運動と心理全34問・正解と解説つき
JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)一般科目・ 公式テキスト第7章・ 分量 14%
心理学の基礎理論、競技力向上への活用、一般人の健康増進への活用。動機づけ、目標設定、メンタルトレーニング。
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- Q01#jg-ps-001
内発的動機づけにあたるものはどれか。
- 1大会で優勝して賞金を得たいから続けている
- 2周囲から高く評価されたいから続けている
- 3続けないと指導者に叱られるから続けている
- 4その活動自体が面白く、上達していく実感が得られるから続けている正解
Answer
正解 4:その活動自体が面白く、上達していく実感が得られるから続けている
内発的動機づけは、その活動そのものへの興味や、有能感・自律性が得られることを理由に行動が続く状態を指す。「その活動自体が面白く、上達していく実感が得られるから」がこれにあたる。「叱られるから」「賞金を得たいから」「周囲から高く評価されたいから」はいずれも活動の外にある理由によるもので、外発的動機づけにあたる。外発的動機づけが悪いわけではないが、内発的動機づけのほうが長期の継続と結びつきやすいとされる。
HINT 「やめても損しないのに続けるか」で見分ける。長く続く人は内発に寄っていることが多い。
- Q02#jg-ps-002
競技選手の目標設定における、結果目標(勝敗や順位)とパフォーマンス目標・プロセス目標の使い分けとして最も適切なものはどれか。
- 1結果目標だけに頼らず、努力でコントロールしやすいパフォーマンス目標やプロセス目標も併せて設定する正解
- 2結果目標だけを設定すれば、努力の方向性は自然に定まるため他の目標は不要である
- 3パフォーマンス目標やプロセス目標は結果に直結しないため、設定する意味はない
- 4目標は結果目標のみに絞り、相手の力量や運といった統制しにくい要素も評価に含める
Answer
正解 1:結果目標だけに頼らず、努力でコントロールしやすいパフォーマンス目標やプロセス目標も併せて設定する
結果目標(勝敗や順位)は相手の力量や運といった自分では統制できない要素の影響を受けるため、結果目標だけに頼らず、自分の努力によって達成度をコントロールしやすいパフォーマンス目標(自己記録の更新など)やプロセス目標(技術や取り組み方)も併せて設定することで、モチベーションを保ちやすくなる。「結果目標だけを設定すれば、努力の方向性は自然に定まるため他の目標は不要である」は誤りで、結果目標だけでは統制できない要素に左右され、努力の手がかりが乏しくなる。「パフォーマンス目標やプロセス目標は結果に直結しないため、設定する意味はない」も誤りで、これらは結果目標を支える土台になる。「目標は結果目標のみに絞り、相手の力量や運といった統制しにくい要素も評価に含める」も誤りで、統制できない要素だけで評価すると努力と評価が結びつかなくなる。
HINT 『自分の努力で動かせるか』で目標を仕分ける。結果目標だけでは、相手や運に評価を預けてしまう。
- Q03#jg-ps-003
動作学習における注意の向け方(フォーカス)に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1内的フォーカスのほうが常に外的フォーカスより優れており、あらゆる場面で身体部位へ注意を促す
- 2初心者には外的フォーカス、熟練者には内的フォーカスと、習熟に応じて使い分ける
- 3動作の結果や外部の目標へ注意を向ける外的フォーカスが、身体の部位への内的フォーカスより学習が高まりやすい正解
- 4外的フォーカスは注意を向ける先を体の外に置く分、動作の自動化を遅らせるとされる
Answer
正解 3:動作の結果や外部の目標へ注意を向ける外的フォーカスが、身体の部位への内的フォーカスより学習が高まりやすい
動作の結果や外部の目標・道具に注意を向ける外的フォーカスのほうが、自分の身体の部位や動きそのものに注意を向ける内的フォーカスより、運動の効率や学習が高まりやすいことが多くの研究で示されている。指導者が使う言葉かけ(キューイング)を外的フォーカスに寄せることで、意識的な制御を減らし、自動化された動きを引き出しやすくなる。「内的フォーカスのほうが常に外的フォーカスより優れており、あらゆる場面で身体部位へ注意を促す」は誤りで、傾向は逆である。「初心者には外的フォーカス、熟練者には内的フォーカスと、習熟に応じて使い分ける」も誤りで、外的フォーカスは初心者から熟練者まで幅広く有効とされ、習熟に応じて内的へ移す根拠はない。「外的フォーカスは注意を向ける先を体の外に置く分、動作の自動化を遅らせるとされる」も誤りで、因果が逆であり、外的フォーカスは意識的な制御を減らして自動化を助ける方向に働く。
HINT 『どこに注意を向けさせる言葉かけをしているか』を指導者自身が振り返ると気づきやすい。
- Q04#jg-ps-004
覚醒水準とパフォーマンスの関係に関する説明として正しいものはどれか。
- 1覚醒水準は中程度のときに最も高くなりやすい正解
- 2覚醒水準が高いほどパフォーマンスは一貫して高くなる
- 3覚醒水準が低いほどパフォーマンスは一貫して高くなる
- 4細かな技術の課題ほど高い覚醒が最適になる
Answer
正解 1:覚醒水準は中程度のときに最も高くなりやすい
覚醒水準とパフォーマンスの関係は逆U字を描くとされ、覚醒が低すぎても高すぎてもパフォーマンスは低下し、中程度で最も高くなる。最適な覚醒水準は課題の性質や個人によって異なり、細かな技術を要する課題ほど低めになるとされる。「覚醒水準が高いほど一貫して高くなる」「低いほど一貫して高くなる」はいずれも片側だけを見ており、逆U字の関係を表していない。「細かな技術の課題ほど高い覚醒が最適になる」は向きが逆で、細かな技術を要する課題では最適な覚醒水準は低めになるとされる。
HINT 「気合を入れる」と「落ち着かせる」を、対象者と場面で使い分ける根拠になる。
- Q05#jg-ps-005
試合前などに過度の緊張がみられる対象者への対応として最も適切なものはどれか。
- 1緊張を取り除くため、試合前の練習量を大幅に増やす
- 2緊張が強い日は覚醒を上げる課題を加え、気持ちを引き上げてから臨ませる
- 3呼吸法など、覚醒を下げる方法を練習しておく正解
- 4本番の直前に初めてリラクセーションの方法を教える
Answer
正解 3:呼吸法など、覚醒を下げる方法を練習しておく
過度の緊張に対しては、呼吸法や漸進的筋弛緩法といった覚醒水準を下げる方法をあらかじめ練習しておき、本番で使える状態にしておくことが有効である。「緊張が強い日は覚醒を上げる課題を加え、気持ちを引き上げてから臨ませる」は向きが逆で、過度の緊張には覚醒を下げる手だてを用いる。「本番の直前に初めて教える」は、慣れていない方法を高い緊張下で使うことになり効果が出にくい。「試合前の練習量を大幅に増やす」は疲労を残すうえ、緊張の軽減にもつながらない。
HINT 技術と同じで、リラクセーションも練習しておかないと本番では使えない。
- Q06#jg-ps-006
イメージトレーニングに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1実際の練習を完全に置き換えられるため、身体を動かす練習は不要になる
- 2イメージは実際の動作より遅い速さで思い描くほど、習得が進みやすい
- 3失敗した場面を繰り返し思い描くことで、同じ失敗を避けられるようになる
- 4成功する動作をはっきりと思い描くことで、習得や本番での遂行を助ける正解
Answer
正解 4:成功する動作をはっきりと思い描くことで、習得や本番での遂行を助ける
イメージトレーニングは、成功する動作を鮮明に思い描くことで技術の習得や本番での遂行を助ける方法である。視覚だけでなく、筋の感覚や動作のリズムといった身体の感覚を伴わせるほど効果が高いとされる。「失敗した場面を繰り返し思い描く」は、望ましくない動作の再現を強める方向に働きうる。「実際の練習を完全に置き換えられる」は誤りで、あくまで実際の練習を補うものである。「イメージは実際の動作より遅い速さで思い描くほど、習得が進みやすい」も誤りで、実際の動作と同じ速さで思い描くほうが効果的とされる。
HINT 「うまくいく映像」を、身体の感覚つきで。失敗イメージの反芻は逆効果になりうる。
- Q07#jg-ps-007
技術の習得段階に応じた指導として最も適切なものはどれか。
- 1習得の段階にかかわらず、常に同じ量と内容の指示を与える
- 2習得の初期ほど多くの要点を同時に伝え、情報量を増やす
- 3習熟の段階に達しても、指導者が毎回すべての動作を細かく指示する
- 4習得の初期は要点を絞って伝え、自ら修正できるよう促す正解
Answer
正解 4:習得の初期は要点を絞って伝え、自ら修正できるよう促す
技術の習得の初期は、一度に多くの情報を処理できないため動作の要点を絞って伝え、習熟に従って本人が自分の動きを感じ取り修正できるよう促していくのが基本になる。「初期ほど多くの要点を同時に伝え、情報量を増やす」は、処理しきれず動作が崩れる。「習熟の段階に達しても、指導者が毎回すべての動作を細かく指示する」は、自ら修正する力を育てず指導者への依存を強める。「段階にかかわらず、常に同じ量と内容の指示を与える」も、段階に応じた調整という観点を欠いている。
HINT 初心者に3つも4つも同時に言わない。1つ直ったら次、が結果的に速い。
- Q08#jg-ps-008
トレーニング中のフィードバックの与え方として最も適切なものはどれか。
- 1できている点を具体的に伝えたうえで、直す点を絞って示す正解
- 2できている点と直す点を同じ数だけ挙げ、釣り合いをとる
- 3直す点を毎回すべて挙げ、できている点には触れない
- 4抽象的に「良い」「悪い」とだけ伝え、具体的な内容には触れない
Answer
正解 1:できている点を具体的に伝えたうえで、直す点を絞って示す
フィードバックは、できている点を具体的に伝えて何が正しいかを認識させたうえで、直す点を絞って示すのが効果的とされる。何が良かったかが分かると、その感覚を再現しやすくなる。「直す点を毎回すべて挙げ、できている点には触れない」は、何を再現すべきかが伝わらず意欲も下がる。「抽象的に良い・悪いとだけ伝え」は、次にどうすればよいかの情報を含まない。「できている点と直す点を同じ数だけ挙げ、釣り合いをとる」は、数の釣り合いを優先すると直す点が絞られず、再現すべき点も埋もれてしまう。
HINT 「何が良かったか」を言えると、本人はその感覚を再現できる。直す点だけでは再現先がない。
- Q09#jg-ps-009
バーンアウト(燃え尽き)の説明として最も適切なものはどれか。
- 11回の激しい練習の後に生じる一時的な疲労感で、休養すれば翌日には回復する
- 2意欲の低下や情緒的な消耗などが続く状態を指す正解
- 3筋の損傷によって生じる痛みで、練習を休むほど強まる状態を指す
- 4競技を始めた直後にみられる一時的な戸惑いを指す
Answer
正解 2:意欲の低下や情緒的な消耗などが続く状態を指す
バーンアウトは、意欲の低下、情緒的な消耗、達成感の低下が続く状態を指し、過度の練習負担、成果への圧力、休養や人間関係の不足などが背景にあるとされる。回復には時間を要するため、予防として負担の管理と休養の確保が重要になる。「1回の激しい練習の後に生じる一時的な疲労感」は通常の疲労であり、バーンアウトではない。「筋の損傷によって生じる痛みで、練習を休むほど強まる状態を指す」も誤りで、バーンアウトは筋の痛みではなく意欲や情緒の面の変化を指す。「競技を始めた直後にみられる一時的な戸惑い」も別の現象である。
HINT オーバートレーニング症候群と並ぶ「続けすぎ」の帰結。身体と心の両方を見る必要がある。
- Q10#jg-ps-010
故障からの復帰に向けた自主トレーニングを、選手が指示どおりに行っていないとき、指導者の対応として最も適切なものはどれか。
- 1指示どおりに行わないのは意志の弱さが原因と伝え、本人の自覚を促すことに専念する
- 2行っていない理由や障壁を選手と洗い出し、実行しやすい形にメニューを調整する正解
- 3一度決めたメニューは変更せず、達成できるまで同じ内容を繰り返し指示する
- 4毎日の実施を写真で送らせて確認し、実施できなかった日はその理由を書き出させる
Answer
正解 2:行っていない理由や障壁を選手と洗い出し、実行しやすい形にメニューを調整する
指示どおりに自主トレーニングが行われていない場合、まず行っていない理由や障壁(時間、痛み、やり方への不安など)を選手と一緒に具体的に洗い出し、実行しやすい形にメニューや環境を調整することが有効である。「指示どおりに行わないのは意志の弱さが原因と伝え、本人の自覚を促すことに専念する」は誤りで、意志の弱さのせいにすると自己効力感を下げ、かえって取り組みにくくなる。「一度決めたメニューは変更せず、達成できるまで同じ内容を繰り返し指示する」も誤りで、実行できない障壁が残ったままでは同じ結果を繰り返す。「毎日の実施を写真で送らせて確認し、実施できなかった日はその理由を書き出させる」も、記録そのものは有効な手立てではあるが、障壁が何かを選手と特定しないまま確認だけを重ねても、実行しやすい形へメニューを組み直すところまで届かない。
HINT 『やらない理由』を責めずに具体化する。障壁が分かれば、メニュー側を変える余地が見つかる。
- Q11#jg-ps-011
運動の継続を支える工夫として最も適切なものはどれか。
- 1記録は指導者が管理し、達成できなかった日を指摘して奮起を促す
- 2毎回の内容を大きく変え、慣れが生じないようにする
- 3他者と一緒に行うと気が散るため、必ず一人で行わせる
- 4実施の記録を本人が付け、環境のきっかけを整えておく正解
Answer
正解 4:実施の記録を本人が付け、環境のきっかけを整えておく
運動の継続には、本人が実施を記録して経過を把握すること(セルフモニタリング)と、運動着を前夜に用意する、通り道の施設を選ぶといった環境のきっかけを整えること(刺激統制)が有効とされる。「記録は指導者が管理し、達成できなかった日を指摘して奮起を促す」は、本人の主体性を損ない記録が続かなくなる。「毎回の内容を大きく変え、慣れが生じないようにする」は、習慣として定着しにくくなる。「必ず一人で行わせる」も誤りで、仲間の存在は継続を支える要因になりうる。
HINT 意志を強くするより環境を変えるほうが確実。記録も「管理の道具」にした瞬間に続かなくなる。
- Q12#jg-ps-012
計画的な範囲を超えてトレーニング負荷が蓄積したとき、選手の気分状態に一般的にみられる変化として最も適切なものはどれか。
- 1負荷が蓄積するほど活気や高揚感が高まり、気分の状態は一貫して良くなる
- 2気分の悪化は負荷が蓄積してから数か月を経て初めて現れるとされる
- 3疲労感が強まる一方で活気は保たれ、気分プロフィールの型は崩れにくい
- 4疲労感や抑うつ気分など、気分の状態が悪化しやすい正解
Answer
正解 4:疲労感や抑うつ気分など、気分の状態が悪化しやすい
計画的な範囲を超えてトレーニング負荷が蓄積すると、疲労感や抑うつ気分の増加、活気の低下など、気分の状態が全般的に悪化する方向へ変化しやすいことが知られている。気分プロフィール検査(POMSなど)で、通常みられる良好な氷山型のパターンが崩れることが、負荷の蓄積を早期に把握する手がかりとして用いられる。「負荷が蓄積するほど活気や高揚感が高まり、気分の状態は一貫して良くなる」は誤りで、実際には悪化する方向へ変化する。「気分の悪化は負荷が蓄積してから数か月を経て初めて現れるとされる」も誤りで、気分の変化は比較的早い段階から現れるため、負荷の蓄積を早期に把握する手がかりになる。「疲労感が強まる一方で活気は保たれ、気分プロフィールの型は崩れにくい」も誤りで、活気の低下を含めて複数の側面が動くため、良好な氷山型のパターンは崩れる。
HINT 気分の落ち込みは『サボり』のサインではなく、負荷が蓄積しているという体からの信号かもしれない。
- Q13#jg-ps-013
目標設定理論に基づく、効果的な目標の立て方として最も適切なものはどれか。
- 1努力してもとても届かない高さの目標のほうが、遂行を高めやすい傾向があるとされる
- 2具体的で、努力すれば届く程度に挑戦的な目標のほうが遂行を高めやすいとされる正解
- 3達成が容易すぎる低い目標のほうが、挑戦的な目標より遂行を高めやすい傾向が強いとされる
- 4曖昧な目標のほうが、具体的な目標より遂行を高めやすい傾向があるとされる
Answer
正解 2:具体的で、努力すれば届く程度に挑戦的な目標のほうが遂行を高めやすいとされる
目標設定理論では、具体的で適度に挑戦的な目標のほうが、曖昧な目標や達成が容易すぎる目標より遂行を高めるとされる。「努力してもとても届かない高さの目標のほうが、遂行を高めやすい傾向があるとされる」は誤りで、努力すれば届く程度の難度を超えると、かえって努力を引き出しにくくなる。「達成が容易すぎる低い目標のほうが、挑戦的な目標より遂行を高めやすい傾向が強いとされる」も誤りで、容易すぎる目標は努力を引き出しにくい。「曖昧な目標のほうが、具体的な目標より遂行を高めやすい傾向があるとされる」も誤りで、傾向は逆である。
HINT 「頑張ればなんとか届く」水準と具体性の掛け合わせがカギになる。
- Q14#jg-ps-014
多次元不安理論における身体的不安と認知的不安の違いに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1認知的不安は逆U字型の関係を示し、身体的不安は高まるほど遂行が低下しやすい
- 2身体的不安は逆U字型の関係を示す一方、認知的不安は高まるほど遂行が低下しやすい傾向にある正解
- 3身体的不安は試合が近づくほど下がり、認知的不安は直前に急に高まるとされる
- 4身体的不安は覚醒水準の上昇とともに一貫して高まり、認知的不安は変化しない
Answer
正解 2:身体的不安は逆U字型の関係を示す一方、認知的不安は高まるほど遂行が低下しやすい傾向にある
多次元不安理論では、心拍数の上昇や筋の緊張といった身体的不安は覚醒水準と同様に逆U字型の関係を示す一方、心配や集中の乱れといった認知的不安は高まるほど遂行が低下しやすい関係を示すとされる。「認知的不安は逆U字型の関係を示し、身体的不安は高まるほど遂行が低下しやすい」は両者の関係を取り違えている。「身体的不安は覚醒水準の上昇とともに一貫して高まり、認知的不安は変化しない」は誤りで、身体的不安も一定水準を超えると遂行を下げる方向に働く。「身体的不安は試合が近づくほど下がり、認知的不安は直前に急に高まるとされる」も誤りで、時間の経過にともなう動きが逆であり、身体的不安が試合の直前に急に高まり、認知的不安は早い段階から高い水準で推移しやすい。
HINT 「心配の度合い」と「体の緊張の度合い」を分けて考える理論。
- Q15#jg-ps-015
競技の直前に行うプレパフォーマンスルーティンの意義として最も適切なものはどれか。
- 1手順を毎回変えることで、緊張感を保ち、集中を高めやすくする
- 2ルーティンは手順の長さを毎回延ばしていくほど、注意が整いやすくなる
- 3毎回同じ手順を踏むことで、注意を整え、覚醒水準を安定させやすくする正解
- 4ルーティンを行うと、かえって余計な緊張を生み、遂行を妨げてしまう
Answer
正解 3:毎回同じ手順を踏むことで、注意を整え、覚醒水準を安定させやすくする
プレパフォーマンスルーティンは、動作前に毎回同じ一連の手順を行うことで注意の向け方を一定にし、覚醒水準を安定させて遂行のばらつきを抑える働きを持つとされる。「手順を毎回変えることで、緊張感を保ち、集中を高めやすくする」は誤りで、手順を変えると注意の向け方が安定せず、むしろ集中が乱れやすくなる。「ルーティンは手順の長さを毎回延ばしていくほど、注意が整いやすくなる」も誤りで、要点は毎回同じ手順をたどることにあり、長さを延ばすこと自体に意味があるわけではない。「ルーティンを行うと、かえって余計な緊張を生み、遂行を妨げてしまう」も誤りで、実際には緊張の制御に役立つとされる。
HINT 「毎回同じ手順」であること自体が、注意と覚醒を安定させる仕掛けになる。
- Q16#jg-ps-016
セルフトーク(自己への語りかけ)の使い分けに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1セルフトークはすべて動機づけを高める言葉に統一し、動作の手順に触れる言葉は避ける
- 2教示的セルフトークは持久的な課題に、動機づけ的セルフトークは細かな技術の課題に向く
- 3動作の手順を確認する教示的セルフトークと、努力や自信を高める動機づけ的セルフトークを場面に応じて使い分ける正解
- 4セルフトークはすべて動作の手順を確認する言葉に統一し、努力や自信に触れる言葉は避ける
Answer
正解 3:動作の手順を確認する教示的セルフトークと、努力や自信を高める動機づけ的セルフトークを場面に応じて使い分ける
セルフトークには、動作の要点や手順を確認する教示的セルフトークと、努力を引き出し自信を高める動機づけ的セルフトークがあり、細かい技術が求められる場面では教示的、力を出し切りたい場面では動機づけ的というように、場面に応じて使い分けることが効果的とされる。「セルフトークはすべて動機づけを高める言葉に統一し、動作の手順に触れる言葉は避ける」は誤りで、技術的な課題では教示的セルフトークが有効な場面がある。「セルフトークはすべて動作の手順を確認する言葉に統一し、努力や自信に触れる言葉は避ける」も誤りで、力を出し切る場面では動機づけ的セルフトークが有効である。「教示的セルフトークは持久的な課題に、動機づけ的セルフトークは細かな技術の課題に向く」は、2種類を挙げて場面で分ける形は正しいが向き先が入れ替わっており、細かな技術の課題では教示的、力を出し切る課題では動機づけ的が向くとされる。
HINT 「何をするか」を言うか、「やり切れ」と言うか。場面によって効く言葉が違う。
- Q17#jg-ps-017
イメージトレーニングにおける内的イメージと外的イメージの違いに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1内的イメージは習得の初期に向き、外的イメージは熟練してから用いるものとされる
- 2外的イメージは自分の目線から動作の感覚を思い描き、内的イメージは第三者の視点から自分の動作を眺めるように思い描く
- 3内的イメージは自分の目線から動作の感覚を思い描き、外的イメージは第三者の視点から自分の動作を眺めるように思い描く正解
- 4イメージの視点は目を閉じるか開けるかによって自動的に決まるとされる
Answer
正解 3:内的イメージは自分の目線から動作の感覚を思い描き、外的イメージは第三者の視点から自分の動作を眺めるように思い描く
内的イメージは自分自身の目線に立ち、筋の感覚や動作のリズムを思い描く方法であり、外的イメージは第三者やカメラの視点から自分の動作を外から眺めるように思い描く方法である。「外的イメージは自分の目線から動作の感覚を思い描き、内的イメージは第三者の視点から自分の動作を眺めるように思い描く」は両者の説明を取り違えている。「内的イメージは習得の初期に向き、外的イメージは熟練してから用いるものとされる」は誤りで、どちらを用いるかは習熟の段階ではなく課題の性質によって選ばれる。「イメージの視点は目を閉じるか開けるかによって自動的に決まるとされる」も誤りで、どの視点から思い描くかは目の開閉ではなく本人の意図によって選ばれる。
HINT 「自分の目で見る」か「外から自分を見る」かの違い。
- Q18#jg-ps-018
スポーツ集団における凝集性(チームのまとまり)に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1課題凝集性は人間関係の親密さを指し、社会的凝集性は目標達成へのまとまりを指す
- 2凝集性には、目標達成に向けたまとまりである課題凝集性と、人間関係の親密さである社会的凝集性の両面がある正解
- 3凝集性は常にチームの成績を直接的に高め、高いほど良い結果に必ずつながるとされる
- 4課題凝集性が高まれば社会的凝集性もあわせて高まるため、両者は一方だけを測ればよい
Answer
正解 2:凝集性には、目標達成に向けたまとまりである課題凝集性と、人間関係の親密さである社会的凝集性の両面がある
スポーツ集団の凝集性には、目標の達成に向けて一致団結する課題凝集性と、メンバー同士の人間関係の親密さである社会的凝集性の二つの側面があるとされる。「課題凝集性は人間関係の親密さを指し、社会的凝集性は目標達成へのまとまりを指す」は2つの側面の説明が入れ替わっており、目標達成へのまとまりが課題凝集性、人間関係の親密さが社会的凝集性である。「凝集性は常にチームの成績を直接的に高め、高いほど良い結果に必ずつながるとされる」も誤りで、種目や状況によっては過度な仲の良さが競争を弱める場合もある。「課題凝集性が高まれば社会的凝集性もあわせて高まるため、両者は一方だけを測ればよい」も誤りで、2つの側面は別々に動き、課題凝集性が高くても社会的凝集性が低いチームもある。
HINT 「目標に向かうまとまり」と「仲の良さ」は別物として捉える。
- Q19#jg-ps-019
指導者のリーダーシップスタイルに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1選手の経験が浅い段階では意見を取り入れる民主型を、経験を積んだ段階では一方的に決める専制型を用いるのが望ましい
- 2指導者が一方的に決定する専制型と、選手の意見を取り入れる民主型があり、場面に応じて使い分けることが望ましい正解
- 3民主型のリーダーシップは常に不適切であり、あらゆる場面で専制型のみを用いる
- 4リーダーシップのスタイルは指導者の性格によって定まり、場面に応じて変わるのは言葉かけだけである
Answer
正解 2:指導者が一方的に決定する専制型と、選手の意見を取り入れる民主型があり、場面に応じて使い分けることが望ましい
リーダーシップには、指導者が一方的に方針を決定する専制型と、選手の意見を取り入れながら進める民主型などのスタイルがあり、対象者の経験や場面に応じて使い分けることが望ましいとされる。「選手の経験が浅い段階では意見を取り入れる民主型を、経験を積んだ段階では一方的に決める専制型を用いるのが望ましい」は、2つのスタイルを場面で分ける形は正しいが対応が入れ替わっており、経験の浅い段階ほど方針を示す関わりが要るとされ、経験を積んだ段階で一方的に決める形へ移すことが望ましいとはされていない。「民主型のリーダーシップは常に不適切であり、あらゆる場面で専制型のみを用いる」も誤りで、選手の主体性を育てる場面では民主型が有効である。「リーダーシップのスタイルは指導者の性格によって定まり、場面に応じて変わるのは言葉かけだけである」も誤りで、スタイル自体を場面に応じて選び分けることが望ましいとされる。
HINT 「決める人」と「決め方に参加させる」を、場面によって使い分ける。
- Q20#jg-ps-020
運動学習の段階(認知段階・連合段階・自動化段階)に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1学習は、動作の全体像を頭で理解する認知段階、動きを調整し洗練させる連合段階、意識せずに遂行できる自動化段階の順に進む正解
- 2認知段階では動きの微調整を重ね、連合段階で初めて動作の全体像を言葉で理解していく
- 3自動化段階に達すると、動作は意識して組み立て直すまで修正できなくなるとされる
- 4学習は、意識せずに遂行できる自動化段階からまず先に始まり、そのあとでゆっくり動作の全体像を理解する認知段階へと進むとされる
Answer
正解 1:学習は、動作の全体像を頭で理解する認知段階、動きを調整し洗練させる連合段階、意識せずに遂行できる自動化段階の順に進む
運動学習の段階モデルでは、動作の全体像を頭で理解しようとする認知段階、試行錯誤しながら動きを調整し洗練させていく連合段階、意識せずに動作を遂行できるようになる自動化段階の順に学習が進むとされる。「学習は、意識せずに遂行できる自動化段階からまず先に始まり、そのあとでゆっくり動作の全体像を理解する認知段階へと進むとされる」は順序を取り違えている。「自動化段階に達すると、動作は意識して組み立て直すまで修正できなくなるとされる」は誤りで、自動化段階でも言葉かけや課題の設定によって動作を修正していける。「認知段階では動きの微調整を重ね、連合段階で初めて動作の全体像を言葉で理解していく」も誤りで、2つの段階の中身が入れ替わっており、全体像の理解が認知段階、動きの微調整が連合段階にあたる。
HINT 「頭で理解する」→「調整して磨く」→「考えずにできる」の順で進む。
- Q21#jg-ps-021
運動学習における「転移」の説明として最も適切なものはどれか。
- 1転移とは、練習を長く休んだ期間に技能が少しずつ失われていく現象を指すとされる
- 2転移とは、疲労が試合や練習を通じて徐々に蓄積していき、動作の精度が明らかに落ちていく現象を指すとされている
- 3正の転移は動作の形が似ているほど起こりやすく、負の転移は形が違うほど起こりやすい
- 4ある運動の経験が、別の運動の習得に影響する現象を転移といい、習得を助ける正の転移と妨げる負の転移がある正解
Answer
正解 4:ある運動の経験が、別の運動の習得に影響する現象を転移といい、習得を助ける正の転移と妨げる負の転移がある
転移とは、ある運動の経験が別の運動の習得に影響する現象を指し、動作の構造が似ている場合などに習得を助ける正の転移と、動作の要求が異なるのに似た場面で誤って適用され習得を妨げる負の転移がある。「転移とは、練習を長く休んだ期間に技能が少しずつ失われていく現象を指すとされる」は忘却の説明であり転移とは異なる。「転移とは、疲労が試合や練習を通じて徐々に蓄積していき、動作の精度が明らかに落ちていく現象を指すとされている」も別の現象の説明である。「正の転移は動作の形が似ているほど起こりやすく、負の転移は形が違うほど起こりやすい」も誤りで、負の転移は形が似ているのに求められる反応が違う場面でむしろ起こりやすい。
HINT 「前にやったことが、次に効く」場合も「邪魔する」場合もある。
- Q22#jg-ps-022
練習の配分(分散練習と集中練習)に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1休息をほとんど取らない集中練習は、疲労を抑えつつ短期間で習得を進めるうえで分散練習より明らかに優れている
- 2分散練習は一度の練習の時間を長く取る方法を指し、集中練習は一度の練習の時間を短く区切る方法を指す
- 3休息を挟む間隔は長いほど習得が進むため、1週間に1回の練習が最も効率がよい
- 4練習の合間に十分な休息を挟む分散練習は、休息をほとんど取らない集中練習より、疲労を抑えつつ習得を進めやすい正解
Answer
正解 4:練習の合間に十分な休息を挟む分散練習は、休息をほとんど取らない集中練習より、疲労を抑えつつ習得を進めやすい
練習と練習の間に十分な休息を挟む分散練習は、休息をほとんど取らずに練習を続ける集中練習に比べて、疲労を抑えながら習得を進めやすいとされる。ただし課題の性質によって適した配分は変わる。「休息をほとんど取らない集中練習は、疲労を抑えつつ短期間で習得を進めるうえで分散練習より明らかに優れている」は関係を取り違えている。「休息を挟む間隔は長いほど習得が進むため、1週間に1回の練習が最も効率がよい」は誤りで、休息は長ければ長いほどよいというものではなく、間隔が開きすぎれば習得は進みにくくなる。「分散練習は一度の練習の時間を長く取る方法を指し、集中練習は一度の練習の時間を短く区切る方法を指す」も誤りで、両者を分けるのは一度の練習の長さではなく、練習と練習の間に休息を挟むかどうかである。
HINT 「休みを挟むかどうか」の違い。疲労がたまりやすい課題ほど休息の効果が出やすい。
- Q23#jg-ps-023
複数の技術を練習する際のブロック練習とランダム練習に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1同じ技術を続けるブロック練習は習得中の遂行が安定しやすく、混ぜて行うランダム練習は長期的な定着に優れる傾向がある正解
- 2ブロック練習で身につけた技術は、ランダム練習へ移すと崩れてしまうため、最後までブロック練習で通すのが望ましいとされる
- 3種目を混ぜて練習するランダム練習は習得中の遂行が安定しやすく、同じ技術を続けるブロック練習は長期的な定着に優れる傾向がある
- 4ランダム練習は習得中の遂行も長期の定着もともに高めるので、初心者から用いるのが望ましい
Answer
正解 1:同じ技術を続けるブロック練習は習得中の遂行が安定しやすく、混ぜて行うランダム練習は長期的な定着に優れる傾向がある
同じ技術を続けて反復するブロック練習は練習中の遂行が安定しやすい一方、複数の技術を混ぜて練習するランダム練習は練習中の遂行が不安定になりやすいものの、文脈干渉効果によって長期的な定着や応用力に優れる傾向があるとされる。「種目を混ぜて練習するランダム練習は習得中の遂行が安定しやすく、同じ技術を続けるブロック練習は長期的な定着に優れる傾向がある」は両者の傾向を取り違えている。「ブロック練習で身につけた技術は、ランダム練習へ移すと崩れてしまうため、最後までブロック練習で通すのが望ましいとされる」は誤りで、ランダム練習へ移したときに遂行がいったん乱れることはあるが、その過程を経ることが長期的な定着につながる。「ランダム練習は習得中の遂行も長期の定着もともに高めるので、初心者から用いるのが望ましい」も誤りで、ランダム練習では習得中の遂行が不安定になりやすく、動作の型がまだ固まらない段階では扱いにくい。
HINT 「練習中の出来」と「後にどれだけ残るか」は一致しないことがある。
- Q24#jg-ps-024
傷害からの身体的な回復が進んだ後の、競技復帰に向けた心理面の課題として最も適切なものはどれか。
- 1身体機能が回復していても、再受傷不安で動けず、復帰が遅れることがある正解
- 2再受傷への不安は復帰から日が経つほど強まるので、復帰直後の負荷を高く設定する
- 3再受傷への不安が強い選手ほど、競技へ戻ったあとの成績は高くなるとされる
- 4競技復帰に向けた不安は、身体的なリハビリテーションを増やすことでのみ解消できるとされる
Answer
正解 1:身体機能が回復していても、再受傷不安で動けず、復帰が遅れることがある
身体機能の回復が医学的には十分な水準に達していても、再受傷への不安から動作を思い切って行えず、パフォーマンスが戻らなかったり復帰そのものが遅れたりすることがあり、身体面の回復と心理面の準備には段差が生じうる。「再受傷への不安は復帰から日が経つほど強まるので、復帰直後の負荷を高く設定する」は誤りで、不安は復帰の直後にこそ強く、段階を踏んで負荷を上げていくことで和らぐ。「再受傷への不安が強い選手ほど、競技へ戻ったあとの成績は高くなるとされる」も誤りで、不安が強いほど動作を思い切って行えず、復帰後の成績は戻りにくくなる。「競技復帰に向けた不安は、身体的なリハビリテーションを増やすことでのみ解消できるとされる」も誤りで、不安への対応には心理面への働きかけも必要になる。
HINT 「体は治った」と「思い切って動ける」は別の話。
- Q25#jg-ps-025
動作の練習方法である全習法と分習法の使い分けに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1構成要素のつながりが強い動作は分習法、つながりが弱い動作は全習法で練習する
- 2全習法と分習法があり、動作の複雑さや構成要素のつながりに応じて使い分ける正解
- 3動作の複雑さにかかわらず、常に部分に分けて練習する分習法だけを用いる
- 4動作の複雑さにかかわらず、常にひとまとまりで練習する全習法だけを用いる
Answer
正解 2:全習法と分習法があり、動作の複雑さや構成要素のつながりに応じて使い分ける
動作全体をひとまとまりで練習する全習法と、動作を部分に分けて練習してから組み合わせる分習法があり、動作が単純で構成要素同士のつながりが強い場合は全習法、動作が複雑で構成要素同士のつながりが弱い場合は分習法が向くというように、動作の性質に応じて使い分けることが基本になる。「動作の複雑さにかかわらず、常に部分に分けて練習する分習法だけを用いる」は誤りで、単純な動作では全習法のほうが向く場合がある。「動作の複雑さにかかわらず、常にひとまとまりで練習する全習法だけを用いる」も誤りで、複雑な動作では分習法のほうが向く場合がある。「構成要素のつながりが強い動作は分習法、つながりが弱い動作は全習法で練習する」も誤りで、動作の性質に応じて分ける形は正しいが対応が入れ替わっており、つながりが強い動作は全習法、弱い動作は分習法が向く。
HINT 「ひとまとめ」か「部分に分けるか」は、動作の複雑さと部分同士のつながりで決める。
- Q26#jg-ps-026
競技不安における特性不安と状態不安の違いに関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1特性不安は不安を感じやすい傾向という個人の安定した性質を指し、状態不安はある場面で一時的に生じる不安の程度を指す正解
- 2特性不安は試合の重要さによって大きく上下し、状態不安は年単位で安定している
- 3特性不安が高い者は、どのような場面でもむしろ状態不安が低くなることがすでに分かっているとされる
- 4状態不安は不安を感じやすい傾向という個人の比較的安定した性質を指し、特性不安はある場面で一時的に生じる不安の程度を指す
Answer
正解 1:特性不安は不安を感じやすい傾向という個人の安定した性質を指し、状態不安はある場面で一時的に生じる不安の程度を指す
特性不安は場面にかかわらず不安を感じやすいかどうかという個人の比較的安定した性質を指し、状態不安は試合前などある特定の場面で一時的に生じる不安の程度を指す。両者を区別することで、日頃から不安を感じやすい選手なのか、その場面特有の要因で不安が高まっているのかを見分けやすくなる。「状態不安は不安を感じやすい傾向という個人の比較的安定した性質を指し、特性不安はある場面で一時的に生じる不安の程度を指す」は両者の定義を取り違えている。「特性不安は試合の重要さによって大きく上下し、状態不安は年単位で安定している」は誤りで、場面によって上下するのが状態不安、年単位で比較的安定しているのが特性不安である。「特性不安が高い者は、どのような場面でもむしろ状態不安が低くなることがすでに分かっているとされる」も誤りで、一般に特性不安が高い者は特定の場面で状態不安も高まりやすい傾向がある。
HINT 「いつも不安になりやすい性格」か「今この場面だけ不安」かの違い。
- Q27#jg-ps-027
試合や記録会を前に、気持ちが乗らず体も重いと訴える選手への対応として最も適切なものはどれか。
- 1短く全力で動く課題や声出しを取り入れて気持ちと体を引き上げ、動作の細かさに応じて上げ幅を調える正解
- 2呼吸を深くする手順と筋を緩める手順を長めに行い、落ち着いた状態まで下げてから臨ませる
- 3気持ちの持ちようの問題として扱い、本人が乗ってくるまで待つようにする
- 4本番の重みを強く言い聞かせ、うまくいかなかったときの影響を具体的に伝える
Answer
正解 1:短く全力で動く課題や声出しを取り入れて気持ちと体を引き上げ、動作の細かさに応じて上げ幅を調える
気持ちが乗らず体も重いという訴えは、構えが整っていない状態として扱える。短く全力で動く課題や声出しを取り入れて気持ちと体を引き上げると構えが整うが、細かな調整が求められる動作では上げすぎると崩れるため、上げ幅を動作の性質に合わせて調える。「落ち着いた状態まで下げてから臨ませる」は、下げる手立てを上げたい場面に当てている点で方向が逆である。「気持ちの持ちようの問題として扱い、本人が乗ってくるまで待つ」は、手立てを持たないまま本人に預けている。「本番の重みを強く言い聞かせ、うまくいかなかったときの影響を」は、構えを整えるかわりに脅威の感じ方を強める。
HINT 上げる手立ても下げる手立てと同じく用意しておく。ただし上げ幅は動作の細かさで決める。
- Q28#jg-ps-028
本番になると練習どおりの動きができなくなる選手に対する、練習の組み方として最も適切なものはどれか。
- 1練習では落ち着いた環境を保ち、重圧は本番の場でだけ経験させるようにする
- 2人に見られる場面や一回で決める条件を練習に混ぜ、重圧に慣らしていく正解
- 3本番と同じ重圧を初めから最大限かけ、耐えられるまで繰り返させる
- 4動作を繰り返す回数を増やすことに絞り、正確さを積み上げる
Answer
正解 2:人に見られる場面や一回で決める条件を練習に混ぜ、重圧に慣らしていく
練習の環境が静かなままでは、重圧のかかる状況そのものに慣れる機会がない。人に見られる場面や一回で決める条件を少しずつ混ぜ、負荷と同じように段階を踏んで重圧を上げていく。「重圧は本番の場でだけ経験させる」は、その機会を練習から外してしまう。「初めから最大限かけ、耐えられるまで繰り返させる」は段階を飛ばしており、失敗の経験だけが積み上がりやすい。「動作を繰り返す回数を増やすことに絞り、正確さを積み上げる」は、練習での正確さは高まっても、本番との違いそのものには手が入らない。
HINT 静かな場所で完成させた動作は、静かな場所でしか出ない。
- Q29#jg-ps-029
試合前の不安への対処を選ぶときの考え方として最も適切なものはどれか。
- 1どの訴えにも同じ手順を当て、効き方の違いは後から考えることにしておく
- 2体の緊張が強いときほど考えを整える手順を先に当て、緊張が落ち着くのを待つ
- 3体の緊張が強いときは呼吸や筋を緩め、考えが空回りするときは注意の向け先を整える正解
- 4不安の話は後回しにするよう本人に伝え、当日の動きの手順の確認に時間を充てる
Answer
正解 3:体の緊張が強いときは呼吸や筋を緩め、考えが空回りするときは注意の向け先を整える
不安は、心拍や筋の緊張として現れる面と、心配な考えが頭を離れない面に分けて捉えられる。体の緊張が強いときは呼吸や筋を緩める手順、考えが空回りするときは注意の向け先を整える手順を当てると、訴えと手立てが噛み合う。「効き方の違いは後から考えることにしておく」は、現れ方の違いを見ずに当てはめている。「体の緊張が強いときほど考えを整える手順を先に当て」は、組み合わせが入れ替わっている。「不安の話は後回しにするよう本人に伝え、当日の動きの手順の確認に」は、訴えを扱わないまま当日を迎えることになる。
HINT 体に出ているのか、頭の中で回っているのか。現れ方で手立てを選ぶ。
- Q30#jg-ps-030
それまで運動そのものを楽しんでいた対象者に、指導者が毎回ごほうびを渡し続けた場合に起こりうることとして最も適切なものはどれか。
- 1ごほうびを受け取る場面が増えることで、運動そのものの技術も合わせて高まる
- 2ごほうびを言葉によるほめ方に替えると、内発的な意欲はいっそう下がっていくとされる
- 3ごほうびを大きくすれば、活動そのものへの関心も強くなる
- 4ごほうびのために取り組む構えに変わり、ごほうびが途切れた場面で意欲が下がる正解
Answer
正解 4:ごほうびのために取り組む構えに変わり、ごほうびが途切れた場面で意欲が下がる
もともと活動そのものを楽しんでいた人に外から報酬を与え続けると、取り組む理由が報酬の側へ移り、報酬が途切れた場面で意欲が下がることがある。「運動そのものの技術も合わせて高まる」は、報酬と技術の習得を結びつけた説明で、ここで問われている意欲の変化を説明していない。「ごほうびを言葉によるほめ方に替えると、内発的な意欲はいっそう下がっていくとされる」は誤りで、有能感を伝える言葉によるほめ方は、内発的な意欲を支える側に働きうる。「ごほうびを大きくすれば、活動そのものへの関心も強くなる」も誤りで、報酬の大きさと活動への関心は比例しない。
HINT ごほうびは効くが、効かせ続けると「何のためにやっているか」が入れ替わる。
- Q31#jg-ps-031
休養日の過ごし方について、心理面の回復という観点から選手へ伝える内容として最も適切なものはどれか。
- 1競技から意識が離れる時間を意図してつくることが、意欲や気分の回復につながる正解
- 2休養日を長く取るほど気持ちも戻るので、過ごし方よりも日数を増やすことを優先する
- 3体を休めれば気持ちもあわせて戻るため、過ごし方の中身は本人任せでよい
- 4競技以外の予定を入れると気が散るので、一日を家で静かに過ごす
Answer
正解 1:競技から意識が離れる時間を意図してつくることが、意欲や気分の回復につながる
心理面の回復には、体を休めるだけでなく、競技から意識が離れる時間を意図してつくることが関わる。練習や試合のことを考え続けたままでは、意欲や気分は戻りにくい。「休養日を長く取るほど気持ちも戻るので、過ごし方よりも日数を」は、日数で置き換えられるものとして扱っていて、競技から意識が離れているかどうかという中身に手が入らない。「体を休めれば気持ちもあわせて戻るため」は、身体の回復と心理面の回復を同じものとして扱っている。「競技以外の予定を入れると気が散るので、一日を家で静かに」は、競技から意識が離れる機会を狭める。
HINT 体を休めることと、競技のことを考えずに過ごすことは別の回復。
- Q32#jg-ps-032
長い時間走り続ける場面での注意の向け方について、最も適切なものはどれか。
- 1呼吸や脚の感覚へ注意を向けることが、どの場面でも最も楽に走れる方法になる
- 2呼吸や脚の感覚へ向ける仕方と、景色や音へ移す仕方を使い分ける正解
- 3周囲へ注意を移すのは集中が切れた状態なので、取り除くべき癖として直させる
- 4景色や音へ注意を移す仕方は強度が高い場面に、呼吸や脚の感覚へ向ける仕方は低い場面に用いる
Answer
正解 2:呼吸や脚の感覚へ向ける仕方と、景色や音へ移す仕方を使い分ける
長時間の走行では、呼吸や脚の感覚といった体の内側へ注意を向ける仕方と、景色や音など外側へ注意を移す仕方のどちらも用いられる。ペースを細かく管理したい場面では内側へ、きつさを感じにくくしたい場面では外側へと使い分ける。「呼吸や脚の感覚へ注意を向けることが、どの場面でも最も楽に走れる方法になる」は、片方に固定している点で誤りである。「周囲へ注意を移すのは集中が切れた状態なので」も誤りで、意図して外へ移すのは一つの手立てである。「景色や音へ注意を移す仕方は強度が高い場面に、呼吸や脚の感覚へ向ける仕方は低い場面に用いる」も誤りで、強度が高まるほど身体の感覚から注意を逸らしておくことは難しくなり、むしろ内側へ向きやすくなるため、強度との対応が逆である。
HINT 内側へ向けるか、外へ逸らすか。どちらも使える手立てとして持っておく。
- Q33#jg-ps-033
動作の修正点を選手へ伝える時機について、最も適切なものはどれか。
- 1動作の最中に気づいた点をその場で次々と声に出し、その場で直させる
- 2動作の修正点は練習が全部終わってからまとめて伝え、翌日まで持ち越す
- 3一区切りついた場面をとらえ、そこで要点を伝えるようにする正解
- 4動作の修正点は本人から質問が出た場面に限って伝え、ほかは見守る
Answer
正解 3:一区切りついた場面をとらえ、そこで要点を伝えるようにする
動作の最中は本人の注意が動作そのものに向いているため、伝えた内容が入りにくく、流れを妨げることもある。一区切りついた場面をとらえて要点を伝えるほうが、内容が残り、次の試行に反映されやすい。「動作の最中に気づいた点をその場で次々と声に出し」は、注意を奪って動作を崩しやすい。「動作の修正点は練習が全部終わってからまとめて伝え、翌日まで持ち越す」は、間が開きすぎてその場の感覚と結びつかない。「本人から質問が出た場面に限って伝え、ほかは見守る」は、伝える機会が本人の申し出しだいになり、必要な修正が届かない。
HINT 動いている最中の耳は、動作にふさがっている。
- Q34#jg-ps-034
球技の場面で選手に注意の向け方を教えるときの考え方として最も適切なものはどれか。
- 1試合の間は周囲を広くとらえることが、どの局面でも判断を速める
- 2的を絞る集中を練習で固めてから、周囲を見る見方は経験が積まれた段階で加える
- 3周囲を広くとらえる場面と一点に絞る場面は、ボールを持っているかどうかで決まる
- 4周囲を広くとらえる場面と一点に絞る場面があり、局面に応じて切り替えていく正解
Answer
正解 4:周囲を広くとらえる場面と一点に絞る場面があり、局面に応じて切り替えていく
球技では、味方や相手の位置を把握する局面では注意を広くとり、シュートやパスの瞬間には的を絞って一点に集める。局面に応じて切り替えられることが求められるので、両方を練習の中で扱う。「どの局面でも判断を速める」は片方に固定している。「的を絞る集中を練習で固めてから、周囲を見る見方は経験が積まれた段階で」は、順序を分けて扱う必要のないものを段階に割っている。「周囲を広くとらえる場面と一点に絞る場面は、ボールを持っているかどうかで決まる」も誤りで、ボールを持っていない局面でも的を絞る場面があり、持っている局面でも周囲を広くとらえる必要がある。
HINT 広く見る目と、一点に絞る目。どちらかに固定せず、切り替えを練習する。
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