健康づくり運動の実際全27問・正解と解説つき
健康運動指導士・ 公式テキスト第9章・ 分量 11%
ウォームアップとクールダウン、ストレッチングと柔軟体操、ウォーキングとジョギング、エアロビックダンス、水泳・水中運動、レジスタンス運動、介護予防と運動。
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健康づくり運動の実際を1問ずつ解く →All questions
- Q01#ks-pc-001
クールダウンの目的として最も適切なものはどれか。
- 1軽い運動を続けて筋のポンプ作用を保ち、血液が下肢にたまることによるめまいや失神を防ぐ正解
- 2運動直後に立ったまま急に動きを止めて休み、心拍数と血圧を最短で安静時の水準まで下げる
- 3主運動より高い強度の運動を短時間行い、代謝を高めた状態を運動後も長く保つ
- 4水分の摂取を控えることで、運動によって得られた体重の減少をそのまま保つ
Answer
正解 1:軽い運動を続けて筋のポンプ作用を保ち、血液が下肢にたまることによるめまいや失神を防ぐ
主運動の直後は下肢の血管が拡張しており、急に動きを止めると筋のポンプ作用が失われて血液が下肢にたまり、静脈還流が減ってめまいや失神を招くことがある。クールダウンでは軽い運動を続けてこれを防ぎ、心拍数と血圧を段階的に戻す。「運動直後に立ったまま急に動きを止めて休み、心拍数と血圧を最短で安静時の水準まで下げる」は、筋ポンプ作用が失われて静脈還流が妨げられ、この危険をそのまま招く。「主運動より高い強度の運動を短時間行い、代謝を高めた状態を運動後も長く保つ」は、負担を増やすだけで整理運動にならない。「水分の摂取を控えることで、運動によって得られた体重の減少をそのまま保つ」は誤りで、運動後の体重減少は主に水分の損失であり、補給すべきものである。
HINT 運動直後の失神は「心臓が弱い」からではなく「血液が下肢にたまる」から起きることが多い。
- Q02#ks-pc-002
主運動の前に行うウォームアップの組み立てとして最も適切なものはどれか。
- 1軽い全身運動で体温を上げてから、主運動の動作に近い動きを取り入れて段階的に強度を上げる正解
- 2はじめに静的ストレッチングを20分以上行って筋を十分に伸ばし、そのまま主運動へ移る
- 3主運動と同じ強度の運動を最初から行い、短時間で切り上げて主運動に移る
- 4主運動で使う部位を、可動域の限界まで他動的に広げてから主運動へ移る
Answer
正解 1:軽い全身運動で体温を上げてから、主運動の動作に近い動きを取り入れて段階的に強度を上げる
ウォームアップは、軽い全身運動で体温と筋温を上げたうえで、主運動の動作に近い動きを取り入れながら段階的に強度を上げていく構成が基本である。「はじめに静的ストレッチングを20分以上行って筋を十分に伸ばし、そのまま主運動へ移る」は誤りで、体温が上がっていない状態でのストレッチングは効果が乏しく、主運動の直前に長時間の静的ストレッチングを行うと一時的に発揮筋力が低下することも知られている。「主運動と同じ強度の運動を最初から行い、短時間で切り上げて主運動に移る」は、準備が整わないまま高い負荷をかけることになり傷害のリスクが高い。「主運動で使う部位を、可動域の限界まで他動的に広げてから主運動へ移る」は、可動域を広げることに偏って体温を上げる働きが得られないうえ、限界まで伸ばせば直後の発揮筋力がかえって落ちる。
HINT 順番は「温める→動きを合わせる」。冷えた状態で伸ばしても効果は出にくい。
- Q03#ks-pc-003
静的ストレッチングの実施方法として最も適切なものはどれか。
- 1反動をつけて勢いよく伸ばし、痛みは気にしないまま可動域の限界を超えるまで押し込んで伸ばす範囲を広げる
- 2呼吸を止めて腹圧を高めた状態で、痛みを強く感じる強さまで伸ばして保つ
- 3伸ばす時間は1〜2秒とし、部位を素早く切り替えてできるだけ数多くこなす
- 4反動をつけずにゆっくり伸ばし、痛みを感じない範囲で呼吸を止めずに一定時間保つ正解
Answer
正解 4:反動をつけずにゆっくり伸ばし、痛みを感じない範囲で呼吸を止めずに一定時間保つ
静的ストレッチングは、反動をつけずにゆっくり伸ばし、痛みを感じない範囲で呼吸を止めずに一定時間保つ。反動をつけると筋紡錘を介した伸張反射が起こり、伸ばしたい筋が収縮してしまう。「反動をつけて勢いよく伸ばし、痛みは気にしないまま可動域の限界を超えるまで押し込んで伸ばす範囲を広げる」はこの伸張反射を招くうえ、組織を傷めるおそれがある。「呼吸を止めて腹圧を高めた状態で、痛みを強く感じる強さまで伸ばして保つ」は血圧の上昇を招き、痛みを伴う強さまで伸ばすことも適切でない。「伸ばす時間は1〜2秒とし、部位を素早く切り替えてできるだけ数多くこなす」は時間が短すぎて、筋が伸びた状態に順応する時間が得られない。
HINT 反動をつけないのは「気持ちの問題」ではなく、伸張反射という生理的な仕組みを避けるため。
- Q04#ks-pc-004
動的ストレッチングとバリスティックストレッチングの違いとして正しいものはどれか。
- 1動的ストレッチングは制御した動きで可動域を使うのに対し、バリスティックストレッチングは反動や勢いを利用する正解
- 2動的ストレッチングは反動や勢いを利用するのに対し、バリスティックストレッチングは静止した姿勢のまま一定時間保つ
- 3いずれも静止した姿勢で一定時間保つ方法で、保つ時間の長さだけが違う
- 4いずれも反動を利用する点は共通し、実施する時間帯と回数で区別される
Answer
正解 1:動的ストレッチングは制御した動きで可動域を使うのに対し、バリスティックストレッチングは反動や勢いを利用する
動的ストレッチングは関節を制御した動きで可動域いっぱいに動かす方法で、ウォームアップに適する。バリスティックストレッチングは反動や勢いを利用して可動域を超えて伸ばそうとする方法で、伸張反射を招き傷害のリスクが高いため一般の健康づくりでは勧められない。「動的ストレッチングは反動や勢いを利用するのに対し、バリスティックストレッチングは静止した姿勢のまま一定時間保つ」は両者が入れ替わっている。「いずれも静止した姿勢で一定時間保つ方法」は静的ストレッチングの説明にあたる。「いずれも反動を利用する点は共通し、実施する時間帯と回数で区別される」は動的ストレッチングの性質を取り違えている。
HINT 「動きがある」だけでは区別できない。制御されているか、勢い任せかで分ける。
- Q05#ks-pc-005
ストレッチングにおける相反抑制を利用した方法の説明として正しいものはどれか。
- 1呼吸を止めて腹圧を高めることで、脊柱の可動域を広げる性質を利用する
- 2伸ばしたい筋の拮抗筋を収縮させることで、伸ばしたい筋が弛緩しやすくなる性質を利用する正解
- 3伸ばしたい筋そのものを強く収縮させ続けることで、その筋が弛緩しやすくなる性質を利用する
- 4伸ばしたい筋を冷却することで、筋の弾性を高める性質を利用する
Answer
正解 2:伸ばしたい筋の拮抗筋を収縮させることで、伸ばしたい筋が弛緩しやすくなる性質を利用する
相反抑制は、ある筋が収縮するときにその拮抗筋が反射的に弛緩する仕組みである。伸ばしたい筋の拮抗筋を収縮させることで、伸ばしたい筋が弛緩しやすくなり可動域を得やすくなる。「伸ばしたい筋そのものを強く収縮させ続ける」ことで弛緩を促すのは、腱紡錘を介した自原抑制を用いる方法であり、相反抑制とは仕組みが異なる。「伸ばしたい筋を冷却することで、筋の弾性を高める」は誤りで、筋温の低下は伸張性を下げる。「呼吸を止めて腹圧を高める」は血圧の上昇を招くだけで、可動域を広げる仕組みではない。
HINT 相反抑制=拮抗筋を使う、自原抑制=その筋自体を使う。どちらの筋を働かせるかで区別する。
- Q06#ks-pc-006
健康づくりのためのウォーキングの姿勢と動作として最も適切なものはどれか。
- 1背すじを伸ばして視線を前方に向け、かかとから接地してつま先で地面を押す正解
- 2背中を丸めて視線を足元に落とし、つま先から接地して足の裏全体へ体重を移す
- 3腕を体側に固定して振らず、歩幅をできるだけ狭くして小刻みに歩く
- 4膝を伸ばしきらないよう常に曲げたまま、すり足で静かに歩く
Answer
正解 1:背すじを伸ばして視線を前方に向け、かかとから接地してつま先で地面を押す
ウォーキングでは背すじを伸ばして視線を前方に向け、かかとから接地して足の裏全体へ体重を移し、つま先で地面を押して進むのが基本の動作になる。「背中を丸めて視線を足元に落とし、つま先から接地して足の裏全体へ体重を移す」は姿勢が崩れ、接地の順序も逆で衝撃の緩和が働きにくい。「腕を体側に固定して振らず、歩幅をできるだけ狭くして小刻みに歩く」は推進力とリズムが得られず、運動としての強度も上がらない。「膝を伸ばしきらないよう常に曲げたまま、すり足で静かに歩く」はつまずきの原因になり、歩行として非効率である。
HINT 「かかとから接地してつま先で押す」は転がる動き。すり足は高齢者のつまずきの典型的な原因。
- Q07#ks-pc-007
ウォーキングやジョギングに用いる靴の選び方として最も適切なものはどれか。
- 1足長・足幅・足囲を計測器で測り、その数値に合わせて取り寄せる
- 2つま先に余裕がないほど足が固定されて傷害が防げるため、普段より小さめのものを選ぶ
- 3夕方など足がむくむ時間帯に、実際に履く靴下を着けて両足で試し、つま先に余裕があるものを選ぶ正解
- 4朝いちばんの足が細い時間帯に、素足で片方だけ試し、足にぴたりと密着するものを選ぶ
Answer
正解 3:夕方など足がむくむ時間帯に、実際に履く靴下を着けて両足で試し、つま先に余裕があるものを選ぶ
足は時間帯によってむくみの程度が変わるため、夕方など足が大きくなる時間帯に、実際に履く靴下を着けて両足で試し履きするのが望ましい。つま先には適度な余裕が必要である。「朝いちばんの足が細い時間帯に、素足で片方だけ試し、足にぴたりと密着するものを選ぶ」は、実際に歩く条件と違うため小さすぎる靴を選びやすい。「足長・足幅・足囲を計測器で測り、その数値に合わせて取り寄せる」は、測る手順としては丁寧だが、同じ寸法でも製品によって形が違うため、実際に履いて確かめる手順を欠いたままでは選べない。「つま先に余裕がないほど足が固定されて傷害が防げる」は誤りで、余裕がないと爪の障害や靴ずれを招く。
HINT 左右で足の大きさが違う人は多い。大きいほうに合わせるのが原則。
- Q08#ks-pc-008
健康づくりを目的としたジョギングの強度設定として最も適切なものはどれか。
- 1会話がまったくできないほど息が上がる強度を目安にする
- 2息がまったく乱れず、歩行と変わらない強度を目安にする
- 3強度は意識せず、できるだけ長い距離を走ることだけを目安にする
- 4少し息が弾むが、話せないほどではない強度を目安にする正解
Answer
正解 4:少し息が弾むが、話せないほどではない強度を目安にする
健康づくりを目的としたジョギングでは、少し息が弾むが会話ができないほどではない程度の強度が目安になる。機器がなくても本人が判断でき、おおむね中等度の強度に対応するため実用的である。「会話がまったくできないほど息が上がる強度を目安にする」は高強度に偏り、継続が難しく安全性の面でも適さない。「息がまったく乱れず、歩行と変わらない強度」は刺激として不足し、適応が起こりにくい。「強度は意識せず、できるだけ長い距離を走ることだけを目安にする」は強度の管理を放棄しており、傷害や過度の負担につながる。
HINT 会話ができるかどうかは、機器がなくても使える強度の物差し。現場で最も使いやすい。
- Q09#ks-pc-009
ウォーキングの運動強度を高める工夫として最も適切なものはどれか。
- 1歩行の速度を上げる、上り坂を取り入れる、腕の振りを大きくするなどして強度を調整する正解
- 2歩行の速度を落として、歩く時間も短くし、身体への負担を減らして強度を調整する
- 3歩幅をできるだけ狭くしてすり足にすることで、下肢への負担を高める
- 4水分を摂らずに歩くことで、循環への負担を高めて強度を上げる
Answer
正解 1:歩行の速度を上げる、上り坂を取り入れる、腕の振りを大きくするなどして強度を調整する
ウォーキングの強度は、歩行の速度を上げる、上り坂や階段を取り入れる、腕の振りを大きくするといった方法で調整できる。用具がなくても段階的に強度を上げられる点が利点である。「歩行の速度を落として、歩く時間も短くし、身体への負担を減らして強度を調整する」は強度も量も下げることになり、強度を高める工夫にはならない。「歩幅をできるだけ狭くしてすり足にする」は強度が上がらず、つまずきの原因にもなる。「水分を摂らずに歩くことで、循環への負担を高めて強度を上げる」は脱水と熱中症を招く危険な方法で、強度の調整とは呼べない。
HINT 強度を上げる手段は「速さ・傾斜・上肢の動員」。危険を足して負担を増やすのは調整ではない。
- Q10#ks-pc-010
屋外でのウォーキング・ジョギングにおける安全管理として最も適切なものはどれか。
- 1路面の状態や天候にかかわらず、決めたコースを必ず同じ時刻に同じ距離で実施する
- 2暑熱環境では発汗を促すため、日中の最も気温が高い時間帯を選んで実施する
- 3夜間は人目を避けられるため、暗い色の服装を選んで走る
- 4同じコースや時刻に固定せず、状況に応じて時間帯を選び水分を携行する正解
Answer
正解 4:同じコースや時刻に固定せず、状況に応じて時間帯を選び水分を携行する
屋外での実施では、路面の凹凸や濡れ、交通の状況などその日の条件に応じて時刻やコースを固定せず、暑熱環境では朝夕など気温の低い時間帯を選び、水分を携行することが基本の安全管理になる。「路面の状態や天候にかかわらず、決めたコースを必ず同じ時刻に同じ距離で実施する」は、条件が悪いときに中止や変更をしないことになり危険である。「日中の最も気温が高い時間帯を選んで実施する」は熱中症のリスクを高めるだけで、発汗を促すこと自体に健康上の利点はない。「夜間は人目を避けられるため、暗い色の服装を選んで走る」は逆で、夜間は反射材や明るい色で目立たせることが交通事故の防止になる。
HINT 屋外運動の指導では「気象条件で中止・変更する基準」をあらかじめ決めておく。
- Q11#ks-pc-011
エアロビックダンスにおけるローインパクトの動きの説明として正しいものはどれか。
- 1上肢と下肢を同時に大きく動かし、着地の衝撃も大きくなる
- 2片足が常に床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が小さい正解
- 3両足が同時に床から離れる動きを繰り返すもので、着地の衝撃が小さい
- 4少なくとも片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が大きい
Answer
正解 2:片足が常に床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が小さい
ローインパクトは少なくとも片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が小さいのが特徴である。これに対しハイインパクトは両足が同時に床から離れる時期を含み、衝撃が大きくなる。「両足が同時に床から離れる動きを繰り返すもので、着地の衝撃が小さい」は、ハイインパクトの動きの説明でありながら衝撃の説明が矛盾している。「片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が大きい」は動きの説明は正しいが衝撃の説明が誤っている。「上肢と下肢を同時に大きく動かし、着地の衝撃も大きくなる」は誤りで、ローインパクトかどうかは接地の仕方で決まる。上肢を大きく動かして強度を高めても、両足が同時に床から離れなければ着地の衝撃は小さいままである。
HINT 接地の仕方で分けるのは歩行と走行の区別と同じ理屈。衝撃を抑えたい対象者にはローインパクト。
- Q12#ks-pc-012
集団を対象とした運動指導におけるキューイング(合図)として最も適切なものはどれか。
- 1参加者が迷わないよう、その日に行うすべての動作を一度にまとめて最初に説明する
- 2次の動作に移る前に、声と身振りで予告し、準備できる間をとる正解
- 3動作が切り替わった直後に指示を出し、参加者が自分で気づくのを待つ
- 4音楽の音量を上げ、言葉による指示は行わずに身振りだけで示す
Answer
正解 2:次の動作に移る前に、声と身振りで予告し、準備できる間をとる
集団指導では、次の動作に移る前に声と身振りで予告し、参加者が準備できる間をとることで、動きの切り替わりでの混乱と転倒を防げる。「動作が切り替わった直後に指示を出し」は遅く、参加者がついていけない。「音楽の音量を上げ、言葉による指示は行わずに身振りだけで示す」は、視野に入らない参加者を取り残す。「その日に行うすべての動作を一度にまとめて最初に説明する」は記憶の負担が大きく、実際の場面で思い出せない。
HINT 合図は「起きてから」ではなく「起きる前」に出す。集団指導での転倒予防に直結する。
- Q13#ks-pc-013
水中歩行の特性として正しいものはどれか。
- 1水中では浮力によって姿勢が安定するため、陸上より転倒の危険が小さくなる
- 2浮力で関節への荷重が減る一方、水の抵抗で遅い速度でも負荷を得られる正解
- 3水深が深いほど水の抵抗が増すため、首まで浸かると負荷が最も高くなる
- 4水の抵抗により関節への荷重が増えるため、変形性関節症のある者には適さない
Answer
正解 2:浮力で関節への荷重が減る一方、水の抵抗で遅い速度でも負荷を得られる
水中歩行では浮力によって関節にかかる荷重が減る一方、水の抵抗があるため陸上より遅い速度でも十分な負荷を得られる。関節への負担を抑えながら運動量を確保できるため、肥満者や変形性関節症のある者に適する。「水深が深いほど水の抵抗が増すため、首まで浸かると負荷が最も高くなる」は誤りで、水深を深くすると浮力が増して足裏にかかる荷重が減り、踏ん張りが効かず歩く速さも出せないため、負荷はむしろ下がる。抵抗の大きさを決めるのは主に動作の速さであって、水深そのものではない。「水の抵抗により関節への荷重が増えるため、変形性関節症のある者には適さない」は誤りで、荷重を減らすのは浮力であり、抵抗は荷重を増やすものではない。「水中では浮力によって姿勢が安定するため、陸上より転倒の危険が小さくなる」も誤りで、浮力は足裏にかかる荷重を減らして踏ん張りを効きにくくするため姿勢は崩れやすく、プールサイドでの転倒にも注意が要る。
HINT 水中は「荷重は軽く、抵抗は重い」。この2つを同時に使えるのが水中運動の強み。
- Q14#ks-pc-014
水中運動における体温管理の考え方として最も適切なものはどれか。
- 1水中では体温が上がりやすいため、運動中はこまめに身体を冷やす必要がある
- 2水の熱伝導率は空気より高く熱を奪われやすく、水温と滞在時間に注意する正解
- 3水中では発汗しないため脱水は起こらず、運動中の水分補給は不要である
- 4水の熱伝導率は空気より低いため、水温が低くても長時間の滞在で体温が下がることはない
Answer
正解 2:水の熱伝導率は空気より高く熱を奪われやすく、水温と滞在時間に注意する
水の熱伝導率は空気よりはるかに高いため、水中では体熱が奪われやすい。水温が低い場合や滞在時間が長い場合には体温の低下に注意し、運動の強度と休憩の取り方を調整する。「水中では発汗しないため脱水は起こらず、運動中の水分補給は不要」は誤りで、水中でも発汗は起こり、水に囲まれているため気づきにくいぶん脱水に陥りやすい。「水の熱伝導率は空気より低いため、水温が低くても長時間の滞在で体温が下がることはない」は事実が逆である。「水中では体温が上がりやすいため、運動中はこまめに身体を冷やす必要がある」も誤りで、一般的な水温では体熱は奪われる方向に働く。
HINT 水中運動では「喉が渇かないのに脱水する」。声をかけて水分を摂らせる必要がある。
- Q15#ks-pc-015
健康づくりを目的として泳法を選ぶ際の考え方として最も適切なものはどれか。
- 1平泳ぎは動作がゆっくりで関節に負担がかからないので、初心者に最初に勧める
- 2呼吸の回数を減らすほど心肺への刺激が高まるため、息継ぎを最小限にする泳法を選ぶ
- 3技術の習熟度で同じ距離でも消費が変わるため、無理なく続けられる泳法から始める正解
- 4エネルギー消費が最も大きい泳法を、技術の習熟度にかかわらず最初から用いることで、短い時間で大きな効果を得る
Answer
正解 3:技術の習熟度で同じ距離でも消費が変わるため、無理なく続けられる泳法から始める
泳ぐ動作は技術の習熟度によって効率が大きく変わり、不慣れな泳法では同じ距離でもエネルギー消費が著しく大きくなり、途中で続けられなくなることがある。健康づくりでは無理なく続けられる泳法から始め、必要に応じて技術を高めていく。「エネルギー消費が最も大きい泳法を、技術の習熟度にかかわらず最初から用いることで、短い時間で大きな効果を得る」は、続かないうえ溺水の危険もある。「平泳ぎは動作がゆっくりで関節に負担がかからないので、初心者に最初に勧める」は誤りで、平泳ぎのキックは膝の内側に負担がかかりやすく、膝に不安のある人には向かないことがある。泳法は消費エネルギーだけでなく関節への負担もあわせて考えて選ぶ。「呼吸の回数を減らすほど心肺への刺激が高まる」も誤りで、息を我慢することは水中では特に危険である。
HINT 泳ぎは技術差が強度差になる。同じメニューでも人によってきつさがまったく違う。
- Q16#ks-pc-016
プールでの運動指導における安全管理として最も適切なものはどれか。
- 1参加者が自由に出入りできるようにし、人数の把握や入退室の確認は行わない
- 2入水前と退水後に人数を数え、運動中は参加者に互いの位置を確認させる
- 3参加者の人数と位置を常に把握し、監視だけを担う者を決めておく正解
- 4指導者は水中に入って参加者と同じ動きを行い、間近で様子をみる
Answer
正解 3:参加者の人数と位置を常に把握し、監視だけを担う者を決めておく
プールでは溺水という重大な事故が起こりうるため、参加者の人数と位置を常に把握し、指導と兼務させずに監視だけを担う者を決めておくことが基本になる。プールサイドは濡れて滑りやすいため動線の安全確保も欠かせない。「指導者は水中に入って参加者と同じ動きを行い、間近で様子をみる」は、近くの数人は見えても水中からでは全体を見渡せず、監視が手薄になる。「参加者が自由に出入りできるようにし、人数の把握や入退室の確認は行わない」は、事故の発見が遅れるため危険である。「入水前と退水後に人数を数え、運動中は参加者に互いの位置を確認させる」も誤りで、事故は運動の最中に起こるうえ、監視は指導者側が負う責任であって参加者に委ねられるものではない。
HINT 水中事故は静かに起こる。人数の確認を定期的に行う運用にしておく。
- Q17#ks-pc-017
レジスタンス運動における呼吸の指導として最も適切なものはどれか。
- 1力を発揮する局面で息を吸い込んで止め、腹圧を保ったまま動作を終えるよう促す
- 2動作の間はずっと息を止めて腹圧を保ち、セットが終わってから呼吸を再開する
- 3呼吸は意識させず、本人の自然な呼吸に任せて特に指導しない
- 4力を発揮する局面で息を吐き、戻す局面で息を吸うようにし、息をこらえないよう促す正解
Answer
正解 4:力を発揮する局面で息を吐き、戻す局面で息を吸うようにし、息をこらえないよう促す
レジスタンス運動では、力を発揮する局面で息を吐き、戻す局面で息を吸うよう促し、息をこらえること(バルサルバ手技)を避けるのが基本である。息をこらえると胸腔内圧が上がって血圧が急激に上昇し、高血圧や心疾患のある者では特に危険になる。「力を発揮する局面で息を吸い込んで止め、腹圧を保ったまま動作を終えるよう促す」はまさにこの危険な状態をつくる。「動作の間はずっと息を止めて腹圧を保ち、セットが終わってから呼吸を再開する」も同様である。「呼吸は意識させず、本人の自然な呼吸に任せて特に指導しない」は誤りで、初心者は力むと自然に息を止めてしまうため、明示的な指導が必要になる。
HINT 力むと人は自然に息を止める。だから「吐いて」と声をかける必要がある。
- Q18#ks-pc-018
レジスタンス運動を行う順序として一般に適切とされるものはどれか。
- 1大きな筋群を使う多関節の種目を先に行い、小さな筋群を使う単関節の種目を後に行う正解
- 2小さな筋群を使う単関節の種目を先に行い、大きな筋群を使う多関節の種目を後に行う
- 3種目の順序は効果に影響しないため、その日の気分で決めてよい
- 4すべての種目を同時並行で行い、順序をつくらない
Answer
正解 1:大きな筋群を使う多関節の種目を先に行い、小さな筋群を使う単関節の種目を後に行う
レジスタンス運動では、大きな筋群を使う多関節の種目を先に行い、小さな筋群を使う単関節の種目を後に行うのが一般的な順序とされる。小さな筋群を先に疲労させると、多関節種目でその筋が先に限界を迎え、狙った大筋群に十分な刺激を与えられなくなるためである。「小さな筋群を使う単関節の種目を先に行い」はこの理由から適切でない。「種目の順序は効果に影響しない」は誤りで、順序は刺激の入り方を左右する。「すべての種目を同時並行で行い、順序をつくらない」は実施として成り立たない。
HINT 先に小さい筋を潰すと、大きい種目で「本命の筋より先に補助筋が限界になる」。
- Q19#ks-pc-019
健康づくりのためのレジスタンス運動における動作のさせ方として最も適切なものはどれか。
- 1息を止めたまま力を入れ、挙げる局面では強くいきむようにする
- 2動作の速度と可動域は問わず、挙上できた重量と回数だけを記録する
- 3反動を使わず、痛みのない範囲だけで動かし、戻す局面も制御する正解
- 4反動を大きく使って素早く挙げ、戻す局面は脱力して落とすことで動作の回数をできるだけ稼ぐ
Answer
正解 3:反動を使わず、痛みのない範囲だけで動かし、戻す局面も制御する
健康づくりを目的とするレジスタンス運動では、反動を使わず、関節を痛みのない範囲だけで十分に動かし、戻す局面(伸張性収縮)も制御しながら行う。戻す局面を制御することが刺激としても重要で、勢い任せの動作は傷害につながる。「反動を大きく使って素早く挙げ、戻す局面は脱力して落とすことで動作の回数をできるだけ稼ぐ」は関節と結合組織に大きな負担をかけ、刺激としても不十分になる。「息を止めたまま力を入れ、挙げる局面では強くいきむようにする」は誤りで、息をこらえていきむと胸腔内の圧が上がって血圧が急に上昇するため、健康づくりの場面では挙げる局面で息を吐き、呼吸を止めないようにする。「速度と可動域は問わず、挙上できた重量と回数だけを記録する」は、フォームの崩れを見逃すことになる。
HINT 戻す局面は「省エネしてよい時間」ではなく、刺激の半分。ここを落とす人が多い。
- Q20#ks-pc-020
自体重を用いたレジスタンス運動の特徴として正しいものはどれか。
- 1器具がなくても実施できる一方、負荷の調整には動作の角度や支点の工夫が必要になる正解
- 2器具がなくても実施でき、重量を扱う方法と同じように負荷を数値で細かく設定して記録できる
- 3器具を用いる方法に比べて必ず負荷が軽くなるため、高齢者以外には効果がない
- 4負荷が体重で決まるため、同じ種目であれば体力にかかわらず誰にとっても同じ強度になる
Answer
正解 1:器具がなくても実施できる一方、負荷の調整には動作の角度や支点の工夫が必要になる
自体重を用いた運動は器具がなくても実施でき、自宅や集団指導の場面で取り入れやすい。一方で重量を数値で足し引きできないため、動作の角度、支点の位置、可動範囲、動作速度などの工夫で負荷を調整する必要がある。「重量を扱う方法と同じように負荷を数値で細かく設定して記録できる」は誤りで、それができるのは重量を扱う方法である。「器具を用いる方法に比べて必ず負荷が軽くなるため、高齢者以外には効果がない」は誤りで、動作の工夫によって十分な負荷をつくれる。「同じ種目であれば体力にかかわらず誰にとっても同じ強度になる」も誤りで、体重も筋力も個人差があるため相対的な強度は人によって大きく異なる。
HINT 自体重でも「膝つき」「傾斜」「テンポ」で強度は変えられる。数値がないぶん観察が要る。
- Q21#ks-pc-021
介護予防における運動器の機能向上プログラムの構成として最も適切なものはどれか。
- 1ストレッチングと筋力向上に加え、跳躍や全力走といった高強度の種目を中心に据える
- 2ストレッチング、下肢を中心とした筋力向上、バランス能力の向上、有酸素運動を組み合わせる正解
- 3上肢の筋力向上を集中的に行い、下肢の筋力とバランスの要素は組み込まない
- 4有酸素運動を先に完成させてから、筋力とバランスの要素を順に加えていく
Answer
正解 2:ストレッチング、下肢を中心とした筋力向上、バランス能力の向上、有酸素運動を組み合わせる
介護予防における運動器の機能向上プログラムは、ストレッチング、下肢を中心とした筋力向上、バランス能力の向上、有酸素運動といった要素を組み合わせた多要素の構成が基本になる。移動機能はこれらが複合して成り立つためである。「上肢の筋力向上を集中的に行い、下肢の筋力とバランスの要素は組み込まない」は、移動機能に直結する要素を欠いている。「有酸素運動を先に完成させてから、筋力とバランスの要素を順に加えていく」も誤りで、移動機能はこれらが複合して成り立つため、一つを仕上げてから次へ進む順序では組み立てられない。「ストレッチングと筋力向上に加え、跳躍や全力走といった高強度の種目を中心に据える」も誤りで、要素を足す方向の行き過ぎであり、対象者の多くにとって転倒と傷害の危険が大きすぎる。
HINT 身体活動・運動ガイド2023が高齢者に「多要素な運動を週3日以上」と示しているのと同じ考え方。
- Q22#ks-pc-022
高齢者の転倒予防を目的とした運動指導として最も適切なものはどれか。
- 1転倒の危険を減らすため、筋力とバランスに加えて片脚立ちを限界の時間まで続けさせる
- 2転倒の主な原因は下肢の筋力低下であるため、下肢の筋力の向上だけに絞って行う
- 3筋力の向上だけに絞らず、複数の要素を含む運動を継続して行う正解
- 4転倒の危険があるため、立位や片足での運動を外して椅子に座った運動に置き換える
Answer
正解 3:筋力の向上だけに絞らず、複数の要素を含む運動を継続して行う
転倒は筋力、バランス能力、歩行能力、視覚、服薬、住環境など多くの要因が関わるため、筋力の向上だけに絞らず複数の要素を含む運動を継続し、あわせて段差や照明といった住環境の危険を見直すことが有効とされる。「立位や片足での運動を外して椅子に座った運動に置き換える」は、バランス能力を高める機会を失い、かえって転倒しやすい状態を残す。「転倒の危険を減らすため、筋力とバランスに加えて片脚立ちを限界の時間まで続けさせる」も誤りで、要素を組み合わせる向きは正しいが、限界まで続けさせれば疲労による転倒そのものを招く。片脚立ちは時間を決めて、支えを用意した条件で行う。「転倒の主な原因は下肢の筋力低下であるため、下肢の筋力の向上だけに絞って行う」も誤りで、転倒には筋力のほかバランス能力、歩行能力、視覚、服薬、住環境が関わるため、筋力だけに絞ると効果が限られる。
HINT 運動だけでなく環境も見る。指導の範囲を「その場の運動」に閉じないことが成果につながる。
- Q23#ks-pc-023
サルコペニアやフレイルの予防・改善において重視される考え方として最も適切なものはどれか。
- 1体重を減らすことを最優先し、エネルギーとたんぱく質の摂取を強く制限する
- 2安静を保つことが最も有効であり、運動はかえって負担になるため行わない
- 3レジスタンス運動を中心とした運動と、たんぱく質を含む十分な栄養摂取を組み合わせる正解
- 4レジスタンス運動を毎日行い、たんぱく質はとれる上限まで摂らせる
Answer
正解 3:レジスタンス運動を中心とした運動と、たんぱく質を含む十分な栄養摂取を組み合わせる
サルコペニアやフレイルの予防・改善では、レジスタンス運動を中心とした運動と、たんぱく質を含む十分な栄養摂取を組み合わせることが重視される。運動の刺激と材料の供給が揃って初めて筋の合成が進むためである。「レジスタンス運動を毎日行い、たんぱく質はとれる上限まで摂らせる」は、運動と栄養を組み合わせる向きは正しいが量と頻度が過剰で、レジスタンス運動は回復の時間を置いて行い、たんぱく質も食事摂取基準が示す範囲で確保する。「体重を減らすことを最優先し、エネルギーとたんぱく質の摂取を強く制限する」は、低栄養を招いてサルコペニアを悪化させるため逆効果である。「安静を保つことが最も有効であり、運動はかえって負担になるため行わない」も誤りで、不活動は筋量の減少を加速させる。
HINT 高齢者では「減らす指導」より「足りないものを足す指導」。肥満対応とは発想が逆になる。
- Q24#ks-pc-024
地域の「通いの場」など集団で行う介護予防の取り組みの意義として最も適切なものはどれか。
- 1参加者が増えるほど交流が生まれるため、会場の定員を超えても受け入れ続ける
- 2運動の効果だけでなく、社会参加とつながりが保たれることも健康に欠かせない正解
- 3運動の時間を長くとるほど効果が高まるため、交流の時間は設けない
- 4参加者どうしの交流を主な目的に置き、運動の内容は参加者に任せる
Answer
正解 2:運動の効果だけでなく、社会参加とつながりが保たれることも健康に欠かせない
通いの場のような集団の取り組みは、運動そのものの効果に加えて、社会参加やつながりが保たれることが心身の健康の維持に寄与すると考えられており、一般介護予防事業でも重視されている。「運動の時間を長くとるほど効果が高まるため、交流の時間は設けない」は誤りで、通いの場では交流そのものが社会参加として意義をもつため、運動の時間を確保するために削ってよいものではない。なお集団であっても個別性への配慮は欠かせず、強度の選択肢を用意するなどの工夫が要る。「参加者どうしの交流を主な目的に置き、運動の内容は参加者に任せる」は誤りで、つながりを重く見る向きは正しいものの、運動の内容を任せきりにすれば安全と効果の両方を担保できない。「参加者が増えるほど交流が生まれるため、会場の定員を超えても受け入れ続ける」も誤りで、間口を広げることと定員を超えることは別であり、密度が上がれば転倒と接触の危険が増す。
HINT 「続くかどうか」を決めるのは運動の内容より人のつながりであることが多い。
- Q25#ks-pc-025
有酸素運動のクラスを終えた直後、立っていた参加者がめまいとふらつきを訴えた。この場面の理解と対応として最も適切なものはどれか。
- 1横になると血液が下肢にたまって症状が悪化するため、立位を保たせたまま深呼吸をさせて様子をみる
- 2横になってもらうが、原因は水分の不足と決めて、症状が続いても医療につながず退出させる
- 3急に動きを止めて静脈還流が減ったと考えられるので、横になってもらい、続くなら医療につなぐ正解
- 4両脚を心臓より低く下ろして座らせ、下肢へ血液を戻してから立たせる
Answer
正解 3:急に動きを止めて静脈還流が減ったと考えられるので、横になってもらい、続くなら医療につなぐ
運動の直後に立ったまま動きを止めると、筋のポンプ作用が働かなくなって静脈還流が減り、活動していた筋の血管拡張が続いていることもあって血圧が下がりやすい。めまいやふらつきはこの血圧低下による症状として起こりうるので、立たせ続けずに横になってもらうのが適切で、横になれば下肢と心臓の高低差が小さくなって静脈還流は増える。症状が続くときや意識の状態が悪いときは医療につなぐ。「横になると血液が下肢にたまって症状が悪化するため、立位を保たせたまま深呼吸をさせて様子をみる」は誤りで、血液が下肢にたまるのは立っているときに起こることであり、理由が逆になっている。「横になってもらうが、原因は水分の不足と決めて、症状が続いても医療につながず退出させる」は、姿勢は適切でも原因を指導者が決めてしまっている点が誤りで、症状が続くときや意識の状態が悪いときは医療につなぐ。「両脚を心臓より低く下ろして座らせ、下肢へ血液を戻してから立たせる」も誤りで、血液が下肢にたまっているときに下肢をさらに低くすれば、心臓に戻る血液はいっそう減る。横になって下肢と心臓の高低差をなくすのが向きとして正しい。なお、症状が出ている人に主運動と同じ強度まで運動を再開させて血圧を戻そうとするのも適切でない。クールダウンとして軽い運動を続けるのは症状が出る前の予防であって、症状が出たあとの対応ではない。
HINT 脚に血液がたまるのは立っているときの話。横になるのは危険側ではなく、むしろ血圧低下への対応になる。
- Q26#ks-pc-026
介護予防マニュアル(第4版)が、運動器の機能向上プログラムの事前アセスメントで測定することが望ましいとしている体力測定の項目はどれか。
- 1ストレッチング、筋力増強運動、バランス運動、有酸素運動それぞれの実施時間と回数
- 25m歩行時間、Timed Up and Go Test、開眼片足立ち時間、握力正解
- 3呼気ガス分析による最大酸素摂取量の実測値、1RMの実測値、12分間走の走行距離
- 4身長と体重、主観的健康感、基本チェックリストへの回答の内容
Answer
正解 2:5m歩行時間、Timed Up and Go Test、開眼片足立ち時間、握力
介護予防マニュアル(第4版)の運動器の機能向上マニュアルは、事前アセスメントで身体機能を把握するための体力測定として、5m歩行時間(通常・最大)、Timed Up and Go Test、開眼片足立ち時間、5回立ち上がりテスト、握力などを測定することが望ましいとしている。結果は年齢別体力基準値表を参考に評価し、どの要素がより低下しているかを個別のプログラムに生かす。「ストレッチング、筋力増強運動、バランス運動、有酸素運動それぞれの実施時間と回数」はプログラムで組み合わせる運動の内容であって、評価の項目ではない。歩行の能力は評価の側に置かれている項目なので、プログラムの要素名として覚えると内容と評価が入れ替わる。「呼気ガス分析による最大酸素摂取量の実測値、1RMの実測値、12分間走の走行距離」は、いずれも専用の機器や最大努力を必要とし、通いの場などで対象者に行う測定としては適さない。「身長と体重、主観的健康感、基本チェックリストへの回答の内容」は同じマニュアルの事前アセスメント項目ではあるが、身長・体重と主観的健康感は基本属性項目、基本チェックリストはその他の項目に区分されるもので、体力測定の項目ではない。
HINT 歩行はプログラムの要素ではなく評価の側。要素はストレッチング・筋力増強・バランス・有酸素の4つ。
- Q27#ks-pc-027
水中運動で胸腹部が受ける水圧の影響と、そこから出てくる指導上の配慮として最も適切なものはどれか。
- 1静脈還流が減るので、入水の直前に水分を多めに補給しておくとよい
- 2静脈還流が増えるので、心疾患のある人は事前に主治医に確認する正解
- 3静脈還流が増えるため運動中の心拍数は陸上より高く出ると見込んでおく
- 4水圧が作用するのは体表の感覚のみなので、循環への影響は考えなくてよい
Answer
正解 2:静脈還流が増えるので、心疾患のある人は事前に主治医に確認する
胸腹部が水圧を受けると心臓に戻る血液が増え、心臓にかかる前負荷が大きくなる。浮力で関節への荷重が減る一方、循環の側には負担がかかる向きに働くため、心疾患のある人には入水の前に主治医へ確認してもらう。運動器の痛みや変形がある場合も、始める前に医師等へ相談するとされている。「静脈還流が減るので、入水の直前に水分を多めに補給しておくとよい」は水圧の働く向きが逆である。「静脈還流が増えるため運動中の心拍数は陸上より高く出ると見込んでおく」も誤りで、前半の向きは正しいが結論が逆である。水中では同じ運動強度でも心拍数は陸上より低く出る傾向があり、心拍数だけを見て負担が軽いと判断しないようにする。「水圧が作用するのは体表の感覚のみなので、循環への影響は考えなくてよい」も誤りで、水圧は循環に及ぶ影響のほうが指導では重要になる。
HINT 水中は「関節に優しく、心臓には負荷がかかる」。浮力・抵抗・熱に水圧を足した4つで考える。
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