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資格のニガテ一問一答
JSPO-AT 基礎科目科目模擬試験復習

スポーツ医学概論全48問・正解と解説つき

JSPO公認アスレティックトレーナー 専門科目 基礎科目・ 公式テキスト第9章・ 分量 20%

外傷・障害と各臓器の疾患、重篤な外傷・疾患、循環器・呼吸器・代謝内分泌・泌尿器疾患の病態と診断・治療・予防、眼科・歯科・耳鼻科・皮膚科領域の外傷と疾患、対象別(女性・障がい者・高齢者・小児・アスリート)の特徴と医学的留意事項。

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  1. 肩関節前方脱臼とその後の反復性脱臼について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1発生機転は肩関節の外転と外旋が強制されることであり、前下方の関節包と関節唇が損傷される正解
    • 2発生機転は肩関節の内旋と内転が強制されることであり、後方の関節包が主に損傷される
    • 3脱臼の際には橈骨神経が損傷され、手関節を背屈する力が落ちることが多い
    • 4初回に脱臼した年齢が若いほど、反復性の脱臼へ移行しやすい正解
    • 5再脱臼を防ぐには外旋の可動域を早期に最大まで広げる

    Answer

    正解 1:発生機転は肩関節の外転と外旋が強制されることであり、前下方の関節包と関節唇が損傷される / 4:初回に脱臼した年齢が若いほど、反復性の脱臼へ移行しやすい

    肩関節前方脱臼は、外転と外旋が強制されて上腕骨頭が前下方へ逃げる外傷であり、前下方の関節包と関節唇(Bankart病変)が損傷される。初回脱臼の年齢が若いほど反復性脱臼へ移行しやすいことも広く知られており、若年例では再発予防を前提とした管理が求められる。「内旋と内転が強制」は後方脱臼の機転であり、前方脱臼の説明として誤り。合併しやすい神経障害は腋窩神経で、三角筋の筋力低下と肩外側の感覚障害をきたす。橈骨神経障害による手関節背屈の低下は上腕骨骨幹部骨折などでみられるもので、ここでは当てはまらない。外旋可動域を早期に最大まで広げることは前方の支持組織に張力をかける行為であり、再脱臼のリスクを高めるため、急性期は外旋を制限する。

    HINT 前方脱臼は「外転+外旋」で外れる。神経は腋窩神経。若く外れた人ほど癖になる。

  2. 投球動作の繰り返しによって生じる肩の障害について、正しいのはどれか。

    • 1病態の主体は三角筋内の筋線維の裂けであり、腱板や関節唇が関与することは乏しい
    • 2腱板や関節唇の障害が多く、後期コッキング期に肩の前方へ負荷が集まる正解
    • 3投球側の肩では内旋の可動域が広がり、外旋の可動域のほうが制限される
    • 4痛みが強い時期こそ投球数を増やし、肩を負荷に慣らすのがよい
    • 5病態の主体は上腕骨頭の疲労骨折であり、成人期に集中する

    Answer

    正解 2:腱板や関節唇の障害が多く、後期コッキング期に肩の前方へ負荷が集まる

    投球障害肩の中心は腱板(回旋筋腱板)と関節唇の障害であり、肩が最大外旋となる後期コッキング期に肩前方へ大きな負荷が集まる。三角筋内の筋線維の裂けを主体とする記述は、投球障害肩の病態として誤り。投球側の肩で実際に起こるのは外旋可動域の増大と内旋可動域の制限であり、内旋が広がり外旋が制限されるという記述は向きが逆である。痛みのある時期に投球数を増やすのは障害を進める対応で、投球数と休止期間の管理が基本となる。上腕骨頭の疲労骨折を主体とする記述も誤りで、成長期にみられるのは上腕骨近位の骨端線に生じる損傷である。

    HINT 投球肩は「腱板+関節唇」。可動域は外旋が増えて内旋が減る(向きを逆に覚えない)。

  3. 上腕骨外側上顆炎について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1発症の主体は上腕骨内側上顆に付着する屈筋群の炎症であり、若年層に集中して起こる
    • 2短橈側手根伸筋の起始部に生じる変性が主体であり、中年以降に多く起こる正解
    • 3治療では前腕の屈筋群を伸ばすストレッチングが中心の手段となる
    • 4手関節を最大まで掌屈させたときに痛みが再現されやすい
    • 5抵抗を加えて手関節を背屈させると痛みが強まる正解

    Answer

    正解 2:短橈側手根伸筋の起始部に生じる変性が主体であり、中年以降に多く起こる / 5:抵抗を加えて手関節を背屈させると痛みが強まる

    上腕骨外側上顆炎(テニス肘)は、手関節背屈筋群のうち短橈側手根伸筋の起始部に生じる変性が主体で、中年以降に多い。抵抗を加えた手関節背屈で痛みが強まるのが特徴で、これを用いる検査がThomsenテストである。内側上顆の屈筋群の炎症は内側上顆炎の説明であり、外側上顆炎とは別の病態である。ストレッチングの対象は伸ばされて負荷のかかる前腕伸筋群であり、屈筋群を中心にするという記述は誤り。痛みが再現されるのは背屈に抵抗を加えたときで、最大掌屈でというのは向きが逆である。

    HINT 外側=伸筋(背屈で痛い)、内側=屈筋。テニス肘は成人で外側型が多数。

  4. 投球動作に関連する肘内側側副靱帯損傷について、正しいのはどれか。

    • 1損傷は肘へ内反のストレスが加わって起こり、外側の輪状靱帯が主体となる
    • 2成長期では靱帯より骨が強いため、骨端線に損傷が起こるのはまれである
    • 3損傷に伴って橈骨神経の症状が現れることが多い
    • 4発症の多くは転倒して手をついた際の直接外力による
    • 5投球の加速期に肘へ加わる外反のストレスによって、前斜走線維が損傷される正解

    Answer

    正解 5:投球の加速期に肘へ加わる外反のストレスによって、前斜走線維が損傷される

    肘内側側副靱帯損傷は、投球の後期コッキング期から加速期に肘へ加わる外反ストレスの繰り返しで生じ、内側側副靱帯のうち前斜走線維が主体となって損傷される。「内反のストレス」で外側の輪状靱帯が主体になるという記述は向きが逆で、外反ストレスが問題になる。成長期では骨端線(成長板)が力学的に弱く、靱帯より先に内側上顆の骨端線損傷や裂離骨折が起こりやすいため、骨のほうが強いという記述は誤り。合併しやすい神経障害は肘内側を走る尺骨神経であり、橈骨神経ではない。また、投球による損傷は繰り返しの外反ストレスによる慢性の経過をとることが多く、転倒時の直接外力を主因とする記述は当てはまらない。

    HINT 投球の肘内側は「外反ストレス」。神経は尺骨神経。成長期は靱帯より骨端線が先に壊れる。

  5. 手関節舟状骨骨折について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1手をついて手関節が背屈強制されたときに起こり、手関節の母指側に強い圧痛が出る正解
    • 2受傷した直後の単純X線で明らかに写るため、初期に見逃されるのはまれである
    • 3近位部は血流が乏しいため、偽関節や骨壊死へ進みやすい正解
    • 4固定は手関節だけにとどめ、母指は自由に動かせるようにする
    • 5骨内の血流は近位から遠位へ向かって豊富に流れる

    Answer

    正解 1:手をついて手関節が背屈強制されたときに起こり、手関節の母指側に強い圧痛が出る / 3:近位部は血流が乏しいため、偽関節や骨壊死へ進みやすい

    舟状骨骨折は、転倒などで手をついて手関節が背屈強制された際に生じ、手関節の母指側(解剖学的嗅ぎタバコ入れ)に強い圧痛が出る。舟状骨の栄養血管は遠位から入って近位へ向かうため近位部の血流が乏しく、偽関節や骨壊死へ進みやすい。受傷直後の単純X線では骨折線が写らないことが多く、見逃しが問題になる骨折であるから「初期に見逃されるのはまれ」という記述は誤り。固定は母指を含めて行うのが原則であり、母指を自由にする記述も誤り。血流が近位から遠位へ豊富に流れるという記述は向きが逆である。

    HINT 舟状骨は「初期のX線で写らない」「近位は血が来ない」。母指まで含めて固定する。

  6. 腰椎椎間板ヘルニアについて、正しいのはどれか。

    • 1髄核が後方へ出ると神経根を圧迫し、下肢の痛みが生じる正解
    • 2好発する部位は上位胸椎であり、痛みは下肢ではなく胸背部に出る
    • 3体幹を後ろへ反らせる動作でもっとも痛みが強まり、前屈では軽くなる
    • 4下肢伸展挙上テストは陰性にとどまることがほとんどである
    • 5発症したものはすべて早期に手術が選ばれる

    Answer

    正解 1:髄核が後方へ出ると神経根を圧迫し、下肢の痛みが生じる

    腰椎椎間板ヘルニアは髄核が後方あるいは後側方へ突出して神経根を圧迫し、下肢の痛み(いわゆる坐骨神経痛)や感覚障害を生じる。好発部位は第4腰椎と第5腰椎の間、および第5腰椎と仙椎の間の下位腰椎であり、上位胸椎に多いという記述は誤りで、痛みが下肢ではなく胸背部に出るという記述も当てはまらない。痛みは体幹前屈や咳、いきみで強まるのが典型であり、後方へ反らせる動作で最も強まるという記述は当てはまらない。下肢伸展挙上テスト(ラセーグ徴候)は陽性となるのが典型であるから、陰性にとどまるという記述も誤り。多くは保存療法で改善し、膀胱直腸障害や進行する筋力低下がある場合に手術が検討されるため、全例で早期手術という記述も誤りである。

    HINT 下位腰椎に多く、前屈で痛い、SLRは陽性。手術はまず膀胱直腸障害の有無で考える。

  7. 胸郭出口症候群について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1圧迫される部位は手関節にある屈筋腱の通り道であり、母指の対立運動が弱くなる
    • 2なで肩の人に生じやすく、上肢を挙げた姿勢で症状が強まる正解
    • 3症状は上肢を下げて休ませたときにもっとも強く現れる
    • 4腕神経叢と鎖骨下の血管が斜角筋間で圧迫される正解
    • 5治療の中心は肩甲帯の筋を休ませて安静を保つことである

    Answer

    正解 2:なで肩の人に生じやすく、上肢を挙げた姿勢で症状が強まる / 4:腕神経叢と鎖骨下の血管が斜角筋間で圧迫される

    胸郭出口症候群は、腕神経叢と鎖骨下動静脈が斜角筋間や肋鎖間隙などで圧迫されて起こり、なで肩の人やオーバーヘッド動作を繰り返す競技者に生じやすい。上肢を挙げた姿勢で通り道が狭くなるため症状が強まる。手関節の屈筋腱の通り道が圧迫されて母指の対立運動が弱くなるのは手根管症候群の説明であり、胸郭出口症候群には当てはまらない。上肢を下げて休ませると症状は軽くなるのが一般で、そのときに最も強く現れるという記述は逆である。治療は肩甲帯を安静にするのではなく、肩甲骨を支える筋の強化と姿勢の改善が中心になる。

    HINT なで肩+バンザイで症状。圧迫されるのは腕神経叢と鎖骨下の血管。治療は肩甲帯の強化。

  8. 肋骨の疲労骨折について、正しいのはどれか。

    • 1発生の主体は胸部への直接の強打であり、繰り返しの牽引力が関与することは乏しい
    • 2受傷した直後の単純X線で明らかな骨折線が写る
    • 3痛みは安静時にもっとも強く、体幹を動かすと軽くなる
    • 4漕艇や投球など体幹をひねる競技で起こり、深呼吸で痛みが強まる正解
    • 5痛みが軽ければ原因の動作を続けたほうが早く治る

    Answer

    正解 4:漕艇や投球など体幹をひねる競技で起こり、深呼吸で痛みが強まる

    肋骨の疲労骨折は、漕艇やゴルフ、野球の投球、テニスのサーブのように体幹の回旋と胸郭周囲筋の牽引を繰り返す競技で生じ、深呼吸や咳、体幹の回旋で痛みが強まる。直接の強打による外傷性の肋骨骨折とは異なり、繰り返しの牽引力が主因となるため、直接外力を主体とする記述は誤り。疲労骨折は初期の単純X線では写らないことが多く、明らかな骨折線が写るという記述も当てはまらない。痛みは体幹を動かしたときに強まるので、安静時に最も強いという記述も逆である。原因動作を休止することが治癒の前提であり、痛みが軽ければ続けたほうが早く治るという記述も誤りである。

    HINT ボート・ゴルフ・投球の体幹ひねりで肋骨が折れる。深呼吸で痛い。初期のX線は写らない。

  9. 鼠径部痛症候群について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1原因は大腿骨頸部の疲労骨折に限られており、体幹の機能が発症に関与することは乏しい
    • 2圧痛は膝関節の内側面に集まり、股関節の可動域も広がっていく
    • 3内転筋や腸腰筋など複数の部位が関与して鼠径部に痛みが生じる正解
    • 4安静を数日間続ければ短期間で治ることがほとんどである
    • 5サッカーのキック動作や急な切り返しで痛みが出やすい正解

    Answer

    正解 3:内転筋や腸腰筋など複数の部位が関与して鼠径部に痛みが生じる / 5:サッカーのキック動作や急な切り返しで痛みが出やすい

    鼠径部痛症候群(グロインペイン症候群)は、内転筋群、腸腰筋、腹筋群、恥骨結合など複数の部位が関与する症候群で、単一の病態として説明できない。サッカーのキック動作や急な切り返しで鼠径部に痛みが出やすいことも特徴である。大腿骨頸部の疲労骨折だけを原因とし体幹の関与が乏しいという記述は誤りで、体幹と股関節の協調性の低下が背景要因として重視される。圧痛は鼠径部から股関節周囲に生じ、股関節の可動域はむしろ制限されることが多いので、圧痛が膝内側に集まって可動域が広がるという記述も誤り。経過は長引きやすく、数日間の安静だけで短期間に治ることがほとんどという記述も当てはまらない。

    HINT サッカーの鼠径部痛は「原因が一つに決まらない」症候群。長引く前提で機能改善を組む。

  10. 大腿前面の打撲について、正しいのはどれか。

    • 1受傷した直後から患部を強くもみほぐし、よく温めることで治りが早くなる
    • 2急性期の固定は膝を伸ばした位置で行い、屈曲は避けたほうがよい
    • 3重症例では受傷した部位に骨化性筋炎が生じることがある正解
    • 4受傷した直後から他動的に最大まで膝を曲げる運動を繰り返す
    • 5重症度は足関節の背屈の角度をもとに判定する

    Answer

    正解 3:重症例では受傷した部位に骨化性筋炎が生じることがある

    大腿前面の打撲では筋内に出血が生じ、重症例では受傷部に骨化性筋炎(外傷性の骨化)を残すことがある。受傷直後に強くもみほぐして温めることは出血を増やす行為であり、急性期には行わない。急性期の固定は大腿四頭筋を伸張した位置、すなわち膝を屈曲した位置で圧迫固定するのが原則であり、膝を伸ばした位置で屈曲を避けるという記述は逆である。他動的に最大まで膝を曲げる運動を直後から繰り返すことも組織の損傷を広げるため適切でない。重症度の目安として用いられるのは膝関節の屈曲角度であり、足関節の背屈角度ではない。

    HINT 太もも前の打撲は「膝を曲げた位置で圧迫」。重症度も膝の屈曲角度で見る。骨化に注意。

  11. 半月板損傷について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1膝に回旋が加わる動作で起こり、膝が途中で引っかかるロッキングが生じることがある正解
    • 2半月板の中央部は血流が豊富であるため、縫合すれば良好に治癒する
    • 3損傷を確かめる検査として膝の前方引き出しテストがもっとも有用である
    • 4損傷は外側半月板に偏っており、内側に生じるのはまれである
    • 5辺縁部には血流があるため、縫合による修復を選ぶことができる正解

    Answer

    正解 1:膝に回旋が加わる動作で起こり、膝が途中で引っかかるロッキングが生じることがある / 5:辺縁部には血流があるため、縫合による修復を選ぶことができる

    半月板損傷は膝に回旋が加わる動作で生じ、断裂した部分が関節内で引っかかって膝が伸びなくなるロッキングが生じることがある。半月板の辺縁部には血流があるため縫合による修復が選択できる。一方で中央部は血流が乏しく治癒しにくいため、中央部の血流が豊富で縫合すれば良好に治癒するという記述は逆である。前方引き出しテストは前十字靱帯の不安定性をみる検査で、半月板ではMcMurrayテストなどを用いる。日本では内側半月板の損傷が多く、外側半月板に偏っていて内側に生じるのはまれという記述も誤りである。

    HINT 血が来るのは辺縁だけ(縫える)。中央は切除。ロッキングは半月板、引き出しはACL。

  12. 膝内側側副靱帯損傷について、正しいのはどれか。

    • 1膝の外側からの外力で受傷し、外反ストレステストで痛みが出る正解
    • 2単独の損傷であっても自然治癒は困難であり、早期の再建術が必要になる
    • 3受傷機転は膝の内側からの外力であり、内反の不安定性が残る
    • 4圧痛の部位は膝関節の後面の中央に集まってくる
    • 5重症例で合併しやすいのは外側半月板である

    Answer

    正解 1:膝の外側からの外力で受傷し、外反ストレステストで痛みが出る

    膝内側側副靱帯損傷は、膝の外側から内側へ向かう外力(外反の強制)によって受傷し、外反ストレステストで内側の痛みや不安定性が確認される。内側側副靱帯は関節外にあって血流に恵まれるため、単独損傷は保存療法で治癒しやすく、全例で早期に再建術という記述は誤り。内側からの外力で内反の不安定性が残るという記述は力の向きが逆である。圧痛は膝関節内側面の関節裂隙に生じるので、後面の中央に集まるという記述も当てはまらない。重症例で合併しやすいのは前十字靱帯と内側半月板であり、外側半月板ではない。

    HINT MCLは「外から殴られて」外反で痛む。合併は内側半月板とACL。単独なら保存で治る。

  13. 足部にみられる疲労骨折について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1中足骨の疲労骨折は第一中足骨の頭部にもっとも多く、前足部の内側に痛みが出る
    • 2第五中足骨の近位部に生じた疲労骨折は血流が乏しく、偽関節へ進みやすい正解
    • 3練習量の急な増加や硬い路面での連日の練習が関与する正解
    • 4確定診断には受傷した直後の単純X線がもっとも鋭敏である
    • 5疲労骨折は一度治った部位に再び生じることはない

    Answer

    正解 2:第五中足骨の近位部に生じた疲労骨折は血流が乏しく、偽関節へ進みやすい / 3:練習量の急な増加や硬い路面での連日の練習が関与する

    足部の疲労骨折のうち、第五中足骨の近位部(いわゆるJones骨折)は血流の乏しい部位に生じるため、偽関節へ進みやすく治癒に難渋する。発症には練習量の急な増加や硬い路面、底の硬い靴といった負荷条件が関与する。中足骨の疲労骨折が最も多いのは第二中足骨や第三中足骨であり、第一中足骨頭部に最も多いという記述は誤り。疲労骨折は初期の単純X線では写りにくく、受傷直後の単純X線が最も鋭敏という記述も当てはまらない。痛みは荷重や運動によって強まる。発症の条件が変わらなければ再発もしうるため、一度治った部位に再び生じることはないという記述も誤りである。

    HINT 第五中足骨の近位部(Jones)は血が来ないので治りにくい。初期のX線は当てにならない。

  14. スポーツ現場で起こる頭蓋内出血について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1急性硬膜下血腫は硬膜外血腫と比べて予後が良く、後遺症が残るのはまれである
    • 2受傷の後に意識が回復していれば頭蓋内の出血は否定できる
    • 3頭痛が時間とともに強まるのは回復が進んだ証拠である
    • 4急性硬膜外血腫では意識が一度回復した後に悪化することがあり、経過の観察を続ける正解
    • 5瞳孔の左右差や嘔吐の出現は緊急の搬送を判断する手がかりになる正解

    Answer

    正解 4:急性硬膜外血腫では意識が一度回復した後に悪化することがあり、経過の観察を続ける / 5:瞳孔の左右差や嘔吐の出現は緊急の搬送を判断する手がかりになる

    急性硬膜外血腫では、受傷直後に意識障害があっても一度回復する時間(意識清明期)を経てから急速に悪化することがあるため、意識が戻っていても観察を続ける必要がある。瞳孔の左右差、繰り返す嘔吐、意識レベルの低下、頭痛の増強は緊急搬送を判断する手がかりになる。急性硬膜下血腫は脳実質の損傷を伴うことが多く、硬膜外血腫よりも予後が不良であるから、予後が良く後遺症がまれという記述は誤り。受傷の後に意識が回復していても頭蓋内出血は否定できないため、否定できるという記述も当てはまらない。頭痛が時間とともに強まるのは悪化の徴候であり、回復が進んだ証拠ではない。

    HINT 硬膜外は「いったん元気になってから落ちる」。瞳孔の左右差・嘔吐・頭痛増強で搬送。

  15. 接触競技で頸部を強打した競技者への対応について、正しいのはどれか。

    • 1片側の上肢だけに一過性の症状が出た場合は、ただちに頸髄の完全な損傷と判断する
    • 2ヘルメットは搬送の前に必ず外し、頭部を後屈させて気道を確保する
    • 3意識が明瞭であれば頸椎の固定を省いて起立させてよい
    • 4両側の上肢に灼けるような痛みが出た場合は頸髄の損傷を疑い、頸部を固定して搬送する正解
    • 5一過性の四肢の麻痺があっても競技へ即日で復帰してよい

    Answer

    正解 4:両側の上肢に灼けるような痛みが出た場合は頸髄の損傷を疑い、頸部を固定して搬送する

    頸部外傷の後に両側の上肢へ灼けるような痛みや脱力が出た場合は頸髄そのものの損傷を疑い、頸部を固定したまま搬送する。片側の上肢だけに現れる一過性の灼けるような痛みはバーナー症候群(腕神経叢や神経根の障害)でみられるものであり、これだけで頸髄の完全損傷と判断する記述は誤り。ヘルメットは頸部を動かす危険があるため原則として装着したままフェイスガードのみを外し、気道確保も頭部を後屈させずに下顎を挙上して行う。意識が明瞭であっても頸椎の固定を省いて起立させることは危険であり、一過性の四肢麻痺は頸椎脊柱管の狭さなどが背景にあるため、即日復帰ではなく医師の評価を受ける。

    HINT 症状が片側ならバーナー、両側なら頸髄。ヘルメットは外さず、頭は反らせない。

  16. 腹部を強打した競技者にみられる内臓の損傷について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1側腹部を強打した後に血尿が出た場合は腎臓の損傷を疑う正解
    • 2脾臓の損傷では左の上腹部から肩へ広がる痛みが出る正解
    • 3内臓の損傷では受傷した直後に症状がそろうため、時間をおいた観察は省いてよい
    • 4顔面が蒼白で脈が速い状態は循環が安定した証拠である
    • 5肝臓の損傷では左の下腹部に強い痛みと膨満が出る

    Answer

    正解 1:側腹部を強打した後に血尿が出た場合は腎臓の損傷を疑う / 2:脾臓の損傷では左の上腹部から肩へ広がる痛みが出る

    側腹部や背部を強打した後に血尿がみられる場合は腎損傷を疑う。脾損傷では左上腹部の痛みに加え、横隔膜の刺激によって左肩へ広がる痛み(Kehr徴候)が出ることがある。内臓損傷は受傷直後は症状が軽く、時間の経過とともに出血が進んで悪化することがあるため、時間をおいた観察を省いてよいという記述は誤り。顔面蒼白と脈が速く弱い状態は循環血液量の減少を示す危険な所見であり、安定した証拠ではない。肝臓は右上腹部にあるので、左の下腹部に強い痛みと膨満が出るという記述も当てはまらない。

    HINT 血尿=腎、左肩の痛み=脾(Kehr)、右上腹部=肝。腹部打撲は遅れて悪くなる。

  17. 食物依存性運動誘発アナフィラキシーについて、正しいのはどれか。

    • 1主な症状は関節の痛みにとどまり、呼吸や血圧へ影響が及ぶのは乏しい
    • 2原因となる食物をとった後の運動で発症しやすい正解
    • 3発症したときは座って上体を起こしたまま様子をみる
    • 4アドレナリンの自己注射は上腕の外側の皮下へ浅く行う
    • 5原因になりやすい食物は乳製品で、小麦や甲殻類の関与は乏しい

    Answer

    正解 2:原因となる食物をとった後の運動で発症しやすい

    食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、原因となる食物を摂取した後に運動をしたときに発症するもので、食物の摂取だけ、あるいは運動だけでは症状が出ないことが特徴である。症状は蕁麻疹や顔面と咽頭の浮腫、呼吸困難、血圧低下に及ぶため、関節の痛みにとどまるという記述は誤り。発症時は運動を中止して仰臥位にし、下肢を挙上して血圧を保つのが原則であり、座って様子を見るという対応は危険である。アドレナリンの自己注射は大腿前外側の筋肉内へ行うもので、上腕外側の皮下へ浅く行うという記述も誤り。原因食物は小麦や甲殻類などが代表であり、乳製品を主として小麦や甲殻類の関与が乏しいという記述も誤りである。

    HINT 食べただけ・動いただけでは出ない。発症したら仰臥位で下肢挙上、注射は太ももの前外側。

  18. 寒冷環境で起こる低体温症と凍傷への対応について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1重度の低体温症では体のふるえが強まるため、ふるえの程度で重さを見分けられる
    • 2凍傷を生じた部位は強くこすって血流を促すほうが回復を早める
    • 3濡れた衣服を替えて風を防ぎ、毛布で体幹を中心に温める正解
    • 4凍傷の再加温はやけどを避けながらぬるめの湯で行う正解
    • 5意識が鈍っていても勢いよく走らせて体温を早く上げる

    Answer

    正解 3:濡れた衣服を替えて風を防ぎ、毛布で体幹を中心に温める / 4:凍傷の再加温はやけどを避けながらぬるめの湯で行う

    低体温症への現場対応は、濡れた衣服を替えて風を防ぎ、毛布などで体幹を中心に加温することが基本である。凍傷の再加温は、やけどを避けながらぬるめの湯で行う。低体温症では中等度以降でふるえが失われていくため、ふるえが強まるという記述は誤りで、ふるえの程度だけで重症度を見分けることはできない。凍傷の部位を強くこすると組織をさらに傷めるので、こすって血流を促すという対応も適切でない。意識が鈍っている状態で走らせることは、冷えた末梢の血液が心臓へ戻って不整脈を招く危険があり、避けなければならない。

    HINT 低体温はふるえが消えると重症。凍傷はこすらず、ぬるめの湯で戻す。乱暴に動かさない。

  19. 肥大型心筋症について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1若年の競技者の突然死の原因として重く、運動中の失神や胸痛が手がかりになる正解
    • 2心筋が薄くなって内腔が広がる変化が主体であり、高齢者に限って起こる
    • 3血のつながった家族に同じ病気の人がいることはまれである
    • 4診断には心筋の厚さをみる心臓の超音波検査が有用である正解
    • 5診断がついた後も本人が希望すれば競技への参加を認めてよい

    Answer

    正解 1:若年の競技者の突然死の原因として重く、運動中の失神や胸痛が手がかりになる / 4:診断には心筋の厚さをみる心臓の超音波検査が有用である

    肥大型心筋症は左室の心筋が厚くなる疾患で、若年競技者の運動関連突然死の主要な原因のひとつである。運動中の失神やめまい、胸痛、動悸は重要な手がかりとなり、診断には心臓の超音波検査(心エコー)が用いられる。心筋が薄くなって内腔が広がるのは拡張型心筋症の変化であり、肥大型心筋症の説明として誤りで、高齢者に限って起こるものでもない。血のつながった家族に同じ疾患がみられることは多く、家族歴の聴取が重視されるため、まれという記述は当てはまらない。診断がついた場合は競技への参加が制限されるのが原則であり、本人が希望すれば認めてよいという記述も誤りである。

    HINT 若い選手の突然死=まず肥大型心筋症。失神と家族歴を拾い、心エコーへつなぐ。

  20. 競技者にみられる心筋炎について、正しいのはどれか。

    • 1主な原因は心臓の血管の先天的な走行の異常であり、幼少期に見つかることが多い
    • 2発熱している間も運動を続けるほうが回復が早まる
    • 3急性期を過ぎればその日から全力の練習に戻れる
    • 4若年者の運動時の突然死とのかかわりは乏しい
    • 5かぜの症状の後に胸痛や動悸が出た場合に疑い、運動を中止する正解

    Answer

    正解 5:かぜの症状の後に胸痛や動悸が出た場合に疑い、運動を中止する

    心筋炎は多くがウイルス感染に伴って生じ、かぜのような症状の後に胸痛、動悸、息切れ、不整脈が現れる。疑った時点で運動を中止し、医療機関の評価を受けることが基本である。主な原因が心臓の血管の先天的な走行の異常で幼少期に見つかるという記述は、別の突然死の原因の説明であり、心筋炎には当てはまらない。発熱している間に運動を続けることは心筋への負荷を増やす危険な行為であり、回復を早めるものではない。心筋炎は若年者の運動関連突然死の原因のひとつとして重視されるため、かかわりが乏しいという記述も誤り。急性期を過ぎてもしばらくは運動を制限し、医師の評価を経て段階的に復帰するので、その日から全力の練習に戻れるという記述も誤りである。

    HINT 「かぜのあとの胸痛・動悸」で心筋炎を疑う。発熱中の練習は禁。復帰は医師の評価を経る。

  21. 運動誘発性気管支収縮について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1症状が出るのは運動の開始と同時であり、運動を終えた後に現れるのは乏しい
    • 2冷たく乾いた空気を大量に吸い込む運動で起こりやすい正解
    • 3口から息を吸うほうが鼻から吸うより気道の乾燥を防げる
    • 4予防としてウォームアップを短く切り上げるのがよい
    • 5運動負荷の前後で測る一秒量の低下で確かめる正解

    Answer

    正解 2:冷たく乾いた空気を大量に吸い込む運動で起こりやすい / 5:運動負荷の前後で測る一秒量の低下で確かめる

    運動誘発性気管支収縮は、冷たく乾いた空気を大量に換気することで気道が狭くなる現象で、クロスカントリースキーやアイススケートのような環境で起こりやすい。診断には運動負荷の前後で一秒量(一秒間の努力性呼気容量)を測り、その低下の程度をみる。症状は運動の終了後に強く現れることが多いため、開始と同時で終了後には現れにくいという記述は誤り。鼻から吸った空気は温められて湿るため、口から吸うほうが乾燥を防げるという記述も当てはまらない。十分なウォームアップは症状を軽くするため、短く切り上げるのがよいという記述も誤りである。

    HINT 冷たく乾いた空気で気道が締まる。運動の「あと」に出る。一秒量の低下率で判定。

  22. 自然気胸について、正しいのはどれか。

    • 1肥満した高齢の女性に多く、症状は数週間をかけてゆるやかに現れる
    • 2患側の胸に耳を当てると呼吸の音が大きくなるのが特徴である
    • 3やせ型の若い男性に多く、突然の胸痛と息苦しさで始まる正解
    • 4いったん治れば再発することはまれである
    • 5診断は血液検査の結果をもとに確定する

    Answer

    正解 3:やせ型の若い男性に多く、突然の胸痛と息苦しさで始まる

    自然気胸は肺の表面にできた空気の袋(ブラ)が破れて胸腔に空気が漏れる疾患で、やせ型で背の高い若い男性に多く、突然の胸痛と呼吸困難、乾いた咳で始まる。肥満した高齢女性に多く数週間かけてゆるやかに現れるという記述は、対象も経過も当てはまらない。空気が漏れた側では肺が縮むため呼吸音は小さくなるので、大きくなるという記述は逆である。診断は胸部X線などの画像検査で行うため、血液検査の結果で確定するという記述も誤り。再発しやすい疾患であるから、再発がまれという記述も当てはまらない。

    HINT 細身の若い男性が突然の胸痛と息苦しさ。患側の呼吸音は「小さくなる」。再発しやすい。

  23. 甲状腺の機能の異常について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1機能亢進症では寒がりと体重の増加が目立ち、安静時の脈はゆるやかになる
    • 2機能低下症では暑がりと発汗の増加が現れ、脈も速まる
    • 3機能亢進症では安静時の脈が速まり、体重が減りやすい正解
    • 4機能亢進症は加齢とともに増え高齢の男性に多い
    • 5機能低下症では寒がりやむくみと徐脈が現れる正解

    Answer

    正解 3:機能亢進症では安静時の脈が速まり、体重が減りやすい / 5:機能低下症では寒がりやむくみと徐脈が現れる

    甲状腺機能亢進症では代謝が高まるため、安静時の脈が速まり、体重が減り、発汗の増加や手のふるえ、暑がりといった症状が現れる。機能低下症はその逆で、寒がり、むくみ、体重の増加、徐脈、皮膚の乾燥、動作の緩慢がみられる。したがって、機能亢進症で寒がりと体重増加が目立って徐脈になるという記述、機能低下症で暑がりと発汗増加が現れて脈が速まるという記述は、いずれも症状が入れ替わっており誤りである。機能亢進症の代表であるバセドウ病は若い女性に多いので、加齢とともに増えて高齢の男性に多いという記述も当てはまらない。

    HINT 亢進=アクセル(速い脈・やせる・暑がり)、低下=ブレーキ(遅い脈・太る・寒がり)。

  24. 運動に関連して尿の色が変わる状態について、正しいのはどれか。

    • 1運動の後に一時的に尿へ血が混じることがある正解
    • 2運動の後に出る血尿は必ず腎臓の腫瘍が原因であり、検査を急ぐ必要がある
    • 3長距離走の後に出る褐色の尿は、尿路の感染だけが原因として考えられる
    • 4血尿が続いていても泌尿器科での検査は省いてよい
    • 5横紋筋の分解による尿の色は無色に近くなる

    Answer

    正解 1:運動の後に一時的に尿へ血が混じることがある

    激しい運動の後には、腎血流の低下や膀胱壁の接触などによって一時的に尿へ血が混じることがあり、これを運動性血尿という。多くは数日で消えるため、必ず腎臓の腫瘍が原因という記述は誤りである。ただし血尿が続く場合は泌尿器科的な疾患を調べる必要があるので、検査を省いてよいという記述も当てはまらない。長距離走の後の褐色尿は、足底で赤血球が機械的に壊れて起こる行軍ヘモグロビン尿のこともあるため、尿路感染だけを原因と考える記述も誤り。横紋筋の分解ではミオグロビンが尿へ出て赤褐色を帯びるので、無色に近くなるという記述も逆である。

    HINT 運動後の血尿は一時的なことが多いが、続くなら泌尿器科へ。褐色尿は壊れた赤血球や筋。

  25. 運動による横紋筋の分解とそれに伴う腎障害について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1慣れない高強度の運動や暑熱下の脱水で起こり、筋の強い痛みと赤褐色の尿が出る正解
    • 2血液の検査では筋に由来する酵素の値が下がる
    • 3血液中のミオグロビンが尿細管を詰めて腎の障害を招く正解
    • 4対応の基本は水分の摂取を控えて尿の量を減らすことである
    • 5発症しやすいのは慣れた軽い運動を短時間行うときである

    Answer

    正解 1:慣れない高強度の運動や暑熱下の脱水で起こり、筋の強い痛みと赤褐色の尿が出る / 3:血液中のミオグロビンが尿細管を詰めて腎の障害を招く

    横紋筋の分解(横紋筋融解症)は、慣れない高強度の運動や暑熱下での脱水を背景に筋線維が壊れて起こり、筋の強い痛みと腫れ、脱力、赤褐色の尿が現れる。血中へ出たミオグロビンが腎の尿細管を詰めることで急性の腎障害を招く。血液検査では筋由来の酵素であるクレアチンキナーゼの値が大きく上がるため、値が下がるという記述は誤り。対応の基本は運動を中止して十分な補液を行い、医療機関へつなぐことであるから、水分の摂取を控えて尿の量を減らすという記述は危険で誤りである。慣れた軽い運動を短時間行うときに発症しやすいという記述も当てはまらない。

    HINT 赤褐色の尿+筋の激痛。ミオグロビンが腎を詰める。対応は運動中止と補液。

  26. スポーツ現場で起こる眼の外傷について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1眼窩底の骨折では眼球が前へ飛び出し、頬の痛覚が鋭くなるのが特徴である
    • 2眼窩底の骨折では物が二重に見え、頬のしびれが現れる正解
    • 3眼球を強打した後は、まぶたの上から冷やすことは避けて腫れが引くのを待つ
    • 4網膜剥離では光視症に続いて視野の一部が欠ける正解
    • 5網膜剥離の症状は眼の痛みと涙の増加が主体である

    Answer

    正解 2:眼窩底の骨折では物が二重に見え、頬のしびれが現れる / 4:網膜剥離では光視症に続いて視野の一部が欠ける

    ボールや肘が眼部に当たって眼窩内圧が上がると眼窩底が折れることがあり、眼球運動の制限によって物が二重に見え、眼窩下神経の障害によって頬から上口唇にかけてのしびれが現れる。網膜剥離では飛蚊症や光視症に続いて視野の一部が欠けて見えるようになる。眼窩底骨折では眼球はむしろ陥凹し、頬の感覚は鈍くなるので、前へ飛び出して痛覚が鋭くなるという記述は誤り。眼球を強打した後はまぶたの上から静かに冷やして受診につなぐので、冷やすことを避けて腫れが引くのを待つという対応も適切でない。網膜剥離は痛みを伴わないことが多く、眼の痛みと涙の増加が主体という記述も当てはまらない。

    HINT 眼窩底骨折は「二重に見える+頬のしびれ」。網膜剥離は痛くなく、視野が欠ける。

  27. スポーツ現場で起こる耳と鼻、歯、皮膚の問題への対応について、正しいのはどれか。

    • 1耳介の血腫は自然に吸収されて形も元へ戻るため、処置を急ぐ必要は乏しい
    • 2鼻からの出血では鼻の付け根の硬い部分をつまんで圧迫を続けるのがよい
    • 3抜けた歯は乾かして紙に包み、翌日まで保管するのがよい
    • 4抜けた歯は牛乳などで湿らせて歯科へ運ぶ正解
    • 5柔道やレスリングで生じる皮膚の感染は伝染しにくい

    Answer

    正解 4:抜けた歯は牛乳などで湿らせて歯科へ運ぶ

    完全に抜けた歯は歯根膜を生かしたまま早く再植することが重要で、生理食塩水や牛乳、専用の保存液で湿らせて歯科へ運ぶ。耳介の血腫は放置すると軟骨が変形して耳介変形が残るため、穿刺と圧迫が必要であり、自然に元へ戻るという記述は誤り。鼻出血では座らせてやや前傾させ、やわらかい鼻翼をつまんで圧迫するのが基本で、鼻の付け根の硬い部分をつまんでも出血している部位は押さえられない。抜けた歯を乾かして紙に包むと歯根膜が死んでしまうので、翌日まで保管するという対応も誤り。柔道やレスリングでは接触によるウイルス感染や真菌感染が広がりやすいため、伝染しにくいという記述も当てはまらない。

    HINT 抜けた歯は乾かさない(牛乳で運ぶ)。鼻血は下を向いて鼻翼を押さえる。耳は穿刺と圧迫。

  28. 女性競技者のスポーツ外傷・障害の特徴について、正しいのはどれか。

    • 1女性は骨盤が狭くQ角が小さいため、着地の際に膝が内へ入る動きは起こりにくい
    • 2前十字靱帯の損傷は男性よりも女性のほうが起こりやすい傾向がある正解
    • 3女性に多くみられる膝の痛みは、膝関節の後面に集まるのが特徴である
    • 4月経が止まった状態が長く続くと骨の密度は次第に高まる
    • 5関節の弛緩性はホルモンの影響で男性のほうが大きい

    Answer

    正解 2:前十字靱帯の損傷は男性よりも女性のほうが起こりやすい傾向がある

    前十字靱帯損傷の発生率は、同じ競技で比べると男性より女性のほうが高い傾向があり、骨盤が広くQ角が大きいこと、着地で膝が内へ入りやすいこと、関節弛緩性が大きいことなどが要因として挙げられる。したがって、骨盤が狭くQ角が小さいため膝が内へ入りにくいという記述、関節弛緩性がホルモンの影響で男性のほうが大きいという記述は、いずれも向きが逆で誤りである。女性に多い膝の痛みは膝蓋大腿関節に関連して膝の前面に生じることが多いため、後面に集まるという記述も当てはまらない。無月経が続くとエストロゲンの低下によって骨密度は下がり疲労骨折の危険が高まるので、骨密度が高まるという記述も誤りである。

    HINT 女性はQ角が大きく弛緩性も大きい→ACLが切れやすい。無月経が続けば骨は減る。

  29. 成長期の骨端線に生じる損傷について、正しいのはどれか。

    • 1骨端線の損傷は成長の終わりを待てば自然に形が整っていく
    • 2成長期では骨端線より靱帯のほうが弱いため、捻挫が起こりやすい
    • 3骨端線が閉じる時期は全身でそろって同じである
    • 4骨端線の損傷が変形を残すことはまれである
    • 5成長期は骨端線が力学的に弱く、靱帯よりも先に骨端線が損傷されることがある正解

    Answer

    正解 5:成長期は骨端線が力学的に弱く、靱帯よりも先に骨端線が損傷されることがある

    成長期の骨端線(成長板)は力学的に弱く、同じ外力が加わったときに靱帯より先に骨端線の離開や裂離骨折が起こることがある。このため成人なら捻挫となる外力で骨端線損傷を生じることがあり、成長期では靱帯のほうが弱くて捻挫が起こりやすいという記述は逆である。骨端線損傷は成長障害による変形や脚長差を残すことがあるため、成長の終わりを待てば自然に形が整うという記述、変形を残すことがまれという記述はいずれも誤り。骨端線が閉じる時期は部位によって異なるので、全身でそろって同じという記述も当てはまらない。

    HINT 子どもは「靱帯より成長板が弱い」。捻挫と思ったら骨端線損傷を疑う。変形が残りうる。

  30. 高齢者のスポーツ外傷・障害の特徴について、正しいのはどれか。

    • 1軽い転倒でも大腿骨の近位部や脊椎の骨折が起こりやすい正解
    • 2腱や筋の変性は加齢とともに軽くなるため、腱の断裂は若年者より起こりにくい
    • 3骨折や腱の損傷の治りは若年者と比べて速く進むのが一般である
    • 4服薬の内容は外傷への対応を考えるうえで関係が乏しい
    • 5暑熱下で脱水になる危険は若年者より小さい

    Answer

    正解 1:軽い転倒でも大腿骨の近位部や脊椎の骨折が起こりやすい

    高齢者では骨密度の低下によって、軽い転倒でも大腿骨近位部や脊椎、上腕骨近位部、橈骨遠位端の骨折が生じやすい。腱や筋の変性は加齢とともに進むため腱板損傷やアキレス腱断裂が起こりやすく、変性が軽くなって断裂が起こりにくいという記述は逆である。骨折や腱の損傷の治癒には若年者より時間がかかるので、速く進むという記述も誤り。降圧薬や抗凝固薬など服薬の内容は出血や循環への対応に直結するため、関係が乏しいという記述も当てはまらない。高齢者は体液量が少なく口渇も感じにくいため暑熱下での脱水の危険は高く、若年者より小さいという記述も誤りである。

    HINT 高齢者は骨と腱が弱く、治りが遅い。服薬と脱水のしやすさを必ず頭に入れる。

  31. 脊髄損傷のあるパラアスリートへの医学的な留意点について、正しいのはどれか。

    • 1高位の損傷では汗をかく力が高まるため、暑熱下では脱水にだけ気をつければよい
    • 2膀胱に尿がたまった状態が血圧へ影響することはまれである
    • 3車いすの推進を繰り返しても肩の腱板の障害は生じにくい
    • 4高位の損傷では発汗の調節がはたらきにくく、暑熱下で体温が上がる正解
    • 5皮膚の圧による褥瘡は座位の競技では起こりにくい

    Answer

    正解 4:高位の損傷では発汗の調節がはたらきにくく、暑熱下で体温が上がる

    胸髄より高位の脊髄損傷では自律神経による発汗と皮膚血流の調節が障害されるため、暑熱下で熱が体内にこもり体温が上がりやすく、ミストや冷却ベストなど外からの冷却が重要になる。汗をかく力が高まるという記述は逆で、脱水にだけ気をつければよいという対応も不十分である。膀胱の充満や便のつまりといった刺激によって血圧が急上昇する自律神経過反射は第6胸髄より高位の損傷で起こるため、血圧へ影響することがまれという記述は誤り。車いすの推進の繰り返しは肩の腱板障害などの上肢のオーバーユースを招くので、生じにくいという記述も当てはまらない。座位では殿部に圧が集中して褥瘡が生じやすいため、座位の競技では起こりにくいという記述も誤りである。

    HINT 高位損傷は汗がかけない=うつ熱。膀胱が張ると血圧が跳ねる(自律神経過反射)。

  32. 下肢を切断したパラアスリートへの医学的な留意点について、正しいのはどれか。

    • 1断端の太さは一日を通して一定に保たれるため、ソケットの調整は年に一度で足りる
    • 2義足を使う側とその反対側で負荷は等しく、腰部の障害はむしろ減っていく
    • 3ソケットの内側では摩擦と発汗によって断端の皮膚が傷みやすい正解
    • 4断端は湿らせたまま柔らかく包むほうが皮膚をよく守れる
    • 5幻肢痛は義足を使い始めると数日のうちに完全に消える

    Answer

    正解 3:ソケットの内側では摩擦と発汗によって断端の皮膚が傷みやすい

    義足のソケットの内側は摩擦と発汗にさらされるため、断端の皮膚に擦過や水疱、皮膚炎が生じやすく、日々の観察と清潔の保持が欠かせない。断端の容積は浮腫や発汗によって一日のうちでも変化し、ソケットソックスの枚数などで調整する必要があるため、一定に保たれて調整は年に一度で足りるという記述は誤り。義足側と反対側では荷重の仕方が異なり、反対側の下肢や腰部の障害が増えやすいので、負荷が等しく腰部の障害が減るという記述も当てはまらない。断端は湿らせたままにすると皮膚がふやけて傷みやすいので、清潔と乾燥を保つのが原則である。幻肢痛は長く続くことがあるため、義足を使い始めて数日のうちに完全に消えるという記述も誤りである。

    HINT 断端は「太さが変わる」「乾かして清潔に」。反対側の下肢と腰の障害も見る。

  33. 膝前十字靱帯の損傷について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1受傷の直後に関節の腫脹が出ることはまれで、数週間かけてゆっくり現れてくる
    • 2非接触の場面で膝が内へ入る動きを伴って受傷することが多く、受傷の直後から腫脹が出る正解
    • 3前方引き出しテストやラックマンテストで前方への不安定性をみる正解
    • 4競技への復帰は、靱帯の再建の手術を終えた1か月後が目安になる
    • 5損傷の有無は単純X線の撮影だけで確かめられ、MRIを撮る必要はない

    Answer

    正解 2:非接触の場面で膝が内へ入る動きを伴って受傷することが多く、受傷の直後から腫脹が出る / 3:前方引き出しテストやラックマンテストで前方への不安定性をみる

    膝前十字靱帯の損傷は、着地や方向転換といった非接触の場面で膝が内へ入る動きを伴って起こることが多く、関節内の出血によって受傷の直後から腫脹が現れる。徒手の検査では前方引き出しテストやラックマンテストで前方への不安定性をみる。「受傷の直後に関節の腫脹が出ることはまれで、数週間かけてゆっくり現れてくる」は誤りで、関節内の出血のため短い時間で腫脹する。「競技への復帰は、靱帯の再建の手術を終えた1か月後が目安になる」も誤りで、復帰までには多くの場合で半年を超える期間が要る。「損傷の有無は単純X線の撮影だけで確かめられ、MRIを撮る必要はない」も誤りで、靱帯は単純X線に写らないためMRIなどの画像と徒手の検査を組み合わせて判断する。

    HINT 受傷の直後に膝が腫れたら関節内の出血を疑う。靱帯はX線に写らない。

  34. 足関節の外側側副靱帯の損傷について、最も適切なのはどれか。

    • 1損傷されやすいのは三角靱帯であり、外返しに強制される場面で起こる
    • 2腫脹と圧痛の部位は外果の後ろのほうに集まってくる
    • 3足関節の捻挫の後には、再発の危険がもとの水準まで戻るとされる
    • 4足関節が底屈して内返しに強制される場面で起こり、前距腓靱帯が最も損傷されやすい正解
    • 5重症度の段階づけには腫脹の大きさを用い、不安定性の所見は参考にとどめる

    Answer

    正解 4:足関節が底屈して内返しに強制される場面で起こり、前距腓靱帯が最も損傷されやすい

    足関節の外側側副靱帯の損傷は、底屈して内返しに強制される場面で生じ、三つの靱帯のうち前距腓靱帯が最も損傷されやすい。「損傷されやすいのは三角靱帯であり、外返しに強制される場面で起こる」は誤りで、三角靱帯は内側にあり外返しの強制で損傷する別の外傷である。「腫脹と圧痛の部位は外果の後ろのほうに集まってくる」も誤りで、前距腓靱帯の走る外果の前下方に集まる。「足関節の捻挫の後には、再発の危険がもとの水準まで戻るとされる」も誤りで、受傷の後は固有感覚や筋の働きの低下が残り再発しやすい状態が続く。「重症度の段階づけには腫脹の大きさを用い、不安定性の所見は参考にとどめる」も誤りで、不安定性の所見こそが重症度を分けるうえで重要になる。

    HINT 底屈+内返しで前距腓靱帯。外果の「前下」が痛みの場所。捻挫は再発しやすい。

  35. 腰椎の分離症について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1腰を反らせる動作やひねる動作の繰り返しで生じる椎弓の疲労骨折である正解
    • 2発症するのは成人になってからで、成長期に生じることはまれだとされている
    • 3痛みは腰を前へ曲げる動作で強まり、反らせる動作ではかえって和らぐ
    • 4最も多い部位は第1腰椎であり、下位の腰椎に生じるのはまれである
    • 5初期の段階ではMRIの撮影が診断の助けになる正解

    Answer

    正解 1:腰を反らせる動作やひねる動作の繰り返しで生じる椎弓の疲労骨折である / 5:初期の段階ではMRIの撮影が診断の助けになる

    腰椎の分離症は、成長期に腰を反らせる動作やひねる動作を繰り返すことで椎弓の関節突起の間部に生じる疲労骨折である。初期の段階は単純X線に写りにくいため、MRIが骨の内部の変化をとらえて診断に役立つ。「発症するのは成人になってからで、成長期に生じることはまれだとされている」は誤りで、成長期のスポーツ活動に伴って生じる代表的な障害である。「痛みは腰を前へ曲げる動作で強まり、反らせる動作ではかえって和らぐ」も誤りで、腰を反らせる動作で痛みが強まる。「最も多い部位は第1腰椎であり、下位の腰椎に生じるのはまれである」も誤りで、最も多いのは第5腰椎である。

    HINT 反らせて痛むなら分離症、前屈で痛むならヘルニア寄り。初期はMRI。

  36. アキレス腱の障害と皮下の断裂について、最も適切なのはどれか。

    • 1皮下の断裂の瞬間は痛みが軽いため、本人が気づくのはまれだとされている
    • 2皮下の断裂では、下腿の筋を握っても足関節の底屈が現れにくくなる正解
    • 3腱症の痛みは運動を始めてしばらく動くと強まり続ける
    • 4皮下の断裂は腱の踵骨への付着のすぐそばで最も多い
    • 5皮下の断裂の後も、つま先立ちは行えるとされる

    Answer

    正解 2:皮下の断裂では、下腿の筋を握っても足関節の底屈が現れにくくなる

    アキレス腱の皮下の断裂では、腹臥位で下腿の筋を握っても足関節の底屈が現れにくくなる所見がみられ、断裂を疑う手がかりになる。「皮下の断裂の瞬間は痛みが軽いため、本人が気づくのはまれだとされている」は誤りで、ふくらはぎを蹴られたような感覚と音を伴い、本人が気づくことが多い。「腱症の痛みは運動を始めてしばらく動くと強まり続ける」も誤りで、腱症では動き始めの痛みが動いているうちにいったん和らぐことが多い。「皮下の断裂は腱の踵骨への付着のすぐそばで最も多い」も誤りで、付着部から少し離れた血流の乏しい部位に多い。「皮下の断裂の後も、つま先立ちは行えるとされる」も誤りで、つま先立ちは難しくなる。

    HINT ふくらはぎを握って足首が動かなければ断裂を疑う。腱症は動くと一度楽になる。

  37. 膝の前面に痛みを生じる障害について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1膝蓋前の滑液包の炎症では、膝を深く曲げた姿勢で痛みが和らいでいくとされる
    • 2膝蓋腱の障害の圧痛は、膝蓋骨の上端のほうに集まる
    • 3膝蓋腱の障害ではジャンプや着地の繰り返しが関与し、膝蓋骨の下端に圧痛が出る正解
    • 4膝蓋大腿部の痛みでは、階段を下りる動作で症状が強まっていく正解
    • 5膝蓋大腿部の痛みは膝を伸ばしきった姿勢でこそ強まる

    Answer

    正解 3:膝蓋腱の障害ではジャンプや着地の繰り返しが関与し、膝蓋骨の下端に圧痛が出る / 4:膝蓋大腿部の痛みでは、階段を下りる動作で症状が強まっていく

    膝蓋腱の障害はジャンプや着地を繰り返す競技に多く、膝蓋骨の下端から膝蓋腱にかけて圧痛が出る。膝蓋大腿部の痛みでは、膝蓋骨が大腿骨の溝に押しつけられる階段の下りやしゃがみ込みで症状が強まる。「膝蓋前の滑液包の炎症では、膝を深く曲げた姿勢で痛みが和らいでいくとされる」は誤りで、深く曲げて滑液包が圧迫される姿勢では痛みが強まる。「膝蓋腱の障害の圧痛は、膝蓋骨の上端のほうに集まる」も誤りで、上端に圧痛が出るのは大腿四頭筋腱の障害である。「膝蓋大腿部の痛みは膝を伸ばしきった姿勢でこそ強まる」も誤りで、股関節の外転や外旋に働く筋の低下は膝が内へ入る動きを招いて症状に関わる。

    HINT 膝蓋骨の下端なら膝蓋腱、上端なら大腿四頭筋腱。膝の前の痛みは股関節も見る。

  38. 下腿に生じる運動器の障害について、最も適切なのはどれか。

    • 1脛骨の前方の中央に生じた疲労骨折は治りやすく、短い休止で復帰できるとされる
    • 2シンスプリントの痛みは脛骨の外側の上方に集まってくる
    • 3疲労骨折の痛みは一点に集まるより、広い範囲へ広がる
    • 4腓骨の疲労骨折は投球の多い競技に特有だとされる
    • 5シンスプリントでは脛骨の内側の下方に、広がりをもった痛みが現れる正解

    Answer

    正解 5:シンスプリントでは脛骨の内側の下方に、広がりをもった痛みが現れる

    シンスプリントは脛骨の内側の下方に広がりをもった痛みが出るのが特徴で、走行やジャンプの量の急な増加が関与する。「脛骨の前方の中央に生じた疲労骨折は治りやすく、短い休止で復帰できるとされる」は誤りで、この部位は張力がかかる側にあたるため治りにくく、長い経過をとる。「シンスプリントの痛みは脛骨の外側の上方に集まってくる」も誤りで、部位が内側の下方と入れ替わっている。「疲労骨折の痛みは一点に集まるより、広い範囲へ広がる」も誤りで、疲労骨折では圧痛が一点に集まり、シンスプリントとの区別の手がかりになる。「腓骨の疲労骨折は投球の多い競技に特有だとされる」も誤りで、腓骨の疲労骨折は走行の多い競技でみられる。

    HINT 広い痛みはシンスプリント、一点の痛みは疲労骨折。脛骨の前の中央は治りにくい。

  39. 鎖骨と肩鎖関節の外傷について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1肩鎖関節の損傷では鎖骨の外側端が上へ飛び出して見えてくる正解
    • 2肩の外側から倒れて肩を直接打つ場面で起こりやすい正解
    • 3肩鎖関節の損傷では、腕を体の前で交差させる動作で痛みが出にくくなるとされる
    • 4鎖骨の骨折では転位があっても必ず手術が選ばれていく
    • 5肩鎖関節の損傷の重症度は鎖骨の外側端が下へ落ち込む程度で決まってくる

    Answer

    正解 1:肩鎖関節の損傷では鎖骨の外側端が上へ飛び出して見えてくる / 2:肩の外側から倒れて肩を直接打つ場面で起こりやすい

    肩鎖関節の損傷では鎖骨の外側端が上方へ飛び出して見える変形が生じ、段のような外観として観察される。鎖骨と肩鎖関節の外傷はいずれも、肩の外側から倒れて肩を直接打つ場面で起こりやすい。「肩鎖関節の損傷では、腕を体の前で交差させる動作で痛みが出にくくなるとされる」は誤りで、この動作は肩鎖関節に圧縮を加えるため痛みが強まり、検査として用いられる。「鎖骨の骨折では転位があっても必ず手術が選ばれていく」も誤りで、治療の選択は転位の程度や部位、年齢などによって変わる。「肩鎖関節の損傷の重症度は鎖骨の外側端が下へ落ち込む程度で決まってくる」も誤りで、烏口鎖骨靱帯の損傷の程度が重症度の区分に関わる。

    HINT 肩の外側から倒れて鎖骨の外側端が盛り上がったら肩鎖関節。腕を胸の前で交差させて痛むか見る。

  40. 手指の外傷について、最も適切なのはどれか。

    • 1突き指では腫れが引くまで固定を避けて、動かし続けるほうが早く治るとされる
    • 2槌指は指先の関節を自力で曲げる動きが難しくなる状態を指している
    • 3槌指では指先の関節を自力で伸ばしにくくなっていく正解
    • 4指の側副靱帯の損傷では、関節を縦に引っぱる検査で不安定性をみていく
    • 5指の脱臼はその場で引っぱって戻してから固定する

    Answer

    正解 3:槌指では指先の関節を自力で伸ばしにくくなっていく

    槌指は指先の関節を伸ばす腱の付着部が損傷された状態で、指先の関節を自力で伸ばしにくくなり、先端が曲がったままになる。「突き指では腫れが引くまで固定を避けて、動かし続けるほうが早く治るとされる」は誤りで、突き指と呼ばれる外傷には骨折や腱の損傷が含まれるため画像の評価が必要になる。「槌指は指先の関節を自力で曲げる動きが難しくなる状態を指している」も誤りで、難しくなるのは伸ばす動きである。「指の側副靱帯の損傷では、関節を縦に引っぱる検査で不安定性をみていく」も誤りで、横方向の不安定性の所見は損傷の程度を知る手がかりになる。「指の脱臼はその場で引っぱって戻してから固定する」も誤りで、整復は行わず、そのまま固定して医療機関での評価を受けさせる。

    HINT 槌指は「伸ばせない」。突き指という言葉は骨折や腱の損傷を隠していることがある。

  41. スポーツによって生じる脳振盪について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1症状は受傷の直後にもっとも重く、翌日以降はしだいに落ち着いていくとされる
    • 2頭部のCTやMRIで異常が写ることが、診断の条件になるとされる
    • 3症状が消えたらその日のうちに競技へ戻してよい
    • 4頭痛やめまい、集中しにくさ、眠りの質の変化など多様な症状として現れる正解
    • 5回復の途上で再び頭部に外力を受けると危険が高まっていく正解

    Answer

    正解 4:頭痛やめまい、集中しにくさ、眠りの質の変化など多様な症状として現れる / 5:回復の途上で再び頭部に外力を受けると危険が高まっていく

    脳振盪では頭痛やめまい、集中しにくさ、眠りの質の変化、情動の変化など多様な症状が現れ、意識を失う場面を伴う例は一部にとどまる。また回復の途上で再び頭部に外力を受けると、症状が長引いたり重い状態に至る危険が高まる。「症状は受傷の直後にもっとも重く、翌日以降はしだいに落ち着いていくとされる」は誤りで、症状は時間をおいて現れたり強まったりするため経過の観察を続ける。「頭部のCTやMRIで異常が写ることが、診断の条件になるとされる」も誤りで、脳振盪は画像で異常が写らないことが多く、症状と経過から判断される。「症状が消えたらその日のうちに競技へ戻してよい」も誤りで、段階を追った復帰の手順を踏み、医師の評価を受けてから戻す。

    HINT 画像に写らないのが普通。症状は遅れて出る。回復の途中の再受傷がいちばん怖い。

  42. 運動に伴って生じる熱中症について、最も適切なのはどれか。

    • 1意識の障害や体温の著しい上昇がある場合は重症と考え、体を冷やしながら搬送する正解
    • 2筋のけいれんだけがある段階では、水のみを与えて様子をみる
    • 3皮膚が熱く乾いていれば、発汗が保たれている証拠と考えてよい
    • 4冷やす場所として手のひらを選び、体幹や頸部は避ける
    • 5自分で水分をとれる状態ならば、最も重い区分にあたると考えてよい

    Answer

    正解 1:意識の障害や体温の著しい上昇がある場合は重症と考え、体を冷やしながら搬送する

    意識の障害や体温の著しい上昇がある状態は重症と考え、救急隊へ連絡しながら全身を冷やし続けて医療機関へ搬送する。「筋のけいれんだけがある段階では、水のみを与えて様子をみる」は誤りで、発汗で失われた塩分を含む水分を与える。「皮膚が熱く乾いていれば、発汗が保たれている証拠と考えてよい」も誤りで、熱く乾いた皮膚は発汗が止まった危険な状態を示す。「冷やす場所として手のひらを選び、体幹や頸部は避ける」も誤りで、頸部やわきの下、脚の付け根など太い血管が通る部位を冷やす。「自分で水分をとれる状態ならば、最も重い区分にあたると考えてよい」も誤りで、自力で水分をとれるかどうかは重症度を見分ける手がかりになる。

    HINT 意識があやしければ重症。冷やすのは首・わきの下・脚の付け根。汗が止まったら危険。

  43. 持久的な競技者に生じる貧血について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1ヘモグロビンの値が基準の範囲にあれば、鉄の貯蔵の不足は除外できる
    • 2最も多いのは鉄が足りないことによる貧血で、持久的な競技を行う女性に起こりやすい正解
    • 3自覚の症状として疲れやすさや息切れ、動悸が出る正解
    • 4足の裏に衝撃が加わり続ける競技で赤血球が壊れる機序は考えにくい
    • 5改善には鉄の注射が第一に選ばれ、食事の見直しは後回しにする

    Answer

    正解 2:最も多いのは鉄が足りないことによる貧血で、持久的な競技を行う女性に起こりやすい / 3:自覚の症状として疲れやすさや息切れ、動悸が出る

    競技者の貧血で最も多いのは鉄の不足によるもので、発汗や消化管からの損失、月経による損失が重なる持久的な競技の女性に起こりやすい。症状は疲れやすさや息切れ、動悸として現れ、持久的なパフォーマンスの低下につながる。「ヘモグロビンの値が基準の範囲にあれば、鉄の貯蔵の不足は除外できる」は誤りで、貯蔵の鉄が減っていてもヘモグロビンが保たれている段階がある。「足の裏に衝撃が加わり続ける競技で赤血球が壊れる機序は考えにくい」も誤りで、長距離を走る競技では赤血球が壊れることが知られている。「改善には鉄の注射が第一に選ばれ、食事の見直しは後回しにする」も誤りで、食事の見直しが基本になり、投与の方法は医師が判断する。

    HINT ヘモグロビンが正常でも貯蔵鉄が減っている段階がある。まず食事を見直す。

  44. 糖尿病のある競技者の運動について、最も適切なのはどれか。

    • 1低血糖の症状が出たときは、まず安静にして水だけをとらせる
    • 2血糖がきわめて高い状態であっても、運動を続ければ速やかに下がっていくとされる
    • 3運動の後に起こる低血糖は、その日の夜間には生じにくい
    • 4インスリンを用いている場合は、運動の最中や後に低血糖が起こることがある正解
    • 5発汗や手の震えは、低血糖の症状からは外れるとされる

    Answer

    正解 4:インスリンを用いている場合は、運動の最中や後に低血糖が起こることがある

    インスリンを用いている場合、運動によって糖の取り込みが進むため、運動の最中や終わった後に低血糖が起こることがある。「低血糖の症状が出たときは、まず安静にして水だけをとらせる」は誤りで、必要なのは糖の補給である。「血糖がきわめて高い状態であっても、運動を続ければ速やかに下がっていくとされる」も誤りで、著しい高血糖では運動によってかえって悪化することがあるため中止して医師の判断を仰ぐ。「運動の後に起こる低血糖は、その日の夜間には生じにくい」も誤りで、運動の後の夜間に起こることもある。「発汗や手の震えは、低血糖の症状からは外れるとされる」も誤りで、どちらも代表的な症状にあたる。

    HINT 低血糖には糖。運動の夜に落ちることもある。高すぎる血糖では運動を止める。

  45. 大腿骨寛骨臼インピンジメントについて、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1股関節を深く曲げて内側へひねる動作で、鼠径部の前に痛みが出る正解
    • 2痛みは大腿の後面から膝の裏にかけて広がっていく
    • 3寛骨臼が大腿骨頭を覆う範囲が浅いほど、骨同士の衝突は起こりやすくなる
    • 4股関節を伸ばしきった位置で骨同士が衝突し、そこで痛みが最も強まる
    • 5繰り返す衝突によって寛骨臼のふちの関節唇が損傷されやすい正解

    Answer

    正解 1:股関節を深く曲げて内側へひねる動作で、鼠径部の前に痛みが出る / 5:繰り返す衝突によって寛骨臼のふちの関節唇が損傷されやすい

    大腿骨寛骨臼インピンジメントは、大腿骨の頸部側の張り出しや寛骨臼側の覆いの過剰といった骨の形を背景に、股関節を深く曲げて内側へひねる位置で骨同士がぶつかる状態である。ぶつかるのは寛骨臼の前上方なので、痛みは鼠径部の前のほうに出る。ぶつかりが繰り返されると寛骨臼のふちを取り囲む関節唇が挟み込まれ、関節唇の損傷を伴いやすい。「痛みは大腿の後面から膝の裏にかけて広がっていく」は誤りで、痛みが出るのはぶつかりが起きている股関節の前面と鼠径部であり、大腿の後面から膝の裏にかけての痛みはハムストリングスや坐骨のまわりに由来する別の訴えとして扱う。「寛骨臼が大腿骨頭を覆う範囲が浅いほど、骨同士の衝突は起こりやすくなる」も誤りで、覆いが浅い股関節では大腿骨の頸部が寛骨臼のふちに届く手前で動きが残るためぶつかりは起こりにくく、そこで問題になるのは大腿骨頭を押さえる支えが足りないことによる不安定さである。ぶつかりを招くのは、覆いが深すぎる形のほうである。「股関節を伸ばしきった位置で骨同士が衝突し、そこで痛みが最も強まる」も誤りで、伸ばした位置では大腿骨の頸部が寛骨臼のふちから遠ざかるためぶつかりは弱まり、痛みが強まるのは深く曲げてひねった位置である。

    HINT 深く曲げて内へひねると前がぶつかり、鼠径部の前が痛む。覆いが深すぎる形が衝突、浅い形は不安定。

  46. 走る競技者の膝の外側と内側に生じる痛みについて、最も適切なのはどれか。

    • 1腸脛靱帯の障害の痛みは膝の内側に集まり、鵞足のあたりに現れてくる
    • 2腸脛靱帯の障害では大腿骨の外側の隆起のあたりに痛みが出る正解
    • 3鵞足の痛みは膝の外側にあり、腸脛靱帯の線上にある
    • 4腸脛靱帯の障害は、下り坂を走る場面ではかえって軽くなるのが通例であるとされる
    • 5腸脛靱帯の障害では膝を伸ばしきった位置で痛みが出る

    Answer

    正解 2:腸脛靱帯の障害では大腿骨の外側の隆起のあたりに痛みが出る

    腸脛靱帯の障害では、膝の屈伸に伴って腸脛靱帯が大腿骨の外側の隆起をまたぐため、その周辺に痛みが出る。「腸脛靱帯の障害の痛みは膝の内側に集まり、鵞足のあたりに現れてくる」は誤りで、部位を鵞足の痛みと取り違えている。「鵞足の痛みは膝の外側にあり、腸脛靱帯の線上にある」も誤りで、鵞足は膝の内側にあり縫工筋や半腱様筋などの腱が集まる部位である。「腸脛靱帯の障害は、下り坂を走る場面ではかえって軽くなるのが通例であるとされる」も誤りで、下り坂では膝の屈伸の負担が増して痛みは強まる。「腸脛靱帯の障害では膝を伸ばしきった位置で痛みが出る」も誤りで、腸脛靱帯が大腿骨の外側の隆起をまたぐのは膝を軽く曲げた位置であり、伸ばしきった位置では靱帯が隆起から離れるため痛みは出にくい。走る量の急な増加や路面の傾き、シューズの状態は発生に関わる条件だが、痛みが出る膝の角度を説明するものではない。

    HINT 外側の隆起をまたぐのが腸脛靱帯、内側に腱が集まるのが鵞足。下り坂で悪化する。

  47. 投球を繰り返す成長期の競技者にみられる肘の外側の障害について、最も適切なのはどれか。

    • 1生じる部位は上腕骨の内側で、外反の力が集中して起こる
    • 2遊離した骨や軟骨の片が関節のあいだにはさまると、可動域はかえって広がっていく
    • 3上腕骨の外側の軟骨の下の骨に生じ、早い段階では症状が軽い正解
    • 4早い段階で見つかった場合でも、投球を続ければ自然に治っていくとされる
    • 5画像の評価は省けるため、圧痛の部位だけで見分けられるとされる

    Answer

    正解 3:上腕骨の外側の軟骨の下の骨に生じ、早い段階では症状が軽い

    投球を繰り返す成長期の競技者にみられる肘の外側の障害は、上腕骨の外側の軟骨の下の骨に生じる離断性骨軟骨炎であり、早い段階では症状が軽く見逃されやすい。「生じる部位は上腕骨の内側で、外反の力が集中して起こる」は誤りで、内側に起こるのは内側側副靱帯や内側上顆の障害である。「遊離した骨や軟骨の片が関節のあいだにはさまると、可動域はかえって広がっていく」も誤りで、はさまれば引っかかりや可動域の制限が生じる。「早い段階で見つかった場合でも、投球を続ければ自然に治っていくとされる」も誤りで、投球を休むことが基本になる。「画像の評価は省けるため、圧痛の部位だけで見分けられるとされる」も誤りで、画像の評価が病変の範囲を知るうえで要る。

    HINT 外側は圧縮、内側は牽引。外側の障害は症状が軽いうちに見つけるのが肝心。

  48. 股関節のまわりに生じる疲労骨折について、最も適切なのはどれか。

    • 1大腿骨の頸部の疲労骨折は、張力がかかる側に生じても経過は軽いとされる
    • 2骨盤の恥骨の枝に生じた疲労骨折は、殿部の後面の痛みとして現れる
    • 3発症の背景にある骨の強さは、体重の重さだけで決まってくる
    • 4大腿骨の頸部の疲労骨折は股関節の前面の痛みとして出る正解
    • 5股関節の痛みが続く場合でも、荷重を続けながら経過をみてよい

    Answer

    正解 4:大腿骨の頸部の疲労骨折は股関節の前面の痛みとして出る

    大腿骨の頸部に生じた疲労骨折は、股関節の前面や鼠径部の痛みとして現れ、荷重や股関節を動かす動作で強まる。「大腿骨の頸部の疲労骨折は、張力がかかる側に生じても経過は軽いとされる」は誤りで、張力がかかる側に生じたものは完全な骨折へ進む危険があり慎重な対応が要る。「骨盤の恥骨の枝に生じた疲労骨折は、殿部の後面の痛みとして現れる」も誤りで、鼠径部の痛みとして現れる。「発症の背景にある骨の強さは、体重の重さだけで決まってくる」も誤りで、利用できるエネルギーの不足や月経の異常は骨の強さを下げて疲労骨折の危険を高める。「股関節の痛みが続く場合でも、荷重を続けながら経過をみてよい」も誤りで、初期の疲労骨折は単純X線に写りにくいためMRIなどで確かめる。

    HINT 股関節の前の痛みが続くなら大腿骨頸部を疑う。初期のX線は当てにならない。

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