救急処置全10問・正解と解説つき
健康運動指導士 ・ 公式テキスト第10章 ・ 分量 4%
救急蘇生法(一次救命処置・AED)、外科的応急処置(RICE処置ほか)。
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- Q01#ks-fa-001
成人に対する一次救命処置において、反応がない傷病者を発見したあとの行動として正しい順序はどれか。
- 1まず単独で胸骨圧迫を2分間行い、そのあとで119番通報を依頼する
- 2まずAEDを自分で取りに行き、戻ってから応援を呼ぶ
- 3大声で応援を呼び、119番通報とAEDの手配を依頼したうえで、呼吸の確認を行う正解
- 4まず呼吸を10秒以上かけて丁寧に確認し、確認を終えてから119番通報を依頼する
Answer
正解 3:大声で応援を呼び、119番通報とAEDの手配を依頼したうえで、呼吸の確認を行う
反応がないことを確認したら、まず大声で応援を呼び、119番通報とAEDの手配を依頼したうえで呼吸の確認を行う。人手と資器材の要請を先に済ませることで、その後の処置が途切れずに進む。「まず呼吸を10秒以上かけて丁寧に確認し」は誤りで、呼吸の確認は10秒以内にとどめ、判断に迷う場合は心停止とみなして胸骨圧迫を開始する。「まず単独で胸骨圧迫を2分間行い、そのあとで119番通報を依頼する」は通報とAEDの到着が遅れるため誤り。「まずAEDを自分で取りに行き、戻ってから応援を呼ぶ」も誤りで、その場を離れると発見者がいなくなり処置の開始が遅れる。
HINT 順序の要は「人を集めるのが先」。一人で抱え込むと通報もAEDも遅れる。
- Q02#ks-fa-002
成人に対する胸骨圧迫の深さと速さの組み合わせとして正しいものはどれか。
- 1深さは約8cm(10cmを超えない)、速さは1分間に140〜160回
- 2深さは胸が沈めばよく数値の目安はなく、速さは1分間に100〜120回
- 3深さは約5cm(6cmを超えない)、速さは1分間に100〜120回正解
- 4深さは約3cm(4cmを超えない)、速さは1分間に60〜80回
Answer
正解 3:深さは約5cm(6cmを超えない)、速さは1分間に100〜120回
成人に対する胸骨圧迫は、深さ約5cm(6cmを超えない)、速さ1分間に100〜120回で行う。浅すぎると十分な血流が得られず、深すぎると胸部の損傷を招くため、上限も定められている。「深さは約3cm(4cmを超えない)、速さは1分間に60〜80回」はいずれも不足しており、有効な血流を生めない。「深さは約8cm(10cmを超えない)、速さは1分間に140〜160回」は深さ・速さとも過大で、損傷のリスクが高く、圧迫の解除も不十分になりやすい。「深さは胸が沈めばよく数値の目安はなく」は誤りで、深さには明確な目安と上限が示されている。
HINT 上限(6cmを超えない・120回を超えない)まで含めて覚える。上限側を問われることがある。
- Q03#ks-fa-003
胸骨圧迫を行ううえでの留意点として正しいものはどれか。
- 1圧迫の効果を保つため、胸を押したまま完全には戻さずに次の圧迫に移る
- 2救助者を2分ごとに交代し、交代のたびに手の位置を整えてから圧迫を再開する
- 3人工呼吸ができない場合は、胸骨圧迫も行わずに救急隊の到着を待つ
- 4圧迫のたびに胸を完全に元の位置まで戻し、圧迫の中断は最小限にとどめる正解
Answer
正解 4:圧迫のたびに胸を完全に元の位置まで戻し、圧迫の中断は最小限にとどめる
胸骨圧迫では、圧迫のたびに胸を完全に元の位置まで戻すこと(完全なリコイル)が重要で、戻しが不十分だと心臓へ血液が戻らず血流が保てない。また圧迫の中断は血流の途絶を招くため最小限にとどめる。「胸を押したまま完全には戻さずに次の圧迫に移る」はこの原則に反する。「救助者を2分ごとに交代し、交代のたびに手の位置を整えてから圧迫を再開する」は、交代の間隔は適切だが、交代のたびに時間をかけると圧迫の中断が長くなる。交代は中断を最小限にして素早く行う。「人工呼吸ができない場合は、胸骨圧迫も行わずに救急隊の到着を待つ」も誤りで、人工呼吸ができない、またはためらわれる場合は胸骨圧迫のみを行う。
HINT 「押す」と同じくらい「戻す」が大事。戻さないと心臓に血液が充満しない。
- Q04#ks-fa-004
AEDの使用に関する説明として正しいものはどれか。
- 1一度使用したら、救急隊が到着するまでパッドを剥がして待機する
- 2電気ショックが不要と判定された場合も、ただちに胸骨圧迫を再開する正解
- 3電気ショックが不要と判定された場合は、心肺蘇生を終了してよい
- 4解析中も胸骨圧迫を続け、傷病者に触れたまま待機する
Answer
正解 2:電気ショックが不要と判定された場合も、ただちに胸骨圧迫を再開する
AEDが電気ショックは不要と判定した場合も、心拍が再開したことを意味するとは限らないため、ただちに胸骨圧迫を再開する。「電気ショックが不要と判定された場合は、心肺蘇生を終了してよい」は誤りで、判定は電気ショックの適応の有無を示すにすぎない。「解析中も胸骨圧迫を続け、傷病者に触れたまま待機する」は誤りで、解析中は傷病者に触れず、音声の指示に従う。「一度使用したら、パッドを剥がして待機する」も誤りで、パッドは貼ったままにして、AEDの指示に従い救急隊に引き継ぐまで心肺蘇生を続ける。
HINT AEDが「ショック不要」と言っても心停止でないとは限らない。判定の意味を取り違えない。
- Q05#ks-fa-005
運動施設において、心停止からAEDによる電気ショックまでの時間を短くすることが重視される理由として正しいものはどれか。
- 1電気ショックの回数を増やすほど救命率が高まるため
- 2電気ショックが1分遅れるごとに救命の可能性が低下していくため正解
- 3AEDは心停止から10分を過ぎると電源が入らない仕様のため
- 4救急隊が到着するまでは法律上AEDを使用できないため
Answer
正解 2:電気ショックが1分遅れるごとに救命の可能性が低下していくため
心停止から電気ショックまでの時間が延びるほど救命の可能性は低下していくため、施設内にAEDを備え、居合わせた者がただちに使用できる体制を整えることが重視される。「AEDは心停止から10分を過ぎると電源が入らない仕様」は誤りで、そのような仕様はない。「救急隊が到着するまでは法律上AEDを使用できない」も誤りで、一般市民によるAEDの使用は認められている。「電気ショックの回数を増やすほど救命率が高まる」も誤りで、回数ではなく心停止からショックまでの時間の短さが重要であり、ショックの間は胸骨圧迫を続ける。
HINT 運動施設でAEDの設置場所と動線を確認しておくのは、健康運動指導士の実務そのもの。
- Q06#ks-fa-006
RICE処置の4つの要素の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 1安静・加温・圧迫・挙上
- 2運動・冷却・圧迫・下垂
- 3安静・冷却・牽引・下垂
- 4安静・冷却・圧迫・挙上正解
Answer
正解 4:安静・冷却・圧迫・挙上
RICE処置はRest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったもので、急性期の外傷に対して出血と腫脹を抑えることを目的とする。「安静・加温・圧迫・挙上」は冷却が加温に置き換わっており、急性期に温めると出血と腫脹を助長するため誤り。「運動・冷却・圧迫・下垂」は安静が運動に、挙上が下垂に置き換わっており、いずれも腫脹を悪化させる方向である。「安静・冷却・牽引・下垂」も圧迫が牽引に、挙上が下垂に置き換わっている。
HINT 挙上は「心臓より高く」が目安。下げると血液が集まり腫れが増す。
- Q07#ks-fa-007
外傷の急性期における冷却の目的と方法として最も適切なものはどれか。
- 1受傷直後は冷却せず、腫れが完全に引いてから冷却を始める
- 2冷却は痛みを感じなくするためだけに行い、腫脹には影響しない
- 3組織の代謝と出血を抑えて腫脹と痛みを軽くする目的で行い、凍傷を避けるため皮膚に直接氷を当て続けない正解
- 4血流を増やして治癒を早める目的で行い、皮膚に氷を直接当てて長時間続ける
Answer
正解 3:組織の代謝と出血を抑えて腫脹と痛みを軽くする目的で行い、凍傷を避けるため皮膚に直接氷を当て続けない
急性期の冷却は、組織の代謝を落として出血と二次的な損傷を抑え、腫脹と痛みを軽くすることを目的とする。氷を皮膚に直接当て続けると凍傷を起こすため、布などを介し、時間を区切って行う。「血流を増やして治癒を早める目的で行い」は誤りで、急性期に血流を増やせば出血と腫脹が増す。「受傷直後は冷却せず、腫れが完全に引いてから冷却を始める」は時期が逆で、冷却が最も効くのは受傷直後である。「痛みを感じなくするためだけに行い、腫脹には影響しない」も誤りで、腫脹の抑制が主要な目的の一つである。
HINT 「急性期は冷やす、慢性期は温める」。時期を取り違えると逆効果になる。
- Q08#ks-fa-008
出血している傷病者への応急手当として最も適切なものはどれか。
- 1清潔な布などで傷口を直接強く押さえて圧迫し、感染を防ぐため可能なら手袋などを用いる正解
- 2傷口には触れず、心臓に近い部位を細いひもで固く縛ることを最初に行う
- 3出血部位を心臓より低い位置に保ち、血液が流れ出るのを待つ
- 4傷口を流水で長時間洗い流し続けることで、出血が止まるのを待つ
Answer
正解 1:清潔な布などで傷口を直接強く押さえて圧迫し、感染を防ぐため可能なら手袋などを用いる
出血に対する応急手当の基本は直接圧迫止血で、清潔な布などで傷口を直接強く押さえる。救助者が血液に触れることによる感染を防ぐため、可能であれば手袋やビニール袋などを用いる。「心臓に近い部位を細いひもで固く縛ることを最初に行う」は誤りで、止血帯法は直接圧迫で止まらない場合の手段であり、細いひもで縛ると組織を損傷する。「出血部位を心臓より低い位置に保ち」は誤りで、可能であれば心臓より高く保つ。「流水で長時間洗い流し続けることで、出血が止まるのを待つ」も誤りで、洗浄では止血できない。
HINT まずは直接圧迫。救助者自身の感染防護をセットで覚える。
- Q09#ks-fa-009
骨折が疑われる場合の応急処置として最も適切なものはどれか。
- 1変形している部位を無理に元に戻さず、骨折部の上下の関節を含めて固定する正解
- 2変形している部位を正常な形に戻してから固定する
- 3骨折部だけをその場で固定し、上下の関節は動かせるようにしておく
- 4痛みを確認するため、固定の前に患部を動かして可動域を調べる
Answer
正解 1:変形している部位を無理に元に戻さず、骨折部の上下の関節を含めて固定する
骨折が疑われる場合は、変形している部位を無理に元に戻そうとせず、骨折部の上下の関節を含めて固定する。上下の関節を含めなければ骨折部の動きを止められない。「変形している部位を正常な形に戻してから固定する」は誤りで、整復は医療機関で行うものであり、現場で試みると血管や神経を損傷するおそれがある。「骨折部だけをその場で固定し、上下の関節は動かせるようにしておく」は固定として不十分である。「固定の前に患部を動かして可動域を調べる」は損傷を広げるため行わない。
HINT 固定の範囲は「骨折部の上下の関節まで」。ここを外すと固定にならない。
- Q10#ks-fa-010
運動施設における救急体制の整備として最も適切なものはどれか。
- 1事故が起きてから、その都度対応の手順を検討する
- 2AEDの設置場所と搬送の動線をあらかじめ定め、職員が役割を分担した訓練を定期的に行う正解
- 3AEDを事務所内に保管し、管理者が不在のときは取り出せないようにしておく
- 4救急対応は医療資格をもつ職員だけの役割とし、他の職員には周知しない
Answer
正解 2:AEDの設置場所と搬送の動線をあらかじめ定め、職員が役割を分担した訓練を定期的に行う
救急体制の整備では、AEDの設置場所と搬送の動線をあらかじめ定め、通報・AEDの搬送・胸骨圧迫・誘導といった役割を職員で分担し、訓練を定期的に行うことが重要になる。「AEDを事務所内に保管し、管理者が不在のときは取り出せないようにしておく」は、必要なときに使えないため設置の意味を失う。「救急対応は医療資格をもつ職員だけの役割とし、他の職員には周知しない」も誤りで、その職員が不在の場面に対応できない。「事故が起きてから、その都度対応の手順を検討する」は誤りで、心停止では数分の遅れが結果を分けるため、事前の準備が不可欠である。
HINT 指定運動療法施設・運動型健康増進施設では救急体制の整備そのものが要件に関わる。
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