運動生理学の板書
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第2章「運動生理学」
この章は本文222ページのうち24ページ=分量で11%。第8章・第9章に次ぐ重さで、第6章と並びます。章ごとの出題数は公表されていないので、分量からの目安です。出典:公式テキストの目次(本文222ページ)。
①脳から筋まで4節
随意運動は、大脳の運動野から始まる
- 随意運動=大脳皮質の運動野→脊髄の運動ニューロン→筋が収縮
- 反射は脊髄のレベルで起こり、大脳を経由しない。だから意思では止められない
- 心筋・内臓の平滑筋は自律神経による不随意。小脳は指令を出す場所ではない
弱い力から順に。小さい運動単位が先に出る
- 運動単位=1個の運動ニューロンと、それが支配する筋線維のまとまり。筋線維は全部が同時に収縮する
- サイズの原理=小さいものから動員。順序は逆転しない。調節は動員数+発火頻度の両方
フィラメントは縮まない。滑り込むだけ
- アクチンがミオシンの間へ滑り込み、Z膜の間隔が狭くなる(滑り説)
- フィラメント自体は伸び縮みしない。サルコメアの数が増えるわけでもない
- 筋小胞体からカルシウムイオン→トロポニンに結合→トロポミオシンがずれる
- ATPは、たぐり寄せるときだけでなく離れるときにも要る
指令から収縮まで。ひと続きの流れで覚える
- ①大脳皮質の運動野が指令を出す
- ②脊髄の運動ニューロンへ伝わる(反射はここだけで完結し、大脳を経由しない)
- ③神経筋接合部で筋線維へ伝わる
- ④筋小胞体からカルシウムイオンが放出される
- ⑤カルシウムイオンがトロポニンに結合する
- ⑥トロポミオシンがずれ、ミオシン頭部がアクチンに結合できるようになる
- ⑦アクチンがミオシンの間へ滑り込み、Z膜の間隔が狭くなる=筋が縮む
動画でこの図を見る(02:18)②筋線維3節
赤いほうが疲れにくい。遅筋・速筋の3分類
- タイプⅠ=遅筋=SO。ミトコンドリアと毛細血管が多く、酸化能力が高く疲労しにくい
- タイプⅡx=FG=速くて疲労しやすい/タイプⅡa=FOG=速さと酸化能力の中間型
- 割合には遺伝的な要因が大きい。Ⅱx→Ⅱaの移行は起こるが、速筋と遅筋の入れ替えや本数の増加は起こらない
タイプⅠ・Ⅱa・ⅡxとSO・FOG・FGの対応
- タイプⅠ=SO(Slow Oxidative・遅い/酸化的)=遅筋・赤筋
- タイプⅡa=FOG(Fast Oxidative Glycolytic・速い/酸化的+解糖的)=中間型
- タイプⅡx=FG(Fast Glycolytic・速い/解糖的)=速筋・白筋
- 縦に見ると、収縮速度・発揮張力・疲労しやすさが同じ向きに並ぶ
- 動員される順はⅠ→Ⅱa→Ⅱx(サイズの原理)
- 筋線維の構成は生涯一定ではない。加齢では速筋(タイプⅡ)が減っていく
動画でこの図を見る(03:03)力は太さで決まる。でも最初に変わるのは神経
- 最大筋力は生理学的横断面積に比例。長さが決めるのは速度と可動範囲
- 羽状筋は線維が斜めに並ぶので横断面積を稼げ、同じ体積の紡錘状筋より発揮筋力は大きい
- トレーニング初期の伸びは神経系の適応(動員の増加)。太くなるのは後から
③エネルギー供給機構3節
速い順に3つ。反応の段階が少ないほど速い
- ATP-CP系(非乳酸性)—クレアチンリン酸を1段階で分解。最も速いが全力で約10秒
- 解糖系(乳酸性)—糖質を無酸素的に分解。乳酸が生じる。数十秒〜約2分
- 有酸素性機構—酸素を使って完全に分解。β酸化・クエン酸回路はその中の経路(並列の機構ではない)
3つは同時に働く。割合が移っていくだけ
- 3つの機構はスイッチのように切り替わるのではなく、最初から同時に働いている
- 運動が長引くほど有酸素性機構の貢献が増え、無酸素性の貢献が減る
- 「ATP-CP系が枯れてから解糖系が始まる」は誤り
- 安静時のATP再合成を担うのは有酸素性機構(ATP-CP系ではない)
- 運動開始から時間が経つほど、糖質より脂質の利用割合が高まる
- ※帯の高さは割合のイメージです。最大努力では1分すぎに有酸素性の貢献が無酸素性を上回ります
動画でこの図を見る(04:18)1メッツの基準は、座って安静にしている状態
- 1メッツ=座位安静時代謝量に相当する強度。安静臥位ではない
- ふつうの速さの歩行が約3メッツ。メッツ×時間=メッツ・時
④呼吸4節
吸うときは横隔膜が下がる。ガス交換は肺胞
- 吸息=横隔膜が収縮して下がる+外肋間筋が収縮して胸郭が広がる
- 安静時の呼息は筋がゆるんで弾性で戻るだけ。腹筋群・内肋間筋が働くのは努力呼息
- ガス交換の場は肺胞。気管支は通り道。出入りする量は気管の太さでは決まらない
肺循環は、右から出て左に帰る
- 肺循環=右室→肺動脈→肺→肺静脈→左房
- 体循環=左室→大動脈→全身→大静脈→右房
- 動脈・静脈は心臓から出るか/帰るかで決まる。血液の質では決まらない(肺動脈は静脈血)
掛け算ひとつ。単位を直すのを忘れない
心拍数
60拍/分
1回拍出量
70mL
心拍出量
約4.2L/分
- 心拍出量=心拍数×1回拍出量
- 60拍/分×70mL=4,200mL/分=約4.2L/分
- mLのまま答えを選ぶと桁を取り違える
運動中は、消化から筋へ振り替わる
- 安静時は心拍出量の多くが腹部内臓・腎へ。運動中はここへの配分が減る
- 増えるのは活動している骨格筋・皮膚(体温調節)・心筋(冠循環)
⑤強度を上げたとき5節
心拍数は直線的。1回拍出量は途中で頭打ち
- 心拍数は強度の上昇にほぼ比例して直線的に増える。だから強度の目安に使える
- 1回拍出量は最大の手前で頭打ち。心拍出量と換気量は強度とともに増える
- 収縮期血圧は上昇、拡張期血圧はほとんど変わらない
- 簡易推定式は220−年齢。個人差が大きく、自覚的運動強度や実測と併用する
ATは強度の境目。LTとVTはその測り方
- AT(無酸素性作業閾値)=有酸素性だけでは追いつかなくなる境界の強度
- LT=血中乳酸から/VT=呼気ガスから。ATが上位で、LTとVTはATと同義ではない
- ATを超えると、乳酸が緩衝される過程で二酸化炭素が生じ、換気量が不釣り合いに増える
借りるのが入口、返すのが出口
- 酸素借=運動の入口で、酸素摂取量が必要量に追いつくまでに生じた不足分
- 酸素負債=運動の出口で、終わったあとに安静時より多く消費される酸素量
- 最大酸素借が表すのは無酸素性のエネルギー供給能力。全身持久力の指標ではない
- いまは運動後過剰酸素消費(EPOC)。酸素借と同じ量にはならない
運ぶ力×使う力。鍛えると両方が上がる
- 最大酸素摂取量=最大心拍出量×動静脈酸素較差。肺容量が最大の規定要因ではない
- 持久的トレーニングで1回拍出量が増える→安静時心拍数が低下(徐脈化)
- 同一の最大下強度での心拍数も低下。毛細血管密度・ミトコンドリアが増え、最大酸素摂取量が上がる
- 循環血漿量が増える→ヘモグロビン濃度・ヘマトクリットが見かけ上低く出やすい
1回拍出量が増える、を起点に全部つながる
- 起点:持久的トレーニング→心室の容積が増える→1回拍出量が増える
- 1回拍出量が増えると、ここから2つに分かれる
- ・安静時心拍数が低下(徐脈化)/同一の最大下強度での心拍数も低下
- ・最大心拍出量が増える=「運ぶ力」が上がる(徐脈化が原因ではない)
- 骨格筋側:毛細血管密度・ミトコンドリアが増える→動静脈酸素較差が広がる=「使う力」が上がる
- 最大酸素摂取量はこの2つの積なので、両方が上がって増える
- 血液側:循環血漿量が増える→ヘモグロビン濃度・ヘマトクリットが見かけ上低く出る(スポーツ貧血・偽性貧血)
動画でこの図を見る(09:02)この章の要点
- 収縮はアクチンがミオシンの間へ滑り込む。引き金はカルシウム→トロポニン
- 動員は小さい運動単位から、強さは生理学的横断面積、初期の伸びは神経系
- 供給はATP-CP→解糖系→有酸素性の速さ順。3つは同時に働く
- 肺循環は右室→肺動脈→肺→肺静脈→左房。心拍出量=心拍数×1回拍出量
- 最大酸素摂取量=最大心拍出量×動静脈酸素較差。持久トレで安静時心拍数は低下
読んだら、解いて確かめる
聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。
運動生理学を26問で解くOther subjects
健康運動実践指導者の板書(公式テキストの章立て順)。
公式テキストの本文は使っていません。章題とページ数は目次から転記した事実、内容は公的機関の公開資料と教科書水準の一般知識にもとづいています。章ごとの出題数は公表されていません。