運動負荷試験全15問・正解と解説つき
健康運動指導士・ 公式テキスト第12章・ 分量 3%
運動負荷試験の実際、トレッドミルによる運動負荷試験実習、自転車エルゴメータによる運動負荷試験実習。
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- Q01#ks-et-001
運動負荷試験の目的として最も適切なものはどれか。
- 1運動耐容能を評価し、症状や心電図・血圧の変化から安全性を確認する正解
- 2対象者の筋力と柔軟性を同時に測定して評価する
- 3運動処方を始めたあとに、指示した内容を実行できているかを点検する
- 4安静時の心電図・血圧から、運動を行ってよいかどうかだけを判定する
Answer
正解 1:運動耐容能を評価し、症状や心電図・血圧の変化から安全性を確認する
運動負荷試験は、運動耐容能(どこまでの運動に耐えられるか)を評価するとともに、負荷をかけたときの症状、心電図の変化、血圧の反応から安全性を確認することを目的とする。この結果が運動処方の強度の設定根拠になる。「対象者の筋力と柔軟性を同時に測定して評価する」は運動負荷試験の目的ではなく、別の測定で行う。「運動処方を始めたあとに、指示した内容を実行できているかを点検する」は前後の順序が逆で、運動負荷試験は処方より前に行い、その結果を根拠に処方の内容を組み立てる。「安静時の心電図・血圧から、運動を行ってよいかどうかだけを判定する」はメディカルチェックの一部であり、実際に負荷をかけて耐容能と反応をみる運動負荷試験とは目的が異なる。
HINT 測っているのは「どこまでできるか」と「そこまでの間に何が起きるか」の2つ。
- Q02#ks-et-002
トレッドミルと自転車エルゴメータを用いた運動負荷試験の違いとして正しいものはどれか。
- 1トレッドミルは最大酸素摂取量が高く出やすく、自転車エルゴメータは体重を支えず心電図が安定しやすい正解
- 2トレッドミルは体重を支えず心電図が安定しやすく、自転車エルゴメータは最大酸素摂取量が高く出やすい
- 3いずれも同じ動作を用いるため、得られる測定値に違いはない
- 4自転車エルゴメータでは負荷量を数値で設定できないため、定量的な評価には使えない
Answer
正解 1:トレッドミルは最大酸素摂取量が高く出やすく、自転車エルゴメータは体重を支えず心電図が安定しやすい
トレッドミルは歩行や走行という全身の大きな筋群を使う動作のため、より高い最大酸素摂取量が得られやすい。一方、自転車エルゴメータは座位で体重を支える必要がなく上半身の動揺が小さいため、心電図や血圧の記録が安定しやすく、下肢に不安のある者にも実施しやすい。「トレッドミルは体重を支えず心電図が安定しやすく」は両者の特徴が入れ替わっている。「いずれも同じ動作を用いるため、得られる測定値に違いはない」は誤りで、動作様式が違えば動員される筋量も異なる。「自転車エルゴメータでは負荷量を数値で設定できない」も誤りで、むしろワット数で明確に設定できる点が利点である。
HINT 「値の大きさならトレッドミル、記録の安定なら自転車」。対象者の状態で選び分ける。
- Q03#ks-et-003
多段階漸増負荷法による運動負荷試験の説明として正しいものはどれか。
- 1負荷を一定に保ったまま、疲労困憊に至るまでの時間のみを測定し、途中の反応は記録しない
- 2高い負荷から段階的に下げていき、症状が消える負荷量を求める
- 3一定の時間ごとに負荷を段階的に高めていき、各段階での生体の反応を観察する正解
- 4最初から最大の負荷をかけ、耐えられた時間の長さのみを測定して能力を判定する
Answer
正解 3:一定の時間ごとに負荷を段階的に高めていき、各段階での生体の反応を観察する
多段階漸増負荷法は、一定の時間ごとに負荷を段階的に高めていき、各段階での心拍数・血圧・心電図・自覚症状などの反応を観察する方法である。段階を追うことで、どの負荷量で異常が現れるかを把握できる。「最初から最大の負荷をかけ、耐えられた時間の長さのみを測定して能力を判定する」は危険であり、段階ごとの反応も観察できない。「負荷を一定に保ったまま、疲労困憊に至るまでの時間のみを測定し、途中の反応は記録しない」は一定負荷法であり、多段階漸増負荷法ではない。「高い負荷から段階的に下げていき、症状が消える負荷量を求める」は負荷を変える方向が逆である。
HINT 段階的に上げるのは「どこで異常が出るか」を見たいから。いきなり最大では観察にならない。
- Q04#ks-et-004
運動負荷試験を中止すべき徴候として最も適切なものはどれか。
- 1負荷を上げるにつれて呼吸数が増加し、換気量が運動強度に応じて高まる
- 2負荷を上げても収縮期血圧が低下する、胸痛や強いふらつきが現れる正解
- 3負荷を上げるにつれて心拍数が段階的に上昇する
- 4負荷を上げるにつれて収縮期血圧が段階的に上昇し、拡張期血圧はほぼ一定に保たれる
Answer
正解 2:負荷を上げても収縮期血圧が低下する、胸痛や強いふらつきが現れる
負荷を上げているにもかかわらず収縮期血圧が低下することは、心拍出量を保てなくなっている可能性を示す危険な徴候であり、胸痛や強いふらつきとともに試験の中止を要する。「負荷を上げるにつれて心拍数が段階的に上昇する」「負荷を上げるにつれて収縮期血圧が段階的に上昇し、拡張期血圧はほぼ一定に保たれる」「負荷を上げるにつれて呼吸数が増加し、換気量が運動強度に応じて高まる」は、いずれも運動負荷に対する正常な反応であり、中止の理由にはならない。正常な反応と異常な反応を区別できることが、測定を補助するうえでの前提になる。
HINT 「上がるはずのものが下がる」が危険信号。正常反応を知らないと異常も見抜けない。
- Q05#ks-et-005
心肺運動負荷試験(CPX)によって得られる指標として正しいものはどれか。
- 1最大酸素摂取量とAT値正解
- 2年齢から推定した最大心拍数と心拍予備能(HRR)
- 3分時換気量あたりの換気当量と主観的運動強度(RPE)
- 4安静時に測定する肺活量と1秒率
Answer
正解 1:最大酸素摂取量とAT値
心肺運動負荷試験(CPX)は運動中の呼気ガスを分析しながら漸増負荷を行う検査で、最大酸素摂取量と嫌気性代謝閾値(AT)が得られる。ATは心疾患患者の運動処方において強度設定の基準として重視される。「年齢から推定した最大心拍数と心拍予備能(HRR)」は呼気ガス分析を要さず、推定値であるためCPXの中心的な指標ではない。「分時換気量あたりの換気当量と主観的運動強度(RPE)」のうち換気当量は呼気ガス分析から得られるものの、この2つでは有酸素性能力の水準を表せない。「安静時に測定する肺活量と1秒率」は呼吸機能検査で求める値で、運動負荷とは別の検査である。
HINT 呼気ガスを測るからこそATが分かる。心拍数だけでは代謝の切り替わり点は見えない。
- Q06#ks-et-006
運動負荷試験における健康運動指導士の役割として最も適切なものはどれか。
- 1試験には関与せず、結果の数値を受け取って運動処方に反映させる
- 2測定を補助し、診断は医師のみが行う正解
- 3試験の実施の可否を判断し、結果から診断を下して対象者に伝える
- 4結果に応じて薬物療法の内容を決定する
Answer
正解 2:測定を補助し、診断は医師のみが行う
財団の学習目標は「心電図波形をみて、危険な心電図波形か否かを判断できる(心電図診断ではなく)」と、判断と診断を明確に書き分けている。健康運動指導士は機器の準備、電極装着の補助、被検者の観察、救急対応の備えを担い、危険な波形かどうかの判断もできるようになることが求められるが、心電図診断と結果の最終判定は医師が行う。「試験の実施の可否を判断し、結果から診断を下して対象者に伝える」は医行為にあたり業務範囲を超える。「結果に応じて薬物療法の内容を決定する」も同様である。「試験には関与せず、結果の数値を受け取って運動処方に反映させる」は誤りで、学習目標には測定の補助や運動負荷試験の中止基準を列挙できることも挙げられている。
HINT 財団は「判断できる(心電図診断ではなく)」と括弧書きで線を引いている。言い切れるのは、診断を行うのは医師だということ。
- Q07#ks-et-007
最大下負荷試験を用いる利点として最も適切なものはどれか。
- 1呼気ガスを分析しながら行うので、嫌気性代謝閾値(AT)をその場で直接求められる
- 2途中で終えるぶん測定の時間が短くなり、最大酸素摂取量の推定にともなう誤差も小さくなる
- 3対象者の年齢や体力にかかわらず、全員に同じ負荷量で実施できる
- 4最大努力を求めないため安全性が高く、心拍数と負荷の関係から最大酸素摂取量を推定できる正解
Answer
正解 4:最大努力を求めないため安全性が高く、心拍数と負荷の関係から最大酸素摂取量を推定できる
最大下負荷試験は最大努力に至らない範囲で負荷をかけ、心拍数と負荷の関係から最大酸素摂取量を推定する方法である。最大努力を求めないため安全性が高く、高齢者や有疾患者にも実施しやすい。そのかわり推定値には誤差が含まれる。「途中で終えるぶん測定の時間が短くなり、最大酸素摂取量の推定にともなう誤差も小さくなる」は誤差の向きが逆で、実測せずに推定する以上、誤差はむしろ大きくなる。「呼気ガスを分析しながら行うので、嫌気性代謝閾値(AT)をその場で直接求められる」は心肺運動負荷試験(CPX)の説明であり、最大下負荷試験は呼気ガスを用いず心拍数と負荷の関係から推定する方法である。「対象者の年齢や体力にかかわらず、全員に同じ負荷量で実施できる」も誤りで、負荷量は対象者の状態に応じて設定する。
HINT 安全性と精度は引き換え。対象者が誰かによってどちらを取るかが決まる。
- Q08#ks-et-008
運動負荷試験の絶対禁忌にあたるものはどれか。
- 1内服治療によって血圧が安定している軽症の高血圧
- 2医師の管理下にある運動習慣のない高齢者であること
- 3体重が標準体重を上回っていること
- 4治療で安定しない不安定狭心症正解
Answer
正解 4:治療で安定しない不安定狭心症
運動負荷試験の絶対禁忌には、2日以内の急性心筋梗塞、内科的治療によって安定していない不安定狭心症、自覚症状や血行動態の異常を起こすコントロール不良の不整脈、症候性の重症大動脈弁狭窄症、コントロール不良の症候性心不全、急性の肺塞栓または肺梗塞、急性の心筋炎・心膜炎、急性大動脈解離、意思疎通の行えない精神疾患の9つが挙げられている。「内服治療によって血圧が安定している軽症の高血圧」は、安定していれば禁忌にあたらない。「医師の管理下にある運動習慣のない高齢者であること」も禁忌ではなく、むしろ運動耐容能を評価する意義がある。「体重が標準体重を上回っていること」も禁忌ではない。
HINT 禁忌に並ぶのは「急性」か「コントロールできていない」もの。安定している慢性疾患は禁忌ではない。
- Q09#ks-et-009
運動負荷試験を実施する施設の安全管理として最も適切なものはどれか。
- 1機器の点検は導入時に一度行えば足り、その後の定期的な確認は要しない
- 2救急対応は医師のみが担う役割であるため、他の職員には機器の置き場所や使い方を知らせない
- 3救急蘇生に必要な機器と医薬品をただちに使える場所に備え、定期的に点検と動作確認を行う正解
- 4救急機器は使用する機会が乏しいため、必要が生じた時点で他部門から借り受けることとする
Answer
正解 3:救急蘇生に必要な機器と医薬品をただちに使える場所に備え、定期的に点検と動作確認を行う
運動負荷試験では対象者に最大に近い負荷をかけるため、事故が起きた場合にただちに対応できる体制が前提になる。救急蘇生に必要な機器と医薬品をすぐ使える場所に備え、定期的な点検と動作確認を行っておく必要がある。「救急機器は使用する機会が乏しいため、必要が生じた時点で他部門から借り受けることとする」は、数分を争う場面で間に合わない。「機器の点検は導入時に一度行えば足り、その後の定期的な確認は要しない」も誤りで、電池切れや消耗品の期限切れは点検でしか気づけない。「救急対応は医師のみが担う役割であるため、他の職員には機器の置き場所や使い方を知らせない」は、医師が離れている場面に対応できず、役割分担の考え方とも反する。
HINT 第12章の学習目標には救急機器・救急医薬品の備えと機器の点検が明記されている。安全管理は測定の一部。
- Q10#ks-et-010
運動負荷試験を終了した直後の対応として最も適切なものはどれか。
- 1解散を一旦保留し、心拍数と血圧と心電図と自覚症状を一定時間観察する正解
- 2負荷を終えた時点で測定は完了するため、ただちに着替えて退室してもらう
- 3回復を早めるため、終了直後に座位で完全に静止させ、動きを一切止める
- 4終了後は自覚症状のみを確認し、心拍数と血圧の測定は省略する
Answer
正解 1:解散を一旦保留し、心拍数と血圧と心電図と自覚症状を一定時間観察する
運動負荷試験では、負荷を終えた直後から回復期にかけて不整脈や血圧の低下、虚血性の変化が現れることがあるため、解散を一旦保留し、心拍数と血圧と心電図と自覚症状を一定時間観察する。「負荷を終えた時点で測定は完了するため、ただちに着替えて退室してもらう」は、この回復期の観察を飛ばすことになり危険である。「終了直後に座位で完全に静止させ、動きを一切止める」も誤りで、急に止めると下肢に血液がたまり静脈還流が減るため、軽い運動を続けながら段階的に戻す。「自覚症状のみを確認し、心拍数と血圧の測定は省略する」も誤りで、自覚症状を伴わない変化を捉えられない。
HINT 事故は負荷の最中だけでなく、終わった直後にも起こる。「終わってからが観察」と覚える。
- Q11#ks-et-011
運動負荷試験の禁忌について、絶対禁忌と相対禁忌の違いの説明として正しいものはどれか。
- 1相対禁忌は絶対禁忌より程度の軽い状態をまとめたもので、実施するかどうかは健康運動指導士が決めてよい
- 2相対禁忌では、情報の価値が危険を上回ると医師が判断すれば、監視を強めて実施されることがある正解
- 3絶対禁忌にあたる状態であっても、本人が強く希望して同意書に署名すれば実施できる
- 4相対禁忌は試験の前に確認しておく項目の一覧で、実施するかどうかの判断とは結びつかない
Answer
正解 2:相対禁忌では、情報の価値が危険を上回ると医師が判断すれば、監視を強めて実施されることがある
絶対禁忌は、試験によって重大な事故が起こる危険が高く実施してはならない状態をいう。これに対して相対禁忌は、得られる情報の価値が危険を上回ると医師が判断した場合には、監視を強めるなどの条件のもとで実施されることがある状態をいう。「相対禁忌は絶対禁忌より程度の軽い状態をまとめたもので、実施するかどうかは健康運動指導士が決めてよい」は誤りで、実施の可否の判断は医師が行う。「絶対禁忌にあたる状態であっても、本人が強く希望して同意書に署名すれば実施できる」も誤りで、同意があっても絶対禁忌では実施しない。「相対禁忌は試験の前に確認しておく項目の一覧で、実施するかどうかの判断とは結びつかない」も誤りで、相対禁忌は実施の可否と条件を左右する。
HINT 絶対禁忌は「やらない」。相対禁忌は「条件つきでありうる」。その条件を決めるのは医師。
- Q12#ks-et-012
運動負荷試験で得られた運動耐容能を、健康運動指導士が指導に生かす使い方として最も適切なものはどれか。
- 1同じ年代の平均値と比べた順位を伝え、平均に届くまで同じ強度の運動を続けさせる
- 2数値をもとに心疾患があるかどうかを本人に説明し、受診すべき診療科まで伝える
- 3得られた最高の負荷量をそのまま毎回の運動の目標に置き、到達を目指させる
- 4日常の動作に必要な強度と見比べて、安全に行える活動の範囲を考える正解
Answer
正解 4:日常の動作に必要な強度と見比べて、安全に行える活動の範囲を考える
運動耐容能は「どこまでの運動に耐えられるか」を表すため、日常の動作や仕事に必要な強度と見比べることで、安全に行える活動の範囲を具体的に考える材料になる。「得られた最高の負荷量をそのまま毎回の運動の目標に置き、到達を目指させる」は誤りで、最高の負荷量は限界の値であり、継続する運動の強度はその下に置く。「同じ年代の平均値と比べた順位を伝え、平均に届くまで同じ強度の運動を続けさせる」も誤りで、平均との比較は目安にすぎず、個人の状態に応じて強度を決める。「数値をもとに心疾患があるかどうかを本人に説明し、受診すべき診療科まで伝える」は診断にあたり、健康運動指導士の業務範囲を超える。
HINT 耐容能の値は「できる・できない」の線を生活の動作に当てて読む。順位づけの材料ではない。
- Q13#ks-et-013
最大下負荷試験で、各段階の負荷を一定の時間保ってから次の段階へ上げる理由として正しいものはどれか。
- 1心拍数がその負荷に見合った水準で落ち着くのを待つことで、心拍数と負荷の対応から最大酸素摂取量を推定できるため正解
- 2段階ごとに休息を挟み、前の段階の疲労を完全に取り除いてから次へ進むため
- 3負荷を上げる間隔をそろえておくと、対象者が次の段階の時期を予測しやすくなるため
- 4機器が設定どおりの負荷に切り替わるまで時間がかかり、表示が変わるのを待つため
Answer
正解 1:心拍数がその負荷に見合った水準で落ち着くのを待つことで、心拍数と負荷の対応から最大酸素摂取量を推定できるため
最大下負荷試験は、心拍数と負荷の対応関係から最大酸素摂取量を推定する。心拍数は負荷を上げた直後には上昇の途中にあるため、その段階に見合った水準で落ち着くのを待ってから次の段階へ上げる必要がある。「段階ごとに休息を挟み、前の段階の疲労を完全に取り除いてから次へ進むため」は誤りで、多段階漸増負荷法では休息を挟まずに負荷を上げていく。「負荷を上げる間隔をそろえておくと、対象者が次の段階の時期を予測しやすくなるため」も誤りで、予測しやすさは目的ではない。「機器が設定どおりの負荷に切り替わるまで時間がかかり、表示が変わるのを待つため」も誤りで、負荷の設定そのものはただちに反映される。
HINT 推定の前提は「心拍数と負荷が釣り合っていること」。上昇中の値で当てはめると誤差が出る。
- Q14#ks-et-014
運動負荷試験で明らかな異常がみられなかった場合の受け止め方として最も適切なものはどれか。
- 1心臓の病気が将来にわたって起こらないことまで確かめられたので、強度の上限を設けずに進められる
- 2結果が正常であったので、以後のメディカルチェックと問診は次回の試験まで省略してよい
- 3その日の負荷の範囲で異常が出なかったことを示すもので、運動中の体調の確認は続ける正解
- 4異常がないという結果は、運動中に症状が出ても様子を見て続けてよい根拠になる
Answer
正解 3:その日の負荷の範囲で異常が出なかったことを示すもので、運動中の体調の確認は続ける
運動負荷試験で異常がみられなかったという結果は、その日にかけた負荷の範囲で異常が現れなかったことを示すものであり、将来にわたって事故が起こらないことを保証するものではない。したがって運動中の症状や反応の確認は続ける。「心臓の病気が将来にわたって起こらないことまで確かめられたので、強度の上限を設けずに進められる」は結果の読み方を広げすぎており誤り。「結果が正常であったので、以後のメディカルチェックと問診は次回の試験まで省略してよい」も誤りで、体調は日々変わるため実施前の確認は欠かせない。「異常がないという結果は、運動中に症状が出ても様子を見て続けてよい根拠になる」も誤りで、症状が現れた時点での判断は過去の検査結果に左右されない。
HINT 検査が示すのは「その日・その負荷まで」。正常という結果は、日々の確認を省く理由にならない。
- Q15#ks-et-015
トレッドミルによる運動負荷試験を初めて受ける対象者への、実施前の配慮として適切でないものはどれか。
- 1いちばん低い速度でベルトに乗る動作と降りる動作を練習させてから試験を始める
- 2歩きやすさを優先し、手すりに体重を預けたまま歩く形で進めるよう伝えておく正解
- 3電極や血圧計を装着する間に、試験の流れと終わり方を説明しておく
- 4歩きやすい靴とゆとりのある服装で来てもらい、靴ひもの緩みを確かめておく
Answer
正解 2:歩きやすさを優先し、手すりに体重を預けたまま歩く形で進めるよう伝えておく
手すりに体重を預けて歩くと、設定した速度と傾斜から見込まれる負荷よりも実際にかかる負荷が小さくなり、運動耐容能を高く見積もってしまう。手すりは体を支えるためではなく、必要なときに軽く触れるためのものとして伝える。したがって「歩きやすさを優先し、手すりに体重を預けたまま歩く形で進めるよう伝えておく」が適切でない。「いちばん低い速度でベルトに乗る動作と降りる動作を練習させてから試験を始める」は、慣れない動作による転倒を防ぎ、歩き方が安定するため適切である。「歩きやすい靴とゆとりのある服装で来てもらい、靴ひもの緩みを確かめておく」も、つまずきを防ぐ準備として適切である。「電極や血圧計を装着する間に、試験の流れと終わり方を説明しておく」も、見通しを伝えて不安を減らす対応として適切である。
HINT 手すりに頼って歩けた距離は、本人の耐容能ではない。測定の値そのものが変わってしまう。
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