじめから筋肉を緩めることに意識を向けてもらう」は、緊張と緩和の差を感じ取るというこの方法の要点が抜け落ちる。「全身にいちどに力を入れ、部位ごとに分けずまとめて緩めてもらう」は、部位ごとに緊張と緩和の差を確かめていく手順が崩れ、どこが緩んだのかをつかみにくくする。「呼吸をできるだけ速めて、短く息を吸い続けることで筋の緊張を抜いていく」は、過換気を招くおそれがあり、リラクセーションのための呼吸法はゆっくり吐くことを中心に行う。
HINT 入れてから抜く。その「差」に気づくことが目的で、強く入れることが目的ではない。
- Q14#ks-mt-014
同じ出来事でもストレス反応の大きさが人によって違う理由の説明として最も適切なものはどれか。
- 1出来事の種類ごとに反応の大きさは決まっており、受け取り方による違いは生じにくい
- 2その出来事を脅威と受け取る度合いと、対処できると思える度合いによって変わる正解
- 3反応の大きさは生まれつき定まっていて、働きかけによって変わる余地は乏しい
- 4出来事の重大さと本人の年齢の組み合わせによって決まる
Answer
正解 2:その出来事を脅威と受け取る度合いと、対処できると思える度合いによって変わる
同じ出来事に出会っても、それを自分にとって脅威だと受け取る度合いと、自分には対処できると思える度合いが人によって違うため、生じるストレス反応の大きさも変わってくる。この受け取り方には働きかけの余地があり、対処の手だてを増やすことや、運動の習慣によって心身の余力を広げることが支援になる。「出来事の種類ごとに反応の大きさは決まっており、受け取り方による違いは生じにくい」は誤りで、出来事の側だけでは反応の大きさは決まらない。「反応の大きさは生まれつき定まっていて、働きかけによって変わる余地は乏しい」も誤りで、受け取り方と対処の手だての両方が働きかけの対象になる。「出来事の重大さと本人の年齢の組み合わせによって決まる」も誤りで、どちらも関わりはありうるが、受け取り方と対処できるという感覚を置き換えるものではない。
HINT 出来事そのものではなく、受け取り方と「対処できそう」の感覚で決まる。だから働きかけの余地がある。
- Q15#ks-mt-015
厚生労働省が示す休養の考え方として正しいものはどれか。
- 1休養の時間は疲れがたまってから確保するもので、先に予定として組み込むのは無理がある
- 2休養は疲労を回復する側面だけを指し、鋭気を養う働きは運動が担う別のものである
- 3休養は鋭気を養う側面だけを指し、疲労の回復は睡眠が担う別のものである
- 4休養には疲労を回復する側面と、鋭気を養う側面の二つがある正解
Answer
正解 4:休養には疲労を回復する側面と、鋭気を養う側面の二つがある
休養には二つの側面がある。一つは仕事や活動によって生じた心身の疲労を回復して元の活力ある状態に戻す「休む」という側面、もう一つは明日に向かって鋭気を養い、身体的・精神的・社会的な健康能力を高める「養う」という側面である。趣味やスポーツ、地域の活動などで時間を積極的に過ごすことが後者にあたり、積極的休養として位置づけられている。「休養は疲労を回復する側面だけを指し、鋭気を養う働きは運動が担う別のものである」「休養は鋭気を養う側面だけを指し、疲労の回復は睡眠が担う別のものである」は、いずれも二つの側面のうち片方だけを休養とみなしており、もう一方を落としている。「休養の時間は疲れがたまってから確保するもので、先に予定として組み込むのは無理がある」も誤りで、あらかじめ時間を確保して過ごし方を整えることが勧められている。
HINT 休養は「休む」と「養う」の二階建て。趣味やスポーツに充てる時間も休養(積極的休養)に入る。
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