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資格のニガテ一問一答
JATI-ATI 専門科目科目模擬試験復習

トレーニングの実技と指導法全60問・正解と解説つき

JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)専門科目・ 公式テキスト第4章・ 分量 25%

筋力・パワー・持久力・スピード・柔軟性の各トレーニングの実際、種目のフォームと安全な指導法、トレーニングの運営と情報活用。

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  1. 経験のある競技者が高重量のスクワットで短時間バルサルバ法(息こらえ)を用いてよいとされる条件として最も適切なものはどれか。

    • 1経験を積んだ競技者が数秒で終わる単発の最大努力に限って、心血管系の状態を確認して用いる正解
    • 2疲労が強い反復の終盤ほど腹圧を保つ効果が大きいため、積極的に長く用いる
    • 3経験の浅い対象者にも、高重量の種目では毎回用いるよう指導する
    • 4持久的な種目でも呼吸を止め続けることで、乳酸の蓄積が抑えられて記録が伸びる

    Answer

    正解 1:経験を積んだ競技者が数秒で終わる単発の最大努力に限って、心血管系の状態を確認して用いる

    バルサルバ法(息をこらえて腹圧を高める手技)は、数秒で終わる単発の最大努力に限り、経験を積んだ競技者が心血管系のリスクがないことを確認したうえで短時間だけ用いることが許容されるとされる。「疲労が強い反復の終盤ほど腹圧を保つ効果が大きいため、積極的に長く用いる」は誤りで、こらえる時間が長いほど血圧の急上昇が大きくなり危険が増す。「経験の浅い対象者にも、高重量の種目では毎回用いるよう指導する」も誤りで、高血圧や心疾患のある者には避けるべき手技である。「持久的な種目でも呼吸を止め続けることで、乳酸の蓄積が抑えられて記録が伸びる」も誤りで、持続的に息をこらえることは生理的に成り立たず、姿勢の安定とも関係がない。

    HINT バルサルバ法は「使うか使わないか」ではなく「誰に・いつ・どれだけ短く」の条件で判断する。

  2. スクワットの動作指導として最も適切なものはどれか。

    • 1腰を丸めて骨盤を後傾させ、深さを優先し、姿勢は気にしない
    • 2膝が内側へ入るほど大腿部に効くため、意図的に内側へ入れる
    • 3重量を優先し、フォームが崩れても挙げきることを目標にする
    • 4脊柱の生理的弯曲を保ち、膝が内側へ入らないよう動かす正解

    Answer

    正解 4:脊柱の生理的弯曲を保ち、膝が内側へ入らないよう動かす

    スクワットでは、脊柱の生理的弯曲を保って腰部への負担を抑え、膝が内側へ入らないよう股関節と膝を協調させて動かすことが基本になる。「腰を丸めて骨盤を後傾させ」は腰椎への負担が大きく、深さを優先して姿勢を崩すのは適切でない。「膝が内側へ入るほど大腿部に効くため、意図的に内側へ入れる」は誤りで、膝が内側へ入る動作は前十字靱帯損傷などの危険因子とされる。「フォームが崩れても挙げきることを目標にする」も、傷害のリスクを高めるだけで狙った筋への刺激も得られない。

    HINT 深さより姿勢。腰が丸まる手前がその人の可動域、と割り切って指導する。

  3. デッドリフトの動作指導として最も適切なものはどれか。

    • 1バーを身体から離して持ち、腰を丸めて脊柱の力で引き上げる
    • 2膝を完全に伸ばしたまま腰だけを曲げ、勢いをつけて引き上げる
    • 3呼吸を止めたまま、可能な限り多くの反復を続ける
    • 4バーを身体の近くに保ち、脊柱の弯曲を保って引き上げる正解

    Answer

    正解 4:バーを身体の近くに保ち、脊柱の弯曲を保って引き上げる

    デッドリフトでは、バーを身体の近くに保ってモーメントアームを短くし、脊柱の生理的弯曲を保ったまま股関節と膝を使って引き上げる。「バーを身体から離して持ち、腰を丸めて脊柱の力で引き上げる」は、腰部へのトルクが大きくなるうえ弯曲も崩れ、最も危険な動作である。「膝を完全に伸ばしたまま腰だけを曲げ、勢いをつけて引き上げる」も腰部への負担が大きい。「呼吸を止めたまま、可能な限り多くの反復を続ける」は血圧の急上昇を招き、フォームも崩れる。

    HINT バーが身体から離れるほど腰への負担が増える。「近づける」がいちばん効く修正。

  4. ベンチプレスを安全に実施するための配慮として最も適切なものはどれか。

    • 1一人で行わず、セーフティバーを用意する正解
    • 2限界に近い重量ほど一人で行い、勢いで挙げきる
    • 3バーを胸で強く弾ませ、反動を使って挙上する
    • 4肩甲骨を大きく開いて胸を落とし、可動域を最大にする

    Answer

    正解 1:一人で行わず、セーフティバーを用意する

    ベンチプレスでは、挙上できなくなるとバーが胸や頸部に落ちる危険があるため、セーフティバーの設定や補助者の配置を行い、挙げられなくなった場合の合図と対応を事前に決めておく。「限界に近い重量ほど一人で行い」は最も危険な状況をつくる。「バーを胸で強く弾ませ、反動を使って挙上する」は胸骨や肋骨を傷める危険があり、狙った筋への刺激も減る。「肩甲骨を大きく開いて胸を落とし、可動域を最大にする」も誤りで、肩甲骨を寄せて安定させるほうが肩関節への負担を抑えられる。

    HINT 「潰れたときにどうなるか」を先に考える種目。セーフティの設定は毎回確認する。

  5. スプリントや跳躍などパワー発揮を伴う競技の試合前ウォームアップで、後活動増強(PAP)を狙う際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1高強度の刺激は疲労を残すため、試合前のウォームアップでは絶対に避けるべきである
    • 2刺激の直後に間を置かずすぐ専門動作に移るほど、増強の効果が最大になる
    • 3強度を上げずに軽い運動を長時間続けることで、爆発的な出力が最も高まる
    • 4高強度の刺激は低回数だけにとどめ、数分の回復を置いてから専門動作を行う正解

    Answer

    正解 4:高強度の刺激は低回数だけにとどめ、数分の回復を置いてから専門動作を行う

    後活動増強(PAP)は、高強度で低回数の刺激(重いスクワットなど)を入れたあと、疲労が抜けて増強の効果が残る数分の回復をとってから専門動作を行うことで、その後の爆発的な出力を高めうる現象である。「刺激の直後に間を置かずすぐ専門動作に移るほど、増強の効果が最大になる」は誤りで、直後は疲労が増強効果を上回っており、回復の時間を置いて初めて効果が現れる。「高強度の刺激は疲労を残すため、試合前のウォームアップでは絶対に避けるべきである」も誤りで、適切な回復時間を挟めば試合前に用いられている。「強度を上げずに軽い運動を長時間続けることで、爆発的な出力が最も高まる」も誤りで、これは持久的な準備運動の説明であり、パワー発揮の増強とは異なる。

    HINT 刺激の直後は疲労が勝つ。数分置いてから効果が出る、というタイミングが鍵。

  6. 高強度のトレーニングセッションの終盤からクールダウンにかけて指導者が行うべきこととして最も適切なものはどれか。

    • 1軽い運動を続けながら自覚的な疲労度や違和感を聞き取り、次回の負荷に反映する正解
    • 2運動をただちに終えて、次回の内容は前回とまったく同じにしておく
    • 3クールダウンの間は次のセッションの計画を考えず、身体を休ませることに専念する
    • 4疲労度の聴取は本人の負担になるため、記録が必要な場合以外は行わない

    Answer

    正解 1:軽い運動を続けながら自覚的な疲労度や違和感を聞き取り、次回の負荷に反映する

    高強度セッションの終盤からクールダウンにかけては、軽い運動を続けながら自覚的な疲労度や身体の違和感を聞き取り、その情報を次回の負荷設定に反映する時間として使える。「運動をただちに終えて、次回の内容は前回とまったく同じにしておく」は、その日の状態を次に活かす機会を捨てている。「次のセッションの計画を考えず、身体を休ませることに専念する」も誤りで、聴取した内容を計画に反映する姿勢に欠ける。「疲労度の聴取は本人の負担になるため、記録が必要な場合以外は行わない」も誤りで、毎回の聴取が次回の判断材料になる。

    HINT クールダウンは身体を戻すだけの時間ではない。次に活かす情報を拾う時間でもある。

  7. 主運動の直前に行うストレッチングとして、一般に適切とされるものはどれか。

    • 1静的ストレッチングを長時間行い、動的ストレッチングは行わない
    • 2動的ストレッチングを中心に行い、長時間の静的ストレッチングは行わない正解
    • 3反動を大きく使って可動域を超えて伸ばす方法を中心に行う
    • 4ストレッチングは主運動の前後どちらでも効果は同じなので、種類は問わない

    Answer

    正解 2:動的ストレッチングを中心に行い、長時間の静的ストレッチングは行わない

    主運動の直前には、関節を制御した動きで可動域いっぱいに動かす動的ストレッチングを中心に行い、静的ストレッチングを長時間行うことは避けるのが一般的とされる。直前の長時間の静的ストレッチングは一時的に発揮筋力を低下させることが知られているためである。「静的ストレッチングを長時間行い、動的ストレッチングは行わない」はこの点で適切でない。「反動を大きく使って可動域を超えて伸ばす」はバリスティックストレッチングにあたり、伸張反射を招き傷害のリスクが高い。「前後どちらでも効果は同じなので、種類は問わない」も、目的による使い分けを否定している。

    HINT 「前は動的、後は静的」。静的ストレッチングは運動後や別枠で時間をとる。

  8. 競技動作の特異性を踏まえてレジスタンストレーニングの可動域とテンポを設定する際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1競技動作よりも広い範囲まで動かし、関節の可動終端で数秒止めてから戻させる
    • 2可動域は狭いほど関節が安全なため、どの競技でも最小可動域に統一する
    • 3競技動作で使う範囲と速度に近づけ、関節の可動終端までは使わない正解
    • 4テンポは競技動作より遅く設定し、速度を抑えたまま反復させる

    Answer

    正解 3:競技動作で使う範囲と速度に近づけ、関節の可動終端までは使わない

    特異性の原理に基づけば、レジスタンストレーニングの可動域とテンポは実際の競技動作で使う範囲と速度に近づけることが望ましい一方、関節に過度な負担がかかる終端まで動かすことは避ける。「競技動作よりも広い範囲まで動かし、関節の可動終端で数秒止めてから戻させる」は、可動域を広げる方向に行き過ぎており、終端での保持は関節への負担を増やす。「可動域は狭いほど関節が安全なため、どの競技でも最小可動域に統一する」も誤りで、競技で使う範囲での筋力が高まりにくくなる。「テンポは競技動作より遅く設定し、速度を抑えたまま反復させる」も、設定した速度が競技動作から離れており、特異性の原理に反する。

    HINT 「安全な可動域」と「競技で使う可動域」は必ずしも同じではない。近づけつつ関節の終端は避ける。

  9. 外部負荷を用いる前段階として自体重トレーニングを活用する際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1自体重では十分な刺激にならないため、動作の確認を省いてすぐ外部負荷を加える
    • 2正しい動作パターンの習得を優先し、習熟を見てから外部負荷を加える正解
    • 3動作の習熟が浅くても、体力の高い対象者には最初から外部負荷を用いる
    • 4自体重で動作が安定したあとも自体重だけを続け、外部負荷は本人の希望を待って加える

    Answer

    正解 2:正しい動作パターンの習得を優先し、習熟を見てから外部負荷を加える

    外部負荷を加える前段階では、自体重トレーニングを用いて正しい動作パターンの習得を優先し、習熟の程度を見きわめてから外部負荷を段階的に加えていくのが基本になる。「自体重では十分な刺激にならないため、動作の確認を省いてすぐ外部負荷を加える」は、フォームが安定しない段階で負荷をかけることになり傷害のリスクが高い。「動作の習熟が浅くても、体力の高い対象者には最初から外部負荷を用いる」も同様の理由で適切でない。「自体重で動作が安定したあとも自体重だけを続け、外部負荷は本人の希望を待って加える」も誤りで、習得を優先する方向は合っているが、安定したあとは計画に沿って外部負荷へ進めなければ必要な適応が得られない。

    HINT 負荷を足す前に、動きが安定しているかを自体重で確認する。順序を飛ばさない。

  10. 動作を言葉で伝える際のキューイングの工夫として最も適切なものはどれか。

    • 1肩関節を何度屈曲させるかなど、関節の動きを常に数値で細かく指示する
    • 2関与する筋の名称をすべて挙げ、内部の筋活動に意識を集中させるよう伝える
    • 3対象者の注意を自分の身体の内部に向けさせる
    • 4身体の内部の感覚ではなく、床を押すなどの結果に注意を向けさせる正解

    Answer

    正解 4:身体の内部の感覚ではなく、床を押すなどの結果に注意を向けさせる

    動作を言葉で伝える際は、関節の動かし方そのものよりも「床を押す」「的に向かって伸びる」のように動作の結果に注意を向けさせる表現(外的焦点)を使うほうが、動作の出来が良くなりやすいことが知られている。「関節の動きを常に数値で細かく指示する」は内的で分析的な焦点を強め、動作をかえって硬くする。「関与する筋の名称をすべて挙げ、内部の筋活動に意識を集中させる」も同様に内的焦点を強め、情報量も多すぎる。「対象者の注意を自分の身体の内部に向けさせる」も、外的焦点ではなく内的焦点を強めており適切でない。

    HINT 「地面を押す」「的に向かって伸びる」のような外的焦点は、関節の名称を言うより動きが良くなりやすい。

  11. トレーニング施設の運営において、器具の配置を考える際の観点として最も適切なものはどれか。

    • 1収容できる台数を最大にすることを最優先し、間隔は限界まで詰める
    • 2利用者の動線と器具の可動範囲が交差しないようにし、見通しを確保する正解
    • 3指導者の位置から死角になる配置にして、視線を気にしないようにする
    • 4重量物は床に近い位置へまとめ、利用者の主な動線の上に置いて目につきやすくする

    Answer

    正解 2:利用者の動線と器具の可動範囲が交差しないようにし、見通しを確保する

    器具の配置では、利用者の動線と器具の可動範囲(バーの軌道、プレートの出し入れ、跳躍の着地点)が交差しないようにし、指導者や監視者から見通しが利くようにすることが安全の基本になる。「収容できる台数を最大にすることを最優先し、間隔は限界まで詰める」は、接触事故や器具の干渉を招く。「指導者の位置から死角になる配置」は、異常への気づきが遅れる。「重量物は床に近い位置へまとめ、利用者の主な動線の上に置いて目につきやすくする」も、落下の危険を下げる意図はあるが、動線の上に物を置けばつまずきや接触という別の危険を生む。

    HINT 「見えるか」と「ぶつからないか」。台数を詰めたくなるときほどここを確認する。

  12. 指導の場で情報を活用する姿勢として最も適切なものはどれか。

    • 1広く共有されている情報であれば、出どころを確認せずに用いてよい
    • 2新しい情報ほど正しいため、発表の新しさを基準に採否を決める
    • 3出どころと更新時期を確認できた情報だけを用いる正解
    • 4出どころと更新時期を確かめ、対象者に合うかの判断は本人に任せる

    Answer

    正解 3:出どころと更新時期を確認できた情報だけを用いる

    指導の場で情報を用いる際は、その出どころ(誰が、どのような資料に基づいて示したか)と更新時期を確認して用いる。目の前の対象者に適用できるかの検討や、ガイドラインの改訂時期の確認も欠かせない。「広く共有されている情報であれば、出どころを確認せずに用いてよい」は、誤情報が広く流通する例があるため危うい。「発表の新しさを基準に採否を決める」も、質の確認を伴わない。「出どころと更新時期を確かめ、対象者に合うかの判断は本人に任せる」は、確認する方向は合っているが、目の前の対象者に当てはまるかを見きわめるのは指導者の役割である。

    HINT 「誰が・いつ・何に基づいて」の3点を確認する癖。改訂の見落としはここで防げる。

  13. トレーニング実施中に対象者の動作が崩れてきた場合の対応として最も適切なものはどれか。

    • 1予定した回数に達するまでは、動作が崩れても続けさせる
    • 2崩れたのは集中が切れたためと見て、休息を長く取り直し同じ重量で続けさせる
    • 3崩れが出た時点でその日のセッションを打ち切り、残りの種目も翌日へ回す
    • 4動作が崩れたら無理に続けるのをやめ、そのセットだけを終えるか負荷を下げる正解

    Answer

    正解 4:動作が崩れたら無理に続けるのをやめ、そのセットだけを終えるか負荷を下げる

    動作が崩れた状態で続けると、狙った筋への刺激が入らないうえ、関節や腰部への負担が増して傷害につながる。その時点で無理に続けず、セットを終えるか負荷を下げることが基本になる。「予定した回数に達するまでは、動作が崩れても続けさせる」は回数を目的化している。「崩れたのは集中が切れたためと見て、休息を長く取り直し同じ重量で続けさせる」は、原因を集中力に置き換えており、負荷が重すぎるという合図を読み違えている。「崩れが出た時点でその日のセッションを打ち切り、残りの種目も翌日へ回す」も、止める方向には向いているが、その種目の負荷を下げるか他の種目へ移れば続けられる場面でセッションごと失うことになる。

    HINT 回数は目標であって目的ではない。崩れたら止める判断ができるかで指導者の質が出る。

  14. パワークリーンを未経験の競技者に導入する際の指導順序として最も適切なものはどれか。

    • 1最初からフルレンジのパワークリーンをひたすら反復させ、失敗しながら感覚をつかませていく
    • 2ハイプルやキャッチなど動作を分解して習得させ、段階的に一連の動きへつなげる正解
    • 3キャッチの姿勢だけをあらかじめ省略し、引き上げの局面から高重量でいきなり練習させてしまう
    • 4ハイプルとキャッチをそれぞれ習得させたのち、つなげる段階を経ずに高重量の一連動作へ移る

    Answer

    正解 2:ハイプルやキャッチなど動作を分解して習得させ、段階的に一連の動きへつなげる

    パワークリーンのように複数の局面から成る複雑な動作は、ハイプル(引き上げ)やキャッチ(受け止め)など動作を分解して個別に習得させ、それぞれが安定してから段階的に一連の動きへつなげていくのが安全で効率的な導入順序とされる。「最初からフルレンジのパワークリーンをひたすら反復させ、失敗しながら感覚をつかませていく」は、複雑な動作をいきなり通しで行わせることになり、フォームの崩れと傷害のリスクが高い。「キャッチの姿勢だけをあらかじめ省略し、引き上げの局面から高重量でいきなり練習させてしまう」は、受け止める技術が未習得のまま負荷をかけることになる。「ハイプルとキャッチをそれぞれ習得させたのち、つなげる段階を経ずに高重量の一連動作へ移る」も、分解して習得させる点までは正しいが、軽い負荷で一連の動きへつなげる段階を飛ばしており、局面の切り替わりで崩れが出やすい。

    HINT 複雑な動作ほど『分けて』教える。分解してから、つなげる順番。

  15. 懸垂(プルアップ)やベントオーバーロウなど引く動作の指導で、腕を曲げる前に意識させるべきこととして最も適切なものはどれか。

    • 1肩をすくめて耳に近づけ、僧帽筋上部の力で身体を引き上げる
    • 2腕の力だけで一気に引き上げ、体幹や肩甲骨の動きは意識しない
    • 3反動をつけて勢いよく身体を振り上げ、腕の負担を減らして引く
    • 4肩甲骨を下げて寄せる動きを先に行い、そこから肘を曲げて身体を引く正解

    Answer

    正解 4:肩甲骨を下げて寄せる動きを先に行い、そこから肘を曲げて身体を引く

    引く動作では、肩甲骨を下げて寄せる動き(下制と内転)を先に行うことで肩関節の位置が安定し、そこから肘を曲げて引くことで広背筋など狙った筋に効率よく力を伝えられる。「肩をすくめて耳に近づけ、僧帽筋上部の力で身体を引き上げる」は、肩関節がすくんだ不安定な位置のまま引くことになり、肩への負担が増す。「腕の力だけで一気に引き上げ、体幹や肩甲骨の動きは意識しない」は、肩甲骨の安定を欠いたまま腕だけに頼ることになり、狙った筋への刺激も弱くなる。「反動をつけて勢いよく身体を振り上げ、腕の負担を減らして引く」は、狙った筋への負荷を逃してしまい、肩や腰への負担も増える。

    HINT 『肩をすくめる』のと『肩甲骨を下げて寄せる』は逆の動き。先に決めるのは後者。

  16. 高重量のスクワットやデッドリフトの前に行う体幹の固め方(ブレーシング)と、低負荷のリハビリ場面で用いられるドローインの違いとして最も適切なものはどれか。

    • 1ブレーシングは腹部を全周から固めて腹圧を高める動き、ドローインは腹横筋を狙って腹部をへこませる動きである正解
    • 2ブレーシングは腹部をへこませて薄くする動きで、ドローインは腹部を膨らませる動きである
    • 3ドローインは腹圧を高めて体幹全体を固める動きで、高重量の種目ではこちらを優先して使う
    • 4ブレーシングとドローインは同じ動きを指す別名にすぎず、両者に実施上の違いはまったくない

    Answer

    正解 1:ブレーシングは腹部を全周から固めて腹圧を高める動き、ドローインは腹横筋を狙って腹部をへこませる動きである

    ブレーシングは、腹部を全周から固めて腹腔内圧を高め、体幹全体を筒のように安定させる動きで、高重量のスクワットやデッドリフトのように脊柱に大きな負荷がかかる場面で用いられる。ドローインは腹横筋を狙っておへその下あたりを軽くへこませる動きで、低負荷での体幹の意識づけやリハビリ場面で使われる。「ブレーシングは腹部をへこませて薄くする動きで、ドローインは腹部を膨らませる動きである」は両者の説明が入れ替わっている。「ドローインは腹圧を高めて体幹全体を固める動きで、高重量の種目ではこちらを優先して使う」も誤りで、腹圧を高めて固めるのはブレーシングの説明である。「ブレーシングとドローインは同じ動きを指す別名にすぎず、両者に実施上の違いはまったくない」も誤りで、両者は狙いも動きも異なる別の手技である。

    HINT 『固めて腹圧を上げる』のと『へこませて狙って使う』は別の動き。高重量にはどちらが向くか。

  17. リフティングベルトの使用に関する考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1腹圧を高める練習そのものが不要になるという理由から、初心者の段階から常にベルトを装着させておく必要がある
    • 2最大努力に近い多関節種目に限って腹圧を高める補助に使い、体幹を固める練習はベルトなしでも行う正解
    • 3最大努力に近い多関節種目に絞ってベルトを使い、腹圧を高める練習もベルトを締めた状態だけで行う
    • 4ベルトを締めれば締めるほど体幹の筋力が向上するため、どの負荷の種目でも常用させておく

    Answer

    正解 2:最大努力に近い多関節種目に限って腹圧を高める補助に使い、体幹を固める練習はベルトなしでも行う

    リフティングベルトは、最大努力に近い多関節種目(スクワットやデッドリフトなど)で腹腔内圧を高める補助として用いる一方、腹圧を高めて体幹を固める感覚そのものは、ベルトに頼らずに養う練習も並行して行う必要がある。「腹圧を高める練習そのものが不要になるという理由から、初心者の段階から常にベルトを装着させておく必要がある」は誤りで、常用すると体幹を自力で固める力が育ちにくくなる。「最大努力に近い多関節種目に絞ってベルトを使い、腹圧を高める練習もベルトを締めた状態だけで行う」も誤りで、使う場面を絞る点は正しいが、ベルトなしで体幹を固める練習を別に行わなければ自力で腹圧を高める力が育たない。「ベルトを締めれば締めるほど体幹の筋力が向上するため、どの負荷の種目でも常用させておく」も誤りで、ベルトの装着自体は筋力を高める手段ではない。

    HINT 使う場面を絞る道具。『いつも着ける』と、素の体幹を固める力が育たなくなる。

  18. デッドリフトなどで握力が挙上の制限要因になる場合の、リストストラップとチョークの使い分けとして最も適切なものはどれか。

    • 1チョークは握力そのものを底上げしてくれる道具であるため、握力の弱い対象者にまず優先して使わせる
    • 2リストストラップはただの滑り止めの粉にすぎないため、握力を補う効果はチョークとまったく変わらない
    • 3握力を鍛える機会をどのような場面でも失わないよう、レベルにかかわらずどちらも一切使用させない
    • 4チョークは摩擦を高めるだけで握力を補わず、ストラップは補うぶん鍛える機会が減る正解

    Answer

    正解 4:チョークは摩擦を高めるだけで握力を補わず、ストラップは補うぶん鍛える機会が減る

    チョーク(滑り止めの粉)はバーと手のひらの摩擦を高めるだけで、握力そのものを補うものではないため握力を鍛える機会を損なわない。一方、リストストラップは手首とバーを固定して握力を補うため、握力が挙上の制限要因にならなくなるぶん、握力を鍛える機会が減る。「チョークは握力そのものを底上げしてくれる道具であるため、握力の弱い対象者にまず優先して使わせる」は誤りで、チョークは摩擦を高めるだけで握力を補う効果はない。「リストストラップはただの滑り止めの粉にすぎないため、握力を補う効果はチョークとまったく変わらない」も誤りで、両者の働きは異なる。「握力を鍛える機会をどのような場面でも失わないよう、レベルにかかわらずどちらも一切使用させない」も誤りで、握力が明らかな制限要因になっている場面ではストラップの使用が合理的な場合もある。

    HINT チョークは『滑らせない』だけ。ストラップは『握らせない』分、握力の刺激が減る。

  19. メディシンボールの投げ動作を用いて全身のパワー発揮を養う際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1軽めから中程度の重さのボールを、競技動作に近い方向へ最大努力で投げ切る正解
    • 2できるだけ重いボールを選び、動作の速度は落としてでも重さで負荷をかける
    • 3決められた1方向への投げを繰り返し、競技で使う方向とは別の方向で負荷をかける
    • 4床に強く叩きつける投げ方だけを用い、前方や側方へ投げる動作は取り入れない

    Answer

    正解 1:軽めから中程度の重さのボールを、競技動作に近い方向へ最大努力で投げ切る

    メディシンボールを用いたパワー発揮の養成では、軽めから中程度の重さのボールを選び、競技で使う方向(前方への投げ、回旋を伴う側方への投げなど)へ最大努力で投げ切ることで、速度を保ったまま全身の力を伝える練習になる。「できるだけ重いボールを選び、動作の速度は落としてでも重さで負荷をかける」は、パワーの構成要素である速度を犠牲にしており、狙いから外れる。「決められた1方向への投げを繰り返し、競技で使う方向とは別の方向で負荷をかける」は、競技動作の方向性を反映できない。「床に強く叩きつける投げ方だけを用い、前方や側方へ投げる動作は取り入れない」も、競技で必要な多方向への出力を養えない。

    HINT パワーは速度あってこそ。重くしすぎず、競技で使う方向へ全力で投げる。

  20. 新しい動作を習得しつつある対象者へのフィードバックの与え方として、近年の運動学習の知見から適切とされるものはどれか。

    • 1習得が進んだ段階でも、毎回の反復ごとに細かく指摘を続けたほうが定着が早い
    • 2習得の初期段階から一切フィードバックを与えず、本人の試行錯誤だけに任せる
    • 3習得が進むにつれて指摘を減らし、減らしたあとは動作の確認そのものを本人に任せる
    • 4習得が進むにつれて毎回の細かい指摘を少しずつ減らしていき、本人が誤りに気づく機会を残す正解

    Answer

    正解 4:習得が進むにつれて毎回の細かい指摘を少しずつ減らしていき、本人が誤りに気づく機会を残す

    運動学習の知見では、習得が進むにつれて毎回の細かいフィードバックを徐々に減らしていく(フェーディング)ことで、本人が自分の動作の誤りに気づいて修正する機会が残り、フィードバックがなくなった場面でも動作を保ちやすくなるとされる。「習得が進んだ段階でも、毎回の反復ごとに細かく指摘を続けたほうが定着が早い」は誤りで、頻繁すぎるフィードバックは本人の自己修正力を育てにくくし、指摘がなくなった途端に崩れやすくなる。「習得の初期段階から一切フィードバックを与えず、本人の試行錯誤だけに任せる」も誤りで、初期段階では誤りに気づく手がかりが乏しく習得が遅れる。「習得が進むにつれて指摘を減らし、減らしたあとは動作の確認そのものを本人に任せる」も誤りで、指摘を減らす方向は合っているが、指導者が動作を見て確かめることまでやめれば崩れに気づけない。

    HINT 『毎回細かく』が常に良いとは限らない。上達に応じて指摘を減らし、気づく力を残す。

  21. スクワットの動作を集団に示すデモンストレーションの行い方として最も適切なものはどれか。

    • 1対象者と向かい合う位置から何度も繰り返し見せ、体側からの姿勢はいっさい示さない
    • 2一度見せれば十分だという考えのもと、動作を何度も繰り返して強く印象づける
    • 3対象者の背後から自分だけが見える位置に立ち、動作は見せずに口頭だけで説明する
    • 4深さや脊柱の姿勢が確認できる体側からの見え方も示し、要点を言葉で添える正解

    Answer

    正解 4:深さや脊柱の姿勢が確認できる体側からの見え方も示し、要点を言葉で添える

    スクワットのように深さや脊柱の姿勢が要点になる種目では、正面からの見え方だけでなく、しゃがみの深さや背中の丸まりが確認できる体側からの見え方も示し、あわせて要点を言葉で添えることで、対象者が確認すべき点を把握しやすくなる。「対象者と向かい合う位置から何度も繰り返し見せ、体側からの姿勢はいっさい示さない」は、正面からでは分かりにくい深さや脊柱の姿勢という要点を伝えられない。「一度見せれば十分だという考えのもと、動作を何度も繰り返して強く印象づける」は、見た目だけでは伝わりにくい注意点(重心の位置や呼吸など)を補えない。「対象者の背後から自分だけが見える位置に立ち、動作は見せずに口頭だけで説明する」は、そもそも対象者にデモンストレーションが見えておらず成り立たない。

    HINT スクワットの要点は横から見て分かるもの多い。正面だけでは深さも背中の丸まりも伝わらない。

  22. バーベルやベンチなど複数の利用者が共有する器具の衛生管理として最も適切なものはどれか。

    • 1汗は器具の金属部分を傷めるため、拭き取りは金属部分を中心に行う
    • 2清掃の担当と頻度を決めて掲示し、利用ごとの拭き取りは利用者の心がけに任せる
    • 3利用ごとの拭き取りと定期的な清掃を組み合わせ、皮膚感染症などの伝播を防ぐ正解
    • 4利用後に消毒液を多めに吹きかけて拭き取り、定期清掃の分も兼ねたものとして扱う

    Answer

    正解 3:利用ごとの拭き取りと定期的な清掃を組み合わせ、皮膚感染症などの伝播を防ぐ

    バーベルやベンチのように汗が直接触れる器具を複数の利用者が共有する場では、利用ごとの拭き取りと、それとは別に定期的な清掃を組み合わせることで、皮膚感染症などが利用者間で伝播するのを防ぐ。「汗は器具の金属部分を傷めるため、拭き取りは金属部分を中心に行う」は、器具の劣化だけに目を向けており、皮膚が触れるパッドやシートを介した衛生上のリスクを見落としている。「清掃の担当と頻度を決めて掲示し、利用ごとの拭き取りは利用者の心がけに任せる」は誤りで、定期清掃の仕組みはあるものの、汗が直接触れる器具では利用ごとの拭き取りを促す仕組みも欠かせない。「利用後に消毒液を多めに吹きかけて拭き取り、定期清掃の分も兼ねたものとして扱う」も誤りで、量を増やしても手の届かない部分は残り、器具の素材を傷めることもあるため定期的な清掃の代わりにはならない。

    HINT 汚れが『見えるか』ではなく、汗が『触れているか』で考える。利用ごとと定期、両方が要る。

  23. 複数の対象者が同時にそれぞれ別のバーベル種目を行っている場面で、指導者が注意を配分する考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1対象者全員をまったく均等な時間ずつ順番に見て回り、種目の危険度による差はいっさいつけない
    • 2挙上できなくなったときの危険度が高い種目を行う対象者を優先して見える位置に立つ正解
    • 3経験の長い対象者は目を離してもよいものとし、初心者にだけ注意を向ける
    • 41人の対象者につきっきりで見続け、他の対象者は自己申告があるまで見ない

    Answer

    正解 2:挙上できなくなったときの危険度が高い種目を行う対象者を優先して見える位置に立つ

    複数の対象者が同時に種目を行う場面では、挙上できなくなったときにバーが身体にかかる危険度が高い種目(ベンチプレスやスクワットなど)を行う対象者を優先して見える位置に立ち、視線と立ち位置を配分することで、限られた注意を事故のリスクが高い場面に振り向けられる。「対象者全員をまったく均等な時間ずつ順番に見て回り、種目の危険度による差はいっさいつけない」は、危険度の高い局面で目が離れる時間帯が生じうる。「経験の長い対象者は目を離してもよいものとし、初心者にだけ注意を向ける」も誤りで、経験があっても高重量では危険度が下がるわけではない。「1人の対象者につきっきりで見続け、他の対象者は自己申告があるまで見ない」も、他の対象者への異常の気づきが遅れる。

    HINT 全員平等に薄く見るより、『潰れたら危ない種目』に注意を寄せる。

  24. ランジやスプリットスクワットの動作指導として最も適切なものはどれか。

    • 1前脚の膝を骨盤より大きく内側へ入れることで、狙った筋への刺激を高めるよう指導する
    • 2前脚のつま先と膝の向きを揃え、後ろ脚は股関節を伸ばして安定させる正解
    • 3歩幅を可能な限り狭くとらせ、前脚だけに体重を乗せきることを優先させる
    • 4後ろ脚の膝を接地させず、常に浮かせたまま上体を大きく前傾させて行わせる

    Answer

    正解 2:前脚のつま先と膝の向きを揃え、後ろ脚は股関節を伸ばして安定させる

    ランジやスプリットスクワットでは、前脚のつま先と膝の向きを揃え、後ろ脚は股関節を伸ばして安定させることで、膝関節へのねじれの負担を抑えながら股関節伸展筋群にも刺激を入れられる。「前脚の膝を骨盤より大きく内側へ入れることで、狙った筋への刺激を高めるよう指導する」は誤りで、膝が内側へ入る動作は前十字靱帯などへの負担を高める危険な動作である。「歩幅を可能な限り狭くとらせ、前脚だけに体重を乗せきることを優先させる」も誤りで、歩幅が狭すぎると前脚の膝が過度に前方へ出て負担が増す。「後ろ脚の膝を接地させず、常に浮かせたまま上体を大きく前傾させて行わせる」も誤りで、後ろ脚を使わないまま前傾させると腰部への負担が増し、股関節伸展筋群への刺激も得られない。

    HINT 前脚のつま先と膝の向きを揃える。歩幅を詰めたり後ろ脚を浮かせたりは負担を増やすだけ。

  25. ルーマニアンデッドリフトなどヒップヒンジ動作を用いる種目の指導として最も適切なものはどれか。

    • 1膝を大きく曲げてしゃがみ込み、スクワットと同じ深さまでバーを下ろすことを目標にする
    • 2股関節を支点に上体を前傾させ、膝はわずかに曲げたまま脊柱の弯曲を保ってバーを下ろす正解
    • 3腰を丸めて下ろすことで、より深い可動域を確保できるため積極的に丸めさせる
    • 4上体を前傾させず膝の屈伸だけで動作を行わせ、股関節はほとんど動かさない

    Answer

    正解 2:股関節を支点に上体を前傾させ、膝はわずかに曲げたまま脊柱の弯曲を保ってバーを下ろす

    ヒップヒンジ動作は、股関節を支点に上体を前傾させる動きが中心で、膝はわずかに曲げるにとどめ、脊柱の生理的弯曲を保ったままバーを下ろすことで、ハムストリングスや殿筋へ効率よく負荷をかけられる。「膝を大きく曲げてしゃがみ込み、スクワットと同じ深さまでバーを下ろすことを目標にする」は誤りで、膝を大きく曲げるとスクワットの動作になり股関節主体の負荷から外れる。「腰を丸めて下ろすことで、より深い可動域を確保できるため積極的に丸めさせる」も誤りで、腰椎を丸めた姿勢は椎間板への負担が大きく危険である。「上体を前傾させず膝の屈伸だけで動作を行わせ、股関節はほとんど動かさない」も誤りで、股関節を動かさなければヒップヒンジ自体が成立しない。

    HINT 支点は股関節。膝はわずかに曲げるだけで、丸めるのは腰ではなく股関節側から折る。

  26. 片脚立位や片脚デッドリフトなど片脚で行う種目を取り入れる意義として最も適切なものはどれか。

    • 1狭い支持基底面のなかで股関節周囲の安定性とバランスを養う正解
    • 2両脚種目よりも常に高重量を扱えるため、最大筋力の向上を目的に用いる
    • 3バランスを保つ必要がないぶん、狙った筋への刺激だけを高めやすくなる
    • 4左右差が見つかったら、差が埋まるまで弱い側に片脚種目を寄せて続ける

    Answer

    正解 1:狭い支持基底面のなかで股関節周囲の安定性とバランスを養う

    片脚で行う種目は、狭い支持基底面のなかで股関節周囲の安定性とバランスを養うことで、走る・跳ぶ・切り返すといった競技動作で生じる片脚での荷重に備える意義がある。「両脚種目よりも常に高重量を扱えるため、最大筋力の向上を目的に用いる」は誤りで、片脚では扱える重量はむしろ両脚種目より小さくなる。「バランスを保つ必要がないぶん、狙った筋への刺激だけを高めやすくなる」も誤りで、片脚種目はバランスを保つこと自体が課題になる種目である。「左右差が見つかったら、差が埋まるまで弱い側に片脚種目を寄せて続ける」も誤りで、左右差に対応する方向は合っているが、強い側への刺激を止めれば全体の能力が下がり、両脚種目との組み合わせも崩れる。

    HINT 片脚種目の主眼は高重量ではなく安定性。左右差を見つける手がかりにもなる。

  27. オーバーヘッドプレス(頭上へのプレス動作)を安全に行うための配慮として最も適切なものはどれか。

    • 1腰を大きく反らせて胸を高く突き出し、腰椎の伸展で可動域を稼ぐことを優先する
    • 2首の後ろにバーを下ろすビハインドネックプレスを、肩の可動域が狭い対象者にも行わせる
    • 3肋骨の突き出しを抑えて体幹を保ち、頭を軌道から外して挙上する正解
    • 4肩甲骨を完全に固定したまま動かさず、肩関節だけを使って挙上させる

    Answer

    正解 3:肋骨の突き出しを抑えて体幹を保ち、頭を軌道から外して挙上する

    オーバーヘッドプレスでは、肋骨が突き出て腰が反りすぎないよう体幹を保ち、頭を軌道から外して挙上することで、腰椎への負担を抑えつつ肩関節を安全に使える。「腰を大きく反らせて胸を高く突き出し、腰椎の伸展で可動域を稼ぐことを優先する」は誤りで、腰椎の過伸展は腰部への負担を高める。「首の後ろにバーを下ろすビハインドネックプレスを、肩の可動域が狭い対象者にも行わせる」も誤りで、肩関節の外旋可動域が乏しい対象者には負担が大きい。「肩甲骨を完全に固定したまま動かさず、肩関節だけを使って挙上させる」も誤りで、肩甲骨が動かないまま挙上すると肩峰下への衝突が起こりやすくなる。

    HINT 腰で稼がない、可動域は肩甲骨も使う。ビハインドネックは対象者の可動域を選ぶ。

  28. 懸垂(プルアップ)がまだできない対象者への段階的な導入として最も適切なものはどれか。

    • 1斜め懸垂やバンド補助、ネガティブ動作など負荷を落とした形から始め、扱える回数に応じて段階的に負荷を上げる正解
    • 2バンド補助の強さを毎回少しずつ弱めていき、反復できる回数が減った場合も予定どおり進める
    • 3肩が大きくすくんだ状態のまま腕の力に頼って身体を引き上げる練習をひたすら繰り返し行わせ続ける
    • 4斜め懸垂やバンド補助から始めるが、負荷を上げる判断は記録によらず本人ができたと感じた回で行う

    Answer

    正解 1:斜め懸垂やバンド補助、ネガティブ動作など負荷を落とした形から始め、扱える回数に応じて段階的に負荷を上げる

    懸垂がまだできない段階では、斜め懸垂やバンドによる補助、下ろす動作だけを行うネガティブ動作など負荷を落とした形から始め、扱える回数の推移を見ながら段階的に負荷を上げていくのが安全で効率的な導入になる。「バンド補助の強さを毎回少しずつ弱めていき、反復できる回数が減った場合も予定どおり進める」は誤りで、補助を減らす方向は合っているが、反復できる回数が落ちたまま進めれば動作の質が崩れるため、扱える回数に応じて段階を加減する必要がある。「肩が大きくすくんだ状態のまま腕の力に頼って身体を引き上げる練習をひたすら繰り返し行わせ続ける」も誤りで、肩関節が不安定な位置のまま繰り返すと負担が増す。「斜め懸垂やバンド補助から始めるが、負荷を上げる判断は記録によらず本人ができたと感じた回で行う」も誤りで、始め方は正しいが、扱える回数の推移を記録しなければ段階を上げる時期を見きわめられない。

    HINT 「できないからやらない」ではなく「負荷を落として続ける」。回数の記録が次の段階を決める。

  29. ケーブルマシンやプーリーを用いた種目の特徴を活かした活用として最も適切なものはどれか。

    • 1自由落下する重量と同じ向きの抵抗を作る仕組みであるため、フリーウエイトの代わりには到底ならないとされている
    • 2可動域全体で抵抗の方向を変えられる特性を活かし、回旋を伴う動作や複数方向への引き・押しの動作を安全に反復させる正解
    • 3動作の始めから終わりまで抵抗の向き・大きさがまったく変わらないという特性をもつ種目だとされている
    • 4支点が固定・可動のどちらであるかによって姿勢の安定のさせ方が変わり、フリーウエイトとは異なる自由度で扱える

    Answer

    正解 2:可動域全体で抵抗の方向を変えられる特性を活かし、回旋を伴う動作や複数方向への引き・押しの動作を安全に反復させる

    ケーブルマシンやプーリーは、支柱の位置や滑車の向きを変えることで可動域全体にわたって抵抗の方向を変えられる特性を持ち、回旋を伴う動作や複数方向への引き・押しの動作を安全に反復させるのに向いている。「自由落下する重量と同じ向きの抵抗を作る仕組みであるため、フリーウエイトの代わりには到底ならないとされている」は誤りで、ケーブルは重力方向以外にも抵抗をかけられる点がフリーウエイトと異なる特徴である。「動作の始めから終わりまで抵抗の向き・大きさがまったく変わらないという特性をもつ種目だとされている」も誤りで、抵抗の方向を変えられることこそがケーブルの特徴である。「支点が固定・可動のどちらであるかによって姿勢の安定のさせ方が変わり、フリーウエイトとは異なる自由度で扱える」も誤りで、支点が固定される分だけフリーウエイトより姿勢の自由度は狭まる面がある。

    HINT 重力方向にしか抵抗が働かないフリーウエイトとは違い、ケーブルは方向を選べる。

  30. デッドリフトのコンベンショナルスタイルとスモウスタイルを使い分ける際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1身長の高い対象者にはスモウスタイル、低い対象者にはコンベンショナルスタイルと体格だけで割り振る
    • 2股関節の可動域や四肢の長さ、腰部への負担を踏まえて対象者に合う幅と前傾角度を選ぶ正解
    • 3スモウスタイルは膝関節をほとんど使わず、股関節の伸展だけで引き上げる種目であり下肢の関与はきわめて乏しいとされている
    • 4スモウスタイルは上体の前傾が小さくなるため、腰部への負担は対象者を選ばず小さくなる

    Answer

    正解 2:股関節の可動域や四肢の長さ、腰部への負担を踏まえて対象者に合う幅と前傾角度を選ぶ

    デッドリフトのスタイルを使い分ける際は、対象者の股関節の可動域や四肢の長さ、腰部への負担のかかり方を踏まえて、スタンス幅と上体の前傾角度を選ぶことが基本になる。「身長の高い対象者にはスモウスタイル、低い対象者にはコンベンショナルスタイルと体格だけで割り振る」は誤りで、個別に分ける方向は合っているが、身長だけでは股関節の可動域や腰部への負担のかかり方を見ておらず、実際に動作を確かめる工程が抜けている。「スモウスタイルは膝関節をほとんど使わず、股関節の伸展だけで引き上げる種目であり下肢の関与はきわめて乏しいとされている」も誤りで、スモウスタイルでも膝関節の伸展は大きく関与する。「スモウスタイルは上体の前傾が小さくなるため、腰部への負担は対象者を選ばず小さくなる」も誤りで、前傾が小さくなる傾向はあるものの、負担の大小は対象者の体格や可動域によって変わり一律には決まらない。

    HINT 「どちらが優れているか」ではなく「その人の体格にどちらが合うか」で選ぶ。

  31. スクワットやベンチプレスにチェーンやバンドを加えて可変抵抗にする目的として最も適切なものはどれか。

    • 1動作のどの局面でも一定の抵抗をかけ続け、局面による負荷の変化をなくす
    • 2関節角度によって発揮できる力が変わる特性に合わせ、力を発揮しやすい局面ほど抵抗を大きくする正解
    • 3可動域の深い位置でだけ抵抗を大きくし、それ以外の局面では抵抗をゼロに近づける
    • 4バーの重量を軽くしたまま最大挙上重量を伸ばせるため、高重量の種目の代わりに用いる

    Answer

    正解 2:関節角度によって発揮できる力が変わる特性に合わせ、力を発揮しやすい局面ほど抵抗を大きくする

    チェーンやバンドを加えると、関節角度によって発揮できる力が変わる特性(強い角度ほど大きな力を出せる)に合わせて、力を発揮しやすい局面ほど抵抗が大きくなる可変抵抗を作れる。「動作のどの局面でも一定の抵抗をかけ続け、局面による負荷の変化をなくす」は誤りで、一定の抵抗はバーベル本来の重量と同じであり可変にする意味がない。「可動域の深い位置でだけ抵抗を大きくし、それ以外の局面では抵抗をゼロに近づける」も誤りで、実際には動作の上部(伸びた位置)ほど抵抗が大きくなる仕組みである。「バーの重量を軽くしたまま最大挙上重量を伸ばせるため、高重量の種目の代わりに用いる」も誤りで、可変抵抗は力ー角度の関係に合わせて負荷を配る手段であり、高重量の種目そのものを置き換えるものではない。

    HINT 力を出しやすい角度ほど負荷を重くする道具。可動域の上部ほど抵抗が増える仕組み。

  32. バーベル種目におけるグリップ幅と握り方の調整に関する考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1肩関節の可動性や種目の狙いに応じてグリップ幅を調整し、握り方も動作の安定性を踏まえて選ぶ正解
    • 2グリップ幅は握力が最も入る位置で決め、種目の狙いは握り方の側で合わせる
    • 3高重量の種目では握り方をオルタネイトグリップに統一し、グリップ幅は肩の可動性に合わせる
    • 4グリップ幅を広げるほど可動域が広がり、狙った筋への刺激も大きくなる

    Answer

    正解 1:肩関節の可動性や種目の狙いに応じてグリップ幅を調整し、握り方も動作の安定性を踏まえて選ぶ

    グリップ幅と握り方は、対象者の肩関節の可動性や種目で狙う効果に応じて調整するものであり、握り方(オルタネイトグリップ、フックグリップなど)も動作の安定性を踏まえて選ぶ。「グリップ幅は握力が最も入る位置で決め、種目の狙いは握り方の側で合わせる」は役割が入れ替わっており、種目の狙いに応じて動かすのはグリップ幅のほうである。「高重量の種目では握り方をオルタネイトグリップに統一し、グリップ幅は肩の可動性に合わせる」も誤りで、幅を合わせる点は正しいが、握り方も種目や動作の安定性に応じて選ぶものであり、一つに統一して決まるものではない。「グリップ幅を広げるほど可動域が広がり、狙った筋への刺激も大きくなる」も誤りで、広げすぎると動かせる範囲はかえって狭まり、刺激が減ることもある。

    HINT 「いつも同じ幅・同じ握り方」ではなく、肩の可動性と種目の狙いで選ぶ。

  33. スクワットのスタンス幅(足幅)を対象者ごとに調整する考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1股関節の骨の形状や可動域の個人差を踏まえ、深くしゃがんでも姿勢が崩れにくい足幅とつま先の向きを見つける正解
    • 2膝がつま先より前に出ない足幅をまず決め、しゃがむ深さはその範囲に収めさせる
    • 3深くしゃがめる足幅を探したうえで、つま先の向きは全員そろえて正面に固定する
    • 4股関節の形状には個人差があるため、足幅を変えるたびに最大重量を測って最も重い値が出る幅を採る

    Answer

    正解 1:股関節の骨の形状や可動域の個人差を踏まえ、深くしゃがんでも姿勢が崩れにくい足幅とつま先の向きを見つける

    スクワットのスタンス幅は、股関節の骨の形状や可動域には個人差があることを踏まえ、深くしゃがんでも脊柱の弯曲や膝の向きが崩れにくい足幅とつま先の向きを見つけて調整する。「膝がつま先より前に出ない足幅をまず決め、しゃがむ深さはその範囲に収めさせる」は、足幅を決める物差しが誤りである。膝の位置だけを条件にすると、股関節の形状に合わない足幅のまましゃがむ深さを削ることになる。「深くしゃがめる足幅を探したうえで、つま先の向きは全員そろえて正面に固定する」も誤りで、足幅を探す点は正しいが、つま先の向きも股関節の形状に合わせて調整しなければ膝の向きが崩れる。「股関節の形状には個人差があるため、足幅を変えるたびに最大重量を測って最も重い値が出る幅を採る」も誤りで、個人差を踏まえる点は正しいが、挙がる重量だけで決めると姿勢が崩れる足幅を選んでしまう。

    HINT 正解のスタンス幅は一つではない。股関節の形状に合わせて「その人の深さ」を探す。

  34. 最大下強度で行う一般的なレジスタンス運動での呼吸のタイミングとして、一般に適切とされるものはどれか。

    • 1持ち上げる局面でも下ろす局面でも息を止め続け、セットの終盤にまとめて吐く
    • 2力を発揮して持ち上げる局面で息を吐き、重量を下ろす局面で息を吸う正解
    • 3重量を下ろす局面で強く息を吐き、持ち上げる局面で息を吸う
    • 4反復の前半は持ち上げる局面で息を吐き、疲れてくる後半は息を止めて踏ん張らせる

    Answer

    正解 2:力を発揮して持ち上げる局面で息を吐き、重量を下ろす局面で息を吸う

    最大努力に近い単発の挙上でバルサルバ法を用いる場面を除けば、一般的なレジスタンス運動では力を発揮して持ち上げる局面で息を吐き、重量を下ろす局面で息を吸うという呼吸のタイミングが基本になる。「持ち上げる局面でも下ろす局面でも息を止め続け、セットの終盤にまとめて吐く」は誤りで、長く息を止め続けると血圧の急上昇を招く。「重量を下ろす局面で強く息を吐き、持ち上げる局面で息を吸う」も誤りで、力を発揮する局面で息を吸ったまま力むと腹圧のかけ方が不安定になりやすい。「反復の前半は持ち上げる局面で息を吐き、疲れてくる後半は息を止めて踏ん張らせる」も誤りで、前半の呼吸は合っているが、疲れた局面で息を止める時間が長くなると血圧が急に上がりやすい。

    HINT 「持ち上げるときに吐く」が基本。バルサルバ法は例外的な条件でだけ使う手技。

  35. スクワットラックの高さとセーフティバー(セーフティピン)の位置を設定する際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1ラックの高さはバーを担いだ姿勢に合わせ、セーフティは動作の最下点よりやや下に設定し、外したまま行うことはしない正解
    • 2セーフティは動作の妨げになるという考えから、高重量を扱うときほどあえて外して使わせないようにする
    • 3ラックの高さはしゃがみ込んだ姿勢に合わせ、立ち上がりながらバーを外せるようにする
    • 4セーフティの位置は動作の最下点よりかなり高く設定しておき、可動域の途中で確実に受け止まるようにしておくべきであると言える

    Answer

    正解 1:ラックの高さはバーを担いだ姿勢に合わせ、セーフティは動作の最下点よりやや下に設定し、外したまま行うことはしない

    スクワットラックは、バーを担いだ姿勢に無理なく出し入れできる高さに合わせ、セーフティは動作の最下点よりやや下に設定することで、挙がらなくなったときにバーを安全に受け止められるようにする。「セーフティは動作の妨げになるという考えから、高重量を扱うときほどあえて外して使わせないようにする」は誤りで、高重量を扱う場面ほどセーフティの役割は重要になる。「ラックの高さはしゃがみ込んだ姿勢に合わせ、立ち上がりながらバーを外せるようにする」も合わせる姿勢が誤りで、低すぎる位置ではバーを担ぎ直すたびに深くしゃがむ必要が生じ、戻すときの負担も大きくなる。「セーフティの位置は動作の最下点よりかなり高く設定しておき、可動域の途中で確実に受け止まるようにしておくべきであると言える」も誤りで、高すぎる位置では狙った可動域までしゃがめなくなる。

    HINT セーフティは「最下点のすぐ下」。高すぎると可動域を邪魔し、外すと受け止められない。

  36. スクワットでしゃがみ込んだ姿勢から立ち上がれなくなった場合の対処として最も適切なものはどれか。

    • 1無理に立ち上がろうとして腰の反りを強め、勢いだけで挙げきることを優先させる
    • 2その場でバーを支えたまま静止させ、疲労が抜けるまで長い時間そのまま待たせる
    • 3膝を大きく内側へ入れて力を出し直させ、そのときの姿勢の崩れは問わない
    • 4あらかじめ設定したセーフティへ体を沈めるか、決めた合図で補助を求めさせる正解

    Answer

    正解 4:あらかじめ設定したセーフティへ体を沈めるか、決めた合図で補助を求めさせる

    スクワットで立ち上がれなくなった場合は、あらかじめ設定しておいたセーフティへ体を沈めるか、事前に決めておいた合図で補助者に助けを求めることで安全に対処できる。この対応をとれるかどうかは、事前にセーフティの位置と合図を決めているかにかかっている。「無理に立ち上がろうとして腰の反りを強め、勢いだけで挙げきることを優先させる」は誤りで、腰椎への負担が急激に高まる。「その場でバーを支えたまま静止させ、疲労が抜けるまで長い時間そのまま待たせる」も誤りで、支えている間に力が抜けて事故につながる。「膝を大きく内側へ入れて力を出し直させ、そのときの姿勢の崩れは問わない」も誤りで、膝が内側へ入る動作は靱帯への負担を高める。

    HINT 「頑張って挙げきる」ではなく「決めておいた逃げ道」を使う。合図は事前に決める。

  37. トレーニング指導で鏡を用いてフォームを確認させる際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1鏡に映る姿だけを強く信頼し、指導者による声かけや動作の観察はいっさい行わないようにする
    • 2正面からの見え方だけでは確認しにくい奥行きや姿勢の崩れがあることを踏まえ、指導者の観察や声かけと組み合わせて使う正解
    • 3鏡を見ながら行うほうが常にフォームが良くなるとされているため、鏡がない環境ではその種目自体を実施させないようにする
    • 4鏡に映る左右反転した像だけをもとにして、動作の修正点については対象者自身に判断させる

    Answer

    正解 2:正面からの見え方だけでは確認しにくい奥行きや姿勢の崩れがあることを踏まえ、指導者の観察や声かけと組み合わせて使う

    鏡は正面からの見え方だけを映すため、しゃがみの深さや背中の丸まりのような奥行き方向の崩れは確認しにくい。この限界を踏まえ、鏡での確認は指導者による横からの観察や声かけと組み合わせて使うのが適切である。「鏡に映る姿だけを強く信頼し、指導者による声かけや動作の観察はいっさい行わないようにする」は誤りで、鏡だけでは確認できない崩れを見落とす。「鏡を見ながら行うほうが常にフォームが良くなるとされているため、鏡がない環境ではその種目自体を実施させないようにする」も誤りで、鏡がなくても声かけと触診で十分に指導できる。「鏡に映る左右反転した像だけをもとにして、動作の修正点については対象者自身に判断させる」も誤りで、反転した像への過度な依存は判断を誤らせることがある。

    HINT 鏡は正面からの姿しか映らない。奥行きの崩れは指導者の観察と声かけで補う。

  38. スクワットのテンポを「3-1-1-0」のように数字で指定して対象者へ伝える際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1下降・切り返し・挙上・トップでの間のように各局面を分けて示し、数え方の基準もあわせて伝える正解
    • 2数字の並び・順序をそのまま読み上げるだけにとどめ、各局面がどの動きに対応するかは対象者の解釈に委ねる
    • 3テンポの指定は上級者専用の情報であるため、初心者には数字を一切示さない
    • 4数字の合計さえ同じであれば、局面ごとの配分は入れ替えても伝わる情報は変わらない

    Answer

    正解 1:下降・切り返し・挙上・トップでの間のように各局面を分けて示し、数え方の基準もあわせて伝える

    テンポの数字指定は、下降・切り返し・挙上・トップでの間といった各局面がどの動きに対応するかを分けて示し、何を基準に数えるか(秒数か、指導者の合図かなど)もあわせて伝えることで、対象者が実際の動作に反映できるようになる。「数字の並び・順序をそのまま読み上げるだけにとどめ、各局面がどの動きに対応するかは対象者の解釈に委ねる」は誤りで、対応が分からなければ数字を動作に落とし込めない。「テンポの指定は上級者専用の情報であるため、初心者には数字を一切示さない」も誤りで、初心者にも下降局面をゆっくりにするなど簡略化して伝えられる。「数字の合計さえ同じであれば、局面ごとの配分は入れ替えても伝わる情報は変わらない」も誤りで、配分が変わればねらう適応そのものが変わる。

    HINT 数字だけでは伝わらない。「どの局面が何秒か」と「何を基準に数えるか」まで添える。

  39. 1回のセッションで複数の種目を実施する順序の組み立てとして最も適切なものはどれか。

    • 1単関節種目を先に行って狙った筋を疲労させたあと、同じ筋を使う複合種目でさらに追い込む
    • 2複合種目を先に行い、単関節種目は次のセッションの冒頭にまとめて配置する
    • 3多くの関節と筋群を使う複合種目を先に行い、疲労した状態でも実施しやすい単関節種目をあとに配置する正解
    • 4複合種目と単関節種目を交互に入れ替え、疲労がどちらの種目に蓄積したかは区別しない

    Answer

    正解 3:多くの関節と筋群を使う複合種目を先に行い、疲労した状態でも実施しやすい単関節種目をあとに配置する

    1回のセッションでは、フォームの習熟や神経系の関与が大きい複合種目を疲労が少ない状態で先に行い、狙った部位だけを疲労させても実施しやすい単関節種目をあとに配置するのが基本になる。「単関節種目を先に行って狙った筋を疲労させたあと、同じ筋を使う複合種目でさらに追い込む」は誤りで、複合種目に必要な筋がすでに疲労しており、フォームが崩れやすく高重量も扱えなくなる。「複合種目を先に行い、単関節種目は次のセッションの冒頭にまとめて配置する」も誤りで、複合種目を先に置く点は正しいが、単関節種目を次の回の冒頭に置けば、その回の複合種目の前に補助筋を疲労させることになる。「複合種目と単関節種目を交互に入れ替え、疲労がどちらの種目に蓄積したかは区別しない」も誤りで、狙いを持たない配置になり評価もしにくくなる。

    HINT フォームが崩れやすい種目ほど、疲れる前に先へ回す。

  40. 本セットの前に行う漸増ウォームアップセットの組み方として最も適切なものはどれか。

    • 1本セットの負荷から一気に始め、ウォームアップセットの重量を段階づけない
    • 2ウォームアップセットでも本セットと同じ回数まで追い込み、疲労を残しておく
    • 3ウォームアップセットは筋温を上げる目的がないため、静的ストレッチングだけで代用する
    • 4軽い重量から段階的に重量を上げ、回数は本セットより少なめにとどめる正解

    Answer

    正解 4:軽い重量から段階的に重量を上げ、回数は本セットより少なめにとどめる

    漸増ウォームアップセットは、軽い重量から段階的に重量を上げ、回数は本セットより少なめにとどめることで、疲労を残さずに神経系と筋温を本セットに合わせて準備する。「本セットの負荷から一気に始め、ウォームアップセットの重量を段階づけない」は誤りで、いきなり高重量から始めるとフォームの確認や神経系の準備ができない。「ウォームアップセットでも本セットと同じ回数まで追い込み、疲労を残しておく」も誤りで、本セットに疲労を持ち越してしまう。「ウォームアップセットは筋温を上げる目的がないため、静的ストレッチングだけで代用する」も誤りで、実際にバーを扱う動作でしか得られない神経系の準備がある。

    HINT 段階を踏むのは重量だけでなく回数も。本セットに疲労を持ち越さないのが目的。

  41. ウォームアップにモビリティドリルを組み込む際の考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1主運動で使う関節を、その日の動作に近い範囲で能動的に動かして可動性を引き出しておく正解
    • 2静止した姿勢を長く保つ静的ストレッチングだけをモビリティドリルと呼び、動きは加えない
    • 3モビリティドリルには可動域を広げる効果しかなく、主運動の前に行う意味は薄い
    • 4関節の状態に応じて内容を変え、可動域の終端で30秒ほど静止する動きを加える

    Answer

    正解 1:主運動で使う関節を、その日の動作に近い範囲で能動的に動かして可動性を引き出しておく

    モビリティドリルは、主運動で使う関節をその日の動作に近い範囲で能動的に動かし、関節の可動性と周囲の筋の準備を同時に引き出すために組み込む。「静止した姿勢を長く保つ静的ストレッチングだけをモビリティドリルと呼び、動きは加えない」は誤りで、モビリティドリルは能動的な動きを伴う点で静的ストレッチングとは異なる。「モビリティドリルには可動域を広げる効果しかなく、主運動の前に行う意味は薄い」も誤りで、主運動で使う動作パターンの準備としての意味がある。「関節の状態に応じて内容を変え、可動域の終端で30秒ほど静止する動きを加える」も誤りで、内容を調整する点は正しいが、終端での長い静止は静的ストレッチングにあたり、能動的に動かすモビリティドリルの狙いから外れる。

    HINT 静止して伸ばすのではなく、その日使う関節を動かして準備する。

  42. 測定や動作観察で左右差が確認された対象者への実技的な対応として最も適切なものはどれか。

    • 1左右差は必ず競技特性によるものだと最初から決めつけてしまい、種目の選択や配分をいっさい変えないままにしておく
    • 2強いほうの脚や腕にのみさらに種目を追加し続けていき、弱いほうについてはいつまでも現状のままそっとしておく
    • 3左右差を無くすことを目的にし、競技で実際に使う動作との関連はまったく考慮しない
    • 4弱いほうの脚や腕に片側種目を追加するなどしてボリュームを個別に配分し、動作の変化を確認しながら進める正解

    Answer

    正解 4:弱いほうの脚や腕に片側種目を追加するなどしてボリュームを個別に配分し、動作の変化を確認しながら進める

    左右差が確認された場合、実技的には弱いほうの脚や腕に片側種目を追加するなどしてボリュームを個別に配分し、動作の変化を確認しながら進めることで、差を埋めつつ傷害のリスクを下げていける。「左右差は必ず競技特性によるものだと最初から決めつけてしまい、種目の選択や配分をいっさい変えないままにしておく」は誤りで、決めつけによって対応の機会を失う。「強いほうの脚や腕にのみさらに種目を追加し続けていき、弱いほうについてはいつまでも現状のままそっとしておく」も誤りで、差をかえって広げてしまう。「左右差を無くすことを目的にし、競技で実際に使う動作との関連はまったく考慮しない」も誤りで、競技特性による差まで無理に均そうとすると別の問題を生む。

    HINT 弱いほうにボリュームを足す。強いほうを増やすのは差を広げる方向になる。

  43. 体力差のある対象者が混在するグループで同じ種目を指導する際の負荷の個別化として最も適切なものはどれか。

    • 1対象者ごとに重量・回数・可動域だけでなく種目もすべて別にし、それぞれが違う動きを同時に行う
    • 2種目は同じものに保ち、重量や反復回数、可動域だけを対象者ごとに調整して全員が安全に参加できるようにする正解
    • 3体力の低い対象者には種目自体をひとまず見学させるにとどめておき、同じ種目の経験は次の機会に回す
    • 4体力の高い対象者に負荷を合わせ、ついてこられるかどうかで参加の可否を見る

    Answer

    正解 2:種目は同じものに保ち、重量や反復回数、可動域だけを対象者ごとに調整して全員が安全に参加できるようにする

    体力差のある集団を指導する際は、同じ種目という枠組みは保ちながら、重量や反復回数、可動域を対象者ごとに調整することで、全員が安全に参加しながらそれぞれに合った負荷を得られる。「対象者ごとに重量・回数・可動域だけでなく種目もすべて別にし、それぞれが違う動きを同時に行う」は誤りで、個別に合わせる方向が行き過ぎており、全員が別の動きをしていると指導者が同時に見きれず安全を保てない。「体力の低い対象者には種目自体をひとまず見学させるにとどめておき、同じ種目の経験は次の機会に回す」も誤りで、参加の機会をその場で奪ってしまう。「体力の高い対象者に負荷を合わせ、ついてこられるかどうかで参加の可否を見る」も誤りで、合わせる先が逆である。上に合わせれば体力の低い対象者には過負荷になり、参加の機会も失われる。

    HINT 種目は共通、負荷は個別。全員参加と個別性の両立が指導の腕の見せどころ。

  44. 運動経験のない初心者への初回セッションの組み立てとして最も適切なものはどれか。

    • 1初回に1RMの測定を行って体力の水準を把握し、その値をもとに次回からの負荷を決める
    • 2初回は目的と不安の聞き取りだけに時間をあて、姿勢や動作の確認と運動そのものは次回からにする
    • 3問診と姿勢・動作の確認を行い、軽い負荷で基本動作を練習してから、その日の反応を見て次回の内容を決める正解
    • 4初回は本人が希望する種目をそのまま実施し、姿勢と動作の確認は次回以降に回す

    Answer

    正解 3:問診と姿勢・動作の確認を行い、軽い負荷で基本動作を練習してから、その日の反応を見て次回の内容を決める

    初心者への初回セッションでは、問診と姿勢・動作の確認を行ったうえで、軽い負荷で基本動作を練習し、その日の反応(疲労度や違和感、動作の習熟度)を見てから次回の内容を決めるのが基本になる。「初回に1RMの測定を行って体力の水準を把握し、その値をもとに次回からの負荷を決める」は順序が逆で、フォームが定まらない段階で最大挙上重量を測れば傷害のリスクが高く、得られる値も動作の不慣れに左右される。「初回は目的と不安の聞き取りだけに時間をあて、姿勢や動作の確認と運動そのものは次回からにする」も誤りで、聞き取りは正しいが、姿勢と動作を実際に確かめ軽い負荷で反応を見るところまで初回で行わないと、次回の内容を決められない。「初回は本人が希望する種目をそのまま実施し、姿勢と動作の確認は次回以降に回す」も誤りで、動作を確かめないまま希望の種目に入れば、崩れた姿勢のまま反復させることになる。

    HINT 初回は「見極めて、軽く練習して、次に活かす」回。高重量で試すのは順番が逆。

  45. 出張先などバーベルやマシンが使えない環境で指導する際の種目選びとして最も適切なものはどれか。

    • 1器具がない分を量で補い、同じ筋群を自体重で疲労困憊まで反復させる
    • 2その場で行いやすい種目であれば何でもよいとし、狙う筋群や動作パターンは後から合わせる
    • 3自体重や身近な物を使い、同じ筋群・同じ動作パターンを狙える種目に置き換える正解
    • 4狙う筋群はそろえ、動作パターンは身近な物で行いやすい別のものに置き換える

    Answer

    正解 3:自体重や身近な物を使い、同じ筋群・同じ動作パターンを狙える種目に置き換える

    器具が使えない環境では、自体重や身近な物(椅子、タオル、リュックなど)を使い、本来の種目と同じ筋群・同じ動作パターンを狙える種目に置き換えることで、プログラムの狙いを大きく崩さずに実施できる。「器具がない分を量で補い、同じ筋群を自体重で疲労困憊まで反復させる」は誤りで、筋群は合っていても量だけで補うと狙った強度の刺激から離れ、疲労だけが残る。「その場で行いやすい種目であれば何でもよいとし、狙う筋群や動作パターンは後から合わせる」も誤りで、狙いと対応していない種目では計画してきた適応が得られない。「狙う筋群はそろえ、動作パターンは身近な物で行いやすい別のものに置き換える」も誤りで、筋群をそろえる点は正しいが、動作パターンが変われば計画していた適応は得られない。

    HINT 「同じ狙いに置き換える」が要点。中止も、狙いを無視した代替も答えではない。

  46. 限られた時間で効率よく行うためにスーパーセットを組む際の配慮として最も適切なものはどれか。

    • 1同じ筋群を連続で追い込むことだけを狙い、拮抗筋や別部位との組み合わせは考えない
    • 2休息を短くすることを目的にし、種目の組み合わせは自由に選んでよいとする
    • 3拮抗筋の種目を組み合わせ、2種目目は1種目目と同じ重量と回数に合わせる
    • 4拮抗筋や別部位を組み合わせ、一方が休む間だけ他方を行って時間を短縮する正解

    Answer

    正解 4:拮抗筋や別部位を組み合わせ、一方が休む間だけ他方を行って時間を短縮する

    スーパーセットは、拮抗筋どうし(例えば胸と背中)や身体の異なる部位の種目を組み合わせ、一方の筋群が休んでいる間にもう一方を動かすことで、総所要時間を短縮しながら十分なボリュームを確保する方法である。「同じ筋群を連続で追い込むことだけを狙い、拮抗筋や別部位との組み合わせは考えない」は誤りで、同じ筋群を連続させると疲労のために2種目目の負荷が大きく落ちる。「休息を短くすることを目的にし、種目の組み合わせは自由に選んでよいとする」も誤りで、組み合わせを問わなければ狙った部位に十分な回復が与えられない。「拮抗筋の種目を組み合わせ、2種目目は1種目目と同じ重量と回数に合わせる」も誤りで、組み合わせ方は正しいが、種目ごとに扱える負荷は異なるため重量と回数はそれぞれ調整する必要がある。

    HINT 疲れていない部位を動かす間に、疲れた部位を休ませる。組み合わせが要点。

  47. 平行棒やディップスバーで行うディップスを導入する際の動作指導として最も適切なものはどれか。

    • 1初めから加重して行わせ、下ろす深さは本人が止まりたくなる位置に任せる
    • 2肘を伸ばしきった位置で肩をすくめてから、一気に深く沈み込ませる
    • 3上体をわずかに前傾させたまま下ろし、肩の前に詰まりが出始める手前で折り返させる正解
    • 4肩に詰まりが出るのは柔軟性の不足によるので、同じ深さを繰り返して慣れさせる

    Answer

    正解 3:上体をわずかに前傾させたまま下ろし、肩の前に詰まりが出始める手前で折り返させる

    ディップスは下ろすほど肩関節が後方へ伸展し、肩の前面に負担が集まる。「上体をわずかに前傾させたまま下ろし、肩の前に詰まりが出始める手前で折り返させる」が導入時の指導である。「初めから加重して行わせ」は自体重で深さを決める段階を飛ばしている。「肘を伸ばしきった位置で肩をすくめてから、一気に深く沈み込ませる」は肩を下げて支える準備と下降の順序が入れ替わっており、肩甲帯が浮いたまま負荷を受ける。「柔軟性の不足によるので、同じ深さを繰り返して慣れさせる」は詰まりの理由を柔軟性だけに帰しており、肩の前面に伸展方向の負担が集まっている状況が変わらない。

    HINT 下ろすほど肩が後ろへ伸展する種目。前に詰まりが出始める手前が、その人の深さ。

  48. プッシュアップをまだ安定して反復できない対象者に対する調整として最も適切なものはどれか。

    • 1手を台に乗せて上体を高くし、体幹をまっすぐ保てる傾きまで負荷を下げて反復させる正解
    • 2足を台に乗せて上体を低くした形に替え、そのうえで負荷を下げて反復させる
    • 3体幹をまっすぐ保つ練習は後回しにして、まずベンチプレスで押す力そのものを伸ばさせる
    • 4床で行う形のまま続けさせ、反復できる回数が増えるまで毎回限界まで行わせる

    Answer

    正解 1:手を台に乗せて上体を高くし、体幹をまっすぐ保てる傾きまで負荷を下げて反復させる

    プッシュアップの負荷は上肢にかかる体重の割合で決まり、手の位置を高くすると割合が下がる。「手を台に乗せて上体を高くし、体幹をまっすぐ保てる傾きまで負荷を下げて反復させる」が調整の形である。「足を台に乗せて上体を低くした形」は上肢にかかる割合が増える向きで、負荷は上がる。「体幹をまっすぐ保つ練習は後回しにして、まずベンチプレスで押す力そのものを伸ばさせる」は順序を取り違えており、体幹を保ちながら押す動作そのものが習得されない。「床で行う形のまま続けさせ、反復できる回数が増えるまで毎回限界まで行わせる」は負荷を下げる手当てがなく、腰が落ちた姿勢を反復させることになる。

    HINT 上肢にかかる体重の割合で負荷が決まる。手を高くするほど軽くなる向き。

  49. バーベルを体の前で引き上げるアップライトロウを指導する際の配慮として最も適切なものはどれか。

    • 1肩の可動域を広げる狙いがあるので、バーを体から少し離した軌道で引き上げさせる
    • 2僧帽筋上部の関与を増やすため、肩をすくめる動きをさらに大きく加えさせる
    • 3肘を肩の高さより上へ上げないように引き、握り幅を広げて肩の詰まりを減らす正解
    • 4先に肘を曲げて手首を引き上げてから、そのあとで肩を持ち上げていく順番で動かさせる

    Answer

    正解 3:肘を肩の高さより上へ上げないように引き、握り幅を広げて肩の詰まりを減らす

    アップライトロウは肩関節が内旋した状態で外転していく動きになり、肘が肩より高く上がるほど肩の前上部で組織が挟まれやすくなる。「肘を肩の高さより上へ上げないように引き、握り幅を広げて肩の詰まりを減らす」が配慮として適切である。「バーを体から少し離した軌道で引き上げさせる」は肩から見た重りの距離が伸びて肩と腰への負担が増し、可動域を広げる手だてにもならない。「僧帽筋上部の関与を増やすため、肩をすくめる動きをさらに大きく加えさせる」は肩甲骨が上方へ逃げて肩の空間がさらに狭くなる。「先に肘を曲げて手首を引き上げてから、そのあとで肩を持ち上げていく順番で動かさせる」は手で引いてから肩を動かす順序で、肩甲帯で支える準備が後回しになる。

    HINT 肩が内旋したまま外転していく動き。肘を肩より高く上げず、握り幅で逃がす。

  50. ダンベルベンチプレスの開始姿勢に入る場面と終える場面の指導として最も適切なものはどれか。

    • 1先に仰向けになってから、床に置いたダンベルを腕を伸ばして拾い上げ、頭上を通して胸の上へ運ばせる
    • 2終わりは腕を伸ばした位置から横へ放させ、肩の力を抜いた状態で手を離すよう伝える
    • 3軽いダンベルのうちは床から直接拾わせ、重くなってから腿で押し上げる入り方に替えさせる
    • 4膝に乗せたダンベルを腿で押し上げて胸の上へ運び、終わりは胸へ戻して起きる正解

    Answer

    正解 4:膝に乗せたダンベルを腿で押し上げて胸の上へ運び、終わりは胸へ戻して起きる

    ダンベルベンチプレスでは、開始姿勢に入る場面と終える場面で肩に大きな負担がかかりやすい。「膝に乗せたダンベルを腿で押し上げて胸の上へ運び、終わりは胸へ戻して起きる」が標準的な手順である。「床に置いたダンベルを腕を伸ばして拾い上げ、頭上を通して胸の上へ運ばせる」は腕を伸ばした遠い位置で重りを扱う形になり、肩に不利な方向の力がかかる。「腕を伸ばした位置から横へ放させ」は床や隣の利用者への落下につながり、肩も伸ばしきった位置で急に抜ける。「軽いダンベルのうちは床から直接拾わせ、重くなってから腿で押し上げる入り方に替えさせる」は重さで手順を使い分けるもので、軽い重量でも肩が不利な位置で引き受ける形は変わらず、入り方も身につかない。

    HINT 入り方と終わり方が肝。腿で押し上げて胸の上へ運び、終わりは胸へ戻す。

  51. バーベルのプレートの着脱と固定について、対象者に指導する内容として最も適切なものはどれか。

    • 1片側にプレートを全部付けてから反対側へ移り、固定は作業の最後にまとめて行わせる
    • 2カラーはバーが跳ねる種目で用いるものなので、プレス系では締め具を外したまま交換させる
    • 3プレートは左右を交互に付け外しし、挙上に入る前にカラーで両端を締めるところまで一連で行わせる正解
    • 4落下はプレートの重さで起きるので、軽いプレートだけのときは固定を省かせる

    Answer

    正解 3:プレートは左右を交互に付け外しし、挙上に入る前にカラーで両端を締めるところまで一連で行わせる

    ラックに掛けたバーは左右のどちらかに重量が偏った瞬間に傾き、プレートが抜けて落ちる。「プレートは左右を交互に付け外しし、挙上に入る前にカラーで両端を締めるところまで一連で行わせる」が指導すべき手順である。「片側にプレートを全部付けてから反対側へ移り」はその偏りを意図してつくる順序になる。「プレス系では締め具を外したまま交換させる」は、プレスでも左右の高さが揺れればプレートがずれる点を落としている。「軽いプレートだけのときは固定を省かせる」は落下の危険を重さだけで見ており、軽いプレートでも足の上に落ちれば負傷する。

    HINT 偏った瞬間にバーは傾く。左右を交互に付け外しし、固定までを一連でやらせる。

  52. ダンベルやプレートを床から拾って元の場所へ戻す場面について、指導者が行う対応として最も適切なものはどれか。

    • 1片付けは運動の対象ではないので、速さを優先して手早く済ませるよう促す
    • 2種目の合間の持ち運びも股関節から折って持ち上げるよう伝え、崩れていればその都度直す正解
    • 3持ち運びにかかる時間は短く終わるため、指導の範囲は種目の中の動作そのものに絞って進める
    • 4持ち上げる回数が多いほど負担が増えるので、一度に多くのプレートをまとめて運ばせる

    Answer

    正解 2:種目の合間の持ち運びも股関節から折って持ち上げるよう伝え、崩れていればその都度直す

    腰部の負傷は、セットの最中よりも器具を運ぶ場面で起きることがある。「種目の合間の持ち運びも股関節から折って持ち上げるよう伝え、崩れていればその都度直す」が指導者の対応である。「速さを優先して手早く済ませるよう促す」は片付けを指導の外に置いており、崩れた姿勢で重量物を扱わせることになる。「持ち運びにかかる時間は短く終わるため、指導の範囲は種目の中の動作そのものに絞って進める」は時間の短さを理由にしているが、腰部の負傷は一度の持ち上げでも起こりうる。「一度に多くのプレートをまとめて運ばせる」は回数を減らす向きとしては成り立つが、一度に扱う重量が増えるほど姿勢を保ちにくくなる点を落としている。

    HINT 腰を痛める場面はセットの中よりも器具を運ぶとき。合間の動作も指導の範囲。

  53. スクワットやデッドリフトを行う対象者の視線と頸部の位置について、指導として最も適切なものはどれか。

    • 1天井を強く見上げて頸部を反らせ、その反りを使って上体を起こさせる
    • 2足元を見下ろして膝の位置を見ながら、動作の間は視線を足先に固定し続けさせる
    • 3頸部を胴体の並びに沿わせたまま、斜め前方の床や壁の一点を見続けさせる正解
    • 4首まわりの筋を強く働かせるため、顎を胸に付けた姿勢を保ったまま挙上させる

    Answer

    正解 3:頸部を胴体の並びに沿わせたまま、斜め前方の床や壁の一点を見続けさせる

    頸部は脊柱の一部であり、胴体の並びから大きく外れると頸椎に偏った力がかかる。「頸部を胴体の並びに沿わせたまま、斜め前方の床や壁の一点を見続けさせる」が指導として適切である。「天井を強く見上げて頸部を反らせ」は頸椎を過度に伸展させ、上体を起こす力は股関節と脊柱の伸展で生むものである。「足元を見下ろして膝の位置を見ながら」は頸部が屈曲して胸郭が落ち、背中が丸まりやすくなる。「首まわりの筋を強く働かせるため、顎を胸に付けた姿勢を保ったまま挙上させる」も頸部の屈曲を強めるもので、首まわりを働かせる狙いと姿勢の保持とを取り違えている。

    HINT 頸部も脊柱の一部。胴体の並びに沿わせ、斜め前方の一点を見続けさせる。

  54. 自体重で行うスクワットで、しゃがむ途中からかかとが床から浮いてしまう対象者への実技的な対応として最も適切なものはどれか。

    • 1浮いた分だけ前へ体重を移して深く沈ませ、可動域を広げる練習として続けさせる
    • 2かかとの高いシューズに履き替えさせ、しゃがむ深さを優先して進めさせる
    • 3かかとが浮く手前の深さにとどめ、足関節の可動性を広げる動きも入れる正解
    • 4かかとが浮くのは足の筋力が足りないためなので、カーフレイズを加えて浮きを抑えさせる

    Answer

    正解 3:かかとが浮く手前の深さにとどめ、足関節の可動性を広げる動きも入れる

    しゃがむ深さは足関節の背屈の範囲に制限され、範囲を越えるとかかとが浮いて重心が前へ移る。「かかとが浮く手前の深さにとどめ、足関節の可動性を広げる動きも入れる」が、その日の安全と後の改善の両方を扱える対応である。「浮いた分だけ前へ体重を移して深く沈ませ」は接地が不安定なまま深さを追う形で、膝と腰への負担が増す。「かかとの高いシューズに履き替えさせ、しゃがむ深さを優先して進めさせる」は向きとしては使える手だが、背屈の制限そのものに手を付けないままになる。「足の筋力が足りないためなので、カーフレイズを加えて」は浮きの理由を筋力に取り違えており、下腿後面を短く使う種目は背屈の制限を広げる方向に働かない。

    HINT 浮くのは背屈の範囲を越えたから。浮く手前で止め、同時に可動性を広げにいく。

  55. 横方向へ素早く移動するラテラルシャッフルの動作指導として最も適切なものはどれか。

    • 1歩幅を大きく取ることが速さにつながるので、足をそろえて跳ねるように進ませる
    • 2上体を進む方向へ大きく倒してから足を出し、倒れる勢いで横へ移動させる
    • 3素早さを出すために上体を高く保ち、膝を伸ばしたまま小刻みに足を動かさせる
    • 4腰を落として足幅を保ったまま、進む方向の足で床を押して体を横へ送り出していかせる正解

    Answer

    正解 4:腰を落として足幅を保ったまま、進む方向の足で床を押して体を横へ送り出していかせる

    横方向の移動は、股関節と膝を曲げた低い構えから床を横向きに押すことで生まれる。「腰を落として足幅を保ったまま、進む方向の足で床を押して体を横へ送り出していかせる」が動作指導として適切である。「足をそろえて跳ねるように進ませる」は支持基底面が狭まり、次の切り返しに移れない。「上体を進む方向へ大きく倒してから足を出し」は上体が先に出て重心が支持の外へ落ち、戻る動きが遅れる。「上体を高く保ち、膝を伸ばしたまま小刻みに足を動かさせる」は膝が伸びたままでは床を押す方向が得られず、素早さと構えの低さを取り違えている。

    HINT 低い構えから床を横向きに押して進む。上体が先に倒れると重心が外へ落ちる。

  56. ダンベルフライを指導する際の肘の角度と可動域の扱いとして最も適切なものはどれか。

    • 1肘をわずかに曲げた角度を保ち、下ろす深さは肩の前に張りが出始める手前にとどめる正解
    • 2肩を大きく開く練習として、ダンベルが肩よりも低い位置に届くところまで下ろし切らせる
    • 3大きな重さを扱うことが狙いなので、肘を深く曲げてプレスに近い軌道で動かさせる
    • 4肩の前に張りが出るのは握りが強すぎるためなので、握りをゆるめて続けさせる

    Answer

    正解 1:肘をわずかに曲げた角度を保ち、下ろす深さは肩の前に張りが出始める手前にとどめる

    フライは肘を伸ばした状態に近いまま腕を開くため、肩関節が水平外転していく終盤で前面の負担が大きくなる。「肘をわずかに曲げた角度を保ち、下ろす深さは肩の前に張りが出始める手前にとどめる」が扱いとして適切である。「ダンベルが肩よりも低い位置に届くところまで下ろし切らせる」は肩の前面がもっとも伸ばされる位置に負荷を集める。「肘を深く曲げてプレスに近い軌道で動かさせる」は扱える重さは増えるが、フライの狙いである水平方向の動きから外れる。「握りが強すぎるためなので、握りをゆるめて続けさせる」は張りの理由を握りに取り違えており、負担が集まっている関節の位置が変わらない。

    HINT 肘を伸ばして開く種目。肩の前に張りが出始める位置が、その人の下ろす限界。

  57. 気温と湿度が高い日に屋外でセッションを行う場合、指導者が実技の進め方へ組み込む対応として最も適切なものはどれか。

    • 1給水は動作の切れ目をつくるため、終了したあとにまとめて取らせることで進行を続けさせる
    • 2暑さへの備えは参加者本人が整えるものなので、各自が持参した飲料を任意で取らせる
    • 3日陰での休息と給水を進行の区切りごとに入れ、訴えが出ていなくても回数を増やす正解
    • 4まず予定した内容を終わらせ、そのあとに暑さの影響を見て休息を入れる

    Answer

    正解 3:日陰での休息と給水を進行の区切りごとに入れ、訴えが出ていなくても回数を増やす

    暑熱下では、本人が異変を訴える前に体温と体液の状態が変わっていく。「日陰での休息と給水を進行の区切りごとに入れ、訴えが出ていなくても回数を増やす」ことで、休息と給水が進行の一部になる。「終了したあとにまとめて取らせることで進行を続けさせる」は進行を優先した判断で、暑熱下では危険が積み上がる。「各自が持参した飲料を任意で取らせる」は備えを本人任せにしており、参加者の間で差が出たまま進む。「まず予定した内容を終わらせ」は休息を最後に回す順序で、暑さの影響が出るのは内容の途中である。

    HINT 訴えが出てからでは遅い。休息と給水を進行の区切りに組み込んでおく。

  58. 鉄棒にぶら下がって脚を持ち上げるハンギングレッグレイズを導入する際の指導として最も適切なものはどれか。

    • 1初めから脚を伸ばして高く上げさせ、戻す勢いに乗せて次の反復へ移らせる
    • 2肩を下げて揺れを抑え、骨盤を後ろへ傾ける動きから脚を上げさせる正解
    • 3先に脚を振り上げて勢いを付け、そのあとに体幹を締めて姿勢を整えていかせる
    • 4握力が先に限界になるのは体幹が弱いためなので、ストラップで固定して回数を伸ばさせる

    Answer

    正解 2:肩を下げて揺れを抑え、骨盤を後ろへ傾ける動きから脚を上げさせる

    ぶら下がった姿勢では体が前後に揺れやすく、脚を上げる力が揺れに流れてしまう。「肩を下げて揺れを抑え、骨盤を後ろへ傾ける動きから脚を上げさせる」が導入時の指導である。「初めから脚を伸ばして高く上げさせ、戻す勢いに乗せて次の反復へ移らせる」は段階を飛ばしており、腰が反ったまま反動で動く形になる。「先に脚を振り上げて勢いを付け、そのあとに体幹を締めて姿勢を整えていかせる」は順序が逆で、締める前に負荷がかかる。「体幹が弱いためなので、ストラップで固定して回数を伸ばさせる」は握力が先に限界になる場面の手当てとしては成り立つが、揺れと骨盤の動きという本題を扱っていない。

    HINT 揺れると力が逃げる。肩を下げて揺れを抑え、骨盤を後ろへ傾ける動きから始める。

  59. デッドリフトで引き上げたバーを床へ戻す局面の指導として最も適切なものはどれか。

    • 1膝を先に深く曲げてバーを膝の高さまで下ろし、股関節を折って床へ運ばせる
    • 2下ろす局面は反復の数に入らないため、立った位置から手を離して落下させ次の回へ移らせる
    • 3反復の速さを上げるため、下ろす局面は勢いに任せて短く済ませる
    • 4股関節を後ろへ送る動きから下ろし始め、バーを体の近くに沿わせて床へ置かせる正解

    Answer

    正解 4:股関節を後ろへ送る動きから下ろし始め、バーを体の近くに沿わせて床へ置かせる

    下ろす局面も引き上げと同じ軌道をたどる必要があり、股関節から折らないとバーが体から離れて腰への負担が増える。「股関節を後ろへ送る動きから下ろし始め、バーを体の近くに沿わせて床へ置かせる」が指導として適切である。「膝を先に深く曲げてバーを膝の高さまで下ろし、股関節を折って床へ運ばせる」は膝が先に前へ出てバーの通り道をふさぐ。「立った位置から手を離して落下させ次の回へ移らせる」は床と器具を痛めるだけでなく、跳ね返ったバーやプレートが危険になる。「反復の速さを上げるため、下ろす局面は勢いに任せて短く済ませる」は速さを狙った判断だが、制御を失った下降は脊柱が丸まる局面をつくる。

    HINT 下ろすときも股関節から。バーが体から離れるほど腰の負担が増える。

  60. 10名ほどのグループに1つの種目を行わせている最中、複数の参加者に共通した崩れが出ていることに気づいた場合の進め方として最も適切なものはどれか。

    • 1全体をいったん止めて直し方を示し、そのうえで個別の声かけに回る正解
    • 2個別に声をかけ終えてから、残った時間で全体への説明をまとめて行う
    • 3進行を止めると流れが切れるため、崩れている参加者には次回の冒頭で伝える
    • 4崩れが出た参加者だけを列から外して別の種目に替え、残りはそのまま続けさせる

    Answer

    正解 1:全体をいったん止めて直し方を示し、そのうえで個別の声かけに回る

    複数の参加者に同じ崩れが出ている場合、原因は個人の癖ではなく説明や見本の側にあることが多い。「全体をいったん止めて直し方を示し、そのうえで個別の声かけに回る」が進め方として適切である。「個別に声をかけ終えてから、残った時間で全体への説明をまとめて行う」は同じ説明を人数分繰り返すことになり、その間も崩れた動作が反復される。「進行を止めると流れが切れるため、崩れている参加者には次回の冒頭で伝える」は崩れたまま一回分を積ませる判断になる。「崩れが出た参加者だけを列から外して別の種目に替え」は直す機会を与えておらず、残った参加者にも同じ崩れが起きている事実を扱っていない。

    HINT 複数人に同じ崩れが出たら、原因は説明や見本の側。まず全体を止めて示す。

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