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資格のニガテ一問一答

クライアントに対する面談と評価全63問・正解と解説つき

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)・ 分量 23%

初回面談、健康状態と運動のリスクの評価、体力測定の選択・実施・解釈。指導を始める前にクライアントの状態を把握する段階を扱う。

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  1. 新規クライアントとの初回面談の冒頭で行うべき対応として、最も適切なものはどれか。

    • 1服薬状況の詳細をまず質問する
    • 2自己紹介をして面談の目的を説明し緊張を和らげる正解
    • 3契約内容や料金プランの説明を最初に始める

    Answer

    正解 2:自己紹介をして面談の目的を説明し緊張を和らげる

    初回面談の冒頭では、まず自己紹介を行い面談の目的や流れを説明することで緊張を和らげ、話しやすい関係をつくることが優先される。「服薬状況の詳細をまず質問する」は、ラポール形成より先に踏み込んだ質問を始めてしまい、クライアントを緊張させる進め方であり不適切。「契約内容や料金プランの説明を最初に始める」も、関係づくりより先に契約や料金の話から入ってしまい、クライアントを身構えさせる進め方であり、初回面談の冒頭の対応としては不適切である。

    HINT 面談の最初は関係づくりから始める。

  2. 初回面談でクライアントの生活背景を詳しく引き出すための質問の仕方として、最も適切なものはどれか。

    • 1こちらから話したい内容を一方的に伝え続けて聞く時間を減らす
    • 2開かれた質問を使って相手が自由に話せるようにする正解
    • 3答えが一つに決まる質問だけを続ける

    Answer

    正解 2:開かれた質問を使って相手が自由に話せるようにする

    生活背景を詳しく引き出すには、はい・いいえで終わらない開かれた質問を用いて相手が自由に話せるようにすることが有効である。「こちらから話したい内容を一方的に伝え続けて聞く時間を減らす」は、指導者側が話す時間を増やし聴く時間を減らしており、情報を引き出す聴き方の逆である。「答えが一つに決まる質問だけを続ける」は閉じた質問のみを続けることになり、得られる情報量が限られてしまう。

    HINT 開かれた質問と閉じた質問の違いを考える。

  3. クライアントの話を聴く際の姿勢として、最も適切なものはどれか。

    • 1自分の意見を随所にはさみながら早く話を進めるよう促す
    • 2話の途中で頻繁に相手の言葉を遮って自分の話に変える
    • 3相手のペースに合わせて聴く正解

    Answer

    正解 3:相手のペースに合わせて聴く

    話を聴く際は、相手のペースに合わせてうなずきながら聴くなど、非言語的な態度で受け止める姿勢が適切である。「自分の意見を随所にはさみながら早く話を進めるよう促す」は、指導者側の意見を挟みながら話を急がせており、相手中心の聴き方に反する。「話の途中で頻繁に相手の言葉を遮って自分の話に変える」も、相手が話し終える前に遮って自分の話題に変えてしまい、相手のペースに合わせた受容的な傾聴とは言えない。

    HINT 非言語的な態度が聴く姿勢に表れる。

  4. 初回面談を行う場所の設定について、最も適切なものはどれか。

    • 1受付カウンターの近くで立ち話のように行う
    • 2スタッフが同席できる受付の奥で、複数名で対応する
    • 3会話が周囲に聞こえにくいプライバシーが確保された個室で行う正解

    Answer

    正解 3:会話が周囲に聞こえにくいプライバシーが確保された個室で行う

    初回面談は、会話の内容が周囲に聞こえにくいプライバシーが確保された個室で行うことが望ましく、安心して話せる環境が信頼関係づくりの前提となる。「受付カウンターの近くで立ち話のように行う」は、周囲に会話が聞かれやすい場所であり、健康歴などを話す面談の場としては不適切。「スタッフが同席できる受付の奥で、複数名で対応する」も対応する人数を手厚くする形ではあるが、立ち会う人が増えるほど健康歴や服薬の話を切り出しにくくなり、安心して話せる環境から遠ざかる。

    HINT 会話の内容が他者に聞かれない環境かどうかを考える。

  5. 健康歴の聴取において、既往歴として確認すべき内容はどれか。

    • 1過去の手術歴や現在治療中の慢性疾患の有無正解
    • 2家族全員の手術歴と通院先までさかのぼって記録する
    • 3本人の身長と体重を記録に残すこと

    Answer

    正解 1:過去の手術歴や現在治療中の慢性疾患の有無

    既往歴の聴取では、過去の手術歴や現在治療中の慢性疾患の有無を確認することが基本である。「家族全員の手術歴と通院先までさかのぼって記録する」は、集める範囲を広げすぎている。既往歴は本人の病歴を確かめる項目であり、家族の通院先まで記録に残すのは指導に必要のない他人の情報を抱え込むことになる。「本人の身長と体重を記録に残すこと」は身体計測値に留まり、手術歴や慢性疾患の有無という既往歴そのものを確認する内容にはならない。

    HINT 本人の病歴・治療歴そのものを聴くのが既往歴である。

  6. クライアントの服薬状況を聴取する際に確認すべき内容として、最も適切なものはどれか。

    • 1薬をいつから飲み始めたかという開始時期のみ
    • 2薬を処方した医師の診療科名
    • 3薬剤名と服用理由正解

    Answer

    正解 3:薬剤名と服用理由

    服薬状況の聴取では、薬剤名と服用理由を確認することで、クライアントの健康状態を理解する手がかりになる。「薬をいつから飲み始めたかという開始時期のみ」は、いつから服用しているかという一部の情報に留まり、何をなぜ服用しているかという薬剤名や服用理由を欠いており不十分である。「薬を処方した医師の診療科名」も、診療科という付随的な情報に留まり、薬剤名や服用理由という服薬状況そのものの把握にはつながらない。

    HINT 何を・なぜ服用しているかを聴くのが服薬状況の聴取である。

  7. 運動歴の聴取で確認すべき内容として、最も適切なものはどれか。

    • 1今後挑戦したいと考えている競技の種類
    • 2現在の1週間あたりの運動の回数と1回の時間
    • 3過去に行っていた運動の種類と継続期間と傷害の有無正解

    Answer

    正解 3:過去に行っていた運動の種類と継続期間と傷害の有無

    運動歴の聴取では、過去に行っていた運動の種類と継続期間と傷害の有無を確認することで、これまでの運動習慣や身体への負荷の経験を把握できる。「今後挑戦したいと考えている競技の種類」は将来の希望であり、過去の経験を聴く運動歴の内容とは異なる。「現在の1週間あたりの運動の回数と1回の時間」も、現在の活動量を測る生活習慣の項目であり、これまでにどのような運動をどれだけ続け、その間に傷害があったかという運動歴の把握には届かない。

    HINT 運動歴は「これまで何をしてきたか」を聴く項目である。

  8. 健康歴の聴取で家族歴(両親や兄弟姉妹の病歴など)を確認する意義として、最も適切なものはどれか。

    • 1家族が普段どのような食生活や運動習慣を送っているかを詳しく聞き取る
    • 2配偶者や同居者まで含めて、世帯全体の病歴をまとめて把握する
    • 3遺伝的にかかりやすい疾患の傾向を把握する手がかりになる正解

    Answer

    正解 3:遺伝的にかかりやすい疾患の傾向を把握する手がかりになる

    家族歴の聴取は、遺伝的にかかりやすい疾患の傾向を把握する手がかりになる点に意義がある。「家族が普段どのような食生活や運動習慣を送っているかを詳しく聞き取る」は、家族の生活習慣を把握する話題であり、遺伝的な疾患傾向を把握する家族歴の意義とは異なる。「配偶者や同居者まで含めて、世帯全体の病歴をまとめて把握する」も病歴を聴くという方向は合っているが、家族歴は遺伝の傾向を読むための項目なので、血のつながりで範囲を区切らないと手がかりとして使えなくなる。

    HINT 家族歴は疾患の傾向を知るための情報である。

  9. 生活習慣の聴取において、日常の身体活動レベルを把握するために確認すべき内容はどれか。

    • 1過去に続けていた運動の種類と年数
    • 2仕事内容と座っている時間の長さ正解
    • 31日に摂っているエネルギー量の見当

    Answer

    正解 2:仕事内容と座っている時間の長さ

    日常の身体活動レベルを把握するには、仕事内容と座っている時間の長さを確認することが直接的な指標となる。「過去に続けていた運動の種類と年数」は運動歴にあたる項目であり、いま現在どれだけ体を動かしているかという活動レベルを示すものではない。「1日に摂っているエネルギー量の見当」も栄養の聴取にあたる項目で、摂る側の量から動く側の量を読み取ることはできない。

    HINT 座っている時間の長さは活動レベルの目安になる。

  10. 喫煙歴を聴取する際に確認すべき内容として、最も適切なものはどれか。

    • 1同居している人が喫煙しているかどうか
    • 2現在の喫煙状況と喫煙している場合の本数や年数正解
    • 3喫煙者かどうかのみ

    Answer

    正解 2:現在の喫煙状況と喫煙している場合の本数や年数

    喫煙歴の聴取では、現在の喫煙状況と喫煙している場合の本数や年数を確認することが基本となる。「同居している人が喫煙しているかどうか」は周囲の煙にさらされる環境を把握する項目であり、本人がどれだけ喫煙してきたかという喫煙歴そのものを表すものではない。「喫煙者かどうかのみ」は有無の確認に留まり、本数や年数といった詳細を欠くため喫煙歴の聴取として不十分である。

    HINT 喫煙歴は「有無」だけでなく量と年数もあわせて聴く。

  11. 飲酒習慣を聴取する際に確認すべき内容として、最も適切なものはどれか。

    • 1飲酒をやめたいと思っているかどうかという意思
    • 2飲んでいる酒の種類とアルコールの度数
    • 3飲酒の頻度とおおよその量正解

    Answer

    正解 3:飲酒の頻度とおおよその量

    飲酒習慣の聴取では、飲酒の頻度とおおよその量を確認することが基本となる。「飲酒をやめたいと思っているかどうかという意思」は行動を変える準備がどの段階にあるかを測る項目であり、どれだけ飲んでいるかという習慣の実態を表すものではない。「飲んでいる酒の種類とアルコールの度数」は量を見積もる材料として向きは合っているが、頻度と1回の量が分からなければ摂っているアルコールの総量は割り出せない。

    HINT 頻度と量の両方を聴くのが飲酒習慣の聴取である。

  12. 睡眠習慣を聴取する際に確認すべき内容として、最も適切なものはどれか。

    • 1睡眠時間と睡眠の質正解
    • 2寝室の明るさと室温の整え方
    • 3就寝前の数時間の過ごし方から睡眠の質を見当づける

    Answer

    正解 1:睡眠時間と睡眠の質

    睡眠習慣の聴取では、睡眠時間と睡眠の質を確認することが基本である。「寝室の明るさと室温の整え方」は睡眠を整えるための環境づくりにあたる話題であり、いま実際にどれだけ眠れているかという習慣の把握とは別のものである。「就寝前の数時間の過ごし方から睡眠の質を見当づける」も睡眠の質に目を向けている点では向きが合っているが、過ごし方からの推し量りで済ませており、寝つきや途中で目が覚めるかを本人に確かめるという一手が抜けている。

    HINT 睡眠は「時間」と「質」の両方を聴く。

  13. 生活背景の聴取でストレス状況を把握するために確認すべき内容として、最も適切なものはどれか。

    • 1ストレスの原因になった出来事の有無のみ
    • 2日常生活でストレスを感じる出来事とその対処方法正解
    • 3ストレスの強さを10段階の数値で毎回答えてもらい記録する

    Answer

    正解 2:日常生活でストレスを感じる出来事とその対処方法

    ストレス状況の把握では、日常生活でストレスを感じる出来事とその対処方法を確認することが有効である。「ストレスの原因になった出来事の有無のみ」は、出来事があったかどうかの確認に留まり、それにどう対処しているかという対処方法までは聴いておらず不十分である。「ストレスの強さを10段階の数値で毎回答えてもらい記録する」は強さの変化を追う工夫ではあるが、数値を積み上げるだけでは何がストレスになっているかと本人がどう対処しているかが分からず、関わり方を決める材料にならない。

    HINT 出来事と対処方法まで踏み込んで聴くのがストレスの聴取である。

  14. トレーニング指導におけるインフォームドコンセントの主な目的として、最も適切なものはどれか。

    • 1内容を理解したうえで本人が自分の意思で参加を決められるようにする正解
    • 2起こり得る合併症を網羅した説明書を読み上げて同意を得る
    • 3指導者を医療訴訟から守るための書類を作ること

    Answer

    正解 1:内容を理解したうえで本人が自分の意思で参加を決められるようにする

    インフォームドコンセントの主な目的は、内容を理解したうえで本人が自分の意思で参加を決められるようにすることであり、自己決定権の尊重が核にある。「起こり得る合併症を網羅した説明書を読み上げて同意を得る」は、伝える量を増やす方向ではあるが、網羅した文面を読み上げるだけでは本人が自分に関わる点を掴めず、理解に基づいて決めるという目的から遠ざかる。「指導者を医療訴訟から守るための書類を作ること」は指導者側の自己防衛が目的化しており、クライアント中心の考え方から外れている。

    HINT 署名そのものではなく、理解に基づく自己決定が目的である。

  15. トレーニング開始前の同意書に記載しておくべき内容として、最も適切なものはどれか。

    • 1見込まれる効果と達成の保証
    • 2実施内容とリスクの説明正解
    • 3文献から集めたリスクを網羅して並べた一覧

    Answer

    正解 2:実施内容とリスクの説明

    同意書には、実施内容とリスクの説明を記載し、クライアントが理解したうえで同意できるようにする必要がある。「見込まれる効果と達成の保証」も実施する内容に触れてはいるが、トレーニングの成果は体質や生活の条件に左右されるため達成を保証できる性質のものではなく、同意書に書けば誤った期待を与える。「文献から集めたリスクを網羅して並べた一覧」もリスクを扱う方向は正解と同じだが、本人に起こり得るものとそうでないものが混ざった量になり、どこに注意すべきかが伝わらなくなる。

    HINT 同意書は「何をするか」と「どんな危険があるか」を伝える文書である。

  16. クライアントが未成年である場合の同意の取得について、最も適切なものはどれか。

    • 1保護者に加えて、同居する家族全員から同意の署名を集める
    • 2本人からの同意に加えて保護者からも同意を得る正解
    • 3本人の同意のみで十分とする

    Answer

    正解 2:本人からの同意に加えて保護者からも同意を得る

    未成年のクライアントの場合、本人からの同意に加えて保護者からも同意を得ることが適切な対応である。「保護者に加えて、同居する家族全員から同意の署名を集める」は同意を得る範囲を広げすぎており、求められるのは本人と保護者の同意であって、同居する家族の署名まで集める必要はない。「本人の同意のみで十分とする」は保護者の同意を欠いており、未成年者に対する同意取得として不十分である。

    HINT 未成年者は本人と保護者の両方の同意が必要である。

  17. インフォームドコンセントを得るタイミングとして、最も適切なものはどれか。

    • 1プログラムの内容を説明した後開始前に得る正解
    • 2毎回のセッションの前に、その日の内容の同意を取り直す
    • 3指導が終わった時点で初めて確認する

    Answer

    正解 1:プログラムの内容を説明した後開始前に得る

    インフォームドコンセントは、プログラムの内容を説明した後開始前に得ることで、理解に基づいた同意のうえで指導を始めることができる。「毎回のセッションの前に、その日の内容の同意を取り直す」は手続きを重ねる方向だが、インフォームドコンセントはプログラム全体について開始前に得るものであり、毎回取り直す形にすると説明と同意の区切りが曖昧になる。「指導が終わった時点で初めて確認する」はさらに遅く、指導内容がすべて終わってから確認する形になり、事前同意の目的を果たせない。

    HINT 同意は「開始前」に得るのが原則である。

  18. 面談の記録を作成する際の書き方として、最も適切なものはどれか。

    • 1聴き取った内容を、指導者の解釈を交えてまとめて書く
    • 2会話をそのまま書き起こし、全文を記録として残す
    • 3聴取した事実を客観的に記載する正解

    Answer

    正解 3:聴取した事実を客観的に記載する

    面談記録は、聴取した事実を客観的に記載することが基本であり、記録の正確性と信頼性を保つ上で重要である。「聴き取った内容を、指導者の解釈を交えてまとめて書く」は記録を残すところまでは正しいが、聴いた事実と指導者の見立てが混ざると、後から読む人がどこまでが本人の話かを切り分けられなくなる。「会話をそのまま書き起こし、全文を記録として残す」も事実を残す方向ではあるが、雑談や言い直しまで含んだ量になるため、後から読む人が指導の判断に関わる事実を取り出せなくなる。

    HINT 記録は事実を客観的に残すためのものである。

  19. 面談で得た個人情報や記録の管理について、最も適切なものはどれか。

    • 1施設のスタッフ全員が見られるようにして引き継ぎの漏れを防ぐ
    • 2本人の同意を得た範囲内でのみ取り扱い施錠できる場所で保管する正解
    • 3面談の音声をすべて録音し、記録と一緒に保管しておく

    Answer

    正解 2:本人の同意を得た範囲内でのみ取り扱い施錠できる場所で保管する

    面談で得た個人情報は、本人の同意を得た範囲内でのみ取り扱い施錠できる場所で保管することが守秘義務の観点から適切である。「施設のスタッフ全員が見られるようにして引き継ぎの漏れを防ぐ」は業務の確実さを理由にしているが、本人が同意した範囲を超えて共有を広げることになり、共有する相手は業務上必要な範囲にとどめる必要がある。「面談の音声をすべて録音し、記録と一緒に保管しておく」も記録を確実に残す方向ではあるが、必要な範囲を超えて情報を抱えることになり、同意を得た範囲で扱うという原則から外れる。

    HINT 個人情報は同意の範囲内で扱い、保管場所にも配慮する。

  20. 運動を始める前に自己記入式の質問票(PAR-Qなど)を用いる主な目的として最も適切なものはどれか。

    • 1参加者の体力を数値化し、トレーニング負荷を決定するために使う
    • 2症状や既往歴を確認し、受診が必要な人を見分けて運動開始の可否を判断するために使う正解
    • 3参加者の運動歴を記録し、書類として保管するために使う

    Answer

    正解 2:症状や既往歴を確認し、受診が必要な人を見分けて運動開始の可否を判断するために使う

    正しいのは「症状や既往歴を確認し、受診が必要な人を見分けて運動開始の可否を判断するために使う」。PAR-Qのような自己記入式質問票は、あくまで運動を始める前のふるい分け(スクリーニング)のための道具であり、症状・既往歴・危険因子の有無から医師への相談が必要かどうかを判断する材料にする。「参加者の体力を数値化し、トレーニング負荷を決定するために使う」は誤り。質問票は体力を測るものではなく、体力の数値化は別に行う体力測定の役割である。「参加者の運動歴を記録し、書類として保管するために使う」も誤り。記録・保管自体が目的ではなく、安全に運動を開始できるかどうかを判断するために用いる点が本質である。

    HINT 質問票そのものは診断ツールではなく、ふるい分けの道具である。

  21. 冠危険因子(心血管疾患の陽性の危険因子)として数えるべきものはどれか。

    • 1近親者が若い年齢で心筋梗塞を起こした家族歴があること正解
    • 2HDLコレステロールの数値が基準より高いこと
    • 3毎週続けてウォーキングをしていること

    Answer

    正解 1:近親者が若い年齢で心筋梗塞を起こした家族歴があること

    正しいのは「近親者が若い年齢で心筋梗塞を起こした家族歴があること」。血縁者が若い年齢で心筋梗塞などの心血管疾患を起こした家族歴は、陽性の冠危険因子として数える代表的な項目である。「HDLコレステロールの数値が基準より高いこと」は誤り。HDLコレステロールが高いことは、危険因子を打ち消す方向に働く負の危険因子として扱われ、陽性の危険因子には数えない。「毎週続けてウォーキングをしていること」も誤り。陽性の側に数えるのは身体活動が少ないことであり、続けて体を動かしていることはその逆の側にあたる。どれくらい動けば足りるかの境目は基準によって変わるので、覚えるのは項目と向きである。

    HINT 危険因子には、危険を増やす『陽性』と、危険を減らす『負』の両方がある。

  22. 従来の数え方で危険因子を数える際に、HDLコレステロールが基準より高い場合の扱いとして適切なものはどれか。

    • 1危険因子の総数に1つ加えて扱う
    • 2HDLの値は因子の数え方には用いない
    • 3陽性因子の総数から1つ減らす正解

    Answer

    正解 3:陽性因子の総数から1つ減らす

    正しいのは「陽性因子の総数から1つ減らす」。HDLコレステロールが基準より高いことは、心血管疾患のリスクを下げる方向に働く負の危険因子として扱われ、陽性の危険因子の合計から1つ差し引く形で数える。「危険因子の総数に1つ加えて扱う」は誤り。これは危険を増やす陽性の危険因子と同じ扱いをしてしまっており、HDLが高いことの保護的な意味を逆にとらえている。「HDLの値は因子の数え方には用いない」も誤り。数えないことにすると、危険を減らす方向に働く情報が合計に反映されず、陽性因子から1つ差し引くという扱いにならない。なお、陽性の因子を数えてHDL高値で1つ引くこの数え方は、2015年の改訂で推奨から外れている(アメリカスポーツ医学会・ACSM の改訂)。

    HINT HDL高値は『危険を増やす』側ではなく『危険を減らす』側の因子である。

  23. 心血管疾患の危険因子の数などから対象者を「低リスク」「中等度リスク」「高リスク」に分類する、従来用いられてきたリスク層別化を行う目的として最も適切なものはどれか。

    • 1運動開始前にどの程度の医学的検査や医師の許可が必要かを判断するための材料にする正解
    • 2対象者に合わせた運動プログラムの強度を最初から決定するための材料にする
    • 3対象者の将来のトレーニング効果を見積もるための材料にする

    Answer

    正解 1:運動開始前にどの程度の医学的検査や医師の許可が必要かを判断するための材料にする

    正しいのは「運動開始前にどの程度の医学的検査や医師の許可が必要かを判断するための材料にする」。危険因子の数や既往症などから対象者を低・中等度・高リスクに分けるリスク層別化は、本格的な運動を始める前に医学的な検査や医師の許可がどの程度必要かを見極めるための判断材料として用いる。「対象者に合わせた運動プログラムの強度を最初から決定するための材料にする」は誤り。リスク層別化はまず医学的な検査や許可の必要性を見極めるためのものであり、運動プログラムの強度そのものを直接決定するための材料ではない。「対象者の将来のトレーニング効果を見積もるための材料にする」も誤り。リスク層別化は安全に運動を始められるかどうかを判断するためのものであり、将来の効果を見積もるためのものではない。なお、この低・中等度・高の分類は2015年の改訂で推奨から外れている(アメリカスポーツ医学会・ACSM の改訂)。

    HINT 層別化の目的は『効果の予測』ではなく『安全に始められるかの判断』である。

  24. 運動前の面談で、対象者が次のような症状を訴えた場合、医師への受診を勧めるべきものはどれか。

    • 1安静にしていても軽い労働をしただけで息切れや胸の不快感が起こること正解
    • 2運動をした翌日に軽い筋肉痛や心地よい疲労感を感じること
    • 3長い階段を一気に駆け上がった直後だけ、一時的に強く息が切れて胸がドキドキすること

    Answer

    正解 1:安静にしていても軽い労働をしただけで息切れや胸の不快感が起こること

    正しいのは「安静にしていても軽い労働をしただけで息切れや胸の不快感が起こること」。安静時や軽い労力でも息切れや胸の不快感が生じるのは、心臓の異常を疑わせる代表的な症状であり、運動開始前に医師への受診を勧めるべき所見である。「長い階段を一気に駆け上がった直後だけ、一時的に強く息が切れて胸がドキドキすること」は誤り。強い運動直後だけに一時的に生じる息切れや動悸は、通常の運動に対する生理的な反応の範囲でも起こり得るもので、これだけで受診を勧めるべき所見とは言えない。「運動をした翌日に軽い筋肉痛や心地よい疲労感を感じること」も誤り。運動翌日の軽い筋肉痛や心地よい疲労感は、通常の運動負荷に対する自然な反応であり、心配すべき症状ではない。

    HINT 安静時や軽い労力でも起こる症状かどうかが、受診を勧める目安になる。

  25. 面談の時点で対象者に次のいずれかが当てはまる場合、本格的な運動を始める前に医師の許可を得ることが強く勧められる。適切なものはどれか。

    • 1医師から心臓の持病があると診断されていること正解
    • 2若い頃に一度だけ捻挫をして、今はすでに治っていること
    • 3家族に生活習慣病を患っている人がいて、将来が心配になっていること

    Answer

    正解 1:医師から心臓の持病があると診断されていること

    正しいのは「医師から心臓の持病があると診断されていること」。すでに医師から心臓などの持病があると診断されている場合は、本格的な運動を始める前に医師の許可を得ることが強く勧められる状態にあたる。「若い頃に一度だけ捻挫をして、今はすでに治っていること」は誤り。過去に一度あった軽い外傷で、すでに治っている場合は、現在の運動開始の可否に影響する持病とは言えない。「家族に生活習慣病を患っている人がいて、将来が心配になっていること」も誤り。家族の病歴に対する心配は危険因子の把握には関わるが、本人が医師から持病の診断を受けているわけではなく、これだけで医師の許可が必須の状態とは言えない。

    HINT 本人が医師から診断されている持病があるかどうかが判断の軸になる。

  26. 面談時に測定した血圧が高い値だった場合の扱いとして適切なものはどれか。

    • 1その場の1回の測定で高血圧と判断して記録しておく
    • 2測定値が高くても、運動の前の緊張によるものと決めて記録を省く
    • 3複数回、日を分けて測定した結果を確認したうえで高血圧かどうかを判断する正解

    Answer

    正解 3:複数回、日を分けて測定した結果を確認したうえで高血圧かどうかを判断する

    正しいのは「複数回、日を分けて測定した結果を確認したうえで高血圧かどうかを判断する」。血圧はその場の1回の測定だけで大きく変動することがあるため、別の日にも測定するなど複数回の結果を確認したうえで高血圧かどうかを判断する。「その場の1回の測定で高血圧と判断して記録しておく」は誤り。1回だけの測定値で高血圧と断定してしまうと、緊張などによる一時的な上昇を高血圧と取り違えるおそれがある。「運動の前の緊張によるものと決めて記録を省く」も誤り。一時的な上昇かどうかは別の日の測定と見比べて初めて分かることであり、その場で原因を決めて値を残さなければ、見比べる材料そのものがなくなる。

    HINT 1回の測定値だけで高血圧かどうかを決めつけない。

  27. 血圧が高い人の運動について、厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』が示している内容として適切なものはどれか。

    • 1血圧が高くても、高強度で推奨量を超える量から始めてよいとされている
    • 2180/110mmHg以上ならまず血圧を整えるとされている正解
    • 3筋力トレーニングは血圧を上げるため禁止とされている

    Answer

    正解 2:180/110mmHg以上ならまず血圧を整えるとされている

    正しいのは「180/110mmHg以上ならまず血圧を整えるとされている」。このガイドの表1は、高血圧のある人について、180/110mmHg(家庭で測った血圧なら160/100mmHg)以上の場合はまず血圧をコントロールすることとしている。これは運動を始める前に置かれた線であり、運動中に中止する基準とは別のものである。「血圧が高くても、高強度で推奨量を超える量から始めてよいとされている」は誤り。同じ表は、高強度・高用量では出血性脳卒中のリスクの可能性があるとして、推奨量以上は慎重にすることとしている。「筋力トレーニングは血圧を上げるため禁止とされている」も誤り。同じ表の推奨の目安には筋力トレーニングを週2〜3日行うことが挙げられており、低強度から開始して体力・病態にあわせて漸増するとされている。筋力トレーニングそのものを禁じてはいない。なお同じ180/110mmHg・160/100mmHgという数字は、このガイドの中で2つの用途で出てくる。p.23 表1 は運動を始める前にまず血圧を整える側の線で、p.28「3 毎回の運動前の体調確認」は毎回の運動前に測った血圧について、160/100mmHg以上なら運動をするとしても散歩程度の軽いものにとどめ、180/110mmHg以上なら運動を控えて休養をとるとしている。

    HINT このガイドが引いているのは、運動を始める前にまず血圧を整える水準の線である。

  28. 安静時の血圧を測って高い値が出たとき、トレーナーが自分で決められる範囲として適切なものはどれか。

    • 1その値から持病の有無を見立て、病名まで本人に伝える
    • 2その値の判定は医師に委ね、その日に運動を行うかを決める正解
    • 3その値をもとに、本格的に運動を進めてよいかを自分で決める

    Answer

    正解 2:その値の判定は医師に委ね、その日に運動を行うかを決める

    正しいのは「その値の判定は医師に委ね、その日に運動を行うかを決める」。測った値が高血圧にあたるかどうかの判定は医師が行うことであり、トレーナーが決められるのは、その日の運動を行うか見合わせるかである。「その値から持病の有無を見立て、病名まで本人に伝える」は誤り。測った値から持病を見立てて病名を伝えるのは診断にあたり、トレーナーの役割ではない。「その値をもとに、本格的に運動を進めてよいかを自分で決める」も誤り。持病のある人が本格的に運動を始めてよいかどうかは医師が決めることであり、トレーナーは判断の材料をそろえて渡す側である。

    HINT 値が何にあたるかの判定と、その日やるかやらないかの判断は、決める人が違う。

  29. 対象者と目標を設定する際、「もっと健康的な生活を送る」のような曖昧な目標ではなく、具体的な目標にすることが望ましい理由として最も適切なものはどれか。

    • 1具体的な目標を立てておけば、対象者は自分の意志だけで最後まで取り組めるようになるから
    • 2具体的な目標のほうが、抽象的な目標に比べて必ず早く達成できるから
    • 3目標が具体的だと、今どんな行動を取ればよいかが分かり、達成できたか振り返りやすくなるから正解

    Answer

    正解 3:目標が具体的だと、今どんな行動を取ればよいかが分かり、達成できたか振り返りやすくなるから

    正しいのは「目標が具体的だと、今どんな行動を取ればよいかが分かり、達成できたか振り返りやすくなるから」。目標を具体的にすると、対象者自身がいま何をすればよいかを理解しやすくなり、達成できたかどうかも振り返りやすくなる。「具体的な目標を立てておけば、対象者は自分の意志だけで最後まで取り組めるようになるから」は誤り。目標を具体的にすることは行動や振り返りをしやすくする工夫であり、それだけで本人が支援なしに最後まで取り組めるようになるとは限らない。「具体的な目標のほうが、抽象的な目標に比べて必ず早く達成できるから」も誤り。具体的にすることの利点は行動や振り返りがしやすくなることであり、必ず早く達成できることを保証するものではない。

    HINT 具体性の利点は『分かりやすさ』と『振り返りやすさ』にある。

  30. 「できるだけ体を引き締める」ではなく「12週間で体脂肪率を3%下げる」のように、目標に期間と数値の基準を入れることの利点として適切なものはどれか。

    • 1期間を短く区切るほど、対象者のやる気は自然に高まっていくようになる
    • 2数値と期間を決めると、達成できなかった原因が対象者の努力の不足にあると特定できる
    • 3目標を数値と期間で示すと、達成できたかを客観的に判断しやすく、経過も確認しやすくなる正解

    Answer

    正解 3:目標を数値と期間で示すと、達成できたかを客観的に判断しやすく、経過も確認しやすくなる

    正しいのは「目標を数値と期間で示すと、達成できたかを客観的に判断しやすく、経過も確認しやすくなる」。目標に具体的な数値と期間を入れると、達成できたかどうかを客観的に判断しやすくなり、途中の経過も確認しやすくなる。「期間を短く区切るほど、対象者のやる気は自然に高まっていくようになる」は誤り。期間を短く区切ること自体は目標を測定しやすくする工夫の一つであり、それだけで対象者のやる気が自然に高まっていくとは限らない。「達成できなかった原因が対象者の努力の不足にあると特定できる」も誤り。数値と期間は達成できたかどうかを測りやすくするものであり、達成できなかった理由が本人の取り組みにあるのか、計画や生活の側にあるのかまでは示さない。

    HINT 数値と期間を入れる利点は『測りやすさ』にある。

  31. 対象者が「1か月で15kg減量したい」のような非現実的な目標を口にした場合、トレーナーの対応として適切なものはどれか。

    • 1その場では反対せず、1か月そのペースで進めてもらい、結果が出なければ考え直すよう促す
    • 2大きな目標は否定せず、達成可能な短期目標に分けて段階的に進める正解
    • 3本人の意欲を保つため、減量の見込みは伝えずに毎回の体重だけを報告する

    Answer

    正解 2:大きな目標は否定せず、達成可能な短期目標に分けて段階的に進める

    正しいのは「大きな目標は否定せず、達成可能な短期目標に分けて段階的に進める」。非現実的な大きな目標が出た場合は、その目標自体を否定するのではなく、達成可能な短期目標に分けて段階的に進めるように導くのが望ましい。「その場では反対せず、1か月そのペースで進めてもらい、結果が出なければ考え直すよう促す」は誤り。達成が難しいペースのままいったん進めてしまうと、けがや疲労、意欲の低下につながるおそれがあり、最初から現実的な計画に調整することが望ましい。「本人の意欲を保つため、減量の見込みは伝えずに毎回の体重だけを報告する」も誤り。見込みを伝えないままでは、対象者は1か月で15kgという前提のまま進むことになり、達成可能な段階に分け直すための話し合いが始まらない。

    HINT 大きな目標そのものを否定せず、達成可能な段階に分ける。

  32. 行動変容の段階のうち、運動をする気がまだ全くない「前熟考期」にある対象者への関わり方として適切なものはどれか。

    • 1早く行動に移してもらうため、初日から詳しいトレーニング計画表を渡して実行を求める
    • 2本人がまだ気持ちを持てない段階でも、体験セッションの日程だけ先に決めてしまう
    • 3運動プログラムを示す前に、運動しない不利益や始めた場合の利点に気づく情報を提供する正解

    Answer

    正解 3:運動プログラムを示す前に、運動しない不利益や始めた場合の利点に気づく情報を提供する

    正しいのは「運動プログラムを示す前に、運動しない不利益や始めた場合の利点に気づく情報を提供する」。運動をする気がまだない前熟考期の対象者には、具体的な運動プログラムをすぐに示すのではなく、運動をしないことの不利益や始めた場合の利点に気づいてもらう情報を提供することを重視する。「早く行動に移してもらうため、初日から詳しいトレーニング計画表を渡して実行を求める」は誤り。まだ運動する気になっていない段階で詳しい計画表を渡して実行を求めても、本人の気持ちが伴わず長続きしにくい。「本人がまだ気持ちを持てない段階でも、体験セッションの日程だけ先に決めてしまう」も誤り。気づきを促す情報提供より先に日程という行動の約束だけを決めてしまうと、本人の気持ちが伴わないまま話が進んでしまう。

    HINT 前熟考期では、行動を求める前に気づきを促す情報提供を重視する。

  33. 運動を始めようと思い、必要な情報を集め始めている「準備期」の対象者への関わり方として適切なものはどれか。

    • 1まだ実行していないのだから、決意が固まるまで様子を見て何も提案しない
    • 23か月先までの週ごとの計画をすべて組み立てて渡す
    • 3いつ何をどれくらい行うかを決め、小さく始められる最初の一歩を一緒に作る正解

    Answer

    正解 3:いつ何をどれくらい行うかを決め、小さく始められる最初の一歩を一緒に作る

    正しいのは「いつ何をどれくらい行うかを決め、小さく始められる最初の一歩を一緒に作る」。必要な情報を集め始めている準備期の対象者には、いつ・何を・どれくらい行うかという具体的な計画を一緒に作り、小さく始められる最初の一歩を決めることが望ましい。「3か月先までの週ごとの計画をすべて組み立てて渡す」は誤り。準備期は小さく始める一歩を一緒に決める段階であり、先々までの計画を渡されると負担が大きく感じられ、最初の一歩を踏み出しにくくなる。「まだ実行していないのだから、決意が固まるまで様子を見て何も提案しない」も誤り。準備期はすでに始めようという意欲が出ている段階であり、何も提案せずに様子を見るだけでは、この段階の関わり方として不十分である。

    HINT 準備期では、具体的な最初の一歩を一緒に決める。

  34. 数か月にわたって運動を継続できている「維持期」の対象者に対して、継続を後押しするための関わり方として適切なものはどれか。

    • 1毎回のセッションでこれまでより高い強度を必ず課し、成果を追加で求め続ける
    • 2これまでの成果を認め、続けやすい工夫を一緒に考える正解
    • 3もう習慣化していると考えられるので、今後はトレーナーの計画を優先して進める

    Answer

    正解 2:これまでの成果を認め、続けやすい工夫を一緒に考える

    正しいのは「これまでの成果を認め、続けやすい工夫を一緒に考える」。数か月にわたって運動を継続できている維持期の対象者には、これまでの成果を認めたうえで、今後も続けやすい工夫を一緒に考える関わり方が後押しになる。「毎回のセッションでこれまでより高い強度を必ず課し、成果を追加で求め続ける」は誤り。維持期の対象者に対して強度を一方的に上げ続けることは、負担や疲労を増やし、継続の後押しにはならない。「もう習慣化していると考えられるので、今後はトレーナーの計画を優先して進める」も誤り。維持期であっても本人の希望を置き去りにして計画を一方的に進めてしまうと、成果を認めながら一緒に工夫を考えるという後押しにはならない。

    HINT 維持期では、成果を認めつつ続けやすい工夫を一緒に考える関わりを保つ。

  35. 「自分にも運動を続けられる」という対象者自身の自信、いわゆる自己効力感を高める関わり方として適切なものはどれか。

    • 1難しい課題に挑戦させ続けることで、本人の根性を試して自信をつけさせる
    • 2達成しやすい小さな課題を用意し、成功した経験を本人と一緒に振り返って自信につなげる正解
    • 3自信は本人の性格で決まるものなので、トレーナー側からは特に働きかけない

    Answer

    正解 2:達成しやすい小さな課題を用意し、成功した経験を本人と一緒に振り返って自信につなげる

    正しいのは「達成しやすい小さな課題を用意し、成功した経験を本人と一緒に振り返って自信につなげる」。自己効力感は、小さな成功の積み重ねによって育つと考えられており、達成しやすい課題を用意して成功体験を積んでもらい、それを本人と一緒に振り返ることで自信につなげるのが望ましい。「難しい課題に挑戦させ続けることで、本人の根性を試して自信をつけさせる」は誤り。達成が難しい課題ばかりに挑戦させると失敗の経験が積み重なりやすく、むしろ自信を失わせるおそれがある。「自信は本人の性格で決まるものなので、トレーナー側からは特に働きかけない」も誤り。自己効力感は関わり方によって育てられる性質のものであり、性格だけで決まる固定的なものとして扱うのは適切ではない。

    HINT 自己効力感は小さな成功体験の積み重ねによって育てられる。

  36. 「体重を5kg減らす」のような結果そのものを表す目標と、「週に3回、30分歩く」のような日々の行動を表す目標を区別して設定することの意味として適切なものはどれか。

    • 1行動目標を日ごとに細かく分けて数を増やし、達成率で管理する
    • 2結果を表す目標さえしっかりと立てておけば、日々の行動を表す目標については特に決めない
    • 3行動目標は日々の取り組みを自分で管理する実感につながり、過程の変化も評価できる正解

    Answer

    正解 3:行動目標は日々の取り組みを自分で管理する実感につながり、過程の変化も評価できる

    正しいのは「行動目標は日々の取り組みを自分で管理する実感につながり、過程の変化も評価できる」。結果を表す目標だけでなく、日々の行動を表す目標も併せて設定すると、対象者が自分の取り組みを自分で管理できる実感につながりやすく、結果だけでは見えにくい過程の変化も評価できるようになる。「結果を表す目標さえしっかりと立てておけば、日々の行動を表す目標については特に決めない」は誤り。結果を表す目標だけでは、日々何をすればよいかが具体的にならず、途中の取り組み自体を評価する手がかりが失われる。「行動目標を日ごとに細かく分けて数を増やし、達成率で管理する」も誤り。行動を表す目標は自分で取り組みを管理する実感を支えるためのものであり、数を増やして達成率で測る形にすると、こなせなかった項目のほうが目につきやすくなる。

    HINT 行動を表す目標は、結果を表す目標を補い、過程の変化を評価する役割を持つ。

  37. 面談当日、対象者が発熱や強いだるさなど急な体調不良を訴えている場合の運動実施について適切な判断はどれか。

    • 1その日の運動は見合わせ、体調が整ってから改めて日程を組み直す正解
    • 2本人がやる気を見せていても、無理をせずいつも通りの強度で実施する
    • 3体調不良の理由を聞き取り、軽い内容に変更して短時間だけ実施する

    Answer

    正解 1:その日の運動は見合わせ、体調が整ってから改めて日程を組み直す

    正しいのは「その日の運動は見合わせ、体調が整ってから改めて日程を組み直す」。発熱や強いだるさなど急な体調不良を訴えている場合は、その日の運動は見合わせ、体調が整ってから改めて予定を組み直すのが適切な判断である。「本人がやる気を見せていても、無理をせずいつも通りの強度で実施する」は誤り。無理をしないよう声をかけても、いつも通りの強度で実施すれば体調不良を悪化させるおそれがある。「体調不良の理由を聞き取り、軽い内容に変更して短時間だけ実施する」も誤り。内容を軽くしても、発熱など急な体調不良があるなかで運動そのものを行うことは体への負担になり、その日は見合わせる判断が優先される。

    HINT 発熱など急な体調不良があるときは、その日は見合わせるのが優先される。

  38. 体力測定を複数種目行う場合、身体組成の測定や柔軟性の測定のような非疲労性の測定を、最大努力を要する筋力測定より先に実施するのが望ましい理由として最も適切なのはどれか。

    • 1疲労を伴う測定を先に行うと、後に行う測定の結果に疲労の影響が及んでしまうから正解
    • 2特異性の原理に従って、動作が似ている測定同士をまとめて行うから
    • 3同じ関節を使う測定を続けて行うほうが測定の信頼性が高まるから

    Answer

    正解 1:疲労を伴う測定を先に行うと、後に行う測定の結果に疲労の影響が及んでしまうから

    正解は「疲労を伴う測定を先に行うと、後に行う測定の結果に疲労の影響が及んでしまうから」である。非疲労性の測定を先に行うのは、後に行う最大努力の測定で生じる疲労が、まだ実施していない測定の結果をゆがめてしまうのを防ぐためである。「特異性の原理に従って、動作が似ている測定同士をまとめて行うから」は誤り。特異性の原理はトレーニングが特定の動作・様式に対して効果を発揮するという考え方であり、測定の実施順序を決める理由ではない。「同じ関節を使う測定を続けて行うほうが測定の信頼性が高まるから」も誤り。信頼性は同じ検査を繰り返した際の再現性の高さを指す考え方であり、関節を揃えて連続実施することそのものが信頼性を高めるわけではない。

    HINT あとに行う測定にどんな影響が残るかを考える。

  39. 皮下脂肪厚法(スキンフォールド法)によって体脂肪率を推定する際の限界として最も適切なのはどれか。

    • 1測定直前の飲水量や発汗による体内の水分量の変化が、そのまま測定値のずれにつながる
    • 2骨密度の個人差の影響で、高齢者では体脂肪率を実際より低く見積もりやすい
    • 3測定者の技術によって測定値に差が生じやすく、結果が測定者間で一致しにくい正解

    Answer

    正解 3:測定者の技術によって測定値に差が生じやすく、結果が測定者間で一致しにくい

    正解は「測定者の技術によって測定値に差が生じやすく、結果が測定者間で一致しにくい」である。皮下脂肪厚法はキャリパーでつまむ部位・力加減に測定者の技術が反映されやすく、測定者が変わると値がずれやすいという限界を持つ。「測定直前の飲水量や発汗による体内の水分量の変化が、そのまま測定値のずれにつながる」は誤り。体内水分量の変化が測定値に直接影響するのは生体電気インピーダンス法の限界であり、皮下脂肪厚法の限界として挙げるのは適切ではない。「骨密度の個人差の影響で、高齢者では体脂肪率を実際より低く見積もりやすい」も誤り。骨密度を用いるのは水中体重法など身体密度に基づく方法であり、皮下脂肪をつまんで測る皮下脂肪厚法では骨密度の個人差が直接の限界にはならない。

    HINT 誰が測るかで結果が変わる測定法である。

  40. 生体電気インピーダンス法(BIA法)で体組成を推定する際、測定結果に影響を与える要因として最も適切なのはどれか。

    • 1皮下脂肪のつまみ方によって、測定者間で値がばらつきやすい
    • 2骨密度の違いが反映されにくく、除脂肪量を過大に評価しやすい
    • 3体内の水分量の変化が測定値に影響する正解

    Answer

    正解 3:体内の水分量の変化が測定値に影響する

    正解は「体内の水分量の変化が測定値に影響する」である。BIA法は体内に微弱な電流を流し、電気の通りやすさから体組成を推定するため、飲水・発汗・食事などによる体内水分量の変化がそのまま測定値のずれにつながる。「皮下脂肪のつまみ方によって、測定者間で値がばらつきやすい」は誤り。これは皮下脂肪厚法の限界であり、キャリパーで皮下脂肪をつまむ動作を行わないBIA法には当てはまらない。「骨密度の違いが反映されにくく、除脂肪量を過大に評価しやすい」も誤り。骨密度が問題になるのは身体密度の仮定に基づく水中体重法などの方法であり、電気抵抗を利用するBIA法の主な限界ではない。

    HINT この方法は身体に微弱な電流を流して測定する。

  41. クライアントの安全性を考慮して1RMを直接測定せず、サブマキシマルな挙上重量と反復回数から1RMを推定する方法を用いる理由として最も適切なのはどれか。

    • 1最大努力での挙上を伴わずに、より小さな負傷のリスクで最大筋力に近い値を見積もることができるから正解
    • 2反復回数の数値を、そのまま最大挙上重量として扱うことができるから
    • 3筋持久力を測定する際に用いる回数の基準を、そのまま筋力の基準として使えるから

    Answer

    正解 1:最大努力での挙上を伴わずに、より小さな負傷のリスクで最大筋力に近い値を見積もることができるから

    正解は「最大努力での挙上を伴わずに、より小さな負傷のリスクで最大筋力に近い値を見積もることができるから」である。1RMの推定は、実際に限界まで挙上させずに済むため、負傷のリスクを抑えながら最大筋力に近い値を得る目的で用いられる。「反復回数の数値を、そのまま最大挙上重量として扱うことができるから」は誤り。反復回数はあくまで推定式に代入する要素の一つであり、回数そのものを挙上重量として扱うわけではない。「筋持久力を測定する際に用いる回数の基準を、そのまま筋力の基準として使えるから」も誤り。筋持久力の評価に用いる反復回数の基準と、1RM推定に用いる反復回数と重量の関係は異なる考え方であり、両者を同一視することはできない。

    HINT なぜ限界まで挙げさせないのかを考える。

  42. sit-and-reachテストのような柔軟性の測定について、その結果を解釈する際に注意すべき点として最も適切なのはどれか。

    • 1柔軟性は年齢や性別による差が小さく、個人差の大部分は測定誤差によるものである
    • 2敏捷性の測定のように、方向転換の速さを評価する指標である
    • 3測定値は主に股関節と下背部の柔軟性を反映した、限定的な指標である正解

    Answer

    正解 3:測定値は主に股関節と下背部の柔軟性を反映した、限定的な指標である

    正解は「測定値は主に股関節と下背部の柔軟性を反映した、限定的な指標である」である。sit-and-reachテストは主に股関節と下背部周辺の柔軟性を反映するものであり、その結果を全身の柔軟性の代表値として解釈することはできない。「柔軟性は年齢や性別による差が小さく、個人差の大部分は測定誤差によるものである」は誤り。柔軟性には年齢や性別による実際の差が存在することが知られており、個人差を測定誤差として片づけることはできない。「敏捷性の測定のように、方向転換の速さを評価する指標である」も誤り。方向転換の速さを評価するのは敏捷性の測定であり、柔軟性の測定とは評価する能力そのものが異なる。

    HINT このテストが直接反映しているのは体のどの部分の柔軟性か。

  43. 最大下テスト(サブマキシマルテスト)によって最大酸素摂取量を推定する方法の基本的な考え方として最も適切なのはどれか。

    • 1運動強度を序盤から一気に最大まで上げていき、疲労困憊に至った心拍数から直接測定する
    • 2運動強度と心拍数の関係から、最大酸素摂取量を推定する正解
    • 3一定の強度を保ったまま長時間運動を続け、消費したエネルギー量を積算して求める

    Answer

    正解 2:運動強度と心拍数の関係から、最大酸素摂取量を推定する

    正解は「運動強度と心拍数の関係から、最大酸素摂取量を推定する」である。最大下テストは、疲労困憊に至らない範囲の運動強度と、それに対する心拍数の反応との関係を利用して最大酸素摂取量を推定する方法である。「運動強度を序盤から一気に最大まで上げていき、疲労困憊に至った心拍数から直接測定する」は誤り。これは最大努力を伴う直接的な測定であり、疲労困憊を避けることを前提とする最大下テストの考え方とは異なる。「一定の強度を保ったまま長時間運動を続け、消費したエネルギー量を積算して求める」も誤り。消費エネルギー量の積算による評価は、心拍数と運動強度の関係を用いる最大下テストの考え方とは別の方法である。

    HINT 下という字が指すのは、どのレベルの運動強度か。

  44. 体力測定の結果を年齢・性別ごとの基準値(ノーム)と比較して評価する際の考え方として最も適切なのはどれか。

    • 1クライアントの測定値が、同じ年齢と同じ性別の集団の中での相対的な位置を示すものである正解
    • 2基準値を上回れば、トレーニングの効果が十分に得られている証拠として扱ってよい
    • 3測定値と基準値の差は、そのまま体力年齢の差に換算できる

    Answer

    正解 1:クライアントの測定値が、同じ年齢と同じ性別の集団の中での相対的な位置を示すものである

    正解は「クライアントの測定値が、同じ年齢と同じ性別の集団の中での相対的な位置を示すものである」である。基準値との比較は、同じ年齢・性別の集団の中でクライアントの測定値がどのあたりに位置するかを示すものであり、絶対的な合否や優劣を示すものではない。「基準値を上回れば、トレーニングの効果が十分に得られている証拠として扱ってよい」は誤り。基準値を上回ること自体は集団内での相対的な位置を示すにすぎず、それだけでプログラムによる効果が十分に得られた証拠とはいえない。「測定値と基準値の差は、そのまま体力年齢の差に換算できる」も誤り。基準値との差を年齢の差にそのまま換算できるという単純な関係は成り立たない。

    HINT 基準値は合否の基準ではなく何を示すものか。

  45. 体力測定に用いる検査の「妥当性」という考え方が意味する内容として最も適切なのはどれか。

    • 1その検査が測定しようとしている能力を実際にどれだけ正しく測定できているかを表す正解
    • 2同じ対象者に同じ検査を繰り返し行った際に、測定値がどれだけ安定して一致するかを表す
    • 3検査で得られた数値が、集団の基準値の中でどの順位に位置するかを表す

    Answer

    正解 1:その検査が測定しようとしている能力を実際にどれだけ正しく測定できているかを表す

    正解は「その検査が測定しようとしている能力を実際にどれだけ正しく測定できているかを表す」である。妥当性は、その検査が測定したいと意図している能力を、実際にどれだけ正しく測定できているかを表す考え方である。「同じ対象者に同じ検査を繰り返し行った際に、測定値がどれだけ安定して一致するかを表す」は誤り。これは信頼性の説明であり、妥当性とは異なる考え方である。「検査で得られた数値が、集団の基準値の中でどの順位に位置するかを表す」も誤り。これは基準値との比較による相対的な位置づけの説明であり、検査そのものが正しく測定できているかを表す妥当性とは別の考え方である。

    HINT 正しい能力を測っているかを表す考え方である。

  46. 同一セッション内で最大パワーの測定、最大筋力の測定、筋持久力の測定をすべて行う場合、一般的に勧められる実施順序として最も適切なのはどれか。

    • 1測定は、パワー、筋力、持久力の順に行うことが望ましい正解
    • 2疲労の影響を避けるため、筋持久力の測定を最初に行い、パワーと筋力は後回しにする
    • 3筋力の測定で追い込んだ後に、パワーの測定で疲労の抜け具合を確認する

    Answer

    正解 1:測定は、パワー、筋力、持久力の順に行うことが望ましい

    正解は「測定は、パワー、筋力、持久力の順に行うことが望ましい」である。疲労の影響がより大きく現れやすい持久力の測定を最後に、疲労が少ない状態で発揮するパワーの測定を最初に行うという順序が勧められる。「疲労の影響を避けるため、筋持久力の測定を最初に行い、パワーと筋力は後回しにする」は誤り。疲労を最も蓄積させる筋持久力の測定を先に行うと、後に行うパワーや筋力の測定結果に疲労の影響が及んでしまう。「筋力の測定で追い込んだ後に、パワーの測定で疲労の抜け具合を確認する」も誤り。パワーの測定を疲労の確認のために後回しにすると、筋力測定で生じた疲労がパワーの測定結果に影響してしまう。

    HINT 疲労がもっとも蓄積しやすいのはどの測定か。

  47. BMI(体格指数)を用いて肥満度を評価する際の限界として最も適切なのはどれか。

    • 1身長と体重のみから算出され、筋肉量の多い対象者を過大に肥満と判定してしまう正解
    • 2腹部への脂肪の蓄積を反映するため、内臓脂肪型の肥満の判別に適している
    • 3BMIは体重と体脂肪の量の比から算出される指標である

    Answer

    正解 1:身長と体重のみから算出され、筋肉量の多い対象者を過大に肥満と判定してしまう

    正解は「身長と体重のみから算出され、筋肉量の多い対象者を過大に肥満と判定してしまう」である。BMIは身長と体重のみから算出されるため、筋肉量が多く体脂肪率が低い対象者であっても体重が重いことから過大に肥満と判定されてしまうことがある。「腹部への脂肪の蓄積を反映するため、内臓脂肪型の肥満の判別に適している」は誤り。脂肪がどこに蓄積しているかを反映するのは周囲径のような指標であり、身長と体重のみから算出されるBMIは脂肪の分布を反映しない。「BMIは体重と体脂肪の量の比から算出される指標である」も誤り。BMIは体重と身長から算出される指数であり、算出に体脂肪の量は用いられない。

    HINT BMIの算出に体脂肪の量は使われているか。

  48. 一定のフォームで反復可能な最大回数を数える筋持久力テスト(例:プッシュアップテスト)の結果を解釈する際の注意点として最も適切なのはどれか。

    • 1フォームの崩れよりも回数を優先し、独自のフォームで最後まで数を伸ばすべきである
    • 2フォームが崩れた時点で測定を終了することで、筋持久力以外の要素の混入を防げる正解
    • 3このテストは筋力の強さよりもパワーを反映する指標である

    Answer

    正解 2:フォームが崩れた時点で測定を終了することで、筋持久力以外の要素の混入を防げる

    正解は「フォームが崩れた時点で測定を終了することで、筋持久力以外の要素の混入を防げる」である。決められたフォームが崩れた時点で測定を終了しないと、代償動作など筋持久力以外の要素が回数に混ざり込み、結果の解釈が難しくなる。「フォームの崩れよりも回数を優先し、独自のフォームで最後まで数を伸ばすべきである」は誤り。フォームを崩してまで回数を伸ばすと、決められた動作パターンでの筋持久力を反映しない数値になってしまう。「このテストは筋力の強さよりもパワーを反映する指標である」も誤り。一定回数を反復できる能力を評価するこの種のテストが反映するのは筋持久力であり、パワーを反映する指標ではない。

    HINT フォームが崩れてからの回数を数えてよいか。

  49. 静的バランス測定(例:片脚立位テスト)の目的として最も適切なのはどれか。

    • 1方向転換をすばやく行えるかという敏捷性を評価する
    • 2身体の姿勢を保持する能力を評価する正解
    • 3関節を大きく動かせる範囲の広さを評価する

    Answer

    正解 2:身体の姿勢を保持する能力を評価する

    正解は「身体の姿勢を保持する能力を評価する」である。片脚立位テストのような静的バランス測定は、決められた姿勢をどれだけ保持できるかという能力を評価するものである。「方向転換をすばやく行えるかという敏捷性を評価する」は誤り。方向転換の速さを評価するのは敏捷性の測定であり、姿勢の保持を評価するバランス測定とは目的が異なる。「関節を大きく動かせる範囲の広さを評価する」も誤り。関節が動く範囲の広さを評価するのは柔軟性の測定であり、バランス測定の目的ではない。

    HINT 動きの速さではなく保持に注目する。

  50. 1.5マイルランのようなフィールドテストによって有酸素性作業能力を評価する方法の特徴として最も適切なのはどれか。

    • 1一定の運動強度で心拍数の反応を測定し、その回復の速さから推定する方法である
    • 2トレッドミルの傾斜を段階的に上げていく実験室での方法である
    • 3時間や距離という結果から最大酸素摂取量を推定できる、簡便に実施しやすい方法である正解

    Answer

    正解 3:時間や距離という結果から最大酸素摂取量を推定できる、簡便に実施しやすい方法である

    正解は「時間や距離という結果から最大酸素摂取量を推定できる、簡便に実施しやすい方法である」である。フィールドテストは、決められた距離を走るのにかかった時間や、決められた時間内に走れた距離といった結果から最大酸素摂取量を推定でき、実験室の測定機器を用いずに実施できる簡便さが特徴である。「一定の運動強度で心拍数の反応を測定し、その回復の速さから推定する方法である」は誤り。運動後の心拍数の回復の速さから推定する方法は、フィールドテストとは異なる考え方に基づく最大下テストの一種である。「トレッドミルの傾斜を段階的に上げていく実験室での方法である」も誤り。トレッドミルを用いた段階的な負荷増加は実験室で行う測定であり、実験室の外で行うフィールドテストの特徴ではない。

    HINT この方法に実験室の機器は必要か。

  51. トレーニングプログラムの効果を確認するために体力測定を再評価する時期を決める際の考え方として最も適切なのはどれか。

    • 1トレーニングを開始した翌週には効果が数値に表れるため、短い間隔で頻繁に再評価するべきである
    • 2測定項目の性質やプログラムの内容に応じた、意味のある変化が生じ得る期間をおいて行う正解
    • 3筋力の測定は毎回同じトレーナーが行う必要があるという考え方である

    Answer

    正解 2:測定項目の性質やプログラムの内容に応じた、意味のある変化が生じ得る期間をおいて行う

    正解は「測定項目の性質やプログラムの内容に応じた、意味のある変化が生じ得る期間をおいて行う」である。再評価の時期は、測定する項目の性質やプログラムの内容によって、意味のある変化が現れるまでにかかる期間を考慮して決める必要がある。「トレーニングを開始した翌週には効果が数値に表れるため、短い間隔で頻繁に再評価するべきである」は誤り。開始直後の短い期間では、測定項目によっては意味のある変化がまだ現れていない可能性が高い。「筋力の測定は毎回同じトレーナーが行う必要があるという考え方である」も誤り。これは測定者間の一致という別の観点についての考え方であり、再評価を行う時期そのものを決める考え方ではない。

    HINT 意味のある変化が現れるまでにかかる時間を考える。

  52. 体力測定における「信頼性」という考え方が意味する内容として最も適切なのはどれか。

    • 1検査が測定対象の能力を正しく反映しているかを表す考え方である
    • 2測定値の再現性がどれだけ高いかを表す正解
    • 3個人の測定値が基準集団の中でどの位置にあるかを表す考え方である

    Answer

    正解 2:測定値の再現性がどれだけ高いかを表す

    正解は「測定値の再現性がどれだけ高いかを表す」である。信頼性は、同じ検査を同じ対象者に繰り返し行った際に、測定値がどれだけ安定して再現されるかという考え方である。「検査が測定対象の能力を正しく反映しているかを表す考え方である」は誤り。これは妥当性の説明であり、再現性を表す信頼性とは異なる考え方である。「個人の測定値が基準集団の中でどの位置にあるかを表す考え方である」も誤り。これは基準値との比較による相対的な位置づけの説明であり、信頼性の考え方ではない。

    HINT 繰り返し測ったときに同じ値が出るかを表す考え方である。

  53. ウエストなどの周囲径を測定して健康リスクの評価に用いる際の考え方として最も適切なのはどれか。

    • 1皮下脂肪をつまんで測る方法よりも、測定者の技術による誤差が生じやすい
    • 2体脂肪の分布、特に腹部への蓄積の程度を反映し、体重や身長とは別の視点を与える正解
    • 3周囲径は体格指数とほぼ同じ情報を数値化したものである

    Answer

    正解 2:体脂肪の分布、特に腹部への蓄積の程度を反映し、体重や身長とは別の視点を与える

    正解は「体脂肪の分布、特に腹部への蓄積の程度を反映し、体重や身長とは別の視点を与える」である。周囲径の測定は、体脂肪がどこに蓄積しているか、特に腹部への蓄積の程度を反映するものであり、体重や身長だけでは得られない健康リスクに関する情報を提供する。「皮下脂肪をつまんで測る方法よりも、測定者の技術による誤差が生じやすい」は誤り。周囲径の測定はメジャーを一定の位置に当てて測るものであり、キャリパーでつまむ皮下脂肪厚法より測定者の技術に左右されやすいとは言えない。「周囲径は体格指数とほぼ同じ情報を数値化したものである」も誤り。体格指数は身長と体重から算出される数値であり、脂肪の分布を反映する周囲径とは異なる情報を示すものである。

    HINT 体重や身長だけでは分からない、脂肪の何を反映しているか。

  54. 垂直跳びのような測定によって下肢の筋パワーを評価する際の考え方として最も適切なのはどれか。

    • 1跳躍の高さは下肢の関節が動く範囲の広さを反映しているとされる指標である
    • 2垂直跳びは主に筋持久力を評価するための測定である
    • 3短時間で大きな力を発揮する能力を跳躍の高さから評価する正解

    Answer

    正解 3:短時間で大きな力を発揮する能力を跳躍の高さから評価する

    正解は「短時間で大きな力を発揮する能力を跳躍の高さから評価する」である。垂直跳びは、短時間で大きな力を発揮する能力であるパワーを、跳躍の高さという結果から評価するものである。「跳躍の高さは下肢の関節が動く範囲の広さを反映しているとされる指標である」は誤り。関節が動く範囲の広さを評価するのは柔軟性の測定であり、パワーを評価する垂直跳びの考え方とは異なる。「垂直跳びは主に筋持久力を評価するための測定である」も誤り。反復して行える回数を評価する筋持久力の測定と、一回の跳躍の高さでパワーを評価する垂直跳びとは、評価している能力そのものが異なる。

    HINT 一回の動作でどれだけの力を発揮できるかを評価している。

  55. 体力測定の結果をクライアントに伝える際の望ましい姿勢として最も適切なのはどれか。

    • 1測定値が基準値を下回った場合は、努力不足だと伝えて改善を促すべきである
    • 2数値の羅列は最小限にし、結果の意味を理解できる言葉で伝える正解
    • 3数値の変化を正確に伝えることを重視し、受け止め方は二の次にする

    Answer

    正解 2:数値の羅列は最小限にし、結果の意味を理解できる言葉で伝える

    正解は「数値の羅列は最小限にし、結果の意味を理解できる言葉で伝える」である。体力測定の結果は、数値を並べることよりも、その結果が持つ意味や今後のプログラムへのつながりを、クライアントが理解できる言葉で伝えることが望ましい。「測定値が基準値を下回った場合は、努力不足だと伝えて改善を促すべきである」は誤り。基準値を下回ったことは集団内での相対的な位置を示すにすぎず、それを本人の努力不足と結びつけて伝えることは適切ではない。「数値の変化を正確に伝えることを重視し、受け止め方は二の次にする」も誤り。数値を正確に伝えることは大切だが、クライアントがその結果をどう受け止めるかを考慮しない伝え方は望ましいコミュニケーションとはいえない。

    HINT 数値だけでなく、その意味をどう伝えるかを考える。

  56. 食事から摂る栄養素のうち、身体が使うエネルギーを供給するものの組み合わせとして最も適切なものはどれか。

    • 1エネルギーを供給するのは炭水化物と脂質の2つに限られている
    • 2炭水化物・脂質・たんぱく質の3つがエネルギーを供給する正解
    • 3ビタミンとミネラルがエネルギー供給の中心を担っている

    Answer

    正解 2:炭水化物・脂質・たんぱく質の3つがエネルギーを供給する

    「炭水化物・脂質・たんぱく質の3つがエネルギーを供給する」が最も適切である。この3つはエネルギー産生栄養素と呼ばれ、体内で分解されてエネルギーを取り出せる。「エネルギーを供給するのは炭水化物と脂質の2つに限られている」は、たんぱく質を数から外している点が誤りで、たんぱく質も身体の材料になるだけでなくエネルギー源としても使われる。「ビタミンとミネラルがエネルギー供給の中心を担っている」も誤りで、この2つはエネルギーの産生を助ける働きをするが、それ自体がエネルギーを供給するわけではない。

    HINT エネルギーを供給する栄養素は3つ。ビタミンとミネラルは助ける側。

  57. 筋が収縮するときに直接使われるエネルギーについての説明として、最も適切なものはどれか。

    • 1直接使われるのはATPで、糖や脂肪はそのATPを作る材料になる正解
    • 2直接使われるのは糖や脂肪で、ATPは運動後の回復にだけ関わる
    • 3直接使われるのはたんぱく質で、糖と脂肪は貯蔵のために使われる

    Answer

    正解 1:直接使われるのはATPで、糖や脂肪はそのATPを作る材料になる

    「直接使われるのはATPで、糖や脂肪はそのATPを作る材料になる」が最も適切である。筋が収縮するときに直接分解して使われるのはATPであり、糖や脂肪はそのATPを作り直すための材料として使われる。「直接使われるのは糖や脂肪で、ATPは運動後の回復にだけ関わる」は、材料と直接のエネルギー源を入れ替えており、ATPの役割を運動後に限定している点も誤りである。「直接使われるのはたんぱく質で、糖と脂肪は貯蔵のために使われる」も誤りで、たんぱく質は主に身体の材料として使われ、筋収縮の直接のエネルギー源にはならない。

    HINT 糖や脂肪は材料。直接使うのはATP。

  58. 運動の強度と続く時間によって、主に働くエネルギー供給の仕組みがどう変わるかについて、最も適切なものはどれか。

    • 1強度や時間にかかわらず、酸素を使う仕組みだけが一貫して働き続ける
    • 2短時間の高強度で酸素を使う仕組みが主になり、長く続く運動では酸素を使わない仕組みが主になる
    • 3短時間の高強度では酸素を使わない仕組みが主になり、長く続く運動では酸素を使う仕組みが主になる正解

    Answer

    正解 3:短時間の高強度では酸素を使わない仕組みが主になり、長く続く運動では酸素を使う仕組みが主になる

    「短時間の高強度では酸素を使わない仕組みが主になり、長く続く運動では酸素を使う仕組みが主になる」が最も適切である。3つの仕組みは切り替わるのではなくどれも同時に働いていて、主役が入れ替わる。ごく短時間の高い出力はATPとクレアチンリン酸、そして糖を酸素なしで分解する解糖の貢献が大きく、運動が長く続くほど酸素を使ってATPを作り直す仕組みの貢献が大きくなる。「短時間の高強度で酸素を使う仕組みが主になり、長く続く運動では酸素を使わない仕組みが主になる」は向きが逆である。「強度や時間にかかわらず、酸素を使う仕組みだけが一貫して働き続ける」も誤りで、仕組みは強度と時間に応じて主役が入れ替わる。

    HINT 短く激しいほど酸素を使わない側、長く続くほど酸素を使う側。

  59. 体脂肪を減らすことを目的とするクライアントに対する、食事の基本的な考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1炭水化物を含む食品をすべて除けば、摂る量を数えなくても体脂肪は減る
    • 2摂るエネルギーが消費するエネルギーを下回る状態を続けることが土台になる正解
    • 3消費するエネルギーを上回る量を摂りながら、食べる回数を増やして代謝を高める

    Answer

    正解 2:摂るエネルギーが消費するエネルギーを下回る状態を続けることが土台になる

    「摂るエネルギーが消費するエネルギーを下回る状態を続けることが土台になる」が最も適切である。体脂肪が減るかどうかは、摂るエネルギーと消費するエネルギーの差がどちらに向いているかで決まる。「炭水化物を含む食品をすべて除けば、摂る量を数えなくても体脂肪は減る」は、特定の栄養素を除くこと自体を条件にしており、除いたぶんを他の食品で補えば差は生まれないため成り立たない。「消費するエネルギーを上回る量を摂りながら、食べる回数を増やして代謝を高める」も誤りで、差の向きが体脂肪を増やす側になっている。

    HINT 減量で効くのは「何を抜くか」ではなく、摂る量と消費する量の差の向き。

  60. 筋量を増やすことを目的とするクライアントに対する、食事とトレーニングの組み合わせの考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1摂るエネルギーを消費より少なくしたまま、負荷を上げて筋量を増やしていく
    • 2トレーニングは変えずに、たんぱく質の多い食品だけを足して筋量を増やす
    • 3レジスタンストレーニングを続けながら、摂るエネルギーを消費より多くする正解

    Answer

    正解 3:レジスタンストレーニングを続けながら、摂るエネルギーを消費より多くする

    「レジスタンストレーニングを続けながら、摂るエネルギーを消費より多くする」が最も適切である。筋量を増やすには、筋に刺激を与えるレジスタンストレーニングと、材料とエネルギーが足りている状態の両方が必要になる。「摂るエネルギーを消費より少なくしたまま、負荷を上げて筋量を増やしていく」は、エネルギーが足りない状態で刺激だけを強める形になり、増やす方向とは噛み合わない。「トレーニングは変えずに、たんぱく質の多い食品だけを足して筋量を増やす」も誤りで、刺激が変わらなければ材料を足しても増える方向には向かない。

    HINT 増量は刺激と出納の両方。どちらか片方では向かない。

  61. トレーニングを行うクライアントへの水分の摂り方の勧め方として、最も適切なものはどれか。

    • 1渇きを感じる前から、運動の前後と運動中に分けて摂るよう勧める正解
    • 2のどの渇きを強く感じてから、そのときにまとめて一度に摂るよう勧める
    • 3運動中は水分を摂らずに、終わってから一度にまとめて摂るよう勧める

    Answer

    正解 1:渇きを感じる前から、運動の前後と運動中に分けて摂るよう勧める

    「渇きを感じる前から、運動の前後と運動中に分けて摂るよう勧める」が最も適切である。のどの渇きは水分が失われてから遅れて現れるため、渇きを待たずに運動の前後と運動中に分けて摂る形が勧められる。「のどの渇きを強く感じてから、そのときにまとめて一度に摂るよう勧める」は、合図として遅い渇きを基準にしており、一度にまとめて摂る形も腹部の不快感につながりやすい。「運動中は水分を摂らずに、終わってから一度にまとめて摂るよう勧める」も誤りで、運動中に失われる分を運動中に補えない。

    HINT 渇きは遅れて来る合図。待たずに分けて摂る。

  62. クライアントからサプリメントについて尋ねられたときの対応として、最も適切なものはどれか。

    • 1食事の内容にかかわらず、目的に合う製品を選んで摂るよう具体的に勧める
    • 2足りない分は製品で補えるので、食事の内容は確かめなくてよいと伝える
    • 3まず普段の食事の内容を確かめ、不足を補う位置づけとして扱うよう伝える正解

    Answer

    正解 3:まず普段の食事の内容を確かめ、不足を補う位置づけとして扱うよう伝える

    「まず普段の食事の内容を確かめ、不足を補う位置づけとして扱うよう伝える」が最も適切である。サプリメントは食事で足りない分を補うものなので、何が足りないかを食事の内容から確かめるのが先になる。「食事の内容にかかわらず、目的に合う製品を選んで摂るよう具体的に勧める」は、土台である食事を見ないまま製品を勧める順序になっている。「足りない分は製品で補えるので、食事の内容は確かめなくてよいと伝える」も誤りで、何がどれだけ足りないかは食事の内容を見なければ分からず、確かめる工程を省く理由にならない。

    HINT 順序は食事が先、製品は後。

  63. クライアントの食生活を把握するために食事の記録をつけてもらう際の進め方として、最も適切なものはどれか。

    • 1記録をつける期間だけ、望ましいと思う形に整えた食事を書き残してもらう
    • 2普段どおりの食事を数日分、食べたものと量をその場で書き残してもらう正解
    • 3一週間分をまとめて、週の終わりに思い出して量も添えて書き残してもらう

    Answer

    正解 2:普段どおりの食事を数日分、食べたものと量をその場で書き残してもらう

    「普段どおりの食事を数日分、食べたものと量をその場で書き残してもらう」が最も適切である。把握したいのは普段の食生活なので、普段どおりの内容を複数日ぶん、その場で書き残してもらう形がいちばん実際に近い。「記録をつける期間だけ、望ましいと思う形に整えた食事を書き残してもらう」は、記録のために内容を変えてしまうため、普段の食生活とは別のものが残る。「一週間分をまとめて、週の終わりに思い出して量も添えて書き残してもらう」も、間隔が開くほど記憶から抜け落ちる分が増え、量の見積もりもあいまいになる。

    HINT 見たいのは普段の食事。整えさせず、後からまとめさせない。

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