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資格のニガテ一問一答
JSPO-AT 基礎科目科目模擬試験復習

アスレティックトレーナーとしての基礎的知識全24問・正解と解説つき

JSPO公認アスレティックトレーナー 専門科目 基礎科目・ 分量 10%

上記の科目をまたぐ基礎的な知識を問う区分。解剖・生理・医学・測定の各領域を組み合わせた問題や、スポーツ現場で前提となる一般常識が出題される。

Drill

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アスレティックトレーナーとしての基礎的知識を1問ずつ解く →

All questions

  1. アンチ・ドーピングの基本的な考え方について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1競技力を高める意図がなくても、禁止物質が体内に入った場合は規則の違反となりうる。正解
    • 2検体から禁止物質が見つかった場合は、処方した医師の責任として扱われる。
    • 3天然の素材だけでできた製品には、禁止物質が含まれる可能性はないとされる。
    • 4禁止表の国際基準は、改訂されるたびに競技者へ個別に通知される。
    • 5治療のために禁止物質を用いる場合は、治療使用特例の申請を事前に行う。正解

    Answer

    正解 1:競技力を高める意図がなくても、禁止物質が体内に入った場合は規則の違反となりうる。 / 5:治療のために禁止物質を用いる場合は、治療使用特例の申請を事前に行う。

    アンチ・ドーピング規則では、競技者は自らの体内に入るものに責任を負うため、競技力を高める意図がなくても禁止物質が検出されれば違反となりうる。治療上どうしても禁止物質を使う必要がある場合は、治療使用特例の申請をあらかじめ行う。「処方した医師の責任として扱われる」は誤りで、自身の体内に入ったものについての責任は競技者が負う。「天然の素材だけでできた製品には、禁止物質が含まれる可能性はないとされる」も誤りで、由来にかかわらず含有の可能性がある。「改訂されるたびに競技者へ個別に通知される」も誤りで、公表された禁止表を自ら確認する責任が競技者側にある。

    HINT 口に入れたものの責任は競技者本人。治療で使うなら「事前に申請」が原則。

  2. 日本スポーツ協会の熱中症予防運動指針が示す区分について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1湿球黒球温度が28度以上31度未満の区分では、すべての運動を中止することとされている。
    • 2湿球黒球温度が31度以上の場合には、運動を原則として中止すると定められている。正解
    • 3湿球黒球温度が28度以上31度未満は厳重警戒で、激しい運動は中止する。正解
    • 4湿球黒球温度が21度未満であるなら、水分の補給を行う必要はないとされている。
    • 5湿球黒球温度が25度以上28度未満の区分は、運動を中止する目安とされる。

    Answer

    正解 2:湿球黒球温度が31度以上の場合には、運動を原則として中止すると定められている。 / 3:湿球黒球温度が28度以上31度未満は厳重警戒で、激しい運動は中止する。

    熱中症予防運動指針は湿球黒球温度によって五つの区分を置き、31度以上を運動は原則中止、28度以上31度未満を厳重警戒として激しい運動は中止、25度以上28度未満を警戒、21度以上25度未満を注意としている。「28度以上31度未満の区分では、すべての運動を中止することとされている」は誤りで、その区分は厳重警戒であり、すべての運動を止めるのは31度以上である。「25度以上28度未満の区分は、運動を中止する目安とされる」も誤りで、この区分は警戒であり積極的に休息をとる段階にあたる。「21度未満であるなら、水分の補給を行う必要はないとされている」も誤りで、この区分でも適宜の水分補給は必要になる。

    HINT 区切りは31・28・25・21。31で原則中止、28で厳重警戒、25で警戒、21で注意。

  3. アンチ・ドーピング検査の手続きについて、正しいのはどれか。

    • 1競技会外の検査は、あらかじめ日時を知らせたうえで行うことになっている。
    • 2検査の対象に選ばれた競技者は、体調を理由として検査を辞退することができる。
    • 3検体の採取に付き添う係員は、競技者と同じ競技団体の役員に限られている。
    • 4検査には競技会時に行う検査と、競技会外に行う検査の二つの種類がある。正解
    • 5未成年の競技者の検査では、同伴者を付けることは認められていない。

    Answer

    正解 4:検査には競技会時に行う検査と、競技会外に行う検査の二つの種類がある。

    ドーピング検査には、競技会の場で対象者を選んで行う競技会時検査と、競技会の期間以外に予告なく行う競技会外検査の二つがある。「競技会外の検査は、あらかじめ日時を知らせたうえで行うことになっている」は誤りで、競技会外の検査は予告なく行われる。「体調を理由として検査を辞退することができる」も誤りで、通告された検査を拒否することは規則違反にあたる。「競技者と同じ競技団体の役員に限られている」も誤りで、付き添いと監視を行う係員は検査機関の側が定める。「未成年の競技者の検査では、同伴者を付けることは認められていない」も誤りで、未成年には同伴者を付けて実施する。

    HINT 検査は「競技会時」と「競技会外」の二本立て。通告された検査は断れない。

  4. スポーツ事故の安全管理について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1事故の予見が可能であり、かつ回避する手立てがあった場合に、過失が問われやすくなる。正解
    • 2施設や用具の点検は、シーズンの初めにまとめて済ませておけば足りる。
    • 3緊急時の連絡の経路と役割の分担を事前に定めておき、関係者で訓練しておく。正解
    • 4事故が起きた後の対応を整えておけば、発生自体を減らす取り組みは省ける。
    • 5落雷への備えは、雨が降り始めてから検討を始めれば間に合う。

    Answer

    正解 1:事故の予見が可能であり、かつ回避する手立てがあった場合に、過失が問われやすくなる。 / 3:緊急時の連絡の経路と役割の分担を事前に定めておき、関係者で訓練しておく。

    事故についての過失は、その事故を予見できたか、そして予見できたとして回避する手立てを取れたかという観点から判断される。また緊急時には連絡の経路と役割の分担を事前に決め、実際に訓練して動けるようにしておく。「施設や用具の点検は、シーズンの初めにまとめて済ませておけば足りる」は誤りで、活動の前後や使う場面ごとに繰り返し確かめる。「事故が起きた後の対応を整えておけば、発生自体を減らす取り組みは省ける」も誤りで、事後対応と予防はどちらも必要である。「落雷への備えは、雨が降り始めてから検討を始めれば間に合う」も誤りで、落雷は降雨の前後を問わず起こりうるため事前に避難の判断基準を決めておく。

    HINT 過失の判断は「予見できたか」と「避けられたか」の二段構え。

  5. スポーツ現場における暴力やハラスメントの防止について、正しいのはどれか。

    • 1本人や保護者の同意があれば、身体的な罰を指導の手段として用いてよいとされる。
    • 2言葉による叱責は身体に触れないため、ハラスメントの対象からは外れている。
    • 3他者の面前で長時間叱責する行為は、本人の成長を促す指導として扱われる。
    • 4相談の窓口への連絡は当事者本人に限られ、周囲が気づいた場合は控える。
    • 5力関係を背景とした行為は、指導の意図があっても暴力として扱われる。正解

    Answer

    正解 5:力関係を背景とした行為は、指導の意図があっても暴力として扱われる。

    指導者と競技者のように力関係がある場面では、指導の意図があったとしても身体的、精神的に相手を傷つける行為は暴力やハラスメントとして扱われる。「本人や保護者の同意があれば、身体的な罰を指導の手段として用いてよいとされる」は誤りで、同意があっても体罰は許されない。「言葉による叱責は身体に触れないため、ハラスメントの対象からは外れている」も誤りで、言葉による攻撃も対象に含まれる。「他者の面前で長時間叱責する行為は、本人の成長を促す指導として扱われる」も誤りで、人格を傷つける行為にあたる。「相談の窓口への連絡は当事者本人に限られ、周囲が気づいた場合は控える」も誤りで、気づいた周囲の者からの相談も受け付けられる。

    HINT 「同意があった」「言葉だけ」「本人のため」。この3つはどれも暴力を正当化しない。

  6. 測定して得たデータのまとめ方について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1標準偏差は、集団の平均値が母集団の平均からどれだけ離れているかを表す指標である。
    • 2外れ値の影響を受けにくい代表値として、中央値を用いる方法が知られている。正解
    • 3平均値と中央値が離れている場合、分布は左右対称に近いといえる。
    • 4同じ平均値でも、標準偏差が大きいほど個々の値の散らばりは大きくなる。正解
    • 5範囲は両端の値から求めるので、標準偏差よりも散らばりをよく表す。

    Answer

    正解 2:外れ値の影響を受けにくい代表値として、中央値を用いる方法が知られている。 / 4:同じ平均値でも、標準偏差が大きいほど個々の値の散らばりは大きくなる。

    中央値は値を大きさの順に並べた中央の値であり、極端に大きい値や小さい値の影響を受けにくいため、分布が偏った集団の代表値として有用である。また標準偏差は個々の値が平均からどれだけ散らばっているかを表すので、平均値が同じでも標準偏差が大きいほどばらつきは大きい。「集団の平均値が母集団の平均からどれだけ離れているかを表す指標である」は誤りで、それは標準誤差の説明に近い。「平均値と中央値が離れている場合、分布は左右対称に近いといえる」も誤りで、離れているほど分布は偏っている。「範囲は両端の値から求めるので、標準偏差よりも散らばりをよく表す」も誤りで、両端の値は分布の形を示さない。

    HINT 標準偏差は「値の散らばり」、標準誤差は「平均の精度」。中央値は外れ値に強い。

  7. 二つの指標の関係を解釈するときの考え方について、正しいのはどれか。

    • 1相関が認められた場合でも、第三の要因が両者に影響している可能性を検討する必要がある。正解
    • 2相関の係数が大きいほど、一方が他方の原因であると結論づけられる関係になる。
    • 3相関の係数が負の値であれば、二つの指標の間に関係はないと判断できる。
    • 4対象者の数が多い研究では、因果の関係を示す必要はなくなるとされる。
    • 5散布図の見た目より、相関の係数の値だけを見るほうが誤りが少ない。

    Answer

    正解 1:相関が認められた場合でも、第三の要因が両者に影響している可能性を検討する必要がある。

    二つの指標に相関があっても、両方に影響する第三の要因が背後にある場合があるため、因果を述べる前に交絡の可能性を検討する必要がある。「相関の係数が大きいほど、一方が他方の原因であると結論づけられる関係になる」は誤りで、相関の強さは因果の証明にならない。「相関の係数が負の値であれば、二つの指標の間に関係はないと判断できる」も誤りで、負の相関は一方が増えると他方が減る関係を示す。「対象者の数が多い研究では、因果の関係を示す必要はなくなるとされる」も誤りで、人数が増えても因果の議論は別に必要になる。「散布図の見た目より、相関の係数の値だけを見るほうが誤りが少ない」も誤りで、外れ値や曲線的な関係は図を見なければ気づけない。

    HINT 相関は因果ではない。まず「両方を動かしている背後の要因」を疑う。

  8. 研究の結果に示された数値の読み方について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1有意な差が認められた結果は、現場で意味のある差の大きさであることを保証している。
    • 2有意の水準を5パーセントに定めた場合、誤って差を見いだす可能性はなくなる。
    • 3効果量は、差の大きさを対象者の数に左右されにくい形で示す指標である。正解
    • 4信頼の区間が広いほど、推定の精度は高いと解釈できる。
    • 5有意な差が示されない結果でも、差がないことの証明にはならない。正解

    Answer

    正解 3:効果量は、差の大きさを対象者の数に左右されにくい形で示す指標である。 / 5:有意な差が示されない結果でも、差がないことの証明にはならない。

    効果量は差や関連の大きさそのものを表す指標で、対象者の数に左右されにくいため、統計的な有意性とは別に実際の大きさを読むために用いる。また有意な差が示されなかった結果は、差がないことを示したのではなく、示せなかったという意味にとどまる。「現場で意味のある差の大きさであることを保証している」は誤りで、人数が多ければ小さな差でも有意になる。「有意の水準を5パーセントに定めた場合、誤って差を見いだす可能性はなくなる」も誤りで、その水準は誤って差があると判断する確率そのものである。「信頼の区間が広いほど、推定の精度は高いと解釈できる」も誤りで、区間が広いのは精度が低いことを意味する。

    HINT 有意かどうかは「あるかないか」、効果量は「どれくらい大きいか」。区間は狭いほど精密。

  9. 測定した値の尺度について、正しいのはどれか。

    • 1痛みの強さを5つの段階で答えさせた値は、間隔が等しい尺度として扱うのが原則である。
    • 2背番号のように区別のためだけに付けた数値は、名義の尺度として扱われる。正解
    • 3体重や筋力のように原点を持つ値は、順序の尺度に分類される量である。
    • 4順序の尺度で得た値は、平均値を求めることが最も適した要約になる。
    • 5摂氏で測った温度は、値の比をそのまま解釈できる尺度である。

    Answer

    正解 2:背番号のように区別のためだけに付けた数値は、名義の尺度として扱われる。

    背番号や種目の分類のように、区別のためだけに数値を割り当てたものは名義の尺度であり、大小や間隔の意味を持たない。「痛みの強さを5つの段階で答えさせた値は、間隔が等しい尺度として扱うのが原則である」は誤りで、段階の間隔が等しいとは限らないため順序の尺度として扱う。「体重や筋力のように原点を持つ値は、順序の尺度に分類される量である」も誤りで、絶対的な原点があるので比率の尺度にあたる。「順序の尺度で得た値は、平均値を求めることが最も適した要約になる」も誤りで、中央値や度数の分布が適する。「摂氏で測った温度は、値の比をそのまま解釈できる尺度である」も誤りで、原点が便宜的なので間隔の尺度にとどまる。

    HINT 名義は区別、順序は並び、間隔は差、比率は比まで意味を持つ。摂氏は差までしか言えない。

  10. 研究の方法の種類とその読み方について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1群への割り付けを無作為に行うことで、比べる群の間にある条件の偏りを小さくできる。正解
    • 2横断研究は、原因と結果の時間の前後の関係まで明らかにできる方法だとされる。
    • 3後ろ向きの研究は、記録に頼らず対象者を将来にわたって追う方法にあたる。
    • 4縦断研究は、同じ対象者を追って時間の経過に伴う変化をとらえる。正解
    • 5対象者の数を増やせば、群への割り付けの偏りは自動的に解消される。

    Answer

    正解 1:群への割り付けを無作為に行うことで、比べる群の間にある条件の偏りを小さくできる。 / 4:縦断研究は、同じ対象者を追って時間の経過に伴う変化をとらえる。

    無作為な割り付けは、測定していない要因まで含めて群の間の条件をそろえる働きを持つため、介入の効果を比べる研究で重視される。また縦断研究は同じ対象者を時間を追って観察するので、変化の過程をとらえられる。「横断研究は、原因と結果の時間の前後の関係まで明らかにできる方法だとされる」は誤りで、ある一時点の状態を切り取る方法なので前後の関係は示せない。「後ろ向きの研究は、記録に頼らず対象者を将来にわたって追う方法にあたる」も誤りで、既存の記録をさかのぼって調べる方法である。「対象者の数を増やせば、群への割り付けの偏りは自動的に解消される」も誤りで、人数が多くても割り付けに偏りがあれば結果はゆがむ。

    HINT 横断は一時点の写真、縦断は動画。前向きは今から追う、後ろ向きは記録をさかのぼる。

  11. 競技者の食事に関する基礎的な知識について、正しいのはどれか。

    • 1脂質は1グラムあたり約4キロカロリーで、糖質と同じエネルギーを持つ栄養素である。
    • 2たんぱく質は1グラムあたり約9キロカロリーのエネルギーを持っている。
    • 3糖質は1グラムあたり約4キロカロリーで、運動中の主なエネルギー源になる。正解
    • 4ビタミンとミネラルは、1グラムあたり約4キロカロリーを供給する栄養素である。
    • 5アルコールは1グラムあたり約2キロカロリーで、糖質より少ない。

    Answer

    正解 3:糖質は1グラムあたり約4キロカロリーで、運動中の主なエネルギー源になる。

    糖質は1グラムあたり約4キロカロリーのエネルギーを持ち、強度の高い運動では主要なエネルギー源になる。「脂質は1グラムあたり約4キロカロリーで、糖質と同じエネルギーを持つ栄養素である」は誤りで、脂質は約9キロカロリーで三大栄養素のなかで最も多い。「たんぱく質は1グラムあたり約9キロカロリーのエネルギーを持っている」も誤りで、たんぱく質は約4キロカロリーである。「ビタミンとミネラルは、1グラムあたり約4キロカロリーを供給する栄養素である」も誤りで、この二つはエネルギー源にならない。「アルコールは1グラムあたり約2キロカロリーで、糖質より少ない」も誤りで、アルコールは約7キロカロリーである。

    HINT 糖質4、たんぱく質4、脂質9、アルコール7。ビタミンとミネラルはゼロ。

  12. 用具や練習の環境と外傷の予防の関係について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1靴底のすべり止めを強くすればするほど、下肢の外傷は確実に減っていくとされる。
    • 2競技の面と靴底の間で回転の抵抗が大きいと、膝や足への負担が増えやすい。正解
    • 3防具の装着は、着用した部位以外の動作や負担には影響しないといわれる。
    • 4用具の点検は導入時に行えば足り、使用による劣化は考えなくてよい。
    • 5路面の硬さや傾きは、下肢への繰り返しの負担を左右する要因といえる。正解

    Answer

    正解 2:競技の面と靴底の間で回転の抵抗が大きいと、膝や足への負担が増えやすい。 / 5:路面の硬さや傾きは、下肢への繰り返しの負担を左右する要因といえる。

    競技面と靴底の間の回転方向の抵抗が大きいと、足部が固定されたまま下肢がねじられる場面が増え、膝や足への負担が高まる。また路面の硬さや傾き、表面の状態は着地の衝撃と左右差を生み、繰り返しの負担を左右する。「靴底のすべり止めを強くすればするほど、下肢の外傷は確実に減っていくとされる」は誤りで、制止する力が強すぎるとかえって関節への負担が増える。「防具の装着は、着用した部位以外の動作や負担には影響しないといわれる」も誤りで、重量や可動域の制限が他の部位の動作を変える。「用具の点検は導入時に行えば足り、使用による劣化は考えなくてよい」も誤りで、劣化の点検を定期的に行う。

    HINT グリップは「強いほど安全」ではない。足が止まって体だけねじれる形がいちばん危ない。

  13. エネルギーの供給の仕組みと競技の特性を結びつけた説明として、正しいのはどれか。

    • 1100メートル走のように短時間で全力を出す種目では、有酸素性の機構が主体となる。
    • 2解糖系が主に働く運動では、筋の中の水素イオンの濃度が低下して疲労が生じる。
    • 3マラソンでは、クレアチンリン酸の分解が総エネルギーの大半を占めている。
    • 4数秒の全力の発揮では、クレアチンリン酸の分解が主な供給の経路になる。正解
    • 5有酸素性の機構は、糖質のみを材料として用いる仕組みである。

    Answer

    正解 4:数秒の全力の発揮では、クレアチンリン酸の分解が主な供給の経路になる。

    数秒程度の全力発揮では、筋内に蓄えられたクレアチンリン酸を分解してATPを再合成する経路が主に働く。「100メートル走のように短時間で全力を出す種目では、有酸素性の機構が主体となる」は誤りで、無酸素性の機構が主体である。「筋の中の水素イオンの濃度が低下して疲労が生じる」も誤りで、解糖が進むと水素イオンの濃度は上がり、筋内は酸性に傾く。「マラソンでは、クレアチンリン酸の分解が総エネルギーの大半を占めている」も誤りで、長時間の運動では有酸素性の機構が大半を担う。「有酸素性の機構は、糖質のみを材料として用いる仕組みである」も誤りで、脂質やたんぱく質も酸化されて利用される。

    HINT 秒単位はクレアチンリン酸、分単位は解糖系、それ以上は有酸素性。時間の長さで見分ける。

  14. スポーツに関する制度とインテグリティの考え方について、正しいのはどれか。

    • 1スポーツ基本法は、国際大会における競技力の向上のみを目的として制定された法律である。
    • 2スポーツ庁は、厚生労働省の外局として設置され、医療の政策を担っている組織である。
    • 3スポーツ団体ガバナンスコードは、プロの球団だけを対象として定められている。
    • 4スポーツのインテグリティは、一人ひとりの心がけによって保たれるものとされる。
    • 5スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、人々の権利とされる。正解

    Answer

    正解 5:スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、人々の権利とされる。

    スポーツ基本法は、スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことがすべての人々の権利であるという考え方を掲げている。「国際大会における競技力の向上のみを目的として制定された法律である」は誤りで、国民の健康や地域の振興まで含む幅広い目的を持つ。「スポーツ庁は、厚生労働省の外局として設置され」も誤りで、文部科学省の外局として置かれている。「スポーツ団体ガバナンスコードは、プロの球団だけを対象として定められている」も誤りで、中央競技団体などのスポーツ団体を広く対象とする。「スポーツのインテグリティは、一人ひとりの心がけによって保たれるものとされる」も誤りで、暴力やハラスメント、試合の不正な操作を防ぐ団体の統治の仕組みまで含めて守られる。

    HINT スポーツ庁は文部科学省の外局。インテグリティはドーピングだけの話ではない。

  15. トレーニングの原則をリコンディショニングに当てはめた考え方として、正しいのはどれか。

    • 1競技で求められる動作に近い形で負荷をかけると、復帰した後の能力に結びつきやすい。正解
    • 2安静を保つ期間が長いほど、復帰した後に発揮できる筋力と持久力はともに高くなるとされる。
    • 3負荷は復帰の直前に一度だけ大きく上げるのが、最も効率のよい進め方である。
    • 4受傷した部位以外の機能は、復帰までの期間は維持を考える必要がない。
    • 5同じ負荷を続ければ、体力の水準は際限なく向上し続けていく。

    Answer

    正解 1:競技で求められる動作に近い形で負荷をかけると、復帰した後の能力に結びつきやすい。

    トレーニングの特異性の原則により、実際の競技で求められる動作や速度、方向に近い課題を段階的に取り入れるほど、復帰後のパフォーマンスに結びつきやすい。「安静を保つ期間が長いほど、復帰した後に発揮できる筋力と持久力はともに高くなるとされる」は誤りで、可逆性の原則により使わない期間が長いほど能力は低下する。「負荷は復帰の直前に一度だけ大きく上げるのが、最も効率のよい進め方である」も誤りで、漸進性の原則に反し再受傷の危険が高い。「受傷した部位以外の機能は、復帰までの期間は維持を考える必要がない」も誤りで、全身の機能の維持が復帰を早める。「同じ負荷を続ければ、体力の水準は際限なく向上し続けていく」も誤りで、過負荷の原則により刺激を高めなければ向上は止まる。

    HINT 特異性・漸進性・可逆性・過負荷。リコンディショニングも同じ原則で組み立てる。

  16. 足部の構造と障害の起こり方を結びつけた説明として、正しいのはどれか。

    • 1内側の縦のアーチが高い足では、着地の衝撃が広い範囲に分散されやすくなるとされる。
    • 2足底の腱や筋膜はアーチの保持に関与せず、足の骨の形だけで高さが決まっている。
    • 3横のアーチは前足部に存在し、体重を支える働きにはまったく関与していない。
    • 4内側の縦のアーチが低い足では、着地で後足部が過度に外返しへ傾きやすい。正解
    • 5後脛骨筋は、内側の縦のアーチを低下させる向きに働く筋である。

    Answer

    正解 4:内側の縦のアーチが低い足では、着地で後足部が過度に外返しへ傾きやすい。

    内側縦アーチが低い足では、着地から立脚中期にかけて後足部が過度に外返しへ傾き、下腿の内旋を伴って膝や足部への負担が増えやすい。「内側の縦のアーチが高い足では、着地の衝撃が広い範囲に分散されやすくなるとされる」は誤りで、アーチが高い足はたわみが少なく衝撃が集中しやすい。「足底の腱や筋膜はアーチの保持に関与せず、足の骨の形だけで高さが決まっている」も誤りで、足底筋膜や後脛骨筋などがアーチを支えている。「横のアーチは前足部に存在し、体重を支える働きにはまったく関与していない」も誤りで、前足部での荷重の分散に関与する。「後脛骨筋は、内側の縦のアーチを低下させる向きに働く筋である」も誤りで、アーチを引き上げる働きを持つ。

    HINT 低いアーチは過度な外返し、高いアーチは衝撃の集中。後脛骨筋はアーチを持ち上げる側。

  17. 体力の要素の分類について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1防衛体力には筋力と瞬発力が含まれ、感染への抵抗のほうは行動体力に入る。
    • 2体力の要素は行動体力だけで構成され、競技者では防衛体力を問わない。
    • 3平衡性や協応性は技術の要素であり、体力の要素からは外れる。
    • 4全身持久力や筋力、柔軟性、敏捷性は、行動を起こして続ける行動体力にあたる。正解
    • 5温度の変化に耐える力やストレスへの抵抗は防衛体力に含まれる。正解

    Answer

    正解 4:全身持久力や筋力、柔軟性、敏捷性は、行動を起こして続ける行動体力にあたる。 / 5:温度の変化に耐える力やストレスへの抵抗は防衛体力に含まれる。

    体力は、行動を起こして続けるための行動体力と、生命を保ち外からの刺激に耐えるための防衛体力に大きく分けられる。全身持久力、筋力、柔軟性、敏捷性、平衡性などは行動体力に、温度の変化に耐える力や感染への抵抗、ストレスへの抵抗は防衛体力に含まれる。「防衛体力には筋力と瞬発力が含まれ、感染への抵抗のほうは行動体力に入る」は誤りで、二つの区分が入れ替わっている。「体力の要素は行動体力だけで構成され、競技者では防衛体力を問わない」も誤りで、防衛体力の低下は体調を崩す形で競技にも影響する。「平衡性や協応性は技術の要素であり、体力の要素からは外れる」も誤りで、どちらも行動体力に含まれる。

    HINT 動くための力が行動体力、耐えるための力が防衛体力。平衡性も体力の要素。

  18. 発育と発達の進み方について、最も適切なのはどれか。

    • 1神経の系の発達は早い時期に進むため、運動の巧みさを養うには幼少の時期が適する。正解
    • 2生殖の器官は幼少の時期に急に発達し、思春期にはゆるやかになる。
    • 3リンパの系は成人になってから最も大きくなり、小児期は小さいままである。
    • 4身長や体重の発育は一定の速さで進み、急に伸びる時期は生じにくい。
    • 5発育の速さは暦年齢で決まるため、同じ学年なら同じ段階にある。

    Answer

    正解 1:神経の系の発達は早い時期に進むため、運動の巧みさを養うには幼少の時期が適する。

    神経の系は早い時期に大きく発達するため、動きを調整する巧みさを養う課題は幼少の時期に取り入れると効果が得られやすい。「生殖の器官は幼少の時期に急に発達し、思春期にはゆるやかになる」は誤りで、生殖の器官が急に発達するのは思春期である。「リンパの系は成人になってから最も大きくなり、小児期は小さいままである」も誤りで、リンパの系は小児期に大きくなり、その後は落ち着いていく。「身長や体重の発育は一定の速さで進み、急に伸びる時期は生じにくい」も誤りで、思春期には身長が急に伸びる時期が現れる。「発育の速さは暦年齢で決まるため、同じ学年なら同じ段階にある」も誤りで、発育の段階には大きな個人差がある。

    HINT 神経は早く、生殖は遅く、リンパは子どものうちに大きくなる。

  19. 競技者の食事と補給のとり方について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1試合の直前に脂質の多い食事をとると、胃からの排出が速まって動きやすくなる。
    • 2運動の後はできるだけ早く糖質をとると、筋のグリコーゲンの回復が進む。正解
    • 3糖質とともにたんぱく質をとると回復を助ける。正解
    • 4長時間の運動の最中は水だけをとり、糖質は運動が終わってから補う。
    • 5朝食を抜いても、昼と夜にまとめてとれば必要量は満たされる。

    Answer

    正解 2:運動の後はできるだけ早く糖質をとると、筋のグリコーゲンの回復が進む。 / 3:糖質とともにたんぱく質をとると回復を助ける。

    運動の後はできるだけ早く糖質をとると、筋のグリコーゲンの回復が速く進む。またそのとき糖質とともにたんぱく質をとると、筋のたんぱく質の回復も助けられる。「試合の直前に脂質の多い食事をとると、胃からの排出が速まって動きやすくなる」は誤りで、脂質は胃に留まる時間を長くするため試合の直前には向かない。「長時間の運動の最中は水だけをとり、糖質は運動が終わってから補う」も誤りで、長時間の運動では運動の最中にも糖質を補う。「朝食を抜いても、昼と夜にまとめてとれば一日の必要量は満たされる」も誤りで、一度にとれる量には限りがあり、まとめてとる形では不足しやすい。

    HINT 運動の後は早く糖質、たんぱく質を添える。試合の直前の脂質は重い。

  20. 競技者がサプリメントを利用する際の考え方として、最も適切なのはどれか。

    • 1国内で販売されている製品であれば、禁止物質の混入は起こらない。
    • 2成分の表示にある物質だけが入っていると考えてよい。
    • 3複数の製品を同時に使うと、同じ成分が重なっても効果だけが足し合わされる。
    • 4まず食事で必要量を満たすことを基本とし、足りない分を補う形で考える。正解
    • 5利用の判断は競技者本人に任せ、周囲は関与しないでおく。

    Answer

    正解 4:まず食事で必要量を満たすことを基本とし、足りない分を補う形で考える。

    サプリメントは食事で必要量を満たすことを基本に置き、それでも足りない分を補う手立てとして考える。「国内で販売されている製品であれば、禁止物質の混入は起こらない」は誤りで、製造の過程で意図せず混入する可能性があるため、第三者による検査を受けた製品を選ぶなどの備えが要る。「成分の表示にある物質だけが入っていると考えてよい」も誤りで、表示されていない物質が含まれる例が報告されている。「複数の製品を同時に使うと、同じ成分が重なっても効果だけが足し合わされる」も誤りで、同じ成分が重なればとりすぎによる害が生じうる。「利用の判断は競技者本人に任せ、周囲は関与しないのが原則である」も誤りで、体内に入るものの責任は本人が負うからこそ、周囲が情報を確かめる支援をする。

    HINT 食事が土台、サプリは補い。表示に書いていないものが入ることがある。

  21. 成人の安静時のバイタルサインの見方について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1成人の安静時の呼吸の数は、毎分およそ12回から20回の範囲におさまっている。正解
    • 2成人の安静時の呼吸の数は、毎分およそ40回から50回におさまる。
    • 3脈は10秒だけ数えて6倍すれば正しい値が得られる。
    • 4体温は測る部位によらず同じ値になるとされる。
    • 5脈は数だけでなく、強さとリズムの乱れもあわせてみる。正解

    Answer

    正解 1:成人の安静時の呼吸の数は、毎分およそ12回から20回の範囲におさまっている。 / 5:脈は数だけでなく、強さとリズムの乱れもあわせてみる。

    成人の安静時の呼吸の数は毎分およそ12回から20回の範囲におさまる。また脈は回数だけでなく、触れたときの強さとリズムの乱れがないかをあわせてみることで循環の状態をとらえられる。「成人の安静時の呼吸の数は、毎分およそ40回から50回の範囲におさまる」は誤りで、その数は明らかに多い。「脈は10秒だけ数えて6倍すれば、不整があっても正しい値が得られる」も誤りで、リズムが乱れている場合は1分間を通して数える。「体温は測る部位によらず同じ値になる」も誤りで、わきの下、口のなか、耳では得られる値が異なる。

    HINT 呼吸は毎分12〜20回。脈は数・強さ・リズムの3つを見る。

  22. 競技者の体重と身体組成の管理について、最も適切なのはどれか。

    • 1体重の値だけを追えば、脂肪と筋のどちらが減ったのかまで判断できる。
    • 2短い期間で大きく体重を落とすと、除脂肪の量まで減りやすくなる。正解
    • 3増量の局面では、エネルギーを多くとるほど筋の量だけが増える。
    • 4体脂肪率は測る方法が違っても同じ値になるため、方法をそろえずに比べられる。
    • 5水分を抜いて体重を落とす方法は、競技の成績を高める。

    Answer

    正解 2:短い期間で大きく体重を落とすと、除脂肪の量まで減りやすくなる。

    短い期間で大きく体重を落とすと、脂肪だけでなく除脂肪の量まで減りやすく、筋力やパフォーマンスの低下につながる。「体重の値だけを追えば、脂肪と筋のどちらが減ったかまで判断できる」は誤りで、体重の変化の内訳は体組成を測らなければ分からない。「増量の局面では、エネルギーを多くとるほど筋の量だけが増えていく」も誤りで、過剰な分は脂肪として蓄えられる。「体脂肪率は測る方法が違っても同じ値になるため、方法をそろえずに比べられる」も誤りで、推定の方法によって値が変わるため同じ方法で追う。「水分を抜いて体重を落とす方法は、競技の成績を高める手立てになる」も誤りで、脱水は体温の調節と循環を妨げて成績を下げ、健康の危険も伴う。

    HINT 急に落とすと筋まで落ちる。体重の数字は内訳を教えてくれない。

  23. 暑熱のほかの環境への配慮について、正しいのはどれか。2つ選べ。

    • 1寒い環境では風の強さは体感に影響しないため、気温だけで判断してよい。
    • 2紫外線の量は気温が高い日ほど多くなるため、涼しい日は心配が小さい。
    • 3寒い環境では、濡れた衣類を着たままにすると体温が奪われやすい。正解
    • 4雪や水面では反射した紫外線も加わってくる。正解
    • 5低体温の状態では、まず熱い飲み物を大量に与える。

    Answer

    正解 3:寒い環境では、濡れた衣類を着たままにすると体温が奪われやすい。 / 4:雪や水面では反射した紫外線も加わってくる。

    寒い環境では濡れた衣類が体の熱を奪い続けるため、乾いたものに替えることが低体温の予防になる。また雪面や水面では反射した紫外線が加わるため、受ける量は平地の地面の上より多くなる。「寒い環境では風の強さは体感に影響しないため、気温だけで判断してよい」は誤りで、風が強いほど体から熱が奪われる。「紫外線の量は気温が高い日ほど多くなるため、涼しい日は心配が小さい」も誤りで、紫外線の量は太陽の高さや雲の状態で決まり、気温とは別に考える。「低体温の状態では、まず熱い飲み物を大量に与えて体の中から温める」も誤りで、意識の状態を確かめてから、濡れた衣類を替えて保温し、医療につなぐことが優先される。

    HINT 寒さは「濡れ」と「風」で進む。紫外線は気温ではなく太陽の高さで決まる。

  24. 健康づくりのための身体活動の考え方について、最も適切なのはどれか。

    • 1国の指針では、成人に対して筋力トレーニングを週に1日だけ行うよう示している。
    • 2座っている時間の長さについては、運動の量が足りていれば問われずに済む。
    • 3身体活動の効果は運動の時間に限って生まれるため、生活のなかの動きは数に入れない。
    • 4目標に届かない人には、目標の量へ一度で到達することが勧められる。
    • 5国の指針では、成人に歩行と同じ程度以上の活動を1日60分以上とする。正解

    Answer

    正解 5:国の指針では、成人に歩行と同じ程度以上の活動を1日60分以上とする。

    厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023では、成人について歩行と同じ程度以上の強度の身体活動を1日60分以上、歩数ではおよそ8000歩以上を目安として示している。「国の指針では、成人に筋力トレーニングを週に1日だけ行うよう示している」は誤りで、示されているのは週に2日から3日である。「座っている時間の長さは、運動の量が足りていれば問われない」も誤りで、座りっぱなしの時間が長くならないように気をつけることが併せて示されている。「身体活動の効果は運動の時間に限って生まれるため、生活のなかの動きは数えない」も誤りで、家事や移動など生活のなかの活動も身体活動に含まれる。「目標に届かない人には、まず目標の量に一度で到達することが勧められる」も誤りで、今より少しでも増やすという考え方が示されている。

    HINT 成人は1日60分・約8000歩、筋力トレーニングは週2〜3日。座りすぎにも注意。

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