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運動と栄養13問・正解と解説つき

JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)一般科目 ・ 公式テキスト第5章 ・ 分量 14%

栄養の基礎理論、競技力向上のための栄養、一般人の健康増進のための栄養。エネルギー・三大栄養素・水分補給・サプリメント。

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  1. 三大栄養素が1gあたりに供給するエネルギー量の組み合わせとして正しいものはどれか。

    • 1糖質・脂質・たんぱく質はいずれも1gあたり4kcalである
    • 2糖質4kcal・脂質9kcal・たんぱく質4kcal正解
    • 3糖質9kcal・脂質4kcal・たんぱく質4kcal
    • 4糖質4kcal・脂質4kcal・たんぱく質9kcal

    Answer

    正解 2糖質4kcal・脂質9kcal・たんぱく質4kcal

    エネルギー換算係数(アトウォーター係数)では、糖質1gあたり4kcal、脂質1gあたり9kcal、たんぱく質1gあたり4kcalとして計算する。脂質だけが他の2倍以上のエネルギーをもつ点が、食事内容を見積もるうえでの基本になる。「糖質9kcal・脂質4kcal」は糖質と脂質が入れ替わっている。「たんぱく質9kcal」も誤りで、たんぱく質は糖質と同じ4kcalである。「いずれも1gあたり4kcal」は脂質の値が誤っている。

    HINT 脂質だけ9kcal。同じ重さでも脂質を減らすほうがエネルギーを削りやすい理由。

  2. 持久的な運動における筋グリコーゲンの役割として正しいものはどれか。

    • 1貯蔵量は脂質より多く、長時間の運動でも枯渇することはない
    • 2筋のグリコーゲンは血糖の維持のために肝臓へ送り返される
    • 3運動強度が高いほど、糖質より脂質の利用割合が高くなる
    • 4貯蔵量が限られており、枯渇が持久的なパフォーマンスの低下と結びつく正解

    Answer

    正解 4貯蔵量が限られており、枯渇が持久的なパフォーマンスの低下と結びつく

    筋グリコーゲンは貯蔵量が限られており、長時間の運動では枯渇がパフォーマンスの低下と結びつく。試合前の糖質の摂り方が重視されるのはこのためである。「貯蔵量は脂質より多く、長時間の運動でも枯渇することはない」は誤りで、貯蔵量は脂質にくらべてはるかに少ない。「筋のグリコーゲンは血糖の維持のために肝臓へ送り返される」も誤りで、骨格筋にはグルコースとして血中へ放出する酵素がないため、筋グリコーゲンはその筋自身のエネルギー源として使われ、血糖の維持を担うのは肝グリコーゲンである。「運動強度が高いほど、糖質より脂質の利用割合が高くなる」は関係が逆で、強度が高いほど糖質の割合が高くなる。

    HINT 「筋のグリコーゲンは自分専用、肝のグリコーゲンは全身用」。この区別が頻出。

  3. 運動前の食事のとり方として最も適切なものはどれか。

    • 1運動開始の直前に大量の食事をとり、胃を満たしてから始める
    • 2消化に時間のかかる脂質や食物繊維を控え、運動開始までに消化の時間をとる正解
    • 3運動の直前に脂質の多い食事をとり、長時間のエネルギー源を確保する
    • 4運動前は何も摂らないことが望ましく、空腹のまま開始する

    Answer

    正解 2消化に時間のかかる脂質や食物繊維を控え、運動開始までに消化の時間をとる

    運動前の食事では、消化に時間のかかる脂質や食物繊維を控えて糖質を中心にし、運動開始までに消化の時間をとることが基本になる。食直後は消化のために腹部内臓へ血流が向かい、運動時の活動筋への血流と競合するため、消化器症状を起こしやすい。「運動の直前に脂質の多い食事をとり」は、最も消化に時間がかかる選択で適切でない。「運動前は何も摂らないことが望ましく、空腹のまま開始する」も誤りで、長時間の運動では低血糖を招く。「開始の直前に大量の食事をとり、胃を満たしてから始める」も同様に消化器症状の原因になる。

    HINT 血流再配分の話がそのまま実務の助言になる。生理学と現場が直結する論点。

  4. 運動後の栄養補給に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • 1回復のためには時間帯を問わないため、翌日にまとめて摂れば同じ効果が得られる
    • 2糖質とたんぱく質を組み合わせて早めに摂ることで、グリコーゲンの回復と筋の修復が進みやすい正解
    • 3運動後は体重が戻るため、数時間は食事も水分も摂らないほうがよい
    • 4たんぱく質のみを摂れば十分であり、糖質は回復に関与しない

    Answer

    正解 2糖質とたんぱく質を組み合わせて早めに摂ることで、グリコーゲンの回復と筋の修復が進みやすい

    運動後は糖質とたんぱく質を組み合わせて早めに摂ることで、筋グリコーゲンの回復と筋たんぱく質の合成が進みやすくなる。とくに次の運動までの間隔が短い場合、回復の速さが翌日の質を左右する。「体重が戻るため、数時間は食事も水分も摂らない」は誤りで、運動直後の体重減少は主に水分の損失であり補給すべきものである。「たんぱく質のみを摂れば十分であり、糖質は回復に関与しない」も誤りで、グリコーゲンの回復には糖質が要る。「時間帯を問わないため、翌日にまとめて摂れば同じ効果が得られる」も誤りで、回復の過程には時間的な要素がある。

    HINT 「早めに・糖質とたんぱく質を一緒に」。連日練習がある対象者ほど効いてくる。

  5. レジスタンストレーニングを行う者のたんぱく質摂取に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • 1必要量は運動していない者より増えるが、エネルギーが足りていれば食事で満たせることが多い正解
    • 2摂取量を増やすほど筋量は際限なく増加するため、多いほどよい
    • 3サプリメントからの摂取が必須であり、通常の食事では必要量を満たせない
    • 4運動していない者と必要量は変わらないため、増やす必要はない

    Answer

    正解 1必要量は運動していない者より増えるが、エネルギーが足りていれば食事で満たせることが多い

    レジスタンストレーニングを行う者ではたんぱく質の必要量が増えるが、総エネルギー摂取量が確保されていれば通常の食事で満たせることが多い。「摂取量を増やすほど筋量は際限なく増加する」は誤りで、必要量を超えた分が筋の合成に回るわけではない。「サプリメントからの摂取が必須であり、通常の食事では必要量を満たせない」も誤りで、まず食事から確保するのが基本である。「運動していない者と必要量は変わらない」も誤りで、運動による必要量の増加は認められている。なおエネルギーが不足しているとたんぱく質がエネルギー源として使われるため、まず総エネルギーが足りているかを確認する。

    HINT 不足も問題だが「足せば足すほど増える」も誤り。先に総エネルギーを見る。

  6. 運動時の脱水に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • 1脱水が進むと血液量が増えるため、心拍数は低下する
    • 2体重のおよそ2%を超える水分の損失から、持久的なパフォーマンスの低下が現れるとされる正解
    • 3体重のおよそ10%を超える水分の損失まで、パフォーマンスに影響は出ない
    • 4喉の渇きを感じた時点ではまだ体液は失われておらず、そこから補給すれば十分である

    Answer

    正解 2体重のおよそ2%を超える水分の損失から、持久的なパフォーマンスの低下が現れるとされる

    運動時には、体重のおよそ2%を超える水分の損失から持久的なパフォーマンスの低下が現れるとされ、体温調節にも支障が出る。運動前後の体重差が水分の損失量の目安になるため、現場で使いやすい指標である。「体重のおよそ10%を超える水分の損失まで影響は出ない」は誤りで、その水準は生命に関わる重度の脱水にあたる。「喉の渇きを感じた時点ではまだ体液は失われておらず」も誤りで、渇きはすでに失われ始めてから現れるため、渇く前からの補給が勧められる。「脱水が進むと血液量が増えるため、心拍数は低下する」は逆で、血液量が減って心拍数は上昇する。

    HINT 運動前後の体重差がそのまま損失量。現場でいちばん手軽で確かな指標。

  7. 長時間の運動時に用いる飲料の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1糖質の濃度は高いほど吸収が速くなるため、できるだけ濃い飲料を用いる
    • 2冷たい飲料は胃腸に負担をかけるため、必ず体温と同じ温度で摂る
    • 3水分に加えて塩分と糖質を含む飲料を用い、発汗で失われた塩分とエネルギーを補う正解
    • 4水だけを大量に補給すれば、塩分は体内で自然に補われるため問題ない

    Answer

    正解 3水分に加えて塩分と糖質を含む飲料を用い、発汗で失われた塩分とエネルギーを補う

    長時間の運動では発汗により水分だけでなく塩分も失われるため、塩分と糖質を含む飲料を用いて両方を補うのが基本になる。糖質はエネルギー源となるとともに、水分の吸収も助ける。「水だけを大量に補給すれば、塩分は体内で自然に補われる」は誤りで、水だけを大量に摂ると血液中のナトリウム濃度が薄まり、低ナトリウム血症を招くおそれがある。「糖質の濃度は高いほど吸収が速くなる」も誤りで、濃度が高すぎると胃からの排出が遅くなり吸収が妨げられる。「必ず体温と同じ温度で摂る」も誤りで、適度に冷えた飲料のほうが体温の上昇を抑えるうえでも有利とされる。

    HINT 「水だけ大量」が危ない、という点が要点。長時間になるほど塩分の有無が効いてくる。

  8. 運動を行う者にみられる鉄欠乏性貧血の背景として、最も適切なものはどれか。

    • 1運動によって赤血球の産生が完全に停止すること
    • 2運動によって血液量が減少し、ヘモグロビン濃度が見かけ上低下すること
    • 3発汗による損失、赤血球の破壊、需要の増加に対して鉄の摂取が追いつかないこと正解
    • 4鉄の摂取量が過剰になり、体内で鉄の吸収が抑制されること

    Answer

    正解 3発汗による損失、赤血球の破壊、需要の増加に対して鉄の摂取が追いつかないこと

    運動を行う者では、発汗による鉄の損失、着地の衝撃などによる赤血球の破壊、赤血球の産生に伴う需要の増加が重なり、摂取が追いつかないと鉄欠乏性貧血が起こりやすくなる。とくに月経のある女性や成長期では注意を要する。「鉄の摂取量が過剰になり」は方向が逆である。「赤血球の産生が完全に停止する」は誤りで、産生はむしろ亢進する。「血液量が減少し、ヘモグロビン濃度が見かけ上低下する」も誤りで、持久的トレーニングでは血漿量が増えてヘモグロビン濃度が見かけ上下がることはあるが、それは希釈によるもので鉄欠乏性貧血とは区別される。

    HINT 持久系の女性選手では特に頻度が高い。疲れやすさの訴えがあれば医療機関へつなぐ判断材料になる。

  9. 減量を目的とする対象者への栄養と運動の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

    • 1エネルギー摂取の調整とレジスタンス運動を併用し、除脂肪量の減少を抑える正解
    • 2食事制限のみで減量したほうが、除脂肪量は保たれやすい
    • 3減量中はたんぱく質の摂取を減らし、総エネルギーを大きく削る
    • 4運動のみで減量し、食事の内容は変更しない

    Answer

    正解 1エネルギー摂取の調整とレジスタンス運動を併用し、除脂肪量の減少を抑える

    減量では、エネルギー摂取の調整とレジスタンス運動を併用することで、体脂肪を減らしつつ除脂肪量の減少を抑えやすくなる。除脂肪量が保たれれば安静時代謝の低下を抑えられ、体重が戻りにくくなる。「食事制限のみで減量したほうが、除脂肪量は保たれやすい」は逆で、食事制限のみでは筋量も減りやすい。「減量中はたんぱく質の摂取を減らし」も誤りで、除脂肪量を保つうえでたんぱく質の確保は重要である。「運動のみで減量し、食事の内容は変更しない」も、運動だけでエネルギー収支を大きく動かすのは難しく、現実的でない。

    HINT 目的は「体重を減らす」ではなく「体脂肪を減らす」。だから併用が要る。

  10. 利用可能エネルギー不足(運動量に見合うエネルギーが摂れていない状態)が続いたときに生じうる問題として、最も適切な組み合わせはどれか。

    • 1月経の異常と骨密度の低下、パフォーマンスの低下正解
    • 2月経の異常と骨密度の上昇、筋量の増加
    • 3体脂肪率の上昇と血圧の上昇、関節可動域の拡大
    • 4赤血球数の増加と安静時心拍数の上昇

    Answer

    正解 1月経の異常と骨密度の低下、パフォーマンスの低下

    運動量に見合うエネルギーが摂れていない状態が続くと、内分泌の変化を通じて月経の異常(無月経など)が生じ、エストロゲンの低下を介して骨密度の低下につながる。あわせて回復が進まずパフォーマンスも低下する。この連鎖は女性に限らず男性でも問題になることが知られている。「骨密度の上昇、筋量の増加」は起こる変化と逆である。「体脂肪率の上昇と血圧の上昇、関節可動域の拡大」は、エネルギー不足の帰結として説明できない。「赤血球数の増加」も、鉄の不足を伴えばむしろ低下する方向である。

    HINT 起点は「食べる量が足りない」こと。減量指導では月経と骨の両方に目を配る。

  11. サプリメントの扱いに関する指導として最も適切なものはどれか。

    • 1食品に分類されるため、競技者が用いてもドーピングの問題は生じない
    • 2効果が科学的に確認されていない製品でも、本人が希望すれば積極的に勧めてよい
    • 3食事で不足する分を補う位置づけとし、競技者には禁止物質の混入の可能性を伝える正解
    • 4食事より吸収が優れているため、食事に代えてサプリメントを中心に据える

    Answer

    正解 3食事で不足する分を補う位置づけとし、競技者には禁止物質の混入の可能性を伝える

    サプリメントは食事で不足する分を補う位置づけであり、基本は食事から必要な栄養を摂ることにある。加えて競技に参加する者には、成分表示にない物質が混入する例が知られていることを伝え、使用前の確認を促す必要がある。「食事より吸収が優れているため、食事に代えて中心に据える」は位置づけを取り違えている。「食品に分類されるため、ドーピングの問題は生じない」は誤りで、意図せず摂取した場合でも責任を問われうる。「効果が科学的に確認されていない製品でも、本人が希望すれば積極的に勧めてよい」も、根拠に基づく指導という立場から適切でない。

    HINT 「知らずに摂った」でも責任は問われる。競技者には事前の確認を促すのが指導者の役割。

  12. 骨の健康を保つうえで重要な栄養素と運動の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

    • 1たんぱく質の摂取を控え、水中運動を中心に行う
    • 2ビタミンCの摂取のみで足り、荷重のかかる運動は避ける
    • 3カルシウムとビタミンDの摂取に加え、骨に荷重や衝撃が加わる運動を行う正解
    • 4カルシウムの摂取のみで足り、運動の種類は骨には影響しない

    Answer

    正解 3カルシウムとビタミンDの摂取に加え、骨に荷重や衝撃が加わる運動を行う

    骨の健康には、材料となるカルシウムと、その吸収を助けるビタミンDの摂取に加えて、骨に荷重や衝撃という力学的な刺激が加わる運動が有効である。「カルシウムの摂取のみで足り、運動の種類は骨には影響しない」は、力学的な刺激という要素を落としている。「たんぱく質の摂取を控え、水中運動を中心に行う」も誤りで、たんぱく質は骨の基質に必要であり、水中運動は浮力により骨への刺激が小さい。「ビタミンCの摂取のみで足り、荷重のかかる運動は避ける」も誤りで、ビタミンCはコラーゲンの合成に関わるが単独では足りず、荷重を避けると骨への刺激が得られない。

    HINT 水中運動は関節にやさしいが骨にはやさしすぎる。目的によって種目を使い分ける。

  13. 増量(除脂肪量の増加)を目的とする対象者への助言として最も適切なものはどれか。

    • 1エネルギー摂取量を消費量と等しく保てば、トレーニングだけで除脂肪量は増える
    • 2たんぱく質さえ十分に摂れば、総エネルギーが不足していても除脂肪量は増える
    • 3短期間で大幅にエネルギー摂取を増やすほど、体脂肪を増やさずに除脂肪量だけが増える
    • 4レジスタンストレーニングを行いつつ、消費量をやや上回るエネルギーとたんぱく質を確保する正解

    Answer

    正解 4レジスタンストレーニングを行いつつ、消費量をやや上回るエネルギーとたんぱく質を確保する

    除脂肪量を増やすには、レジスタンストレーニングによる刺激と、消費量をやや上回るエネルギー、そして材料となるたんぱく質の確保がそろう必要がある。「エネルギー摂取量を消費量と等しく保てば、トレーニングだけで除脂肪量は増える」は、合成に要する分のエネルギーを見込んでいない。「たんぱく質さえ十分に摂れば、総エネルギーが不足していても除脂肪量は増える」も誤りで、エネルギーが不足すればたんぱく質はエネルギー源として使われてしまう。「短期間で大幅にエネルギー摂取を増やすほど、体脂肪を増やさずに除脂肪量だけが増える」も誤りで、余剰が大きいほど体脂肪の増加が目立つ。

    HINT 「刺激・材料・余剰」の3つが揃って初めて増える。どれか1つ欠けると伸びない。

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