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運動とこころの健康増進8問・正解と解説つき

健康運動指導士 ・ 公式テキスト第14章 ・ 分量 3%

ストレスの考え方と評価法、ストレスマネジメントとカウンセリング、QOL強化に果たす運動の役割(禁煙支援を含む)。

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  1. ストレッサーとストレス反応の関係の説明として正しいものはどれか。

    • 1ストレッサーとストレス反応は同じものを別の言葉で表したものである
    • 2ストレッサーは不快な出来事のみを指し、喜ばしい出来事は含まれない
    • 3ストレッサーは負担をもたらす刺激であり、ストレス反応はそれによって生じる心身の変化である正解
    • 4ストレッサーは心身に生じる変化であり、ストレス反応はその原因となる刺激である

    Answer

    正解 3ストレッサーは負担をもたらす刺激であり、ストレス反応はそれによって生じる心身の変化である

    ストレッサーは負担をもたらす刺激そのもの(仕事の要求、人間関係、暑さ寒さなど)を指し、ストレス反応はそれによって生じる心身の変化(イライラ、不眠、血圧の上昇など)を指す。「ストレッサーは心身に生じる変化であり、ストレス反応はその原因となる刺激である」は両者が入れ替わっている。「同じものを別の言葉で表したもの」は原因と結果を区別していない。「不快な出来事のみを指し、喜ばしい出来事は含まれない」も誤りで、結婚や昇進のような望ましい出来事も変化への適応を求める点でストレッサーになりうる。

    HINT 同じストレッサーでも反応の大きさは人によって違う。だから介入の余地がある。

  2. ストレスコーピングにおける「問題焦点型」の説明として正しいものはどれか。

    • 1ストレッサーによって生じた感情を調整する方向で対処する
    • 2ストレッサーから距離を置き、考えないようにする方向で対処する
    • 3他者に感情を聞いてもらうことで、気持ちを整理する方向で対処する
    • 4ストレッサーそのものに働きかけて、状況を変える方向で対処する正解

    Answer

    正解 4ストレッサーそのものに働きかけて、状況を変える方向で対処する

    問題焦点型コーピングは、ストレッサーそのものに働きかけて状況を変えようとする対処である。これに対し情動焦点型コーピングは、ストレッサーによって生じた感情のほうを調整しようとする対処で、「考えないようにする」「他者に聞いてもらって気持ちを整理する」はいずれも情動焦点型にあたる。どちらが優れているというものではなく、変えられる状況では問題焦点型が、変えられない状況では情動焦点型が有効になるなど、状況に応じた使い分けが重要になる。

    HINT 変えられるなら問題に、変えられないなら感情に働きかける。使い分けが要点。

  3. 運動がこころの健康に及ぼす効果として、一般に報告されているものはどれか。

    • 1運動の心理的な効果は、競技経験のある者にのみ認められる
    • 2中等度の運動の習慣が、不安や抑うつの軽減と気分の改善に関連することが示されている正解
    • 3運動の強度が高いほど、心理的な効果は一貫して大きくなることが示されている
    • 4運動はこころの健康とは無関係であり、身体面にのみ効果がある

    Answer

    正解 2中等度の運動の習慣が、不安や抑うつの軽減と気分の改善に関連することが示されている

    中等度の運動を習慣的に行うことが、不安や抑うつの軽減、気分の改善と関連することが多くの研究で報告されている。「運動の強度が高いほど、心理的な効果は一貫して大きくなる」は誤りで、過度な高強度の運動はかえって負担となり、気分を悪化させることもある。「運動はこころの健康とは無関係であり、身体面にのみ効果がある」は誤りである。「競技経験のある者にのみ認められる」も誤りで、運動習慣のなかった者でも効果が報告されている。

    HINT 「きつければ効く」ではない。心理的な効果でも中等度が中心という点は身体面と同じ。

  4. 運動指導の場面におけるカウンセリングの基本姿勢として最も適切なものはどれか。

    • 1対象者の話を聴いたうえで、誤った考えをその場で正しく訂正することを優先する
    • 2対象者が話し終える前に、指導者が結論と具体策を示して時間を節約する
    • 3対象者の感情には触れず、事実として確認できる情報のみを扱う
    • 4対象者の話を評価を交えずに聴き、言葉にされた気持ちを受け止めて理解を確認する正解

    Answer

    正解 4対象者の話を評価を交えずに聴き、言葉にされた気持ちを受け止めて理解を確認する

    カウンセリングの基本姿勢は、対象者の話を評価を交えずに聴き(傾聴)、言葉にされた気持ちを受け止め(受容)、その理解が合っているかを確認しながら進めること(共感的理解)である。「誤った考えをその場で正しく訂正することを優先する」は、対象者が話しにくくなり信頼関係が築けない。「話し終える前に、指導者が結論と具体策を示して時間を節約する」は、本人が本当に困っていることを取りこぼす。「感情には触れず、事実として確認できる情報のみを扱う」は、行動が変わらない理由の多くが感情や価値観に関わるという点を見落とす。

    HINT 正しい助言より先に「聴かれた」と感じてもらう。順序を逆にすると助言が届かない。

  5. 運動指導者が対象者のこころの不調に気づいた場合の対応として最も適切なものはどれか。

    • 1専門職につなぐ前に、原因を本人と十分に掘り下げて整理してから紹介する
    • 2自分の役割の範囲を超えると判断した場合は、適切な専門職や医療機関につなぐ正解
    • 3信頼関係を損なわないよう、専門職には伝えずに自分だけで対応を続ける
    • 4運動を続ければ改善するため、強度を上げた運動プログラムを勧める

    Answer

    正解 2自分の役割の範囲を超えると判断した場合は、適切な専門職や医療機関につなぐ

    運動指導者は対象者の変化に気づける立場にあるが、こころの不調への対応には専門的な知識と資格を要する場面がある。自分の役割の範囲を超えると判断した場合は、適切な専門職や医療機関につなぐことが最も重要な対応になる。「専門職には伝えずに自分だけで対応を続ける」は対応が遅れ、結果として本人の不利益になる。「強度を上げた運動プログラムを勧める」は、負担を増やすだけで根拠もない。「専門職につなぐ前に、原因を本人と十分に掘り下げて整理してから紹介する」も適切でない。原因の掘り下げは専門職が担う領域であり、指導者が抱え込むとその分だけ対応が遅れる。

    HINT 「抱え込まない・見て見ぬふりもしない」。つなぐこと自体が専門職としての対応になる。

  6. 禁煙支援に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • 1禁煙後の体重増加を避けるため、禁煙は勧めないほうがよい
    • 2加熱式たばこは受動喫煙の規制の対象外であるため、屋内での使用は制限されない
    • 3喫煙はニコチン依存という身体的な要素を含むため、意志の強さだけの問題として扱わない正解
    • 4喫煙は習慣にすぎないため、本人の意志の強さだけで禁煙できる

    Answer

    正解 3喫煙はニコチン依存という身体的な要素を含むため、意志の強さだけの問題として扱わない

    喫煙はニコチン依存という身体的な要素を含むため、意志の強さだけの問題として扱わず、禁煙外来など専門的な支援につなぐことが有効である。「本人の意志の強さだけで禁煙できる」は、依存という側面を無視しており、失敗体験を重ねさせることになる。「禁煙後の体重増加を避けるため、禁煙は勧めないほうがよい」は誤りで、体重増加の不利益より禁煙による利益のほうがはるかに大きく、運動指導はその体重増加への対応にも役立つ。「加熱式たばこは受動喫煙の規制の対象外であるため、屋内での使用は制限されない」も誤りで、健康増進法は加熱式たばこも規制の対象としている。

    HINT 禁煙後の体重増加は運動指導者が支援できる領域。禁煙を止める理由にはしない。

  7. 健康関連QOL(生活の質)の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1身体の機能だけでなく、心理的・社会的な側面を含めて本人の生活の状態をとらえる正解
    • 2検査値が基準の範囲に収まっているかどうかだけでとらえる
    • 3疾病の有無のみでとらえ、本人の主観は含めない
    • 4本人ではなく、家族や医療者による評価でとらえる

    Answer

    正解 1身体の機能だけでなく、心理的・社会的な側面を含めて本人の生活の状態をとらえる

    健康関連QOLは、身体の機能だけでなく心理的・社会的な側面を含めて、本人の生活の状態をとらえる概念である。健康寿命の延伸や運動の効果を評価する際にも用いられる。「検査値が基準の範囲に収まっているかどうかだけでとらえる」は身体の一側面にすぎない。「疾病の有無のみでとらえ、本人の主観は含めない」は、本人の評価を重視するというQOLの中心的な性格を落としている。「本人ではなく、家族や医療者による評価でとらえる」も誤りで、健康関連QOLは本人の主観的な評価を中心に据える点に意味がある。

    HINT 健康寿命が「日常生活に制限のない期間」という主観の指標であることと発想が重なる。

  8. 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の説明として正しいものはどれか。

    • 1検査の結果は事業者が本人の同意なく把握し、人事評価に用いることができる
    • 2常時50人以上の労働者を使用する事業場に、年1回の実施が義務づけられている正解
    • 3すべての事業場に、規模にかかわらず年4回の実施が義務づけられている
    • 4実施の対象は管理監督者に限られ、一般の労働者は対象外である

    Answer

    正解 2常時50人以上の労働者を使用する事業場に、年1回の実施が義務づけられている

    ストレスチェック制度は労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場に年1回の実施が義務づけられている(50人未満は努力義務)。労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的とした一次予防の仕組みである。「すべての事業場に、規模にかかわらず年4回」は、対象と頻度の両方が誤り。「対象は管理監督者に限られ」も誤りで、対象は労働者である。「結果は事業者が本人の同意なく把握し、人事評価に用いることができる」は制度の趣旨と正反対で、検査結果は本人の同意なく事業者に提供されず、不利益な取り扱いも禁じられている。

    HINT 健康経営の文脈で企業に関わるときに前提となる制度。50人・年1回・本人同意が要点。

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