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資格のニガテ一問一答
健康運動実践指導者科目模擬試験復習

運動指導の心理学的基礎全15問・正解と解説つき

健康運動実践指導者・ 公式テキスト第5章・ 分量 5%

運動行動に関わる社会・心理・環境的要因、運動の心理的効果とストレス、行動変容技法とHAPA、指導者に必要な資質、ラポール・傾聴と共感・OARS・チェンジトーク、集団指導。

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  1. 行動変容ステージモデルにおいて、「6か月以内に運動を始めるつもりがある」段階はどれか。

    • 1無関心期(前熟考期)
    • 2準備期
    • 3実行期
    • 4維持期
    • 5関心期(熟考期)正解

    Answer

    正解 5:関心期(熟考期)

    行動変容ステージモデルでは、無関心期(6か月以内に行動を変えるつもりがない)、関心期(6か月以内に始めるつもりがある)、準備期(1か月以内に始めるつもりがある、あるいは少しずつ始めている)、実行期(始めてから6か月未満)、維持期(6か月以上継続している)の5段階に分けられる。「6か月以内に始めるつもりがある」は関心期にあたる。ステージによって有効な働きかけが異なるため、相手が今どの段階にいるかを見極めることが指導の出発点になる。

    HINT 6か月以内なら関心期、1か月以内なら準備期。始めて6か月で維持期へ。

  2. 自己効力感(セルフ・エフィカシー)を高める情報源のうち、最も影響が大きいとされるものはどれか。

    • 1自分で実際にやってみて、できた経験(遂行行動の達成)正解
    • 2他人がうまくやっているのを見ること(代理的経験)
    • 3他人から励まされること(言語的説得)
    • 4体調がよいと感じること(生理的・情動的状態)
    • 5専門家の資格を確認すること

    Answer

    正解 1:自分で実際にやってみて、できた経験(遂行行動の達成)

    自己効力感の情報源は、遂行行動の達成(自分でやってできた経験)、代理的経験(他人の成功を見る)、言語的説得(励まされる)、生理的・情動的状態(体調や気分)の4つとされ、このうち最も影響が大きいのは自分自身の成功体験である。だからこそ運動指導では、確実に達成できる小さな目標から始めて成功体験を積ませることが有効になる。「専門家の資格を確認すること」は4つの情報源のいずれにも含まれない。

    HINT 小さくても「できた」が一番効く。だから目標は低めから刻む。

  3. 行動変容技法のうち「刺激統制法」にあたる働きかけはどれか。

    • 1運動した日をカレンダーに印をつけて週末に振り返る
    • 21週間続けられたら好きな映画を観ることにする
    • 3運動着と靴を前夜のうちに玄関へ出しておく正解
    • 4「1回行けなかったらもうだめだ」という考えが浮かんだら言い換える
    • 5一緒に歩く仲間を誘い、励まし合える関係をつくる

    Answer

    正解 3:運動着と靴を前夜のうちに玄関へ出しておく

    刺激統制法は、行動のきっかけとなる刺激を環境の側で操作し、目標とする行動が起こりやすい状態をつくる技法である。運動着と靴を前夜のうちに玄関へ出しておくのは、始めるまでの手間を減らし、目に入ること自体が合図になる典型例にあたる。カレンダーに印をつけて振り返るのはセルフモニタリング、続けられたら映画を観るのはオペラント強化、「1回行けなかったらもうだめだ」のような極端な受け取り方を言い換えるのは認知再構成、仲間をつくるのはソーシャルサポートの活用であり、いずれも刺激統制法ではない。

    HINT やる気ではなく環境をいじる技法。きっかけを目に入る場所へ置く。

  4. 運動の継続を支援する目標設定として、最も適切なものはどれか。

    • 1「毎日必ず1時間走る」という高い目標を立てる
    • 2「健康になる」という大きな目標だけを立てる
    • 3「週2回、20分の速歩を行う」という具体的で達成可能な目標を立てる正解
    • 4「いつか運動を始める」という期限を定めない目標を立てる
    • 5「他の参加者より多く運動する」という他者との比較で目標を立てる

    Answer

    正解 3:「週2回、20分の速歩を行う」という具体的で達成可能な目標を立てる

    目標は「何を・どのくらい・いつ行うか」が具体的で、かつ本人が達成できる水準にあることが、成功体験を積ませるうえで重要になる。「週2回、20分の速歩」はこの条件を満たす。「毎日必ず1時間走る」は運動習慣のない人には高すぎ、達成できない経験が自己効力感を下げる。「健康になる」は具体性がなく達成の判断ができない。「いつか始める」は期限がなく行動に結びつかない。他者との比較を目標に置くと、体力差によって達成が左右され、継続の支えになりにくい。

    HINT 「何を・どのくらい・いつ」が言えて、本人が達成できる水準かどうか。

  5. 運動学習における「結果の知識(KR)」にあたるフィードバックはどれか。

    • 1「ひじが開いていたので体側に近づけましょう」と動き方を伝える
    • 2「腰が反っているので、おへそを引き込みましょう」と姿勢を直す
    • 3「次は3歩目で左右の足を入れかえましょう」と手順を教える
    • 4「よくがんばりましたね」と取り組みをねぎらう
    • 5「10回中7回成功しました」と達成の結果を伝える正解

    Answer

    正解 5:「10回中7回成功しました」と達成の結果を伝える

    運動学習で外から与えられるフィードバックは、課題がどれだけ達成できたかを示す「結果の知識(KR)」と、どのように動いたかを示す「パフォーマンスの知識(KP)」に分けられる。「10回中7回成功しました」は課題の達成結果そのものを伝えているのでKRにあたる。ひじの開きや腰の反りといった動きの形に関する情報はKPである。手順の教示は実施前の指示であり、ねぎらいの言葉は情緒的な働きかけで、どちらもKR・KPのいずれにも当たらない。

    HINT 「どうなったか」がKR、「どう動いたか」がKP。

  6. 運動の継続における「ソーシャルサポート」の例として、最も適切なものはどれか。

    • 1運動用のウェアを新しく購入する
    • 2家族や仲間が一緒に歩いたり、励ましたりする正解
    • 3運動の効果に関する書籍を読む
    • 4スポーツクラブの会費を前払いする
    • 5歩数計で毎日の歩数を記録する

    Answer

    正解 2:家族や仲間が一緒に歩いたり、励ましたりする

    ソーシャルサポートは、周囲の人から得られる支援を指し、一緒に運動する・励ます・送り迎えをするといった行動が該当する。他者が関わっているという事実そのものが継続を支える力になる。ウェアの購入や会費の前払いは環境づくりや心理的なコミットメントの手段、書籍を読むことは知識の獲得、歩数の記録はセルフモニタリングにあたり、いずれも有効な工夫ではあるが他者からの支援ではない。

    HINT 他者が関わっている、という事実そのものが継続を支える。

  7. HAPA(健康行動プロセスアプローチ)の考え方として、正しいものはどれか。

    • 1意図が固まるまでの過程と、意図を行動に移して続ける過程を分け、計画がつなぐと考える正解
    • 2行動を変えてからの経過期間を基準に5つの段階を設け、段階ごとに働きかけを変えると考える
    • 3行動への態度、周囲の期待の受け取り方、実行できそうかの感覚の3つから意図を予測すると考える
    • 4行動した直後に与えられる結果によって、その行動が増えたり減ったりすると考える
    • 5他者が行動している様子を観察して手本とすることで、新しい行動が身につくと考える

    Answer

    正解 1:意図が固まるまでの過程と、意図を行動に移して続ける過程を分け、計画がつなぐと考える

    HAPAはシュワルツァーが提唱した健康行動の理論で、行動の変化を「意図が形成されるまでの過程(動機づけ相)」と「意図を実際の行動に移し、維持する過程(意志相)」の2つに分けて捉える。動機づけ相では危険性の認知・結果への期待・自己効力感が意図の形成を促し、意志相では、いつ・どこで・どのように行うかを決める行動計画と、妨げが生じたときの対処をあらかじめ決めておく対処計画が、意図はあるのに行動に移せないというずれ(意図と行動のギャップ)を埋める役割を果たす。「経過期間を基準に5つの段階を設ける」のは行動変容ステージモデルの説明であり、期間による段階分けはHAPAの枠組みではない。「態度、周囲の期待の受け取り方、実行できそうかの感覚の3つから意図を予測する」のは計画的行動理論の説明で、HAPAは周囲の期待(主観的規範)を構成要素に含めない。「行動した直後に与えられる結果によって行動が増減する」のはオペラント条件づけ、「他者の様子を観察して手本とすることで新しい行動が身につく」のは観察学習(モデリング)の説明であり、いずれもHAPAが示す二段階の過程を述べたものではない。

    HINT 意図をつくるまでと、意図を行動に変えるまで。その橋渡しをするのが計画。

  8. 動機づけ面接で用いられる基本的な面接技術「OARS」の組み合わせとして、正しいものはどれか。

    • 1開かれた質問・是認・聞き返し・具体的な助言
    • 2開かれた質問・是認・ねばり強い説得・要約
    • 3開かれた質問・具体的な指示・聞き返し・要約
    • 4開かれた質問・是認・聞き返し・要約正解
    • 5はい・いいえで答える質問・是認・聞き返し・要約

    Answer

    正解 4:開かれた質問・是認・聞き返し・要約

    OARSは動機づけ面接で用いられる4つの基本技術の頭文字で、Open question(開かれた質問)、Affirming(是認)、Reflective listening(聞き返し)、Summarizing(要約)を指す。開かれた質問は「はい・いいえ」で終わらない問いかけによって相手が自分の言葉で語れるようにするもの、是認は相手の強みや努力、変化につながる行いを認めて言葉にするもの、聞き返しは相手の言ったことを言い換えたり気持ちを汲んで返して理解を確かめるもの、要約はそれまでの話をまとめて現在地とこれから向かう先を共有するものである。「助言」「説得」「指示」を含む組み合わせが誤りなのは、動機づけ面接が指導者の側から正解を示して押すのではなく、相手自身の中にある変わりたい気持ちを引き出す進め方をとるためで、これらはOARSに位置づけられていない。「はい・いいえで答える質問」を含む組み合わせも誤りで、OARSに数えられているのは閉じた質問ではなく開かれた質問である。

    HINT オールズ=開かれた質問・是認・聞き返し・要約。指導者が押す技術は入らない。

  9. 運動指導の面談で対象者が話した次の発言のうち、チェンジトークにあたるものはどれか。

    • 1「階段を使うくらいなら、今日からでもできそうです」正解
    • 2「ジムは家から歩いて5分のところにあります」
    • 3「今のままの生活でも、特に困っていることはありません」
    • 4「前にもジム通いを試しましたが、私には無理だと思います」
    • 5「運動が健康にいいことは、よく耳にしますね」

    Answer

    正解 1:「階段を使うくらいなら、今日からでもできそうです」

    チェンジトークは、変わる方向に向かう考えを本人が自分の言葉で述べた発言を指す。願望(〜したい)、能力(〜できそう)、理由(〜だから変えたい)、必要性(〜しなければ)といった準備の段階の発言と、宣言や具体的な着手、すでに踏み出した行動を表す実行の段階の発言に整理される。「階段を使うくらいなら、今日からでもできそうです」は自分にできそうだという能力についての発言で、チェンジトークにあたる。これに対し「今のままの生活でも、特に困っていることはありません」は変える必要を感じていないことの表明、「前にもジム通いを試しましたが、私には無理だと思います」は自分にはできないという見通しの表明であり、いずれも現状にとどまる方向の発言(維持トーク)である。「ジムは家から歩いて5分のところにあります」は、環境についての説明にとどまり、自分が変わりたい・変われるという本人の意思や見通しを述べたものではないため、チェンジトークには数えない。なお「会員証をもう作った」のように、すでに取った具体的な行動を述べた発言は、実行の段階のチェンジトークにあたる。「運動が健康にいいことは、よく耳にしますね」は一般論の確認にとどまり、自分自身の変化について述べた発言ではない。指導者の役割は、こうした発言を聞き分け、チェンジトークが出たところを是認し聞き返して広げていくことである。

    HINT 自分が変わる方向に向かう、本人自身の言葉かどうか。一般論や「できない」は違う。

  10. 運動指導における「共感」の説明として、最も適切なものはどれか。

    • 1相手の話を聞いて、自分も相手と同じようにつらい気持ちになること
    • 2相手の立場に立ち、相手が感じていることを相手の見方のまま理解しようとすること正解
    • 3相手の考えに賛成し、指導の内容を相手の希望どおりに変えること
    • 4相手の話した内容を、専門的な知識に照らして解釈して説明すること
    • 5相手の困っていることに対し、解決につながる助言をすばやく返すこと

    Answer

    正解 2:相手の立場に立ち、相手が感じていることを相手の見方のまま理解しようとすること

    共感(共感的理解)は、相手の立場に立って、相手が感じていることを相手自身の見方の枠組みのまま理解しようとする態度である。ロジャーズは傾聴が成り立つ条件として、共感的理解、無条件の肯定的関心(善悪や好き嫌いの評価を入れずに聴くこと)、自己一致(聴き手が相手にも自分にも真摯であること)の3つを挙げており、共感はその中心に置かれる。「自分も相手と同じようにつらい気持ちになること」は同情であり、相手の感情に巻き込まれた状態では冷静な支援が難しくなる。共感は「あたかも相手のように」理解することであって、自分が同じ感情に陥ることではない。「相手の考えに賛成し、指導の内容を希望どおりに変えること」は同意であり、理解することと要求をそのまま受け入れることは別である。「専門的な知識に照らして解釈して説明すること」は解釈であり、相手の見方を指導者の枠組みに置き換えている点で共感とは異なる。「解決につながる助言をすばやく返すこと」は助言で、相手が語り終える前に正解を示そうとすると、かえって話す気持ちをそいでしまう。

    HINT 「あたかも相手のように」理解する。同情・同意・解釈・助言とは別のもの。

  11. 集団を対象とした運動指導で、グループダイナミクス(集団力学)が働くことによって期待できることはどれか。

    • 1参加者同士が互いに影響し合い、参加の継続が支えられる正解
    • 2参加者同士が体力を比べ合うことで、体力の低い人ほど強く動機づけられる
    • 3参加者ごとに運動の強度を細かく調整し、それぞれの体力に合わせやすくなる
    • 4指導者が一人の参加者に向き合える時間が増え、動作の修正が行き届く
    • 5参加者の技能の差が縮まり、全員が同じ動作を同じ強度で行えるようになる

    Answer

    正解 1:参加者同士が互いに影響し合い、参加の継続が支えられる

    集団で運動を行うと、参加者同士の励まし合い、他の参加者が続けている様子を見ることによる刺激、その場に居場所があるという所属感といった相互作用が働き、一人で行うよりも参加が続きやすくなる。これが集団指導の大きな利点であり、グループダイナミクスを活かすとは、こうした相互作用が生まれる場をつくることを指す。「体力を比べ合うことで体力の低い人ほど強く動機づけられる」は逆で、比較が前に出ると体力の低い人は劣等感を抱き、参加をやめる方向に向かいやすい。「運動の強度を細かく調整してそれぞれの体力に合わせやすくなる」ことと「指導者が一人の参加者に向き合える時間が増える」ことは、いずれも個別指導の利点であり、集団指導ではむしろ制約となる点である。「技能の差が縮まり全員が同じ動作を同じ強度で行えるようになる」も誤りで、同じ内容を行っても個人差は残るため、指導者は動きの大きさや回数に選択肢を用意し、各自が調整できる幅を持たせる必要がある。

    HINT 集団の強みは、参加者同士が影響し合うこと。細かい個別対応は集団では難しくなる。

  12. 運動を始めて半年の人が、休む日をつくると落ち着かなくなり、膝に痛みが出ても毎日続け、友人との約束も運動を理由に断るようになった。この人への関わりとして最も適切なものはどれか。

    • 1意欲が高まっている時期にあたるため、この機会に運動の時間と頻度をさらに引き上げる計画を一緒に立てる
    • 2運動が生活のどこを押しのけているかを本人と確かめ、休む日を組み込んだ計画に見直す正解
    • 3膝の痛みに合わせて種目を上半身中心に入れ替え、毎日続けるという形はそのまま保つ
    • 4休むことへの不安が出にくいよう、休んだ日は軽い運動に置き換える形を本人と相談して決める
    • 5毎日続けられている記録を回ごとにほめ、今の取り組み方を本人の強みとして伝える

    Answer

    正解 2:運動が生活のどこを押しのけているかを本人と確かめ、休む日を組み込んだ計画に見直す

    休む日をつくると落ち着かなくなる、痛みが出ても毎日続ける、人との約束を運動のために断る、という3つはいずれも、運動が生活を支える手段から、生活を押しのける目的へ入れ替わりつつあることを示す手がかりである。この段階でまず行うのは、運動が仕事や休息や人づきあいのどこをどの程度押しのけているかを本人と確かめ、休む日をあらかじめ組み込んだ計画へ見直すことである。休養日を計画の一部として先に置くと、休むこと自体が約束を外れた状態ではなくなる。「意欲が高まっている時期にあたるため、この機会に運動の時間と頻度をさらに引き上げる計画を一緒に立てる」は、意欲の高さと、やめられなくなっている状態を見分けずに負担を増やす対応で、痛みの悪化と生活のさらなる圧迫につながる。「膝の痛みに合わせて種目を上半身中心に入れ替え、毎日続けるという形はそのまま保つ」は膝への負担は減るが、毎日行わないと落ち着かないという中心の問題が手つかずで残る。「休むことへの不安が出にくいよう、休んだ日は軽い運動に置き換える形を本人と相談して決める」は休むことへの不安に沿った形に見えるが、毎日何かをしていないと落ち着かない状態を温存するため、生活が圧迫される状況も続く。「毎日続けられている記録を回ごとにほめ、今の取り組み方を本人の強みとして伝える」は、いま見直すべき行動そのものを強める働きかけになる。

    HINT やめられなくなっている状態と意欲の高さは別物。生活のどこが押しのけられているかを見る。

  13. 一度転んだ経験のある高齢者が「また転ぶのが怖い」と話し、外出や家事を控えるようになった。この人の運動指導を始めるにあたり、把握しておくべきこととして最も適切なものはどれか。

    • 1歩行速度や筋力の測定値が年齢ごとの基準に届いているかという、体力面での到達の程度
    • 2転んだ日の天候や床の状態といった、その一度の転倒が起きたときの細かな状況
    • 3転ぶことへの恐れの強さと、その恐れで日常の動作や外出の範囲が狭まっている程度正解
    • 4家族が本人に付き添える時間帯と、介助を増やせる余地がどれほどあるか
    • 5本人が今後の運動でどの種目を希望しているかという、種目選びの好み

    Answer

    正解 3:転ぶことへの恐れの強さと、その恐れで日常の動作や外出の範囲が狭まっている程度

    転倒を経験した人が転ぶことへの強い恐れを抱くと、外出や家事を控える方向に向かい、動かない期間が続くことで筋力やバランスが落ち、かえって転びやすくなる。恐れそのものが体力とは別に活動量を下げる要因として働くため、運動指導では、恐れの強さと、その恐れで日常の動作や外出の範囲がどこまで狭まっているかを把握しておく必要がある。「歩行速度や筋力の測定値が年齢ごとの基準に届いているか」は計画づくりに要る情報だが、ここに目を向けているうちは、測定値が基準の範囲にあっても恐れのために動かなくなっている人を見落とす。「転んだ日の天候や床の状態といった、その一度の転倒が起きたときの細かな状況」は住まいの環境を整える手がかりにはなるが、現在の活動の縮小を説明する情報ではない。「家族が本人に付き添える時間帯と、介助を増やせる余地」は支援の設計に関わるものの、介助を増やす方向に進めると本人が自分で動く場面がさらに減り、動かないことによる体力低下を速めることがある。「本人が今後の運動でどの種目を希望しているか」は内容を組む段で確かめることであり、恐れの把握に代わるものではない。

    HINT 恐れそのものが活動を狭める。測定値が基準の範囲でも動かなくなる人がいる。

  14. 「太った体を人に見られるのが嫌で、運動の場に足が向かない」と話す人への関わりとして最も適切なものはどれか。

    • 1体型の測定値を毎回示して、数値が改善していく過程を本人に見てもらう
    • 2どの場面で見られていると感じるのかを尋ね、立つ位置や服装、使う器具を一緒に決める正解
    • 3鏡張りの空間に慣れてもらうため、参加のたびに鏡の前で動作を確認してもらう
    • 4気にしているのは本人だけで、周りは見ていないと伝えて安心してもらう
    • 5体型が気になる間は自宅での運動に切り替え、場に出るのは数値が改善してからにする

    Answer

    正解 2:どの場面で見られていると感じるのかを尋ね、立つ位置や服装、使う器具を一緒に決める

    体型を見られることへの抵抗は、自分の身体に対する否定的な評価と結びついており、その状態で見た目や数値を正面から扱うと抵抗はさらに強まる。まず行うのは、どの場面で見られていると感じるのかを尋ね、立つ位置、服装、使う器具といった具体的な条件を本人と一緒に決めることである。気になる場面は鏡、更衣室、特定の種目など人によって違うため、本人に尋ねて初めて分かる。「体型の測定値を毎回示して、数値が改善していく過程を本人に見てもらう」は、本人がいま避けたい見た目の評価を毎回の場面に組み込むことになる。「鏡張りの空間に慣れてもらうため、参加のたびに鏡の前で動作を確認する」は、慣れを待つあいだに参加そのものが遠のく。「気にしているのは本人だけで、周りは見ていないと伝えて安心してもらう」は、本人が現に感じている体験を指導者の見立てで打ち消すことになり、分かってもらえなかったという受け取りを残すため、足が向かない状態は続く。「体型が気になる間は自宅での運動に切り替え、場に出るのは数値が改善してから」は、避ける形を固定してしまい、数値が思うように動かないあいだは参加の機会が戻らない。

    HINT 気になる場面は人によって違う。本人に尋ねて、場の条件を一緒に決める。

  15. 週3回の運動を約束した人が「1回行けなかった週は、もうだめだと思って残りの2回も行かなくなる」と話した。この人への関わりとして最も適切なものはどれか。

    • 1行けなかったのは意志の弱さが原因だと伝え、強い決意をもう一度固めてもらう
    • 2休んだ分を翌週にまとめて行う計画を立て、遅れを取り戻してもらう
    • 3もうだめだと思う気持ちを受け止め、次の週から3回を目指そうと一緒に確認する
    • 4休んだ日に浮かんだ考えを言葉にしてもらい、通えた回数で振り返る見方を探す正解
    • 5記録には通えた日を書き入れてもらい、休んだ日は空欄のままにしてもらう

    Answer

    正解 4:休んだ日に浮かんだ考えを言葉にしてもらい、通えた回数で振り返る見方を探す

    「1回行けなかったらもうだめだ」という受け取り方は、できたか・できなかったかの二つにしか分けない見方で、1回の休みが取り組み全体の中止につながってしまう。有効なのは、休んだ日に頭に浮かんだ考えを本人に言葉にしてもらい、そのうえで通えた回数という形で振り返る見方を一緒に探すことである。計画の中身を動かす前に、本人の受け取り方そのものを扱う点に意味がある。「行けなかったのは意志の弱さが原因だと伝え、強い決意をもう一度固めてもらう」は原因の見立てが外れており、次に休んだときに自分を責める材料が増えるだけで、二つに分ける見方はそのまま残る。「休んだ分を翌週にまとめて行う計画を立て、遅れを取り戻してもらう」は1週間の負担が偏り、まとめて行えなかったときに同じ受け取り方が繰り返される。「もうだめだと思う気持ちを受け止め、次の週から3回を目指そうと一緒に確認する」は、気持ちを受け止める点では理にかなうが、二つに分ける見方には触れずに回数の約束を立て直しているため、次に1回休んだ時点で同じことが起きる。「記録には通えた日を書き入れてもらい、休んだ日は空欄のままにしてもらう」は、空欄が目に入るたびに欠けた部分へ目が向き、二つに分ける見方をかえって強める。

    HINT 計画を動かす前に、本人の受け取り方を扱う。通えた回数で振り返る。

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