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資格のニガテ一問一答
JSPO-AT 応用科目科目模擬試験復習

救急対応の板書

講義動画で板書した内容を、全文そのまま置いています。動画を見ながら書き写す必要はありません。必要なところだけ読んでください。

第13回「救急対応の持ち場と、起きる前に決めること」

この回は、チームに帯同して競技の中で事故が起きる前提で、救急対応の持ち場と、起きる前に決めておくことを扱います。引き継ぐまでという範囲、現場が医療機関の中と違うところ、ファーストレスポンダー、実施者の心得と倫理・法的な留意点、出血した場面の感染の予防、緊急時対応計画に書く要素、訓練と連絡の経路、競技と会場の特性に応じた備えと器材、そして救急車を送り出す側が整えることまでを見ます。

00:20この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 計画に書くのは

    5点

  • 引き継ぐときに伝えるのは

    4点

  • 現場に置く器材は

    6系統

  • 計画に書く5点:誰が動くか/どこへ運ぶか/どう連絡するか/何を持っていくか/どの道で運び出すか
  • 引き継ぐときの4点:いつ起きたか/何が起きたか/いまどうなっているか/こちらが何をしたか
  • 器材の6系統:気道、止血、固定、冷却、運搬、連絡。系統で持つと、足りないものを数えられる
  • シラバスの救急対応の到達目標は、救急体制構築と緊急時対応計画(EAP)の立案、緊急性の判断、重症度や外傷・内科的疾患に応じた対応、競技・種目特性に応じた計画という並びになっている
出典

①ATの持ち場1節

00:32範囲

引き継ぐまでを、いちばん高いところで

  • シラバスの逐語は医療資格者に引き継ぐための現場で出来る最高レベル
  • 目的は命を守る・悪くしない・早くつなぐの3つ
  • 医師が到着したら、指揮はその人に移る
  • 手当てで終わらない。引き継ぎと記録までが1セット
  • 科目のねらいの逐語は「JSPO-ATの役割における救急対応の位置づけを理解したうえで、医療資格者に引き継ぐための現場で出来る最高レベルの救急対応ができる実践的な知識、態度や技術を習得することをねらいとする」
  • 目的は、命を守る・悪化を防ぐ・医療へ早くつなぐ。この3つの優先の順で現場の判断を組み立てる
  • 診断名を確定して選手や保護者へ伝える、骨折や脱臼を現場で整復して競技へ戻す、搬送先の医療機関を決める。いずれも医師の仕事で、ATの範囲の外にある
  • 医師が到着した時点で指揮は医師に移る。到着まで主導していたからといって、そのあとも主導権を保つ形にはならない
出典

②現場という条件2節

01:13医療機関の中との違い

資源は少なく、環境は変わり、人目がある

  • 資源が少ない。道具も人も、持ち込んだものだけ
  • 環境が変わる。天候、床面、競技の進行
  • 人目がある。観客、報道、仲間と相手チーム
  • 現場の特性は、使える資源が限られること、環境が一定でないこと、人目のあるところで行うことの3つで押さえる
  • 資源が限られるので、器材は「あとで取りに行く」前提では組めない。持ち出す一式と、会場に常設されているものを分けて把握しておく
  • 環境が一定でないので、手順そのものは同じでも、場所・経路・担当は会場ごとに決め直す
  • 人目のあるところで行うため、傷病者の体を覆うものや、周囲を下げる担当も、事前の割り当てに入れておく
01:48最初に動く人

ファーストレスポンダーは、資格ではなく役割

  • ファーストレスポンダー=その場で最初に動く人
  • 医師がいない時間帯をこちらが埋める
  • 勝敗や進行の圧力から判断を独立させる
  • ファーストレスポンダーは、事故が起きた場に最初に居合わせて対応を始める人を指す役割の呼び名で、特定の資格を指すものではない
  • 帯同の現場では医療資格者が常にいるとは限らないため、最初に動く役割を誰が担うかを先に決めておく
  • 勝敗・競技の進行・周囲の期待から判断を独立させておくことが、この役割の要点になる

③心得と留意点2節

02:20順番

自分の安全が先。迷ったら重いほうへ

  • 順番は自分の安全→傷病者
  • 迷ったら重いほうの見立てに寄せる
  • できることの端を、本人が先に知っている
  • 救助に入る順番は、周囲の安全と自分の安全の確保が先。危険が残る場では、傷病者に近づく前に安全を確保する
  • 緊急性の判断に迷う場面では、重症の側を前提に動き出す。軽く見積もって外したときの損のほうが大きい
  • 自分の持ち場の端を事前に知っていることが、現場で迷わずに引き継ぎへ進める条件になる
02:48記録と法律

書かなかった処置は、残らない

  • 記録は処置の内容・時刻・状態の変化。事実だけ
  • 救急隊への情報は紙にして渡せる形にしておく
  • 法律は指針2025(市民用)の書き方のまま受け取る
  • 結論を足さず、所属の規程と記録と引き継ぎに寄せる
  • 記録に残すのは、実施した処置の内容と時刻、傷病者の状態の変化。あとから確かめられる形にしておく
  • 救急隊への情報提供を口頭だけで済ませない。紙にした情報を用意しておくと、同行しない場面でも伝わる
  • 保護者に連絡がつくまで本人への説明と手当てをすべて保留する、という形は取らない。できる範囲の説明と処置は進めながら、連絡を並行して行う
  • 指針2025の逐語:「わが国においては民法第698条の『緊急事務管理』の解釈により、悪意または重大な過失がない限り、善意の救助者が傷病者などから損害賠償責任を問われることはないと考えられています」
  • 同じ指針の逐語:「医師法第17条では、『医師でなければ、医業をなしてはならない』と定められていますが、救命の現場にたまたま居合わせた市民が救命処置を行うことは医業にはあたりません」
  • この記述は市民(その場にたまたま居合わせた人)についてのもの。指針2025は、帯同して業務として対応する立場の責任については述べていない
  • 業務として対応する場合の扱いは、所属先の規程と、契約・保険の条件で確かめる
  • 原文は「考えられています」「あたりません」という書き方で止まっている。現場の側でできるのは、所属の規程に従うこと、記録を残すこと、医療資格者に引き継ぐこと
出典

④血液に触れる場面1節

03:49感染の予防

誰の血液も、同じように扱う

  • 誰の血液も同じに扱う。相手で手順を変えない
  • 手袋かビニール袋を手袋の代わりに。無いことは理由にならない
  • 汚れた布と用具は分けて片づける。床の血液も残さない
  • 血液や体液は、相手が誰であっても同じ手順で扱う。相手の状態や間柄で手順を変えない
  • 指針2025の逐語:「止血の際に血液に触れて救助者が感染症にかかる危険はわずかですが、念のために、可能であれば救助者はビニール手袋を着用するか、ビニール袋を手袋の代わりに使用するとよいでしょう」
  • 手袋が手元に無いことは、止血に入らない理由にならない。ビニール袋などで代用する
  • 血液のついた布・用具・床面の片づけまでを、その場面の手順に入れておく
出典

⑤緊急時対応計画2節

04:23書く5点

誰が・どこへ・どう連絡し・何を持って・どの道で

  • 誰が=通報・手当て・誘導・交代を、名前で決める
  • どこへ=搬送先と、救急車を着ける場所
  • どう連絡し=かける番号と、折り返しの取り方
  • 何を持って・どの道で=器材と、運び出す経路
  • 緊急時対応計画(EAP)に書くのは、誰が動くか/どこへ運ぶか/どう連絡するか/何を持っていくか/どの道で運び出すか
  • 「誰が」は役割ごとに名前で決める。通報、手当て、周囲の誘導、交代まで含める
  • 「どこへ」は、受け入れを確かめた医療機関と、救急車を着ける具体的な場所。入口が複数ある会場では、どの入口かまで決める
  • 「どう連絡し」は、かける番号と折り返しを受ける手段。電波の届かない場所がある会場では、通じる位置も書いておく
  • 「何を持って・どの道で」は、器材の置き場から傷病者まで、そこから救急車までの経路
出典
05:06最初に決める1つ

何を緊急と呼ぶかを、先に決める

  • 第一歩は緊急の定義。線が無いと誰も動き出せない
  • 会場ごと・人ごとに具体的に。汎用の1枚は動かない
  • 大会ごとに書き換える前提で作る
  • 計画の第一歩は、どの状態を緊急と呼ぶかを決めること。起動の線が言葉になっていないと、誰も動き出せない
  • 計画は会場ごと・人ごとに具体的に書く。どの会場でも使える汎用の文書にすると、現場では機能しない
  • 大会ごとに会場・担当・搬送先を差し替える前提で作る。前の大会の文書をそのまま持ち込まない

⑥計画を動かす2節

05:39訓練と役割

作った時点では、まだ半分

  • 訓練と予行演習を日程に入れる。紙だけでは動かない
  • 役割は知識と技能で割り当てる。年次ではない
  • 資格者だけの役割にすると、その人がいない日に止まる
  • 計画は作った時点では半分。訓練と予行演習、そのあとの改訂まで含めて、はじめて動く計画になる
  • 役割は知識と技能で割り当てる。在籍の長さや立場で割ると、動ける人が動かない配置になる
  • 特定の資格を持つ人だけの役割にすると、その人が不在の日に計画が止まる。誰が欠けても回る形に割り直す
  • 訓練で分かったことを計画に戻す。戻していない計画は、回数を重ねても同じところで止まる
06:11引き継ぎ

いつ・何が・どうなった・何をした

  • 伝えるのはいつ・何が・いまどう・何をしたの4点
  • 見立てや病名は足さない。見えた事実で渡す
  • 救護本部と救急要請は、どちらかではなく同時に
  • 引き継ぐときに伝えるのは、いつ起きたか/何が起きたか/いまどうなっているか/こちらが何をしたかの4点
  • 見立てや病名を足さない。見えた事実と実施した処置だけを渡すほうが、受け取る側の判断を狭めない
  • 救護所や大会ドクターが置かれている大会では、救護本部への連絡と救急要請を同時に進める。どちらかを選んで片方を遅らせない

⑦競技と会場3節

06:47固有の項目

会場が変われば、計画も変わる

  • 屋外は雷。中断と退避の線を、始まる前に決める
  • 水のある会場は引き上げの手順と担当
  • 山間や遠い会場は搬出にかかる時間から逆算
  • 会場ごとに固有の項目が出る。屋外の大会は雷、水のある会場は引き上げ、山間や遠い会場は搬出にかかる時間
  • 屋外は、中断の線と退避の場所を競技が始まる前に決めておく
  • 水のある会場は、誰が引き上げに入るか、入らずに届く道具があるかまで決める
  • 搬出に時間がかかる会場では、そのぶん現場に置く器材を厚くする
出典
07:19器材

器材は3つそろって、はじめて使える

  • 置き場所・使う人・点検の記録がそろって使える
  • 置き場は到達までの時間で決める
  • 打球や衝突の競技は、除細動器を近くへ
  • 系統は気道・止血・固定・冷却・運搬・連絡の6つで数える
  • 器材は、置き場所が共有されていること、使える人がいること、点検の記録があることの3つがそろって、はじめて使えるものになる
  • 置き場は到達までの時間で決める。施錠した棚に入っている器材は、置いてあるだけの状態にあたる
  • 打球が体に当たる競技や衝突のある競技では、除細動器を競技の場に近づけて置く
  • 器材は気道・止血・固定・冷却・運搬・連絡の6系統で数えると、足りていないところが分かる。運ぶための器材を落としやすい
  • この系統分けは、数えやすくするためにこの講義で整理したもの
  • シラバスが挙げている器材は、運搬/止血/固定/RICE処置/頭頚部・脊椎外傷の対応/労作性熱中症の冷却。到達目標には「重傷度に応じた体位管理・保温・運搬が実践できる」とある
出典
08:01送り出す側

乗せて終わりにしない

  • 同行する人を1人決める。決めずに乗せない
  • 紙にした情報を持たせる。口頭だけにしない
  • 通報を頼むなら入口の場所と折り返しの番号
  • 搬送のときに送り出す側がやることは、同行する人を1人決めること、紙にした情報を持たせること
  • 同行者を決めないまま乗せると、医療機関で状況を話せる人がいない状態になる
  • 通報を頼む相手には、伝える内容を指定する。会場のどの入口から入るか、折り返しを受ける番号。傷病の見立てを頼んだ相手に負わせない
  • 通報を受けた側の指示に従う前提で頼む。頼まれた側が自分で判断しなくても済む形にしておく
08:37覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 持ち場は引き継ぐまで。そこを最高のところまで上げる
  • 計画は5点。緊急の定義から書き始める
  • 紙は訓練と改訂で動く。役割は知識と技能で割る
  • 決まっていないことは、現場では決まらない

第14回「倒れている選手を、見る順番」

この回は、競技の中で倒れた選手を見る順番を扱います。初期評価で確かめる4つ、グラウンド上での進め方と競技を止める権限、体位の管理とうつ伏せから向きを変える手順、頚椎の損傷が疑われるときの気道と運搬、頭を打った選手で直ちに搬送する徴候、心停止を疑う判断と胸骨圧迫の深さ・テンポ、落雷で複数が倒れた場面、そして受診のさせ方と搬送後にその日のうちにやることまでを見ます。手順の数値は救急蘇生法の指針2025(市民用)を出典にしています。

00:17この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 初期評価で見るのは

    4つ

  • 胸が沈む深さは

    約5cm

  • 圧迫のテンポは

    100〜120回/分

  • 初期評価で見る4つ:反応/気道/呼吸/循環と大きな出血
  • 指針2025の逐語:「傷病者の胸が約5cm沈み込むように強く、速く、絶え間なく圧迫します」「圧迫のテンポは1分間に100~120回です」
  • 同じ指針の図4(JRC蘇生ガイドライン2025「市民用BLSアルゴリズム」より引用と明記)には、強く(約5cm)/速く(100~120回/分)/絶え間なく(中断を最小にする)と並んでいる
  • 小児では胸の厚さの約1/3沈み込む程度に圧迫する。傷病者の体が小さくて両手では強すぎる場合は片手でもかまわないとされている
出典

①見る順番2節

00:33初期評価

最初に見る4つは、決まっている

  • 見るのは反応・気道・呼吸・循環と大きな出血
  • 反応は、肩を軽くたたいて大きな声で呼びかける
  • 気道と呼吸。普段どおりかどうかで見る
  • 循環と大きな出血。触診と関節の評価は、まだ先
  • 初期評価(一次評価)で確かめるのは、反応/気道/呼吸/循環と大きな出血の4つ
  • 反応の確認は、肩を軽くたたきながら大きな声で呼びかける。目を開けるなどの応答や目的のある仕草があれば反応があると判断する
  • 呼吸は「しているか」ではなく「普段どおりか」で見る
  • 痛みの部位の触診や関節の評価は、初期評価のあと。順番を入れ替えると、重いものを先に見落とす
  • 提言の逐語(p.19「救急医療のABC」):「救急医療の現場には「ABC」とよばれる優先順位があります。Airway(気道)を確保する/Breath(呼吸)を補助する/Circulation(循環)を保つ」
  • 「初期評価」「大出血」という語は、救急蘇生法の指針2025(市民用)には出てこない。この4つの並べ方はABCの枠組みに反応を加えて整理したもの
出典
01:13コート上での進め方

命の確認が先。止めるのは運営

  • 命の確認が先、部位の評価はあと
  • 途中で異常に気づいたら、手順を中断して切り替える
  • 競技を止める権限は審判と運営。こちらにはない
  • だから止めてほしいと自分から伝えて入る
  • コート上での評価は、命に関わる確認を先に行い、部位の評価はそのあとに回す
  • 評価の途中で異常に気づいた場合は、進めていた手順を中断して対応を切り替える
  • 競技を止める権限は審判と運営にある。ATは「止めてほしい」と自分から伝えてから入る
  • 黙って入って再開を待つのでも、自分の判断で競技を止めるのでもない

②体位と向き2節

01:50原則

楽な姿勢か、回復体位か、仰向けか

  • 反応があれば本人が望む姿勢で安静に
  • 反応がなく普段どおりの呼吸がある→回復体位
  • 迷うときは仰向けに戻して見直す。観察は続ける
  • 指針2025の逐語:「救急隊が到着するまでは、傷病者に反応があれば、本人が望む姿勢にして安静を保ちます」
  • 同じ指針の逐語:「反応はないが普段どおりの呼吸をしている傷病者に対しては、横向きに寝た姿勢(回復体位)にして、喉の奥の空気の通り道が狭まったり、吐物で詰まったりすることを予防します」
  • 回復体位にした場合は、救急隊が到着するまで観察を続ける。普段どおりの呼吸かどうか判断に迷うときは、ただちに仰向け(仰臥位)に戻して観察しなおす
  • 反応がなく普段どおりの呼吸をしていなければ、仰向けにして心肺蘇生を行う
出典
02:21うつ伏せから

返すと決めたら、全員で同時に

  • 呼吸の確認と心肺蘇生に移るなら、返す
  • 頭を支える人を1人決め、合図で全員同時に
  • 頭と体幹を一体のまま。ねじらない
  • うつ伏せで反応がなく、呼吸の確認や心肺蘇生に移る必要がある場合は、頚椎の損傷が疑われても仰向けに返す
  • 返すときは頭を支える人を1人決め、その人の合図で全員が同時に動く。頭と体幹を一体のまま動かす
  • 指針2025の逐語:「頭を引っ張ったり、曲がっている首を戻そうとしたりせず、そのままの位置で保持します」
出典

③頚椎2節

02:54気道

頭を倒せないなら、あごを前へ

  • 頭を倒せないときは、下あごの骨を前へ出す
  • 喉の軟らかいところを押さない。かえって狭まる
  • 気道を理由に圧迫の開始を遅らせない
  • 頚椎の損傷が疑われる場面では、頭を後屈させずに下あごの骨を前へ出す形で気道を広げる
  • 喉の軟らかい部分を押すと、空気の通り道はかえって狭くなる。動かすのは骨の部分
  • 気道の確保を理由に胸骨圧迫の開始を遅らせない。普段どおりの呼吸がなければ、圧迫を先に始める
03:23運搬と用具

一体で運ぶ。用具は両方か、両方外す

  • 運ぶときも頭と体幹を一体で。人数と合図を先に決める
  • 意識が戻っても固定は外さない
  • ヘルメットと肩の防具は両方残すか、両方外す
  • 運搬は頭と体幹を一体のまま行う。人数と合図の出し手を、持ち上げる前に決める
  • 意識が戻っても固定は外さない。意識が戻ったことは損傷がないことの根拠にならない
  • ヘルメットと肩の防具は、両方残すか両方外すかにそろえる。片方だけ外すと頚部の位置が崩れる
  • 指針2025(市民用)の逐語:「頸椎を固定する器具の一つに頸椎カラーがありますが、装着する際に頸椎の損傷を悪化させるおそれがあるため、自己判断で使用することは避けてください」
  • これは市民用の記述で、訓練を受けていない人が独断で装着することを避ける趣旨。頸椎カラーそのものを使わないという意味ではない
  • 提言の逐語(p.21「搬送には厳重な注意が必要」):「頸部保護の器具がついた担架(バックボードあるいはスパインボードとよばれます)を使用します。乗せる前に頸椎カラーを装着することが推奨されます」
出典(2件)

④頭を打った選手2節

03:51搬送の線

進むものと、左右差のあるもの

  • 意識の低下が進む。呼びかけへの反応が落ちていく
  • 手足の麻痺に左右差がある
  • 繰り返す吐き気、強くなる頭痛、けいれん、瞳の左右差
  • 同じことを何度も聞く。前後が思い出せない
  • すぐに搬送する側で扱う徴候は、進行する意識の低下、手足の麻痺の左右差、繰り返す吐き気や強くなる頭痛・けいれん、瞳の大きさの左右差
  • 線になるのは「進んでいるか」と「左右差があるか」。受傷直後の軽い痛みだけでは、この線に当たらない
  • 本人が大丈夫だと話していても、徴候に当たれば搬送の側で扱う
  • 提言の逐語(p.16):「持続する、あるいは急激に悪化する意識障害、手足の麻痺、言語障害、けいれん(ひきつけ)、何度も繰り返す嘔吐、瞳孔不同(瞳の大きさが左右で違う)、呼吸障害などの症状は、誰が見てもすぐに重篤な状態だとわかります」
  • 「同じことを何度も聞く」「受傷前後が思い出せない」は、提言では重篤な神経症状の側ではなく、軽症に見えても受診すべき場合の側に置かれている。搬送の線とは分けて覚える
出典
04:28戻った選手

戻っても、その日は戻さない

  • 十数秒で戻って走れると話す。当日は戻さない
  • 運動中に意識を失ったら心臓かもしれない
  • 受診させる。本人の申し出で判断しない
  • 運動中に意識を失い、短時間で戻った場合も、その日は競技に戻さず受診させる
  • 運動中の意識喪失は、頭部の外傷ではなく心臓に原因がある場合もある。戻ったことを根拠にしない
  • 受診の判断を本人の申し出に委ねない。付き添いを決め、起きたことを紙にして持たせる

⑤心停止3節

04:56始める線

迷ったら、心停止として始める

  • 呼吸は胸と腹の動きを10秒以内で見る
  • していない・普段どおりでない・迷う→心停止として開始
  • しゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸は、普段どおりではない
  • 心停止でない人への圧迫で重大な障害が生じたという報告はない
  • 指針2025の逐語:「傷病者の上半身を見て、10秒以内で胸と腹の動き(呼吸をするたびに上がったり下がったりする)を観察します」
  • 同じ指針の逐語:「胸と腹の動きから、呼吸をしていない、または呼吸はしているが普段どおりではないと判断した場合や判断に迷う場合は心停止と考えて、ただちに胸骨圧迫を開始してください」
  • 同じ指針の逐語:「突然の心停止の直後にはしゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸がみられることも少なくありません。これは『死戦期呼吸』と呼ばれるものであり、『普段どおりの呼吸』ではありません」
  • 同じ指針の逐語:「心停止でない傷病者に胸骨圧迫を行ったことで重大な障害が生じたという報告はありません」
  • 反応はないが普段どおりの呼吸をしている場合は、様子をみながら応援や救急隊の到着を待つ。呼吸がなくなったり普段どおりでなくなったら、ただちに胸骨圧迫を開始する
出典
05:43圧迫の質

強く約5cm、速く100〜120回、絶え間なく

  • 強く約5cm、速く1分間に100〜120回、絶え間なく
  • 押すたびに胸を元の高さまで戻す。手は浮かせない
  • 人工呼吸の技術と意思があれば胸骨圧迫30回と人工呼吸2回
  • 救急隊に引き継ぐまで続ける。AEDが来ても止めない
  • 指針2025の逐語:「傷病者の胸が約5cm沈み込むように強く、速く、絶え間なく圧迫します」「圧迫のテンポは1分間に100~120回です」「小児では胸の厚さの約1/3沈み込む程度に圧迫します」
  • 同じ指針の逐語:「圧迫と圧迫の間(圧迫をゆるめている間)は、胸が元の高さに戻るよう十分に圧迫を解除して、胸に力がかからないようにします」。ただし手が胸から離れて宙に浮かないようにする
  • 同じ指針の逐語:「講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、胸骨圧迫に人工呼吸を組み合わせます。『胸骨圧迫を30回行ったら、人工呼吸を2回行う』を1サイクルとして、このサイクルを救急隊員と交代するまで繰り返します」
  • 人工呼吸のやり方に自信がない場合や、行うことにためらいがある場合は、胸骨圧迫だけを続けてよいとされている。ただし、とくに小児では組み合わせることが望まれるとも書かれている
  • 同じ指針の逐語:「救急隊に引き継ぐまで、絶え間なく胸骨圧迫を続けることが大切です」。続ける終点は、救急隊に引き継ぐまで、または普段どおりの呼吸や目的のある仕草が認められるまで
  • 疲れてくると深さが浅くなり、テンポも遅くなる。手伝う人がいる場合は1〜2分を目安に役割を交代し、交代による中断をできるだけ短くする
出典
06:38競技中の場面とAED

胸に当たって倒れたら、心停止を先に疑う

  • 打球が胸に当たって倒れ、反応がない→心停止を先に疑う
  • AEDは到着したら速やかに。それまで圧迫を続ける
  • 電極パッドはパッドや袋のイラストどおりに貼る
  • 打球が胸に当たった直後に倒れて反応がない場面では、胸部の外傷よりも心停止を先に疑い、一次救命処置の手順に入る
  • AEDは到着したら速やかに使用し、到着するまでは胸骨圧迫を続ける
  • 電極パッドは、本体や袋に描かれたイラストが示す位置に貼る。指針2025の図4には「素肌にパッドを貼ることができれば、服を全て脱がさなくてもよい」と注記がある
  • 小学校に上がる前の子どもには未就学児用パッドか未就学児用モードを使う。どちらも無ければ小学生〜大人用を使う。小学生〜大人の傷病者に未就学児用パッドは使わない
出典

⑥多数と、自分の身1節

07:10多数と、自分の身

反応がない人から。自分の傷も残さない

  • 落雷で複数が倒れた→反応がない人から行く
  • 落雷の傷病者は帯電していない。待つ理由はない
  • 速く浅い呼吸としびれ→吐く息を長く。紙袋は使わない
  • 自分の傷口に血液が触れた→洗って報告して受診
  • 傷病者が複数いる場面では、反応がない人から対応に入る
  • 落雷に遭った傷病者が帯電していることはない。触れるのを待つ理由はなく、やけどより先に反応と呼吸を確認する
  • 速く浅い呼吸と手足のしびれが出た場面では、落ち着ける場所へ移し、吐く息を長くするよう促す。紙袋などで吐いた息を吸い直させる方法は用いない
  • 自分の傷口や粘膜に血液が触れた場合は、すぐに洗い、所属へ報告し、受診する。相手の検査の結果を待ってから動く形にしない

⑦受診とそのあと1節

07:57受診とそのあと

中間の答えを持つ。その日のうちに残す

  • 歩ける捻挫は付き添って受診。変化したら切り替える
  • その日のうちに記録。見ていた人の話は別々に
  • 対応したスタッフも当事者。続くなら相談先へ
  • 相談できる窓口を事故の前に調べておく
  • 歩ける程度の捻挫は、付き添って受診させ、状態が変われば対応を切り替える。救急車か様子見かの二択にしない
  • 搬送後は、その日のうちに記録を残す。目撃していた人の話は別々に聞く
  • 指針2025の逐語:「多くの場合、こうした症状は時間とともに軽減しますが、症状が続いたり、その程度が強い場合には自分だけで思い悩まずに、身近な人や専門家に相談してください」
  • 同じ指針の逐語:「消防本部、保健所、病院などにサポート窓口が設置されている地域もあります」。相談先は事故の前に調べておく
出典
08:52覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 最初に見るのは4つ。命の確認が先、部位はあと
  • 呼吸は10秒以内。迷ったら心停止として始める
  • 強く約5cm、速く100〜120回、引き継ぐまで
  • 頚椎は一体で動かす。頭は進むものと左右差で運ぶ

第15回「外傷と内科—現場でやること、やらないこと」

この回は、競技中に起きた外傷と内科的な場面で、現場でやることとやらないことを扱います。勢いよく出血している傷、土が入り込んだ深い傷、抜けない異物と出た臓器、切断された部分と抜け落ちた前歯、骨折とショックの徴候、側胸部と頚部前面の打撲、腹腔内の損傷を疑う所見、労作性熱射病の冷却、暑い日に応答があいまいな選手、低ナトリウム血症と低血糖、赤褐色の尿、蜂に刺された場面までを見ます。手順の数値は救急蘇生法の指針2025(市民用)を出典にしています。

00:20この回で数えるもの

数えるのは、この3つ

  • 現場でやることは

    4つ

  • 傷の処置で守るのは

    3段

  • 元に戻さないものは

    3つ

  • この「4つ/3段/3つ」の整理は、数えやすくするためにこの講義でまとめたもの。シラバスの到達目標はけがの種類ごとに並んでいる
  • 現場でやる4つ:止める/冷やす/動かさない/運ぶ
  • 傷の処置で守る3段:自分を守る/出血を止める/汚れを持ち込まない
  • 元に戻さない3つ:刺さった物は抜かない/出た臓器は押し戻さない/変形した手足は元の形に戻さない
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①出血2節

00:32直接圧迫

当てて、押さえて、外さない

  • まず手袋。無ければビニール袋を手袋の代わりに
  • 出血部位にガーゼ・ハンカチ・タオルを当てて直接圧迫
  • 止まらないのは位置がずれている・力が弱い
  • 確かめるために外さない。救急隊が来るまで押さえ続ける
  • 指針2025の逐語:「出血部位を見つけ、そこにガーゼ、ハンカチ、タオルなどを当てて、その上から直接圧迫して止血を試みてください(直接圧迫止血法)」
  • 同じ指針の逐語:「圧迫したにもかかわらず、出血がおさまらないときは、圧迫位置が出血部位からずれていたり、圧迫する力が弱い場合があります。救急隊が到着するまで出血部位をしっかり押さえつづけてください」
  • 同じ指針の逐語:「可能であれば救助者はビニール手袋を着用するか、ビニール袋を手袋の代わりに使用するとよいでしょう」
  • 包帯などを利用した即席の止血帯で手足の付け根側を縛る方法について、同じ指針は神経などを傷める危険があり、実施するにはトレーニングを受けるようにと書いている
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01:18汚れた傷

洗うのが先。消毒より流水

  • 土で汚れた傷は清潔な流水で十分に洗う
  • 消毒薬は必ずしも必要なく、流水での洗浄がもっとも重要
  • 深い傷・汚れのひどい傷は受診。破傷風の確認まで
  • 指針2025の逐語:「土などで汚れた傷口をそのままにしておくと化膿したり、傷の治りが悪くなる場合があります。すみやかに傷口を水道水など清潔な流水で十分に洗ってください」
  • 同じ指針の逐語:「消毒薬は必ずしも必要なく、流水での洗浄がもっとも重要です。深い傷や汚れがひどい傷では、流水で洗浄後、傷口を清潔に保ってすみやかに医師の診察を受けてください」
  • 同じ指針は、破傷風の予防接種をしていない場合や前回の接種から何年も経過している場合、あとで破傷風になる心配もあると書いている
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②元に戻さない2節

01:54刺さった物と出た臓器

抜かない、押し戻さない

  • 刺さった物は抜かない・切らない・動かさない
  • 周りを支えて固定し、そのまま運ぶ
  • 創口から腸が出ていたら押し戻さず、湿らせて覆う
  • 刺さったまま抜けない物は、抜かない・切らない・動かさない。周囲を支えて固定し、そのままの状態で搬送する
  • 出血は、刺さった物を避けた周囲から押さえる
  • 創口から臓器が出ている場合は押し戻さない。乾燥させないよう湿らせて覆い、そのまま搬送する
02:26切れたもの

湿らせて包み、袋ごと冷やす

  • 切断された部分は湿らせた清潔な布で包み、袋に入れる
  • 袋ごと冷たい水につける。水に直接ひたさない
  • 抜けた歯は保存液か冷えた牛乳。付け根に触れない
  • 指針2025の逐語:「まず、切り離された部位を湿らせた清潔な布やガーゼなどで包みます。それをビニール袋などに入れて、しっかりと口を閉じます。袋ごと冷たい水、できれば氷を浮かべた水につけた状態で、すみやかに病院に持参します。重要なのは、切り離された部位を水に直接ひたさないことです」
  • 同じ指針の逐語:「抜けた歯は『歯の保存液』もしくは冷えた牛乳にひたすか、それらがなければ、乾燥させないようにラップフィルムに包んで、すみやかに歯科医師の診察を受けてください」「抜けた歯を持つときには付け根の部分に触れないようにします」
  • 歯が抜けた部分の歯ぐきからの出血は、丸めた綿やティッシュペーパーなどで圧迫して止血を試みる
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③骨折とショック2節

03:04固定

変形は、そのままの形で固定する

  • 手足が変形していたら骨折を強く疑う
  • 元に戻す必要はない。そのままの形で固定する
  • 固定は添え木や三角巾。捻挫と打ち身は冷やす
  • 指針2025の逐語:「けがで手足が変形している場合は骨折が強く疑われます。変形した手足を固定することで、移動する際の痛みを和らげたり、さらなる損傷を防ぐことができます。固定には添え木や三角巾などを使用します。変形した状態を元に戻す必要はありません」
  • 同じ指針の逐語:「捻挫や打ち身(打撲)は、冷却パック・氷水などで冷やします」「冷却パックを使用する際には、皮膚との間に薄い布などを挟んで直接当たらないようにしてください」
  • 動くかどうかを確かめるために動かさない。確かめる動作そのものが損傷を広げる
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03:38見えない出血

青白い顔と速い脈は、運ぶ合図

  • 骨盤と脚の骨折は見えない出血が起きている
  • 顔色が青白く脈が速い→ショックを疑う
  • 持ち上げる・座らせる・歩かせるは、どれも逆
  • 骨盤や脚の骨折が疑われる場面では、体の中で大量に出血していることがある。外から見える出血の量で重さを決めない
  • 顔色が青白い、脈が速い。ショックを疑う所見にあたるので、119番通報し、保温しながら到着を待つ
  • 持ち上げる、座らせる、歩かせるのはいずれも避ける。動かさずにその場で保ち、搬送は救急隊に委ねる

④体幹の打撲2節

04:09胸と喉

締めて固めない。飲ませずに運ぶ

  • 側胸部の強打で一点に鋭い痛み→締めて固めない
  • 楽な姿勢で、咳のときは手で支えさせる
  • 頚部の前面を打って声のかすれ→飲ませずに運ぶ
  • 側胸部の強打で一点に鋭い痛みがある場面では、胸をきつく巻いて固めない。呼吸がしにくくなる
  • 本人が楽な姿勢をとらせ、咳が出るときは痛むところを手で支えさせる。そのうえで受診させる
  • 頚部の前面を打ったあとの声のかすれと息苦しさは、空気の通り道が狭くなっていく可能性を示す所見。飲み物を与えず、呼吸の変化を見ながら搬送する
04:43腹の中

疑うのは、全身の所見と広がる痛み

  • 腹腔内の損傷はショックの徴候で疑う
  • 肩へ広がる痛みも、その側の所見
  • 表面に限る圧痛だけなら別。疑いは搬送の判断のため
  • 腹腔内の臓器の損傷を疑うのは、全身に出るショックの徴候と、打った場所から離れた肩へ広がる痛み
  • 押した部位に限られる圧痛は、この疑いの所見とは別に扱う
  • 所見を挙げるのは、搬送するかどうかを決めるため。現場で病名をつけるためではない

⑤労作性熱射病2節

05:14分かれ目

休ませるだけでは、足りない

  • 意識がもうろう・体温が極端に高い→ただちに119番
  • 到着まで冷やしつづける。涼しい場所で休ませるだけでは足りない
  • 冷やし方は衣服をゆるめ、体を濡らし、風を当てる
  • 氷のうは脇の下・太ももの付け根・首
  • 指針2025の逐語:「意識がもうろうとしている、体温が極端に高いなどの症状がある場合は、ただちに119番通報し、救急隊が到着するまで体を冷やしつづけてください」
  • 同じ指針の逐語:「体を冷やすために、衣服を脱がせて体を濡らし、うちわや扇風機で風を当てるのが効果的です。氷のうや冷却パックなどを用いて冷やすときは脇の下、太ももの付け根、首などに当てますが、頰、手のひら、足の裏などでもよいでしょう」
  • 立ちくらみ、こむらがえり、大量の汗といった症状だけなら、風通しのよい日陰やクーラーの効いた部屋へ移して安静にさせ、体を涼ませながら塩分と糖分を含んだ飲み物を与える。頭痛や吐き気、倦怠感があるときは体を冷やして病院を受診させる
  • 冷却の温度や時間、目標とする体温については、指針2025(市民用)に値が書かれていない。現場で確かに守れるのは、冷やす場所とやり方、そして付き添いの役目のほう
出典
05:56冷やしている間

冷やす人のほかに、見る人を置く

  • 浸けて冷やすなら頭を水面上に保つ
  • 意識と呼吸を見続ける人を1人置く
  • 無理に飲み物を与えない。肺に吸い込む危険がある
  • 冷水に浸けて冷やす場面では、頭を水面上に保つことと、意識と呼吸を見続ける人を冷やす人とは別に置くことが付き添いの役目になる
  • 状態が変わったら、冷やすのをやめるのではなく一次救命処置の手順へ切り替える
  • ガイドブック第6版の逐語:「現場での身体冷却法としては氷水に全身を浸して冷却する方法「氷水浴/冷水浴法」が最も効果的とされています」「学校や一般のスポーツ現場では、水道につないだホースで全身に水をかけ続ける「水道水散布法」が、次に推奨されます」
  • 同じガイドブックは、冷却の目安を「直腸温が約39°Cとなるまで」「いかに速く(約30分以内に)体温を40°C以下に下げることができるか」と示している
  • 指針2025(市民用)の逐語:「このような場合、無理に飲み物を与えると肺に吸い込んでしまうことがあるので危険です」
  • 同じ指針が示す冷やし方は「衣服を脱がせて体を濡らし、うちわや扇風機で風を当てる」と「氷のうや冷却パックを脇の下、太ももの付け根、首などに当てる」の2つで、浸けて冷やす方法は書かれていない
出典(2件)

⑥応答があいまい1節

06:30応答があいまい

冷やすのと、原因を探るのは同時

  • 暑い日に倒れて応答があいまい→冷やしながら探る
  • 暑さだけに決めない。低血糖も、頭を打った可能性もある
  • 応答があいまいなら口から入れない
  • 暑熱下で倒れて応答があいまいな場面では、冷やす対応と原因を探る評価を同時に進める
  • 暑さだけを原因と決めない。血糖が下がりすぎている場合や、倒れたときに頭部を打っている場合もある
  • 応答があいまいなうちは、水でも糖分でも口から入れない。喉に詰まったり肺に吸い込んだりする危険がある

⑦内科3節

07:02飲みすぎから起こるもの

体重が増えた選手が、危険側

  • 長時間の持久系では飲みすぎから起こることがある
  • 競技の前後で体重が増えた選手が危険側
  • 水をさらに飲ませない。受診へつなぐ
  • 運動時の低ナトリウム血症は、長時間の持久系の競技で水分を多く摂ったことから起こることがある
  • 競技の前後で体重が増えている選手が危険側にあたる。体重は前と後の両方で測る
  • 疑った場面で水をさらに飲ませない。活動を止めて受診につなぐ
07:31血糖が下がったとき

飲み込めるか、で分かれる

  • 生あくび・冷や汗・指先のふるえ・めまい→中止して糖分
  • 補助するのは本人が医師から指導されたもの
  • 応答があいまいなら摂らせず119番
  • 指針2025は、血糖が下がりすぎたときの症状として、生あくび、冷や汗、指先のふるえ、めまい、脱力、眠気を挙げている
  • 同じ指針の逐語:「そのような場合にはブドウ糖タブレットをかみ砕いて摂取するように医師から指導されているので、それを補助します」。タブレットがないときは角砂糖や糖の入った甘いジュースを持ってくるとされている
  • 同じ指針の逐語:「低血糖が進行すると意識がもうろうとして反応がなくなります。そのような場合にタブレットなどを摂取させると喉に詰まる危険があるので無理はせず、119番通報してください」
  • 補助するのは本人が医師から指導されているもの。現場の側で何を摂らせるかを選ばない
出典
08:08尿の色と、刺されたあと

もまない。腕より全身を見る

  • 強い筋の痛みと脱力+赤褐色の尿→止めて受診
  • もまない・薬を足さない。原因は現場で決めない
  • 蜂に刺されたら腕より全身を見る。口で吸わない
  • 慣れない高い負荷のあとに強い筋の痛みと脱力があり、尿が赤褐色になっている場面では、活動を止めて受診させる
  • もむ、痛み止めを足して練習を続けさせるのは、いずれも避ける。原因の特定は医療に委ねる
  • 蜂に刺された場面で見るのは刺された部位ではなく全身。指針2025は、全身に現れる赤い発疹や腫れ、気道が狭くなって息苦しくなる、血圧が低下して意識がもうろうとなるといった症状のどれかが起きた場合はただちに119番通報すると書いている
  • 同じ指針は、アナフィラキシーに備えて医師から処方された自己注射器や点鼻薬を持っている人がいるとし、本人がすぐに準備できない場合は使用できるように助けるとしている
  • 同じ段落の逐語:「このような場合には、アドレナリンという薬の一刻も早い使用が望まれます」
  • 同じ指針の逐語:「エピペンやネフィーの使用によって症状が改善しても、数時間後に症状がぶり返す可能性があるので、必ずすぐに医師の診察を受けさせてください」
出典
08:45覚えて帰る4つ

この回の要点

  • 現場でやるのは4つ。止める・冷やす・動かさない・運ぶ
  • 元に戻さない。抜かない、押し戻さない、形を戻さない
  • 熱射病は119番して冷やしつづける
  • 応答があいまいなら口から入れない

読んだら、解いて確かめる

聞いて分かったつもりのところは、解くとはっきりします。間違えた問題だけが自動で復習に戻り、2回連続で正解すると外れます。

救急対応を53問で解く

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