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資格のニガテ一問一答
JSPO-AT 応用科目科目模擬試験復習

リコンディショニングの板書

講義動画で板書した内容を、全文そのまま置いています。動画を見ながら書き写す必要はありません。必要なところだけ読んでください。

第9回「リコンディショニングの持ち場と、治るまでの時間」

ここからの4回はリコンディショニングです。初回は持ち場の線引きから。医療資格者との関わり、組織が治っていく過程と組織ごとの治りやすさ、固定で落ちるもの、検査と測定の選び方、計画の構成と目標、段階を進める判断、負荷が過大だったサイン、患部外のトレーニングまで。なお本番は五肢択一式および五肢択二式で、2つ選ぶ設問もあります。

00:18この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 修復の過程

    3つ(炎症・修復・再形成)

  • 固定で落ちるもの

    4系統(筋・関節・感覚・全身)

  • 進む条件

    4つ(痛み・可動域・筋力・動作)

  • 修復の過程の3つ:炎症の時期/修復の時期/再形成の時期(再構築期とも呼ばれる)
  • 固定で落ちる4系統:筋(萎縮)/関節(可動域の制限・軟骨の変化)/感覚(位置や動きの感じ取り方)/全身(持久力)
  • 進む条件の4つ:痛みの程度/可動域/筋力/動作の質。どれも「数値が出ているか」ではなく「段階ごとに定めた到達の程度に届いたか」で見る
  • この分野は、公認アスレティックトレーナー専門科目シラバス(公益財団法人日本スポーツ協会・2024年2月21日更新)の「4.リコンディショニング」にあたる。この回は(1)リコンディショニング総論と(3)リコンディショニングのプログラミングが中身
  • 検定試験はComputer Based Testing(CBT)形式で、五肢択一式および五肢択二式。各科目80問・各120分で、基礎科目・応用科目のいずれも7割以上の正答で科目の合格、両科目の合格で専門科目の修了となる
出典(2件)

①持ち場と、適応2節

00:30持ち場と、適応

復帰前の仕上げ、ではない

  • 受傷直後から復帰後までつながる一連の過程
  • 位置づけは医療機関で始まった回復を競技へ引き継ぐ
  • 始まりは医師の診断と指示
01:04持ち場と、適応

同時に進めるのは、3つ

  • 患部の回復/患部外の維持/再発の予防
  • 患部外の内容は初期の段階から計画に組み込む
  • 再発予防は受傷に至った動作と要因を目標に含める

②医療との境目1節

01:33医療との境目

指示の範囲のなかで進める

  • 診断の内容と運動に関する指示を確認してから進める
  • 悪化を捉えたら情報を戻して判断を仰ぐ
  • 診断しない・治療方針を決めない。担うのは確認と報告
  • シラバスの逐語では、各種物理的刺激および徒手的アプローチについて「その特徴を理解して医療資格者と連携し、使用する目的や方法について理解ができるようになること」がねらいとされている(4.リコンディショニング(2)リコンディショニングで用いる代表的な手法)
  • 4.(1)の到達目標の逐語は「JSPO-ATの役割におけるリコンディショニングの位置づけを理解し、その適応と過程について説明ができる。」
出典

③治るまでの過程2節

02:05治るまでの過程

炎症→修復→再形成

  • 炎症=血管の透過性が高まり、腫脹や熱感が前面に出る
  • 修復=新しい組織が作られていく
  • 再形成=線維が張力の方向へ整い、強度が高まる
02:38治るまでの過程

治りやすさは、血流で決まる

  • 筋は血流に富む。損傷しても比較して良好に修復が進む
  • 関節軟骨は血管の分布が乏しく、自然の修復が限られる
  • 骨は瘢痕を作らない。仮骨を経てもとの骨へ置き換わる

④固定で落ちるもの2節

03:13固定で落ちるもの

不動で強くなる組織は、ない

  • 筋の萎縮は固定の早い時期から。姿勢を保つ筋で目立つ
  • 関節の周囲の軟部組織が短縮し、可動域の制限が生じる
  • 感覚と全身の持久力も落ちる。不動で強くなるものはない
03:37固定で落ちるもの

荷重が減ると、軟骨も骨も変わる

  • 荷重と関節運動の刺激が減ると軟骨が軟化し、厚みが減る
  • だから初期から可動域の確保と患部外の運動を始める

⑤計画を立てる4節

03:57計画を立てる

問診→視診→触診→必要な測定

  • 問診で受傷の機転と経過を把握する
  • そのうえで視診と触診を経て、検査の項目を絞る
  • 一式を順に当てると、負担をかけた分だけ情報が増えない
04:21計画を立てる

測る項目は、時期で選ぶ

  • 炎症の徴候が強い時期は負担の少ない項目を選ぶ
  • 同じ項目を繰り返し測り、値の変化を追う
04:42計画を立てる

土台から積む。順序は飛ばさない

  • 炎症の管理と可動域の確保を先に置く
  • そこへ筋力→動作の制御→競技の動作を重ねる
  • 土台を飛ばして競技の動作は、痛みで止まり戻される
05:10計画を立てる

長期から逆算して、短期を置く

  • 復帰の期限を見据えた長期と達成を確かめられる短期
  • 短期は達成したかを判定できる形で書く

⑥段階を進める判断2節

05:28段階を進める判断

届いたか、そして反応はどうか

  • 各段階で定めた到達の程度に届いたかを確かめる
  • あわせて負荷への症状の反応を見てから次へ移る
  • 予定の日が来たから進めるは、根拠になっていない
05:50段階を進める判断

左右の差で見る

  • 片脚のホップなどを傷めていない側と比べる
  • 記録だけでなく動作の質も一緒に見る

⑦過大のサインと、患部外2節

06:14過大のサインと、患部外

翌朝に持ち越しているか

  • 翌朝の熱感・腫脹・可動域の悪化は過大のサイン
  • 判断の基準は翌日に持ち越すか
  • サインが出たら段階を1つ戻して内容を見直す
06:49過大のサインと、患部外

患部を休ませる、全身は休ませない

  • ねらいは全身の持久力と患部以外の筋力の維持
  • 患部への負担が少ない様式を選んで実施する
  • 患部を休ませることと身体全体を休ませることは別
07:20覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 持ち場は指示の範囲のなかで、競技へ引き継ぐ
  • 治り方は炎症・修復・再形成。治りやすさは血流で決まる
  • 固定の害は早い時期から。だから初期から患部外を動かす
  • 進めるのは、条件が満たされたとき

第10回「手法を選ぶ—可動域から荷重まで」

この回は、リコンディショニングで使う手法を1つずつ見ます。可動域の運動の3段、回復の過程でのストレッチング、筋力の進め方の4段、荷重の3段と松葉杖、水中で行う利点と注意、寒冷と温熱の役割、物理的刺激と徒手的アプローチの扱い、補装具とバランス課題、そして負荷の進め方と記録まで。

00:18この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 可動域の運動

    3段(他動・自動介助・自動)

  • 筋力の進め方

    4段(等尺性→求心性→遠心性→速い動き)

  • 荷重

    3段(免荷・部分・全)

  • 可動域の運動の3段:他動(外から加える力で動かす)/自動介助(自力の収縮に外からの補助を加える)/自動(自力だけで動かす)。自分の筋がどれだけ働くかで名前が変わる
  • 筋力の進め方の4段:等尺性の収縮→短縮しながら力を出す求心性→伸ばされながら力を出す遠心性→速い動きでの発揮
  • 荷重の3段:免荷→部分荷重→全荷重。部分荷重の量は医師の指示に従う
  • この分野は、公認アスレティックトレーナー専門科目シラバス(公益財団法人日本スポーツ協会・2024年2月21日更新)の「4.リコンディショニング」にあたる。この回は(2)リコンディショニングで用いる代表的な手法が中身
出典

①可動域と、伸ばす方向2節

00:30可動域と、伸ばす方向

他動→自動介助→自動

  • 他動=外から加える力で関節を動かし、可動性を確保する
  • 自動介助=自力の収縮に、外からの補助を加える
  • 自動=自力だけで動かす。名前は筋の働く量で変わる
01:01可動域と、伸ばす方向

伸ばすのは、硬くなった方向だけ

  • 選ぶのは制限のある方向。緩い方向へは伸張しない
  • 不安定性がある方向へ伸ばすと不安定性が増す
  • 全方向をまとめて伸ばすは、緩い方向まで広げてしまう

②筋力は4段で3節

01:29筋力は4段で

等尺性から入る理由

  • 痛みや動きの制限がある時期は等尺性から導入する
  • ただし効果は実施した角度の周辺に強く現れる
  • だから角度を変えて複数の姿勢で行う
02:04筋力は4段で

等張性へ、そして速い動きへ

  • 可動域と痛みの状態に応じて等張性の運動へ進める
  • 遠心性は負担が大きい。あとの段階に置く
  • 最後に速い動きでの発揮。競技の動作はここに近い
02:30筋力は4段で

遠心性は、強いけれど荒い

  • 短縮性より大きな張力を出せる。筋の量と力を高める手段
  • そのぶん筋痛が出やすい。試合が近い時期は量を抑える
  • 腱の痛みには程度を確かめながら負荷と速度を段階的に

③荷重と、松葉杖2節

02:55荷重と、松葉杖

部分荷重は、見せて覚えさせる

  • 荷重は免荷→部分→全。量は医師の指示に従う
  • 体重計などで量を実感させながら段階的に増やす
  • 感覚に任せると、指示された量から外れる
03:20荷重と、松葉杖

上りは良い脚から、下りは杖から

  • 階段を上がるときは傷めていない脚を先に出す
  • 下りるときは杖と傷めた脚を先に下ろす
  • 体重を受けるのは脇ではなく手の握り

④水中で行う1節

03:48水中で行う

浮力で減らし、粘性で抵抗を作る

  • 浮力で関節への荷重が減る。免荷の時期の歩行練習に使える
  • 粘性が抵抗になる。速く動かせば負荷が増える
  • 水温が高い環境では循環系への負担が陸上より大きいことも

⑤寒冷・温熱と、連携2節

04:22寒冷・温熱と、連携

冷やす目的と、温める目的

  • 寒冷は痛みの抑制に。温度が下がり、痛みの閾値が上がる
  • 寒冷は血流と代謝を抑え、二次的に広がる損傷を小さくとどめる
  • 温熱は組織の伸張性の改善に。冷えた直後は力が出にくい
04:53寒冷・温熱と、連携

物理的刺激と徒手は、連携して

  • 電気の刺激は鎮痛をねらう設定と、収縮をねらう設定が別
  • 収縮を誘発する刺激は固定中の萎縮を抑える目的で用いる
  • 徒手の手技も物理的刺激も医療資格者と連携。目的と適応を共有
  • シラバスの逐語は「各種物理的刺激および徒手的アプローチについてはその特徴を理解して医療資格者と連携し、使用する目的や方法について理解ができるようになることをねらいとする。」(4.リコンディショニング(2)リコンディショニングで用いる代表的な手法)
  • 同じ項目の到達目標は「各種物理的刺激および徒手的アプローチの特徴を説明できる。」で、特徴の説明までが求められている範囲
出典

⑥補装具とバランス2節

05:22補装具とバランス

装具は、外す前提で使う

  • 装具やテーピングは期間を定めた補助
  • 保護の必要性の変化に応じて、段階的に外す
  • つけたままにすると、支えられる前提の動作が残る
05:50補装具とバランス

難しさは、支持面と視覚で上げる

  • 両脚→片脚、開眼→閉眼と段を踏む
  • 腕や頭部を動かす課題を重ねると、さらに上げられる
  • 上げ方は支持面を狭める・視覚を減らす・課題を重ねる

⑦進め方と、記録2節

06:13進め方と、記録

変えるのは、一度に1つ

  • 負荷は量と強度のうち一方だけ変える
  • 両方同時に変えるとどちらが効いたか分からない
  • 実施後に腫脹や痛みが増したら前の段階の負荷まで戻す
06:39進め方と、記録

同じ項目で測り、必要な範囲で渡す

  • 記録するのは実施した内容と、その反応
  • 再評価は同じ項目・同じ条件で繰り返すから比べられる
  • 共有は必要な範囲に限って。医師やコーチへ
07:13覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 段で並ぶ。可動域3段・筋力4段・荷重3段
  • 伸ばすのは硬い方向だけ。緩い方向には加えない
  • 冷やすのは痛みと二次的な損傷、温めるのは伸張性
  • 選ぶ基準は、いま何が足りないか

第11回「部位別—どこを傷めたかで変わること」

この回は部位別です。頚部、肩と肘、体幹、股関節と鼠径部、膝の3系統、すねと足、そして打撲・疲労骨折・再発の予防まで。部位が変わっても手順は同じで、変わるのは何を測って何を進む条件に置くか。その対応を一つずつ見ていきます。

00:18この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 1部位で決める

    3つ(進む条件・戻す動作・止める所見)

  • 膝

    3系統(前十字靱帯・膝蓋大腿・膝蓋腱)

  • 足関節の不安定性

    2つ(構造的・機能的)

  • 1部位で決める3つ:次の段階へ進む条件/どの動作から戻すか/見えたら止める所見
  • 膝の3系統:前十字靱帯の再建術後/膝蓋大腿関節の痛み/膝蓋腱の痛み。見るものと使う手法が違う
  • 足関節の不安定性の2つ:構造的な不安定性(靱帯の弛緩そのもの)と、機能的な不安定性(弛緩が軽くても訴えがある状態)
  • この分野は、公認アスレティックトレーナー専門科目シラバス(公益財団法人日本スポーツ協会・2024年2月21日更新)の「4.リコンディショニング」にあたる。この回は(5)部位別の状態、問題に応じたリコンディショニングが中身
出典

①頚部1節

00:31頚部

頚は、固めるところから

  • 等尺性の収縮から始める
  • 胸椎や肩甲帯の状態も併せて評価する
  • 頚の筋力だけを追うと、同じ場面で同じ負担がかかる

②肩と肘3節

01:00肩と肘

前方脱臼のあと—避ける肢位がある

  • 閉鎖性の運動連鎖の課題から、不安定な支持面へ進める
  • 腱板と肩甲帯の協調を促す。脱臼が起こりやすい肢位は避ける
  • コンタクトの再開は医師の判断が先
01:31肩と肘

投球での肩の痛み—肩甲骨から

  • まず肩甲骨の位置と動きを評価する
  • そのうえで周囲の筋の機能を高める
  • 投球側の内旋の制限は、見ておきたい所見
01:57肩と肘

肘の内側—助ける筋と、量の管理

  • 前腕の屈筋群と円回内筋の機能を高める
  • 投球の数と間隔の管理を再発予防に含める
  • 痛みが消えたから元の本数には戻さない

③体幹2節

02:25体幹

反らすと痛む腰—伸展を減らす

  • 股関節の前面と大腿の前面の柔軟性を組み込む
  • 腰椎を中間位に保ったまま手足をゆっくり動かす課題から
  • 腰椎を反らせている元は、腰の外にあることが多い
02:53体幹

腰痛全般—方向を確かめ、分散させる

  • 痛みの出る方向を確かめ、避けた姿勢に限って始める
  • 股関節や胸椎の可動性を高め、腰椎に集まる負担を分散させる
  • どの腰痛も同じ体幹の課題にはしない

④股関節・鼠径部1節

03:21股関節・鼠径部

鼠径部は、股関節と体幹の合わせ技

  • 股関節周囲の筋力と体幹の安定性を痛みの範囲内で高める
  • 伸ばすだけでは良くならない

⑤膝4節

前十字靱帯の再建術後

  • ハムストリングスは脛骨の前方移動を抑える方向に働く
  • 膝の伸展の獲得は早い段階の課題
  • 切り返しと着地では膝が内側に入る姿勢の修正を課題に含める

太さが戻っても、力は戻っていない

  • 関節内の腫脹や痛みが、随意的な収縮を抑える
  • 周囲長が戻っても、筋力の回復は遅れることがある
  • だから腫脹の管理が筋力の課題の前提になる

膝蓋大腿関節—見るのは股関節

  • 大腿四頭筋に加えて股関節の外転と外旋の筋力を高める
  • 大腿が内へ回ると膝蓋骨にかかる圧が偏る
  • 運動は痛みが軽い範囲から進める

膝蓋腱の痛みと、膝が内に入る姿勢

  • 膝蓋腱の痛みには大腿四頭筋の遠心性を痛みの範囲内で
  • 腱の痛みは遠心性と量の管理が二本柱
  • 膝が内に入る姿勢は股関節の外転筋と外旋筋から見る

⑥すねと足3節

05:31すねと足

すねの内側の痛み—量と地面と接地

  • 足部の接地の状態とすねの筋の柔軟性を確かめる
  • そのうえで走る量と路面の条件を調整する
  • 痛むところを押すだけでは、原因が残る
05:56すねと足

アキレス腱—休ませすぎても弱る

  • 下腿三頭筋の遠心性の訓練を、痛みの程度に応じて漸増する
  • 跳躍や走行の量は、症状をみながら段階を追って戻す
  • 腱は休ませすぎても弱くなる
06:22すねと足

足関節—不安定性と、背屈の制限

  • 不安定性は構造的と機能的の2つに分ける
  • 機能的な不安定性の鍵は感覚と筋の反応
  • 背屈の制限は筋の伸張性と距骨の動きの両面を見る

⑦打撲・疲労骨折・再発予防3節

06:51打撲・疲労骨折・再発予防

大腿の打撲—曲げた位置で、冷やす

  • 直後は膝を曲げた位置のまま圧迫と冷却
  • 強い伸張や深い圧迫の手技は慎重に扱う
  • 揉む・伸ばす・温めるを早い時期に当てない
07:16打撲・疲労骨折・再発予防

疲労骨折と、ハムストリングスの再発予防

  • 疲労骨折のあとは衝撃の小さい運動から量と強度を段階的に
  • ハムストリングスは伸ばされた位置での遠心性を段階的に
  • 体幹と股関節の機能も評価の対象に含める
07:47打撲・疲労骨折・再発予防

可動域の制限は、抵抗感で切り分ける

  • 最終の域での抵抗感の質を手がかりに原因を見分ける
  • 骨性の制限は伸張では改善しない
08:07覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 痛む場所の隣と土台を見る。頚は胸椎、膝は股関節
  • 腱の痛みは遠心性と量の管理。完全に止めない
  • 痛みの方向を避けて始める。腰も膝も鼠径部も
  • 部位は変わる、決める3つは変わらない

第12回「動作に出た問題を、競技へ戻す」

リコンディショニングの最後は、動作に出た問題です。機能の不全をどう観察するか、硬さと左右の差、感じ取る力の回復、痛みを手がかりにした負荷の調整、姿勢と体幹、走る・着地・投球・切り返しの観察、競技へ戻す段階づけ、そして動作を指導するときの進め方まで見ます。

00:19この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 戻す段階

    4段(直線→加速減速→方向転換→競技の中)

  • 観察する点

    3つ(対称・順番・崩れる局面)

  • 1回で直させる

    1つ(同時に3つは直らない)

  • 戻す段階の4段:直線の低速→速度と加減速→方向転換→競技の場面の中。足す要素は一度に1つ
  • 観察する3点:左右が対称か/力の伝わる順番が合っているか/崩れる局面はどこか
  • 1回で直させるのは1つ。同時にいくつも助言すると、本人が自分で直せなくなる
  • この分野は、公認アスレティックトレーナー専門科目シラバス(公益財団法人日本スポーツ協会・2024年2月21日更新)の「4.リコンディショニング」にあたる。この回は(4)各種の機能的、身体的な問題に対するリコンディショニングの実際と、(6)スポーツ動作の問題に対するリコンディショニングの実際が中身
出典

①どこで崩れるかを探す1節

00:31どこで崩れるかを探す

難度を上げて、崩れた瞬間を見る

  • 単純な動作から難度を上げ、どこで代償が出るかを確かめる
  • 崩れた段階が、プログラムの入口になる
  • いきなり競技の動作で見ると、どこが原因か絞れない
  • シラバスの到達目標の逐語は「対象者の機能障害・機能不全の状態を観察するための手法を選択し、活用できる。」(4.リコンディショニング(4)各種の機能的、身体的な問題に対するリコンディショニングの実際)
出典

②硬さと、左右の差3節

00:57硬さと、左右の差

広げた範囲で、力が出せて初めて使える

  • 軽い運動で筋温を上げてから伸張する
  • 得られた可動域をその範囲での筋力の発揮と動作の練習に結びつける
  • 二関節筋は隣の関節の位置を変えて狙う筋を選ぶ
01:23硬さと、左右の差

硬い側が止まると、隣が大きく動く

  • ハムストリングスが硬いと前屈で腰部の屈曲が大きくなる
  • 肩の後方のタイトネスは投球で肩の負担を高める要因
  • 原則は硬い側が止まると、隣の関節が代わりに動く
01:50硬さと、左右の差

そろえ方は、下を上げる

  • 傷めた側の運動の量と強さを高めて差を埋める
  • 良い側を抑えてそろえるのは是正になっていない

③感じ取る力1節

02:08感じ取る力

筋力が戻っても、感覚は遅れて戻る

  • 関節の位置や動きを感じ取る力が低下する
  • 疲労した状態、予期できない外力の場面を課題に組み込む
  • 可動域と筋力が戻っても感覚の遅れは残る

④痛みと姿勢と体幹3節

02:37痛みと姿勢と体幹

見るのは、翌日

  • 運動の最中と翌日の痛みの程度を確かめる
  • 翌日に増していれば負荷を下げて進める
02:56痛みと姿勢と体幹

繰り返す症状は、土台から

  • 骨盤の前傾が強いときは股関節の前面と体幹の働きを併せて
  • 胸椎の後弯が強いときは胸郭の可動性+肩甲帯の再教育
  • 肩甲帯の位置は胸郭という土台に乗っている
03:25痛みと姿勢と体幹

体幹は、負担の軽い姿勢から

  • 四つ這いや背臥位から始め、立位・片脚支持へ進める
  • 難度を上げる手は支持面を狭める・重力に逆らう・手足を動かす

⑤動作を観察して分析する4節

03:44動作を観察して分析する

複数の面から、相に分けて

  • 複数の面から観察する。1方向では見えない崩れがある
  • 動作の相ごとに問題の起こる場面を絞り込む
  • 撮るなら撮影の条件をそろえる。比べられなくなる
04:12動作を観察して分析する

走る—骨盤が落ちる側の、反対を見る

  • 接地で骨盤が支持脚の反対へ落ちるなら股関節の外転の筋力
  • 動作の指導は疲労が軽い状態で、短い距離から反復
  • 歩幅を広げて直すと、接地の衝撃が増える
04:42動作を観察して分析する

着地—静かな着地が、よい着地

  • 外から見る手がかりは着地の音の大きさと膝の向き
  • 股関節から足関節までを協調して曲げ、衝撃を分散させる
  • 両脚の課題から片脚の課題へ。膝が内に入る着地も同時に直す
05:07動作を観察して分析する

投球—投げるのは腕、力は脚から

  • ステップした脚の股関節の可動域と支持の働きを評価に含める
  • 脚から体幹を経て腕へ伝わる順序を確かめる
  • 軸となる脚の支持と骨盤の動きも見直しの対象に入れる

⑥競技へ戻す段階づけ3節

05:38競技へ戻す段階づけ

走る再開—足す要素は1つずつ

  • 直線の低速から始める
  • そこへ速度→方向転換の要素を順に加える
  • 一度に2つ足すと、戻ったときに原因が分からない
05:58競技へ戻す段階づけ

切り返し—要は、減速

  • 減速して重心を低く保つ局面を、分けて練習させる
  • 決めた方向への課題→合図に応じて方向を変える課題
  • 判断を足すのは、形ができてから
06:25競技へ戻す段階づけ

コンタクト—相手なしから

  • 相手と組む前に自分の姿勢を保つ課題を行う
  • 頭部と頚部を安全に保つ姿勢を確かめ、指導者と共有する
  • 再開の可否そのものは医師の判断が先

⑦指導の進め方と、競技特性2節

06:53指導の進め方と、競技特性

言葉は1つに減らす

  • 身体の部位への意識に加えて結果や目印など外に向けた手がかり
  • 一度に直すのは1つ
  • 助言を出しすぎると自分で直せなくなる
07:21指導の進め方と、競技特性

同じ部位でも、種目で中身が変わる

  • 競技で繰り返される動作と求められる能力を計画に反映させる
  • 同じ部位でも種目とポジションで中身が変わる。日程も材料
07:37覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 崩れた段階が入口。難度を上げて探す
  • 硬い側が止まると隣が大きく動く。痛む場所とは別
  • 戻す段階は直線→速度→方向転換→競技の中
  • 言葉を増やすより、段階を1つ下げる

読んだら、解いて確かめる

聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。

リコンディショニングを80問で解く

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