運動と栄養全34問・正解と解説つき
JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)一般科目・ 公式テキスト第5章・ 分量 14%
栄養の基礎理論、競技力向上のための栄養、一般人の健康増進のための栄養。エネルギー・三大栄養素・水分補給・サプリメント。
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- Q01#jg-nt-001
階級制の競技者が、除脂肪量をできるだけ保ちながら短期間で摂取エネルギーを大きく削りたいとき、優先して減らすべき栄養素として最も適切なものはどれか。
- 1たんぱく質は減らすほど体重が素早く落ちるため、真っ先に減らすのが合理的である
- 2脂質は同じ重量でも他の栄養素よりエネルギーが著しく高いため、減らすと効率がよい正解
- 3糖質は三大栄養素の中でエネルギーが最も高いため、優先して減らすのが合理的である
- 4三大栄養素はどれも同じ重さあたりのエネルギーをもつため、どれを減らしても差はない
Answer
正解 2:脂質は同じ重量でも他の栄養素よりエネルギーが著しく高いため、減らすと効率がよい
三大栄養素のエネルギー量は、糖質・たんぱく質が同じ重さあたりで近い値であるのに対し、脂質はそれらより著しく高い。除脂肪量に関わるたんぱく質の摂取を保ちながら短期間でエネルギー摂取を大きく削りたい場合、脂質を優先して減らすほうが、少ない摂取量の変化で大きくエネルギーを削ることができる。「たんぱく質は減らすほど体重が素早く落ちるため、真っ先に減らすのが合理的である」は誤りで、たんぱく質を削ると除脂肪量の減少を招きやすい。「糖質は三大栄養素の中でエネルギーが最も高いため、優先して減らすのが合理的である」は誤りで、エネルギー量が最も高いのは脂質である。「三大栄養素はどれも同じ重さあたりのエネルギーをもつため、どれを減らしても差はない」も誤りで、脂質だけが際立って高い値をもつ。
HINT 同じグラム数を削るなら、いちばんエネルギー密度が高い栄養素を削るのが効率的。
- Q02#jg-nt-002
持久的な運動における筋グリコーゲンの役割として正しいものはどれか。
- 1貯蔵量が限られており、枯渇が持久的なパフォーマンスの低下と結びつく正解
- 2貯蔵量は脂質より多く、長時間の運動でも枯渇することはない
- 3筋のグリコーゲンは血糖の維持のために肝臓へ送り返される
- 4運動強度が高いほど、糖質より脂質の利用割合が高くなる
Answer
正解 1:貯蔵量が限られており、枯渇が持久的なパフォーマンスの低下と結びつく
筋グリコーゲンは貯蔵量が限られており、長時間の運動では枯渇がパフォーマンスの低下と結びつく。試合前の糖質の摂り方が重視されるのはこのためである。「貯蔵量は脂質より多く、長時間の運動でも枯渇することはない」は誤りで、貯蔵量は脂質にくらべてはるかに少ない。「筋のグリコーゲンは血糖の維持のために肝臓へ送り返される」も誤りで、骨格筋にはグルコースとして血中へ放出する酵素がないため、筋グリコーゲンはその筋自身のエネルギー源として使われ、血糖の維持を担うのは肝グリコーゲンである。「運動強度が高いほど、糖質より脂質の利用割合が高くなる」は関係が逆で、強度が高いほど糖質の割合が高くなる。
HINT 「筋のグリコーゲンは自分専用、肝のグリコーゲンは全身用」。この区別が頻出。
- Q03#jg-nt-003
持久系の試合を翌日に控えた選手が行う『グリコーゲンローディング』の目的として正しいものはどれか。
- 1試合直前に脂質を大量に摂取し、体脂肪をエネルギー源として使える状態にしておくこと
- 2試合前日に運動量を増やし、あらかじめグリコーゲンを使い切っておくこと
- 3水分摂取を控えて体重を落とし、試合の階級に間に合わせること
- 4試合前に運動量を落として糖質の比率を高め、筋グリコーゲンを通常より多く蓄えておくこと正解
Answer
正解 4:試合前に運動量を落として糖質の比率を高め、筋グリコーゲンを通常より多く蓄えておくこと
グリコーゲンローディングは、試合が近づくにつれて運動量(トレーニング量)を落としながら糖質の摂取比率を高めることで、筋グリコーゲンの貯蔵量を通常より多く蓄え、持久系の試合で枯渇を遅らせることを目的とする。「試合直前に脂質を大量に摂取し、体脂肪をエネルギー源として使える状態にしておくこと」は誤りで、グリコーゲンローディングの狙いは糖質の貯蔵であり脂質ではない。「試合前日に運動量を増やし、あらかじめグリコーゲンを使い切っておくこと」も誤りで、運動量を増やせば貯蔵はむしろ減る。「水分摂取を控えて体重を落とし、試合の階級に間に合わせること」も誤りで、これは階級制競技の減量に関わる別の話であり、グリコーゲンローディングの目的ではない。
HINT 試合前は運動量を『落として』糖質を『増やす』。両方が揃って初めて貯蔵が増える。
- Q04#jg-nt-004
運動後の栄養補給に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1回復のためには時間帯を問わないため、翌日にまとめて摂れば同じ効果が得られる
- 2運動後は体重が戻るため、数時間は食事も水分も摂らないほうがよい
- 3糖質とたんぱく質を組み合わせて早めに摂ることで、グリコーゲンの回復と筋の修復が進みやすい正解
- 4回復に重要なのはたんぱく質で、糖質は運動の前にだけ意味をもつ
Answer
正解 3:糖質とたんぱく質を組み合わせて早めに摂ることで、グリコーゲンの回復と筋の修復が進みやすい
運動後は糖質とたんぱく質を組み合わせて早めに摂ることで、筋グリコーゲンの回復と筋たんぱく質の合成が進みやすくなる。とくに次の運動までの間隔が短い場合、回復の速さが翌日の質を左右する。「体重が戻るため、数時間は食事も水分も摂らない」は誤りで、運動直後の体重減少は主に水分の損失であり補給すべきものである。「回復に重要なのはたんぱく質で、糖質は運動の前にだけ意味をもつ」も誤りで、運動で減った筋グリコーゲンを戻すには運動後の糖質が要る。「時間帯を問わないため、翌日にまとめて摂れば同じ効果が得られる」も誤りで、回復の過程には時間的な要素がある。
HINT 「早めに・糖質とたんぱく質を一緒に」。連日練習がある対象者ほど効いてくる。
- Q05#jg-nt-005
レジスタンストレーニングを行う競技者のたんぱく質摂取の分配として、筋たんぱく質合成の観点から最も適切なものはどれか。
- 11日の必要量を数回の食事に分けて摂り、トレーニング後にもたんぱく質を摂る正解
- 21日の必要量を1回の食事にまとめて摂ったほうが、分配して摂るより筋たんぱく質合成が高まる
- 3トレーニング直後は消化の負担を避けるため、数時間はたんぱく質の摂取を控える
- 4たんぱく質は摂取するタイミングにかかわらず、1日の総量だけが筋たんぱく質合成を決める
Answer
正解 1:1日の必要量を数回の食事に分けて摂り、トレーニング後にもたんぱく質を摂る
筋たんぱく質合成は一度に大量に摂取しても頭打ちになりやすいため、1日の必要量を3〜4回程度の食事におおむね均等に分配し、トレーニング後の食事でもたんぱく質を摂ることで、1日を通じて合成が刺激される時間帯を増やせる。「1日の必要量を1回の食事にまとめて摂ったほうが、分配して摂るより筋たんぱく質合成が高まる」は誤りで、一度に利用できる量には上限があり、まとめ摂りは分配摂取より効率が劣る。「トレーニング直後は消化の負担を避けるため、数時間はたんぱく質の摂取を控える」も誤りで、トレーニング後の摂取を遅らせる理由はなく、むしろ早めの摂取が望ましいとされる。「たんぱく質は摂取するタイミングにかかわらず、1日の総量だけが筋たんぱく質合成を決める」も誤りで、総量に加えて摂取の分配も合成量に関わる。
HINT 『1日の合計』だけでなく『何回に分けて摂ったか』も効いてくる。まとめ摂りは効率が落ちる。
- Q06#jg-nt-006
運動時の脱水に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1脱水が進むと血液量が増えるため、心拍数は低下する
- 2体重のおよそ10%を超える水分の損失まで、パフォーマンスに影響は出ない
- 3体重のおよそ2%を超える水分の損失から、パフォーマンスの低下が現れる正解
- 4喉の渇きを感じた時点ではまだ体液は失われておらず、そこから補給すれば十分である
Answer
正解 3:体重のおよそ2%を超える水分の損失から、パフォーマンスの低下が現れる
運動時には、体重のおよそ2%を超える水分の損失から持久的なパフォーマンスの低下が現れるとされ、体温調節にも支障が出る。運動前後の体重差が水分の損失量の目安になるため、現場で使いやすい指標である。「体重のおよそ10%を超える水分の損失まで影響は出ない」は誤りで、その水準は生命に関わる重度の脱水にあたる。「喉の渇きを感じた時点ではまだ体液は失われておらず」も誤りで、渇きはすでに失われ始めてから現れるため、渇く前からの補給が勧められる。「脱水が進むと血液量が増えるため、心拍数は低下する」は逆で、血液量が減って心拍数は上昇する。
HINT 運動前後の体重差がそのまま損失量。現場でいちばん手軽で確かな指標。
- Q07#jg-nt-007
長時間の運動時に用いる飲料の考え方として最も適切なものはどれか。
- 1糖質の濃度は高いほど吸収が速くなるため、できるだけ濃い飲料を用いる
- 2冷たい飲料は胃腸に負担をかけるため、必ず体温と同じ温度で摂る
- 3水分に加えて塩分と糖質を含む飲料を用い、塩分とエネルギーを補う正解
- 4水だけを大量に補給すれば、塩分は体内で自然に補われるため問題ない
Answer
正解 3:水分に加えて塩分と糖質を含む飲料を用い、塩分とエネルギーを補う
長時間の運動では発汗により水分だけでなく塩分も失われるため、塩分と糖質を含む飲料を用いて両方を補うのが基本になる。糖質はエネルギー源となるとともに、水分の吸収も助ける。「水だけを大量に補給すれば、塩分は体内で自然に補われる」は誤りで、水だけを大量に摂ると血液中のナトリウム濃度が薄まり、低ナトリウム血症を招くおそれがある。「糖質の濃度は高いほど吸収が速くなる」も誤りで、濃度が高すぎると胃からの排出が遅くなり吸収が妨げられる。「必ず体温と同じ温度で摂る」も誤りで、適度に冷えた飲料のほうが体温の上昇を抑えるうえでも有利とされる。
HINT 「水だけ大量」が危ない、という点が要点。長時間になるほど塩分の有無が効いてくる。
- Q08#jg-nt-008
運動を行う者にみられる鉄欠乏性貧血の背景として、最も適切なものはどれか。
- 1運動によって赤血球の産生が完全に停止すること
- 2発汗や需要増加に鉄の摂取が不足すること正解
- 3運動によって血液量が減少し、ヘモグロビン濃度が見かけ上低下すること
- 4鉄の摂取量が過剰になり、体内で鉄の吸収が抑制されること
Answer
正解 2:発汗や需要増加に鉄の摂取が不足すること
運動を行う者では、発汗による鉄の損失、着地の衝撃などによる赤血球の破壊、赤血球の産生に伴う需要の増加が重なり、摂取が追いつかないと鉄欠乏性貧血が起こりやすくなる。とくに月経のある女性や成長期では注意を要する。「鉄の摂取量が過剰になり」は方向が逆である。「赤血球の産生が完全に停止する」は誤りで、産生はむしろ亢進する。「血液量が減少し、ヘモグロビン濃度が見かけ上低下する」も誤りで、持久的トレーニングでは血漿量が増えてヘモグロビン濃度が見かけ上下がることはあるが、それは希釈によるもので鉄欠乏性貧血とは区別される。
HINT 持久系の女性選手では特に頻度が高い。疲れやすさの訴えがあれば医療機関へつなぐ判断材料になる。
- Q09#jg-nt-009
階級制競技の選手が試合前に行う『水抜き』(急激な脱水による減量)に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1体重が一時的に落ちるだけであり、速やかな再水分補給と回復が必要になる正解
- 2水抜きで落ちた体重の大半は体脂肪であり、そのまま試合に臨んでも問題はない
- 3脱水によるパフォーマンス低下は一時的なものにすぎず、計量から試合開始までの時間は考慮しなくてよい
- 4体が軽くなる分だけ動きが鋭くなるので、試合直前まで水分を控えて過ごすのがよい
Answer
正解 1:体重が一時的に落ちるだけであり、速やかな再水分補給と回復が必要になる
水抜きによる体重減少は主に体内の水分によるものであり、体脂肪や除脂肪量が減っているわけではない。脱水は筋力・持久力・集中力などのパフォーマンスを低下させるため、計量後は速やかな再水分補給と栄養補給、そして試合開始までの回復の計画が欠かせない。「水抜きで落ちた体重の大半は体脂肪であり、そのまま試合に臨んでも問題はない」は誤りで、落ちているのは主に水分である。「脱水によるパフォーマンス低下は一時的なものにすぎず、計量から試合開始までの時間は考慮しなくてよい」も誤りで、計量から試合開始までにどれだけ回復させられるかが実際のパフォーマンスを左右する。「体が軽くなる分だけ動きが鋭くなるので、試合直前まで水分を控えて過ごすのがよい」も誤りで、脱水は筋力・持久力・集中力を低下させるため、体重が軽くなっても動きは鋭くならない。
HINT 計量で落ちた体重は『水』。試合までにどれだけ戻せるかで、その日のパフォーマンスが決まる。
- Q10#jg-nt-010
練習量に見合うエネルギーが摂れていない疑いのある選手に対して、指導者がまず行うべき対応として最も適切なものはどれか。
- 1体重が基準の範囲にあるので問題はないと判断し、練習量をそのまま維持する
- 2本人の申告を待たず、練習量を一方的に大きく減らして経過を見る
- 3パフォーマンスが落ちていなければ、エネルギー摂取の確認は不要である
- 4エネルギー摂取や月経、既往を確認し、自己判断で済ませず専門職へつなぐ正解
Answer
正解 4:エネルギー摂取や月経、既往を確認し、自己判断で済ませず専門職へつなぐ
利用可能エネルギー不足が疑われる場合、指導者はまずエネルギー摂取の状況や月経の異常、疲労骨折などの既往を本人に確認し、指導者だけの自己判断で済ませず、医療・栄養の専門職へつなぐことが重要である。「体重が基準の範囲にあるので問題はないと判断し、練習量をそのまま維持する」は誤りで、体重が基準内でもエネルギー不足は起こりうる。「本人の申告を待たず、練習量を一方的に大きく減らして経過を見る」も誤りで、本人の状況を確認せずに一方的に対応することは適切でない。「パフォーマンスが落ちていなければ、エネルギー摂取の確認は不要である」も誤りで、パフォーマンスへの影響が現れる前から月経異常や骨密度の低下が進んでいることがある。
HINT 体重やパフォーマンスが『正常に見える』ことは、エネルギー不足がないことの証明にはならない。
- Q11#jg-nt-011
サプリメントの扱いに関する指導として最も適切なものはどれか。
- 1食品に分類されるため、競技者が用いてもドーピングの問題は生じない
- 2食事で不足する分を補う位置づけとし、競技者には禁止物質の混入を伝える正解
- 3効果が科学的に確認されていない製品でも、本人が希望すれば積極的に勧めてよい
- 4食事より吸収が優れているため、食事に代えてサプリメントを中心に据える
Answer
正解 2:食事で不足する分を補う位置づけとし、競技者には禁止物質の混入を伝える
サプリメントは食事で不足する分を補う位置づけであり、基本は食事から必要な栄養を摂ることにある。加えて競技に参加する者には、成分表示にない物質が混入する例が知られていることを伝え、使用前の確認を促す必要がある。「食事より吸収が優れているため、食事に代えて中心に据える」は位置づけを取り違えている。「食品に分類されるため、ドーピングの問題は生じない」は誤りで、意図せず摂取した場合でも責任を問われうる。「効果が科学的に確認されていない製品でも、本人が希望すれば積極的に勧めてよい」も、根拠に基づく指導という立場から適切でない。
HINT 「知らずに摂った」でも責任は問われる。競技者には事前の確認を促すのが指導者の役割。
- Q12#jg-nt-012
長距離走を高頻度で行う選手に、疲労骨折の予防として指導する内容はどれか。
- 1疲労骨折は骨の強さとは無関係に起こるため、走行距離を減らしても予防効果はない
- 2急な走行距離の増加を避け、カルシウムとビタミンDの確保を含め管理する正解
- 3痛みが軽ければ運動を継続しても骨への影響はなく、休養の必要はない
- 4水中でのランニングに完全に切り替えれば、骨密度は陸上と同じ速さで高まる
Answer
正解 2:急な走行距離の増加を避け、カルシウムとビタミンDの確保を含め管理する
疲労骨折は、骨に加わる繰り返しの負荷が骨の適応を上回ったときに起こりやすく、走行距離を短期間で急に増やすことが主な危険因子の一つとされる。カルシウムとビタミンDの摂取を確保することも、骨の適応を支えるうえで欠かせない。「疲労骨折は骨の強さとは無関係に起こるため、走行距離を減らしても予防効果はない」は誤りで、負荷量の管理は予防に直結する。「痛みが軽ければ運動を継続しても骨への影響はなく、休養の必要はない」も誤りで、軽い痛みは骨のストレス反応の初期兆候であることがある。「水中でのランニングに完全に切り替えれば、骨密度は陸上と同じ速さで高まる」も誤りで、水中運動は骨への荷重刺激が小さく、骨密度の向上という点では陸上での運動に劣る。
HINT 疲労骨折は『いきなり増やした』ときに起こりやすい。距離の伸ばし方そのものが予防策になる。
- Q13#jg-nt-013
増量(除脂肪量の増加)を目的とする対象者への助言として最も適切なものはどれか。
- 1レジスタンストレーニングを続け、消費量をやや上回るエネルギーとたんぱく質を摂る正解
- 2エネルギー摂取量を消費量と等しく保てば、トレーニングだけで除脂肪量は増える
- 3たんぱく質さえ十分に摂れば、総エネルギーが不足していても除脂肪量は増える
- 4短期間で大幅にエネルギー摂取を増やすほど、体脂肪を増やさずに除脂肪量だけが増える
Answer
正解 1:レジスタンストレーニングを続け、消費量をやや上回るエネルギーとたんぱく質を摂る
除脂肪量を増やすには、レジスタンストレーニングによる刺激と、消費量をやや上回るエネルギー、そして材料となるたんぱく質の確保がそろう必要がある。「エネルギー摂取量を消費量と等しく保てば、トレーニングだけで除脂肪量は増える」は、合成に要する分のエネルギーを見込んでいない。「たんぱく質さえ十分に摂れば、総エネルギーが不足していても除脂肪量は増える」も誤りで、エネルギーが不足すればたんぱく質はエネルギー源として使われてしまう。「短期間で大幅にエネルギー摂取を増やすほど、体脂肪を増やさずに除脂肪量だけが増える」も誤りで、余剰が大きいほど体脂肪の増加が目立つ。
HINT 「刺激・材料・余剰」の3つが揃って初めて増える。どれか1つ欠けると伸びない。
- Q14#jg-nt-014
レジスタンストレーニングを行う競技者がエネルギー制限下で減量を進める場合、除脂肪量を保つためのたんぱく質摂取に関する助言として最も適切なものはどれか。
- 1通常時と同じ量のたんぱく質摂取を続けていれば、除脂肪量は十分に保たれるとされる
- 2除脂肪量を保つには、通常時より多い量のたんぱく質を摂取することが有効とされる正解
- 3たんぱく質を控えめにして糖質を増やせば、除脂肪量を保ったまま体脂肪だけを落とせる
- 4除脂肪量の多い競技者ほど、必要な摂取量はかえって少なくなるとされる
Answer
正解 2:除脂肪量を保つには、通常時より多い量のたんぱく質を摂取することが有効とされる
エネルギー摂取が不足する状況では、体はたんぱく質をエネルギー源としても使いやすくなり、通常量のままでは除脂肪量が失われやすい。そのため減量期には、通常時より多い量のたんぱく質を摂取することで除脂肪量を保ちやすくなるとされる。「通常時と同じ量のたんぱく質摂取を続けていれば、除脂肪量は十分に保たれるとされる」は誤りで、エネルギー不足の程度に応じて必要量は増える。「たんぱく質を控えめにして糖質を増やせば、除脂肪量を保ったまま体脂肪だけを落とせる」も誤りで、エネルギーが不足している状況でたんぱく質を減らせば、守りたい除脂肪量のほうが先に失われやすくなる。「除脂肪量の多い競技者ほど、必要な摂取量はかえって少なくなるとされる」も誤りで、除脂肪量の多い者ほど摂取量の必要性は高まる。
HINT エネルギーが足りない状況では、たんぱく質の必要量はむしろ増える方向に動く。
- Q15#jg-nt-015
試合まで数時間ある場面で摂る食事の内容として最も適切なものはどれか。
- 1固形物を一切摂らず、水分の摂取だけで試合開始まで過ごすようにする
- 2空腹による不安を避けるため、量を決めずに食べたいだけ食べておく
- 3消化に時間のかかる脂質や食物繊維の多い食品は控え、食べ慣れた糖質中心の食事にする正解
- 4消化に時間のかかる脂質や食物繊維の多い、目新しい食品をこの機会に積極的に試しておく
Answer
正解 3:消化に時間のかかる脂質や食物繊維の多い食品は控え、食べ慣れた糖質中心の食事にする
試合まで数時間ある場面での食事は、消化に時間のかかる脂質や食物繊維の多い食品を控え、食べ慣れた糖質中心の内容にすることで、試合開始までに胃の中を空にしやすく、エネルギー源の確保にもつながる。「固形物を一切摂らず、水分の摂取だけで試合開始まで過ごすようにする」は誤りで、エネルギー源が不足し試合中のパフォーマンスに影響する。「空腹による不安を避けるため、量を決めずに食べたいだけ食べておく」も誤りで、量が多すぎると消化が試合開始までに終わらない。「消化に時間のかかる脂質や食物繊維の多い、目新しい食品をこの機会に積極的に試しておく」も誤りで、消化に時間がかかるうえ、慣れない食品は体調不良を招く危険がある。
HINT 試合前の食事は「消化にかかる時間」から逆算して内容を決める。
- Q16#jg-nt-016
カフェインの持久的パフォーマンスへの影響とドーピング規則上の位置づけに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1世界アンチ・ドーピング機構によって、いかなる競技会であっても例外なく使用が全面的に禁止されている物質である
- 2世界アンチ・ドーピング機構の禁止物質ではなく、監視プログラムの対象とされている正解
- 3パフォーマンスへの影響はこれまで一度も確認されておらず、単なる嗜好品として扱われているにすぎない
- 4運動の直後に摂るほど効き目が強まるとされ、運動の前に摂る意味はないとされている
Answer
正解 2:世界アンチ・ドーピング機構の禁止物質ではなく、監視プログラムの対象とされている
カフェインは持久的な運動における疲労感の軽減やパフォーマンス向上に関わる知見が積み重ねられており、体重あたり一定量を運動前に摂取することで効果が期待できるとされる。世界アンチ・ドーピング機構の禁止表には含まれておらず、過去に禁止物質であった経緯から現在は監視プログラムの対象として扱われている。「世界アンチ・ドーピング機構によって、いかなる競技会であっても例外なく使用が全面的に禁止されている物質である」は誤りで、現在は禁止されていない。「パフォーマンスへの影響はこれまで一度も確認されておらず、単なる嗜好品として扱われているにすぎない」も誤りで、パフォーマンスへの影響は多くの研究で示されている。「運動の直後に摂るほど効き目が強まるとされ、運動の前に摂る意味はないとされている」も誤りで、持久的パフォーマンスを狙う場合は運動の前に摂るのが基本であり、直後に摂るほど効き目が強まるという関係も示されていない。
HINT 「昔は禁止、今は監視」。世界アンチ・ドーピング機構との関係の変化を押さえる。
- Q17#jg-nt-017
体組成の改善を目的として長期的に減量を進める競技者の、減量ペースの考え方として最も適切なものはどれか。
- 1毎日きっちり同じ量のエネルギーを削り続け、体重の変化そのものには特に注意を払わない
- 2目標達成を急ぐため、ペースの上限を設けずにできるだけ速く進める
- 31週間のうちに体重のおよそ10%を落とすペースを目安として、短期間で一気に仕上げる
- 4体重の減少ペースは急がず、週あたり0.5〜1%程度に抑えて進める正解
Answer
正解 4:体重の減少ペースは急がず、週あたり0.5〜1%程度に抑えて進める
長期的な減量では、体重の減少ペースを週あたりおおむね0.5〜1%程度に抑えることで、除脂肪量の減少やパフォーマンスの低下、疲労の蓄積を避けながら体脂肪を減らしやすいとされる。「毎日きっちり同じ量のエネルギーを削り続け、体重の変化そのものには特に注意を払わない」は誤りで、体重の推移を確認しながらエネルギー量を調整する必要がある。「目標達成を急ぐため、ペースの上限を設けずにできるだけ速く進める」も誤りで、急激な減量は除脂肪量の減少とパフォーマンスの低下を招きやすい。「1週間のうちに体重のおよそ10%を落とすペースを目安として、短期間で一気に仕上げる」も誤りで、この水準は急激すぎて健康上の問題を招く。
HINT 急ぐほど、削れているのは体脂肪だけとは限らなくなる。
- Q18#jg-nt-018
ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化サプリメントを、トレーニング期間中に大量摂取することについての注意として最も適切なものはどれか。
- 1運動の直後であれば活性酸素だけが打ち消され、適応に必要な信号のほうは残るとされている
- 2大量摂取はトレーニングへの適応をかえって妨げてしまう場合があるとされる正解
- 3抗酸化物質は体内では全く作られない成分ばかりであり、サプリメントで補う以外に手段がない
- 4運動によって生じる活性酸素は、量や状況にかかわらずつねに有害な作用しかもたないとされる
Answer
正解 2:大量摂取はトレーニングへの適応をかえって妨げてしまう場合があるとされる
運動によって一時的に増える活性酸素は、筋の適応を促す信号としても働くと考えられており、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化サプリメントを大量に摂取すると、この信号が弱められ、持久的トレーニングによるミトコンドリアの増加などの適応がかえって妨げられうるという知見が示されている。「運動の直後であれば活性酸素だけが打ち消され、適応に必要な信号のほうは残るとされている」は誤りで、適応を促す信号そのものが活性酸素によって担われているため、両者を選り分けて打ち消すことはできない。「抗酸化物質は体内では全く作られない成分ばかりであり、サプリメントで補う以外に手段がない」も誤りで、抗酸化物質は野菜や果物などの食品からも摂取でき、体内で合成されるものもある。「運動によって生じる活性酸素は、量や状況にかかわらずつねに有害な作用しかもたないとされる」も誤りで、適度な活性酸素はトレーニング適応の一部を担っている。
HINT 「酸化ストレス=悪」と決めつけないこと。適応を促す合図としての側面もある。
- Q19#jg-nt-019
長期の減量期間中に数日〜1週間程度の頻度で設ける、糖質摂取量を一時的に高める『リフィード』の位置づけとして最も適切なものはどれか。
- 1食事制限の継続による心理面や生活面の負担を和らげ、減量の継続を助ける位置づけで用いられる正解
- 2筋グリコーゲンの回復とは無関係な、精神的な満足感を得ることだけが狙いになる
- 3エネルギー制限による体重減少の効果を打ち消す目的で、毎日組み込むものである
- 4その期間だけ体脂肪を増やすことを主な狙いとして組み込むものである
Answer
正解 1:食事制限の継続による心理面や生活面の負担を和らげ、減量の継続を助ける位置づけで用いられる
長期の減量では、数日から1週間程度の頻度で糖質摂取量を一時的に高める期間を設けることで、食事制限の継続による心理的な負担や生活面でのつらさを和らげ、減量の継続を助ける位置づけで用いられることがある。あわせて筋グリコーゲンの回復にもつながるとされる。「筋グリコーゲンの回復とは無関係な、精神的な満足感を得ることだけが狙いになる」は誤りで、筋グリコーゲンの回復という身体的な側面もある。「エネルギー制限による体重減少の効果を打ち消す目的で、毎日組み込むものである」も誤りで、毎日行えば減量そのものが成り立たなくなる。「その期間だけ体脂肪を増やすことを主な狙いとして組み込むものである」も誤りで、体脂肪を増やすことが目的ではない。
HINT 毎日ではなく、ときどき挟む。減量を『続けられる』ようにするための工夫。
- Q20#jg-nt-020
就寝前の栄養摂取と回復の関係についての説明として最も適切なものはどれか。
- 1夜間は筋たんぱく質合成が完全に止まるため、就寝前の摂取に意味はない
- 2回復に関わるのは睡眠時間の長さだけで、就寝前の栄養摂取とは関係がない
- 3就寝前の栄養摂取は睡眠の質を必ず損なうため、就寝前の数時間は何も摂らないほうがよい
- 4就寝前にたんぱく質を摂ることは無意味ではなく、夜間の筋合成が促されうる正解
Answer
正解 4:就寝前にたんぱく質を摂ることは無意味ではなく、夜間の筋合成が促されうる
就寝前に消化のよいたんぱく質を適量摂ることで、睡眠中も筋たんぱく質合成が促され、日中のトレーニングからの回復を助けうることが知られている。「夜間は筋たんぱく質合成が完全に止まるため、就寝前の摂取に意味はない」は誤りで、夜間も合成は続いており、材料となるたんぱく質があることで促進されうる。「回復に関わるのは睡眠時間の長さだけで、就寝前の栄養摂取とは関係がない」も誤りで、睡眠の長さに加えて栄養の供給も回復に関わる。「就寝前の栄養摂取は睡眠の質を必ず損なうため、就寝前の数時間は何も摂らないほうがよい」も誤りで、適量であれば睡眠を大きく妨げるとは限らない。
HINT 眠っている間も体は筋を作り続けている。材料を切らさないことが回復を助ける。
- Q21#jg-nt-021
高強度の運動を短い休息をはさんで繰り返す競技者が用いる、重炭酸ナトリウム(重曹)の摂取に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1有酸素性のエネルギー供給を高める狙いで用いられ、持久系の競技に限って使われる
- 2水分の保持を狙いとして用いられ、体重を減らしたい競技者に広く勧められる
- 3血液の緩衝能を高める目的で用いられるが、安全ではなく副作用に注意を要する正解
- 4筋グリコーゲンの貯蔵量を直接増やす狙いで用いられ、副作用はほとんど知られていない
Answer
正解 3:血液の緩衝能を高める目的で用いられるが、安全ではなく副作用に注意を要する
重炭酸ナトリウムは血液の緩衝能を高め、高強度の運動で生じる水素イオンの蓄積による疲労を遅らせる狙いで、短時間・高強度の運動を繰り返す競技者に用いられることがある。一方で腹痛や下痢などの消化器症状が副作用として知られており、事前に摂取量やタイミングを試しておく必要がある。「有酸素性のエネルギー供給を高める狙いで用いられ、持久系の競技に限って使われる」は誤りで、主な対象は無酸素性の高強度反復運動である。「水分の保持を狙いとして用いられ、体重を減らしたい競技者に広く勧められる」も誤りで、体重を減らしたい競技者向けの摂取ではない。「筋グリコーゲンの貯蔵量を直接増やす狙いで用いられ、副作用はほとんど知られていない」も誤りで、狙いは緩衝能であり、副作用も報告されている。
HINT 狙いは『酸性に傾いた血液を中和すること』。副作用ありきで試しておく必要がある。
- Q22#jg-nt-022
糖質を多く含む食品のグリセミック・インデックス(GI値)に着目した、運動前後の摂取の考え方として最も適切なものはどれか。
- 1運動前後でGIを揃える必要はなく、低GIと高GIを状況に応じて使い分ける考え方がある正解
- 2GI値の高低にかかわらず、同じ糖質量であれば体内での利用のされ方はまったく変わらないとされる
- 3GI値は運動前後のどちらでも、摂取タイミングの判断材料にはならない
- 4運動前は吸収の速い高GIの食品、運動後は消化吸収の緩やかな低GIの食品を選ぶという考え方がある
Answer
正解 1:運動前後でGIを揃える必要はなく、低GIと高GIを状況に応じて使い分ける考え方がある
運動前には血糖値の急な上昇と反動的な低下を避けるため消化吸収の緩やかな低GIの食品を、運動後にはグリコーゲンの回復を速めるため吸収の速い高GIの食品を選ぶという考え方がある。「GI値の高低にかかわらず、同じ糖質量であれば体内での利用のされ方はまったく変わらないとされる」は誤りで、吸収の速さの違いが血糖の変動や利用のされ方に影響する。「GI値は運動前後のどちらでも、摂取タイミングの判断材料にはならない」も誤りで、GI値は摂取のタイミングを考える手がかりの一つとして使われる。「運動前は吸収の速い高GIの食品、運動後は消化吸収の緩やかな低GIの食品を選ぶという考え方がある」も誤りで、場面が入れ替わっている。
HINT 運動前はゆっくり上がる糖質、運動後は速く上がる糖質。役割が逆になる。
- Q23#jg-nt-023
ベジタリアンやヴィーガンの食事形態をとる競技者への栄養面の助言として最も適切なものはどれか。
- 11日5皿の野菜と果物を摂っていれば、不足しやすい栄養素は特にないと考えてよい
- 2肉や魚を摂らない食事形態では、持久系の競技力を高めることは原理的にできない
- 3植物性食品だけでは栄養面の心配がないとは言えず、鉄や亜鉛、ビタミンB12などに注意する必要がある正解
- 4鉄や亜鉛はビタミンCと一緒に摂れば吸収が揃うため、食品の組み合わせだけで足りる
Answer
正解 3:植物性食品だけでは栄養面の心配がないとは言えず、鉄や亜鉛、ビタミンB12などに注意する必要がある
植物性食品を中心とする食事形態では、動物性食品に比べて鉄や亜鉛、ビタミンB12などが不足しやすく、植物性たんぱく質は動物性に比べて吸収や利用のされ方に違いがあるため、複数の食品を組み合わせて必要なアミノ酸を確保する工夫が求められる。「1日5皿の野菜と果物を摂っていれば、不足しやすい栄養素は特にないと考えてよい」は誤りで、鉄や亜鉛、ビタミンB12などは不足しやすい。「肉や魚を摂らない食事形態では、持久系の競技力を高めることは原理的にできない」も誤りで、栄養面の工夫をすれば持久系の競技力を高めることは可能とされる。「鉄や亜鉛はビタミンCと一緒に摂れば吸収が揃うため、食品の組み合わせだけで足りる」も対策を買いかぶっており、ビタミンCは植物性食品の鉄の吸収を助けるが、動物性食品に含まれる鉄と同じところまで届くわけではない。
HINT 鉄・亜鉛・ビタミンB12は植物性食品だけでは確保しにくい代表格。
- Q24#jg-nt-024
エネルギー制限を伴う減量期の競技者にみられる、ビタミンB群の不足に関する注意として最も適切なものはどれか。
- 1ビタミンB群は運動を行う者には全く関わりがなく、減量期に特別な配慮は要らないとされる
- 2ビタミンB群の必要量は摂取エネルギーが減っても一定ではなく、産生量に応じて変わってくる正解
- 3ビタミンB群はエネルギー代謝に関わるが、摂取エネルギーが減っても必要量は変わらないとされる
- 4ビタミンB群は体内に大量かつ長期間貯蔵されるため、まとめて多く摂れば以後は不要になる
Answer
正解 2:ビタミンB群の必要量は摂取エネルギーが減っても一定ではなく、産生量に応じて変わってくる
ビタミンB群の多くは糖質や脂質からエネルギーを産生する過程に関わっており、必要量はエネルギー産生量に応じて変わる。減量期に食事の種類が偏ったり摂取量が極端に減ったりすると、エネルギー代謝を支えるビタミンB群が不足しやすくなる。「ビタミンB群は運動を行う者には全く関わりがなく、減量期に特別な配慮は要らないとされる」は誤りで、エネルギー代謝に関わる以上、運動を行う者にとって重要な栄養素である。「ビタミンB群はエネルギー代謝に関わるが、摂取エネルギーが減っても必要量は変わらないとされる」も誤りで、代謝量に応じて必要量は変動する。「ビタミンB群は体内に大量かつ長期間貯蔵されるため、まとめて多く摂れば以後は不要になる」も誤りで、水溶性のビタミンB群は体内に大量に貯蔵されにくく、継続的な摂取が必要になる。
HINT エネルギー代謝を回す『歯車の潤滑油』。食事量が減れば必要量も減るとは限らない。
- Q25#jg-nt-025
亜鉛が不足しやすい状況とその影響についての説明として最も適切なものはどれか。
- 1亜鉛の不足は骨密度にのみ関わり、免疫機能や体調には影響を及ぼさない
- 2亜鉛は体内で作られる栄養素ではなく、不足しやすいミネラルである正解
- 3亜鉛は脂溶性の栄養素であり、体脂肪の中に貯蔵されるため不足しにくい
- 4運動を行う者は体内での産生量が増えるため、亜鉛が不足することはほとんどない
Answer
正解 2:亜鉛は体内で作られる栄養素ではなく、不足しやすいミネラルである
亜鉛は発汗のほか、尿や消化管からの損失もあり、運動量の多い競技者では不足しやすい栄養素の一つとされる。免疫機能やホルモンの合成など多くの働きに関わるため、不足すると体調管理の面で不利になりうる。「亜鉛の不足は骨密度にのみ関わり、免疫機能や体調には影響を及ぼさない」は誤りで、免疫機能への関わりが知られている。「亜鉛は脂溶性の栄養素であり、体脂肪の中に貯蔵されるため不足しにくい」も誤りで、亜鉛はミネラルであり脂溶性ビタミンのように体脂肪に貯蔵される性質はもたない。「運動を行う者は体内での産生量が増えるため、亜鉛が不足することはほとんどない」も誤りで、亜鉛は体内で産生される栄養素ではなく食事から摂取する必要がある。
HINT 亜鉛は『体内で作れない』栄養素。汗以外からも失われる点も見落としやすい。
- Q26#jg-nt-026
下痢や嘔吐を伴う体調不良による脱水と、通常の運動による発汗にともなう水分補給の考え方の違いとして最も適切なものはどれか。
- 1通常の発汗での水分補給には、下痢や嘔吐用の経口補水液のほうがスポーツドリンクより適しているとされる
- 2下痢や嘔吐を伴う脱水でも通常の発汗でも、常にスポーツドリンクだけで対応すれば十分であるとされる
- 3下痢や嘔吐を伴う脱水には濃い経口補水液、通常の発汗にはスポーツドリンクで足りるとされる正解
- 4下痢や嘔吐を伴う脱水では水分のみを大量に補給し、電解質を含む飲料はかえって避けたほうがよいとされる
Answer
正解 3:下痢や嘔吐を伴う脱水には濃い経口補水液、通常の発汗にはスポーツドリンクで足りるとされる
下痢や嘔吐を伴う脱水では体液の喪失量が多く電解質のバランスも崩れやすいため、電解質の濃度を高めた経口補水液が適する。一方、通常の運動による発汗では糖質によるエネルギー補給も兼ねたスポーツドリンクで足りることが多く、場面によって適した飲料が異なる。「通常の発汗での水分補給には、下痢や嘔吐用の経口補水液のほうがスポーツドリンクより適しているとされる」は誤りで、場面が入れ替わっている。「下痢や嘔吐を伴う脱水でも通常の発汗でも、常にスポーツドリンクだけで対応すれば十分であるとされる」も誤りで、体調不良による脱水では経口補水液のほうが適している。「下痢や嘔吐を伴う脱水では水分のみを大量に補給し、電解質を含む飲料はかえって避けたほうがよいとされる」も誤りで、電解質を含まない水だけの大量補給は体液の電解質濃度をさらに薄める。
HINT 『体調不良の脱水』と『運動による発汗』は失われ方が違う。飲み物も使い分ける。
- Q27#jg-nt-027
運動を行う者が糖質を十分に摂ることが、体たんぱくの維持に役立つ理由として最も適切なものはどれか。
- 1糖質が足りていれば、エネルギーを得るために体のたんぱく質を崩す働きが小さくなる正解
- 2糖質はアミノ酸と結びついて筋へ運ばれるので、摂った量に応じて材料の届く量が増える
- 3糖質を摂ると体内の水分が筋へ移り、その水分が体のたんぱく質の分解を押さえる
- 4糖質は胃に長くとどまる性質があり、たんぱく質の消化を遅らせて無駄を減らす
Answer
正解 1:糖質が足りていれば、エネルギーを得るために体のたんぱく質を崩す働きが小さくなる
糖質の摂取が足りていれば、運動時のエネルギーはおもに糖質から供給され、体のたんぱく質をエネルギー源として崩す必要が小さくなる。これを糖質によるたんぱく質の節約という。「アミノ酸と結びついて筋へ運ばれる」は誤りで、糖質はアミノ酸の運搬役ではなく、摂った量に応じて材料の届く量が増えるという関係にもない。「体内の水分が筋へ移り、その水分が体のたんぱく質の分解を押さえる」も誤りで、水分の移動がたんぱく質の分解量を決めるわけではない。「胃に長くとどまる性質があり、たんぱく質の消化を遅らせて」も誤りで、消化を遅らせることが体たんぱくの維持につながるのではない。
HINT エネルギーが糖質で間に合っていれば、体は自分のたんぱく質を崩さずに済む。
- Q28#jg-nt-028
長時間の運動中に用いる糖質の補給飲料で、ブドウ糖に果糖を組み合わせることがある理由として最も適切なものはどれか。
- 1果糖はブドウ糖より甘みが穏やかで、飲み口が軽くなるので飲める量そのものが増える
- 2小腸で取り込まれる経路が互いに違うので、一方を増やすより多くの糖を取り込める正解
- 3果糖がブドウ糖の分解を助ける酵素として働き、消化そのものを速める
- 4果糖は汗で失われる塩分の代わりになり、電解質の補給を兼ねられる
Answer
正解 2:小腸で取り込まれる経路が互いに違うので、一方を増やすより多くの糖を取り込める
ブドウ糖と果糖は小腸の壁で取り込まれる経路が異なるため、組み合わせて摂ると、同じ総量を一方の糖だけでそろえる場合よりも取り込める量を増やしやすい。「甘みが穏やかで、飲み口が軽くなる」は飲みやすさの話であって、二種類を組み合わせる狙いの説明にはならない。「ブドウ糖の分解を助ける酵素として働き」は誤りで、果糖は酵素ではない。「汗で失われる塩分の代わりになり」も誤りで、果糖は電解質ではないため塩分の補給を兼ねることはできない。
HINT 二種類の糖を混ぜる狙いは、腸で取り込む入口を分けて渋滞を避けること。
- Q29#jg-nt-029
食後の血糖の上がり方を穏やかにしたい対象者への食事の助言として最も適切なものはどれか。
- 1果物を食事の最後に多めに添えて、満足感を得てから終えるよう勧める
- 2手早く食べ終えるようにして、一回の食事にかける時間を短くするよう勧める
- 3野菜やたんぱく質のおかずを先に食べ、主食は後に回すよう勧める正解
- 4汁物はいちばん最後にまとめて飲み、水分を摂る時機をそろえるよう勧める
Answer
正解 3:野菜やたんぱく質のおかずを先に食べ、主食は後に回すよう勧める
同じ献立でも、野菜やたんぱく質のおかずを先に食べて主食を後に回すと、食後の血糖の上がり方は穏やかになりやすい。「果物を食事の最後に多めに添えて」は、糖を含む食品を後から重ねることになるので、上がり方を穏やかにする助言にはならない。「手早く食べ終えるようにして」は逆で、早く食べ終えるほど食後の上がり方は急になりやすい。「汁物はいちばん最後にまとめて飲み」は水分を摂る時機の話であり、血糖の上がり方を左右する要因ではない。
HINT 同じものを食べても、口に入れる順番で食後の上がり方は変わる。
- Q30#jg-nt-030
体重の管理に取り組む一般の対象者に、砂糖を含む飲料について伝える内容として最も適切なものはどれか。
- 1固形の食品より吸収が穏やかで、エネルギーとして使われる割合が小さいと伝える
- 2水分の補給を兼ねられるので、食事の量を減らす置き換えとして勧める
- 3運動をしていれば消費に回るため、量を気にする対象からは外して考える
- 4満腹感が伴いにくいままエネルギーを摂れてしまうため、量と回数を見直してもらう正解
Answer
正解 4:満腹感が伴いにくいままエネルギーを摂れてしまうため、量と回数を見直してもらう
砂糖を含む飲料は、同じエネルギー量の固形の食品に比べて満腹感を伴いにくく、気づかないうちに一日の摂取量を押し上げやすい。だからこそ量と回数を見直す対象になる。「固形の食品より吸収が穏やかで」は誤りで、液体に溶けた糖はむしろ速やかに吸収される。「食事の量を減らす置き換えとして」も誤りで、栄養素の構成が食事の代わりになるものではない。「運動をしていれば消費に回るため」も誤りで、運動量にかかわらず飲料から摂ったエネルギーは一日の収支に加わる。
HINT 液体のエネルギーは、お腹がふくれないまま積み上がっていく。
- Q31#jg-nt-031
たんぱく質が体の中で担う働きについて、最も適切なものはどれか。
- 1筋などの組織をつくる材料であり、酵素やホルモン、抗体の材料にもなる正解
- 2体を動かすエネルギーの供給に専念し、組織をつくる役目は脂質が引き受ける
- 3骨の硬さを支える主な材料として働き、不足するとまず骨の量が減っていく
- 4摂った分はそのまま筋へ送られ、余った分も蓄えとして筋に残り続ける
Answer
正解 1:筋などの組織をつくる材料であり、酵素やホルモン、抗体の材料にもなる
たんぱく質は筋や臓器などの組織をつくる材料であるとともに、化学反応を進める酵素、情報を伝えるホルモン、感染を防ぐ抗体といった物質の材料にもなる。「体を動かすエネルギーの供給に専念し」は誤りで、たんぱく質もエネルギー源になりうるがそれが主たる役目ではない。「骨の硬さを支える主な材料」も誤りで、骨の硬さを支える主な材料はカルシウムである。「余った分も蓄えとして筋に残り続ける」も誤りで、必要量を超えた分はエネルギーとして使われたり体脂肪に変わったりする。
HINT 材料になる先は筋だけではない。体の中で働く物質そのものにもなる。
- Q32#jg-nt-032
運動を行う者にとっての水分の役割について、最も適切なものはどれか。
- 1体温を保つための断熱材として働き、熱の出入りを遮る役目を担う
- 2栄養素や酸素を運び、汗として体温の調節にも関わる正解
- 3それ自体がエネルギー源として使われ、糖質や脂質に並ぶ役目を担う
- 4体内の量はごくわずかで、体重に占める割合は脂肪より小さい
Answer
正解 2:栄養素や酸素を運び、汗として体温の調節にも関わる
体内の水分は、栄養素や酸素を溶かして運ぶ役目と、汗として蒸発することで体温を下げる役目をあわせて担っている。「体温を保つための断熱材として働き」は誤りで、熱の出入りを遮る役目を担うのは皮下脂肪などである。「それ自体がエネルギー源として使われ」も誤りで、水分はエネルギーを生み出さない。「体内の量はごくわずかで、体重に占める割合は脂肪より小さい」も誤りで、水分は体重の半分以上を占める。
HINT 運ぶ役と、汗で体温を下げる役。この二つを押さえる。
- Q33#jg-nt-033
対象者の栄養面にどこから手をつけるかについて、トレーニング指導者が示す考え方として最も適切なものはどれか。
- 1補助食品の種類をそろえることから始め、そのうえで食事の中身を合わせる
- 2摂る時機を細かく決めることを先に置き、一日の総量はその結果に任せる
- 3一日に摂るエネルギーの量を整え、次に栄養素の配分、摂る時機、補助食品へと進む正解
- 4栄養素の配分を目安どおりにそろえることを先に置き、総量は後から合わせる
Answer
正解 3:一日に摂るエネルギーの量を整え、次に栄養素の配分、摂る時機、補助食品へと進む
栄養面の改善は、まず一日に摂るエネルギーの量が運動量に見合っているかを整え、続いて栄養素の配分、摂る時機、そして補助食品という順で見ていくと、効き方の大きいところから手が入る。「補助食品の種類をそろえることから始め」は逆で、食事が整っていない段階で補助食品を足しても土台は変わらない。「摂る時機を細かく決めることを先に置き」も誤りで、総量が合っていなければ時機の工夫は実りにくい。「栄養素の配分を目安どおりにそろえることを先に置き」も誤りで、配分は総量が決まって初めて意味をもつ。
HINT 効き方の大きいところから。土台は一日に摂る量そのもの。
- Q34#jg-nt-034
骨の材料として知られるカルシウムについて、その働きの説明として最も適切なものはどれか。
- 1骨をつくる材料として使われ、血液中の量は食事から摂った量に比例して上下する
- 2汗とともに大量に失われる電解質で、長時間の運動では補給の中心になる
- 3腸からの吸収はビタミンCの働きで高まるので、乳製品と柑橘を合わせると効率がよい
- 4骨をつくる材料であるとともに、筋の収縮や神経の情報伝達にも関わっている正解
Answer
正解 4:骨をつくる材料であるとともに、筋の収縮や神経の情報伝達にも関わっている
カルシウムは骨をつくる材料として体内に最も多く含まれるミネラルだが、残りのわずかな分が筋の収縮や神経の情報伝達、血液の凝固といった働きに関わっている。「血液中の量は食事から摂った量に比例して上下する」は誤りで、血液中の濃度はホルモンの働きでほぼ一定に保たれる。「汗とともに大量に失われる電解質で」も誤りで、汗で多く失われる電解質はナトリウムである。「腸からの吸収はビタミンCの働きで高まる」も誤りで、カルシウムの吸収を助けるのはビタミンDである。
HINT 骨に使われているのが大半。ただし残りのわずかな分が、筋と神経を動かしている。
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