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健康づくり運動の実際24問・正解と解説つき

健康運動指導士 ・ 公式テキスト第9章 ・ 分量 11%

ウォームアップとクールダウン、ストレッチングと柔軟体操、ウォーキングとジョギング、エアロビックダンス、水泳・水中運動、レジスタンス運動、介護予防と運動。

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  1. クールダウンの目的として最も適切なものはどれか。

    • 1軽い運動を続けて筋のポンプ作用を保ち、血液が下肢にたまることによるめまいや失神を防ぐ正解
    • 2運動直後にただちに静止して、心拍数を最短で安静時まで下げる
    • 3主運動より高い強度の運動を短時間行い、代謝を高めた状態を保つ
    • 4水分の摂取を控えることで、体重の減少を保つ

    Answer

    正解 1軽い運動を続けて筋のポンプ作用を保ち、血液が下肢にたまることによるめまいや失神を防ぐ

    主運動の直後は下肢の血管が拡張しており、急に動きを止めると筋のポンプ作用が失われて血液が下肢にたまり、静脈還流が減ってめまいや失神を招くことがある。クールダウンでは軽い運動を続けてこれを防ぎ、心拍数と血圧を段階的に戻す。「運動直後にただちに静止して、心拍数を最短で安静時まで下げる」はこの危険をそのまま招く。「主運動より高い強度の運動を短時間行い」は、負担を増やすだけで整理運動にならない。「水分の摂取を控えることで、体重の減少を保つ」は誤りで、運動後の体重減少は主に水分の損失であり、補給すべきものである。

    HINT 運動直後の失神は「心臓が弱い」からではなく「血液が下肢にたまる」から起きることが多い。

  2. 主運動の前に行うウォームアップの組み立てとして最も適切なものはどれか。

    • 1軽い全身運動で体温を上げてから、主運動の動作に近い動きを取り入れて段階的に強度を上げる正解
    • 2はじめに静的ストレッチングを長時間行い、体温を上げる運動は行わない
    • 3主運動と同じ強度の運動を最初から行い、短時間で切り上げる
    • 4主運動で使う部位だけを動かし、全身的な運動は行わない

    Answer

    正解 1軽い全身運動で体温を上げてから、主運動の動作に近い動きを取り入れて段階的に強度を上げる

    ウォームアップは、軽い全身運動で体温と筋温を上げたうえで、主運動の動作に近い動きを取り入れながら段階的に強度を上げていく構成が基本である。「はじめに静的ストレッチングを長時間行い、体温を上げる運動は行わない」は誤りで、体温が上がっていない状態でのストレッチングは効果が乏しく、主運動の直前に長時間の静的ストレッチングを行うと一時的に発揮筋力が低下することも知られている。「主運動と同じ強度の運動を最初から行い」は、準備が整わないまま高い負荷をかけることになり傷害のリスクが高い。「主運動で使う部位だけを動かし、全身的な運動は行わない」は体温を上げる働きが得られない。

    HINT 順番は「温める→動きを合わせる」。冷えた状態で伸ばしても効果は出にくい。

  3. 静的ストレッチングの実施方法として最も適切なものはどれか。

    • 1反動をつけて勢いよく伸ばし、可動域の限界を超えるまで押し込む
    • 2呼吸を止めて腹圧を高めた状態で、痛みを感じる強さまで伸ばす
    • 3伸ばす時間は1〜2秒とし、部位を素早く切り替えて数多くこなす
    • 4反動をつけずにゆっくり伸ばし、痛みを感じない範囲で呼吸を止めずに一定時間保つ正解

    Answer

    正解 4反動をつけずにゆっくり伸ばし、痛みを感じない範囲で呼吸を止めずに一定時間保つ

    静的ストレッチングは、反動をつけずにゆっくり伸ばし、痛みを感じない範囲で呼吸を止めずに一定時間保つ。反動をつけると筋紡錘を介した伸張反射が起こり、伸ばしたい筋が収縮してしまう。「反動をつけて勢いよく伸ばし、可動域の限界を超えるまで押し込む」はこの伸張反射を招くうえ、組織を傷めるおそれがある。「呼吸を止めて腹圧を高めた状態で」は血圧の上昇を招き、痛みを感じる強さまで伸ばすことも適切でない。「伸ばす時間は1〜2秒とし」は短すぎて、筋が伸びた状態に順応する時間が得られない。

    HINT 反動をつけないのは「気持ちの問題」ではなく、伸張反射という生理的な仕組みを避けるため。

  4. 動的ストレッチングとバリスティックストレッチングの違いとして正しいものはどれか。

    • 1動的ストレッチングは制御した動きで可動域を使うのに対し、バリスティックストレッチングは反動や勢いを利用する正解
    • 2動的ストレッチングは反動や勢いを利用するのに対し、バリスティックストレッチングは静止して保つ
    • 3いずれも静止して一定時間保つ方法で、保つ時間の長さだけが違う
    • 4いずれも反動を利用する方法で、実施する時間帯だけが違う

    Answer

    正解 1動的ストレッチングは制御した動きで可動域を使うのに対し、バリスティックストレッチングは反動や勢いを利用する

    動的ストレッチングは関節を制御した動きで可動域いっぱいに動かす方法で、ウォームアップに適する。バリスティックストレッチングは反動や勢いを利用して可動域を超えて伸ばそうとする方法で、伸張反射を招き傷害のリスクが高いため一般の健康づくりでは勧められない。「動的ストレッチングは反動や勢いを利用するのに対し、バリスティックストレッチングは静止して保つ」は両者が入れ替わっている。「いずれも静止して一定時間保つ方法」は静的ストレッチングの説明にあたる。「いずれも反動を利用する方法で、実施する時間帯だけが違う」は動的ストレッチングの性質を取り違えている。

    HINT 「動きがある」だけでは区別できない。制御されているか、勢い任せかで分ける。

  5. ストレッチングにおける相反抑制を利用した方法の説明として正しいものはどれか。

    • 1呼吸を止めて腹圧を高めることで、脊柱の可動域を広げる性質を利用する
    • 2伸ばしたい筋の拮抗筋を収縮させることで、伸ばしたい筋が弛緩しやすくなる性質を利用する正解
    • 3伸ばしたい筋そのものを強く収縮させ続けることで、その筋が弛緩しやすくなる性質を利用する
    • 4伸ばしたい筋を冷却することで、筋の弾性を高める性質を利用する

    Answer

    正解 2伸ばしたい筋の拮抗筋を収縮させることで、伸ばしたい筋が弛緩しやすくなる性質を利用する

    相反抑制は、ある筋が収縮するときにその拮抗筋が反射的に弛緩する仕組みである。伸ばしたい筋の拮抗筋を収縮させることで、伸ばしたい筋が弛緩しやすくなり可動域を得やすくなる。「伸ばしたい筋そのものを強く収縮させ続ける」ことで弛緩を促すのは、腱紡錘を介した自原抑制を用いる方法であり、相反抑制とは仕組みが異なる。「伸ばしたい筋を冷却することで、筋の弾性を高める」は誤りで、筋温の低下は伸張性を下げる。「呼吸を止めて腹圧を高める」は血圧の上昇を招くだけで、可動域を広げる仕組みではない。

    HINT 相反抑制=拮抗筋を使う、自原抑制=その筋自体を使う。どちらの筋を働かせるかで区別する。

  6. 健康づくりのためのウォーキングの姿勢と動作として最も適切なものはどれか。

    • 1背すじを伸ばして視線を前方に向け、かかとから接地してつま先で地面を押す正解
    • 2背中を丸めて視線を足元に落とし、つま先から接地して歩く
    • 3腕を体側に固定して振らず、歩幅をできるだけ狭くして歩く
    • 4膝を伸ばしきらないよう常に曲げたまま、すり足で歩く

    Answer

    正解 1背すじを伸ばして視線を前方に向け、かかとから接地してつま先で地面を押す

    ウォーキングでは背すじを伸ばして視線を前方に向け、かかとから接地して足の裏全体へ体重を移し、つま先で地面を押して進むのが基本の動作になる。「背中を丸めて視線を足元に落とし、つま先から接地して歩く」は姿勢が崩れ、衝撃の緩和も働きにくい。「腕を体側に固定して振らず、歩幅をできるだけ狭くして歩く」は推進力とリズムが得られず、運動としての強度も上がらない。「膝を伸ばしきらないよう常に曲げたまま、すり足で歩く」はつまずきの原因になり、歩行として非効率である。

    HINT 「かかとから接地してつま先で押す」は転がる動き。すり足は高齢者のつまずきの典型的な原因。

  7. ウォーキングやジョギングに用いる靴の選び方として最も適切なものはどれか。

    • 1サイズは表示された数値だけで決め、試し履きは行わない
    • 2つま先に余裕がないほど足が固定され、傷害が防げるため小さめを選ぶ
    • 3夕方など足がむくむ時間帯に、実際に履く靴下を着けて両足で試し、つま先に余裕があるものを選ぶ正解
    • 4朝いちばんの最も足が細い時間帯に、素足で試して足にぴたりと合うものを選ぶ

    Answer

    正解 3夕方など足がむくむ時間帯に、実際に履く靴下を着けて両足で試し、つま先に余裕があるものを選ぶ

    足は時間帯によってむくみの程度が変わるため、夕方など足が大きくなる時間帯に、実際に履く靴下を着けて両足で試し履きするのが望ましい。つま先には適度な余裕が必要である。「朝いちばんの最も足が細い時間帯に、素足で試して」は、実際に歩く条件と違うため小さすぎる靴を選びやすい。「サイズは表示された数値だけで決め、試し履きは行わない」は、同じ表示でも製品によって形が違うため適切でない。「つま先に余裕がないほど足が固定され、傷害が防げる」は誤りで、余裕がないと爪の障害や靴ずれを招く。

    HINT 左右で足の大きさが違う人は多い。大きいほうに合わせるのが原則。

  8. 健康づくりを目的としたジョギングの強度設定として最も適切なものはどれか。

    • 1会話がまったくできないほど息が上がる強度を毎回の目安にする
    • 2息がまったく乱れず、歩行と変わらない強度を目安にする
    • 3強度は意識せず、毎回できるだけ長い距離を走ることだけを目安にする
    • 4少し息が弾むが、隣の人と会話を続けられる程度の強度を目安にする正解

    Answer

    正解 4少し息が弾むが、隣の人と会話を続けられる程度の強度を目安にする

    健康づくりを目的としたジョギングでは、少し息が弾むが会話を続けられる程度の強度が目安になる。機器がなくても本人が判断でき、おおむね中等度の強度に対応するため実用的である。「会話がまったくできないほど息が上がる強度を毎回の目安にする」は高強度に偏り、継続が難しく安全性の面でも適さない。「息がまったく乱れず、歩行と変わらない強度」は刺激として不足し、適応が起こりにくい。「強度は意識せず、毎回できるだけ長い距離を走ることだけを目安にする」は強度の管理を放棄しており、傷害や過度の負担につながる。

    HINT 会話ができるかどうかは、機器がなくても使える強度の物差し。現場で最も使いやすい。

  9. ウォーキングの運動強度を高める工夫として最も適切なものはどれか。

    • 1歩行の速度を上げる、上り坂を取り入れる、腕の振りを大きくするなどして強度を調整する正解
    • 2歩行の速度を落として、その分だけ歩く時間を短くする
    • 3歩幅を狭くしてすり足にすることで、下肢への負担を高める
    • 4水分を摂らずに歩くことで、循環への負担を高める

    Answer

    正解 1歩行の速度を上げる、上り坂を取り入れる、腕の振りを大きくするなどして強度を調整する

    ウォーキングの強度は、歩行の速度を上げる、上り坂や階段を取り入れる、腕の振りを大きくするといった方法で調整できる。用具がなくても段階的に強度を上げられる点が利点である。「歩行の速度を落として、その分だけ歩く時間を短くする」は強度も量も下げることになる。「歩幅を狭くしてすり足にする」は強度が上がらず、つまずきの原因にもなる。「水分を摂らずに歩くことで、循環への負担を高める」は脱水と熱中症を招く危険な方法で、強度の調整とは呼べない。

    HINT 強度を上げる手段は「速さ・傾斜・上肢の動員」。危険を足して負担を増やすのは調整ではない。

  10. 屋外でのウォーキング・ジョギングにおける安全管理として最も適切なものはどれか。

    • 1路面の状態にかかわらず、決めたコースを必ず同じ時刻に実施する
    • 2暑熱環境では発汗を促すため、日中の最も気温が高い時間帯を選ぶ
    • 3夜間は人目を避けられるため、暗い色の服装で目立たないようにする
    • 4路面の状態と交通の状況を確認し、暑熱環境では時間帯を選んで水分を携行する正解

    Answer

    正解 4路面の状態と交通の状況を確認し、暑熱環境では時間帯を選んで水分を携行する

    屋外での実施では、路面の凹凸や濡れ、交通の状況を確認し、暑熱環境では朝夕など気温の低い時間帯を選び、水分を携行することが基本の安全管理になる。「路面の状態にかかわらず、決めたコースを必ず同じ時刻に実施する」は、条件が悪いときに中止や変更をしないことになり危険である。「日中の最も気温が高い時間帯を選ぶ」は熱中症のリスクを高めるだけで、発汗を促すこと自体に健康上の利点はない。「夜間は暗い色の服装で目立たないようにする」は逆で、夜間は反射材や明るい色で目立たせることが交通事故の防止になる。

    HINT 屋外運動の指導では「気象条件で中止・変更する基準」をあらかじめ決めておく。

  11. エアロビックダンスにおけるローインパクトの動きの説明として正しいものはどれか。

    • 1上肢を使わずに下肢だけを動かすもので、強度を上げられない
    • 2少なくとも片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が小さい正解
    • 3両足が同時に床から離れる動きを繰り返すもので、着地の衝撃が小さい
    • 4少なくとも片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が大きい

    Answer

    正解 2少なくとも片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が小さい

    ローインパクトは少なくとも片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が小さいのが特徴である。これに対しハイインパクトは両足が同時に床から離れる時期を含み、衝撃が大きくなる。「両足が同時に床から離れる動きを繰り返すもので、着地の衝撃が小さい」は、ハイインパクトの動きの説明でありながら衝撃の説明が矛盾している。「片足が床に接した状態を保つ動きで、着地の衝撃が大きい」は動きの説明は正しいが衝撃の説明が誤っている。「上肢を使わずに下肢だけを動かすもので、強度を上げられない」は誤りで、ローインパクトでも上肢の動きや可動範囲を使って強度を高められる。

    HINT 接地の仕方で分けるのは歩行と走行の区別と同じ理屈。衝撃を抑えたい対象者にはローインパクト。

  12. 集団を対象とした運動指導におけるキューイング(合図)として最も適切なものはどれか。

    • 1参加者が迷わないよう、すべての動作を一度にまとめて最初に説明する
    • 2次の動作に移る前に、声と身振りで予告し、参加者が準備できる間をとる正解
    • 3動作が切り替わった直後に指示を出し、参加者が自分で気づくのを待つ
    • 4音楽の音量を上げ、言葉による指示は行わずに動作だけを示す

    Answer

    正解 2次の動作に移る前に、声と身振りで予告し、参加者が準備できる間をとる

    集団指導では、次の動作に移る前に声と身振りで予告し、参加者が準備できる間をとることで、動きの切り替わりでの混乱と転倒を防げる。「動作が切り替わった直後に指示を出し」は遅く、参加者がついていけない。「音楽の音量を上げ、言葉による指示は行わずに動作だけを示す」は、視野に入らない参加者や聞き取りにくい参加者を取り残す。「すべての動作を一度にまとめて最初に説明する」は記憶の負担が大きく、実際の場面で思い出せない。

    HINT 合図は「起きてから」ではなく「起きる前」に出す。集団指導での転倒予防に直結する。

  13. 水中歩行の特性として正しいものはどれか。

    • 1水中では姿勢が安定するため、転倒の危険をまったく考えなくてよい
    • 2浮力で関節への荷重が減る一方、水の抵抗があるため陸上より遅い速度でも負荷を得られる正解
    • 3浮力で関節への荷重が減るため、陸上と同じ速度で歩いても負荷はほとんど得られない
    • 4水の抵抗により関節への荷重が増えるため、変形性関節症のある者には適さない

    Answer

    正解 2浮力で関節への荷重が減る一方、水の抵抗があるため陸上より遅い速度でも負荷を得られる

    水中歩行では浮力によって関節にかかる荷重が減る一方、水の抵抗があるため陸上より遅い速度でも十分な負荷を得られる。関節への負担を抑えながら運動量を確保できるため、肥満者や変形性関節症のある者に適する。「陸上と同じ速度で歩いても負荷はほとんど得られない」は、水の抵抗という要素を落としている。「水の抵抗により関節への荷重が増えるため、変形性関節症のある者には適さない」は誤りで、荷重を減らすのは浮力であり、抵抗は荷重を増やすものではない。「転倒の危険をまったく考えなくてよい」も誤りで、プールサイドでの転倒や、水中での姿勢の崩れによる事故には注意が要る。

    HINT 水中は「荷重は軽く、抵抗は重い」。この2つを同時に使えるのが水中運動の強み。

  14. 水中運動における体温管理の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1水中では体温が上がりやすいため、運動中は身体を冷やす必要がある
    • 2水の熱伝導率は空気より高く体熱が奪われやすいため、水温と滞在時間に注意する正解
    • 3水中では発汗しないため脱水は起こらず、水分補給は不要である
    • 4水の熱伝導率は空気より低いため、長時間の滞在でも体温は下がらない

    Answer

    正解 2水の熱伝導率は空気より高く体熱が奪われやすいため、水温と滞在時間に注意する

    水の熱伝導率は空気よりはるかに高いため、水中では体熱が奪われやすい。水温が低い場合や滞在時間が長い場合には体温の低下に注意し、運動の強度と休憩の取り方を調整する。「水中では発汗しないため脱水は起こらず、水分補給は不要」は誤りで、水中でも発汗は起こり、水に囲まれているため気づきにくいぶん脱水に陥りやすい。「水の熱伝導率は空気より低いため」は事実が逆である。「水中では体温が上がりやすいため、運動中は身体を冷やす必要がある」も誤りで、一般的な水温では体熱は奪われる方向に働く。

    HINT 水中運動では「喉が渇かないのに脱水する」。声をかけて水分を摂らせる必要がある。

  15. 健康づくりを目的として泳法を選ぶ際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1泳法によるエネルギー消費の差はないため、どの泳法を選んでも同じである
    • 2呼吸の回数を減らすほど効果が高まるため、息継ぎを最小限にする泳法を選ぶ
    • 3技術の習熟度によって同じ距離でもエネルギー消費が大きく変わるため、無理なく続けられる泳法から始める正解
    • 4エネルギー消費が最も大きい泳法を、技術の習熟度にかかわらず最初から用いる

    Answer

    正解 3技術の習熟度によって同じ距離でもエネルギー消費が大きく変わるため、無理なく続けられる泳法から始める

    泳ぐ動作は技術の習熟度によって効率が大きく変わり、不慣れな泳法では同じ距離でもエネルギー消費が著しく大きくなり、途中で続けられなくなることがある。健康づくりでは無理なく続けられる泳法から始め、必要に応じて技術を高めていく。「エネルギー消費が最も大きい泳法を、技術の習熟度にかかわらず最初から用いる」は、続かないうえ溺水の危険もある。「泳法によるエネルギー消費の差はない」は誤りで、泳法と習熟度によって差がある。「呼吸の回数を減らすほど効果が高まる」も誤りで、息を我慢することは水中では特に危険である。

    HINT 泳ぎは技術差が強度差になる。同じメニューでも人によってきつさがまったく違う。

  16. プールでの運動指導における安全管理として最も適切なものはどれか。

    • 1参加者が自由に出入りできるようにし、人数の把握は行わない
    • 2入水前に人数を確認しておけば足り、運動中は指導そのものに専念する
    • 3参加者の人数と位置を常に把握し、監視の担当を決めたうえでプールサイドの動線を安全に保つ正解
    • 4指導者は必ず水中に入って一緒に運動し、プールサイドからの監視は行わない

    Answer

    正解 3参加者の人数と位置を常に把握し、監視の担当を決めたうえでプールサイドの動線を安全に保つ

    プールでは溺水という重大な事故が起こりうるため、参加者の人数と位置を常に把握し、監視の担当を決めておくことが基本になる。プールサイドは濡れて滑りやすいため動線の安全確保も欠かせない。「指導者は必ず水中に入って一緒に運動し、プールサイドからの監視は行わない」は、水中からでは全体を見渡せず監視が手薄になる。「参加者が自由に出入りできるようにし、人数の把握は行わない」は、事故の発見が遅れるため危険である。「入水前に人数を確認しておけば足り、運動中は指導そのものに専念する」は誤りで、事故は運動の最中に起こるため、実施中も定期的に人数と位置を確認する必要がある。

    HINT 水中事故は静かに起こる。人数の確認を定期的に行う運用にしておく。

  17. レジスタンス運動における呼吸の指導として最も適切なものはどれか。

    • 1力を発揮する局面で息を大きく吸い込んで止め、腹圧を保ったまま動作を終える
    • 2動作の間はずっと息を止めて、セットが終わってから呼吸を再開する
    • 3呼吸は意識させず、本人の自然に任せて特に指導しない
    • 4力を発揮する局面で息を吐き、戻す局面で息を吸うようにし、息をこらえないよう促す正解

    Answer

    正解 4力を発揮する局面で息を吐き、戻す局面で息を吸うようにし、息をこらえないよう促す

    レジスタンス運動では、力を発揮する局面で息を吐き、戻す局面で息を吸うよう促し、息をこらえること(バルサルバ手技)を避けるのが基本である。息をこらえると胸腔内圧が上がって血圧が急激に上昇し、高血圧や心疾患のある者では特に危険になる。「力を発揮する局面で息を大きく吸い込んで止め」はまさにこの危険な状態をつくる。「動作の間はずっと息を止めて」も同様である。「呼吸は意識させず、本人の自然に任せて特に指導しない」は誤りで、初心者は力むと自然に息を止めてしまうため、明示的な指導が必要になる。

    HINT 力むと人は自然に息を止める。だから「吐いて」と声をかける必要がある。

  18. レジスタンス運動を行う順序として一般に適切とされるものはどれか。

    • 1大きな筋群を使う多関節の種目を先に行い、小さな筋群を使う単関節の種目を後に行う正解
    • 2小さな筋群を使う単関節の種目を先に行い、大きな筋群を使う多関節の種目を後に行う
    • 3種目の順序は効果に影響しないため、その日の気分で決めてよい
    • 4すべての種目を同時並行で行い、順序をつくらない

    Answer

    正解 1大きな筋群を使う多関節の種目を先に行い、小さな筋群を使う単関節の種目を後に行う

    レジスタンス運動では、大きな筋群を使う多関節の種目を先に行い、小さな筋群を使う単関節の種目を後に行うのが一般的な順序とされる。小さな筋群を先に疲労させると、多関節種目でその筋が先に限界を迎え、狙った大筋群に十分な刺激を与えられなくなるためである。「小さな筋群を使う単関節の種目を先に行い」はこの理由から適切でない。「種目の順序は効果に影響しない」は誤りで、順序は刺激の入り方を左右する。「すべての種目を同時並行で行い、順序をつくらない」は実施として成り立たない。

    HINT 先に小さい筋を潰すと、大きい種目で「本命の筋より先に補助筋が限界になる」。

  19. 健康づくりのためのレジスタンス運動における動作のさせ方として最も適切なものはどれか。

    • 1可動域を狭くして、関節をほとんど動かさない範囲で回数を重ねる
    • 2動作の速度と可動域は問わず、挙上できた重量だけを記録する
    • 3反動を使わず、関節を痛みのない範囲で十分に動かし、戻す局面も制御しながら行う正解
    • 4反動を大きく使って素早く挙げ、戻す局面は脱力して落とす

    Answer

    正解 3反動を使わず、関節を痛みのない範囲で十分に動かし、戻す局面も制御しながら行う

    健康づくりを目的とするレジスタンス運動では、反動を使わず、関節を痛みのない範囲で十分に動かし、戻す局面(伸張性収縮)も制御しながら行う。戻す局面を制御することが刺激としても重要で、勢い任せの動作は傷害につながる。「反動を大きく使って素早く挙げ、戻す局面は脱力して落とす」は関節と結合組織に大きな負担をかけ、刺激としても不十分になる。「可動域を狭くして、関節をほとんど動かさない範囲で回数を重ねる」は特異性の原理から、実際に使う可動域での筋力が高まりにくい。「速度と可動域は問わず、挙上できた重量だけを記録する」は、フォームの崩れを見逃すことになる。

    HINT 戻す局面は「省エネしてよい時間」ではなく、刺激の半分。ここを落とす人が多い。

  20. 自体重を用いたレジスタンス運動の特徴として正しいものはどれか。

    • 1器具がなくても実施できる一方、負荷の細かな調整には動作の角度や支点の工夫が必要になる正解
    • 2器具がなくても実施でき、負荷を数値で細かく設定できる
    • 3器具を用いる方法に比べて必ず負荷が軽く、高齢者以外には効果がない
    • 4負荷が体重で決まるため、同じ種目であれば誰にとっても同じ強度になる

    Answer

    正解 1器具がなくても実施できる一方、負荷の細かな調整には動作の角度や支点の工夫が必要になる

    自体重を用いた運動は器具がなくても実施でき、自宅や集団指導の場面で取り入れやすい。一方で重量を数値で足し引きできないため、動作の角度、支点の位置、可動範囲、動作速度などの工夫で負荷を調整する必要がある。「負荷を数値で細かく設定できる」は誤りで、それができるのは重量を扱う方法である。「必ず負荷が軽く、高齢者以外には効果がない」は誤りで、動作の工夫によって十分な負荷をつくれる。「同じ種目であれば誰にとっても同じ強度になる」も誤りで、体重も筋力も個人差があるため相対的な強度は人によって大きく異なる。

    HINT 自体重でも「膝つき」「傾斜」「テンポ」で強度は変えられる。数値がないぶん観察が要る。

  21. 介護予防における運動器の機能向上プログラムの構成として最も適切なものはどれか。

    • 1座位での受動的な関節可動域運動のみを行い、自分で動く運動は含めない
    • 2ストレッチング、下肢を中心とした筋力向上、バランス能力の向上、歩行能力の向上を組み合わせる正解
    • 3上肢の筋力向上のみを集中的に行い、下肢とバランスの要素は含めない
    • 4有酸素性運動のみを行い、筋力とバランスの要素は含めない

    Answer

    正解 2ストレッチング、下肢を中心とした筋力向上、バランス能力の向上、歩行能力の向上を組み合わせる

    介護予防における運動器の機能向上プログラムは、ストレッチング、下肢を中心とした筋力向上、バランス能力の向上、歩行能力の向上といった要素を組み合わせた多要素の構成が基本になる。移動機能はこれらが複合して成り立つためである。「上肢の筋力向上のみを集中的に行い」は、移動機能に直結する下肢とバランスを欠いている。「有酸素性運動のみを行い、筋力とバランスの要素は含めない」も、転倒予防に必要な要素が抜ける。「座位での受動的な関節可動域運動のみ」は本人が能動的に力を発揮しないため、筋力の向上が期待できない。

    HINT 身体活動・運動ガイド2023が高齢者に「多要素な運動を週3日以上」と示しているのと同じ考え方。

  22. 高齢者の転倒予防を目的とした運動指導として最も適切なものはどれか。

    • 1バランス能力は加齢により回復しないため、筋力の向上のみに絞る
    • 2転倒の主な原因は下肢の筋力低下であるため、筋力の向上だけに絞って行う
    • 3筋力・バランス・歩行など複数の要素を含む運動を継続し、あわせて住環境の危険も見直す正解
    • 4転倒の危険があるため、立位で行う運動はすべて避けて座位の運動だけを行う

    Answer

    正解 3筋力・バランス・歩行など複数の要素を含む運動を継続し、あわせて住環境の危険も見直す

    転倒は筋力、バランス能力、歩行能力、視覚、服薬、住環境など多くの要因が関わるため、複数の要素を含む運動を継続し、あわせて段差や照明といった住環境の危険を見直すことが有効とされる。「立位で行う運動はすべて避けて座位の運動だけを行う」は、バランス能力を高める機会を失い、かえって転倒しやすい状態を残す。「バランス能力は加齢により回復しない」は誤りで、訓練により改善しうる。「転倒の主な原因は下肢の筋力低下であるため、筋力の向上だけに絞って行う」も誤りで、転倒には筋力のほかバランス能力、歩行能力、視覚、服薬、住環境が関わるため、筋力だけに絞ると効果が限られる。

    HINT 運動だけでなく環境も見る。指導の範囲を「その場の運動」に閉じないことが成果につながる。

  23. サルコペニアやフレイルの予防・改善において重視される考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1体重を減らすことを最優先し、エネルギー摂取を強く制限する
    • 2安静を保つことが最も有効であり、運動は負担になるため行わない
    • 3レジスタンス運動を中心とした運動と、たんぱく質を含む十分な栄養摂取を組み合わせる正解
    • 4運動のみを行えば十分であり、食事の内容は考慮しなくてよい

    Answer

    正解 3レジスタンス運動を中心とした運動と、たんぱく質を含む十分な栄養摂取を組み合わせる

    サルコペニアやフレイルの予防・改善では、レジスタンス運動を中心とした運動と、たんぱく質を含む十分な栄養摂取を組み合わせることが重視される。運動の刺激と材料の供給が揃って初めて筋の合成が進むためである。「運動のみを行えば十分であり、食事の内容は考慮しなくてよい」は、高齢者で摂取量が不足しがちな実情に合わない。「体重を減らすことを最優先し、エネルギー摂取を強く制限する」は、低栄養を招いてサルコペニアを悪化させるため逆効果である。「安静を保つことが最も有効」も誤りで、不活動は筋量の減少を加速させる。

    HINT 高齢者では「減らす指導」より「足りないものを足す指導」。肥満対応とは発想が逆になる。

  24. 地域の「通いの場」など集団で行う介護予防の取り組みの意義として最も適切なものはどれか。

    • 1運動の効果を保つため、一定の体力水準を満たす者に参加を限る
    • 2運動の効果に加えて、社会参加とつながりが保たれることが心身の健康の維持に寄与する正解
    • 3集団で行うことにより、個別の体力差に配慮する必要がなくなる
    • 4運動の効果のみが目的であり、参加者どうしの交流は成果に関係しない

    Answer

    正解 2運動の効果に加えて、社会参加とつながりが保たれることが心身の健康の維持に寄与する

    通いの場のような集団の取り組みは、運動そのものの効果に加えて、社会参加やつながりが保たれることが心身の健康の維持に寄与すると考えられており、一般介護予防事業でも重視されている。「個別の体力差に配慮する必要がなくなる」は誤りで、集団であっても個別性への配慮は欠かせず、強度の選択肢を用意するなどの工夫が要る。「参加者どうしの交流は成果に関係しない」は誤りで、継続率にも健康状態にも関わる。「運動の効果を保つため、一定の体力水準を満たす者に参加を限る」も誤りで、参加の間口を狭めると最も支援を要する人が漏れてしまう。体力差のある人が一緒に参加できるよう、強度の選択肢を用意して運営する。

    HINT 「続くかどうか」を決めるのは運動の内容より人のつながりであることが多い。

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