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資格のニガテ一問一答
CSCS 基礎科学科目模擬試験復習

スポーツ心理学全57問・正解と解説つき

NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(CSCS)基礎科学セクション・ 分量 24%

動機づけ、覚醒とパフォーマンスの関係、目標設定、イメージ、集中、指導者と競技者の関わり方。

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All questions

  1. 覚醒水準とパフォーマンスの関係について、逆U字仮説がドライブ理論と異なる点として正しいものはどれか。

    • 1ドライブ理論と同じ、覚醒が高まるほど遂行も直線的に高まる関係を想定する
    • 2覚醒が低い場合でも遂行はいつも着実に高まる関係を想定する
    • 3覚醒とともに遂行が一貫して高まるドライブ理論とは異なる、曲線的な関係を想定する正解

    Answer

    正解 3:覚醒とともに遂行が一貫して高まるドライブ理論とは異なる、曲線的な関係を想定する

    逆U字仮説は、覚醒が低すぎても高すぎても遂行が下がり、中程度の覚醒で遂行が最も高まるという曲線的な関係を想定する。これは、覚醒が高まるほど遂行が単調に上がり続けるとするドライブ理論とは異なる考え方である。「ドライブ理論と同じ、覚醒が高まるほど遂行も直線的に高まる関係を想定する」は、逆U字仮説とドライブ理論の主張を混同している。「覚醒が低い場合でも遂行はいつも着実に高まる関係を想定する」も誤りで、覚醒が低すぎる状態でも遂行が着実に高まるとは想定されていない。

    HINT 『覚醒が高いほど良い』という単純な直線ではない。山型のグラフを思い出す。

  2. 個人の最適機能ゾーン(IZOF)理論の考え方として正しいものはどれか。

    • 1最適な覚醒の範囲はすべての選手に共通し、種目を問わず同じ幅を目指すべきだとする
    • 2覚醒の水準が変化しても遂行はつねに一定の高さに保たれる
    • 3最適な覚醒の水準や幅は選手ごとに異なり、個人差に応じて調整する必要がある正解

    Answer

    正解 3:最適な覚醒の水準や幅は選手ごとに異なり、個人差に応じて調整する必要がある

    個人の最適機能ゾーン(IZOF)理論は、最適な覚醒の水準やその幅が選手ごとに異なるとし、指導にあたっては個人差に応じて調整する必要があるという考え方である。「最適な覚醒の範囲はすべての選手に共通し、種目を問わず同じ幅を目指すべきだとする」は誤りで、IZOF理論はむしろ個人差を前提にしている。「覚醒の水準が変化しても遂行はつねに一定の高さに保たれる」も誤りで、覚醒の水準は遂行に影響を与えるとされる。

    HINT 同じ『ちょうど良い緊張感』でも、選手によって位置も幅も違う。

  3. 不安と遂行の関係を説明するカタストロフィモデルの特徴として正しいものはどれか。

    • 1認知的不安の高さにかかわらず、覚醒が上昇すると遂行はつねに緩やかに高まると説明する
    • 2認知的不安が低いときと同様に、覚醒が上昇すると遂行は緩やかに高まると説明する
    • 3認知的不安が高いと、遂行は覚醒の上昇にともない急激に低下すると説明する正解

    Answer

    正解 3:認知的不安が高いと、遂行は覚醒の上昇にともない急激に低下すると説明する

    カタストロフィモデルは、認知的不安が高い状態のときに覚醒がある水準を超えると、遂行が緩やかにではなく急激に落ち込むと説明する点で、逆U字仮説の緩やかな曲線とは異なる。「認知的不安の高さにかかわらず、覚醒が上昇すると遂行はつねに緩やかに高まると説明する」は誤りで、覚醒の上昇がつねに遂行を高めるとは説明していない。「認知的不安が低いときと同様に、覚醒が上昇すると遂行は緩やかに高まると説明する」も誤りで、認知的不安の高さによって覚醒上昇の影響の出方が変わる点を見落としている。

    HINT 『高い所からの落下』のように、崖から急に落ちるイメージ。緩やかな下り坂ではない。

  4. 多次元不安理論において、身体的不安・認知的不安のほかに含まれる要素として正しいものはどれか。

    • 1身体的不安と認知的不安という二つの要素だけで説明がすべて完結する
    • 2自分は目標を達成できるという見通しの強さを表す自己確信性という要素も含まれる正解
    • 3対戦相手の実力の高さがそのまま三つ目の要素として含まれる

    Answer

    正解 2:自分は目標を達成できるという見通しの強さを表す自己確信性という要素も含まれる

    多次元不安理論では、身体的不安・認知的不安に加え、自分は目標を達成できるという見通しの強さを表す自己確信性という要素も含めて競技不安を説明する。「身体的不安と認知的不安という二つの要素だけで説明がすべて完結する」は誤りで、自己確信性という第三の要素が含まれる。「対戦相手の実力の高さがそのまま三つ目の要素として含まれる」も誤りで、対戦相手の実力そのものは理論の構成要素ではない。

    HINT 『自信の強さ』も不安と並べて測る対象になる、という点がこの理論の特徴。

  5. 同じ試合前の状況でも、選手によって受け止め方が異なる理由を説明する認知的評価の考え方として正しいものはどれか。

    • 1状況をどう受け止めるかは本人の実力の高さだけで一方的に決まる単純な仕組みとされる
    • 2経験の長さがもっとも大きく作用し資源の評価はほとんど変化しない固定的な要素とされる
    • 3要求の大きさと対応資源を比べ、挑戦か脅威かの評価が分かれるとされる正解

    Answer

    正解 3:要求の大きさと対応資源を比べ、挑戦か脅威かの評価が分かれるとされる

    認知的評価理論では、試合前の状況に対する受け止め方は、求められることの大きさと自分が持つ対応資源とを比べた結果として、挑戦と捉えるか脅威と捉えるかが分かれるとされる。「状況をどう受け止めるかは本人の実力の高さだけで一方的に決まる単純な仕組みとされる」は誤りで、実力だけでなく要求と資源の比較という過程が関わる。「経験の長さがもっとも大きく作用し資源の評価はほとんど変化しない固定的な要素とされる」も誤りで、資源の評価は場面ごとに変わりうる要素として扱われる。

    HINT 同じ試合前でも『やれる』と感じるか『やられる』と感じるかは、この引き算で決まる。

  6. 自己決定理論における、内発的動機づけを支える3つの基本的心理欲求として正しいものはどれか。

    • 1報酬の大きさ・順位の高さ・注目度という3つの条件が動機づけの土台をなす
    • 2体力・技術・戦術という3つの要素が中心になるとされる
    • 3自律性・有能感・関係性という3つの欲求が満たされることが動機づけを支えるとされる正解

    Answer

    正解 3:自律性・有能感・関係性という3つの欲求が満たされることが動機づけを支えるとされる

    自己決定理論では、自律性・有能感・関係性という3つの基本的心理欲求が満たされることが内発的動機づけを支えるとされる。「報酬の大きさ・順位の高さ・注目度という3つの条件が動機づけの土台をなす」は誤りで、これらは外的な要因であり基本的心理欲求ではない。「体力・技術・戦術という3つの要素が中心になるとされる」も誤りで、これらは競技力の要素であって心理的な欲求ではない。

    HINT 『やりたいからやる』を支える土台は、自分で選べる感覚・できる感覚・つながっている感覚の3つ。

  7. 自己決定理論の動機づけの連続体において、取り込み的調整と同一化的調整の違いとして正しいものはどれか。

    • 1取り込み的調整は行動そのものの価値を認めて行動し、同一化的調整は罪悪感を避けて行動する
    • 2取り込み的調整は外から与えられる報酬のために行動する段階である
    • 3取り込み的調整は罪悪感を避けて行動し、同一化的調整は行動の価値を認めて行動する正解

    Answer

    正解 3:取り込み的調整は罪悪感を避けて行動し、同一化的調整は行動の価値を認めて行動する

    自己決定理論の動機づけの連続体では、取り込み的調整は罪悪感を避けるために行動する段階であり、同一化的調整はその行動の価値を自分自身で認めて行動する、より自律性の高い段階である。「取り込み的調整は行動そのものの価値を認めて行動し、同一化的調整は罪悪感を避けて行動する」は、両者の定義を入れ替えている。「取り込み的調整は外から与えられる報酬のために行動する段階である」も誤りで、報酬のために行動するのは外的調整であり、取り込み的調整は罪悪感を避けるために行動する段階である。

    HINT 『やらないと気まずいから』と『自分で大事だと思うから』の違い。後者のほうが自律性が高い。

  8. 達成目標理論における課題志向と自我志向の選手の、失敗後の反応の違いとして正しいものはどれか。

    • 1課題志向の選手は失敗後に努力を減らしやすく、自我志向の選手は失敗後も努力を保ちやすい
    • 2課題志向も自我志向も、失敗の直後はどちらも努力をいったん止めやすい
    • 3課題志向は失敗後も努力を保ちやすく、自我志向は努力を減らしやすい正解

    Answer

    正解 3:課題志向は失敗後も努力を保ちやすく、自我志向は努力を減らしやすい

    達成目標理論では、課題志向の選手は失敗後も努力を保ちやすく、自我志向の選手は失敗後に努力を減らしやすいとされる。「課題志向の選手は失敗後に努力を減らしやすく、自我志向の選手は失敗後も努力を保ちやすい」は、両者の傾向を取り違えている。「課題志向も自我志向も、失敗の直後はどちらも努力をいったん止めやすい」も誤りで、課題志向の選手は失敗のあとも努力を保ちやすいとされる。

    HINT 『前より上手くなったか』を基準にする選手は、負けても崩れにくい。

  9. ハーターのコンピテンス動機づけ理論における、有能感の認知の働きとして正しいものはどれか。

    • 1有能感の認知は年齢が上がるとともに一定の割合で自動的に高まっていく
    • 2有能感の認知は参加意欲とはつねに別方向に変化する
    • 3有能感の認知が高い選手ほど、その活動への継続的な参加意欲が保たれやすい正解

    Answer

    正解 3:有能感の認知が高い選手ほど、その活動への継続的な参加意欲が保たれやすい

    ハーターのコンピテンス動機づけ理論では、自分は上手にできるという有能感の認知が高い選手ほど、その活動への継続的な参加意欲が保たれやすいとされる。「有能感の認知は年齢が上がるとともに一定の割合で自動的に高まっていく」は誤りで、有能感の認知は成功体験や周囲からの評価など関わり方によって変わる。「有能感の認知は参加意欲とはつねに別方向に変化する」も誤りで、実際には同じ方向に動く関係にあるとされる。

    HINT 『できる』という感覚が続くから、その競技を続けたくなる。

  10. 自己効力感を高める代理的経験(モデリング)の効果を強めるうえで重要な点として正しいものはどれか。

    • 1モデルにする相手は自分と技術水準が近い選手ほど効果が強まりやすい正解
    • 2モデルにする相手は自分よりはるかに実力が高い選手であるほど効果が強まる
    • 3モデルにする相手はだれであっても効果は一定に保たれる

    Answer

    正解 1:モデルにする相手は自分と技術水準が近い選手ほど効果が強まりやすい

    自己効力感を高める代理的経験(モデリング)は、モデルにする相手が自分と体力や技術水準の近い選手であるほど効果が強まりやすいとされる。自分と重ね合わせやすいほど、「自分にもできる」という見通しが持ちやすくなるためである。「モデルにする相手は自分よりはるかに実力が高い選手であるほど効果が強まる」は誤りで、水準が離れすぎたモデルは自分と重ね合わせにくく効果が弱まりやすい。「モデルにする相手はだれであっても効果は一定に保たれる」も誤りで、モデルとの類似性によって効果の強さは変わるとされる。

    HINT 『あの人にもできたなら自分にも』と思えるかどうかは、相手との距離感で決まる。

  11. 自己効力感と自尊感情(自己概念)の違いとして正しいものはどれか。

    • 1自己効力感は人としての価値全体の評価を指し、自尊感情は課題ごとの見通しを指す
    • 2自己効力感は生まれつきの性質で変わりにくく、自尊感情は場面ごとに揺れ動く
    • 3自己効力感は課題ごとの見通しを、自尊感情は人としての価値を指す正解

    Answer

    正解 3:自己効力感は課題ごとの見通しを、自尊感情は人としての価値を指す

    自己効力感は特定の課題を遂行できるという見通しの強さを指す概念であり、自尊感情(自己概念)は人としての価値全体に対する評価を指す、より広い概念である。「自己効力感は人としての価値全体の評価を指し、自尊感情は課題ごとの見通しを指す」は、両者の定義を入れ替えている。「自己効力感は生まれつきの性質で変わりにくく、自尊感情は場面ごとに揺れ動く」も誤りで、自己効力感は成功の経験などによって課題ごとに変わりうるものである。

    HINT 『このスクワットならできる』は自己効力感、『自分は価値のある人間だ』は自尊感情。範囲が違う。

  12. 目標設定理論において、具体的で挑戦的な目標が効果を発揮するために欠かせない条件として正しいものはどれか。

    • 1目標の水準は一度決めたら、シーズンの途中で見直さないことが欠かせない
    • 2目標は指導者だけが把握し、選手には結果だけを伝えることが欠かせない
    • 3目標に向けた進み具合を選手に伝えるフィードバックが継続的に与えられることが欠かせない正解

    Answer

    正解 3:目標に向けた進み具合を選手に伝えるフィードバックが継続的に与えられることが欠かせない

    目標設定理論では、具体的で挑戦的な目標が効果を発揮するために、目標に向けた進み具合を選手に伝えるフィードバックが継続的に与えられることが欠かせないとされる。「目標の水準は一度決めたら、シーズンの途中で見直さないことが欠かせない」は誤りで、進捗に応じて目標の水準を見直すことも効果を保つうえで関わる。「目標は指導者だけが把握し、選手には結果だけを伝えることが欠かせない」も誤りで、目標そのものを選手と共有し進捗を伝えることが効果を支える。

    HINT 目標を立てるだけでは終わらない。『今どこまで来ているか』を伝え続けることが要になる。

  13. シーズンを通じた目標設定における、近接目標(短期目標)と遠隔目標(長期目標)の組み合わせ方として正しいものはどれか。

    • 1遠隔目標へ近接目標を段階的に置き、その都度達成の確認と修正をしやすくする正解
    • 2遠隔目標だけを立てておけば、途中の近接目標を置くと選手の意欲が分散してしまう
    • 3近接目標を先に並べ、遠隔目標はシーズン終盤に初めて決めるほうがよい

    Answer

    正解 1:遠隔目標へ近接目標を段階的に置き、その都度達成の確認と修正をしやすくする

    シーズンを通じた目標設定では、遠隔目標(長期目標)に至る道筋として近接目標(短期目標)を段階的に置き、その都度達成の確認と修正の機会を増やすことが有効とされる。「遠隔目標だけを立てておけば、途中の近接目標を置くと選手の意欲が分散してしまう」は誤りで、近接目標は意欲を分散させるものではなく達成を確認する足がかりになる。「近接目標を先に並べ、遠隔目標はシーズン終盤に初めて決めるほうがよい」も誤りで、遠隔目標を早い時点から示すことが近接目標の位置づけを明確にする。

    HINT 『最終的にどこへ行くか』と『今どこまで来たか』は両方が必要。片方だけでは道筋が見えない。

  14. ストレスへの対処法を選ぶ際、ストレッサーの統制可能性に応じた使い分けとして正しいものはどれか。

    • 1統制できるかどうかにかかわらず、つねに問題焦点型の対処だけを一貫して用いるほうがよい
    • 2統制しやすい事態には問題焦点型、しにくい事態には情動焦点型を用いるほうがよい正解
    • 3統制しやすい事態には情動焦点型、統制しにくい事態には問題焦点型を用いるほうがよい

    Answer

    正解 2:統制しやすい事態には問題焦点型、しにくい事態には情動焦点型を用いるほうがよい

    ストレスへの対処法は、統制しやすい事態には状況そのものを変えようとする問題焦点型、統制しにくい事態には感情の調整を図る情動焦点型を用いるほうが有効とされる。「統制できるかどうかにかかわらず、つねに問題焦点型の対処だけを一貫して用いるほうがよい」は誤りで、統制しにくい事態では問題焦点型だけでは対処しきれない場面がある。「統制しやすい事態には情動焦点型、統制しにくい事態には問題焦点型を用いるほうがよい」も誤りで、組み合わせが実際とは逆になっている。統制しやすい事態こそ状況そのものを変える問題焦点型が有効で、統制しにくい事態には情動焦点型を用いるほうがよい。

    HINT 『変えられること』には手を打ち、『変えられないこと』には気持ちを整える。使い分けが要になる。

  15. 同じ出来事でも、統制できるという感覚(知覚された統制感)の強さがストレス反応の大きさに与える影響として正しいものはどれか。

    • 1統制できるという感覚が強いほど、同じ出来事に対するストレス反応は小さくなりやすい正解
    • 2統制できるという感覚が強いほど、ストレス反応はむしろ大きくなりやすい
    • 3統制できるという感覚は、出来事が終わったあとで初めて生じる

    Answer

    正解 1:統制できるという感覚が強いほど、同じ出来事に対するストレス反応は小さくなりやすい

    同じ出来事でも、統制できるという感覚が強いほど、その出来事に対するストレス反応は小さくなりやすいとされる。「統制できるという感覚が強いほど、ストレス反応はむしろ大きくなりやすい」は関係の向きを取り違えている。「統制できるという感覚は、出来事が終わったあとで初めて生じる」も誤りで、統制感は出来事に向き合う前や最中にも働き、そのときのストレス反応の大きさを左右する。

    HINT 『自分で何とかできる』と思えるかどうかが、同じ出来事の重さの感じ方を変える。

  16. バーンアウトを構成する3つの次元として、情緒的消耗感・有能感の低下のほかに含まれるものとして正しいものはどれか。

    • 1チームメイトや競技そのものに距離を置き、シニカルな態度になる状態が含まれる正解
    • 2特定の技術だけが極端に上達し、他の技術は差が広がったまま止まる状態が含まれる
    • 3睡眠時間がきわめて短くなる状態そのものが含まれる

    Answer

    正解 1:チームメイトや競技そのものに距離を置き、シニカルな態度になる状態が含まれる

    バーンアウトは、情緒的消耗感・有能感の低下に加えて、チームメイトや競技そのものに距離を置きシニカルな態度になる状態、すなわちシニシズム(脱人格化)という次元を含む3つの側面から捉えられる。「特定の技術だけが極端に上達し、他の技術は差が広がったまま止まる状態が含まれる」は誤りで、これは技術の習得の偏りであり、バーンアウトの次元とは異なる。「睡眠時間がきわめて短くなる状態そのものが含まれる」も誤りで、睡眠の短さ自体は結果として伴いうる身体的な変化であり、構成する次元そのものではない。

    HINT 『やる気がない』だけでなく、『冷めた態度になる』こともバーンアウトの一部として数えられる。

  17. 若い年代での早期の単一スポーツへの専門化が、バーンアウトのリスクに与える影響として正しいものはどれか。

    • 1早期の専門化はバーンアウトではなく、傷害のリスクだけを高める
    • 2早期に一つの種目へ専門化するほど、バーンアウトのリスクは高まりやすい正解
    • 3早期に一つの種目に専門化するほど、バーンアウトのリスクはむしろ低く保たれる

    Answer

    正解 2:早期に一つの種目へ専門化するほど、バーンアウトのリスクは高まりやすい

    若い年代で早期に一つの種目へ専門化するほど、複数のスポーツを経験する場合と比べてバーンアウトのリスクは高まりやすいとされる。「早期の専門化はバーンアウトではなく、傷害のリスクだけを高める」は誤りで、早期の専門化は傷害だけでなくバーンアウトのリスクも高めるとされる。「早期に一つの種目に専門化するほど、バーンアウトのリスクはむしろ低く保たれる」も誤りで、関係の向きが逆である。

    HINT 一つの種目に絞り込むほど、練習量も精神的な負担も一点に集中しやすくなる。

  18. リラクセーション技法である漸進的筋弛緩法(PMR)の基本的な手順として正しいものはどれか。

    • 1筋肉の一群を意識的に緊張させたのちに弛緩させ、その差を感じ取りながら全身を巡っていく正解
    • 2筋肉を緊張させる手順の代わりに、呼吸の速さだけを一定に保つ
    • 3全身の筋肉を同時に強く緊張させた状態を、終わりまでそのまま保つ

    Answer

    正解 1:筋肉の一群を意識的に緊張させたのちに弛緩させ、その差を感じ取りながら全身を巡っていく

    漸進的筋弛緩法(PMR)は、筋肉の一群を意識的に緊張させたのちに弛緩させ、緊張と弛緩の差を感じ取りながら全身の筋群を順に巡っていく手順をとる。「筋肉を緊張させる手順の代わりに、呼吸の速さだけを一定に保つ」は誤りで、呼吸法とPMRは別の技法であり、PMRの核は緊張と弛緩の対比にある。「全身の筋肉を同時に強く緊張させた状態を、終わりまでそのまま保つ」も誤りで、緊張をそのまま保つのではなく、緊張の後に弛緩させる過程が要になる。

    HINT 一度ぎゅっと力を入れてから抜く。その『差』を感じることが狙いになる。

  19. 特性不安が高い選手に生じやすいとされる、脅威に関連する情報への反応の特徴として正しいものはどれか。

    • 1特性不安が高い選手ほど、脅威に関連する情報にはむしろ注意が向きにくくなる傾向がある
    • 2特性不安は試合の直前にだけ現れ、普段の場面では観察されない
    • 3特性不安が高い選手ほど、脅威に関連する情報に注意が向きやすくなる傾向がある正解

    Answer

    正解 3:特性不安が高い選手ほど、脅威に関連する情報に注意が向きやすくなる傾向がある

    特性不安が高い選手は、脅威に関連する情報に注意が向きやすくなる傾向があるとされ、同じ場面でもより多くの手がかりを脅威として捉えやすい。「特性不安が高い選手ほど、脅威に関連する情報にはむしろ注意が向きにくくなる傾向がある」は関係の向きを取り違えている。「特性不安は試合の直前にだけ現れ、普段の場面では観察されない」も誤りで、場面によらず比較的安定して現れるのが特性不安であり、場面ごとに動くのは状態不安である。

    HINT 同じ場面でも、特性不安が高い選手ほど『危険信号』を多く拾ってしまう。

  20. イメージ(心的リハーサル)を用いる目的として、動作の習得を助けることに加えて期待できる効果はどれか。

    • 1効果は第三者の視点から眺める形で得られ、自分の視点で思い描くと妨げになる
    • 2イメージトレーニングを重ねる経験そのものが、覚醒水準を整えたり自信を高めたりする効果も期待できる正解
    • 3効果は動作の習得のみに表れるので、実際に体を動かす練習の代わりとして用いる

    Answer

    正解 2:イメージトレーニングを重ねる経験そのものが、覚醒水準を整えたり自信を高めたりする効果も期待できる

    イメージトレーニングは動作の習得を助けるだけでなく、本番の場面を繰り返し思い描く経験そのものが、覚醒水準を整えたり自信を高めたりする効果も期待できる。「効果は第三者の視点から眺める形で得られ、自分の視点で思い描くと妨げになる」は誤りで、自分の視点から思い描く形も広く用いられており、目的に応じて視点を使い分ける。「効果は動作の習得のみに表れるので、実際に体を動かす練習の代わりとして用いる」も誤りで、イメージは実際の練習を置き換えるものではなく、覚醒水準を整えたり自信を高めたりする働きもあわせもつ。

    HINT イメージは技術の習得だけでなく、心の準備にも使える。

  21. 効果的なイメージ(心的リハーサル)に求められる性質として最も適切なものはどれか。

    • 1思い描く場面をはっきり感じ取れる鮮明さと、思うように描き変えられる操作性の両方が求められる正解
    • 2失敗して悔しい思いをした場面を繰り返し鮮明に思い描けることが、上達のために最も重要な性質になる
    • 3実際の練習と同じ長さの時間をかけて毎回行うことが、唯一重要な性質になる

    Answer

    正解 1:思い描く場面をはっきり感じ取れる鮮明さと、思うように描き変えられる操作性の両方が求められる

    効果的なイメージには、場面をはっきり感じ取れる鮮明さと、思い描く内容を自分の意図どおりに描き変えられる操作性の両方が求められるとされる。鮮明であっても意図に反して失敗する場面に流れてしまうようでは、望ましい効果につながりにくい。「失敗して悔しい思いをした場面を繰り返し鮮明に思い描けることが、上達のために最も重要な性質になる」は誤りで、失敗の場面を鮮明に思い描くことは望ましくない動作の再現を強める方向に働きうる。「実際の練習と同じ長さの時間をかけて毎回行うことが、唯一重要な性質になる」も誤りで、時間の長さの一致よりも鮮明さと操作性のほうが重視される性質である。

    HINT はっきり見えるだけでなく、思うように描き変えられるかどうか。

  22. スポーツ選手の注意の持ち方を、注意の幅(広い・狭い)と方向(内的・外的)の組み合わせで捉える考え方に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • 1効果的な注意の持ち方は競技ごとに一つだけに定まり、場面が変わっても同じ幅と方向を保つことが望ましいとされる
    • 2注意には幅と方向の組み合わせがあり、場面に応じて使い分けることが有効とされる正解
    • 3注意の幅と方向のうち広い外的注意が最も有効で、狭い内的注意は用いないとされる

    Answer

    正解 2:注意には幅と方向の組み合わせがあり、場面に応じて使い分けることが有効とされる

    注意の持ち方は、注意の幅(広い・狭い)と方向(内的・外的)を組み合わせて捉えることができ、周囲を広く見渡す場面と一つの手がかりに絞り込む場面など、課題の場面に応じて使い分けることが有効とされる。「効果的な注意の持ち方は競技ごとに一つだけに定まり、場面が変わっても同じ幅と方向を保つことが望ましいとされる」は誤りで、同じ競技の中でも局面によって適した幅と方向は変わる。「注意の幅と方向のうち広い外的注意が最も有効で、狭い内的注意は用いないとされる」も誤りで、どの組み合わせにもそれが生きる場面があり、一つに序列をつける考え方ではない。

    HINT 幅×方向の組み合わせを、場面ごとに切り替える。

  23. プレッシャーの大きい場面で、習熟した動作の遂行がかえって乱れる現象(いわゆる「あがり」)が生じる注意の変化として最も適切なものはどれか。

    • 1緊張が高まると注意が動作の細部や自分の体に向きやすくなり、自動化された動作の流れが崩れやすくなる正解
    • 2緊張が高まるほど注意の幅は広がり、周囲の状況をより多く取り込めるようになる
    • 3動作の乱れは注意ではなく筋の緊張そのものが原因で、力みを抜けば自然に戻る

    Answer

    正解 1:緊張が高まると注意が動作の細部や自分の体に向きやすくなり、自動化された動作の流れが崩れやすくなる

    プレッシャーの大きい場面では、注意が動作の細部や自分の体の動きへ向きやすくなり、普段は意識せず自動的に行える動作の流れに意識的な制御が入り込むことで、かえって遂行が乱れやすくなるとされる。「緊張が高まるほど注意の幅は広がり、周囲の状況をより多く取り込めるようになる」は誤りで、緊張が高まると注意の幅は広がるのではなく狭まりやすい方向に変化するとされる。「動作の乱れは注意ではなく筋の緊張そのものが原因で、力みを抜けば自然に戻る」も誤りで、遂行の乱れには注意が動作の細部や自分の体へ向かうという変化が関わっている。

    HINT 緊張すると「できていたこと」を考えすぎて崩れる。

  24. 覚醒水準が低すぎることで意欲や集中が高まらない対象者に対して用いる活性化(アクティベーション)の技法として最も適切なものはどれか。

    • 1ゆっくりとした深い呼吸をくり返す呼吸法を用いて、心身をできるだけ落ち着かせる方向へ整える
    • 2覚醒水準は競技の開始とともに自然に上がっていくため、開始の時刻を待つ
    • 3リズミカルな音楽や力強い言葉かけ、テンポの速い呼吸などを用いて覚醒の水準を高める正解

    Answer

    正解 3:リズミカルな音楽や力強い言葉かけ、テンポの速い呼吸などを用いて覚醒の水準を高める

    覚醒水準が低すぎて意欲や集中が高まらない対象者には、リズミカルな音楽や力強い言葉かけ、テンポの速い呼吸などを用いて覚醒の水準を高める活性化の技法が有効とされる。「ゆっくりとした深い呼吸をくり返す呼吸法を用いて、心身をできるだけ落ち着かせる方向へ整える」は誤りで、これは覚醒水準を下げるリラクセーションの技法であり、覚醒が低すぎる対象者にはさらに覚醒を下げてしまう方向に働く。「覚醒水準は競技の開始とともに自然に上がっていくため、開始の時刻を待つ」も誤りで、覚醒水準は自然に任せるだけでなく、技法を用いて意図的に整えることができる。

    HINT 覚醒が低いときは「落ち着かせる」のではなく「上げる」方向の技法を使う。

  25. 漸進的筋弛緩法(緊張と弛緩を繰り返す方法)をリラクセーションの技法として用いる意義として最も適切なものはどれか。

    • 1各部位の筋を長い時間にわたって強く緊張させ、筋力そのものを高める効果を主な目的とする
    • 2筋を強く緊張させたのちに緩める感覚を覚え、緊張の状態を自分で見分けられるようにする正解
    • 3本番の直前に一度だけ行うことで効果の大部分が定着し、日頃からの積み重ねよりも直前の実施が重要になる

    Answer

    正解 2:筋を強く緊張させたのちに緩める感覚を覚え、緊張の状態を自分で見分けられるようにする

    漸進的筋弛緩法は、筋を強く緊張させたのちに緩める感覚を経験し、緊張の状態を自分で見分けて弛緩できるようにする技法である。「各部位の筋を長い時間にわたって強く緊張させ、筋力そのものを高める効果を主な目的とする」は誤りで、この技法の主な目的は筋力の向上ではなく、緊張と弛緩の感覚を見分ける力を養うことにある。「本番の直前に一度だけ行うことで効果の大部分が定着し、日頃からの積み重ねよりも直前の実施が重要になる」も誤りで、この技法は日頃から繰り返し練習しておくことで本番でも使える状態になり、直前の一度だけでは身につきにくい。

    HINT 緊張と弛緩の感覚差を、自分で見分けられるようにする技法。

  26. 競技中にミスをした後、頭の中で否定的な言葉が繰り返し浮かぶ選手への対応として最も適切なものはどれか。

    • 1否定的な言葉が浮かぶこと自体が集中の高さを表しており、そのまま試合に生かせる合図になる
    • 2浮かんだ否定的な言葉に気づかせ、次の一つの動作に向けた具体的で短い言葉に置き換える練習を重ねる正解
    • 3否定的な言葉への対応は、試合が終わったあとに時間をかけて振り返ることが最も重要な対処になる

    Answer

    正解 2:浮かんだ否定的な言葉に気づかせ、次の一つの動作に向けた具体的で短い言葉に置き換える練習を重ねる

    競技中にミスをした後に否定的な言葉が繰り返し浮かぶ選手には、その言葉に気づかせたうえで、次の一つの動作に向けた具体的で短い言葉に置き換える練習を重ねることが有効とされる。「否定的な言葉が浮かぶこと自体が集中の高さを表しており、そのまま試合に生かせる合図になる」は誤りで、否定的な言葉の繰り返しは集中の高さを示す合図ではなく、遂行を妨げる方向に働きうる。「否定的な言葉への対応は、試合が終わったあとに時間をかけて振り返ることが最も重要な対処になる」も誤りで、試合後の振り返りだけでなく、その場で言葉を置き換える対応が求められる。

    HINT 言葉に気づいて、次の一手に向けた短い言葉へ置き換える。

  27. セルフトークで用いる言葉(キューワード)の選び方として最も適切なものはどれか。

    • 1動作の手順を一つずつ言葉にして説明する長い文章にすることで、抜け漏れのない指示になる
    • 2毎回まったく異なる言葉を選ぶことで、新鮮さを保ちやすくなる
    • 3短く、肯定的で、今の場面に合った言葉を選ぶことで、とっさの場面でも使いやすくなる正解

    Answer

    正解 3:短く、肯定的で、今の場面に合った言葉を選ぶことで、とっさの場面でも使いやすくなる

    セルフトークで用いる言葉(キューワード)は、短く、肯定的で、今の場面に合ったものを選ぶことで、とっさの場面でも使いやすくなるとされる。「動作の手順を一つずつ言葉にして説明する長い文章にすることで、抜け漏れのない指示になる」は誤りで、長い文章は競技中とっさに使うには不向きで、短く絞った言葉のほうが実際の場面で使いやすい。「毎回まったく異なる言葉を選ぶことで、新鮮さを保ちやすくなる」も誤りで、言葉を毎回変えると使い慣れた言葉として定着しにくくなる。

    HINT 短く・肯定的に・今の場面に合わせる。

  28. 運動学習におけるフィードバックのうち、結果の知識(KR)と分けて考えられるパフォーマンスの知識(KP)に関する説明として最も適切なものはどれか。

    • 1パフォーマンスの知識は、競技の結果や得点を数値で正確に伝える情報として位置づけられる
    • 2パフォーマンスの知識が意味を持つのは技術を覚える初期の段階に限られ、習熟後は結果の知識だけで足りるようになる
    • 3パフォーマンスの知識は動作そのものの質を伝える情報で、結果だけでは分からない誤りを示せる正解

    Answer

    正解 3:パフォーマンスの知識は動作そのものの質を伝える情報で、結果だけでは分からない誤りを示せる

    パフォーマンスの知識(KP)は、結果の知識(KR)だけでは分からない動作そのものの質に関する情報を伝えるものであり、技術的な誤りを具体的に示せる点に意味がある。「パフォーマンスの知識は、競技の結果や得点を数値で正確に伝える情報として位置づけられる」は誤りで、結果や得点そのものを伝えるのは結果の知識のほうで、パフォーマンスの知識は動作の質を伝える。「パフォーマンスの知識が意味を持つのは技術を覚える初期の段階に限られ、習熟後は結果の知識だけで足りるようになる」も誤りで、習熟が進んだ段階でも動作の質に関する情報は技術の微調整に役立つ。

    HINT 「何が起きたか」と「どう動いたか」は別の情報。

  29. 技術の習熟が進むにつれて、フィードバックを与える頻度をどのように変えていくのが適切かとして最も適切なものはどれか。

    • 1習熟が進むほど毎回のフィードバックの頻度を増やし、細部まで逐一伝えることが望ましい
    • 2習熟が進むにつれて毎回ではなく間を空けて与えるようにし、自分で誤りに気づいて修正する機会を残していく正解
    • 3初心者の段階では間を空けて与え、習熟が進むにつれて毎回与えるようにするとよい

    Answer

    正解 2:習熟が進むにつれて毎回ではなく間を空けて与えるようにし、自分で誤りに気づいて修正する機会を残していく

    技術の習熟が進むにつれて、フィードバックは毎回ではなく間を空けて与えるようにし、対象者が自分で誤りに気づいて修正する機会を残していくことが望ましいとされる。「習熟が進むほど毎回のフィードバックの頻度を増やし、細部まで逐一伝えることが望ましい」は誤りで、頻度を増やすほど指導者への依存が強まり、自分で誤りに気づく力が育ちにくくなる。「初心者の段階では間を空けて与え、習熟が進むにつれて毎回与えるようにするとよい」も誤りで、調整の向きが逆で、初期は頻度を保ち、習熟に応じて間を空けていく。

    HINT 頻度を減らすことで、自分で気づく力を残す。

  30. 動作を終えた直後にすぐフィードバックを与えるのではなく、短い間を空けてから伝える工夫の意義として最も適切なものはどれか。

    • 1フィードバックは動作の直後に即座に与えるほど定着がよく、間を空けると定着の質が下がる
    • 2短い間を置くことで、対象者が自分の動作を振り返り誤りに気づく時間を確保できる正解
    • 3間を空けるのは、指導者が伝える言葉を考えるための時間にすぎない

    Answer

    正解 2:短い間を置くことで、対象者が自分の動作を振り返り誤りに気づく時間を確保できる

    動作を終えた直後にすぐフィードバックを与えるのではなく、短い間を置くことで、対象者が自分の動作を振り返り誤りに気づく時間を確保できるとされる。「フィードバックは動作の直後に即座に与えるほど定着がよく、間を空けると定着の質が下がる」は誤りで、即座に与え続けると自分で振り返る機会が失われ、むしろ定着を妨げることがある。「間を空けるのは、指導者が伝える言葉を考えるための時間にすぎない」も誤りで、間を空ける主な意義は指導者側の準備時間ではなく、対象者自身が誤りに気づく機会を作ることにある。

    HINT 間を空けるのは、自分で気づく時間を作るため。

  31. 指導者が競技者に与える賞賛(ほめ言葉)の与え方として最も適切なものはどれか。

    • 1実際に良かった具体的な行動や努力に対して、その場で言葉にして賞賛を与える正解
    • 2結果や努力の程度にかかわらず、練習のたびに全員へ賞賛を与えることが意欲を最も高める
    • 3賞賛は公式戦の結果に対してのみ与えるものとし、練習中の努力は賞賛の対象から外れる

    Answer

    正解 1:実際に良かった具体的な行動や努力に対して、その場で言葉にして賞賛を与える

    指導者が競技者に賞賛を与える際は、実際に良かった具体的な行動や努力に対して、その場で言葉にして賞賛を与えることが効果的とされる。「結果や努力の程度にかかわらず、練習のたびに全員へ賞賛を与えることが意欲を最も高める」は誤りで、実際の行動と結びつかない賞賛は、何がよかったのかが伝わらず効果が薄れる。「賞賛は公式戦の結果に対してのみ与えるものとし、練習中の努力は賞賛の対象から外れる」も誤りで、練習中の努力や小さな改善への賞賛も意欲を支える重要な要素である。

    HINT 賞賛は「本当に良かったこと」に具体的に。

  32. 選手のミスを指摘する際の指導者の伝え方として最も適切なものはどれか。

    • 1チームメイトの前で厳しく指摘することで、選手の精神的な強さが育つと考えられている
    • 2指摘を伝える場面や雰囲気にかかわらず、言葉の選び方だけで結果が決まる
    • 3他の選手がいない場面や落ち着いた雰囲気を選び、次にどう直すかを含めて具体的に伝える正解

    Answer

    正解 3:他の選手がいない場面や落ち着いた雰囲気を選び、次にどう直すかを含めて具体的に伝える

    選手のミスを指摘する際は、他の選手がいない場面や落ち着いた雰囲気を選び、次にどう直すかを含めて具体的に伝えることが望ましいとされる。「チームメイトの前で厳しく指摘することで、選手の精神的な強さが育つと考えられている」は誤りで、人前での厳しい指摘は選手の自信や指導者との関係を損ねやすく、精神的な強さを育てる方法として推奨されるものではない。「指摘を伝える場面や雰囲気にかかわらず、言葉の選び方だけで結果が決まる」も誤りで、伝える場面や雰囲気も選手の受け取り方に影響する要素である。

    HINT 人前での厳しい指摘は逆効果になりやすい。

  33. チームの凝集性(まとまり)を高めるために指導者が働きかけられる要因として最も適切なものはどれか。

    • 1チーム共通の目標を明確にし、各選手の役割をはっきりさせることで凝集性を高めやすくなる正解
    • 2課題への凝集性よりも、選手どうしの好き嫌いをそろえる社会的凝集性を優先して高める
    • 3食事会などの親睦行事を増やすことが、凝集性を高める唯一の方法になる

    Answer

    正解 1:チーム共通の目標を明確にし、各選手の役割をはっきりさせることで凝集性を高めやすくなる

    チームの凝集性を高めるためには、チーム共通の目標を明確にし、各選手の役割をはっきりさせることが指導者に働きかけられる要因になるとされる。「課題への凝集性よりも、選手どうしの好き嫌いをそろえる社会的凝集性を優先して高める」は誤りで、チームの成果に結びつきやすいのは共通の目標や役割を軸にした課題への凝集性のほうである。「食事会などの親睦行事を増やすことが、凝集性を高める唯一の方法になる」も誤りで、親睦行事は社会的な凝集性の一部を支えるが、目標や役割の共有もそれと並ぶ重要な要因である。

    HINT 目標と役割の共有が、まとまりを作る。

  34. 指導者と競技者の間の意思疎通(コミュニケーション)を良くするための関わり方として最も適切なものはどれか。

    • 1指導者が伝えたい内容を一方的に話すことが、意思疎通を良くする最も確実な方法になる
    • 2意思疎通の質は身振りや表情といった非言語の部分だけでおおむね決まるとされる
    • 3選手の話に耳を傾け、意見や気持ちを表しやすい関わり方を心がける正解

    Answer

    正解 3:選手の話に耳を傾け、意見や気持ちを表しやすい関わり方を心がける

    指導者と競技者の意思疎通を良くするためには、選手の話に耳を傾け、意見や気持ちを表しやすい関わり方を心がけることが望ましいとされる。「指導者が伝えたい内容を一方的に話すことが、意思疎通を良くする最も確実な方法になる」は誤りで、一方的に話すだけでは選手の意見や気持ちを把握できず、意思疎通の質を高めることにはつながりにくい。「意思疎通の質は身振りや表情といった非言語の部分だけでおおむね決まるとされる」も誤りで、非言語の要素に加えて、話を聞く関わり方など言語を通じたやり取りも意思疎通の質を左右する。

    HINT 話す前に、まず聞く関わり方。

  35. 大きな傷害を負った競技者に、当初みられやすい心理的な反応の移り変わりとして最も適切なものはどれか。

    • 1傷害を認めたくない否認の気持ちや怒りを経て、次第に現実を受け入れていく移り変わりがみられやすい正解
    • 2傷害の重さにかかわらず、受傷した直後から落ち着いた受け入れの状態が一貫して続く
    • 3心理的な反応は身体のリハビリテーションが完了した後に初めて現れる

    Answer

    正解 1:傷害を認めたくない否認の気持ちや怒りを経て、次第に現実を受け入れていく移り変わりがみられやすい

    大きな傷害を負った競技者には、当初、傷害を認めたくない否認の気持ちや怒りといった反応がみられ、それを経て次第に現実を受け入れていく段階的な移り変わりがみられやすいとされる。「傷害の重さにかかわらず、受傷した直後から落ち着いた受け入れの状態が一貫して続く」は誤りで、多くの場合、受傷直後は否認や怒りなどの反応が先に現れ、受け入れの状態にすぐ至るわけではない。「心理的な反応は身体のリハビリテーションが完了した後に初めて現れる」も誤りで、心理的な反応は受傷した直後から現れ、リハビリテーションの完了を待って初めて現れるものではない。

    HINT 否認→怒り→受け入れ、という順で進みやすい。

  36. 長期間の離脱を伴う傷害からの回復期にある競技者への関わり方として最も適切なものはどれか。

    • 1チームの活動から完全に離し、リハビリテーションだけに専念できる環境を整えることが最優先になる
    • 2可能な範囲でミーティングや行事に関わってもらい、チームとのつながりを保てるようにする正解
    • 3この時期は復帰の見通しを本人に伝えず、治療に専念してもらうのがよい

    Answer

    正解 2:可能な範囲でミーティングや行事に関わってもらい、チームとのつながりを保てるようにする

    長期間の離脱を伴う傷害からの回復期にある競技者には、可能な範囲でミーティングや行事に関わってもらい、チームとのつながりを保てるようにすることが望ましいとされる。「チームの活動から完全に離し、リハビリテーションだけに専念できる環境を整えることが最優先になる」は誤りで、チームから完全に離すとつながりが失われ、孤立感や意欲の低下につながりやすい。「この時期は復帰の見通しを本人に伝えず、治療に専念してもらうのがよい」も誤りで、見通しを共有しないほうが先行きの不安は強まりやすく、意欲を支えることにならない。

    HINT リハビリだけでなく、チームとのつながりも支える。

  37. 傷害により実際に体を動かせない期間、技術の記憶を保つための工夫として最も適切なものはどれか。

    • 1実際に動けない間も、イメージによって動作の感覚を保つよう働きかける正解
    • 2技術の記憶は時間の経過だけで自然に保たれ、この期間に特別な工夫を行う意味は乏しい
    • 3動作の記憶を保つには、対戦相手の映像を分析することが最も効果的な工夫になる

    Answer

    正解 1:実際に動けない間も、イメージによって動作の感覚を保つよう働きかける

    傷害により実際に体を動かせない期間は、イメージによって動作の感覚を保つよう働きかけることで、技術の記憶を保ちやすくなるとされる。「技術の記憶は時間の経過だけで自然に保たれ、この期間に特別な工夫を行う意味は乏しい」は誤りで、体を動かせない期間が長引くほど技術の記憶は薄れやすく、何もせず時間の経過に任せるだけでは保ちにくい。「動作の記憶を保つには、対戦相手の映像を分析することが最も効果的な工夫になる」も誤りで、対戦相手の分析は戦術面の準備に役立つが、自分自身の動作の記憶を保つための工夫としては的外れである。

    HINT 動けない間も、イメージで動作の感覚を保つ。

  38. 観客の声や得点表示など、競技の遂行に直接関係しない周囲の情報に気を取られやすい選手への対応として最も適切なものはどれか。

    • 1課題の遂行に直接関わる手がかりに注意を向け直す練習を重ね、関係のない情報を意識的に選別する力を養う正解
    • 2周囲のあらゆる情報を等しく取り込むことで、不意の事態への対応力が最も高まる
    • 3気を取られやすさは生まれつきの性格でほぼ決まっており、練習で変わる程度はわずかにとどまる

    Answer

    正解 1:課題の遂行に直接関わる手がかりに注意を向け直す練習を重ね、関係のない情報を意識的に選別する力を養う

    観客の声や得点表示など競技の遂行に直接関係しない情報に気を取られやすい選手には、課題の遂行に直接関わる手がかりに注意を向け直す練習を重ね、関係のない情報を意識的に選別する力を養うことが有効とされる。「周囲のあらゆる情報を等しく取り込むことで、不意の事態への対応力が最も高まる」は誤りで、周囲の情報をすべて等しく取り込もうとすると、課題に直接関わる手がかりへの注意が散漫になりやすい。「気を取られやすさは生まれつきの性格でほぼ決まっており、練習で変わる程度はわずかにとどまる」も誤りで、注意を向け直す練習によって、関係のない情報を選別する力は伸ばすことができる。

    HINT 関係ない情報は「意識して選び分ける」練習で減らせる。

  39. もともと楽しんで取り組んでいた活動に対して金銭的な報酬を繰り返し与えたときに起こりうる変化として最も適切なものはどれか。

    • 1報酬が内発的な面白さと重なって働き、報酬を外した後も取り組みの意欲が高まったままになる
    • 2報酬を受け取るたびに有能感が高まるため、自律性の感覚もあわせて強まっていく
    • 3取り組む理由が報酬へ移り、報酬が止まると意欲が下がることがある正解

    Answer

    正解 3:取り組む理由が報酬へ移り、報酬が止まると意欲が下がることがある

    正しいのは「取り組む理由が報酬へ移り、報酬が止まると意欲が下がることがある」である。自分で選んで取り組んでいた活動に外からの報酬が加わると、行動の理由が報酬側へ移って自律性の感覚が下がり、報酬が止まったときに意欲が落ちることがある。「報酬が内発的な面白さと重なって働き、報酬を外した後も取り組みの意欲が高まったままになる」は誤りで、外からの報酬が内発的動機づけを下支えするとはかぎらず、むしろ損なう方向に働くことが知られている。「報酬を受け取るたびに有能感が高まるため、自律性の感覚もあわせて強まっていく」も誤りで、外からの報酬は行動の理由を外側へ移すため、自律性の感覚はむしろ下がりやすい。

    HINT 報酬が入ると、行動の理由がどこへ移るかを考える。

  40. 試合の結果の原因をどう捉えるかを整理する原因帰属の考え方について、用いられる次元の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

    • 1原因の所在、安定性、統制可能性という軸に沿って整理する正解
    • 2原因の所在、努力の量、才能の有無という三つの軸に沿って整理する
    • 3成功か失敗か、満足したかという軸で整理する

    Answer

    正解 1:原因の所在、安定性、統制可能性という軸に沿って整理する

    正しいのは「原因の所在、安定性、統制可能性という軸に沿って整理する」である。原因帰属は、原因が自分の内にあるか外にあるか、時間を通じて変わりにくいか変わりやすいか、自分で統制できるかという軸で整理され、その組み合わせが次の取り組みへの意欲を左右する。「原因の所在、努力の量、才能の有無という三つの軸に沿って整理する」は誤りで、努力や才能は原因として挙げられる中身であって、原因を分類する軸そのものではない。「成功か失敗か、満足したかという軸で整理する」も誤りで、それは結果とその受け止めを表すものであり、原因を分類する枠組みではない。

    HINT 分類する軸と、分類される中身を混同しないこと。

  41. 繰り返し失敗を経験した競技者が、努力しても結果は変わらないと捉えて取り組みをやめてしまう状態についての説明として最も適切なものはどれか。

    • 1能力そのものが実際に失われたことで生じ、技術の練習を重ねることで解消する
    • 2結果を自分では左右しにくいという見通しが学習された状態で、統制感を取り戻す関わりが要る正解
    • 3覚醒の水準が上がりすぎたことで生じ、休息をとれば自然に戻っていく

    Answer

    正解 2:結果を自分では左右しにくいという見通しが学習された状態で、統制感を取り戻す関わりが要る

    正しいのは「結果を自分では左右しにくいという見通しが学習された状態で、統制感を取り戻す関わりが要る」である。学習性無力感は、自分の行動と結果が結びつかない経験の積み重ねによって生じるため、達成できる課題を用意して自分で結果を動かせる感覚を取り戻す関わりが必要になる。「能力そのものが実際に失われたことで生じ、技術の練習を重ねることで解消する」は誤りで、能力が実際に失われたのではなく、結果への見通しが変わった状態である。「覚醒の水準が上がりすぎたことで生じ、休息をとれば自然に戻っていく」も誤りで、覚醒の高まりによる一時的な遂行の乱れとは成り立ちが異なり、休息を挟むだけでは見通しは変わらない。

    HINT 失われているのは能力ではなく、自分で動かせるという見通し。

  42. 活動に深く没入して時間の感覚が薄れるフロー状態が生じやすい条件として最も適切なものはどれか。

    • 1本人の技能の水準が課題の難度を大きく上回り、慣れた動作を繰り返す場面で生じやすい
    • 2課題の難度と本人の技能の水準が釣り合っている場面で生じやすい正解
    • 3外からの評価や順位が気になる場面でこそ生じやすく、注意が自分の内側へ向く

    Answer

    正解 2:課題の難度と本人の技能の水準が釣り合っている場面で生じやすい

    正しいのは「課題の難度と本人の技能の水準が釣り合っている場面で生じやすい」である。フロー状態は、求められることと自分の技能が釣り合い、明確な目標とその場で得られる手応えがそろった場面で生じやすいとされる。「本人の技能の水準が課題の難度を大きく上回り、慣れた動作を繰り返す場面で生じやすい」は誤りで、技能が課題を大きく上回る場面では退屈が生じやすく、没入には結びつきにくい。「外からの評価や順位が気になる場面でこそ生じやすく、注意が自分の内側へ向く」も誤りで、評価を気にして注意が自分の内側へ向く状態は没入を妨げる方向に働く。

    HINT 退屈でも不安でもない、ちょうど釣り合った場面を探す。

  43. リレーや綱引きのように複数の人が同じ課題に取り組む場面で、一人あたりの努力の量が下がることがある現象についての説明として最も適切なものはどれか。

    • 1人数が増えるほど一人あたりの努力の量は上がり、全体の成績も人数に応じて伸びる
    • 2一人ずつの貢献が見える場面でこそ起こりやすく、個別の記録を示すと強まる
    • 3自分の貢献が埋もれて見えにくい場面で起こりやすく、個別の記録を示すことで和らぐ正解

    Answer

    正解 3:自分の貢献が埋もれて見えにくい場面で起こりやすく、個別の記録を示すことで和らぐ

    正しいのは「自分の貢献が埋もれて見えにくい場面で起こりやすく、個別の記録を示すことで和らぐ」である。集団で同じ課題に取り組むと一人あたりの貢献が見えにくくなり、努力の量が下がりやすい。各自の貢献を測って示すと和らぐことが知られている。「人数が増えるほど一人あたりの努力の量は上がり、全体の成績も人数に応じて伸びる」は誤りで、人数が増えるほど一人あたりの努力は下がりやすく、全体の成績も人数どおりには伸びない。「一人ずつの貢献が見える場面でこそ起こりやすく、個別の記録を示すと強まる」も誤りで、貢献が見える場面はこの現象を和らげる方向に働く。

    HINT 自分の分が見えているときと、埋もれているとき。どちらで手が緩むか。

  44. 観衆の前で課題を行うときに、観衆の存在が成績に及ぼす影響の説明として最も適切なものはどれか。

    • 1習熟した課題では観衆の存在が後押しとなり、習得の途中の課題では妨げになりやすい正解
    • 2観衆の人数が多いほど成績は一様に上がっていき、習熟の程度による違いは生まれにくい
    • 3習熟した課題でこそ観衆の存在が妨げとなり、習得の途中の課題では後押しになる

    Answer

    正解 1:習熟した課題では観衆の存在が後押しとなり、習得の途中の課題では妨げになりやすい

    正しいのは「習熟した課題では観衆の存在が後押しとなり、習得の途中の課題では妨げになりやすい」である。観衆の存在は覚醒を高めるため、十分に身についた動作では遂行を後押しし、まだ習得の途中にある動作では誤りを増やす方向に働きやすい。「観衆の人数が多いほど成績は一様に上がっていき、習熟の程度による違いは生まれにくい」は誤りで、観衆の影響の向きは課題の習熟の程度によって分かれる。「習熟した課題でこそ観衆の存在が妨げとなり、習得の途中の課題では後押しになる」も誤りで、影響の向きが入れ替わっている。

    HINT 覚醒が上がったとき、得をするのは身についた動作か、途中の動作か。

  45. 複数の技術を練習する際に、1つずつまとめて行う方法と順序を混ぜて行う方法を比べたときの効果として最も適切なものはどれか。

    • 1まとめて行う方法のほうが練習中の出来も定着もよく、混ぜて行う利点は小さいとされる
    • 2まとめて行うほうが練習中の出来はよいが、定着や応用は混ぜて行うほうが進みやすい正解
    • 3混ぜて行うほうが練習中の出来もよく、定着にも有利に働く

    Answer

    正解 2:まとめて行うほうが練習中の出来はよいが、定着や応用は混ぜて行うほうが進みやすい

    正しいのは「まとめて行うほうが練習中の出来はよいが、定着や応用は混ぜて行うほうが進みやすい」である。順序を混ぜる練習は練習中の出来を下げる一方、毎回動作を組み立て直す負荷がかかるため、時間をおいた後の保持や別の条件への応用では有利に働くとされる。「まとめて行う方法のほうが練習中の出来も定着もよく、混ぜて行う利点は小さいとされる」は誤りで、練習中の出来と後の定着は同じ方向には動かない。「混ぜて行うほうが練習中の出来もよく、定着にも有利に働く」も誤りで、混ぜて行う練習は練習中の出来という点ではまとめて行う練習に及ばない。

    HINT 練習中の出来のよさと、後に残るかどうかは別の物差しになる。

  46. ある距離からのシュートを習得する段階で、距離や角度を変えて練習することが持つ意味として最も適切なものはどれか。

    • 1条件を変えるのは動作が固まったあとに限り、習得の段階では避けるのがよい
    • 2条件を変えると練習の負担が増え、習得に要する時間が長くなる結果に終わる
    • 3試合で出会う条件に対応する力が育ち、習得した動作を応用しやすくなる正解

    Answer

    正解 3:試合で出会う条件に対応する力が育ち、習得した動作を応用しやすくなる

    正しいのは「試合で出会う条件に対応する力が育ち、習得した動作を応用しやすくなる」である。条件を変えて練習すると動作を状況に合わせて調節する枠組みが育つため、試合で出会う初めての条件にも対応しやすくなる。「条件を変えるのは動作が固まったあとに限り、習得の段階では避けるのがよい」は誤りで、習得の段階から条件を変えておくことが、試合で出会う条件への対応力につながる。「条件を変えると練習の負担が増え、習得に要する時間が長くなる結果に終わる」も誤りで、負担が増えるのは事実だが、その負担が応用できる力につながるという点を取り落としている。

    HINT 試合は練習と同じ条件では来ない。そこに備える練習の形。

  47. 連続した一連の動作を指導する際に、動作全体を通して練習させる方法と部分に分けて練習させる方法の使い分けとして最も適切なものはどれか。

    • 1部分のつながりが動作の鍵を握る場合は全体で、部分が独立している場合は分けて練習させる正解
    • 2どの動作でも部分に分けて練習させ、全体をつなぐのは最後の段階で行う
    • 3動作の時間が長いほど全体を通して練習させ、短い動作は部分に分けて行う

    Answer

    正解 1:部分のつながりが動作の鍵を握る場合は全体で、部分が独立している場合は分けて練習させる

    正しいのは「部分のつながりが動作の鍵を握る場合は全体で、部分が独立している場合は分けて練習させる」である。流れや勢いの受け渡しが成否を決める動作は全体を通して練習させ、互いに独立した部分の積み上げで成り立つ動作は分けて練習させるのが基本になる。「どの動作でも部分に分けて練習させ、全体をつなぐのは最後の段階で行う」は誤りで、流れが鍵を握る動作を分けると受け渡しの感覚が育ちにくい。「動作の時間が長いほど全体を通して練習させ、短い動作は部分に分けて行う」も誤りで、使い分けの基準は動作の長さではなく部分どうしのつながりの強さである。

    HINT 分けてよいかどうかは、部分どうしのつながりの強さで決まる。

  48. 運動技能の習得の段階を認知・連合・自動化の3つに分けて捉える考え方について、連合の段階の特徴として最も適切なものはどれか。

    • 1動作の大まかな形をつかむために試行錯誤を繰り返し、誤りの大きさも揺れやすい
    • 2動作の形がおおむね定まり、誤りを減らす調整が進んで一貫性が高まっていく段階である正解
    • 3注意を他へ向けながら動作を行えるようになり、意識の関与が小さくなる

    Answer

    正解 2:動作の形がおおむね定まり、誤りを減らす調整が進んで一貫性が高まっていく段階である

    正しいのは「動作の形がおおむね定まり、誤りを減らす調整が進んで一貫性が高まっていく段階である」である。連合の段階では動作の大枠が定まり、細かな誤りを減らす調整が中心になるため、同じ動作を繰り返したときのばらつきが小さくなっていく。「動作の大まかな形をつかむために試行錯誤を繰り返し、誤りの大きさも揺れやすい」は認知の段階の特徴であり、連合の段階ではすでに大枠が定まっている。「注意を他へ向けながら動作を行えるようになり、意識の関与が小さくなる」も誤りで、これは自動化の段階の特徴であり、連合の段階では動作そのものに注意を割く必要が残る。

    HINT 3つの段階のうち、真ん中は何が進む時期かを考える。

  49. ある種目で身につけた動作が、別の種目の習得に影響を与える転移についての説明として最も適切なものはどれか。

    • 1動作の形が似ているほど影響は小さくなり、まったく違う動作のほうが助けになる
    • 2影響は助けになる方向へ働き、妨げになる方向の影響はごく小さいとされる
    • 3助けになる場合と妨げになる場合があり、両者の似方によって分かれる正解

    Answer

    正解 3:助けになる場合と妨げになる場合があり、両者の似方によって分かれる

    正しいのは「助けになる場合と妨げになる場合があり、両者の似方によって分かれる」である。転移には習得を助ける正の転移と妨げる負の転移があり、動作の要素や状況の似方によってどちらが現れるかが変わる。「動作の形が似ているほど影響は小さくなり、まったく違う動作のほうが助けになる」は誤りで、共通する要素が多いほど影響は大きく現れる。「影響は助けになる方向へ働き、妨げになる方向の影響はごく小さいとされる」も誤りで、似た場面で異なる反応を求められる場合には妨げになる方向の転移がはっきり現れる。

    HINT 似ていることは、助けにも邪魔にもなる。

  50. 技術の習得が一時的に進まなくなる停滞の時期について、指導者の捉え方として最も適切なものはどれか。

    • 1停滞は能力の限界に達した合図であり、その種目の練習を切り上げる根拠として扱える
    • 2記録に現れにくい段階の変化が進んでいる場合があり、課題の与え方を見直して待つ正解
    • 3停滞は意欲の低下が原因なので、練習量を増やして気持ちを立て直させる

    Answer

    正解 2:記録に現れにくい段階の変化が進んでいる場合があり、課題の与え方を見直して待つ

    正しいのは「記録に現れにくい段階の変化が進んでいる場合があり、課題の与え方を見直して待つ」である。停滞の時期には、動作の組み替えや注意の向け方の変化のように記録に表れにくい変化が進んでいることがあるため、課題の難度や練習の形を見直しながら取り組みを支えるのが基本になる。「停滞は能力の限界に達した合図であり、その種目の練習を切り上げる根拠として扱える」は誤りで、停滞は限界を示すものではなく、やがて再び伸びることが多い。「停滞は意欲の低下が原因なので、練習量を増やして気持ちを立て直させる」も誤りで、原因を意欲に絞って量を増やすと、課題の難度や練習の形という別の要因を見落とす。

    HINT 表に出ないところで組み替えが進んでいることがある。

  51. チームのまとまりを捉える際に区別される課題凝集性と社会的凝集性の違いとして最も適切なものはどれか。

    • 1課題凝集性は目標の共有に、社会的凝集性は人としての結びつきに関わる正解
    • 2課題凝集性は人としての結びつきに、社会的凝集性は目標の共有に関わるものである
    • 3課題凝集性が高いチームでは、社会的凝集性もそれに合わせて高まっていく

    Answer

    正解 1:課題凝集性は目標の共有に、社会的凝集性は人としての結びつきに関わる

    正しいのは「課題凝集性は目標の共有に、社会的凝集性は人としての結びつきに関わる」である。課題凝集性はチームの目標に向かってまとまる度合いを、社会的凝集性はメンバーどうしの対人的な結びつきの度合いを指す。「課題凝集性は人としての結びつきに、社会的凝集性は目標の共有に関わるものである」は誤りで、2つの側面の中身が入れ替わっている。「課題凝集性が高いチームでは、社会的凝集性もそれに合わせて高まっていく」も誤りで、目標に向かうまとまりが強くても仲のよさが低い場合があるように、2つの側面は別々に動きうる。

    HINT 仲がよいことと、同じ目標に向かっていることは別に測れる。

  52. 指導者の行動とチームの成果の関わりを扱う多次元モデルの考え方として最も適切なものはどれか。

    • 1成果を上げる指導行動は一つに定まり、どの場面でもその型を保つのがよい
    • 2指導行動は選手の好みに合わせて決め、場面の状況は考えの外に置く
    • 3求められる行動、実際の行動、選手が好む行動の重なり方が成果と満足を左右する正解

    Answer

    正解 3:求められる行動、実際の行動、選手が好む行動の重なり方が成果と満足を左右する

    正しいのは「求められる行動、実際の行動、選手が好む行動の重なり方が成果と満足を左右する」である。多次元モデルでは、状況が求める指導行動、指導者が実際にとる行動、選手が好む行動の3つがどれだけ重なるかによって成果と満足が決まると考える。「成果を上げる指導行動は一つに定まり、どの場面でもその型を保つのがよい」は誤りで、望ましい指導行動は競技の種類や選手の特徴、場面によって変わる。「指導行動は選手の好みに合わせて決め、場面の状況は考えの外に置く」も誤りで、選手の好みは3つの要素の一つにすぎず、状況が求めるものを外すと成果に結びつかない。

    HINT 良い指導の形は一つに決まらない。3つの要素の重なりで考える。

  53. 競技者と目標を立てる際に、結果目標・遂行目標・過程目標を区別して用いる意味として最も適切なものはどれか。

    • 1結果目標は本人が左右しやすいため、順位や勝敗を目標の中心に置くのが望ましい
    • 2自分で左右しやすい遂行目標と過程目標を軸に据え、結果目標はその先に置く正解
    • 3過程目標は日々の取り組みから外し、結果目標を繰り返し思い描かせる

    Answer

    正解 2:自分で左右しやすい遂行目標と過程目標を軸に据え、結果目標はその先に置く

    正しいのは「自分で左右しやすい遂行目標と過程目標を軸に据え、結果目標はその先に置く」である。順位や勝敗といった結果目標は相手の出来に左右されるため、自分の記録に関わる遂行目標と、動作や取り組み方に関わる過程目標を日々の軸に据えるほうが、取り組みが安定しやすい。「結果目標は本人が左右しやすいため、順位や勝敗を目標の中心に置くのが望ましい」は誤りで、結果目標は相手や環境に左右されるため本人が統制しにくい。「過程目標は日々の取り組みから外し、結果目標を繰り返し思い描かせる」も誤りで、日々の取り組みを支えるのは自分で統制できる過程目標であり、それを外すと手がかりが失われる。

    HINT 相手の出来に左右されるものを日々の軸に据えると、取り組みが揺れる。

  54. フリースローやサーブの直前に一定の手順を繰り返すルーティンが果たす働きとして最も適切なものはどれか。

    • 1注意を向ける対象と準備の流れを決めておき、場面による揺れを小さくする正解
    • 2手順そのものに効き目があるため、毎回違う手順を試しても同じ効果が得られる
    • 3手順を長くするほど効果が高まるため、十分に時間をかけた流れを組むことが望ましい

    Answer

    正解 1:注意を向ける対象と準備の流れを決めておき、場面による揺れを小さくする

    正しいのは「注意を向ける対象と準備の流れを決めておき、場面による揺れを小さくする」である。ルーティンは注意を向ける対象と動作に入るまでの流れを一定に保つ手立てであり、場面が変わっても同じ構えで入れるようにすることで遂行のばらつきを抑える。「手順そのものに効き目があるため、毎回違う手順を試しても同じ効果が得られる」は誤りで、毎回同じ流れを繰り返すこと自体が働きの中身である。「手順を長くするほど効果が高まるため、十分に時間をかけた流れを組むことが望ましい」も誤りで、長さが効き目を決めるのではなく、試合の制限時間の中で無理なく繰り返せる長さに整えることが大切になる。

    HINT 効いているのは手順の中身や長さではなく、毎回同じであること。

  55. 競技者の不安を測る際に区別される状態不安と特性不安の違いとして最も適切なものはどれか。

    • 1状態不安は生まれつきの性格として捉えられ、経験によって動きにくい面をもつ
    • 2状態不安は特性不安が高い選手に生じ、低い選手には現れにくい
    • 3状態不安はその場での感じ方を、特性不安は不安を感じやすい傾向そのものを指す正解

    Answer

    正解 3:状態不安はその場での感じ方を、特性不安は不安を感じやすい傾向そのものを指す

    正しいのは「状態不安はその場での感じ方を、特性不安は不安を感じやすい傾向そのものを指す」である。状態不安はその時点での一時的な不安の強さを表し、特性不安は場面を通じて不安を感じやすいという個人の傾向を表す。「状態不安は生まれつきの性格として捉えられ、経験によって動きにくい面をもつ」は誤りで、場面によって動きにくいとされるのは特性不安の側である。「状態不安は特性不安が高い選手に生じ、低い選手には現れにくい」も誤りで、状態不安は特性不安の高さにかかわらずだれにでも生じるもので、その時点での不安の強さを表す。

    HINT 同じ人でも試合ごとに動くものと、その人に備わっているもの。

  56. イメージや目標設定などの心理的スキルを身につける取り組みを進める手順として最も適切なものはどれか。

    • 1試合の場面で直ちに用いることから始め、必要に応じて後から仕組みを学ばせていく
    • 2仕組みを理解する段階、練習で定着させる段階、試合で用いる段階の順に進める正解
    • 3練習の場面で用いるものと位置づけ、試合では別の方法に切り替えさせる

    Answer

    正解 2:仕組みを理解する段階、練習で定着させる段階、試合で用いる段階の順に進める

    正しいのは「仕組みを理解する段階、練習で定着させる段階、試合で用いる段階の順に進める」である。心理的スキルの習得は、何のために何をするのかを理解させる段階から始め、練習の中で繰り返して身につけ、そのうえで試合の場面へ持ち込むという順で進めるのが基本になる。「試合の場面で直ちに用いることから始め、必要に応じて後から仕組みを学ばせていく」は誤りで、練習で身につけていない手立てを試合で用いても狙った効果は出にくい。「練習の場面で用いるものと位置づけ、試合では別の方法に切り替えさせる」も誤りで、練習で身につけたものを試合で用いることが取り組みの目的である。

    HINT 技術の練習と同じで、覚える・練る・使うという順で進む。

  57. 競技者が強い心理的な負担を訴え、日常の生活にも支障が出ている場面での指導者の対応として最も適切なものはどれか。

    • 1自分が担える範囲を伝えたうえで、心理の専門家への受診につなぐ正解
    • 2心理の専門家と同じ技法を学び、指導者自身が治療の役目まで引き受ける
    • 3競技の場面での負担が原因と判断し、練習量を調整しつつ様子を見る

    Answer

    正解 1:自分が担える範囲を伝えたうえで、心理の専門家への受診につなぐ

    正しいのは「自分が担える範囲を伝えたうえで、心理の専門家への受診につなぐ」である。日常の生活にも支障が及んでいる状態は指導者が扱える範囲を超えるため、自分の役割の範囲を本人に伝え、心理の専門家へ受診を促すのが適切な対応になる。「心理の専門家と同じ技法を学び、指導者自身が治療の役目まで引き受ける」は誤りで、短期の学習で治療を担えるようになるわけではなく、役割の範囲を踏み越えることになる。「競技の場面での負担が原因と判断し、練習量を調整しつつ様子を見る」も誤りで、原因を競技の負担に見立てて様子を見るだけでは、必要な専門的な関わりが遅れる。

    HINT 日常の生活に支障が出ている段階で、指導者が担える範囲を考える。

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