トレーニング指導者論全60問・正解と解説つき
JATI認定トレーニング指導者(JATI-ATI)専門科目・ 公式テキスト第1章・ 分量 25%
トレーニング指導者の役割と職業倫理、指導者に求められる資質、対象者との関わり方、安全管理と法的な責任。
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- Q01#js-in-001
トレーニング指導者の役割として最も適切なものはどれか。
- 1対象者の目的と状態を把握し、科学的根拠に基づいて安全で効果的なプログラムを作成・指導する正解
- 2対象者の症状から疾患を診断し、必要な治療の方針を決定して進める
- 3対象者の目的を聞き取る前に、実績のあるプログラムを当てはめて指導を始める
- 4対象者の傷害に対して徒手的な治療を行い、回復までを管理する
Answer
正解 1:対象者の目的と状態を把握し、科学的根拠に基づいて安全で効果的なプログラムを作成・指導する
トレーニング指導者の役割は、対象者の目的・体力水準・健康状態を把握したうえで、科学的根拠に基づいて安全で効果的なトレーニングプログラムを作成し指導することにある。「対象者の症状から疾患を診断し、必要な治療の方針を決定して進める」は医師の業務であり、業務範囲を超える。「対象者の目的を聞き取る前に、実績のあるプログラムを当てはめて指導を始める」は手順が逆で、把握と評価を経ていないプログラムは目的にも状態にも合わない。「傷害に対して徒手的な治療を行い」も医療職の領域であり、指導者は医療へつなぐ役割を担う。
HINT 「作る・教える・つなぐ」が役割。「診る・治す・処方する」は越えてはいけない線。
- Q02#js-in-002
指導者が対象者の個人情報を扱う際の対応として最も適切なものはどれか。
- 1健康状態に関する情報は指導に必要だと確かめたうえで、本人の同意なく取得してよい
- 2施設内で共有する相手を確かめておけば、利用目的を省いたまま自由に利用してよい
- 3安全に配慮するため、既往歴の一覧を施設の全スタッフが見られる場所に掲示しておく
- 4利用目的をあらかじめ伝えて取得し、目的の範囲だけで利用して適切に保管する正解
Answer
正解 4:利用目的をあらかじめ伝えて取得し、目的の範囲だけで利用して適切に保管する
個人情報は利用目的をあらかじめ特定して本人に通知または公表し、その範囲で利用して適切に保管する必要がある。既往歴などの健康に関する情報は要配慮個人情報にあたり、こちらは取得そのものにも本人の同意が要る。「健康状態に関する情報は指導に必要だと確かめたうえで、本人の同意なく取得してよい」は誤りで、必要性を確かめたかどうかにかかわらず、既往歴などの健康に関する情報は要配慮個人情報にあたり、取得にも本人の同意が要る。「施設内で共有する相手を確かめておけば、利用目的を省いたまま自由に利用してよい」も誤りで、共有する相手を確かめることは利用目的の特定と通知の代わりにならない。「安全に配慮するため、既往歴の一覧を施設の全スタッフが見られる場所に掲示しておく」も誤りで、目的が安全であっても共有の範囲を広げすぎており、取得した目的の範囲を超えた取り扱いになる。
HINT 既往歴・健康診断の結果は「要配慮個人情報」。通常の個人情報より扱いが厳しい。
- Q03#js-in-003
トレーニング施設における安全管理として最も適切なものはどれか。
- 1器具の点検は導入時に一度行えば足り、その後の定期的な確認は要しない
- 2事故が起きた場合の対応は、その場に居合わせた職員が個別に判断する
- 3器具の点検と動線の確保を定期的に行い、事故時の対応手順を職員間で共有しておく正解
- 4点検の記録を毎日残すことを重んじ、見つかった不具合の修理は月末にまとめて手配する
Answer
正解 3:器具の点検と動線の確保を定期的に行い、事故時の対応手順を職員間で共有しておく
トレーニング施設では、器具の摩耗や破損を見つけるための定期点検、器具の配置と人の動線の確保、事故が起きた場合の対応手順(通報・救急対応・記録)の共有が基本になる。「導入時に一度行えば足り」は誤りで、ワイヤーやパッドの劣化は使用に伴って進む。「その場に居合わせた職員が個別に判断する」も誤りで、手順が決まっていないと対応が遅れる。「点検の記録を毎日残すことを重んじ、見つかった不具合の修理は月末にまとめて手配する」も誤りで、記録を増やしても不具合が見つかった時点で手配しなければ危険は残る。点検は記録を残すこと自体が目的ではない。
HINT 点検・動線・手順の3点。事故は「起きてから考える」では間に合わない。
- Q04#js-in-004
指導者が対象者との関係を保つうえで守るべきこととして最も適切なものはどれか。
- 1職務上知り得た情報の守秘を守り、指導者の立場を私的な目的には使わない正解
- 2信頼関係を築くため、他の対象者の成果や体調を具体的に伝えて話題にする
- 3対象者が親しくなれば、指導の場以外での私的な関係を積極的に築く
- 4対象者の意見は聞かないまま、指導者が最善と考える方針に従わせる
Answer
正解 1:職務上知り得た情報の守秘を守り、指導者の立場を私的な目的には使わない
指導者は職務上知り得た情報の守秘を守り、指導者としての立場、すなわち指導者と対象者という立場の非対称性を私的な目的に用いてはならない。「他の対象者の成果や体調を具体的に伝えて話題にする」は守秘義務に反する。「指導の場以外での私的な関係を積極的に築く」は、立場の非対称性がある関係では慎重であるべきで、トラブルの原因になりうる。「対象者の意見は聞かないまま、指導者が最善と考える方針に従わせる」も、対象者の意思を尊重するという前提に反する。
HINT 立場に差がある関係では、本人が断りにくい。その前提で線を引くのが職業倫理。
- Q05#js-in-005
競技者を対象としたメディカルチェック(問診)で、健康づくりを目的とする一般対象者以上に重点を置くべき内容として最も適切なものはどれか。
- 1血圧や心拍数など一般的な健康指標だけを確認すれば十分とし、競技特有の情報は省略する
- 2傷害歴で挙がった部位について、画像検査の必要性まで指導者が見立てて本人に伝える
- 3既往のある傷害の部位と競技で多用する動作との関連を確認する正解
- 4全身すべての関節について過去の痛みの有無を一つずつ聴き取り、一覧にまとめることを重んじる
Answer
正解 3:既往のある傷害の部位と競技で多用する動作との関連を確認する
競技者へのメディカルチェックでは、一般対象者に共通するリスク評価に加えて、既往のある傷害の部位と競技で多用する動作との関連(同じ動作の反復による再発の可能性)を確認する必要がある。「血圧や心拍数など一般的な健康指標だけを確認すれば十分とし、競技特有の情報は省略する」は、競技特有のリスクを見落とす。「傷害歴で挙がった部位について、画像検査の必要性まで指導者が見立てて本人に伝える」は、検査の必要性を判断することが医師の領域にあたり業務範囲を超える。「全身すべての関節について過去の痛みの有無を一つずつ聴き取り、一覧にまとめることを重んじる」も、聴き取る量を増やしただけで競技動作との関連づけがなく、再発しやすい動作を絞り込めない。
HINT 同じ『既往歴』でも、競技者では『どの動作で再発しやすいか』まで踏み込んで聞く。
- Q06#js-in-006
バーベルを用いた種目の実施中に対象者が胸の痛みや強いふらつきを訴えた場合、指導者が最初に行うべき対応として最も適切なものはどれか。
- 1バーを保持したまま様子を見て、耐えられるようであれば反復を続けさせる
- 2補助者とバーを安全にラックへ戻し、運動を中止して状態を観察する正解
- 3対象者にバーを支えさせたまま、指導者だけがその場を離れて人を呼びに行く
- 4重量を軽くしてから同じ種目を再開させ、症状の変化を確認する
Answer
正解 2:補助者とバーを安全にラックへ戻し、運動を中止して状態を観察する
バーベルを保持した状態で胸の痛みや強いふらつきが起きると、力が抜けてバーが落下する危険がある。指導者はまず補助者とともにバーを安全にラックへ戻すか下ろし、そのうえで運動を中止して状態を観察する。「バーを保持したまま様子を見て、耐えられるようであれば反復を続けさせる」は、保持中に力が抜ける危険をそのまま残す。「対象者にバーを支えさせたまま、指導者だけがその場を離れて人を呼びに行く」も、支えている間に事故が起きうる。「重量を軽くしてから同じ種目を再開させ、症状の変化を確認する」は、症状の重大さを見落としている。
HINT 『バーをどうするか』を先に決めておかないと、応急対応より先に事故が起きる。
- Q07#js-in-007
競技者を指導する際のトレーニング記録で、大会に向けたプログラム管理のために特に残すべき情報として最も適切なものはどれか。
- 1大会までの日数と、各期の到達度を記録する正解
- 2実施した種目名だけを残し、大会日程との関連は記録しない
- 3毎セットの重量と回数をすべて書き出し、期ごとの狙いは本人の記憶に任せる
- 4大会ごとの勝敗と順位を中心にまとめ、各期の到達度は大会後に振り返る
Answer
正解 1:大会までの日数と、各期の到達度を記録する
大会に向けたプログラム管理のためには、大会までの日数と、期分けの各期に狙った体力要素がどこまで到達しているかを記録し、狙った時期に状態を合わせられているかを確認できるようにする。「実施した種目名だけを残し、大会日程との関連は記録しない」は、期分けの進み具合を追えなくなる。「毎セットの重量と回数をすべて書き出し、期ごとの狙いは本人の記憶に任せる」は、記録の量は多いのに狙いと到達度が残らず、プログラム管理の判断に使えない。「大会ごとの勝敗と順位を中心にまとめ、各期の到達度は大会後に振り返る」も、結果だけでは各期の途中で計画を手直しする判断ができない。
HINT 『いつ・何を狙って・どこまで来たか』を大会日程に紐づけて残す。単なる実施記録では足りない。
- Q08#js-in-008
指導者が自身の力量を超えると判断した場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1対象者の信頼を損なわないよう、同僚の指導者に相談して自分で対応を続ける
- 2医師や理学療法士、管理栄養士など、適切な専門職につなぐ正解
- 3対応できないと伝えて指導を打ち切り、引き継ぎ先は本人に探してもらう
- 4対象者に自分で調べて対処してもらうよう促す
Answer
正解 2:医師や理学療法士、管理栄養士など、適切な専門職につなぐ
自身の力量や業務範囲を超えると判断した場合は、医師、理学療法士、管理栄養士など適切な専門職につなぐことが最も重要な対応になる。つなぐこと自体が専門職としての役割である。「同僚の指導者に相談して自分で対応を続ける」は、相談した相手が同僚の指導者にとどまり、医師などの専門職へは伝わらないため、対応が遅れて対象者の不利益になる。「引き継ぎ先は本人に探してもらう」は、引き継ぎ先を見つけること自体が指導者の役割であり、つなぐという責任を果たしていない。「自分で調べて対処してもらうよう促す」も、専門的な判断を本人に委ねることになり適切でない。
HINT 抱え込まない・見て見ぬふりもしない。つなぐ先を普段から持っておくのが実務。
- Q09#js-in-009
限られた台数の器具を使って集団を指導する際の運営として最も適切なものはどれか。
- 1小グループに分けて種目を順に回し、待ち時間が長くならないよう管理する正解
- 2早い者勝ちで自由に器具を使わせ、待ち時間や順番については指導者は関与しない
- 3全員が同じ器具を同時に使えるようになるまで、他の種目には一切進ませない
- 4器具の順番を決めず、力の強い対象者から優先的に使わせることで効率を上げる
Answer
正解 1:小グループに分けて種目を順に回し、待ち時間が長くならないよう管理する
限られた台数の器具で集団を指導する場合は、小グループに分けて種目をローテーションし、待ち時間が長くなりすぎないよう順番を管理することで、刺激の抜けと手持ち無沙汰による事故の両方を防げる。「早い者勝ちで自由に器具を使わせ、待ち時間や順番については指導者は関与しない」は、待ち時間の偏りや器具の奪い合いを招く。「全員が同じ器具を同時に使えるようになるまで、他の種目には一切進ませない」は、非効率で待ち時間が最も長くなる。「力の強い対象者から優先的に使わせる」も、個別性に反し不公平でもある。
HINT 待ち時間が長い集団指導は、刺激が抜けるだけでなく、手持ち無沙汰から事故も起きやすい。
- Q10#js-in-010
補助(スポッティング)を行う際の考え方として最も適切なものはどれか。
- 1補助者が常に重量の一部を支え続け、対象者が楽に挙げられるようにする
- 2補助は対象者が挙上に失敗してから、その場で支え方を確認する
- 3対象者が挙上できない局面を想定し、合図と補助方法を確認しておく正解
- 4高重量ほど補助は不要だと先に決めておき、限界に近い重量でのみ補助者を置かない
Answer
正解 3:対象者が挙上できない局面を想定し、合図と補助方法を確認しておく
補助は、対象者が挙上できなくなる局面をあらかじめ想定し、開始前に合図の出し方や補助の方法(入る位置、支える箇所)を確認しておくことで安全に機能する。「補助者が常に重量の一部を支え続け、対象者が楽に挙げられるようにする」は、狙った負荷がかからず補助の目的から外れる。「対象者が挙上に失敗してから、その場で支え方を確認する」は、確認する時点が失敗のあとになっていて対応が遅れ、バーが落ちる危険がある。支え方は挙げる前に確認しておくものである。「高重量ほど補助は不要だと先に決めておき」は逆で、限界に近い重量ほど補助が必要になる。
HINT 補助は「助ける」より「落とさせない」。合図と位置は挙げる前に決めておく。
- Q11#js-in-011
対象者が痛みを訴えたときの指導者の対応として最も適切なものはどれか。
- 1筋肉痛と同じものなので、痛みが出る動作をあえて繰り返して慣れさせる
- 2痛みは我慢できる範囲かを確かめ、予定通り続ける
- 3痛みが出る動作はその場では行わないようにし、長引くなら医療機関へつなぐ正解
- 4痛みの原因を特定し、指導者が診断名を確かめて対処法まで指示する
Answer
正解 3:痛みが出る動作はその場では行わないようにし、長引くなら医療機関へつなぐ
痛みを訴えた場合は、痛みが出る動作を無理に続けず、長引くようなら医療機関へつなぐ判断が求められる。「痛みが出る動作をあえて繰り返して慣れさせる」は、傷害を悪化させる。「痛みは我慢できる範囲かを確かめ、予定通り続ける」も、確かめている対象が我慢の範囲にとどまり、悪化の兆候を見落とす。「指導者が診断名を確かめて対処法まで指示する」は、診断名を確かめるのが医師の役割であるため、医行為にあたり業務範囲を超える。
HINT 「どこが・どんな痛みで・どの動作で出るか」を聞き取れば、避ける動作は決められる。診断はしない。
- Q12#js-in-012
持病の治療のため禁止物質を含む薬を必要とする競技者への対応として最も適切なものはどれか。
- 1治療使用の除外措置の手続きを省略せずに確認し、期日までに申請を促す正解
- 2治療のためだと医師に確かめたうえで、事前の手続きを省略して使用してよいと伝える
- 3対象となる物質を含む薬をすべて避けさせ、治療の機会も失わせる
- 4手続きの要否は競技者本人だけに確かめてもらい、指導者は静観する
Answer
正解 1:治療使用の除外措置の手続きを省略せずに確認し、期日までに申請を促す
治療上どうしても禁止物質を含む薬が必要な場合には、治療使用のための除外措置(TUE)などの定められた手続きがあり、指導者はその存在と申請の期日を確認して間に合うよう促す役割を担う。「治療のためだと医師に確かめたうえで、事前の手続きを省略して使用してよいと伝える」は誤りで、確かめる相手が医師であっても除外措置の申請は別に必要であり、手続きを経ないまま使用すれば違反となりうる。「対象となる物質を含む薬をすべて避けさせ、治療の機会も失わせる」は、必要な治療を妨げる誤った対応である。「手続きの要否は競技者本人だけに確かめてもらい、指導者は静観する」も、確かめる役割を本人に委ねており、支援すべき役割を放棄している。
HINT 『治療に必要』でも自動的に免除にはならない。手続きを踏むタイミングまで含めて助言する。
- Q13#js-in-013
指導者が継続的に学び続ける必要がある理由として最も適切なものはどれか。
- 1資格の更新に必要な単位を満たすことが、学習における唯一の目的になる
- 2科学的根拠は更新されるため、古い知識のまま指導すると対象者の不利益になる正解
- 3新しい知識はすべて従来の知識を否定するため、過去に学んだことは使えなくなるから
- 4指導者どうしの競争に勝ち、他の指導者より多くの対象者を集めるため
Answer
正解 2:科学的根拠は更新されるため、古い知識のまま指導すると対象者の不利益になる
科学的根拠やガイドラインは新しい研究を踏まえて更新されるため、古い知識のまま指導を続けると対象者の不利益につながりうる。実際に、熱中症の重症度分類や高血圧の管理目標のように、数年単位で改訂される内容がある。「資格の更新に必要な単位を満たすことが、学習における唯一の目的になる」は、学習の目的を手続きにすり替えている。「新しい知識はすべて従来の知識を否定する」は誤りで、多くは従来の知識を精緻化するものである。「指導者どうしの競争に勝ち、他の指導者より多くの対象者を集めるため」も、学び続ける本来の理由ではない。
HINT 「昔そう習った」は根拠にならない。版が変わっていないかを確認する習慣が要る。
- Q14#js-in-014
対象者から「肩まわりが硬いので関節を鳴らして矯正してほしい」と頼まれた場合の指導者の対応として最も適切なものはどれか。
- 1経験のある指導者であれば、対象者の希望に応じて関節を鳴らす操作をその場で行ってよい
- 2可動域を広げるストレッチを提案し、関節を鳴らすような手技は専門職の対応に委ねる正解
- 3希望には応えられないと伝えるだけにとどめ、代わりの方法は特に示さずセッションを終える
- 4関節を鳴らす操作は大きな危険を伴わないため、依頼があったときに限り短時間だけ行う
Answer
正解 2:可動域を広げるストレッチを提案し、関節を鳴らすような手技は専門職の対応に委ねる
指導者が行えるのは運動指導の範囲にとどまり、関節を鳴らす・矯正するといった手技は医療職や国家資格を持つ専門職の領域にあたる。可動域を広げるストレッチなど運動による対応にとどめ、手技そのものは専門職の対応に委ねるのが適切である。「経験のある指導者であれば…その場で行ってよい」「依頼があったときに限り短時間だけ行う」は、いずれも指導者の業務範囲を超える手技を正当化しており誤り。「希望には応えられないと伝えるだけにとどめ、代わりの方法は特に示さずセッションを終える」も、できないことを伝えるだけで代替案を示さず、対象者の目的に応える姿勢を欠く。
HINT 「できること」の代わりを示せるかどうかが分かれ目。断るだけでは指導にならない。
- Q15#js-in-015
新しいトレーニングプログラムを開始する前に行うインフォームドコンセントの説明として最も適切なものはどれか。
- 1同意書に署名を得ることが目的であり、内容の説明は書面を渡すだけで済ませる
- 2リスクを伝えると対象者が不安になるため、期待できる効果だけを詳しく伝える
- 3目的や方法、想定されるリスクや代替となる手段を説明し、対象者の同意を得てから開始する正解
- 4想定されるリスクを専門用語のまま詳しく読み上げ、理解できたかの確認は本人の申し出に任せる
Answer
正解 3:目的や方法、想定されるリスクや代替となる手段を説明し、対象者の同意を得てから開始する
インフォームドコンセントは、目的や方法、想定されるリスクや代替となる手段を説明し、対象者が理解したうえで同意を得てから実施することを指す。「同意書に署名を得ることが目的であり、内容の説明は書面を渡すだけで済ませる」は、理解を伴わない同意になり本来の趣旨に反する。「リスクを伝えると対象者が不安になるため、期待できる効果だけを詳しく伝える」も、リスクの説明を欠いた同意は成立しない。「想定されるリスクを専門用語のまま詳しく読み上げ、理解できたかの確認は本人の申し出に任せる」も、説明の量は足りていても理解を確かめる一手が抜けており、理解を伴わない同意になる。
HINT 同意は「サインをもらうこと」ではない。理解したうえでの同意かどうかが問われる。
- Q16#js-in-016
個人向けの指導契約を結ぶ際に整えておくべき文書として最も適切なものはどれか。
- 1指導内容と料金は書面に明記し、解約条件とリスクは申し出があったときに伝える
- 2契約書には対象者に不利な条件だけをできるだけ詳しく盛り込み、指導者側の説明は最小限にとどめる
- 3指導内容や料金、解約条件やリスクの説明を明記した契約書を交わしておく正解
- 4想定しうる事項を漏れなく盛り込んだ長文の書面を用意し、読み合わせは本人に任せる
Answer
正解 3:指導内容や料金、解約条件やリスクの説明を明記した契約書を交わしておく
個人向けの指導契約では、指導内容や料金、解約条件、リスクの説明を明記した契約書(重要事項説明を含む)を交わし、後のトラブルを防ぐことが望ましい。「指導内容と料金は書面に明記し、解約条件とリスクは申し出があったときに伝える」は、方向は合っているが解約条件とリスクこそ後のトラブルの種であり、書面に明記しておく必要がある。「対象者に不利な条件だけを盛り込み、指導者側の説明は最小限にとどめる」は、公正さを欠き信頼関係も損なう。「想定しうる事項を漏れなく盛り込んだ長文の書面を用意し、読み合わせは本人に任せる」も、盛り込む量を増やすほど要点が埋もれ、理解を伴った合意にならない。
HINT 契約書は「指導者を守る」だけの文書ではない。対象者にも分かる形で交わすのが前提。
- Q17#js-in-017
指導中の傷害について、指導者の注意義務違反が問われやすい状況として最も適切なものはどれか。
- 1器具の破損の兆候を把握していながら点検や交換をせず、使用を続けさせて負傷させた場合正解
- 2対象者が指導者の制止を振り切り、自己判断で無理に重量を上げて負傷した場合
- 3対象者に予測できない体調の急変が起こり、運動中に負傷した場合
- 4対象者が事前の説明どおり正しい方法で実施していたが、まれな確率で負傷した場合
Answer
正解 1:器具の破損の兆候を把握していながら点検や交換をせず、使用を続けさせて負傷させた場合
破損の兆候を把握していながら点検や交換をせずに使用を続けさせることは、防げたはずの危険を放置したことになり、指導者の注意義務違反が問われやすい。「対象者が指導者の制止を振り切り、自己判断で無理に重量を上げて負傷した場合」は、対象者本人の判断が主な原因であり、指導者の義務違反とは性質が異なる。「予測できない体調の急変」「事前の説明どおり正しい方法で実施していたが、まれな確率で負傷した」も、指導者が防ぎようのなかった事象にあたる。
HINT 「防げたのに防がなかったか」が注意義務違反の分かれ目。予測できない事態とは区別する。
- Q18#js-in-018
成長期にある未成年者へレジスタンストレーニングを指導する際の同意の取り方として最も適切なものはどれか。
- 1本人が同意していれば十分であり、保護者への説明や同意は任意である
- 2保護者にのみ説明して同意を得れば足り、本人への説明は省いてよい
- 3本人の同意だけでは足りず、保護者にも目的や方法などを説明し同意を得る正解
- 4未成年者は判断力が未熟なため、指導者の判断だけでプログラムを決めてよい
Answer
正解 3:本人の同意だけでは足りず、保護者にも目的や方法などを説明し同意を得る
未成年者への指導では、本人の同意だけでは足りず、保護者にも目的や方法、リスクを説明し、それぞれの同意を得ることが必要になる。「本人が同意していれば十分であり、保護者への説明や同意は任意である」は、保護者の監督責任や判断を欠くことになる。「保護者にのみ説明して同意を得れば足り、本人への説明は省いてよい」も、本人が自分の状況を理解する機会を奪う。「未成年者は判断力が未熟なため、指導者の判断だけでプログラムを決めてよい」は、本人・保護者いずれの同意も経ておらず適切でない。
HINT 未成年者への説明は「本人か保護者か」ではなく「本人も保護者も」。
- Q19#js-in-019
指導の場でのハラスメント防止に関する対応として最も適切なものはどれか。
- 1身体に触れて修正する場合は、事前に説明し了承を得たうえで必要な部位だけにとどめる正解
- 2上達のために厳しさは欠かせないため、罰としての追加の走り込みを与える
- 3指導者と対象者の関係は上下関係のため、対象者の意向は指導内容に反映しなくてよい
- 4叱責によって気持ちを引き締めさせることが、集中力を高める最も効果的な方法である
Answer
正解 1:身体に触れて修正する場合は、事前に説明し了承を得たうえで必要な部位だけにとどめる
動作の修正で身体に触れる必要がある場合は、事前に説明して了承を得たうえで、必要な範囲にとどめることが、不適切な身体接触を防ぐうえで欠かせない。「罰としての追加の走り込みを与える」は体罰にあたる。「指導者と対象者の関係は上下関係のため、対象者の意向は指導内容に反映しなくてよい」は、対象者の意思を無視した関係性であり、ハラスメントの温床になる。「叱責によって気持ちを引き締めさせることが最も効果的な方法である」も、暴言による指導を正当化しており適切でない。
HINT 身体に触れる指導ほど、説明と了承が先に要る。「触れてから説明」では遅い。
- Q20#js-in-020
指導者がSNSで自身のサービスを紹介する際の表現として最も適切なものはどれか。
- 1指導実績や一般的な効果の目安を誇張しないで、事実に基づいて伝える正解
- 2「必ず痩せる」「絶対に結果が出る」など、効果を保証する表現を用いる
- 3対象者から得た体験談を、本人の同意を得ないまま加工して掲載する
- 4他の指導者や施設を名指しで比較し、優位性を強調する表現を用いる
Answer
正解 1:指導実績や一般的な効果の目安を誇張しないで、事実に基づいて伝える
SNSでの表現は、指導実績や一般的な効果の目安を誇張せず事実に基づいて伝えることが基本になる。「必ず痩せる」「絶対に結果が出る」といった効果を保証する表現は、個人差のある結果を確約するもので誇大な表現にあたる。「対象者から得た体験談を、本人の同意を得ないまま加工して掲載する」は、同意なき利用という点で不適切である。「他の指導者や施設を名指しで比較し、優位性を強調する表現」も、公正さを欠く表現として避けるべきである。
HINT 「保証する」「必ず」は個人差を無視した表現。事実と目安の範囲にとどめる。
- Q21#js-in-021
JATI認定資格の更新に関する仕組みとして正しいものはどれか。
- 1一度合格すれば有効期間という定めは特になく、更新の手続き自体が不要である
- 2資格の有効期間は2年間で、その間に指定の継続単位を5単位以上取得する
- 3資格の有効期間は5年間で、継続単位を15単位以上取得する正解
- 4継続単位は5年間で30単位以上が求められ、足りない場合は有効期間が延びる
Answer
正解 3:資格の有効期間は5年間で、継続単位を15単位以上取得する
JATI認定資格の有効期間は5年間で、更新のためにはその間にJATIが指定する継続単位を15単位以上取得する必要がある。「一度合格すれば有効期間という定めは特になく、更新の手続き自体が不要である」は誤りで、資格には5年の有効期間が定められている。「有効期間は2年間で、継続単位を5単位以上取得する」は期間・単位数がいずれも異なる。「継続単位は5年間で30単位以上が求められ、足りない場合は有効期間が延びる」も誤りで、求められる単位数は15単位以上であり、単位が足りないことで有効期間が延びる仕組みにもなっていない。
HINT 5年で15単位、と覚える。学び続けることが更新の条件そのものになっている。
- Q22#js-in-022
運動指導におけるエビデンスの読み方として最も適切なものはどれか。
- 1有名な指導者が勧めている方法であれば、根拠を確認しなくても採用してよい
- 2個人の体験談だけを根拠にせず、研究の裏づけと併せて判断する正解
- 3科学的な研究は日々変化するため、内容を確認せず最新のものを無条件に採用する
- 41件の症例報告があれば、広く対象者一般に適用してよい根拠として十分である
Answer
正解 2:個人の体験談だけを根拠にせず、研究の裏づけと併せて判断する
個人の体験談は再現性や一般化可能性が確認されていないため、それだけを根拠とせず、研究による裏づけと併せて判断することが求められる。「有名な指導者が勧めている方法であれば、根拠を確認しなくても採用してよい」は、権威に頼った判断であり根拠の確認を欠く。「科学的な研究は日々変化するため、内容を確認せず最新のものを無条件に採用する」も、内容を吟味しない点で適切でない。「1件の症例報告があれば、広く対象者一般に適用してよい根拠として十分である」も、少数の事例を一般化する誤りにあたる。
HINT 「誰が言ったか」ではなく「どんな根拠に基づくか」。体験談は根拠の一部でしかない。
- Q23#js-in-023
指導者が特定のサプリメントを対象者に紹介する際の対応として最も適切なものはどれか。
- 1報酬を得ていることを伏せたまま、指導者個人の判断であるかのように紹介する
- 2紹介する製品から報酬を得ていることは隠さないで伝え、購入を勧めることはしない正解
- 3報酬を得ているかどうかや対象者ごとの違いは伏せたまま、同じ製品を全員へ一律に勧める
- 4報酬を得ている製品だけを取り上げ、それが唯一の選択肢であるかのように強く勧める
Answer
正解 2:紹介する製品から報酬を得ていることは隠さないで伝え、購入を勧めることはしない
紹介する製品から報酬を得ている場合は、利益相反にあたるため、その事実を隠さず対象者に伝えたうえで紹介することが求められる。「報酬を得ていることを伏せたまま、指導者個人の判断であるかのように紹介する」は、利益相反を隠したまま助言することになり信頼を損なう。「報酬を得ているかどうかや対象者ごとの違いは伏せたまま、同じ製品を全員へ一律に勧める」も、個別性を欠いた対応である。「報酬を得ている製品だけを取り上げ、それが唯一の選択肢であるかのように強く勧める」も、対象者の利益より指導者の利益を優先する対応であり適切でない。
HINT 報酬を得ること自体より、それを「隠すかどうか」が問われる。
- Q24#js-in-024
対象者への指導記録の保存期間と、開示を求められた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1保存期間をあらかじめ定めて保管し、開示を求められたら遅滞なく応じて内容を説明する正解
- 2記録は指導者個人の所有物であるため、対象者から開示を求められても応じる義務はないと伝える
- 3いつ開示を求められても応じられるよう、記録を印刷して施設の共有棚にまとめて置いておく
- 4開示を求められた際は、記録のうち指導者の判断にかかわる部分を伏せて写しを渡す
Answer
正解 1:保存期間をあらかじめ定めて保管し、開示を求められたら遅滞なく応じて内容を説明する
対象者への指導記録は、保存期間をあらかじめ定めて適切に保管し、本人から開示を求められた場合には遅滞なく応じて内容を説明することが求められる。「記録は指導者個人の所有物であるため、対象者から開示を求められても応じる義務はないと伝える」は誤りで、指導記録は本人が識別できる個人情報にあたり、本人には自己の情報を確認する権利がある。「いつ開示を求められても応じられるよう、記録を印刷して施設の共有棚にまとめて置いておく」も誤りで、開示に備える方向は合っていても、第三者が自由に見られる場所へ置くことは保管の方法として適切でない。「開示を求められた際は、記録のうち指導者の判断にかかわる部分を伏せて写しを渡す」も誤りで、本人に関する記録を一部だけ伏せて渡すことは、遅滞なく応じて内容を説明する対応になっていない。
HINT 記録は『指導者のもの』ではなく、本人が確認できる個人情報の一部という前提で考える。
- Q25#js-in-025
フィットネス施設と業務委託契約を結ぶ個人指導者と、雇用契約を結ぶ従業員である指導者とを比べたときの、備えについての説明として最も適切なものはどれか。
- 1業務委託という契約の名称にしておけば、実際の働き方や指揮命令の実態がどうであれ、施設側が備えておくことは何もなくなる
- 2雇用契約であっても業務委託契約であっても、事故が起きた際に施設側が用意しておく備えはまったく同じものになる
- 3契約の名称だけでなく実際の働き方の実態も踏まえて判断されるため、取り決めを書面にして備えを確認しておく正解
- 4業務委託の指導者については、指導中の事故に備える保険の加入も施設側が一括して手配するものとされる
Answer
正解 3:契約の名称だけでなく実際の働き方の実態も踏まえて判断されるため、取り決めを書面にして備えを確認しておく
どちらの契約形態かによって、指導者と施設が何を備えておくことになるかは変わる。雇用契約なら労働関係法令にもとづく施設側の体制づくりが関わり、業務委託なら業務の範囲・費用・事故が起きたときの対応・保険の加入といった事項を、当事者の間で取り決めておくことになる。そしてどちらであっても、指揮命令を受けているか、勤務の時間や場所が拘束されているかといった実際の働き方の実態も踏まえて扱いが判断されるため、取り決めを書面にし、その書面と日々の働き方がそろっているかを確認しておくことが備えになる。「業務委託という契約の名称にしておけば、実際の働き方や指揮命令の実態がどうであれ、施設側が備えておくことは何もなくなる」は誤りで、名称を変えれば実態の評価まで変わるわけではない。「雇用契約であっても業務委託契約であっても、事故が起きた際に施設側が用意しておく備えはまったく同じものになる」も誤りで、契約形態によって誰が何を用意するかの取り決めは変わる。「業務委託の指導者については、指導中の事故に備える保険の加入も施設側が一括して手配するものとされる」も誤りで、業務委託では保険の手配も当事者間の取り決めによるため、施設側が一括して手配すると決まっているわけではない。なお、個別の事案で法的な責任がどう判断されるかは事情によって変わるため、ここでは備えておく内容の違いまでを扱う。
HINT 契約書に書いた名前だけでは決まらない。だから備えは、書面と実際の働き方の両方をそろえる方向になる。
- Q26#js-in-026
運動指導施設が加入する施設賠償責任保険の役割に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1器具の欠陥や指導上の過失による利用者の損害を補償する仕組みで、点検や安全管理を怠らないことが前提となる正解
- 2保険に加入して備えているのだから、器具の点検や動線の確保といった日常の安全管理まで力を入れる必要はなくなる
- 3保険は指導者個人の資格更新にかかる費用を補うためのものであり、賠償とは関係がない仕組みである
- 4利用者が自身の不注意で負傷した場合にも、保険から利用者へ一律に見舞金が支払われる仕組みである
Answer
正解 1:器具の欠陥や指導上の過失による利用者の損害を補償する仕組みで、点検や安全管理を怠らないことが前提となる
施設賠償責任保険は、器具の欠陥や指導上の過失によって利用者に生じた損害の賠償を補償する仕組みであり、日常の点検や安全管理を怠らないことを前提として備えるものである。「保険に加入して備えているのだから、器具の点検や動線の確保といった日常の安全管理まで力を入れる必要はなくなる」は誤りで、保険は事故を防ぐ仕組みではなく、起きてしまった損害を補償する仕組みにすぎない。「保険は指導者個人の資格更新にかかる費用を補うためのものであり、賠償とは関係がない仕組みである」も誤りで、資格更新費用の補助とは無関係である。「利用者が自身の不注意で負傷した場合にも、保険から利用者へ一律に見舞金が支払われる仕組みである」も誤りで、支払いの可否は契約内容と過失の有無によって判断される。
HINT 保険は『事故を防ぐ』ものではなく『起きた損害を補う』もの。加入が安全管理の代わりにはならない。
- Q27#js-in-027
遠征先や大会会場など、日常の施設とは異なる環境でチームを指導する際の緊急時対応計画(EAP)として最も適切なものはどれか。
- 1自施設向けの手順書は汎用的につくってあるため、会場ごとに内容を見直して確認し直す必要はない
- 2緊急時の手順は帯同する医療スタッフに一任し、現地では競技の準備に専念する
- 3会場のAED設置場所と緊急連絡先を事前に確認し、誰が通報し誰が対応するか役割を決めておく正解
- 4会場のAED設置場所と連絡先を調べ、選手全員の既往と服薬の一覧を帯同スタッフ全員に配付する
Answer
正解 3:会場のAED設置場所と緊急連絡先を事前に確認し、誰が通報し誰が対応するか役割を決めておく
遠征先や大会会場では、日常の施設と異なりAEDの設置場所や周辺の医療機関、緊急連絡先が把握できていない。そのため事前に会場のAED設置場所と緊急連絡先を確認し、誰が通報し誰が対応するかという役割をあらかじめ決めておく必要がある。「自施設向けの手順書は汎用的につくってあるため、会場ごとに内容を見直して確認し直す必要はない」は誤りで、会場ごとに設備や環境は異なる。「緊急時の手順は帯同する医療スタッフに一任し、現地では競技の準備に専念する」も誤りで、通報や人を呼ぶ役は現場に居合わせた全員で分担するものであり、指導者も役割を持ったうえで手順を把握しておく必要がある。「会場のAED設置場所と連絡先を調べ、選手全員の既往と服薬の一覧を帯同スタッフ全員に配付する」も誤りで、設置場所を調べること自体は正しいが、健康に関する情報を必要のない範囲まで配付することは共有を広げすぎている。
HINT 会場が変われば設備も違う。『いつもの手順』をそのまま持ち込まない。
- Q28#js-in-028
感染症が流行している時期に、複数人を対象とした集団指導を行う際の運営として最も適切なものはどれか。
- 1感染対策は個人の自己責任であるため、施設側として人数や換気について特別な調整は行わない
- 2発熱などの症状がある参加者にも、当日キャンセルを避けるため通常どおり参加してもらう
- 3体調不良の申告があった参加者の症状と経過を、参加者全員に共有して注意を促す
- 4人数や間隔、換気の状況に応じて実施内容を調整し、体調不良の申告があれば参加を控えてもらう正解
Answer
正解 4:人数や間隔、換気の状況に応じて実施内容を調整し、体調不良の申告があれば参加を控えてもらう
感染症が流行している時期の集団指導では、人数や間隔、換気の状況に応じて実施内容を調整し、体調不良の申告があれば参加を控えてもらうといった対応が求められる。「感染対策は個人の自己責任であるため、施設側として人数や換気について特別な調整は行わない」は誤りで、施設運営側にも集団の場をつくる立場としての調整が求められる。「発熱などの症状がある参加者にも、当日キャンセルを避けるため通常どおり参加してもらう」も誤りで、症状のある参加者の参加は他の参加者への感染を広げる。「体調不良の申告があった参加者の症状と経過を、参加者全員に共有して注意を促す」も誤りで、注意を促す意図があっても個人の健康に関する情報を全員に伝えることは共有の範囲を越えている。
HINT 個人の対策だけでなく、人数・間隔・換気という『場』の調整も指導者側の役割。
- Q29#js-in-029
指導者自身が燃え尽き(バーンアウト)を防ぐための実務上の対応として最も適切なものはどれか。
- 1対象者からの期待に応えたくて休息を取る時間をつねに後回しにし、体力の続く限り毎日予約を詰め込んでしまう
- 2業務量や休息の確保を自分で把握し、負担が偏っていると感じたら早めに周囲や信頼できる同業者に相談する正解
- 3疲労を感じても弱さの表れだと捉えてしまい、誰にも打ち明けないまま一人で抱え込む
- 4燃え尽きは意欲や気持ちの持ちようの問題だと考えてしまい、我慢して乗り切ろうとする
Answer
正解 2:業務量や休息の確保を自分で把握し、負担が偏っていると感じたら早めに周囲や信頼できる同業者に相談する
燃え尽きを防ぐには、業務量や休息の確保を自分で把握し、負担が偏っていると感じたら早めに周囲や信頼できる同業者に相談することが有効である。「対象者からの期待に応えたくて休息を取る時間をつねに後回しにし、体力の続く限り毎日予約を詰め込んでしまう」は誤りで、休息の不足がそのまま燃え尽きにつながる。「疲労を感じても弱さの表れだと捉えてしまい、誰にも打ち明けないまま一人で抱え込む」も誤りで、抱え込むこと自体が燃え尽きを進める。「燃え尽きは意欲や気持ちの持ちようの問題だと考えてしまい、我慢して乗り切ろうとする」も誤りで、燃え尽きは意欲の問題ではなく、負担が長期間続くことで生じる状態である。
HINT 根性で乗り切る問題ではない。早めに気づいて相談できるかが分かれ目。
- Q30#js-in-030
担当していた対象者を、やむを得ず別の指導者に引き継ぐ際の対応として最も適切なものはどれか。
- 1引き継ぎに時間をかけると本人が不安になるため、当日いきなり担当者を交代して詳しい説明は省く
- 2本人の同意を得たうえで、必要な情報だけを新しい担当者へ過不足なく伝える正解
- 3本人の同意を待たずに、これまでの記録と面談の内容をすべて新しい担当者へ先に送っておく
- 4本人に交代を伝えて同意を得たうえで、これまでの経過は新しい担当者が本人から聞き直す
Answer
正解 2:本人の同意を得たうえで、必要な情報だけを新しい担当者へ過不足なく伝える
担当を引き継ぐ際は、本人の同意を得たうえで、必要な情報だけを新しい担当者へ過不足なく伝えることが求められる。「引き継ぎに時間をかけると本人が不安になるため、当日いきなり担当者を交代して詳しい説明は省く」は誤りで、説明のないまま交代すると本人が戸惑い信頼を損なう。「本人の同意を待たずに、これまでの記録と面談の内容をすべて新しい担当者へ先に送っておく」も誤りで、引き継ぎに必要な範囲を超えた情報を本人の同意なく渡すことになる。「本人に交代を伝えて同意を得たうえで、これまでの経過は新しい担当者が本人から聞き直す」も、同意を得る点は正しいが、指導者側が持つ情報を渡さなければ対象者に同じ説明を繰り返させ、必要な配慮も引き継がれない。
HINT 引き継ぎの主役は対象者。本人の同意と納得を飛ばして進めない。
- Q31#js-in-031
対象者が指導者に強く依存し、指導者がいないと不安で自主的な取り組みができなくなっている場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1依存されるのは信頼の証であるため、あえて自主練習は勧めず毎回の指導だけに頼らせる
- 2自主的に取り組む内容を一度に大きく増やし、次の回まで指導者への連絡を控えてもらう
- 3依存の強さに応じ、予約の頻度を指導者側の判断で決めて本人には結果だけ伝える
- 4自主的に取り組める内容を少しずつ増やし、指導者がいない場面でも対応できる力を育てる正解
Answer
正解 4:自主的に取り組める内容を少しずつ増やし、指導者がいない場面でも対応できる力を育てる
対象者が指導者へ強く依存している場合は、自主的に取り組める内容を少しずつ増やし、指導者がいない場面でも対応できる力を育てることが望ましい。「依存されるのは信頼の証であるため、あえて自主練習は勧めず毎回の指導だけに頼らせる」は誤りで、依存を助長し自立を妨げる。「自主的に取り組む内容を一度に大きく増やし、次の回まで指導者への連絡を控えてもらう」も誤りで、自立を促す方向は合っているが、段階を踏まずに一度に手を離すと不安が強まり取り組みそのものが続かない。「依存の強さに応じ、予約の頻度を指導者側の判断で決めて本人には結果だけ伝える」も誤りで、本人の意向を確かめないまま頻度を決めることは、依存をさらに強める対応になる。
HINT 依存を『喜ぶ』のではなく、少しずつ自立できるように育てる方向で考える。
- Q32#js-in-032
個人向けの指導サービスにおける料金体系の説明として最も適切なものはどれか。
- 1契約後に追加費用が生じても、当初の説明にはなかったことなので伝えなくてよい
- 2料金は指導者ごとに交渉で決まるものであるため、事前の提示はせず口頭のやり取りに委ねる
- 3料金に含まれる範囲と追加費用が生じる条件を、契約前に明確に説明する正解
- 4セット料金の中に含まれる回数や有効期限は曖昧にしておき、状況に応じて指導者側の裁量で運用する
Answer
正解 3:料金に含まれる範囲と追加費用が生じる条件を、契約前に明確に説明する
料金体系は、含まれる範囲と追加費用が生じる条件を契約前に明確に説明することが求められる。「契約後に追加費用が生じても、当初の説明にはなかったことなので伝えなくてよい」は誤りで、追加費用が生じる条件こそ事前に説明すべき内容である。「料金は指導者ごとに交渉で決まるものであるため、事前の提示はせず口頭のやり取りに委ねる」も誤りで、書面等で明確にしないと後のトラブルを招く。「セット料金の中に含まれる回数や有効期限は曖昧にしておき、状況に応じて指導者側の裁量で運用する」も誤りで、曖昧な運用は対象者の不利益になりやすい。
HINT 『何が含まれ、何が追加でかかるか』を先に、はっきり伝える。
- Q33#js-in-033
体験セッションや初回利用者への対応として最も適切なものはどれか。
- 1継続の契約につなげたいという思いから、初回から通常よりも高い強度のメニューを組んで成果を体感させる
- 2初回は契約前であるため、健康状態の確認は本契約が済んでから行うことにする
- 3現在の体力水準や既往歴を確認したうえで、負荷は抑えた範囲にとどめて施設や指導の雰囲気を体感してもらう正解
- 4体験の満足度を高めたいと考え、リスクの説明は省いて楽しさだけを伝える
Answer
正解 3:現在の体力水準や既往歴を確認したうえで、負荷は抑えた範囲にとどめて施設や指導の雰囲気を体感してもらう
体験セッションでは、現在の体力水準や既往歴を確認したうえで、負荷は抑えた範囲にとどめて施設や指導の雰囲気を体感してもらうことが適切である。「継続の契約につなげたいという思いから、初回から通常よりも高い強度のメニューを組んで成果を体感させる」は誤りで、初回から高強度にすると傷害のリスクが高まる。「初回は契約前であるため、健康状態の確認は本契約が済んでから行うことにする」も誤りで、健康状態の確認は運動を行う前に必要である。「体験の満足度を高めたいと考え、リスクの説明は省いて楽しさだけを伝える」も誤りで、リスクの説明を欠いた体験は同意の前提を欠く。
HINT 体験だからこそ、健康状態の確認とリスクの説明を省かない。
- Q34#js-in-034
対象者から指導内容についての苦情を受けた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1指導者側に非がないと感じられる場合でも、説明をせずに聞き流してその場を終わらせてしまう
- 2苦情を受けたこと自体が周囲に広まらないよう、内容を記録には残さずその場限りで処理してしまう
- 3内容を最後まで聞いたうえで事実関係を確認し、必要な対応と再発防止を検討する正解
- 4対象者の勘違いだと判断し、以後その対象者への対応を後回しにする
Answer
正解 3:内容を最後まで聞いたうえで事実関係を確認し、必要な対応と再発防止を検討する
苦情を受けた場合は、内容を最後まで聞いたうえで事実関係を確認し、必要な対応と再発防止を検討することが基本になる。「指導者側に非がないと感じられる場合でも、説明をせずに聞き流してその場を終わらせてしまう」は誤りで、非の有無にかかわらずまず内容を確認する姿勢が求められる。「苦情を受けたこと自体が周囲に広まらないよう、内容を記録には残さずその場限りで処理してしまう」も誤りで、記録に残さないと再発防止に活かせない。「対象者の勘違いだと判断し、以後その対象者への対応を後回しにする」も誤りで、勘違いであっても丁寧な説明を尽くすべきである。
HINT 『聞く→確認する→対応と再発防止』の順番を飛ばさない。
- Q35#js-in-035
同じ対象者を担当する複数の指導者の間で、指導方針についての見解が分かれた場合の扱いとして最も適切なものはどれか。
- 1対象者の目の前でどちらの指導方針が正しいかを議論し、その場で優劣を決めてしまう
- 2対象者のいないところで根拠を持ち寄り、方針をすり合わせて一貫した説明をする正解
- 3後から担当することになった指導者が、前任の方針を確認しないまま自分のやり方に一方的に変更する
- 4両者の根拠を持ち寄る前に、経験年数の長い指導者の方針を採って説明を統一する
Answer
正解 2:対象者のいないところで根拠を持ち寄り、方針をすり合わせて一貫した説明をする
指導者間で方針が分かれた場合は、対象者のいないところで根拠を持ち寄り、方針をすり合わせて一貫した説明をすることが望ましい。「対象者の目の前でどちらの指導方針が正しいかを議論し、その場で優劣を決めてしまう」は誤りで、対象者の前での対立は不信感を与える。「後から担当することになった指導者が、前任の方針を確認しないまま自分のやり方に一方的に変更する」も誤りで、確認を経ない変更は対象者を混乱させる。「両者の根拠を持ち寄る前に、経験年数の長い指導者の方針を採って説明を統一する」も誤りで、説明を一貫させる方向は合っているが、根拠を照らし合わせないまま経験年数で決めれば対象者に合わない方針が通ってしまう。
HINT 見解の違いをすり合わせる場は、対象者の前ではなく指導者同士の場。
- Q36#js-in-036
指導者が名刺や広告で自身の保有資格を表示する際の説明として最も適切なものはどれか。
- 1資格の名称は正式なものでなくても、対象者に伝わりやすい呼び方に変えてよい
- 2取得を目指して勉強中の資格であっても、取得済みと同じように表示してよい
- 3有効期限が切れた資格であっても、一度取得していれば表示を続けてよい
- 4実際に取得している資格の正式名称を用い、取得していない資格や期限の切れた資格は表示しない正解
Answer
正解 4:実際に取得している資格の正式名称を用い、取得していない資格や期限の切れた資格は表示しない
資格の表示は、実際に取得している資格の正式名称を用い、取得の有無や資格の範囲を誤解させない形で行うことが求められる。「資格の名称は正式なものでなくても、対象者に伝わりやすい呼び方に変えてよい」は誤りで、独自の呼び方に変えることで資格の範囲を誤解させるおそれがある。「取得を目指して勉強中の資格であっても、取得済みと同じように表示してよい」も誤りで、未取得の資格を取得済みのように示すことは誇大な表示にあたる。「有効期限が切れた資格であっても、一度取得していれば表示を続けてよい」も誤りで、更新が必要な資格を失効したまま表示し続けることは実態と合わない。
HINT 『取得しているかどうか』と『範囲を誤解させないか』の両方を満たす表示にする。
- Q37#js-in-037
大学の研究者から調査への協力依頼や、メディアから取材の依頼を受けた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1研究や取材は施設の宣伝になるため、対象者の同意を得ずに写真や体験談を提供してしまう
- 2依頼はすべて自分の判断だけで即答し、確認は必要に応じてあとで行えばよいと考える
- 3面倒を避けたいという思いから、内容を読まないまますべての依頼を一律に断ってしまう
- 4対象者が関わる内容であれば本人の同意を得たうえで、答えられる範囲だけ応じる正解
Answer
正解 4:対象者が関わる内容であれば本人の同意を得たうえで、答えられる範囲だけ応じる
研究協力や取材の依頼を受けた場合は、対象者が関わる内容であれば本人の同意を得たうえで、答えられる範囲だけ応じることが適切である。「研究や取材は施設の宣伝になるため、対象者の同意を得ずに写真や体験談を提供してしまう」は誤りで、本人の同意のない情報提供にあたる。「依頼はすべて自分の判断だけで即答し、確認は必要に応じてあとで行えばよいと考える」も誤りで、施設や他の関係者に関わる内容を独断で答えることは影響が及ぶ範囲を見誤る。「面倒を避けたいという思いから、内容を読まないまますべての依頼を一律に断ってしまう」も誤りで、内容を確認しないまま一律に断ることは、応じられる依頼まで機会を失わせる。
HINT 対象者が関わる話は、まず本人の同意。断るにも受けるにも内容の確認が先。
- Q38#js-in-038
日本語を母語としない対象者を指導する際の配慮として最も適切なものはどれか。
- 1通訳のできる同行者がいれば、本人ではなく同行者へ向けて説明を進める
- 2やさしい日本語や図、動作の見本を使い、伝わったかを確認しながら進める正解
- 3母語に訳した資料を一度に多く渡し、読んで理解してもらうことを中心に進める
- 4本人の理解の程度をきちんと確認せず、同意書への署名だけを先に済ませておく
Answer
正解 2:やさしい日本語や図、動作の見本を使い、伝わったかを確認しながら進める
日本語を母語としない対象者には、やさしい日本語や図、動作の見本を使い、伝わったかを確認しながら進めることが求められる。「通訳のできる同行者がいれば、本人ではなく同行者へ向けて説明を進める」は向き合う相手を取り違えており、通訳を介する場合でも説明と確認の相手は本人である。「母語に訳した資料を一度に多く渡し、読んで理解してもらうことを中心に進める」も誤りで、資料の量を増やしても、その場で伝わったかを確かめる工程がなければ理解の取り違えに気づけない。「本人の理解の程度をきちんと確認せず、同意書への署名だけを先に済ませておく」も誤りで、理解を伴わない同意は成立しない。
HINT 言葉を簡単にするだけでなく『伝わったか』を確認する工程を省かない。
- Q39#js-in-039
障害のある競技者(パラアスリート)を指導する際の考え方として最も適切なものはどれか。
- 1障害の種類が分かれば調整の内容は決まるので、競技特性までは確かめなくてよい
- 2安全を優先し、負荷の高いトレーニングそのものを避けて軽い運動に限定する
- 3競技特性と障害の状態を踏まえ、種目・器具・介助の方法を調整する正解
- 4介助者がいる場合は、本人の意向よりも介助者の判断を優先して種目を決める
Answer
正解 3:競技特性と障害の状態を踏まえ、種目・器具・介助の方法を調整する
障害のある競技者を指導する際は、競技特性と障害の状態を踏まえ、種目・器具・介助の方法を調整することが基本になる。「障害の種類が分かれば調整の内容は決まるので、競技特性までは確かめなくてよい」は片方の情報だけで決めており、同じ障害でも競技が違えば必要な種目や器具は変わる。「安全を優先し、負荷の高いトレーニングそのものを避けて軽い運動に限定する」も誤りで、競技者としての強化の機会を不必要に狭めてしまう。「介助者がいる場合は、本人の意向よりも介助者の判断を優先して種目を決める」も誤りで、種目を決める出発点は本人の意向であるべきである。
HINT 調整するのは種目・器具・介助の方法。本人の意向を後回しにしない。
- Q40#js-in-040
指導記録を電子データで管理する場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1アクセス権限を管理し、定期的にバックアップを取って復元できる状態にしておく正解
- 2紙の記録より安全であるため、パスワードやアクセス制限は特に設けなくてよい
- 3端末が一台あれば十分であり、複製や別の場所への保存は不要である
- 4データが増えて管理が煩雑になるため、古い記録は定期的にすべて消去する
Answer
正解 1:アクセス権限を管理し、定期的にバックアップを取って復元できる状態にしておく
指導記録を電子データで管理する場合は、アクセス権限を管理し、定期的にバックアップを取って復元できる状態にしておくことが求められる。「紙の記録より安全であるため、パスワードやアクセス制限は特に設けなくてよい」は誤りで、電子データであること自体は安全性を保証しない。「端末が一台あれば十分であり、複製や別の場所への保存は不要である」も誤りで、端末の故障や紛失に備えた複製が必要である。「データが増えて管理が煩雑になるため、古い記録は定期的にすべて消去する」も誤りで、必要な保存期間を考えずに一律消去することになる。
HINT 電子化そのものは安全対策にならない。権限管理とバックアップが対になって初めて意味を持つ。
- Q41#js-in-041
施設で新しく働き始めたアルバイトスタッフへの教育として最も適切なものはどれか。
- 1接客の方法だけを教え、緊急時の対応や器具の扱いは慣れてから自然に覚えてもらう
- 2安全管理や緊急時対応を含めて教育し、独り立ち前に実施を確認する正解
- 3業務に早く慣れてもらうため、最初から一人で利用者対応を任せる
- 4マニュアルを渡すだけにとどめ、実際の手順を確認する機会は設けない
Answer
正解 2:安全管理や緊急時対応を含めて教育し、独り立ち前に実施を確認する
新しく働き始めたスタッフには、安全管理や緊急時対応を含めて教育し、独り立ちする前に実施を確認することが求められる。「接客の方法だけを教え、緊急時の対応や器具の扱いは慣れてから自然に覚えてもらう」は誤りで、緊急時対応を後回しにすると実際の事故に対応できない。「業務に早く慣れてもらうため、最初から一人で利用者対応を任せる」も誤りで、確認のないまま任せることは事故のリスクを高める。「マニュアルを渡すだけにとどめ、実際の手順を確認する機会は設けない」も誤りで、渡すだけでは実施できるかどうかが分からない。
HINT 『渡す・任せる』で終わらせず、実際にできるかを確認してから独り立ちさせる。
- Q42#js-in-042
運動指導施設における火災や地震を想定した避難計画として最も適切なものはどれか。
- 1避難経路や集合場所はあらかじめ決めておくが、利用者への周知はほとんど行わない
- 2避難経路と集合場所をあらかじめ定めて掲示し、利用者にも周知したうえで定期的に訓練を行う正解
- 3避難訓練は実施すると職員の負担になるという理由で、計画を作成した時点で完了したものとして扱う
- 4避難計画は消防設備さえ整えておけば、経路や役割分担までは特に定めなくてよい
Answer
正解 2:避難経路と集合場所をあらかじめ定めて掲示し、利用者にも周知したうえで定期的に訓練を行う
避難計画では、避難経路と集合場所をあらかじめ定めて掲示し、利用者にも周知したうえで定期的に訓練を行うことが求められる。「避難経路や集合場所はあらかじめ決めておくが、利用者への周知はほとんど行わない」は誤りで、周知していなければ実際の場面で機能しない。「避難訓練は実施すると職員の負担になるという理由で、計画を作成した時点で完了したものとして扱う」も誤りで、訓練をしないと計画どおりに動けるか確認できない。「避難計画は消防設備さえ整えておけば、経路や役割分担までは特に定めなくてよい」も誤りで、設備があっても経路と役割が決まっていなければ避難は機能しない。
HINT 計画は『作って終わり』ではない。周知と訓練までを含めて初めて機能する。
- Q43#js-in-043
対象者から指導料金の支払いが滞った場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1指導の継続中であっても、支払いを催促した時点で指導を予告なく打ち切る
- 2契約内容に沿って状況を確認し、対象者に事情を伝えたうえで支払いを求める正解
- 3支払いが遅れている旨を他の利用者にも伝え、注意を促す
- 4本人の事情をくみ、契約内容と照らさずに次回以降の料金を指導者の判断で下げる
Answer
正解 2:契約内容に沿って状況を確認し、対象者に事情を伝えたうえで支払いを求める
料金の支払いが滞った場合は、契約内容に沿って状況を確認し、対象者に事情を伝えたうえで支払いを求めることが基本になる。「指導の継続中であっても、支払いを催促した時点で指導を予告なく打ち切る」は誤りで、予告のない一方的な打ち切りは契約上のトラブルを招く。「支払いが遅れている旨を他の利用者にも伝え、注意を促す」も誤りで、個人の支払い状況を他の利用者に伝えることは個人情報の扱いとして不適切である。「本人の事情をくみ、契約内容と照らさずに次回以降の料金を指導者の判断で下げる」も誤りで、事情に配慮する方向は合っていても、契約内容と照らさずに条件を独断で変えれば後の扱いがかえって曖昧になる。
HINT 契約内容に沿って、事情を確認してから対応する。他の利用者に知らせるのは論外。
- Q44#js-in-044
対象者からSNSのダイレクトメッセージで体調や食事についての個別相談が届いた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1深夜であっても届いた時点ですぐに詳しく回答し、迅速な対応を優先する
- 2対応できる範囲と方法をあらかじめ決め、必要ならセッション内で対応する正解
- 3個別のやり取りに応じるほど信頼が深まるため、指導契約とは別に無制限に相談を受け続ける
- 4医学的な内容の相談が届いた場合も、自分で調べて具体的な対処法まで答える
Answer
正解 2:対応できる範囲と方法をあらかじめ決め、必要ならセッション内で対応する
SNSでの個別相談には、対応できる範囲と方法をあらかじめ決め、必要であればセッション内で対応することが適切である。「深夜であっても届いた時点ですぐに詳しく回答し、迅速な対応を優先する」は誤りで、際限のない対応は指導者自身の負担を増やし続ける。「個別のやり取りに応じるほど信頼が深まるため、指導契約とは別に無制限に相談を受け続ける」も誤りで、契約の範囲を超えた無制限の対応は線引きを失わせる。「医学的な内容の相談が届いた場合も、自分で調べて具体的な対処法まで答える」も誤りで、体調に関わる相談は指導者が扱える範囲を超えており、医療機関へつなぐ対応にあたる。
HINT 『いつでも何でも答える』が信頼ではない。範囲を決めておくことが対象者のためにもなる。
- Q45#js-in-045
競技者にサプリメントの利用について助言する際、禁止物質の混入(コンタミネーション)に関する説明として最も適切なものはどれか。
- 1成分表示に禁止物質の記載が見当たらなければ、製造過程での混入の可能性はまったくないと判断してよい
- 2天然由来の成分だけを使った製品であれば、禁止物質が混入することは考えにくいと言い切ってよい
- 3サプリメントは食品であるため、禁止物質の混入について競技者へ注意を促す必要はない
- 4外部の検査機関による分析の有無など、禁止物質の混入リスクを抑える取り組みを確認するよう助言する正解
Answer
正解 4:外部の検査機関による分析の有無など、禁止物質の混入リスクを抑える取り組みを確認するよう助言する
サプリメントには意図しない禁止物質が混入している場合があるため、外部の検査機関による分析の有無など、禁止物質の混入リスクを抑える取り組みを確認するよう助言することが適切である。「成分表示に禁止物質の記載が見当たらなければ、製造過程での混入の可能性はまったくないと判断してよい」は誤りで、成分表示にない物質が製造過程で混入する例が知られている。「天然由来の成分だけを使った製品であれば、禁止物質が混入することは考えにくいと言い切ってよい」も誤りで、天然由来であることは混入のリスクと無関係である。「サプリメントは食品であるため、禁止物質の混入について競技者へ注意を促す必要はない」も誤りで、食品であっても混入した禁止物質による違反は成立しうる。
HINT 『表示にない』『天然由来』はどちらも混入リスクがゼロという根拠にはならない。
- Q46#js-in-046
画面越しのオンライン指導を行う際に踏まえておくべきこととして最も適切なものはどれか。
- 1画面に映る範囲が限られるため、動作の確認はあきらめて口頭での助言だけに切り替える
- 2補助ができない分を補うため、自宅では一段と重い負荷を扱わせて刺激の不足を埋める
- 3対面のような身体的な補助はできないため、確認できる範囲で動作を修正し負荷を調整する正解
- 4対面指導よりもリスクが低いはずだと考え、事前の健康状態の確認はあえて省いてしまう
Answer
正解 3:対面のような身体的な補助はできないため、確認できる範囲で動作を修正し負荷を調整する
オンライン指導では対面のような身体的な補助ができないため、確認できる範囲で動作を修正し負荷を調整することが求められる。「画面に映る範囲が限られるため、動作の確認はあきらめて口頭での助言だけに切り替える」は引きすぎで、カメラの位置や角度を指示すれば見える範囲は広げられ、動作の確認はオンラインでも成り立つ。「補助ができない分を補うため、自宅では一段と重い負荷を扱わせて刺激の不足を埋める」も調整の向きが逆で、補助が利かない場面ではむしろ扱う重量と種目の側を抑える。「対面指導よりもリスクが低いはずだと考え、事前の健康状態の確認はあえて省いてしまう」も誤りで、指導の形式にかかわらず事前の健康状態の確認は必要である。
HINT 画面越しでは『触れて直す』ができない。できないことを前提に負荷と種目を選ぶ。
- Q47#js-in-047
指導者養成課程の実習生を自分のセッションに同席させる場合、対象者に対して指導者が行う対応として最も適切なものはどれか。
- 1実習生が同席する目的と関わる範囲を対象者に先に伝え、了解を得たうえでセッションを行う正解
- 2実習生の担当範囲を書面にしておけば足りるため、対象者への説明は省いて同席させる
- 3実習生にも早く慣れてもらうため、初回から対象者への声かけと補助を任せる
- 4同席の可否は施設の判断で決まるため、対象者への説明は実習が終わってからまとめて行う
Answer
正解 1:実習生が同席する目的と関わる範囲を対象者に先に伝え、了解を得たうえでセッションを行う
同席する人が増えること自体が対象者の環境の変化であり、身体に触れる場面も生じる。「実習生が同席する目的と関わる範囲を対象者に先に伝え、了解を得たうえでセッションを行う」が実務の順序である。「実習生の担当範囲を書面にしておけば足りる」は指導者側の整理にとどまり、対象者が了解する機会をつくっていない。「初回から対象者への声かけと補助を任せる」は実習生の習熟を飛ばしており、補助の失敗は対象者の負傷に直結する。「同席の可否は施設の判断で決まるため、対象者への説明は実習が終わってからまとめて行う」は説明と了解の順序が逆で、説明の意味が失われる。
HINT 同席する人が増えるのは対象者の環境が変わること。先に伝えて了解を得てから始める。
- Q48#js-in-048
職能団体が定める倫理綱領(行動規範)の位置づけとして最も適切なものはどれか。
- 1団体の運営手続きを定めた規則で、会費の納め方や総会の運び方を会員に示したものである
- 2法令が直接問わない場面でも、資格者が自らを律するためにみずから定めた基準である正解
- 3資格者の社会的評価を高めるための対外的な表明で、広報の場面で用いる文書である
- 4法令の条文をかみ砕いて示した解説で、法令が改まるまで内容は据え置かれる
Answer
正解 2:法令が直接問わない場面でも、資格者が自らを律するためにみずから定めた基準である
倫理綱領は、法令が直接扱わない場面での判断の基準として職能団体が自ら定めるものである。「法令が直接問わない場面でも、資格者が自らを律するためにみずから定めた基準」が位置づけとして正しい。「団体の運営手続きを定めた規則」は定款や会則の役割で、倫理綱領とは別の文書である。「対外的な表明で、広報の場面で用いる文書」は目的の取り違えで、綱領は会員自身の行動を縛るために置かれている。「法令の条文をかみ砕いて示した解説」も誤りで、綱領は法令の要求を上回る水準を自ら定めることができ、社会の変化に応じて団体の判断で改訂される。
HINT 倫理綱領は法令の解説でも会則でもない。法が問わない場面で自分を律するための基準。
- Q49#js-in-049
マシンを本来の用途とは異なる方法で用いるトレーニングを対象者に行わせたいと思った場合の判断として最も適切なものはどれか。
- 1取扱説明書が想定する使い方と安全上の制限を調べ、他の手段と比べてから決める正解
- 2器具の管理は施設の管理者が担う事柄なので、指導者は動作の指導そのものに専念する
- 3まず対象者に行わせてみて、動作が安定しない場合に本来の使い方へ戻す
- 4狙う筋が共通していれば、支点や軌道が合っていなくても手応えの大きいほうを選んでよい
Answer
正解 1:取扱説明書が想定する使い方と安全上の制限を調べ、他の手段と比べてから決める
マシンは支点・可動範囲・荷重のかかり方が設計で決まっており、想定外の使い方は破損や挟み込みの危険を伴う。「取扱説明書が想定する使い方と安全上の制限を調べ、他の手段と比べてから決める」が判断の順序である。「器具の管理は施設の管理者が担う事柄」は役割の取り違えで、その場で使い方を選ぶのは指導者である。「まず対象者に行わせてみて」は検証の順序が逆で、危険が現れるのは試した後になる。「狙う筋が共通していれば、支点や軌道が合っていなくても手応えの大きいほうを選んでよい」は手応えを根拠にしており、関節に不適切な方向の力がかかる可能性を見落としている。
HINT 想定外の使い方は破損と挟み込みを伴う。説明書の制限を調べ、他の手段と比べてから決める。
- Q50#js-in-050
施設で、けがには至らなかったが事故につながりかねない出来事(ヒヤリハット)が起きた場合の扱いとして最も適切なものはどれか。
- 1当事者の不注意が原因なので、関わった職員への注意喚起を個別に行って区切りをつける
- 2実害が出た事故だけを報告の対象とし、ヒヤリハットは口頭の申し送りにとどめる
- 3実害が出る前の段階でも記録に残して職員で共有し、手順の見直しに用いる正解
- 4似た出来事が繰り返し起きた段階で記録を取り始め、まとまった数になってから対策を検討する
Answer
正解 3:実害が出る前の段階でも記録に残して職員で共有し、手順の見直しに用いる
ヒヤリハットは、実際の事故が起きる前に手順の弱い箇所を知らせる情報である。「実害が出る前の段階でも記録に残して職員で共有し、手順の見直しに用いる」が扱い方として正しい。「関わった職員への注意喚起を個別に行って区切りをつける」は原因を個人の不注意に帰しており、動線や置き方といった仕組みの側が残る。「実害が出た事故だけを報告の対象とし」は収集の対象を狭めており、前兆の情報が集まらない。「似た出来事が繰り返し起きた段階で記録を取り始め」は記録の開始が遅く、2回目が実害を伴う事故になる可能性を織り込んでいない。
HINT けがが出ていない段階の出来事こそ、手順の弱いところを先に教えてくれる情報。
- Q51#js-in-051
セッションの販売実績に応じて報酬が増える仕組みのもとで働く指導者が、対象者へ継続を提案する際に踏まえておくべきこととして最も適切なものはどれか。
- 1提案が自分の報酬に結びつく立場にあることを踏まえ、継続の必要性を対象者の状態と目的に照らして示す正解
- 2報酬の仕組みは施設と指導者の間の取り決めなので、提案する回数は売上の見通しに沿って組む
- 3報酬の仕組みを対象者に伝えておけば、以後の回数の提案はそのつど自由に行ってよい
- 4熱心に通う対象者ほど成果が出るため、提案する回数は多いほど対象者の利益になる
Answer
正解 1:提案が自分の報酬に結びつく立場にあることを踏まえ、継続の必要性を対象者の状態と目的に照らして示す
販売実績と報酬が連動する立場では、提案が対象者の利益と指導者の利益のどちらに向いているかが外から見えにくい。「継続の必要性を対象者の状態と目的に照らして示す」ことで、提案の根拠が対象者の側に置かれる。「提案する回数は売上の見通しに沿って組む」は判断の基準が入れ替わっている。「報酬の仕組みを対象者に伝えておけば、以後の回数の提案はそのつど自由に行ってよい」は向きは正しいが、開示しただけでは提案の中身が対象者の状態に沿っている保証にならない。「提案する回数は多いほど対象者の利益になる」は頻度と成果を一対一で結びつけた見立てで、回復の時間や費用の負担を落としている。
HINT 開示だけでは足りない。継続が必要だと言える根拠を対象者の状態と目的の側に置く。
- Q52#js-in-052
チームを担当する指導者が、選手から「監督には伝えないでほしい」と前置きされたうえで痛みの訴えを聞いた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1選手との信頼を保つことが先に立つので、聞いた内容は手元にとどめて予定どおり練習を続ける
- 2本人の意向を受け止めつつ、安全に関わる範囲は共有が要ると伝え、何をどこまで伝えるかを本人と決めておく正解
- 3チームの情報はすべて監督と共有する運びになっているため、聞いた内容をその日の練習前にまとめて監督へ報告する
- 4痛みの訴えは練習量への不満として表れることが多いため、全体の強度を下げて様子を見る
Answer
正解 2:本人の意向を受け止めつつ、安全に関わる範囲は共有が要ると伝え、何をどこまで伝えるかを本人と決めておく
守秘は対象者の安全より上に置かれるものではない。「安全に関わる範囲は共有が要ると伝え、何をどこまで伝えるかを本人と決めておく」ことで、本人の意向と安全の両方を扱える。「聞いた内容は手元にとどめて予定どおり練習を続ける」は信頼を理由に安全の判断を手放している。「チームの情報はすべて監督と共有する運びになっている」は本人に断りなく全部を流すもので、以後は何も打ち明けられなくなる。「練習量への不満として表れることが多いため」は訴えの原因を本人の心情に置き換えた見立てで、組織の損傷を見落とす。
HINT 守秘と安全がぶつかる場面。共有する範囲を本人と決めてから動く。
- Q53#js-in-053
経験の浅い指導者が、自分のセッションの進め方を改善していくための取り組みとして最も適切なものはどれか。
- 1対象者から評価の高かった進め方を自分の型として残し、以後の対象者にもその型を当てはめていく
- 2書籍や研修で知識を増やしていけば、現場での進め方も自然に身についていく
- 3先輩の指導者に実際のセッションを見てもらい、受けた指摘をもとに次の進め方を直していく正解
- 4経験年数の近い指導者同士で互いのセッションの感想を述べ合い、進め方の好みをそろえていく
Answer
正解 3:先輩の指導者に実際のセッションを見てもらい、受けた指摘をもとに次の進め方を直していく
自分の進め方の癖は、自分では見えにくい。「先輩の指導者に実際のセッションを見てもらい、受けた指摘をもとに次の進め方を直していく」が改善の近道である。「評価の高かった進め方を自分の型として残し、以後の対象者にもその型を当てはめていく」は対象者ごとの違いを落としており、合わない相手に同じ型を当てることになる。「知識を増やしていけば、現場での進め方も自然に身についていく」は知識の量が技能に自動的に変わるという見立てで、観察と修正の工程が抜けている。「経験年数の近い指導者同士で互いのセッションの感想を述べ合い」は好みをそろえるだけで、誤りを指摘できる水準の差が確保されていない。
HINT 自分の癖は自分では見えない。実際のセッションを上位者に見てもらって直す。
- Q54#js-in-054
指導中に対象者がけがをした直後、本人や家族へ状況を説明する際の対応として最も適切なものはどれか。
- 1説明の場で原因を言い切って伝え、再発を防ぐための対策まで合わせて決めておく
- 2責任の所在がはっきりするまで説明は控え、保険の手続きが固まってから内容を伝える
- 3本人の不安をやわらげることを先に置き、軽い出来事だったと受け止めてもらう
- 4把握できている事実を順に伝え、原因の見立ては調べてから改めて示す正解
Answer
正解 4:把握できている事実を順に伝え、原因の見立ては調べてから改めて示す
事故の直後に分かっているのは、起きた出来事と対応の経過までである。「把握できている事実を順に伝え、原因の見立ては調べてから改めて示す」が説明の形として適切である。「説明の場で原因を言い切って伝え」は確かめる前に結論を出すもので、後から覆れば信頼を損なう。「責任の所在がはっきりするまで説明は控え」は本人や家族が何も知らされない時間を長くし、不信を招く。「軽い出来事だったと受け止めてもらう」は受診や経過観察の判断を誤らせる可能性があり、安全の面でも不利になる。
HINT 直後に分かるのは出来事と対応の経過まで。原因の見立ては確かめてから示す。
- Q55#js-in-055
複数の参加者がいる場で、参加者の既往歴や体調を聞き取る際の配慮として最も適切なものはどれか。
- 1他の参加者に聞こえる場での聞き取りは要点だけにとどめ、立ち入った内容は別の場所や記入用紙で受け取る正解
- 2参加者全員で健康状態を分かち合うほうが互いに配慮できるため、聞き取りは全体の前で行う
- 3聞き取りは初回の受付で済んでいるので、以後の回では体調の確認を省いて進行を優先する
- 4健康に関わる内容は受付が扱う事柄なので、指導者は運動の内容だけを受け持つ
Answer
正解 1:他の参加者に聞こえる場での聞き取りは要点だけにとどめ、立ち入った内容は別の場所や記入用紙で受け取る
既往歴や服薬は、本人が他人に知られたくない情報である。「他の参加者に聞こえる場での聞き取りは要点だけにとどめ、立ち入った内容は別の場所や記入用紙で受け取る」ことで、安全の確認と情報の保護を両立できる。「聞き取りは全体の前で行う」は本人の意思を介さずに情報を広げてしまう。「以後の回では体調の確認を省いて進行を優先する」は体調が日によって変わることを織り込んでおらず、初回の情報だけで進めることになる。「指導者は運動の内容だけを受け持つ」は役割の切り分けを誤っており、その日の負荷を決めるのは指導者自身である。
HINT 聞かなければ危ないが、聞こえてしまうと困る情報。場所と手段を分けて受け取る。
- Q56#js-in-056
対象者から、以前通っていた施設で受けた指導内容について「あれは正しかったのか」と意見を求められた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1自分の指導との違いを具体的に挙げ、前の内容で誤っていた点を一つずつ対象者に指摘しておく
- 2成果が出ていないのは前の指導が合わなかった証拠なので、方針を全面的に入れ替える
- 3指導の方針には幅があると伝えて話を終え、今後の内容は次回に持ち越す
- 4前任者の良し悪しは論じないで、いまの状態と目的に照らして今後の進め方を説明する正解
Answer
正解 4:前任者の良し悪しは論じないで、いまの状態と目的に照らして今後の進め方を説明する
その場にいなかった指導の是非は、条件が分からないまま判断できない。「前任者の良し悪しは論じないで、いまの状態と目的に照らして今後の進め方を説明する」が対象者の役に立つ答え方である。「前の内容で誤っていた点を一つずつ対象者に指摘しておく」は根拠の乏しい評価を下すうえ、自分の指導を選ばせるための比較になりやすい。「前の指導が合わなかった証拠なので、方針を全面的に入れ替える」は成果が出ない理由を前任者だけに帰した見立てで、生活や頻度の要因を落としている。「指導の方針には幅があると伝えて話を終え」は向きとして誤りではないが、対象者が知りたい今後の進め方に触れないまま終わっている。
HINT 前任者を採点する場面ではない。いまの状態と目的から、これからをどうするかを示す。
- Q57#js-in-057
施設に備えているAEDや救急用品について、事故が起きていない平時に行う管理として最も適切なものはどれか。
- 1購入したときに設置場所を決めてあれば足りるため、点検は不具合の連絡が入った時点で行う
- 2消耗品の使用期限を台帳で管理し、使ったものは補充して設置場所を職員に周知する正解
- 3期限が切れても作動の確認が取れていれば使えるので、交換は不具合が出てからにする
- 4救急用品を使う機会はまれなので、在庫を多めに置くことを管理の中心に据える
Answer
正解 2:消耗品の使用期限を台帳で管理し、使ったものは補充して設置場所を職員に周知する
AEDの電極パッドやバッテリー、包帯や冷却材には使用期限があり、いざ使う場面で足りないことが起こりうる。「消耗品の使用期限を台帳で管理し、使ったものは補充して設置場所を職員に周知する」が平時の管理である。「点検は不具合の連絡が入った時点で行う」は期限切れのように連絡では分からない劣化を取りこぼす。「期限が切れても作動の確認が取れていれば使える」は期限が性能の保証期間である点を取り違えている。「在庫を多めに置くことを管理の中心に据える」は量に目を向けており、期限と置き場所の周知という肝心な点が抜けている。
HINT AEDのパッドやバッテリーには期限がある。量ではなく期限と置き場所の周知が管理の中心。
- Q58#js-in-058
担当している対象者を指導している最中に、別の利用者が器具を危険な使い方をしていることに気づいた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1担当外への声かけは自分の指導を中断させるため、気づいた内容をあとで受付に伝える
- 2器具の使い方は掲示で示されているので、守られていない場面は本人の責任とする
- 3セッションが終わるまで様子を見守り、けがにつながりそうになった時点で間に入る
- 4担当する対象者の安全を保てる形でいったん手を止め、その利用者に声をかけて止めさせる正解
Answer
正解 4:担当する対象者の安全を保てる形でいったん手を止め、その利用者に声をかけて止めさせる
施設の中で危険が目に入った職員は、担当かどうかにかかわらず止める立場にある。「担当する対象者の安全を保てる形でいったん手を止め、その利用者に声をかけて止めさせる」が対応の形である。手を止める前に、自分の対象者が挙上中でないかを確かめる点も含まれる。「気づいた内容をあとで受付に伝える」では、危険が続いている時間が残る。「守られていない場面は本人の責任とする」は掲示をもって責任を移したことにする見立てで、危険が現に見えている事実が扱われていない。「けがにつながりそうになった時点で間に入る」は介入の時機が遅く、落下や挟み込みは予兆から結果までが短い。
HINT 担当かどうかで決まる話ではない。自分の対象者を危険にしない形で手を止めて声をかける。
- Q59#js-in-059
特定の手法を長く学んできた指導者が、対象者の目的とその手法が合わないと感じた場合の対応として最も適切なものはどれか。
- 1自分がいちばん深く学んだ手法こそ成果が出やすいので、対象者の目的をその手法の側に寄せて説明する
- 2手法の幅を広げるには時間がかかるため、合わない対象者は受け入れを見合わせる
- 3得意な手法を起点にするのをやめ、対象者の目的から必要な手段を選び直す正解
- 4手法が合わないと感じた点を対象者に伝え、どちらで進めるかは本人に選んでもらう
Answer
正解 3:得意な手法を起点にするのをやめ、対象者の目的から必要な手段を選び直す
手法は目的に仕える手段であって、順序が入れ替わると対象者の目的が歪む。「得意な手法を起点にするのをやめ、対象者の目的から必要な手段を選び直す」が対応である。「対象者の目的をその手法の側に寄せて説明する」は目的と手段を逆に置いており、対象者が本来望んでいない方向へ進む。「合わない対象者は受け入れを見合わせる」は自分の手に余る場合には成り立つが、目的に合う手段を組めるかを検討する前に閉じてしまっている。「どちらで進めるかは本人に選んでもらう」は向きは正しいが、専門家として適する手段を示す責任を本人に移している。
HINT 手法は目的に仕える手段。自分の得意を起点にすると目的のほうが歪む。
- Q60#js-in-060
対象者が安全に関わる助言を繰り返し受け入れず、このままでは指導を続けられないと判断した場合の進め方として最も適切なものはどれか。
- 1次の回から受け入れを取りやめる旨を通知し、理由については契約の範囲外のこととして扱う
- 2対象者の希望を尊重する立場から、本人が納得するまで今の内容のままで指導を続ける
- 3続けられないと判断した理由と、改まらなかった場合の扱いを本人に具体的に示す正解
- 4助言が通らないのは説明が足りないためと見て、回数を増やして言い直す
Answer
正解 3:続けられないと判断した理由と、改まらなかった場合の扱いを本人に具体的に示す
指導を終える判断そのものは指導者の側にあるが、対象者には理由と条件を知る立場がある。「続けられないと判断した理由と、改まらなかった場合の扱いを本人に具体的に示す」ことで、対象者は改めるか終えるかを選べる。何を改めれば続けられるかを具体的に伝える点も含まれる。「理由については契約の範囲外のこととして扱う」は理由を伏せたまま関係を切るもので、納得も改善も生まれない。「本人が納得するまで今の内容のままで指導を続ける」は尊重を理由に危険を引き受け続けることになり、指導者の安全配慮と相容れない。「回数を増やして言い直す」は伝わらない原因を回数だけに求めており、助言の内容や伝え方を見直していない。
HINT 終える判断は指導者の側。ただし理由と、どうなれば続けられるかを本人に示す。
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- 01トレーニング指導者論60問 ・ 25%
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