本文へスキップ
資格のニガテ一問一答

エクササイズテクニックの板書

講義動画で板書した内容を、全文そのまま置いています。動画を見ながら書き写す必要はありません。必要なところだけ読んでください。

第8回「テクニックの土台—構えと呼吸」

この回は、フォームがなぜその形になるのかを扱います。関節のてこ、筋が出せる力と角度の関係、重力・カム・弾性・慣性で変わる抵抗のかかり方、握り方と握り幅、スタンスと5点接地、呼吸、脊柱の中間位と可動域までを見ます。

00:17この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 関節のてこ

    3種類

  • ベンチプレスの接地

    5点

  • バーの握り方

    5つ

  • 関節のてこは第1種・第2種・第3種の3種類。支点(関節)・力点(筋が骨を引く場所)・荷重点(抵抗がかかる場所)の並びで分かれる
  • ベンチプレスの5点接地=頭・上背部(肩)・臀部をベンチにつけ、右足と左足の裏を床につける。数えると頭/上背部/臀部/右足/左足で5点
  • バーの握り方はオーバーハンド(順手)・アンダーハンド(逆手)・ニュートラル(手のひらを向かい合わせる)・オルタネイト(片手ずつ向きを変える)・フックの5つ
  • 親指を巻くのがクローズドグリップ、巻かないのがオープン(サムレス)グリップ。これは握りの向きとは別の軸で、サムレスはバーが手から抜けて落ちる危険があるため基本的に使わない

①関節はてこ2節

00:28関節はてこ

支点・力点・荷重点が、どの順に並ぶか

  • 支点=関節/力点=筋が骨を引く場所/荷重点=抵抗がかかる場所
  • 真ん中が支点=第1種/荷重点=第2種/力点=第3種
  • 人体は第3種が多い。力では不利、速さと動く幅で有利
  • てこの3つの要素:支点=関節、力点=筋が骨を引く場所、荷重点=抵抗(重さ)がかかる場所
  • 第1種=支点が力点と荷重点の間(肘を伸ばす上腕三頭筋など)
  • 第2種=荷重点が支点と力点の間(つま先立ちの底屈が代表例として挙げられる)
  • 第3種=力点が支点と荷重点の間(肘を曲げる上腕二頭筋など)
  • 人体の関節は第3種にあたるものが多いとされ、第2種にあたる例は少ない
  • 第3種は力の面では不利だが、筋がわずかに縮むだけで手足を大きく速く動かせる

3種類のてこと、関節から遠いほど重くなる理由

  • 第1種:支点が力点と荷重点の間(肘を伸ばす上腕三頭筋など)
  • 第2種:荷重点が支点と力点の間(つま先立ちの底屈が代表例として挙げられる)
  • つま先立ちで支点になるのは足関節ではなく中足趾節関節(足の指の付け根)で、足関節が荷重点にあたる。凡例の「支点=関節」は、どの関節が支点になるかを種目ごとに見分けて読む
  • 第3種:力点が支点と荷重点の間(肘を曲げる上腕二頭筋など)。人体に多い
  • モーメントアーム=支点から力の作用線までの垂直の距離。これが長くなるほど、同じ重さでも関節にかかる負担は大きくなる
  • だからデッドリフトではバーを体に近づけ、スクワットではバーが足の真上の線から離れないようにする
動画でこの図を見る(01:07)

②角度と力1節

01:24角度と力

同じ筋でも、出せる力は長さと速さで変わる

  • 長さと張力:筋は中間の長さでいちばん強い
  • 力と速さ:速く縮むほど力は小さくなる
  • →種目ごとに止まりやすい角度がある。扱える重さはそこで決まる
  • 長さと張力の関係:筋は中間くらいの長さのときに最も大きな張力を出せる。伸びきった位置と縮みきった位置では力が落ちる
  • 力と速さの関係:短縮する速さが速いほど、発揮できる力は小さくなる
  • 伸ばされながら力を出す局面では、同じ速さで縮むときより大きな力を出せるとされる
  • この2つが重なるので、どの種目にも「いちばん力が出ない角度」があり、そこで動作が止まりやすい

③抵抗のかかり方2節

02:00抵抗のかかり方

抵抗の出どころが変わると、きつい角度が動く

  • 重力=いつも真下。関節から水平に離れた距離が最大の角度でいちばんきつい
  • カム=角度ごとに抵抗を変える/弾性=終盤が最もきつい
  • 慣性=動かし始めに大きな力。動き出すと惰性で進む
  • 重力(フリーウエイト):抵抗はいつも真下に向く。関節から水平に離れた距離が最大になる角度でいちばんきつい
  • カム(可変抵抗マシン):滑車の形で角度ごとの抵抗を変え、力の出やすさに合わせようとするもの
  • 弾性(チューブ・バンド):伸ばす長さが増えるほど抵抗も増える。動作の終盤でいちばん高まる
  • 慣性(加速が必要な動作・メディシンボールなど):動かし始めに大きな力が要り、動き出したあとは惰性で進む
  • 反動を使うと負荷が逃げるのは慣性のため。きつい角度を惰性で通り過ぎてしまう

4つの抵抗と、いちばんきつくなるところ

  • 重力:関節から水平に離れた距離が最大になるところでいちばんきつい
  • カム:滑車の形で角度ごとの抵抗を変える
  • 弾性:動作の終盤でいちばん高まる
  • 慣性:動かし始めにいちばん大きな力が要る
  • 同じ筋を狙う種目でも、抵抗の出どころが違えばきつい場所が違う。種目を組み合わせる意味はここにある
動画でこの図を見る(02:42)

④握る2節

03:005つの握り方

握り方は、落とさないために選ぶ

  • オーバーハンド(順手)=基本。手首を反らせすぎない位置で押せる
  • アンダーハンド(逆手)=二頭筋/ニュートラル=手のひら向かい合わせ
  • オルタネイト=バーの回転止め/フック=強いが親指が痛い
  • もう1つの軸=親指を巻くか。クローズド/オープン(サムレス)は使わない
  • オーバーハンド(順手・手のひらを下に向ける):手首を反らせすぎない安定した位置で押しやすく、多くの種目の基本
  • アンダーハンド(逆手・手のひらを上に向ける):上腕二頭筋を強く動員したい種目であえて使う(バーベルカールなど)
  • ニュートラル(手のひらを向かい合わせる):左右の手のひらが向かい合う握り。ダンベルのハンマーカールなど
  • オルタネイト(片手ずつ向きを変える):高重量のデッドリフトで、バーが手の中で回転して落ちるのを防ぐ。左右非対称になるので、逆手側の上腕二頭筋への負担は増える
  • フック:親指をバーに巻きつけ、その上から他の指で挟む。保持力は高いが親指に強い痛みを伴う
  • 5つは握り方(グリップの種類)の数。手のひらの向きで分かれるのは順手・逆手・ニュートラルで、オルタネイトはその組み合わせ、フックは親指の使い方による保持の工夫
  • もう1つの軸として、親指をバーに巻くのがクローズドグリップ、巻かないのがオープン(サムレス)グリップ。これは5つの数え方とは別で、フックはクローズドの一種にあたる
  • サムレスグリップは、バーが手から抜けて落ちる危険があるため基本的に使わない
04:19握り幅

幅は、狙いとその人の肩の具合で決める

  • 幅で関与する筋の割合と負担が変わる。狙いと肩の具合で選ぶ
  • 引く種目は広く握るほど可動域は狭くなる(増えるのではない)
  • 痛みが出たらその場で変える。一度決めた幅に縛られない
  • 握り幅は種目ごとに一種類に定まるものではない。種目の狙いと対象者の肩関節の状態を踏まえて選び、痛みが出れば都度調整する
  • 握り幅が変わると、関与する筋の割合や関節にかかる負担が変わる
  • ラットプルダウンやプルアップでは、広く握るほど動かせる範囲は狭くなる。広いほど可動域が増えるわけではない
  • 一度決めた幅を、種目が変わっても揃えて固定する理由はない

⑤立つ・寝る2節

足幅は、ふらつかない土台をつくるため

  • 立位は肩幅程度を目安に、前後左右へふらつかない足幅
  • つま先の向きは一つではない。膝が素直に追従できる角度を人ごとに探る
  • 立って腕を大きく動かす種目では、肩幅程度を目安に、前後左右へふらつかない基底を作る足幅を選ぶ
  • しゃがむ立位種目では、つま先の向きに正解は一つではない。股関節の構造や可動域には個人差があるため、膝がつま先の向きに素直に追従できる角度を人ごとに探る
  • 足裏全体で床をとらえる。踵が浮くと土台が崩れる
05:185点接地

寝て押す種目は、5点で寝る

  • 頭・上背部(肩)・臀部をベンチ、右足と左足の裏を床。これで5点
  • 5点は全部つけることで土台になる。肩甲骨は寄せて下げる
  • 5点接地=頭・上背部(肩)・臀部をベンチにつけ、右足と左足の裏を床につける。数えると頭/上背部/臀部/右足/左足で5点
  • 5点はすべて「つける」ことで安定した基底を作る。浮かせると安定が減る
  • 肩甲骨を寄せて下げた位置で固めるのは、5点の数え方とは別の事実。これが押すための土台になる
  • 足を浮かせる形、臀部を浮かせる形は、安定を失うだけでなく脊柱にかかる負担も変わる

⑥息2節

05:50基本

力を出すところで吐く

  • 力を出す局面で吐く、戻す局面で吸う
  • 狙いは血圧の急な上昇を抑えることと動作の安定。筋力の話ではない
  • 反復の間止め続けるのは避ける→立ちくらみ・意識を失うことにつながる
  • 力を発揮して持ち上げる局面で吐き、戻す局面で吸うのが基本
  • 目的は、息を止めたまま力むより血圧の急な上昇を抑えやすく、動作を安定させやすくすること
  • 吐きながら行う呼吸そのもので筋力が上がるわけではない。狙いは血圧の急な上昇を抑えることと、動作の安定
  • 反復の間ずっと息を止め続けると、胸の中の圧力が高いままになり、血圧が変動して立ちくらみや意識を失うことにつながりやすい
06:24息をこらえると何が起きるか

起きることと、避けるべき人まで

  • バルサルバ法=声門を閉じたまま息をこらえて腹圧を高める
  • 起きること:体幹が固まり脊柱が支えられる/同時に血圧が急に上がる
  • 避けるのは高血圧・心疾患の既往がある人。判断は主治医へ
  • バルサルバ法=声門を閉じたまま息をこらえて腹圧を高める手技
  • 起きること:腹腔内の圧力が上がって体幹が固まり脊柱が支えられる一方、胸腔内(きょうくうない)の圧力も上がって血圧が急に上昇しやすくなる
  • 声門を閉じることがこの手技の核。口を開けて吐きながら力むのとは別のことが起きている
  • 避けるべき対象者:高血圧や心疾患の既往があり、血圧の急な上昇に注意が必要な人。経験の長さや、一度だけ使うかどうかは判断の軸ではない
  • 指導者は診断をしない。血圧や心臓に不安がある人は、主治医に確認してもらってから運動の内容を決める

⑦動かす3節

07:08背中

脊柱は中間位。負担を一部に偏らせない

  • 中間位=生理的な弯曲を保つ。丸めも反りすぎもしない
  • 理由は椎間板の負担が一部に偏らないこと(見た目の話ではない)
  • 締める合図は全周から固める。へこませて薄くは別の目的の合図
  • 脊柱の中間位=生理的な弯曲を保った姿勢。丸めも反りすぎもしない
  • 中間位を保つ理由は、椎間板にかかる負担が一部に偏りにくく安全だから。見た目や採点のためではない
  • 高重量を扱う前に体幹を締める合図としては、全周から固めるよう伝える(お腹を殴られても崩れないくらい、という言い方が使われる)
  • お腹をへこませて薄くする形(ドローイン)は別の目的の合図で、高重量の前に使うものではない
07:41速さと範囲

反動で通り過ぎると、負荷が抜ける

  • 反動は負荷を逃がす。速ければよいわけではない
  • 可動域は無理のない範囲でできるだけ大きく。制限があれば加減する
  • 反動に頼ると負荷が逃げやすく、動作が崩れて関節への負担も増える。速ければよいわけではない
  • 可動域は、無理のない範囲でできるだけ大きく使う。制限がある場合は加減する
  • 狭い範囲に限る必要もなく、痛みを押して最大まで広げる必要もない
08:05フリーウエイトとマシン

見る場所が、安定から位置合わせに移る

  • フリーウエイトは安定させる働きが要る→構えと軌道を見る
  • マシンは位置合わせ。関節の回転軸とマシンの支点を近づける
  • フリーウエイトは自分で姿勢を安定させる筋の働きが要るので、構えと軌道を見る
  • マシンは軌道が決まっているぶん、位置合わせが要点になる
  • マシンの調整=対象者の体格に応じてシートやパッドを動かし、動かす関節の回転軸とマシンの支点を近づける
  • 固定されているから調整は要らない、という扱いにはしない
08:28覚えて帰る4つ

この回の要点

  • てこは3種類。関節から遠いほど、同じ重さでも関節は重くなる
  • きつい角度は抵抗の出どころで動く。重力は水平に離れた距離が最大のところ
  • 構えは握り・幅・足・接地・背・息の6語で引く
  • 息をこらえれば体幹は固まるが血圧も上がる。避ける人がはっきりしている

第9回「種目別のフォーム」

この回は、主な種目の形を扱います。スクワット、デッドリフト、ベンチプレスとショルダープレス、ロウとラットプルダウン、ランジやステップアップ、カールとエクステンション、プランクとクランチまで、崩れる場所を見ていきます。

00:14この回の持ち方

見るのは足・膝・背・肩・肘・首

  • 映像や画像の設問は155問のうち25〜35問(公表値)
  • 見るのは足・膝・背・肩・肘・首の6つ
  • 6つは同じ順で1往復。直すのは1回に1か所
  • 公表されている試験の内訳では、155問(採点対象140問+ノンスコアード15問)のうち、映像や画像を見て答える設問が25〜35問とされている
  • 6つの見る点=足(接地と体重のかけ方)・膝(向きと伸ばし方)・背(脊柱の中間位)・肩(肩甲骨とすくみ)・肘(位置と高さ)・首(頸の位置)
  • 並べる順は、見る順と同じ(土台から上へ)にそろえてある
  • 種目ごとに正しい形を覚えると数は増え続けるが、見る点は6つで止まる
  • 6つは毎回同じ順で1往復させ、直すのは1回に1か所にとどめる
出典

6つの見る点。どの種目でも同じ順に見る

  • 足:足裏全体で床をとらえているか。踵が浮いていないか
  • 膝:つま先の向きに素直に追従しているか。内に入っていないか
  • 背:生理的な弯曲を保てているか。丸まり・反りすぎ
  • 肩:肩甲骨を寄せて下げた位置を保てているか。すくんでいないか
  • 肘:位置が動いていないか。高さが落ちていないか
  • 首:頸を強く曲げたり反らせたりしていないか
  • 見る順は、土台から上へ(足→膝→背→肩→肘→首)が取りやすい
動画でこの図を見る(00:57)

①しゃがむ2節

01:11バックスクワット

体重は踵からやや中足部。足裏で床をとらえる

  • ○体重は踵からやや中足部。足裏全体で床をとらえる
  • ×踵が浮く→しゃがみの土台そのものが崩れる
  • ○膝はつま先の向きに素直に追従する角度を保つ
  • 足裏全体で床を踏み、体重を踵からやや中足部にかけた状態を保つ
  • 踵が浮くと、しゃがみの土台そのものが崩れる
  • 膝は、つま先の向きに素直に追従する角度を保つ
  • つま先の向きに正解は一つではない(第8回)。人ごとに探った向きを、しゃがんでいる間も保てているかを見る
01:43フロントスクワット

担ぐ場所が変わると、見る点が肘に移る

  • ○肘を高く、上腕を床と平行に近づけ鎖骨と肩の上で支える
  • ×肘が下がる→バーの台が崩れて前に落ちる
  • フロントスクワットでは、肘を高く持ち上げて上腕を床と平行に近づけ、鎖骨と肩の上でバーを支える
  • 肘が下がるとバーを支える台が崩れ、バーが前に落ちる
  • バックスクワットとフロントスクワットで変わるのは、バーを支える場所と肘の高さ。足と膝の見方は変わらない

②床から引く3節

02:05始まり

股関節と肩が、同時に上がる

  • ○股関節と肩が同時に伸びていく
  • ×お尻だけが先に上がる(尻上がり)→背中が丸まり、腰の負担が増える
  • ○バーは体に近いところを通す(遠いほど関節が重くなる)
  • デッドリフトの引き始めは、股関節と肩を同時に伸ばしていく
  • お尻だけが先に上がる形(尻上がり)が典型的な崩れ。肩が残るので背中が丸まり、腰にかかる負担が増える
  • バーは体に近いところを通す。支点から遠いほど関節にかかる負担が増える(第8回)
02:37終わり

終わりは「反らせて終える」ではなく「中立で立つ」

  • ○股関節を完全に伸ばし、脊柱は中立のまま直立する
  • ×反らせて終えるも崩れ。中間位は始まりから終わりまで同じ
  • ロックアウト=股関節を完全に伸ばし、脊柱の生理的な弯曲を保った中立の姿勢で直立する
  • 反らせて終える形も崩れの一つ。反りすぎは脊柱の中間位から外れている
  • 引き終わりだけ別の形になる種目ではない。中間位は始まりから終わりまで同じ

しゃがむ・床から引く。崩れを横から見る

  • しゃがむ:踵が浮く/膝がつま先の向きから外れて内に入る/背中が丸まる
  • 床から引く:お尻だけが先に上がる(尻上がり)/バーが体から離れる/引き終わりで反りすぎる
  • 崩れた形はどれも、支点から荷重までの距離が伸びている。距離が伸びれば関節にかかる負担が増える(第8回)
  • 横から見ると、バーが足の真上の線からどれだけ外れているかが分かる
動画でこの図を見る(02:54)

③押す2節

03:10ベンチプレス

土台は肩甲骨と足。落ちる経路がある種目

  • ○肩甲骨を寄せて下げる+足の裏で床を踏ん張る
  • ○肘は斜めに開いた位置を保つ。締めきりも開ききりも外れる
  • この種目はバーが体の上を通る→補助が要る種目。詳しくは第10回
  • 肩甲骨を寄せて下げ、足の裏で床を踏ん張って挙上する。これが押すための土台
  • 肩甲骨も足も、浮くと土台が失われて不安定になる
  • 下ろすときの肘は、体幹に対して斜めに開いた位置を保つ。脇を締めきる形も、真横に開ききる形も外れる
  • バーが身体の上を通る種目なので、挙げられなくなったときに落ちてくる経路がある。補助が要る種目の条件は第10回で扱う
03:49ショルダープレス

膝を使ったら、別の種目の名前になる

  • ○ストリクトは膝と股関節を固定し、腕の力だけで頭上へ押し上げる
  • 膝を使って反動をつけたら、それはプッシュプレス(別の種目)
  • ストリクトプレス=膝と股関節を伸ばして固定し、腕の力だけでバーを頭上へ押し上げる
  • 膝を曲げて反動をつけて押し上げるものは、プッシュプレスという別の種目
  • 崩れたのではなく別の種目をやっている、という場面がある。どちらを指示したのかを先に決めておく

④引く2節

04:12ベントオーバーロウとシーテッドロウ

角度を保つ。肘は体側に沿わせて後ろへ

  • ○ベントオーバーロウは上体の前傾角度を保つ
  • ○シーテッドロウは肘を体側に沿わせて後ろへ、引き終わりで肩甲骨を寄せる
  • ×肘が横に開く/肩がすくむ→狙った筋から力が逃げる
  • ベントオーバーロウでは、上体の前傾角度を動作中ずっと保ったままバーベルを引き上げる
  • 引くのに合わせて上体が起き上がる動きが入ったら、それは腰の反動を使っている
  • シーテッドロウでは、肘を体側に沿わせて後方へ引き、引き終わりで肩甲骨を寄せる
  • 肘が横に開く形も、肩がすくむ形も、狙った筋から力が逃げていく
04:41ラットプルダウンと懸垂

到達点は鎖骨あたり。振ったら別の名前になる

  • ○ラットプルダウンはわずかに後傾、鎖骨あたりまで引き下げる
  • ×首の後ろまで引く/腰の反動を使う→負担が増えるだけ
  • ○懸垂は肘を伸ばしきった位置から静かに。振ったらキッピング
  • ラットプルダウンは、上体をわずかに後傾させ、鎖骨あたりまでバーを引き下げる
  • 首の後ろまで引き下げる形、腰の反動を使って引く形は、いずれも負担を増やす。同じ種目を体の前で引くやり方で足りるので、わざわざ選ぶ理由がない
  • 懸垂は、肘を伸ばしきった位置から静かに引き上げる
  • 体を振って勢いで上がるものは、キッピングという別の動作。回数は増えても狙いが変わる

⑤片脚と単関節2節

05:12ランジとステップアップ

骨盤は正面。上がる力は前脚から

  • ○ランジは骨盤と上体を正面に向けたまま、踏み出しから戻るまで
  • ○ステップアップは前脚の股関節と膝の伸展で上がる。後ろ脚は補助
  • ×後ろ脚が蹴って上がる→前脚の仕事を横取りしている
  • フォワードランジでは、踏み出しから戻るまで骨盤と上体を正面へ向けたまま保つ
  • 骨盤が横に流れる形、回転する形は崩れのサイン
  • ステップアップでは、台に乗せた前脚の股関節と膝の伸展で身体を持ち上げ、後ろ脚は補助にとどめる
  • 後ろ脚が強く蹴って上がる形は、前脚の仕事を横取りしている。片脚の種目にした意味が消える
05:40レッグプレスとカール

伸ばしきる直前で止める。肘は動かさない

  • ○レッグプレスは伸ばしきる直前で止め、腰はシートに付けたまま
  • ○単関節の種目は肘の位置を固定し、動かすのは前腕だけ
  • ×肘が前後に振れる→肩や体幹の力を借りている
  • レッグプレスでは、膝を伸ばしきる直前で止め、腰をシートに付けたまま押し上げる
  • 腰がシートから浮いたら、それは可動域を使い過ぎている
  • アームカールでは、肘を体側のほぼ同じ位置に固定したまま、前腕だけを動かして持ち上げる
  • トライセプスエクステンションも同じで、肘の位置を固定したまま前腕だけを伸ばす
  • 肘が前後に振れる形は、肩や体幹の力を借りている。動くのは前腕だけ

⑥体幹2節

06:08プランクとクランチ

一直線を保つ。起こし切ったら別の種目

  • ○プランクは頭から踵まで一直線を保つ
  • ○クランチは肩甲骨が浮く程度まで。手は頭を軽く支えるだけ
  • 起こし切ったらシットアップ。手で頸を引き込むは首の負担
  • プランクは、頭から踵まで一直線になる姿勢を保持する
  • 腰が沈む形も、お尻だけが上がる形も崩れのサイン
  • クランチは、手は頭を軽く支えるだけにし、腹部の収縮で肩甲骨が浮く程度まで起こす
  • 起こし切るものはシットアップという別の種目。手で頸を引き込む形は、首に別の負担がかかる
06:34見かたの持ち帰り

崩れには、別の名前がついていることがある

  • プッシュプレス/キッピング/シットアップ。どれも別の種目の名前
  • 「崩れた」か「別の種目をしている」かで、伝え方が変わる
  • 直すのは1回に1か所。土台に近いところから
  • 膝を使って押し上げればプッシュプレス、体を振って上がればキッピング、起こし切ればシットアップ。いずれも別の種目の名前がついている
  • 崩れていると見るか、別の種目をしていると見るかで、伝え方が変わる。指示したのはどちらかを先に決めておく
  • 直すのは1回に1か所。6つを同じ順で見て、いちばん土台に近いところから手を入れる
07:07覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 見る点は足・膝・背・肩・肘・首の6つ。種目が増えても6つで止まる
  • 土台から上へ同じ順に1往復。直すのは1回に1か所
  • 支える場所が変われば見る点も移る(担ぐ位置・座るか立つか)
  • 崩れには別の名前がついていることがある。そこは直すより決め直す

第10回「補助(スポッティング)と用具」

この回は、補助のしかたと用具を扱います。補助が要る種目の条件、立つ位置、握り方と人数、あらかじめ決めておく合図、補助できない種目での逃がし方、グローブやリストラップ、マシン種目での補助までを見ます。

00:15この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 補助が要る条件

    3つ

  • 構える高さ

    2通り

  • 補助の要点

    6語

  • 補助が要る条件は3つ。挙げられなくなったときに重さが身体の上や頭上を通る/バーを背負う・肩の前で担ぐ(潰れる経路がある)/限界に近い重量で自分では逃がせない
  • どれも「自分では逃げられない」が共通している。重さが落ちる先が自分の体である場合と、そのまま潰れる場合の両方が入る
  • 構える高さは2通り。身体の上をバーが通る種目では胸や肩の高さ、頭上で保持する種目では手首のすぐ下あたり
  • 補助の要点は6語で引く:位置・人数・握り・合図・声・逃げ道

①補助が要る条件2節

00:28経路

決めるのは重さではなく、逃げ場のない経路

  • ○要るのは、重さが身体の上・頭上を通る種目。落ちてくる経路があるから
  • ○バーを背負う・肩の前で担ぐ種目も同じ。潰れる経路がある
  • 判断の軸は逃げ場のない経路。重さや疲れの程度そのものではない
  • ピン式マシンは手を離すだけで済む→補助者は基本的に不要
  • 補助者を配置する必要性が高い種目に共通するのは、挙上できなくなった際に、挙上者が自分では重量から逃げられないこと
  • 重量が身体の上や頭上を通ってそのまま落下する種目(ベンチプレス、頭上で保持する種目)が1つめ
  • バーを背負うバックスクワット、肩の前で担ぐフロントスクワットが2つめ。重量は身体の上を通らないが、挙げられなくなればそのまま潰れる経路がある
  • 重さや疲労の程度そのものではなく、逃げ場のない経路があるかどうかで決まる
  • セレクトライズド(ピン式)マシンは、挙げられなくなれば手を離すだけで済むため、補助者は基本的に不要
01:17限界に近いセット

見積もりは外れる。だから最後のセットだけに絞らない

  • ○限界に近い重量のセットは、常に配置しておく
  • 理由は見積もりが外れること。最後のセットだけに絞らない
  • 置けないなら重さを下げるか、自分で逃がせる種目に替える
  • 限界に近い重量で反復を行うセットでは、見積もりが外れる可能性を踏まえて、常に補助者を配置しておく
  • 何回挙がるかの見積もりは外れる。外れたときに逃げ場がないなら、配置しておく側に倒す
  • 最後のセットだけに絞る扱いにはしない

②立つ場所3節

01:44身体の上を通る種目

頭側に立ち、軌道の下で待つ

  • ○バーベルは頭側に立ち、バーの軌道の下で両手を構える
  • ○入るのは動作が止まった瞬間だけ。常に添えて一緒に挙げるのではない
  • ○ダンベルは手首(ダンベルのすぐ近く)に添える。肘では止められない
  • バーベルを用いたベンチプレスでは、挙上者の頭側に立ち、バーの軌道の下で両手を構えて待機する
  • 介入は、動作が止まった瞬間だけ。常に手を添えて一緒に挙げるものではない
  • ダンベルを用いたベンチプレスでは、ダンベルを一本のバーとして支えられないので、挙上者の手首(前腕の遠位)=ダンベルのすぐ近くに手を添えて待機する
  • 肘ではなく手首に添える理由:ダンベルの重心は手首より遠位にあるので、肘を支えてもダンベルが前後に倒れるのを止められない
02:17頭上で保持する種目

後方に立ち、手首のすぐ下に添える

  • ○頭上の種目は後方に立ち、手首のすぐ下あたりに手を添える
  • ×腰を支える/前方に立つ→頭上のバーには手が届かない
  • 補助者自身も背中を中間位に保って支える
  • 補助者が手首に届かないなら、座って行う種目に替える
  • 立って行うショルダープレスでは、挙上者の後方に立ち、バーの下で両手首のすぐ下あたりに手を添えて構える
  • 身体の上をバーが通る種目では胸や肩の高さで構え、頭上で保持する種目では手首のすぐ下あたりで構える
  • 腰を支える位置や、挙上者の前方に立つ位置では、頭上にあるバーを守れない
  • 立位の頭上種目は、補助者が挙上者より背が高いことが前提になる。手首に手が届かないなら、座って行う種目に替える

構える高さは、バーがどこを通るかで決まる

  • 身体の上をバーが通る種目(ベンチプレスなど):挙上者の頭側に立ち、胸や肩の高さでバーの軌道の下に構える
  • 頭上で保持する種目(ショルダープレスなど):挙上者の後方に立ち、手首のすぐ下あたりに構える
  • ダンベル種目:一本のバーとして支えられないので、手首のすぐ下、ダンベルのすぐ近くに構える。ダンベルの重心は手首より遠位にあるので、肘を支えても倒れを止められない
  • 1人では支えられない重量のスクワット:挙上者の後方に1人、そのうえでバーベルの両端にも配置する
動画でこの図を見る(03:00)

③握り方と人数2節

03:15握り

補助者の握りは、オルタネイト

  • ○オルタネイト(片手ずつ向きを変える)で、挙上者の手より内側を握る
  • ×両手とも順手→急に受けたときバーが手の中で転がる
  • ○ダンベルで限界に達したら胸や脇へ安全に降ろす方向へ導く
  • 補助者はバーをオルタネイト(片手ずつ向きを変える)で握り、挙上者の手より内側を、バーの軌道の下から軽く添えるように構える
  • 両手とも順手だと、急に受けたときにバーが手の中で転がって抜ける。片手ずつ向きを変えることが、その回転止めになる
  • 挙上者が高重量のデッドリフトで用いるオルタネイトグリップと目的は同じ。どちらもバーが手の中で回転するのを止めるためのもの
  • ダンベル種目で挙上者が限界に達した場合は、手首のすぐ下から支えて動作を止め、ダンベルを胸や身体の脇へ安全に降ろす方向へ導く。ラックへ戻させるものではない
03:53人数

人数は重さで決める

  • ○1人では支えられない重さかどうかで増やす
  • ○1人で支えられない重量は、後方1人+両端にも配置。前方は邪魔
  • 人数が増えたら、合図は全員で1つに合わせる
  • 補助者の人数は、扱う重量が重く1人では支えられないと判断される場合に増やす
  • 反復の回数や、挙上者の経験の有無だけでは決まらない
  • 1人では支えられない重量のスクワットでは、挙上者の後方に1人が立ったうえで、バーベルの両端にも配置する。人数が増えるほど判断をそろえる必要も増えるので、増やすのは支えきれないときだけ
  • 前方に立つと、バーの軌道の邪魔になる

④合図と声かけ2節

04:28合図

合図は、声が出せない前提で決めておく

  • ○合図は事前に1つ決める。声が出せない状況でも合わせられる
  • ×毎回変える/その場で決める→いちばん必要なときに合わない
  • 合図は2人で1つに決まっていることが要点。相手が変わればそろえ直す
  • 挙上できなくなった場合の合図は、事前に決めておく。決めておけば、声を出せない状況でも介入のタイミングを合わせられる
  • 毎回変える、その場で決めるという扱いにはしない
  • 合図は補助者と挙上者の取り決めなので、組む相手が変わったら、その都度そろえ直す

挙上中の声は、短く

  • ○挙上中は短く簡潔な指示だけ
  • 褒め続けるのも直し続けるのも、長さそのものが集中を乱す
  • 説明は挙上の前に済ませる(何回めで入るか・どこで支えるか)
  • 挙上中の声かけは、短く簡潔な指示に留め、集中の妨げにならないようにする
  • 褒め続ける、直し続けるといった声かけは、長さそのものが集中を乱す
  • フォームの修正は、セットが終わってから伝える
  • 挙上の前に、何回めで入るか、どこで支えるかを先に伝えておくと、挙上中に説明する必要がなくなる

⑤補助できない種目2節

05:18クイックリフト

支えるのではなく、自分で離せるようにしておく

  • ○パワークリーンの失敗は、バーを前方へ離して距離をとる
  • 離す動作そのものを先に練習しておく(失敗してから考えない)
  • だから練習の順番が逆になる。重さを上げる前に失敗のしかたを覚える
  • パワークリーンでキャッチの局面に失敗した場合は、バーを身体から前方へ離し、安全な方向へ落として距離をとる
  • この動作は、失敗してから考えるものではなく、あらかじめ練習して身につけておくもの
  • 支えてもらう前提で組まない。補助できない種目がある、という前提から組む
05:51スナッチと場所

補助できないなら、落としてよい場所を先に作る

  • スナッチは速く・軌道が広い→支える形の補助が働かない
  • ○対策は空間の確保と手放す動作の習得。声かけでは解決しない
  • スナッチのように頭上へバーベルを一気に投げ上げる種目は、動作が速く軌道も広いため、従来の補助が機能しない
  • 対策は、周囲のスペースを確保することと、バーを手放す動作を習得しておくこと
  • クリーンやスナッチを行う際は、頭上や周囲にできるだけ空間をとり、他の利用者や器具から離れた専用のスペースで行う
  • 声かけで注意を促すことでは解決しない。距離そのものを確保する

⑥用具2節

06:14身につけるもの

グローブとラップ。目的が違うものを混ぜない

  • 握力も鍛える種目では、グローブで滑り止めを足す意味は薄い
  • リストラップ=手首を安定させる/リストストラップ=握力を補う
  • 用具は何を補うために使うのかを決めてから渡す
  • リフティンググローブは滑り止めになる。ただしデッドリフトや懸垂のように握力を鍛えることも狙いに含む種目では、滑り止めを足す意味は薄くなる
  • リストラップは、ベンチプレスなど手首に負担がかかる種目で、手首関節を安定させる目的で使う
  • リストストラップは、バーと手首を結んで握力を補うもの。リストラップとは目的が別で、名前が似ているので混ざりやすい
  • 用具は、何を補うために使うのかを決めてから渡す
06:51マシンとスミスマシン

軌道が決まっていると、止める場所が作れる

  • ○スミスマシンは固定軌道+好きな高さに近いところでフックに掛けられる
  • 安全の理由は止める場所があること(可動域や重量設定の話ではない)
  • この回は人と用具まで。施設の広さ・床・掲示は第12回
  • スミスマシンのベンチプレスは、バーが固定軌道上にあり、好きな高さに近いところでフックに掛けて止められるため、補助者なしでも行いやすい(掛けられる間隔は機種による)
  • 安全性の理由は軌道の固定とフックの存在。可動域や重量設定の話ではない
  • 施設の広さ・床・掲示といった施設側の安全は第12回で扱う
07:19覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 要るのは逃げ場のない経路がある種目。重さや疲れそのものではない
  • 位置・人数・握り・合図・声・逃げ道の6語で引く
  • 待つのが仕事。入るのは止まった瞬間、声は短く、合図は先に決める
  • 支えられない種目がある→落としてよい場所と離す動作を先に用意する

第11回「有酸素機器と、跳ぶ・走る・伸ばすの実技」

この回は、機器と実技を扱います。トレッドミルの傾斜と手すり、自転車エルゴメーターやエリプティカル、ローイングで合わせる1か所、水中と屋外の注意、着地と方向転換、静的・動的・バリスティック・PNFのストレッチまでを見ます。

00:18この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 合わせるのは

    1か所ずつ

  • 機器を見る語

    4語

  • ストレッチ

    4種類

  • 機器は4語で引く:傾斜・高さ・姿勢・手すり
  • トレッドミルは傾斜と手すり、自転車エルゴメーターはサドルの高さ、エリプティカルは姿勢、ローイングは動作の順序
  • ストレッチングは静的・動的・バリスティック・PNFの4種類として数える
  • バリスティックは反動をつけて弾ませるもの。怪我のおそれがあり、現在は勧められていない
  • 出典(バリスティックの中身と、現在は勧められないこと):Page P.Current Concepts in Muscle Stretching for Exercise and Rehabilitation.Int J Sports Phys Ther.2012;7(1):109-119.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3273886/
  • この出典が支えているのはバリスティックの中身と扱いまで。同じ論文は大きな分類を静的・動的・プレコントラクションの3つとし、バリスティックを動的の下位、PNFをプレコントラクションの下位に置いている。4つに数えるのは、この4つを横に並べて挙げる数え方による

①トレッドミル2節

00:31傾斜

強度を上げるなら、速さより傾斜

  • ○ウォーキングの強度は傾斜を上げ、速さは保つ
  • 速さを上げると歩行が走行に変わり、着地の衝撃も増える
  • 傾斜を上げると手すりを握りたくなる。傾斜と手すりは一組で見る
  • ウォーキングで強度を高める際は、傾斜を上げて、速さは無理のないペースのまま保つ
  • 速さを上げていくと歩行が走行に変わり、着地の衝撃も大きくなる
  • 傾斜は、歩く形を保ったまま強度だけを足せる調整
  • どれくらいの強度をどれだけ行うかという決め方は第6回で扱う。ここはやり方だけ
01:03手すり

手すりを握ると、設定した強度が変わる

  • ○手すりは軽く添える程度。体を支える動作は最小限に
  • 握って預けると脚の負担が減り、同じ設定でも強度が下がる
  • 支えないと歩けないなら、座って行える機器に替えるという選び方もある
  • 手すりは軽く添える程度にとどめ、体を支える動作は最小限にする
  • 握って体重を預けると、脚にかかる負担が減り、同じ設定でも実際の強度が下がる
  • ふらつきがあって手すりが必要な場合は、速さと傾斜を下げる側で調整する
  • 乗り降りのときに手すりを使うのは別の話で、むしろ安全のために使う

②自転車エルゴメーター3節

01:38自転車エルゴメーター

合わせるのは、サドルの高さ1か所

  • ○ペダルがいちばん下で、膝がわずかに曲がる高さ
  • 高すぎると骨盤が左右に揺れ、低すぎると膝が深く曲がったまま回す
  • 同じ人でも、靴や姿勢が変われば合わせ直す
  • サドルの高さは、ペダルがいちばん下に来たときに膝がわずかに曲がる高さに調整する
  • 高すぎると骨盤が左右に揺れ、低すぎると膝が深く曲がったまま回すことになる
  • 伸びきる高さにはしない。わずかに曲がる、が目安
02:09エリプティカルとローイング

片方は姿勢、片方は順序

  • ○エリプティカルは上半身を起こし、足裏全体で踏み込む。腕は自然に
  • ○ローイングは脚→体幹→腕。戻りは逆の順
  • 腕から引き始めると、いちばん強い脚の力を使わないまま終わる
  • エリプティカルトレーナーは、上半身を起こし、足裏全体で踏み込みながら、腕は自然に振るように使う
  • 前のめりになってハンドルに体重を預ける形では、脚への負担が減る
  • ローイングマシンは、脚で押してから体幹を伸ばし、最後に腕を引く。戻る際は逆の順で戻す
  • 腕から引き始めると、いちばん強い脚の力を使わないまま動作が終わる

機器ごとに、合わせるのはここ1か所

  • トレッドミル:傾斜(強度を足す)と手すり(軽く添える)
  • 自転車エルゴメーター:サドルの高さ(ペダル最下点で膝がわずかに曲がる)
  • エリプティカル:姿勢(上半身を起こす・足裏全体で踏み込む)
  • ローイング:動作の順序(脚→体幹→腕、戻りは逆の順)
  • 4語で引く:傾斜・高さ・姿勢・手すり
動画でこの図を見る(02:39)

③水中と屋外2節

02:53水中

水温と、水圧でもどってくる血

  • ○水温が高いと体温がこもる。水の中では気づきにくい
  • 水圧で、静脈にもどってくる血の量が増える
  • 心疾患のある方は主治医に確認してから(指導者は診断をしない)
  • 水中では、水温が高いと体温がこもりやすい。水に入っていると涼しく感じるため、気づきにくい
  • 水圧がかかることで、静脈にもどってくる血の量が増える
  • 心疾患のある方は、水中での運動を始める前に主治医に確認してもらう
  • 指導者は診断をしない。見分けようとするのではなく、確認してもらう先を先に決めておく
03:25屋外

歩道がないなら、車の流れと向き合う側

  • ○歩道のない道路は車の流れと向き合う方向で走る
  • 理由は近づいてくる車が見えること。避ける時間が取れる
  • 路面の傾きと凹凸も見る。路肩は片側だけに負担がかかる
  • 歩道のない道路を走る際は、車の流れに向き合う方向で走る。近づいてくる車が見えるので、避ける時間が取れる
  • 路面の傾きと凹凸にも注意する。路肩は中央に向かって傾いていることが多く、片側だけに負担がかかる
  • 暗い時間帯は、見えるようにする工夫(明るい色・反射材)を足す

④跳ぶ2節

03:49着地

できているかは、音で分かる

  • ○つま先側から入って足裏で受ける。膝と股関節を軽く曲げて静かに
  • ×膝を伸ばしたまま/踵から突き落ちる→衝撃がそのまま関節に入る
  • できているかは音で分かる。音が大きくなったら、その日はそこで止める
  • 着地は、つま先側から接地して足裏で受け、膝と股関節を軽く曲げて静かに衝撃を吸収する
  • 膝を伸ばしたまま着地する形、踵から突き落ちる形は、衝撃がそのまま関節に入る
  • 静かに着地できているかは音で分かる。音が大きくなってきたら、形が崩れてきた合図
  • 進める判断は、回数や高さではなく、着地の形と音で行う
04:21ドロップジャンプとバウンディング

台から踏み出して落ち、着いたらすぐ跳ぶ

  • ○ドロップジャンプは台から前に踏み出して落ち、着地後すぐ跳ぶ
  • 接地時間が長くなると、跳ね返りを使う練習にならない
  • ○バウンディングは腿を高く・地面を強く押し・大きな歩幅と滞空
  • ドロップジャンプは、台から前に踏み出して落ち、着地した直後にすぐ跳び上がる
  • 台から跳び上がって落ちる形にはしない。落ちる高さが変わってしまう
  • 接地している時間が長くなると、跳ね返りを使う練習にならない
  • バウンディングは、腿を高く引き上げて地面を強く押し、大きな歩幅と滞空時間を意識して進む
  • 進め方の順番は、低いところから高いところへ、ゆっくりから速くへ。形が崩れない範囲でだけ進める

⑤走る・切る2節

04:53加速

前傾から入り、徐々に起こしていく

  • ○加速は上体を前傾させ、地面を後方へ強く押す
  • ○速度が上がるにつれて徐々に体を起こす(最初から直立にしない)
  • 進め方は短い距離から。形が保てるところまでで止め、距離は後から伸ばす
  • スプリントの加速局面では、上体を前傾させて地面を後方に強く押し、速度が上がるにつれて徐々に体を起こしていく
  • はじめから直立していると、地面を後ろに押す向きが作れない
  • 前傾の角度は加速が終わるまで一定ではなく、変わっていく
05:24方向転換とラダー

重心を落として、変える足で押す

  • ○方向転換は重心を落として、方向を変える足で地面を押す
  • ○膝はつま先の向きから外さない。上体を横に倒しすぎない
  • ○ラダーは足の運びを正確に速く。リズムと切り返しの巧みさ
  • 高まるのは正確さと速さ。脚の筋力そのものではない
  • 方向転換では、重心を落として、方向を変える足で地面を押す
  • 重心が高いまま向きを変えると、支える足にかかる負担が大きくなり、踏ん張りも効かない
  • 膝をつま先の向きから外さない(内側に入れない)。上体を横に倒しすぎない
  • 膝が内側に入る形(ニー・バルガス)は、接触のない膝の靱帯の受傷が起きるときの形として知られている。方向を変える練習では、速さより先にここを見る
  • ラダードリルは、決められた足の運びを正確に速く行い、リズムと切り返しの巧みさを高めるもの
  • ラダーで高まるのは足の運びの正確さと速さで、脚の筋力そのものを狙うものではない

⑥伸ばす2節

06:08静的と動的

止めて伸ばすか、動きながら伸ばすか

  • ○静的=伸ばした姿勢をそのまま保つ。運動後に行うことが多い
  • ○動的=これから行う運動に似た動きを繰り返す。運動前に用いる
  • 静的と動的の分かれ目は止めるか動くかと前か後か
  • 静的ストレッチングは、伸ばした姿勢をそのまま一定時間保つ。運動後に行うことが多い
  • 動的ストレッチングは、これから行う運動に似た動きを繰り返し行う。運動前に用いる
  • 静的と動的の分かれ目は2つ。止めるか動くか、そして前か後か
  • 4種類のうち、残りのバリスティックとPNFは次で扱う
06:34PNF・バリスティックと用具

いちど縮めてから伸ばす。弾ませるのは外す

  • ○PNF=伸ばした筋を等尺性に収縮させ、緩めてさらに深く伸ばす
  • バリスティック=反動で弾ませる。怪我のおそれがあり勧められていない
  • チューブは伸ばすほど抵抗が増え、終盤がいちばんきつい
  • メディシンボールは脚から力を伝えて全身で素早く投げる
  • PNFストレッチングは、伸ばした筋を一定時間、等尺性に収縮させたあと緩めて、さらに深く伸ばす
  • 収縮させる工程が入るかどうかが、静的・動的との分かれ目
  • バリスティックストレッチングは、反動をつけて弾ませるように伸ばすもの。怪我のおそれがあり、現在は勧められていない
  • 出典(バリスティックの中身と、現在は勧められないこと):Page P.Current Concepts in Muscle Stretching for Exercise and Rehabilitation.Int J Sports Phys Ther.2012;7(1):109-119.https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3273886/
  • 名前として覚えるのは4つ、実際に使うのは3つ、という形になる
  • 弾性チューブは、伸ばす長さが増えるほど抵抗も大きくなり、動作の終盤で負荷がいちばん高まる(第8回の弾性)
  • メディシンボールの投げ動作は、脚から力を伝えて全身で素早く投げる。腕だけで投げる形にはしない
07:23覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 機器は傾斜・高さ・姿勢・手すりの4語で引く
  • 歩く強度は傾斜で足す。手すりに預けると強度が下がる
  • 跳ぶ・走るは着地と姿勢で決める。進めるのは形が崩れない範囲で
  • ストレッチは4種類。縮める工程が入るのがPNF

読んだら、解いて確かめる

聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。

エクササイズテクニックを87問で解く

Other subjects

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)の板書(公式テキストの章立て順)。

公式テキストの本文は使っていません。章題とページ数は目次から転記した事実、内容は公的機関の公開資料と教科書水準の一般知識にもとづいています。章ごとの出題数は公表されていません。