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資格のニガテ一問一答

クライアントに対する面談と評価の板書

講義動画で板書した内容を、全文そのまま置いています。動画を見ながら書き写す必要はありません。必要なところだけ読んでください。

第1回「面談と聴取」

この回は、初回面談で何をどの順に聞くかを扱います。聴取の6つの引き出し、開かれた質問と閉じた質問、面談を行う場所、インフォームドコンセントと未成年、記録と個人情報まで、指導を始める前の段取りをひと通り見ます。

00:17この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 聴取の引き出し

    6つ

  • 質問の形

    2通り

  • 未成年の同意

    2人ぶん

  • 聴取の6つ:健康歴/服薬/運動歴/家族歴/生活習慣(身体活動・喫煙・飲酒・睡眠)/ストレス
  • 質問の形2通り:開かれた質問(はい・いいえで終わらない)/閉じた質問(答えが一つに決まる)
  • 未成年の同意:本人の同意+保護者の同意。同居する家族全員の署名を集めるものではない

①最初の5分1節

00:30最初の5分

名乗る・目的を言う・それから聞く

  • 最初は自己紹介と、面談の目的・流れの説明
  • 服薬の詳細をいきなり/料金や契約からは身構えさせる
  • 順番の話。名乗る→目的を伝える→聞く

②6つの引き出し6節

01:036つの引き出し

聞くのは体・薬・動・家・暮・心

  • 体・薬・動・家・暮・心=健康歴/服薬/運動歴/家族歴/生活習慣/ストレス
  • 6語を順に引く。抜けた引き出しは、あとで材料不足になる
  • 6つの引き出しは「何を聞くか」の枠。胸痛や息切れなどいまある症状と、医師から運動を止められていないかの確認は、この6つの外にあり、リスクの見極めで扱う
01:32体と薬

本人の病歴と、いま飲んでいる薬

  • 健康歴=過去の手術歴と、治療中の慢性疾患の有無
  • 家族全員の手術歴・通院先までは抱え込まない
  • 服薬=薬剤名と服用理由。開始時期や診療科だけでは足りない
02:03動と家

してきたことと、血のつながり

  • 運動歴=種目・続けた期間・傷害の有無
  • いまの頻度と時間は生活習慣側。過去と現在を分ける
  • 家族歴=血のつながりのある人の病歴。遺伝の傾向を読む

身体活動・喫煙・飲酒・睡眠の4つ

  • 身体活動=仕事の内容と、座っている時間の長さ
  • 身体活動=生活活動+運動(ガイド2023)
  • 喫煙=本数と年数/飲酒=頻度と量/睡眠=時間と質
  • 身体活動レベルの聴取は、仕事の内容と座っている時間の長さから見当をつける。摂っているエネルギー量の見当は栄養側の項目で、動いている量を表さない
  • 身体活動には、運動(体力の維持向上を目的に計画的に行うもの)と生活活動(通勤・家事・労働など)の両方が含まれるとされる
  • 喫煙は有無だけでなく本数と年数まで/飲酒は頻度と1回の量(種類と度数だけでは総量が割り出せない)/睡眠は時間と質(寝つき・途中で目が覚めるか)
出典

出来事と、その人の対処のしかた

  • ストレス=感じる出来事+その人の対処のしかた
  • 聞くのは運動の継続に関わる範囲まで。治療が必要なら医療職へ
  • 強さを数値で毎回答えてもらって積み上げるだけでは、何がストレスになっているかと、本人がどう対処しているかが分からない
  • 指導者は心理療法も診断も行わない。運動の継続に関わる範囲を聞き、必要と思われるときは医療職につなぐ
03:366語で引く

6語の引き出しに、1つずつしまう

  • 体=病歴/薬=名前と理由/動=過去/家=血筋/暮=いま/心=対処
  • 混ざるのは動と暮、家と暮。過去は動/いまは暮
  • 6つ聞けたら、記録に残して、必要なら医療へ渡す

③2通りの質問2節

04:082通りの質問

広げる質問と、絞る質問

  • 使う順は広げてから絞る
  • 開かれた質問

    はい・いいえで終わらない。相手が自由に話せる

    • 背景を広げる
    • ふだんの1日の動きを教えてください
  • 閉じた質問

    答えが一つに決まる。短く確かめられる

    • 事実を絞る
    • お薬は毎日飲まれていますか
04:38聴く姿勢

相手のペースに合わせる

  • 相手のペースに合わせて聴く。姿勢は言葉以外にも出る
  • 意見をはさんで急がせる/遮って自分の話には聞ける量を減らす

④場をつくる1節

04:58場をつくる

声が漏れない所でやる

  • 面談は会話が周囲に聞こえにくい個室で行う
  • 受付そばの立ち話/複数名で対応は切り出しにくくする

⑤何のための同意か2節

05:21何のための同意か

本人が自分で決められるようにするため

  • 目的は本人が理解して、自分の意思で決められること
  • 指導者を守る書類づくりが目的ではない
  • 書くのは実施内容とリスク。効果の保証は書かない
  • 署名をもらうこと自体が目的ではない。理解に基づいて本人が決められるようにするのが目的
  • トレーニングの成果は体質や生活の条件に左右されるので、達成を保証する文言は同意書に書けない。誤った期待を与える
  • 起こり得るものを網羅して並べると、本人に当てはまるものとそうでないものが混ざり、どこに注意すべきかが伝わらなくなる
05:51いつ・誰から

説明したあと、始める前に

  • 同意は内容を説明したあと、開始前に得る
  • プログラム全体について1回。毎回取り直す形にしない。内容が変わったら取り直す
  • 18歳未満(未成年)は本人+保護者。同居家族全員の署名は要らない
  • 署名は法律行為。法定代理人の同意が必要とされている
  • 毎回その日の内容について取り直す形にすると、説明と同意の区切りが曖昧になる。プログラム全体について開始前に得る
  • ただし、プログラムの内容やリスクが大きく変わるときは、改めて説明して同意を得る
  • 未成年の方から同意書への署名をもらう場面は法律行為にあたる。民法が定めているのはその法律行為についての法定代理人の同意であって、運動参加への説明と同意そのものではない
  • 民法では年齢18歳をもって成年とするとされており、18歳未満が未成年者にあたる(同法第4条)。2022年4月より前は20歳とされていた。また第5条第1項にはただし書があり、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為は除くとされている
出典

⑥書く2節

06:32書く

聴いた事実と、こちらの見立てを分ける

  • 記録は聴いた事実を客観的に書く
  • 解釈を混ぜる/全文書き起こしでは後から使えない
06:54預かる

必要な範囲で扱い、鍵のかかる所に置く

  • 伝えた利用目的の範囲で扱い、施錠できる場所に保管
  • スタッフ全員が閲覧/全部録音して保管は範囲を超える
  • 病歴はとくに配慮が必要な情報。聞く前に目的を伝える
  • 「病歴」は個人情報の保護に関する法律の定める要配慮個人情報にあたるとされ、法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで取得してはならないとされている(同法第20条第2項)
  • 同意は2種類ある。運動を始めることへの同意は、内容を説明したあと開始前に。情報を預かることへの同意は、聞き取りを始める前に
  • 同じ事業者の中で共有すること自体は、第三者への提供ではないとされる。問題になるのは、伝えた利用目的の範囲に収まっているかと、安全管理の措置が取られているか
出典
07:29覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 体・薬・動・家・暮・心の6語で引けば、6つとも漏れない
  • 広げる=開かれた質問/確かめる=閉じた質問。場所は声が漏れない所
  • 同意は2つ。始める前(運動)と聞く前(情報)
  • 聞いて、残して、つなぐ。診断も判定もしない

第2回「リスクの見極めと、向かう先の決め方」

この回は、始めてよいかの見極めと、目標の立て方を扱います。質問票の役目、危険因子の数え方と2015年の改訂でいまの手順がどう変わったか、層別化の3つの出口、受診を勧める症状、その日やめる線、そして結果目標と行動目標の2本立てまでを見ます。

00:16この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 層別化の出口

    3つ

  • 目標

    2本立て

  • 引き算になる因子

    1つだけ

  • 層別化の出口3つ:そのまま進む/条件をつけて進む/医師へ渡す
  • 目標の2本立て:結果目標(何を達成するか)と行動目標(毎日・毎週なにをするか)
  • 引き算になる因子は1つだけ:従来の数え方では、総数から引く負の因子はHDLコレステロールの高値のみ。ただし低HDLを陽性に数える線と、高HDLで1つ引く線は別の値で、あいだに入る場合はどちらにも数えない
00:262つの判断

止めるのはこちら、進めてよいは医師

  • 境目を1本引く。材料をそろえるのがこちらの仕事
  • 止める判断

    その日の体調・症状・測った値を見て、今日は行わないと決める

    • こちらで決められる
    • 発熱・強いだるさ・安静時の胸の不快感
  • 進めてよい判断

    持病のある人が本格的に始めてよいかを決める

    • 医師が決める
    • 診断された心臓の病気・服薬中

①質問票は何のためか1節

00:50質問票は何のためか

ふるい分けの道具。体力は測らない

  • 質問票は運動を始める前のふるい分け。受診が要る人を見分ける
  • 体力の数値化/書類として保管は目的ではない
  • 質問票は診断しない。引けるのは始めてよいか/先に相談か
  • 自己記入式の質問票は、症状・既往歴・危険因子の有無から、医師への相談が必要かどうかを判断する材料にする道具
  • 体力の数値化は別に行う体力測定の役割。記録・保管そのものが目的ではない
出典
  • 出典:PAR-Q+(Physical Activity Readiness Questionnaire for Everyone)の公開元https://eparmedx.com/

②危険因子を数える3節

01:18危険因子を数える

危険を増やす側を、拾いもらさず数える

  • 数えるのは危険を増やす側(陽性)
  • 項目は喫煙・血圧・脂質・血糖・肥満・身体活動の少なさ・年齢・家族歴
  • 続けて体を動かしていることは逆の側。覚えるのは項目と向き
  • 陽性の危険因子として並ぶ項目:喫煙/血圧/脂質(HDLが低い・LDLが高い)/血糖/肥満/身体活動が少ないこと/年齢/近親者の若年発症の家族歴
  • 危険因子の数値の境目(閾値)は検査や学会・団体の基準で定められており、版によって扱いが変わる
  • 間違えやすいところ: この「陽性の因子を数え、HDL高値で1つ引き、低・中・高に層別する」数え方は、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2009年版(GETP第9版)の手順。2015年の改訂で、医療機関へ渡すかどうかの判断からは外されている(次の項目で扱う)。危険因子そのものは病気の予防を考えるうえでいまも重要。覚えるのは、閾値ではなく項目と向き
02:02引き算と、数の使い道

HDLが高いときだけ、引き算になる

  • HDLコレステロールが高い→陽性の総数から1つ引く
  • HDLは低いと数え、十分高いときだけ引く。あいだはどちらでもない
  • そのまま1つ加えるは向きが逆。HDLだけ逆向き
  • 数は線を1本越えたかどうかで使う。渡す一番強い理由は診断と症状
  • HDLコレステロールは、低値を脂質の危険因子として陽性に数え、高値は負の危険因子として総数から1つ引く。陽性に数える線と、1つ引く線は別の値で、そのあいだに入る場合はどちらにも数えない
  • 総数から引くのは高HDLだけ。ほかの項目と同じ重みでそのまま加える、という扱いにはならない
  • 数を使うときも、ある線を越えたかどうかという形で使う。数が増えるにつれて少しずつ医療機関寄りになる、という設計ではない。医療機関へ渡す根拠としていちばん強いのは、診断された病気と症状
出典
02:55いまの手順

数ではなく、3つを見る形に変わった

  • 低・中・高に分ける形は古い版の手順。2015年の改訂で変わった
  • 見るのは運動習慣・診断と症状・目指す強度の3つ
  • 数えること自体は予防を考えるうえで大事。渡す判断の材料ではない
  • 危険因子の数で低・中・高に層別し、その結果で医療機関へ渡すかを決める手順は、アメリカスポーツ医学会(ACSM)の2009年版(GETP第9版)のもの。2015年の改訂で、層別化は運動開始前のふるい分けの判断から外された
  • 現行は3つを入り口にする形。①いま定期的に運動しているか②診断された心血管・代謝・腎臓の病気、またはそれを疑わせる症状があるか③目指す強度。出口は、医師の確認が推奨される/必要ないの2つで、危険因子の数は出口の判断には使わない
  • 危険因子の数は、病気の予防を考えるうえでは引き続き重要とされる。変わったのは「医療機関へ渡すかどうかの判断には使わない」という点
  • このあと扱う「進む・条件つき・医師へ」の3つの出口は、従来の層別化に沿った整理。医師の確認が要るか要らないかの線を引くという役目は、現行でも変わらない
出典(2件)

③出口は3つ2節

03:32出口は3つ

進む・条件つき・医師へ

  • 出口は3つ=進む・条件つき・医師へ
  • 目的は安全に始められるかの判断。確認の中身は医師が決める
  • 強度を決める/効果を見積もる道具ではない
04:04出口のあと

条件つきは、やらないことではない

  • 条件つき=強度を落として入る・先に相談を挟む
  • 相手別にどこを動かすかは第7回
  • 出口は固定ではない。体調が変わったら数え直す

④受診を勧める線2節

04:33受診を勧める線

安静でも、軽い動作でも起きるか

  • 安静時や軽い労力で起こる息切れ・胸の不快感→受診を勧める
  • 全力の直後だけの息切れ/翌日の軽い筋肉痛は合図ではない
  • 見分けるのは安静でも、軽い労力でも起きるか。病名はつけない
05:04医師の許可が要る条件

本人が診断されているかどうか

  • 本人が医師から診断されている持病→開始前に医師の許可
  • 治った捻挫/家族の病気への心配は許可の条件ではない
  • 服薬中の方は始める前に主治医に確かめる

⑤その日の体調2節

05:34その日の体調

発熱の日は、日程を組み直す

  • 発熱・強いだるさ→その日は見合わせ、日程を組み直す
  • 軽くして短時間/いつも通り実施は取らない
05:54その日の測った値

1回の値で決めない

  • 血圧は日を分けて複数回測った結果で判断される
  • 判定は医師。こちらが決めるのはその日やるかやらないか
  • 高血圧かどうかの判定の基準値は学会のガイドラインで定められており、版によって扱いが変わる。版をまたいで変わらないのは、1回の測定で判断しないという原則
  • 測った値をどう判定するかは医師の領域。こちらは測り方と、その日の実施の可否を扱う

⑥具体にする4節

06:14具体にする

今日の行動が決まる言い方にする

  • 曖昧な目標では今日の行動が決まらない
  • 具体にすると行動が決まり、振り返れる
  • 期間と数値を入れると達成を客観的に見られる
  • 「12週間で体脂肪率を3%下げる」は目標文の形の例であって、到達の速さや期間の推奨値ではない
  • 具体的な目標の利点は、いま取るべき行動が分かることと、達成できたかを振り返れること。抽象的な目標より早く達成できる、意志だけで取り組めるようになる、ということではない
06:43大きすぎる目標

否定せず、段に分ける

  • 大きな目標は否定せず、達成できる短期目標に分ける
  • そのまま採用/1か月やらせてから考え直すは取らない
07:01段階に合わせる

いまいる段階で、渡すものが変わる

  • 段階は5つ=前熟考・熟考・準備・実行・維持
  • 前熟考期→計画表の前に、気づける情報
  • 準備期→いつ何をどれくらい。小さい最初の一歩を一緒に
  • 維持期→成果を認め、続けやすい工夫を一緒に考える
  • 行動変容ステージ(トランスセオレティカルモデル)の段階は、前熟考期・熟考期・準備期・実行期・維持期
  • 前熟考期に初日から詳しい計画表を渡す、体験の日程だけ先に決めてしまうのは、段階を飛ばした提案になる
  • 準備期に3か月先までの週ごとの計画をすべて組み立てて渡すと、最初の一歩が重くなる。決意が固まるまで何も提案しないのも、機会を逃す
出典
07:38自信と2本立て

できた経験を積む。目標は2本立てる

  • 自信は小さな達成を一緒に振り返って積む
  • 目標は2本=結果目標と行動目標
  • 行動目標は自分で管理する実感。過程の変化も見える
  • 自信(自己効力感)は本人の性格で決まるものとして放置せず、達成しやすい課題と振り返りで積み上げる
  • 行動目標を日ごとに細かく割って数を増やし、達成率で管理することが目的ではない
  • 「体重を5kg減らす」「週に3回30分歩く」は、結果目標と行動目標の書き方の例であって、推奨する量ではない
08:08覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 危険因子は拾いもらさず。引き算はHDL高値だけ
  • 出口は進む・条件つき・医師へ。条件つきは入り方を変える
  • 目標は結果と行動の2本立て。段階に合わせて渡すものを変える
  • 数えるのはこちら、決めるのは医師。そのうえで次の1週間を決める

第3回「測って読む—体力測定と食事の見立て」

この回は、体力測定の選び方・順番・読み方を扱います。身体組成、パワーと筋力、筋持久力、柔軟性、バランス、有酸素の最大下テストまでを並べ、妥当性と信頼性、ノームとの比べ方、結果の伝え方、そしてエネルギーと食事の見立てで閉じます。

00:20この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 測る順

    6つ

  • 測定を支える性質

    2つ

  • 比べる相手

    1つ

  • 測る順6つ:身体組成→柔軟性→パワー→筋力→筋持久力→有酸素
  • 測定を支える2つ:妥当性(測りたいものを測れているか)/信頼性(何度やっても同じ値が出るか)
  • 比べる相手:ノーム=同じ年齢・同じ性別の集団の中での相対的な位置

①測る前の前提と、測る順2節

00:31測る前の前提と、測る順

測る順は組・柔・パ・力・持・有

  • 測る前に同意と、医師に止められていないかの確認を済ませる
  • 疲労を伴う測定を先にしない。あとの測定に疲労が残る
  • 組・柔・パ・力・持・有=身体組成→柔軟性→パワー→筋力→筋持久力→有酸素
  • 理由は疲れていないうちに測る。似た動作をまとめる理由ではない
  • 測定そのものに入る前に、インフォームドコンセントと、医師から運動を止められていないかの確認が済んでいること(第1回・第2回)
  • 非疲労性の測定(身体組成・柔軟性)を先に行うのは、最大努力の測定で生じた疲労が、まだ実施していない測定の結果をゆがめるのを防ぐため
  • 特異性の原理は、トレーニングが特定の動作・様式に対して効果を発揮するという考え方で、測定の実施順序を決める理由ではない
  • 信頼性は同じ検査を繰り返したときの再現性の高さを指す。同じ関節の測定を続けること自体が信頼性を高めるわけではない
01:13力を出す測定の並び

パワー→筋力→筋持久力

  • 並びはパワー→筋力→筋持久力
  • 筋持久力を先にすると、パワーも筋力も本当の値にならない

②身体組成・つまむ2節

01:37身体組成・つまむ

皮下脂肪厚法は、測る人で変わる

  • 皮下脂肪厚法の限界=測る人によって値がずれる
  • 同じ人・同じ部位・同じ手順で。測る人が変わったら並べない
01:59身体組成・流す/割る/巻く

方法ごとに、ずれる理由が1つずつある

  • BIA法のずれる理由=体の水分量(飲水・発汗・食事)
  • BMIは身長と体重だけ。体脂肪率ではない
  • 周囲径は脂肪のつき方(とくに腹部)を映す
  • BIA法は体に微弱な電流を流して電気の通りやすさから体組成を推定するため、飲水・発汗・食事による体内水分量の変化がそのまま測定値のずれになる
  • 骨密度の個人差が限界になるのは、身体密度の仮定に基づく水中体重法などの方法。皮下脂肪厚法やBIA法の主な限界ではない
  • BMIは身長と体重から算出する指標で、腹部への脂肪の蓄積を映すものではない。内臓脂肪型の肥満の判別には周囲径などを併せて見る
  • 周囲径にも測る人による差がある。腹囲と臀囲は測る人のあいだで差が大きく、可能なら1人の測定者が測るべきだとされている。出典:Ulijaszek SJ,Kerr DA.Anthropometric measurement error and the assessment of nutritional status.Br J Nutr 1999;82(3):165-177 https://www.cambridge.org/core/product/402C85D95FBDB910A21ED28874775BC2

③パワー2節

02:33パワー

垂直跳びで見ているもの

  • 垂直跳び=短時間に大きな力を出せるかを、跳んだ高さで読む
  • 関節の動く範囲/筋持久力を測っているのではない
02:54筋力

1RMを直接測らない理由

  • 1RMを直接測らない理由=負傷の危険を小さくして見積もれる
  • 推定は重さと反復回数から。回数をそのまま重さにはできない
  • 推定の式はいくつもあり、係数が資料によって違う。式そのものより、推定の考え方を押さえるほうが確かに使える
  • 筋持久力の測定で使う回数の基準を、そのまま筋力の基準として使うことはできない

④筋持久力3節

03:20筋持久力

フォームが崩れた時点で終わる

  • フォームが崩れた時点で測定を終える
  • 独自のフォームで数を伸ばすと、別の要素が混ざる
03:41柔軟性

シット・アンド・リーチが映す範囲

  • シット・アンド・リーチは主に太ももの裏の柔らかさを映す
  • 柔軟性には年齢や性別による差もある
  • シット・アンド・リーチ(sit-and-reach)が反映しているのは主に太ももの裏(ハムストリングス)の柔軟性で、体全体の柔軟性の指標ではない。腰のあたりも動くが、腰の柔らかさの指標としては弱い
  • 腰よりも、ハムストリングスの伸びやすさをよく反映する。34研究のメタアナリシスで、ハムストリングスに対する妥当性はrp=0.46〜0.67、腰椎に対してはrp=0.16〜0.35と報告されている。出典:Mayorga-Vega D,Merino-Marban R,Viciana J.Criterion-Related Validity of Sit-and-Reach Tests for Estimating Hamstring and Lumbar Extensibility:a Meta-Analysis.J Sports Sci Med 2014;13(1):1-14 https://www.jssm.org/jssm-13-1.xml-Fulltext
  • 敏捷性(方向転換の速さ)を評価する指標でもない。柔軟性には年齢や性別による差があり、個人差の大部分が測定誤差ということにはならない
04:06バランス

片脚立ちは、保てるかを見る

  • 静的バランス=姿勢を保てるかを見る
  • すばやさ/動く範囲ではなく、保持を見る

⑤最大下テスト2節

04:23最大下テスト

追い込まずに、関係から推定する

  • 最大下=追い込まない。強度と心拍数の関係から推定
  • 追い込んで直接測る/エネルギーを積算ではない
04:46フィールドテスト

走った結果から推定する

  • フィールドテスト=時間や距離の結果から推定。機器が要らない
  • 天候・路面・ペース配分が入る。条件をそろえて比べる

⑥2つの性質7節

05:082つの性質

何を測れているか、何度やっても同じか

  • 妥当性と信頼性は別。両方そろって比べられる
  • 妥当性

    測ろうとしている能力を、実際にどれだけ正しく測れているか

    • 何を測っているか
    • シット・アンド・リーチは主に太ももの裏。体全体ではない
  • 信頼性

    同じ人に同じ検査を繰り返したとき、値がどれだけ一致するか

    • 何度やっても同じか
    • つまむ人が変われば値がずれる
05:39ノーム

同じ年齢・同じ性別の中での位置

  • ノーム=同じ年齢・同じ性別の集団の中での相対的な位置
  • 合否の線/効果の証明/体力年齢への換算ではない
05:57測り直す時期

意味のある変化が生じる期間をおく

  • 再測定は意味のある変化が生じる期間をおく
  • 翌週に測り直すと、変化ではなくばらつきを見ることになる
06:15伝え方

数値ではなく、意味を渡す

  • 数値の羅列は最小限。意味が分かる言葉で伝える
  • 努力不足と伝える/受け止め方を後回しは取らない
06:35エネルギーのもと

エネルギーを出す3つと、直接使う1つ

  • エネルギーを供給するのは炭水化物・脂質・たんぱく質の3つ
  • 筋が縮むときに直接使うのはATP。糖や脂肪はその材料
  • 短く激しい→酸素を使わない側/長く続く→酸素を使う側
  • エネルギーを供給する栄養素は炭水化物・脂質・たんぱく質の3つ。ビタミンとミネラルはエネルギー供給を助ける側で、それ自体はエネルギーにならない
  • 筋収縮で直接使われるのはATP。糖や脂肪はATPを作る材料で、ATPが運動後の回復にだけ関わるのではない
  • 短時間の高強度では酸素を使わない仕組みが主に、長く続く運動では酸素を使う仕組みが主になる。強度や時間にかかわらず一方だけが働き続けるのではない
07:12減らす・増やす・水

出納の向きを決めてから、中身を決める

  • 減量の土台は摂る量<消費する量を続けること
  • 増量はトレーニング+摂る量>消費する量の両方
  • 水分は運動の前・中・後に分けて。まとめ飲みにしない
  • 減量で土台になるのは摂るエネルギーと消費するエネルギーの差の向き。特定の食品群を除くことで量を数えなくてよくなるわけではない
  • 摂るエネルギーを消費より少なくしたまま負荷を上げても筋量は増えにくい。トレーニングを変えずにたんぱく質の多い食品だけ足す形も同じ
  • 運動中に水分を摂らず、終わってから一度にまとめて摂る形は勧められない
  • 量については、のどの渇きに応じて自由に摂れる環境を整える、という示し方もある
07:42食事の記録と線

普段どおりを、その場で書いてもらう

  • 記録は普段どおりの食事を数日ぶん、その場で書いてもらう
  • 読むのは足りているか・偏り・運動との間隔
  • サプリはまず食事を確かめ、不足を補う位置づけで扱う
  • 治療を目的とした食事の指導はしない。医師・管理栄養士へ
  • エネルギーの基準(推定エネルギー必要量)は、性・年齢階級・身体活動レベルの区分ごとに示されている。出典:日本人の食事摂取基準(2025年版)各論「エネルギー」(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316461.pdf
  • 栄養士法では、管理栄養士を「傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導」などを業とする者と定め、その指導を行うに当たっては主治の医師の指導を受けなければならないとしている
出典
08:33覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 組・柔・パ・力・持・有。疲れを次に持ち込まない並び
  • ずれる理由は方法ごとに1つ。つまむ人/体の水分/身長と体重だけ
  • 何を測れたか・同じか・誰と比べたか。食事の記録も同じ
  • 測定は比べるためにある。比べられない測り方をしない
  • 「ずれる理由は方法ごとに1つ」は覚えるための整理。周囲径のように、測る人による差がそのうえに乗る方法もある

読んだら、解いて確かめる

聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。

クライアントに対する面談と評価を63問で解く

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