人体の解剖と機能全48問・正解と解説つき
JSPO公認アスレティックトレーナー 専門科目 基礎科目・ 公式テキスト第7章・ 分量 20%
骨の部位と名称、関節の構造と機能の分類、関節運動を決める要因、筋の起始・停止と作用、体表からの触診(骨・関節・靱帯・筋・腱)、スポーツ基本動作の解剖学的な説明。履修時間は「上肢・体幹」30時間、「下肢・骨盤」30時間。
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- Q01#jab-an-001
上腕骨の各部位と、そこに付着する筋・腱の組み合わせについて、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1大結節には棘上筋と棘下筋、小円筋の腱が付着し、肩関節の外旋に強く働いている正解
- 2小結節には三角筋の腱が付着し、肩関節を外転させる主な力の源として働く
- 3結節間溝を上腕二頭筋の長頭腱が走り、横上腕靱帯がこれを覆う正解
- 4三角筋粗面には大胸筋が停止し、上腕の外旋を強く助けている
- 5内側上顆には前腕の伸筋群が共通の腱によって起始する
Answer
正解 1:大結節には棘上筋と棘下筋、小円筋の腱が付着し、肩関節の外旋に強く働いている / 3:結節間溝を上腕二頭筋の長頭腱が走り、横上腕靱帯がこれを覆う
大結節には棘上筋・棘下筋・小円筋が付着し、このうち棘下筋と小円筋が外旋に働く。結節間溝は大結節と小結節のあいだの溝で、上腕二頭筋長頭腱が通り横上腕靱帯で押さえられている。小結節に付着するのは肩甲下筋であり、三角筋ではない。三角筋粗面に停止するのは三角筋であって大胸筋ではなく、大胸筋は大結節稜に停止する。内側上顆から共通の腱で起こるのは前腕の屈筋群で、伸筋群は外側上顆から起こる。
HINT 小結節は前にある一枚板だから肩甲下筋(内旋)、大結節は後ろ寄りで外旋の三兄弟。
- Q02#jab-an-002
鎖骨とその周囲の関節・靱帯の構造について、正しいのはどれか。
- 1肩鎖関節は上肢の骨と体幹の骨をつなぐ唯一の関節で、球関節として大きく動ける
- 2胸鎖関節は、上肢帯の骨と体幹の骨が直接つながっている唯一の関節である正解
- 3烏口鎖骨靱帯は鎖骨の内側端と胸骨をつなぎ、鎖骨の挙上を制限する
- 4鎖骨は緩やかに湾曲し、そのうち外側端が胸骨と関節をつくる
- 5鎖骨の骨折は、中央部よりも内側の端に集中して起こる
Answer
正解 2:胸鎖関節は、上肢帯の骨と体幹の骨が直接つながっている唯一の関節である
上肢帯の骨が体幹の骨と直接つながるのは胸鎖関節だけで、肩鎖関節は鎖骨と肩甲骨という上肢帯どうしの関節である。烏口鎖骨靱帯は肩甲骨の烏口突起と鎖骨をつなぐ靱帯で、鎖骨の内側端と胸骨をつなぐものではない。鎖骨は緩やかに湾曲するが、外側端が関節をつくる相手は肩甲骨の肩峰であり、胸骨と関節をつくるのは内側端である。鎖骨骨折は中央部に最も多く、内側端に集中するわけではない。
HINT 上肢と体幹をつなぐ骨の関節は胸鎖関節ただひとつ。肩鎖関節は上肢帯の内輪の関節。
- Q03#jab-an-003
肩甲上腕関節の安定性に関わる構造について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1関節窩は上腕骨頭よりも広く、骨のかたちだけで高い安定性が保たれている
- 2関節窩の縁を関節唇が取り囲み、接触する面を深くして関節の安定性を高めている正解
- 3関節包は全周が均一な厚さで、どの方向の運動も同じ程度に制限する
- 4関節上腕靱帯は、関節包が部分的に厚くなった線維の束である正解
- 5上腕二頭筋の短頭腱が、関節のなかを上下に走っている
Answer
正解 2:関節窩の縁を関節唇が取り囲み、接触する面を深くして関節の安定性を高めている / 4:関節上腕靱帯は、関節包が部分的に厚くなった線維の束である
肩甲上腕関節は関節窩が上腕骨頭に比べて浅く小さいため、関節唇が縁を取り囲んで接触面を深め、静的な安定性を補っている。関節上腕靱帯は独立した靱帯ではなく、関節包の前方が部分的に厚くなった線維束として上・中・下の三つに区別される。関節窩は上腕骨頭よりも小さく、骨のかたちだけでは安定しない。関節包の厚さは一様ではなく、部位によって制限する方向が異なる。関節のなかを走るのは上腕二頭筋の長頭腱で、短頭腱は烏口突起に付く関節外の腱である。
HINT 肩は「浅い皿に大きな球」。足りない安定性を関節唇と関節包の肥厚が埋めている。
- Q04#jab-an-004
上肢における骨と筋・腱の体表からの触診について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1烏口突起は肩峰の後方にあって、僧帽筋と三角筋のあいだのくぼみのなかで触れる
- 2上腕骨の大結節は、肘を深く曲げた姿勢をとると最も触れやすくなる
- 3上腕骨の内側上顆は、前腕の屈筋群が共通の腱によって起始する隆起である正解
- 4橈骨の茎状突起は、尺骨の茎状突起よりも近位に位置している
- 5リスター結節は、橈骨の背側面にある小さな隆起である正解
Answer
正解 3:上腕骨の内側上顆は、前腕の屈筋群が共通の腱によって起始する隆起である / 5:リスター結節は、橈骨の背側面にある小さな隆起である
内側上顆は肘の内側に突き出す隆起で、ここから円回内筋や手根屈筋群が共通の腱で起こるため、上腕骨内側上顆炎の圧痛点として触診の目標になる。リスター結節は橈骨遠位の背側面にある小さな隆起で、長母指伸筋腱がその尺側を回るため手関節背側の触診の基準になる。烏口突起は肩峰の前方で、三角筋前部と大胸筋のあいだの深いところに触れる。大結節は肩を内旋させて肘を体側に下げた姿勢で触れやすく、肘の屈曲は関係しない。橈骨茎状突起は尺骨茎状突起よりも遠位にあり、この高さの差が手関節の傾きの基準になる。
HINT 橈骨茎状突起のほうが遠位。この差が消えていたら橈骨遠位端骨折を疑う目安になる。
- Q05#jab-an-005
肘関節の靱帯について、正しいのはどれか。
- 1橈骨輪状靱帯は尺骨の滑車を包み込み、前腕の回内と回外の軸になっている
- 2外側側副靱帯は、前腕が外へ向かう外反の力をおもに受け止めている
- 3内側側副靱帯の後斜走線維が、外反の制動の中心になっている
- 4内側側副靱帯の前斜走線維が、外反方向の力に対する制動の主体として働いている正解
- 5肘の側副靱帯は、関節包の外を独立して走り抜けている
Answer
正解 4:内側側副靱帯の前斜走線維が、外反方向の力に対する制動の主体として働いている
内側側副靱帯は前斜走線維・後斜走線維・横走線維に分かれ、このうち前斜走線維が外反ストレスに対する制動の主体となる。投球の後期コッキング期にこの線維へ張力が集中するため、野球肘の内側障害で問題になる。橈骨輪状靱帯が輪状に包むのは尺骨の滑車ではなく橈骨頭である。外反の力を受け止めるのは内側側副靱帯で、外側側副靱帯は内反の力を受け止める。側副靱帯は関節包から独立した構造ではなく、関節包が部分的に厚くなったものとして連続している。
HINT 外反ストレスを止めるのは内側の前斜走線維。投球肘の内側痛はここを思い出す。
- Q06#jab-an-006
前腕の回内と回外に働く筋について、正しいのはどれか。
- 1上腕二頭筋は肘関節の屈曲に加えて、前腕の回外にも強く働いている正解
- 2円回内筋は上腕骨の外側上顆から起こって、前腕を回外させる力を生み出している
- 3方形回内筋は前腕の近位にあって、橈骨と尺骨をつなぎ、回外に働いている
- 4腕橈骨筋は、前腕を回内させる働きがもっとも強い筋とされる
- 5回外筋は尺骨の後面から起こって前腕を回内させている
Answer
正解 1:上腕二頭筋は肘関節の屈曲に加えて、前腕の回外にも強く働いている
上腕二頭筋は橈骨粗面に停止するため、肘の屈曲だけでなく前腕の回外にも働き、肘を屈曲した位置で回外筋力が高まる。円回内筋が起こるのは上腕骨の内側上顆と尺骨で、作用は回内である。方形回内筋は前腕の遠位で橈骨と尺骨をつなぎ、回内に働く。腕橈骨筋の主な作用は肘の屈曲で、中間位に向けて働くにすぎない。回外筋は上腕骨外側上顆と尺骨から起こって回外に働く。
HINT 「二頭筋は回外筋」。ドライバーでねじを締める動きが肘屈曲+回外と重なる。
- Q07#jab-an-007
手根骨と手関節周辺の構造について、正しいのはどれか。
- 1橈骨手根関節は、橈骨と尺骨の遠位端がどちらも手根骨と直接につくる関節である
- 2手根骨のうちもっとも骨折しやすいのは有鈎骨で、鈎の部分が折れやすい
- 3手根骨のうち舟状骨は、とくに骨折が起こりやすい骨とされる正解
- 4三角線維軟骨複合体は、橈骨と手根骨のあいだを埋める構造とされる
- 5手根骨は近位列と遠位列にそれぞれ五個ずつ並んでいる
Answer
正解 3:手根骨のうち舟状骨は、とくに骨折が起こりやすい骨とされる
舟状骨は転倒して手をついたときに骨折しやすく、血流が遠位から入るため近位部が偽関節になりやすい。橈骨手根関節をつくるのは橈骨の遠位端と手根骨で、尺骨は三角線維軟骨複合体を介して間接的に関わる。有鈎骨鈎の骨折はゴルフや野球でみられるが、手根骨骨折の大半は舟状骨である。三角線維軟骨複合体は尺骨の遠位端と手根骨のあいだを埋める構造である。手根骨は近位列と遠位列に各四個、あわせて八個が並ぶ。
HINT 手をついて手関節の親指側が痛む。まず舟状骨骨折を疑う、が触診の出発点。
- Q08#jab-an-008
上肢の筋とその神経支配の組み合わせについて、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1上腕二頭筋は筋皮神経の支配を受けて、肘関節を強く屈曲させている正解
- 2上腕三頭筋は尺骨神経の支配を受けていて、肘を伸ばす力の大半を生み出している
- 3手関節を背屈させる前腕の伸筋群は、いずれも正中神経の支配を受けている
- 4手の内在筋の多くは尺骨神経の支配を受けて働いている正解
- 5三角筋は橈骨神経の支配を受けて上腕を外転させる働きをもつ
Answer
正解 1:上腕二頭筋は筋皮神経の支配を受けて、肘関節を強く屈曲させている / 4:手の内在筋の多くは尺骨神経の支配を受けて働いている
上腕二頭筋は烏口腕筋や上腕筋とともに筋皮神経の支配を受け、肘の屈曲と前腕の回外に働く。手の内在筋は母指球の一部を除いて尺骨神経の支配を受けるため、尺骨神経の障害では手内在筋の萎縮と巧緻性の低下が起こる。上腕三頭筋を支配するのは橈骨神経である。手関節を背屈させる前腕背側の伸筋群も橈骨神経の支配で、正中神経は前腕の屈筋群の大部分を支配する。三角筋を支配するのは腋窩神経である。
HINT 屈曲は筋皮・伸展は橈骨。手のなかの細かい筋は尺骨神経の担当と覚える。
- Q09#jab-an-009
肩甲骨に付着する筋とその作用について、正しいのはどれか。
- 1大円筋は肩甲骨の下角から起こって、上腕を外旋させるおもな筋として働いている
- 2肩甲挙筋は、頸椎から起こり、肩甲骨を下方へ引き下げる働きを担っている
- 3小胸筋は肩甲骨の肩峰に停止し、肩甲骨を後傾させる働きをしている
- 4肩甲下筋は、肩甲骨の背面から起こり、上腕を外旋させている
- 5菱形筋は、肩甲骨を内側へ引き寄せる働きを担っている正解
Answer
正解 5:菱形筋は、肩甲骨を内側へ引き寄せる働きを担っている
大菱形筋と小菱形筋は胸椎や下位頸椎の棘突起から起こって肩甲骨の内側縁に付き、肩甲骨を内側へ引き寄せる内転と下方回旋に働く。大円筋は肩甲骨下角から起こるが作用は上腕の内旋・内転・伸展である。肩甲挙筋は上位頸椎の横突起から起こり、肩甲骨を引き上げる挙上に働く。小胸筋が停止するのは烏口突起で、作用は肩甲骨の前傾と下方への引き下げである。肩甲下筋は肩甲骨の前面から起こって小結節に付き、上腕を内旋させる。
HINT 菱形筋は背中で肩甲骨を寄せる筋。胸を張る動作そのものが作用を示している。
- Q10#jab-an-010
横隔膜と呼吸に関わる筋について、正しいのはどれか。
- 1横隔膜は収縮すると胸郭のなかへ引き上げられ、胸腔を狭めて吸気を起こしている
- 2横隔膜は、肋間神経の枝に支配され、頸部の神経とは別に働いている
- 3内肋間筋は肋骨を引き上げ、安静時の吸気をおもに担っている
- 4横隔膜は、腰椎と下位の肋骨、胸骨から起こり、収縮によって下降している正解
- 5安静時の呼気は腹筋群の強い収縮によって起こっている
Answer
正解 4:横隔膜は、腰椎と下位の肋骨、胸骨から起こり、収縮によって下降している
横隔膜は腰椎部・肋骨部・胸骨部の三つの部分から起こって中心の腱に集まり、収縮すると円蓋が下降して胸腔が広がり吸気が起こる。したがって胸腔を狭めるという説明は逆である。横隔膜を支配するのは頸神経に由来する横隔神経で、肋間神経ではない。安静時の吸気で肋骨を引き上げるのは外肋間筋であり、内肋間筋は努力呼気に働く。安静時の呼気は肺と胸郭の弾性による受動的な現象で、腹筋群が強く収縮するのは努力呼気のときである。
HINT 横隔膜は下がって吸う。ドームが沈むほど胸の容積が増えると覚える。
- Q11#jab-an-011
椎骨の各部位の名称について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1棘突起は椎体の外側へ長く伸びる突起で、体表からもよく触れる隆起である
- 2上下に隣り合う椎骨の関節突起どうしがつくる関節のことを椎間関節と呼んでいる正解
- 3椎間孔は、椎弓の中心にあって、そのなかを脊髄が通っている
- 4横突起は椎体の後面から後方へ向かって長く伸びている
- 5椎体の後面と椎弓によって囲まれた椎孔のなかを、脊髄が通っている正解
Answer
正解 2:上下に隣り合う椎骨の関節突起どうしがつくる関節のことを椎間関節と呼んでいる / 5:椎体の後面と椎弓によって囲まれた椎孔のなかを、脊髄が通っている
椎間関節は上の椎骨の下関節突起と下の椎骨の上関節突起がつくる滑膜性の関節で、面の向きがその高さで許される運動を決めている。椎孔は椎体の後面と椎弓で囲まれた孔で、上下に連なって脊柱管となり脊髄を入れる。棘突起は椎弓の後方正中から後ろへ突き出すもので、体表から触れる隆起はこれである。椎間孔は上下の椎骨のあいだの側方にでき、そこを通るのは脊髄神経の根である。横突起は椎弓から左右の外側へ伸びる。
HINT 後ろへ出るのが棘突起、横へ出るのが横突起。椎孔は脊髄、椎間孔は神経根。
- Q12#jab-an-012
頸椎の構造上の特徴について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1環椎は、輪状のかたちをとり、椎体の代わりに前弓が前方部をつくっている正解
- 2頸部の回旋の大部分は環椎後頭関節で起こり、軸椎の関与は小さくとどまっている
- 3頸椎の横突起にある横突孔には、椎骨動脈が通っている正解
- 4軸椎の歯突起は環椎の後方にあり、後縦靱帯によって支えられている
- 5環椎と軸椎のあいだにも、他と同じ厚い椎間板が挟まっている
Answer
正解 1:環椎は、輪状のかたちをとり、椎体の代わりに前弓が前方部をつくっている / 3:頸椎の横突起にある横突孔には、椎骨動脈が通っている
環椎は椎体をもたない輪状の骨で、前弓と後弓、左右の横突起からなり、上面の関節面が後頭骨と環椎後頭関節をつくる。頸椎の横突起には横突孔があり、椎骨動脈がここを上行して脳へ向かうため、頸部への外力では血管の損傷も問題になる。頸部の回旋は環軸関節が大きく担い、環椎後頭関節が主に許すのはうなずきの屈曲と伸展である。歯突起は環椎の前弓の後面に接し、環椎横靱帯によって押さえられている。環椎と軸椎のあいだに椎間板は介在しない。
HINT うなずきは環椎後頭、首振りは環軸。椎骨動脈は首の横の穴を通って上がる。
- Q13#jab-an-013
脊柱の椎間関節の関節面の向きと、その高さで許される運動について、正しいのはどれか。
- 1腰椎の椎間関節面は前額面に近い向きで並んでいるため、大きな回旋を許している
- 2腰椎の椎間関節は回旋が小さく、屈曲と伸展を主に許している正解
- 3胸椎の椎間関節面は矢状面にごく近い向きで並び、回旋を強く制限している
- 4頸椎の椎間関節は、屈曲と伸展のみを許すかたちで上下に並んでいる
- 5椎間関節の面の向きは、脊柱の全体を通じて一定である
Answer
正解 2:腰椎の椎間関節は回旋が小さく、屈曲と伸展を主に許している
腰椎の椎間関節面は矢状面に近い向きで並ぶため回旋の許容が小さく、屈曲と伸展が主な運動になる。したがって前額面に近く並んで大きな回旋を許すという説明は逆である。胸椎の関節面は前額面に近い向きで、肋骨による制約はあるものの回旋は腰椎より許される。頸椎の椎間関節面は水平面と前額面の中間の向きで、屈曲と伸展だけでなく回旋と側屈も許す。関節面の向きは高さによって変わり、脊柱全体で一定にはならない。
HINT 腰は捻れない、胸は捻れる。関節面の向きが動きを決めているという原則の実例。
- Q14#jab-an-014
椎間板の構造について、正しいのはどれか。
- 1中心の髄核を線維輪が囲むつくりをとり、線維輪は後方で薄くなっている正解
- 2線維輪の前方がもっとも薄く、髄核は前方へ向かって突出しやすくなる
- 3髄核は線維輪よりも水分が少なく、加齢とともに水分が増えていく
- 4椎間板は上下の椎骨の関節突起のあいだを埋めている
- 5椎間板は血管が豊富で栄養を直接に受け取る
Answer
正解 1:中心の髄核を線維輪が囲むつくりをとり、線維輪は後方で薄くなっている
椎間板は水分に富む髄核を層状の線維輪が同心円状に囲む構造で、線維輪は後方と後外側で層が薄いため、髄核はこの方向へ突出しやすい。髄核は線維輪より水分が多く、加齢とともに水分が減って弾力を失う。椎間板が埋めるのは上下の椎体のあいだであり、関節突起のあいだにできるのは椎間関節である。椎間板は成人では血管をほとんど失い、椎体側からの拡散で栄養を受けるため治りにくい。
HINT 線維輪が薄いのは後ろ。だから椎間板は後方へ出て神経根に当たる。
- Q15#jab-an-015
投球動作を解剖学的にみたときの説明について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1後期コッキング期には肩関節が最大まで内旋して、肘には内反方向の力が集中する
- 2後期コッキング期には肩関節が最大に近い位置まで深く外旋している正解
- 3加速期には、肩関節が外旋しながら肘が屈曲し、手が前へ振り出されていく
- 4加速期には、肩関節の内旋と肘関節の伸展が急速に進んでいく正解
- 5フォロースルー期は肩の後方の筋が求心性に働いている
Answer
正解 2:後期コッキング期には肩関節が最大に近い位置まで深く外旋している / 4:加速期には、肩関節の内旋と肘関節の伸展が急速に進んでいく
後期コッキング期には肩関節が最大近くまで外旋し、このとき肘には外反の力が集中して内側側副靱帯の前斜走線維に張力がかかる。続く加速期には肩関節が急速に内旋し肘関節が伸展して、この回転がボールの速度に変わる。したがって後期コッキングで内旋するという説明も、肘に内反の力が集中するという説明も逆である。加速期に肩が外旋し肘が屈曲していくという順序も逆である。フォロースルー期は前方へ進む上肢を減速させる局面で、肩の後方の筋は遠心性に働く。
HINT 外旋で巻いて、内旋で放つ。フォロースルーは減速なので遠心性。
- Q16#jab-an-016
バットやクラブを振る動作を解剖学的にみたときの説明について、正しいのはどれか。
- 1打球方向へ向かう回旋では、骨盤よりも先に胸郭が回りはじめて力を伝える
- 2外腹斜筋は体幹を同じ側へ回旋させ、内腹斜筋は反対側へ回旋させる
- 3体幹を左へ回旋させるときは、右の外腹斜筋と左の内腹斜筋が働く正解
- 4回旋の力は上肢で生まれ、体幹を通って下肢へ伝わっていく
- 5スイング中の体幹の回旋は脊柱の腰椎部が主に担っている
Answer
正解 3:体幹を左へ回旋させるときは、右の外腹斜筋と左の内腹斜筋が働く
体幹の回旋では、反対側へ回旋させる外腹斜筋と同じ側へ回旋させる内腹斜筋が対角に組んで働くため、左への回旋では右の外腹斜筋と左の内腹斜筋が同時に収縮する。外腹斜筋が同じ側へ、内腹斜筋が反対側へという説明は作用が入れ替わっている。スイングでは骨盤が先に回りはじめ、胸郭が遅れて回ることで捻れの差が生まれ、力が蓄えられる。力は下肢から体幹を経て上肢へ伝わる順序で、その逆ではない。回旋の可動性は胸椎と股関節が主に担い、腰椎の回旋の許容は小さい。
HINT 腹斜筋はタスキ掛け。左へ回るなら右の外腹斜筋と左の内腹斜筋が組む。
- Q17#jab-an-017
骨盤の骨の各部位と、そこから起こる筋の組み合わせについて、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1上前腸骨棘からは大腿直筋が起こり、下前腸骨棘からは縫工筋が起こる
- 2坐骨結節からは大腿四頭筋が起こり、膝を伸ばす力を生み出している
- 3坐骨結節からはハムストリングスが起こり、股関節の伸展と膝の屈曲に働く正解
- 4恥骨からは中殿筋が起こり、股関節を外転させている
- 5上前腸骨棘からは縫工筋が起こり、股関節の屈曲に働く正解
Answer
正解 3:坐骨結節からはハムストリングスが起こり、股関節の伸展と膝の屈曲に働く / 5:上前腸骨棘からは縫工筋が起こり、股関節の屈曲に働く
坐骨結節からは大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋が起こり、股関節をまたぐため股関節の伸展と膝関節の屈曲の両方に働く。上前腸骨棘から起こるのは縫工筋で、股関節の屈曲と外転、外旋に働く。上前腸骨棘に大腿直筋、下前腸骨棘に縫工筋という組み合わせは入れ替わっており、大腿直筋は下前腸骨棘から起こる。大腿四頭筋のうち坐骨結節から起こるものはない。中殿筋が起こるのは腸骨の外面であり、恥骨からは内転筋群が起こる。
HINT 坐骨結節はハムの座席。上前腸骨棘は縫工筋、その下の下前腸骨棘が大腿直筋。
- Q18#jab-an-018
仙腸関節の構造と働きについて、正しいのはどれか。
- 1仙腸関節は球関節であり、広い範囲の回旋と屈伸を自由に行える関節である
- 2仙腸関節は靱帯結合であり、成人では骨どうしが完全に癒合している
- 3仙骨が前へうなずく動きを後屈といい、骨盤の後傾に連動している
- 4仙腸関節を支える靱帯は、前面のみに集まって走っている
- 5仙腸関節は耳状面をもち、可動性がわずかである正解
Answer
正解 5:仙腸関節は耳状面をもち、可動性がわずかである
仙腸関節は仙骨と腸骨の耳状面が向かい合う滑膜性の関節で、強靱な靱帯で固められているため可動域はごく小さく、荷重を体幹から下肢へ伝える役割が中心になる。球関節ではなく、広い範囲の回旋や屈伸を許す関節でもない。成人で骨どうしが癒合するわけではなく、関節面は保たれている。仙骨が前へうなずく動きは前屈と呼ばれ、骨盤の前傾に連動する。支持する靱帯は前仙腸靱帯だけでなく、後方の後仙腸靱帯や仙結節靱帯などがさらに強力に働く。
HINT 耳のかたちの面で、ほとんど動かない。役目は動くことより荷重を渡すこと。
- Q19#jab-an-019
股関節の構造について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1寛骨臼の縁を線維性の関節唇が取り囲み、大腿骨頭との適合性を高めている正解
- 2腸骨大腿靱帯は股関節の屈曲を強く制限し、立位で骨盤を前へ傾けやすくしている
- 3寛骨臼は、腸骨と坐骨という二つの骨だけが合わさってできている
- 4股関節は、骨頭が深くはまる臼状の球関節に分類される正解
- 5大腿骨頭靱帯は、関節の外側を走り、大腿骨頭への血流を担う
Answer
正解 1:寛骨臼の縁を線維性の関節唇が取り囲み、大腿骨頭との適合性を高めている / 4:股関節は、骨頭が深くはまる臼状の球関節に分類される
寛骨臼の縁には線維性の関節唇が輪のように付き、大腿骨頭を包む深さを増して適合性と安定性を高めている。股関節は深い臼に球状の骨頭が入る臼状関節で、球関節のうちとくに安定性の高い型に分類される。腸骨大腿靱帯は関節の前面を補強して股関節の伸展を制限し、立位で骨盤が後ろへ倒れるのを防ぐ。寛骨臼は腸骨と坐骨と恥骨の三つの骨が合わさってできる。大腿骨頭靱帯は関節のなかを走る構造で、そこを通る動脈の寄与は成人では小さい。
HINT 肩は浅い皿、股は深い臼。同じ球関節でも安定性の差は骨のかたちから来る。
- Q20#jab-an-020
大腿骨の各部位と、そこに付着する筋の組み合わせについて、正しいのはどれか。
- 1殿筋粗面には、腸腰筋が停止し、ここから股関節を屈曲させる強い力を伝えている
- 2大転子には中殿筋と小殿筋が停止していて、股関節の外転動作に働いている正解
- 3小転子には大腿方形筋が停止し、股関節の外旋に働いている
- 4大腿骨の内側上顆からは、腓腹筋のうち外側頭が起こっている
- 5大腿骨の頸部には大内転筋が停止し、内転に働いている
Answer
正解 2:大転子には中殿筋と小殿筋が停止していて、股関節の外転動作に働いている
中殿筋と小殿筋は腸骨の外面から起こって大転子に停止し、股関節の外転と、立脚期に骨盤の傾きを抑える働きを担う。殿筋粗面に停止するのは大殿筋の深層線維で、腸腰筋が停止するのは小転子である。小転子に停止するのは腸腰筋であり、大腿方形筋は転子間稜に付く。大腿骨の内側上顆から起こるのは腓腹筋の内側頭で、外側頭は外側上顆から起こる。大内転筋が停止するのは大腿骨の粗線と内側上顆線で、頸部には筋が付かない。
HINT 大転子は外転の殿筋、小転子は屈曲の腸腰筋。触れる大転子から順に思い出す。
- Q21#jab-an-021
股関節の深層にある外旋筋群について、正しいのはどれか。
- 1梨状筋は仙骨の前面から起こり、大腿骨の小転子に停止して内旋させている
- 2内閉鎖筋と外閉鎖筋は、ともに股関節を内旋させる働きを主に担っている
- 3大腿方形筋は坐骨結節から起こり、膝関節の屈曲に働いている
- 4坐骨神経は多くの人で梨状筋の下を通って下行する正解
- 5深層外旋筋群は股関節の屈曲を主に担っている
Answer
正解 4:坐骨神経は多くの人で梨状筋の下を通って下行する
坐骨神経は大坐骨孔を出て、多くの人では梨状筋の下を通って殿部を下行するため、梨状筋の緊張が神経症状の背景になることがある。梨状筋は仙骨の前面から起こるが停止は大転子で、作用は股関節の外旋である。内閉鎖筋と外閉鎖筋の主な作用は外旋であり内旋ではない。大腿方形筋は坐骨結節の付近から起こって転子間稜に付き、股関節の外旋に働く筋で、膝には関与しない。深層外旋筋群の役割は外旋と、大腿骨頭を臼に引きつけて関節を安定させることである。
HINT 深層外旋筋群は股関節の「回すインナー」。坐骨神経は梨状筋の下をくぐる。
- Q22#jab-an-022
膝関節の半月板について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1外側半月板は内側半月板よりも可動性が小さく、その位置が固定されている
- 2内側半月板は内側側副靱帯や関節包と結びついていて、可動性が小さくなっている正解
- 3半月板は、全体に血管が行きわたり、中心部の傷も治りが早い
- 4内側半月板はほぼ環状で、輪に近いかたちをとっている
- 5半月板のなかで、血管が入っているのは、ごく辺縁部に限られている正解
Answer
正解 2:内側半月板は内側側副靱帯や関節包と結びついていて、可動性が小さくなっている / 5:半月板のなかで、血管が入っているのは、ごく辺縁部に限られている
内側半月板は内側側副靱帯の深層線維や関節包と強く結びつくため動きが小さく、外反と回旋が加わったときに逃げられずに損傷しやすい。半月板の血流は辺縁部にとどまり、内側の白い部分は血管を欠くため縫合しても治りにくい。外側半月板のほうが可動性は大きく、固定されているのは内側である。中心部は血管がないため治りが早いとはいえない。ほぼ環状のかたちをとるのは外側半月板で、内側半月板はC字型に近い。
HINT 内側はMCLに縛られて逃げられない。だから内側半月板のほうが傷みやすい。
- Q23#jab-an-023
膝関節の靱帯と、それが受け止める力の組み合わせについて、正しいのはどれか。
- 1前十字靱帯は、大腿骨に対して脛骨が前へずれていく動きをおもに受け止めている正解
- 2後十字靱帯は、脛骨が前へずれる動きをおもに受け止めて関節を安定させる
- 3内側側副靱帯は、膝が内へ向かう内反の力をおもに受け止めている
- 4外側側副靱帯は、膝の外反の方向の力をおもに受け止めている
- 5十字靱帯は関節包の外側を通り、上下に長く走っている
Answer
正解 1:前十字靱帯は、大腿骨に対して脛骨が前へずれていく動きをおもに受け止めている
前十字靱帯は脛骨の前内側から大腿骨の外側壁の後上方へ走り、大腿骨に対して脛骨が前へずれる動きと、回旋の行きすぎを受け止めている。後十字靱帯が受け止めるのは脛骨が後ろへずれる動きである。内側側副靱帯が受け止めるのは外反の力、外側側副靱帯が受け止めるのは内反の力で、この二つは組み合わせが入れ替わっている。十字靱帯は関節包のなかにあり、滑膜に包まれて関節腔を走る。
HINT 前十字は前へのずれ、後十字は後ろへのずれ。名前と止める向きが一致している。
- Q24#jab-an-024
膝蓋骨と膝蓋大腿関節について、正しいのはどれか。
- 1膝蓋骨は大腿四頭筋腱の外側にあり、腱の走行とは離れて独立して動いている
- 2膝蓋靱帯は膝蓋骨の上縁と大腿骨をつなぎ、膝関節の屈曲を制限している
- 3膝蓋骨は、大腿四頭筋腱のなかにある人体で最大の種子骨とされる正解
- 4膝蓋骨は、膝を深く曲げた姿勢でもっとも動かしやすくなる
- 5膝蓋靱帯は、膝蓋骨から腓骨頭に向かって走っている
Answer
正解 3:膝蓋骨は、大腿四頭筋腱のなかにある人体で最大の種子骨とされる
膝蓋骨は大腿四頭筋腱のなかに含まれる人体最大の種子骨で、膝の伸展のモーメントアームを大きくする滑車の役目をもつ。腱の外側にあって独立して動くという説明は誤りである。膝蓋靱帯は膝蓋骨の下縁から脛骨粗面へ走る腱の続きで、大腿骨や腓骨頭には向かわない。膝を深く曲げると膝蓋骨は大腿骨の溝に深くはまって動きが小さくなり、動かしやすいのは膝を伸ばして大腿四頭筋を緩めた姿勢である。
HINT 膝蓋骨は最大の種子骨で、伸展のてこを稼ぐ滑車。屈曲すると溝にはまって固まる。
- Q25#jab-an-025
下腿の骨と脛腓関節について、正しいのはどれか。
- 1腓骨が下腿にかかる荷重の大部分を受け止め、脛骨がこれを補う役目をもつ
- 2遠位の脛腓関節は滑膜をもつ可動関節で、広い範囲の運動を許している
- 3腓骨の遠位端は内果をつくり、足関節の内側の壁になっている
- 4腓骨頭には膝蓋靱帯が付着し、膝関節の伸展を伝えている
- 5腓骨頭の後ろから、外側を腓骨神経が回り込んでいる正解
Answer
正解 5:腓骨頭の後ろから、外側を腓骨神経が回り込んでいる
腓骨頭の後ろから外側を腓骨神経が回り込むため、この部位の打撲や圧迫で足関節の背屈が落ちることがあり、触診でも押さえておくべき場所になる。下腿の荷重の大部分を受け止めるのは脛骨で、腓骨の役目は筋の付着と足関節の外側の壁づくりが中心である。遠位の脛腓関節は靱帯結合で、許される動きはわずかである。腓骨の遠位端がつくるのは外果で、内果をつくるのは脛骨である。膝蓋靱帯が付着するのは脛骨粗面である。
HINT 腓骨頭の後ろは神経の通り道。ここを圧迫すると背屈が落ちる。
- Q26#jab-an-026
足関節(距腿関節)の構造について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1距骨滑車は前方が後方よりも広く、背屈すると関節がしっかりしまる正解
- 2距腿関節は、球関節であり、底屈と背屈のほかに大きな範囲の回旋も許している
- 3距腿関節は、らせん状に動く一軸性の関節とされている正解
- 4距腿関節は底屈の位置でもっともしまり、そこで側方への安定性が高まる
- 5距骨には多くの筋が起始と停止をもち、足の動きをつくっている
Answer
正解 1:距骨滑車は前方が後方よりも広く、背屈すると関節がしっかりしまる / 3:距腿関節は、らせん状に動く一軸性の関節とされている
距骨滑車は前方が後方より広いため、背屈すると幅の広い部分が脛骨と腓骨のあいだにはまり込んで関節がしまり、安定性が高まる。距腿関節は運動軸が一つの関節で、軸がやや傾いているため底背屈にわずかな回旋が伴うらせん関節として扱われる。球関節ではなく、大きな回旋を許す関節でもない。もっともしまるのは背屈の位置で、底屈では緩んで不安定になるため内返し捻挫が起こりやすい。距骨には筋が付かず、動きはまわりの筋が他の骨を介して起こしている。
HINT 背屈でしまり、底屈で緩む。だから捻挫は底屈して内へ返った瞬間に起こる。
- Q27#jab-an-027
足関節の靱帯について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1三角靱帯は、足関節の外側にあり、足首を内へひねる方向の力を受け止めている
- 2足関節の外側には、前距腓靱帯と踵腓靱帯、後距腓靱帯の三つが並んでいる正解
- 3内返しの捻挫でもっとも傷みやすいのは踵腓靱帯であるとされている
- 4内返しの捻挫では、はじめに前距腓靱帯が傷みやすい正解
- 5前下脛腓靱帯は足関節の内側で、脛骨と踵骨をつないでいる
Answer
正解 2:足関節の外側には、前距腓靱帯と踵腓靱帯、後距腓靱帯の三つが並んでいる / 4:内返しの捻挫では、はじめに前距腓靱帯が傷みやすい
足関節の外側の靱帯は前距腓靱帯・踵腓靱帯・後距腓靱帯の三つで、底屈して内返しになる受傷形でまず前距腓靱帯が傷み、力が強ければ踵腓靱帯へ及ぶ。したがって最初に傷みやすいのを踵腓靱帯とする説明は順序が逆である。三角靱帯は足関節の内側にあり、外へひねる外返しの力を受け止める。前下脛腓靱帯は足関節の前外側で脛骨と腓骨をつなぐ靱帯で、内側にあるものでも踵骨につくものでもない。
HINT 内へ返るなら外側が伸びる。最初に泣くのは前距腓靱帯、次が踵腓靱帯。
- Q28#jab-an-028
足部の関節の名称について、正しいのはどれか。
- 1リスフラン関節は距骨と舟状骨、踵骨と立方骨からなる関節の総称とされている
- 2足根中足関節は、リスフラン関節という名でも呼ばれている正解
- 3ショパール関節は中足骨と足根骨のあいだにある関節の総称とされている
- 4距骨下関節は、距骨と舟状骨のあいだにつくられている関節である
- 5横足根関節は足の指の付け根の部分にある関節である
Answer
正解 2:足根中足関節は、リスフラン関節という名でも呼ばれている
足根骨と中足骨のあいだの関節をまとめて足根中足関節と呼び、これがリスフラン関節である。距舟関節と踵立方関節を合わせた列はショパール関節、すなわち横足根関節であり、リスフラン関節の内容として挙げるのは入れ替わりである。ショパール関節を中足骨と足根骨のあいだとする説明も同じ入れ替わりで、そこはリスフラン関節にあたる。距骨下関節は距骨と踵骨のあいだの関節で、内返しと外返しの主な場になる。足の指の付け根にあるのは中足趾節関節である。
HINT 外科医の名前は遠近で覚える。奥がショパール、先がリスフラン。
- Q29#jab-an-029
下肢の筋とその神経支配の組み合わせについて、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1大腿四頭筋は坐骨神経の枝の支配を受けて、膝関節を強く伸展させている
- 2下腿三頭筋は深腓骨神経の支配を受けて、足関節を底屈させている
- 3前脛骨筋は深腓骨神経の支配を受けていて、足関節の背屈と内返しに働いている正解
- 4長腓骨筋は、脛骨神経の支配を受けて外返しに働く
- 5ハムストリングスは、坐骨神経の支配を受けて働いている正解
Answer
正解 3:前脛骨筋は深腓骨神経の支配を受けていて、足関節の背屈と内返しに働いている / 5:ハムストリングスは、坐骨神経の支配を受けて働いている
前脛骨筋は深腓骨神経の支配を受け、足関節の背屈と足部の内返しに働くため、深腓骨神経の障害では下垂足になる。ハムストリングスは坐骨神経の支配を受け、大腿二頭筋短頭だけが腓骨神経部から支配される。大腿四頭筋を支配するのは大腿神経であり坐骨神経ではない。下腿三頭筋を支配するのは脛骨神経で、深腓骨神経は前面の背屈筋群を支配する。長腓骨筋を支配するのは浅腓骨神経である。
HINT 前は深腓骨、後ろは脛骨、外側は浅腓骨。下垂足は深腓骨神経の障害。
- Q30#jab-an-030
下肢における骨と筋・腱の体表からの触診について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1外果は、内果よりも低い位置にあり、さらにやや後方に位置している正解
- 2脛骨粗面は、膝蓋骨の上方にあり、大腿四頭筋腱がそのままここに付着している
- 3腓骨頭は膝の内側にあって、関節線よりもやや下方に触れる隆起である
- 4鵞足には縫工筋と薄筋、半腱様筋の三つの腱が集まっている正解
- 5アキレス腱は、腓骨の遠位端の部分に付着している
Answer
正解 1:外果は、内果よりも低い位置にあり、さらにやや後方に位置している / 4:鵞足には縫工筋と薄筋、半腱様筋の三つの腱が集まっている
外果は内果よりも低く、かつやや後方に位置するため、この二つを結ぶ線が足関節の運動軸の傾きの目安になる。鵞足は脛骨の内側の近位に縫工筋・薄筋・半腱様筋の腱が集まってできる部位で、鵞足炎の圧痛点として触診する。脛骨粗面は膝蓋骨の下方にあり、そこに付くのは膝蓋靱帯である。腓骨頭は膝の外側で関節線のやや下方に触れる隆起で、内側にはない。アキレス腱が付着するのは踵骨の後面である。
HINT 外果は低くて後ろ。内側の近位に集まる三本の腱が鵞足。
- Q31#jab-an-031
走る動作を解剖学的にみたときの説明について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1遊脚期の後半ではハムストリングスが求心的に短縮して下腿を前方へ振り出す
- 2遊脚期の後半ではハムストリングスが遠心的に働いて下腿を減速させる正解
- 3立脚期の中殿筋は、遊脚側の骨盤を下げる方向に向かって働いている
- 4接地の直後には前脛骨筋が短縮して、足を強く底屈させている
- 5立脚期には、中殿筋が働いて骨盤の傾きを抑えている正解
Answer
正解 2:遊脚期の後半ではハムストリングスが遠心的に働いて下腿を減速させる / 5:立脚期には、中殿筋が働いて骨盤の傾きを抑えている
遊脚期の後半では前へ振り出された下腿を止めるためにハムストリングスが遠心的に働き、この局面で張力が最大になるためハムストリングスの受傷が起こりやすい。立脚期には支持側の中殿筋が働いて、遊脚側の骨盤が落ちるのを抑えている。ハムストリングスが求心的に短縮して下腿を前へ振り出すという説明は、作用の向きが逆である。中殿筋が遊脚側の骨盤を下げる方向に働くという説明も逆で、その機能が落ちると遊脚側の骨盤が下がる。接地の直後の前脛骨筋は遠心的に働いて足が急に底屈するのを抑えており、強く底屈させるわけではない。
HINT 遊脚後期のハムは「ブレーキ」。だから伸ばされながら力を出して傷む。
- Q32#jab-an-032
跳ぶ動作を解剖学的にみたときの説明について、正しいのはどれか。
- 1踏み切りでは足関節から膝関節、股関節へと近位に向かう順で伸展が進んでいく
- 2踏み切りの最後には足関節を背屈させて、地面を強く押し出している
- 3着地では、股関節から順に屈曲していき、足関節は固めておく
- 4踏み切りでは股関節と膝関節、足関節の伸展が順に連続して起こっている正解
- 5着地の衝撃は、筋の求心性の収縮が吸収している
Answer
正解 4:踏み切りでは股関節と膝関節、足関節の伸展が順に連続して起こっている
踏み切りでは股関節・膝関節・足関節の伸展が連続して起こり、体幹に近い側から順に力が伝わっていく。足関節から股関節へ近位に向かう順という説明は、この順序が逆である。踏み切りの最後に働くのは下腿三頭筋による底屈で、背屈では地面を押せない。着地では足関節の背屈から膝、股関節の屈曲へと遠位から順に進んで衝撃を受け止めるため、股関節から順に屈曲して足関節を固めるという説明は逆になる。着地で衝撃を吸収するのは、伸ばされながら力を出す遠心性収縮である。
HINT 踏み切りは体幹側から順に伸ばし、着地は地面側から順に曲げて受け止める。
- Q33#jab-an-033
関節の構造による分類について、正しいのはどれか。
- 1軟骨性の連結は関節腔をそなえ、その内部を満たす滑液が滑りを生んでいる
- 2滑膜性の関節では向かい合う骨が線維の束によって直接に結ばれている
- 3線維性の連結には頭蓋の縫合が含まれ、可動性はきわめて小さくなる正解
- 4椎体のあいだの連結は滑膜性に分類され、関節包に包まれている
- 5頭蓋の縫合は滑膜性で、加齢に伴って可動性が大きくなる
Answer
正解 3:線維性の連結には頭蓋の縫合が含まれ、可動性はきわめて小さくなる
線維性の連結は骨と骨が線維性の結合組織で直接結ばれる形で、頭蓋の縫合や脛骨と腓骨のあいだの靱帯結合が含まれ、可動性はきわめて小さくなる。関節腔と滑液をそなえるのは滑膜性の関節であり、「軟骨性の連結は関節腔をそなえ、その内部を満たす滑液が滑りを生んでいる」は誤り。「滑膜性の関節では向かい合う骨が線維の束によって直接に結ばれている」も誤りで、これは線維性の連結の説明である。椎体のあいだは椎間板による軟骨性の連結で、同じ高さで滑膜性に分類されるのは椎間関節のほうである。頭蓋の縫合は加齢に伴って骨化が進むため、可動性が大きくなるという説明も向きが逆である。
HINT 関節腔と滑液があるかどうかで滑膜性か決まる。縫合は年をとるほど固くなる。
- Q34#jab-an-034
滑膜性の関節の形による分類と、許される運動の自由度について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1車軸関節は三つの軸のまわりの運動を許す形で、肩関節がその代表にあたっている
- 2平面関節は向かい合う面が深い球と臼の形をとり、広い可動域をもっている
- 3母指の手根中手関節は向かい合う面が鞍の形をとり、二つの軸のまわりの運動を許している正解
- 4球関節は一つの軸のまわりに動き、膝関節がその例にあたる
- 5肘の腕尺関節は蝶番の形をとり、一つの軸のまわりの運動を許す正解
Answer
正解 3:母指の手根中手関節は向かい合う面が鞍の形をとり、二つの軸のまわりの運動を許している / 5:肘の腕尺関節は蝶番の形をとり、一つの軸のまわりの運動を許す
母指の手根中手関節は大菱形骨と第1中手骨が鞍状の面で向かい合う鞍関節で、二つの軸のまわりの運動を許すため母指の対立が可能になる。肘の腕尺関節は滑車と滑車切痕がかみ合う蝶番関節で、一つの軸のまわりの屈曲と伸展を許す。「車軸関節は三つの軸のまわりの運動を許す形で、肩関節がその代表にあたっている」は誤りで、車軸関節は一つの軸のまわりの回転を許す形であり、上橈尺関節や環軸関節がこれにあたる。「平面関節は向かい合う面が深い球と臼の形をとり、広い可動域をもっている」も誤りで、平面関節はほぼ平らな面が向かい合う形で、椎間関節のようにすべりが主な運動になる。「球関節は一つの軸のまわりに動き、膝関節がその例にあたる」も誤りで、球関節は三つの軸のまわりの運動を許し、膝関節は蝶番に回旋が加わる形である。
HINT 形が自由度を決める。蝶番と車軸は1、鞍と楕円は2、球は3と覚える。
- Q35#jab-an-035
長骨の構造について、正しいのはどれか。
- 1海綿骨が骨の表層をつくり、緻密骨はその内側で網目状に広がる
- 2骨髄は骨端の緻密骨のなかに収まり、長軸方向の成長を担う
- 3骨の表面を覆う骨膜には血管と神経が豊富に分布する正解
- 4長さの成長は骨膜の内側で進み、太さの成長は骨端線が受け持っている
- 5関節面を覆う硝子軟骨には血管が多く、損傷も速やかに修復される
Answer
正解 3:骨の表面を覆う骨膜には血管と神経が豊富に分布する
骨膜は骨の表面を覆う結合組織の膜で、血管と神経が豊富に分布するため、骨折や骨膜の損傷では強い痛みが出る。「海綿骨が骨の表層をつくり、緻密骨はその内側で網目状に広がる」は誤りで、表層をつくるのは緻密骨、内側で網目状に広がるのが海綿骨である。「骨髄は骨端の緻密骨のなかに収まり、長軸方向の成長を担う」も誤りで、骨髄は骨髄腔を満たして造血などに関わる。「長さの成長は骨膜の内側で進み、太さの成長は骨端線が受け持っている」も誤りで、長さの成長を担うのが骨端線、太さの成長を担うのが骨膜の内側である。「関節面を覆う硝子軟骨には血管が多く、損傷も速やかに修復される」も誤りで、関節軟骨は血管をもたないため修復されにくい。
HINT 長さは骨端線、太さは骨膜。関節軟骨は血が来ないので治りにくい。
- Q36#jab-an-036
筋の線維の並び方と筋の働きの関係について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1筋が発揮できる力は筋の長さに比例するので、腱が長い筋のほうが強くなっていく
- 2羽状筋は筋線維が腱に斜めに並ぶため、同じ体積でも生理学的横断面積が大きい正解
- 3紡錘状筋は筋線維が長く、短縮できる距離が大きい正解
- 4羽状筋は筋線維が腱と平行に並ぶため、速い短縮の速度を得やすい
- 5紡錘状筋は羽状筋より生理学的横断面積が大きくなる
Answer
正解 2:羽状筋は筋線維が腱に斜めに並ぶため、同じ体積でも生理学的横断面積が大きい / 3:紡錘状筋は筋線維が長く、短縮できる距離が大きい
羽状筋は筋線維が腱に対して斜めに並ぶため、同じ体積でも筋線維の断面の総和である生理学的横断面積が大きくなり、大きな力を出すのに向く。紡錘状筋は筋線維が筋の長軸に沿って長く並ぶため、短縮できる距離が大きく、速度と可動域の面で有利になる。「筋が発揮できる力は筋の長さに比例するので、腱が長い筋のほうが強くなっていく」は誤りで、最大の力は生理学的横断面積にほぼ比例する。「羽状筋は筋線維が腱と平行に並ぶため、速い短縮の速度を得やすい」も誤りで、腱と平行に並ぶのは紡錘状筋の特徴である。「紡錘状筋は羽状筋より生理学的横断面積が大きくなる」も誤りで、両者の関係が入れ替わっている。
HINT 斜めに詰め込む羽状筋は力、長く並ぶ紡錘状筋は距離と速さ。
- Q37#jab-an-037
上肢を側方から挙げていくときの肩甲骨と上腕骨の動きについて、最も適切なのはどれか。
- 1肩甲骨は挙上の初期から上腕骨より大きく動き、その比はおよそ1対2になっている
- 2挙上に伴って肩甲骨は下方回旋し、鎖骨は下制していくのが通例である
- 3上肢の挙上は肩甲上腕関節だけで起こり、肩甲骨は固定されたまま保たれる
- 4挙上の終わりの範囲では胸鎖関節と肩鎖関節の動きが止まる
- 5挙上の全体でみると上腕骨と肩甲骨がおよそ2対1の比で動き、肩甲骨は上方回旋していく正解
Answer
正解 5:挙上の全体でみると上腕骨と肩甲骨がおよそ2対1の比で動き、肩甲骨は上方回旋していく
上肢の側方挙上では、肩甲上腕関節での動きと肩甲骨の動きがおよそ2対1の比で組み合わさり、肩甲骨は上方回旋と後傾を伴って動く。これを肩甲上腕リズムと呼ぶ。「肩甲骨は挙上の初期から上腕骨より大きく動き、その比はおよそ1対2になっている」は誤りで、比の向きが逆であり、初期は肩甲上腕関節の動きが主になる。「挙上に伴って肩甲骨は下方回旋し、鎖骨は下制していくのが通例である」も誤りで、肩甲骨は上方回旋し鎖骨は挙上と後方回旋を示す。「上肢の挙上は肩甲上腕関節だけで起こり、肩甲骨は固定されたまま保たれる」も誤りで、肩甲骨の動きがなければ挙上の可動域は大きく制限される。「挙上の終わりの範囲では胸鎖関節と肩鎖関節の動きが止まる」も誤りで、終わりの範囲でもこの二つの関節は動き続ける。
HINT 挙上は上腕2に肩甲1。肩甲骨が上方回旋しなければ腕は上がりきらない。
- Q38#jab-an-038
腹部の筋の層と腹直筋鞘について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1外腹斜筋は腹壁の最も内側の層にあり、その線維は後下方から前上方へ走る
- 2腹横筋は腹壁の最も内側の層にあり、その筋膜は腹直筋鞘に加わる正解
- 3腹直筋は腹直筋鞘に包まれ、腱画によって上下に区切られる正解
- 4腹直筋鞘の前の層をつくるのは外腹斜筋の筋膜だけで、内腹斜筋の筋膜は後ろへ回る
- 5腹横筋の線維はほぼ垂直に走り、体幹を屈曲させる
Answer
正解 2:腹横筋は腹壁の最も内側の層にあり、その筋膜は腹直筋鞘に加わる / 3:腹直筋は腹直筋鞘に包まれ、腱画によって上下に区切られる
腹横筋は腹壁の三層のうち最も内側にあり、その筋膜は腹直筋鞘を構成する一部として正中へ向かう。腹直筋は腹直筋鞘に包まれ、横に走る腱画によって上下に区切られるため、体表からは分節のある形に見える。「外腹斜筋は腹壁の最も内側の層にあり、その線維は後下方から前上方へ走る」は誤りで、外腹斜筋は最も外側の層にあり線維は前下方へ走る。「腹直筋鞘の前の層をつくるのは外腹斜筋の筋膜だけで、内腹斜筋の筋膜は後ろへ回る」も誤りで、内腹斜筋の筋膜は前後に分かれて前の層にも加わる。「腹横筋の線維はほぼ垂直に走り、体幹を屈曲させる」も誤りで、腹横筋の線維はほぼ水平に走り、腹腔内圧を高めて体幹を支える働きをもつ。
HINT 外・内・横の三層で、横がいちばん内側。腹横筋は水平に走って腹を締める。
- Q39#jab-an-039
脊柱の生理的な弯曲について、正しいのはどれか。
- 1生まれたときから頸椎の前弯と腰椎の前弯がそろっている
- 2胸椎は前方へ凸の弯曲をとり、腰椎は後方へ凸の弯曲をとるのが通例である
- 3弯曲は荷重を一点へ集めるためにあり、衝撃の吸収とは別の役目をもつ
- 4腰椎の前弯が強まるときには、骨盤は後方へ傾くのが通例である
- 5頸椎と腰椎は前方へ凸の弯曲をとり、胸椎と仙骨は後方へ凸の弯曲をとる正解
Answer
正解 5:頸椎と腰椎は前方へ凸の弯曲をとり、胸椎と仙骨は後方へ凸の弯曲をとる
成人の脊柱では頸椎と腰椎が前方へ凸の前弯、胸椎と仙骨が後方へ凸の後弯をとり、側方からみると緩やかなS字の形になる。「生まれたときから頸椎の前弯と腰椎の前弯がそろっている」は誤りで、新生児の脊柱は全体が後弯で、頸椎の前弯は首がすわる時期、腰椎の前弯は立って歩く時期に現れる。「胸椎は前方へ凸の弯曲をとり、腰椎は後方へ凸の弯曲をとるのが通例である」も誤りで、向きが入れ替わっている。「弯曲は荷重を一点へ集めるためにあり、衝撃の吸収とは別の役目をもつ」も誤りで、弯曲はばねのようにたわんで衝撃を吸収する働きをもつ。「腰椎の前弯が強まるときには、骨盤は後方へ傾くのが通例である」も誤りで、腰椎の前弯が強まると骨盤は前方へ傾く。
HINT 頸と腰が前へ、胸と仙が後ろへ。前弯は首すわりと歩行で後から出てくる。
- Q40#jab-an-040
胸郭をつくる骨と関節について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1肋骨は左右あわせて10対あり、そのすべてが胸骨と直接に関節をつくる
- 2上位の7対の肋骨は肋軟骨によって胸骨と連結し、後方では肋椎関節をつくる正解
- 3第11と第12の肋骨については前方の端が遊離している正解
- 4肋椎関節は肋骨の頭と胸骨のあいだにつくられる滑膜性の関節である
- 5吸気のときの胸郭は上下の方向にだけ広がり、前後と左右の幅は一定である
Answer
正解 2:上位の7対の肋骨は肋軟骨によって胸骨と連結し、後方では肋椎関節をつくる / 3:第11と第12の肋骨については前方の端が遊離している
第1から第7の肋骨は肋軟骨を介して胸骨と連結する真肋で、後方では肋骨頭が椎体と、肋骨の結節が横突起と肋椎関節をつくる。第11と第12の肋骨は前方の端が遊離しており、浮遊肋と呼ばれる。「肋骨は左右あわせて10対あり、そのすべてが胸骨と直接に関節をつくる」は誤りで、肋骨は12対であり、第8から第10は上の肋軟骨に合流し、第11と第12は遊離している。「肋椎関節は肋骨の頭と胸骨のあいだにつくられる滑膜性の関節である」も誤りで、肋骨頭が向かい合う相手は胸椎の椎体である。「吸気のときの胸郭は上下の方向にだけ広がり、前後と左右の幅は一定である」も誤りで、吸気では肋骨の動きによって前後と左右の幅も広がる。
HINT 肋骨は12対。1〜7が真肋、8〜10が仮肋、11と12が浮遊肋。
- Q41#jab-an-041
頸部の筋とその働きについて、正しいのはどれか。
- 1斜角筋群は頸椎の横突起から肋骨へ向かい、頸部の伸展を担う主な筋である
- 2胸鎖乳突筋の両側が働くと頸部は伸展し、顔は上へ向いていく
- 3頭半棘筋と頭板状筋が働くと、頸椎は屈曲して顎が胸に近づく
- 4僧帽筋の上部は頸椎から肩峰へ向かい、肩甲骨を下げる
- 5胸鎖乳突筋の片側が働くと、顔は反対側へ向く動きが生じる正解
Answer
正解 5:胸鎖乳突筋の片側が働くと、顔は反対側へ向く動きが生じる
胸鎖乳突筋は胸骨と鎖骨から起こって側頭骨の乳様突起に付くため、片側が働くと頸部は同じ側へ側屈しながら反対側へ回旋し、顔が反対側へ向く。「斜角筋群は頸椎の横突起から肋骨へ向かい、頸部の伸展を担う主な筋である」は誤りで、斜角筋群は頸椎の横突起から第1と第2の肋骨へ向かい、頸部の側屈と肋骨の挙上に働く。「胸鎖乳突筋の両側が働くと頸部は伸展し、顔は上へ向いていく」も誤りで、両側が働くと頸部は屈曲する。「頭半棘筋と頭板状筋が働くと、頸椎は屈曲して顎が胸に近づく」も誤りで、この二つは頸部の後面にあって頸椎を伸展させる。「僧帽筋の上部は頸椎から肩峰へ向かい、肩甲骨を下げる」も誤りで、僧帽筋上部の作用は肩甲骨の挙上である。
HINT 胸鎖乳突筋は片側で顔が反対へ、両側で首が前へ。前面は屈曲、後面は伸展。
- Q42#jab-an-042
腕神経叢とそこから出る神経について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1腕神経叢は第5頸神経から第1胸神経までの前枝によってつくられる正解
- 2長胸神経は前鋸筋を支配し、障害されると肩甲骨の内側縁が浮き上がる正解
- 3腕神経叢は第1頸神経から第4頸神経までの前枝が集まってつくられている
- 4長胸神経は僧帽筋を支配し、障害されると肩をすくめる力が弱まる
- 5腕神経叢からの枝は、すべて鎖骨より上の高さで分かれ終えている
Answer
正解 1:腕神経叢は第5頸神経から第1胸神経までの前枝によってつくられる / 2:長胸神経は前鋸筋を支配し、障害されると肩甲骨の内側縁が浮き上がる
腕神経叢は第5頸神経から第1胸神経までの前枝が集まって形成され、上肢の運動と感覚をつかさどる神経を枝として出す。長胸神経は前鋸筋を支配するため、その障害では肩甲骨の内側縁が胸壁から浮き上がる翼状肩甲が現れる。「腕神経叢は第1頸神経から第4頸神経までの前枝が集まってつくられている」は誤りで、その範囲の前枝は頸神経叢を形成する。「長胸神経は僧帽筋を支配し、障害されると肩をすくめる力が弱まる」も誤りで、僧帽筋を支配するのは副神経である。「腕神経叢からの枝は、すべて鎖骨より上の高さで分かれ終えている」も誤りで、鎖骨より下の高さでも腋窩神経や橈骨神経などの枝が分かれる。
HINT 腕神経叢はC5からT1。前鋸筋が止まると肩甲骨が羽のように浮く。
- Q43#jab-an-043
手の筋と腱の構造について、正しいのはどれか。
- 1母指球の筋はすべて尺骨神経の支配を受け、母指の対立に働く
- 2骨間筋は中手指節関節を伸展させ、指節間関節を屈曲させるのが特徴だ
- 3手指の屈筋腱は腱鞘のなかを滑りながら走っている正解
- 4虫様筋は中手骨から起こって手指を外転させる筋で、腱鞘に包まれている
- 5手指の伸筋腱は手背で腱鞘に包まれ、手掌では骨に直接付く
Answer
正解 3:手指の屈筋腱は腱鞘のなかを滑りながら走っている
手指の屈筋腱は滑膜性の腱鞘のなかを滑りながら走るため、腱鞘の炎症が起こると指の動きに伴う痛みや引っかかりが生じる。「母指球の筋はすべて尺骨神経の支配を受け、母指の対立に働く」は誤りで、短母指外転筋や母指対立筋は正中神経の支配を受ける。「骨間筋は中手指節関節を伸展させ、指節間関節を屈曲させるのが特徴だ」も誤りで、骨間筋は中手指節関節を屈曲させ、指節間関節の伸展に関与する。「虫様筋は中手骨から起こって手指を外転させる筋で、腱鞘に包まれている」も誤りで、虫様筋は深指屈筋の腱から起こる。「手指の伸筋腱は手背で腱鞘に包まれ、手掌では骨に直接付く」も誤りで、伸筋腱が向かうのは手指の背側である。
HINT 屈筋腱は腱鞘のトンネルを滑る。母指球は正中神経の担当が多い。
- Q44#jab-an-044
大腿にある二関節筋の性質について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1大腿直筋は股関節と膝関節をまたぐため、股関節の屈曲と膝関節の伸展の両方に働く正解
- 2大腿四頭筋のうち中間広筋は骨盤から起こる筋であり、股関節の屈曲にも強く働いている
- 3大腿二頭筋長頭は大腿骨から起こり、膝関節の運動だけに関与する
- 4縫工筋は大腿の後面を走り、膝関節を伸展させる役目を担う
- 5半腱様筋と半膜様筋は膝関節を屈曲させつつ、下腿を内旋させる正解
Answer
正解 1:大腿直筋は股関節と膝関節をまたぐため、股関節の屈曲と膝関節の伸展の両方に働く / 5:半腱様筋と半膜様筋は膝関節を屈曲させつつ、下腿を内旋させる
大腿直筋は下前腸骨棘から起こって膝蓋骨を経て脛骨粗面に至り、股関節と膝関節をまたぐため股関節の屈曲と膝関節の伸展の両方に働く。半腱様筋と半膜様筋は坐骨結節から起こって脛骨の内側に付くため、膝関節の屈曲とともに下腿を内旋させる。「大腿四頭筋のうち中間広筋は骨盤から起こる筋であり、股関節の屈曲にも強く働いている」は誤りで、中間広筋は大腿骨の前面から起こる単関節の筋である。「大腿二頭筋長頭は大腿骨から起こり、膝関節の運動だけに関与する」も誤りで、長頭は坐骨結節から起こるため股関節の伸展にも働く。「縫工筋は大腿の後面を走り、膝関節を伸展させる役目を担う」も誤りで、縫工筋は大腿の前面から内側へ斜めに走り、膝関節の屈曲に働く。
HINT 骨盤から起こるかどうかで二関節筋かが決まる。半腱・半膜は内側に付くから内旋。
- Q45#jab-an-045
下腿三頭筋とアキレス腱について、正しいのはどれか。
- 1腓腹筋は脛骨の後面から起こる筋であり、膝関節の伸展のほうにも関与する
- 2ヒラメ筋は脛骨と腓骨から起こる単関節の筋で、足関節を底屈させる正解
- 3アキレス腱は踵骨隆起に付着し、足関節を背屈させる力を伝える
- 4ヒラメ筋は大腿骨の後面から起こり、膝関節の屈曲にも働く
- 5アキレス腱の血流は腱の中央の部分で最も豊富で、損傷が起こりにくい部位になる
Answer
正解 2:ヒラメ筋は脛骨と腓骨から起こる単関節の筋で、足関節を底屈させる
ヒラメ筋は脛骨と腓骨の後面から起こって膝関節をまたがない単関節の筋で、腓腹筋とともにアキレス腱となって踵骨に付き、足関節を底屈させる。「腓腹筋は脛骨の後面から起こる筋であり、膝関節の伸展のほうにも関与する」は誤りで、腓腹筋は大腿骨の内側頭と外側頭から起こり、膝関節の屈曲に働く。「アキレス腱は踵骨隆起に付着し、足関節を背屈させる力を伝える」も誤りで、アキレス腱が伝えるのは底屈の力である。「ヒラメ筋は大腿骨の後面から起こり、膝関節の屈曲にも働く」も誤りで、起始の部位を腓腹筋と取り違えている。「アキレス腱の血流は腱の中央の部分で最も豊富で、損傷が起こりにくい部位になる」も誤りで、踵骨の付着部から2〜6センチメートルの範囲は血流が乏しく、断裂や腱症が起こりやすい部位である。
HINT 膝をまたぐのは腓腹筋だけ。アキレス腱は踵の少し上が血流の薄い弱点。
- Q46#jab-an-046
足部へ向かう下腿の筋の腱の走り方について、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 1前脛骨筋の腱は外果の前を通り、第5中足骨の底に付いて足部を外返しさせている
- 2長腓骨筋の腱は内果の前を通って足背へ回り、足部を背屈させる方向へ作用する
- 3後脛骨筋の腱は内果の後ろを通っており、舟状骨や楔状骨などに付着する正解
- 4長腓骨筋の腱は外果の後ろを通って足底へ回り込む正解
- 5後脛骨筋の腱は外果の後ろを通るため、足部の外返しを強めている
Answer
正解 3:後脛骨筋の腱は内果の後ろを通っており、舟状骨や楔状骨などに付着する / 4:長腓骨筋の腱は外果の後ろを通って足底へ回り込む
後脛骨筋の腱は内果の後ろを通って舟状骨や楔状骨などに付くため、足部の内返しと内側縦アーチの保持に働く。長腓骨筋の腱は外果の後ろを通って足底へ回り、第1中足骨の底などに付いて足部の外返しと底屈に働く。「前脛骨筋の腱は外果の前を通り、第5中足骨の底に付いて足部を外返しさせている」は誤りで、前脛骨筋の腱は足関節の前面を通って内側の楔状骨や第1中足骨に付き、背屈と内返しに働く。「長腓骨筋の腱は内果の前を通って足背へ回り、足部を背屈させる方向へ作用する」も誤りで、通る位置と作用の向きがどちらも逆である。「後脛骨筋の腱は外果の後ろを通るため、足部の外返しを強めている」も誤りで、内果の後ろを通るため内返しに働く。
HINT 内果の後ろを通れば内返し、外果の後ろを通れば外返し。通り道が作用を決める。
- Q47#jab-an-047
関節運動を表す面と軸、運動の名称の組み合わせについて、正しいのはどれか。
- 1肩関節の屈曲と伸展は前額面のなかの運動で、垂直の軸のまわりに回る
- 2体幹の回旋は矢状面のなかの運動で、前額面を貫く軸のまわりに回る
- 3水平面のなかの運動は左右の軸のまわりに回り、側屈が例になる
- 4前腕の回内と回外は前額面のなかの運動で、左右に走る軸のまわりに回っている
- 5肩関節の外転は前額面のなかで起こる運動で、矢状面を貫く軸のまわりに回っている正解
Answer
正解 5:肩関節の外転は前額面のなかで起こる運動で、矢状面を貫く軸のまわりに回っている
肩関節の外転と内転は前額面のなかで起こる運動で、回転の軸は矢状面を貫いて前後に走る軸である。「肩関節の屈曲と伸展は前額面のなかの運動で、垂直の軸のまわりに回る」は誤りで、屈曲と伸展は矢状面のなかの運動であり、軸は左右に走る。「体幹の回旋は矢状面のなかの運動で、前額面を貫く軸のまわりに回る」も誤りで、回旋は水平面のなかの運動で軸は垂直に走る。「水平面のなかの運動は左右の軸のまわりに回り、側屈が例になる」も誤りで、水平面の運動は垂直の軸のまわりに起こり、側屈は前額面の運動である。「前腕の回内と回外は前額面のなかの運動で、左右に走る軸のまわりに回っている」も誤りで、回内と回外は前腕の長軸のまわりに起こる運動である。
HINT 運動の面と軸は直交する。前額面の運動なら軸は前後、矢状面なら軸は左右。
- Q48#jab-an-048
しゃがみ込む動作にみられる筋の働きについて、正しいのはどれか。
- 1下降の局面では大腿四頭筋と大殿筋が遠心性に働き、体重の下降を制御する正解
- 2下降の局面では大腿四頭筋が求心性に働いて下降を制御する
- 3足関節の背屈の可動域が小さいと、体幹を前へ倒す代償が生じにくくなる
- 4下降に伴って骨盤は前傾を強めていき、腰椎の前弯は深くなっていくのが通例である
- 5立ち上がりの局面ではハムストリングスが遠心性に働く
Answer
正解 1:下降の局面では大腿四頭筋と大殿筋が遠心性に働き、体重の下降を制御する
しゃがみ込む下降の局面では、股関節と膝関節が屈曲しながら大腿四頭筋と大殿筋が引き伸ばされつつ張力を出すため、収縮の様式は遠心性になる。「下降の局面では大腿四頭筋が求心性に働いて下降を制御する」は誤りで、求心性収縮は筋が短くなりながら力を出す様式であり、立ち上がりの局面にあたる。「足関節の背屈の可動域が小さいと、体幹を前へ倒す代償が生じにくくなる」も誤りで、背屈が足りないと下腿を前へ倒せないため、体幹を前へ倒す代償が強く出る。「下降に伴って骨盤は前傾を強めていき、腰椎の前弯は深くなっていくのが通例である」も誤りで、深くしゃがむにつれて骨盤は後傾し腰椎は屈曲する方向へ向かう。「立ち上がりの局面ではハムストリングスが遠心性に働く」も誤りで、股関節を伸展させる局面なので求心性に働く。
HINT 沈むときは遠心性、立つときは求心性。背屈が足りないと上体が前に倒れる。
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